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アルコール摂取と因果関係のあるがん種

アルコール摂取と因果関係のある7つのがんとそのメカニズムがんのリスクは少量の飲酒でも増加すること、アルコール摂取と因果関係のあるがん種について、米国・保健福祉省公衆衛生局の長官が2025年1月に勧告しました。アルコール摂取と因果関係のあるがん種・乳がん(女性) ・大腸がん ・食道がん・口腔がん・肝臓がん・咽頭がん ・喉頭がんアルコールによる「がん」を引き起こす4つのメカニズム1. アセトアルデヒドによるDNAやタンパク質の損傷アルコールはアセトアルデヒドに分解され、それがさまざまな方法でDNAに損傷を与え、がんのリスクを高めます。2. 酸化ストレスアルコールは酸化ストレスを引き起こしてDNAタンパク質や細胞を損傷し、炎症を増加させることでがんのリスクを高めます。3. ホルモンの変化アルコールはエストロゲンを含むさまざまなホルモン値を変化させ、乳がんリスクを高めます。4. 発がん性物質を吸着するアルコールは発がん性物質の吸収を促進します。たとえば、アルコールはタバコの煙のような発がん性物質の溶媒として作用します。これにより、有害な粒子が身体に浸透しやすくなり、DNA損傷を引き起こし、とくに口腔がんなどのリスクを高めます。出典:Alcohol and Cancer Risk 2025(The U.S. Surgeon General’s Advisory)https://www.hhs.gov/surgeongeneral/priorities/alcohol-cancer/index.htmlCopyright © 2025 CareNet,Inc. All rights reserved.

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第247回 フジテレビ問題は医療界と無縁ではない?その理由とは

メディアという存在は報道以外でも常にさまざまな人に影響を与えている。週刊誌を発行する出版社は、漫画・小説などのコンテンツも常時世に送り出しているし、テレビもドラマをはじめとするエンターテイメント番組を放送している。その意味で医療界に一定の影響を与えているコンテンツの1つに医療ドラマがあることに異論がある人はいないのではないだろうか?公益財団法人 川野小児医学奨学財団が2023年3月に行った「医学生の志望理由・学生生活・進路に関する意識調査」によると、「なぜ医学部に入りたいと思ったのですか?」(複数回答)との問いに、「映画やドラマ、本などを通じて興味を持ったから」との回答が19.9%で5番手に入っている。また、個人的な経験でも看護学部卒の知人から、ドクターヘリで活躍する医師をテーマにしたドラマ「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」に憧れてフライトナースになろうと思ったことがあるとの話を聞かされている。ちなみに医療ドラマというと、少なからぬ医療者からは「現実離れして荒唐無稽」との評価を受けることもあるが、昨今は医療監修も厳格化しているため、私が子供の頃、1970年代後半くらいに目にした「天地がひっくり返ってもあり得ない医療シーン」が登場することはほぼないと言ってよい。このように医療者を目指すきっかけになるほど影響を与える医療ドラマは、テレビ局内でどのような評価を受けているのか? あるテレビ局勤務の知人に聞いてみると、「やはり内容によりますが、基本的に数字(視聴率)は取れます。とくに水戸黄門みたいな医療ドラマだと数字が取れますね」とのこと。「水戸黄門」と言われ、「???」と思ったが、要は“悪い奴らを懲らしめる”という構図が加わると、視聴率に好影響なのだという。確かに医療ドラマではこの手の構図が多い。一例を挙げると、アメリカ帰りのナース・プラクティショナーの資格を有する看護師が主人公の「ザ・トラベルナース」(テレビ朝日系)は、経営最優先の院長や自分たちが最上位の医療者と自負する医師に看護師が立ち向かう設定である。また、このテレビ局勤務の知人は私見と断りながらも「病院は多くの人にとって身近な存在にもかかわらず、一般人ではわからない独特の世界感があること、患者さんという圧倒的弱者がいることも興味を引きやすいと思います」と語る。ちなみに知人は報道畑の人なのだが、「実は報道でも医療現場の映像やニュースは視聴率が下ブレしにくいコンテンツ」と教えてくれた。実際、ビデオリサーチの調べによる2024年連続ドラマ平均世帯視聴率(関東地区)のトップ3のうち、第1位は若手外科医を描いた「ブラックペアン シリーズ2」(TBS系)、第2位が前述の「ザ・トラベルナース2」だ。こうしたドラマの制作には一般人が考えるよりも多くの制作費が使われている。ざっと1話当たり3,000万円前後。通常の連続ドラマは、テレビ局のワンシーズン(3ヵ月)で完結することが多く、最大で約12話。つまり1つの連続ドラマで3億円以上の制作費を要する。医療ドラマが医療者の輩出にも貢献さて、私がなぜこんなことをつらつらと書いたかというと、2000年以降に放映された医療ドラマの一覧を眺め、何となく集計していたら興味深いことがわかったからだ。この中から「獣医ドリトル」を除くすべての放映キー局を集計すると、トップはフジテレビが28番組、以下は順にTBSが23番組、日本テレビとテレビ朝日がそれぞれ14番組、テレビ東京が5番組、NHKが2番組となった。いま話題の渦中のフジテレビが断トツのトップなのである。前述のコード・ブルーもまさにフジテレビ系であり、これ以外にも「Dr.コトー診療所」「チーム・バチスタ」など、多くの視聴者に影響を与えたであろう、極めて視聴率の高い著名医療ドラマが多い。だが、ご存じのように今のフジテレビは、引退を表明したタレントの中居 正広氏を巡る問題でCM差し止めを決定した企業は、判明しているだけで80社に迫ろうとしている。先日の10時間超にもおよんだ記者会見時(実は私はノンストップで見ていたが)に、財務的な影響についてはフジテレビ側は精査中として明らかにしなかったが、一部報道では最大数百億円規模にのぼる可能性も指摘されている。フジテレビの財務状況は、フジ・メディア・ホールディングスの決算説明資料を見ると、2024年3月期決算の単体の売上高は2,382億円で、このうちCM収入は1,473億円である。このうち数百億円が吹っ飛ぶとなれば、その影響は甚大である。当然ながら、若い医療者の輩出に貢献していた医療ドラマの“雄”の制作にも影響が及ぶだろう。その意味ではフジテレビの再生は医療業界にまったく無縁とは言えない。もっとも会見で明らかになったフジテレビの対応は、どこをどう突いてもいただけない。ここ数日はこの件に対する同社社員の関与を報じた週刊文春の記事が誤報だったことが話題の中心になっているが、少なくとも私個人は、その点は問題の枝葉だと思う。むしろ問題の中核は、フジテレビの仕事を通じなければ出会わなかったであろう被害女性と出演者という同社のステークホルダー間で起き、かつ被害申告まであった問題について、企業として主体的に解決に導けず、結果として当事者間の示談で終わらせてしまった事実上の不作為にあると考えている。

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rabies(狂犬病)【病名のルーツはどこから?英語で学ぶ医学用語】第19回

言葉の由来「狂犬病」は英語で“rabies”といいます。この病名は、ラテン語の“rabies”に由来し、これは「狂気」や「激怒」を意味します。さらにさかのぼると、ラテン語の“rabere”(激怒する)という動詞に関連しており、これは狂犬病に感染した動物や人間が示す過度の攻撃性や不安定な行動を反映して付けられたとされています。また、古代ギリシャでは、この病気を“lyssa”または“lytta”と呼んでいました。これは「狂乱」や「狂気」を意味する言葉で、狂犬病ウイルスの属名である“Lyssavirus”はこのギリシャ語に由来しています。歴史的には、紀元前5世紀ごろのギリシャの哲学者デモクリトスが狂犬病について記述しており、同時代のヒポクラテスも「狂乱状態の人々は水をほとんど飲まず、不安になり、最小の物音にも震え、痙攣を起こす」と記録しています。狂犬病は致死率がきわめて高く、長年にわたって恐れられていた病気ですが、19世紀後半にフランスの化学者ルイ・パスツールによって狂犬病ワクチンが開発され、予防可能な感染症になりました。併せて覚えよう! 周辺単語神経症状neurological symptoms恐水病hydrophobia予防接種vaccination興奮状態agitationこの病気、英語で説明できますか?Rabies is a viral disease that causes inflammation of the brain in humans and other mammals. It is typically transmitted through the bite of an infected animal. Early symptoms often include fever, headache, and a tingling at the site of exposure. As the disease progresses, symptoms can include violent movements, uncontrolled agitation, fear of water, and inability to move parts of the body.講師紹介

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成人ADHDに対するさまざまな治療の有用性比較〜ネットワークメタ解析

 成人の注意欠如多動症(ADHD)に対する利用可能な介入のベネフィットとリスクの比較は、これまで十分に行われていなかった。英国・オックスフォード大学のEdoardo G. Ostinelli氏らは、これらの重要なギャップを解消し、将来のガイドライン作成に役立つ入手可能なエビデンスを包括的に統合するため、システマティックレビューおよびコンポーネントネットワークメタ解析(NMA)を実施した。The Lancet Psychiatry誌2025年1月号の報告。 2023年9月6日までに公表された、成人ADHDに対する薬理学的および非薬理学的介入を調査した発表済みおよび未発表のランダム化比較試験(RCT)を複数のデータベースより検索した。ADHDと診断された18歳以上の成人に対する症状改善を目的とした治療介入群と対照群またはその他の適格な積極的介入群を比較したRCTの集計データを含めた。薬理学的介入は、国際ガイドラインに従い最大計画投与量が適格であると判断された研究のみを対象とした。薬理学的介入は1週間以上、心理学的介入は4セッション以上、神経刺激的介入は適切とみなされる任意の期間であったRCTを分析に含めた。薬物療法、認知機能トレーニング、神経刺激単独療法のRCTについては、二重盲検RCTのみを対象に含めた。2人以上の研究者により、特定された研究を独立してスクリーニングし、適格なRCTよりデータを抽出した。主要アウトカムは、有効性(12週間に最も近い評価時点における自己評価および臨床医評価尺度によるADHDの中核症状の重症度変化)および受容性(すべての原因による治療中止)とした。介入を特定の治療要素に分解し、ペアワイズランダム効果およびコンポーネントNMAを使用して、標準化平均差(SMD)およびオッズ比(OR)を推定しました。研究および執筆には、成人ADHDの実体験を有する人が関与した。 主な結果は以下のとおり。・3万2,416件の研究のうち、113件のRCT、1万4,887例(女性:6,787例[45.6%]、男性:7,638例[51.3%]、性別不明:462例[3.1%])を分析対象に含めた。・113件のRCTには、薬理学的介入63件(55.8%、参加者:6,875例)、心理学的介入28件(24.8%、1,116例)、神経刺激的介入およびニューロフィードバック10件(8.8%、194例)、対照群97件(85.8%、5,770例)が含まれた。・12週時点でのADHD中核症状の軽減は、自己評価および臨床医評価の両方において、アトモキセチンと神経刺激薬が、プラセボよりも高い有効性を示した(NMAの信頼性[CINeMA]:非常に低い〜中程度)。【アトモキセチン】自己評価尺度SMD:−0.38(95%CI:−0.56〜−0.21)、臨床医評価尺度SMD:−0.51(95%CI:−0.64〜−0.37)【神経刺激薬】自己評価尺度SMD:−0.39(95%CI:−0.52〜−0.26)、臨床医評価尺度SMD:−0.61(95%CI:−0.71〜−0.51)・認知行動療法、認知機能改善療法、マインドフルネス認知療法、心理教育、経頭蓋直流電気刺激法は、臨床医評価尺度のみでプラセボよりも優れていた。【認知行動療法】臨床医評価尺度SMD:−0.76(95%CI:−1.26〜−0.26)【認知機能改善療法】臨床医評価尺度SMD:−1.35(95%CI:−2.42〜−0.27)【マインドフルネス認知療法】臨床医評価尺度SMD:−0.79(95%CI:−1.26〜−0.29)【心理教育】臨床医評価尺度SMD:−0.77(95%CI:−1.35〜−0.18)【経頭蓋直流電気刺激法】臨床医評価尺度SMD:−0.78(95%CI:−1.13〜−0.43)・許容性に関しては、アトモキセチンとグアンファシン以外は、プラセボと同等であった。【アトモキセチン】OR:1.43、95%CI:1.14〜1.80、CINeMA:中程度【グアンファシン】OR:3.70、95%CI:1.22〜11.19、CINeMA:高い・受容性は、プラセボよりも低かった。・自己評価によるADHD中核症状のベースライン重症度、公表年、男性の割合、ADHDと他の精神疾患を併発している患者の割合は、自己評価によるADHD中核症状の未調整非構成要素モデルで観察された異質性を説明できなかった。・治療期間の異質性には、ほとんど影響を及ぼさなかった。 著者らは「短期的に成人ADHD患者の中核症状を軽減する点で、神経刺激薬およびアトモキセチンによる薬理学的介入は、自己評価および臨床医評価の両方においてその有効性が裏付けられた。しかし、アトモキセチンは、プラセボよりも許容性が不良であった」とし「ADHD治療薬は、QOLなどの追加の関連アウトカムに対し効果が実証されておらず、長期的なエビデンスは不十分である。また、非薬理学的介入の効果は、評価者により一貫性が認められていない」としている。

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日本における遺伝子パネル検査、悪性黒色腫の治療到達割合は6%

 悪性黒色腫(メラノーマ)は、アジア諸国では欧米に比べてまれな疾患であり、前向き臨床試験による検証が難しい状況がある。日本において、包括的がんゲノムプロファイリング検査(CGP)を使用して悪性黒色腫患者の遺伝子変異と転帰を解明することを目的とした後ろ向き研究が行われた。北海道大学の野口 卓郎氏らによる本研究の結果は、JCO Precision Oncology誌2025年1月9日号に掲載された。 研究者らは、標準治療が終了(完了見込みも含む)し、保険適用となるCGPを受けた悪性黒色腫患者のデータをがんゲノム情報管理センター(C-CAT)から得て、結果を分析した。 主な結果は以下のとおり。・2020年10月~2023年5月に、C-CATに登録された569例の悪性黒色腫患者が対象となった。遺伝子パネル検査の種類はFoundationOneCDxが84%、FoundationOne Liquid CDxが6%、OncoGuide NCCオンコパネルシステムが9.7%で、それぞれ324、324、137遺伝子が解析対象となった。・悪性黒色腫の発生部位は皮膚悪性黒色腫が64%、粘膜悪性黒色腫が28%、ブドウ膜悪性黒色腫が7%だった。・遺伝子変異で多かったものはBRAFが25%、NRASが20%、NF1が17%、KITが17%だった。BRAFの82%、NRASの97%、NF1の69%、KITの54%が特定の薬剤で対応可能な変異だった。・BRAF V600E/K変異は皮膚の22%、粘膜の2%で発生したが、ブドウ膜では発生しなかった。皮膚悪性黒色腫における平均腫瘍負荷は4.2variants/Mbだった。・BRAF V600E/K変異体を有する患者のうち、16例は検体採取前にBRAF/MEK阻害薬による治療を受けている一方で、66例は受けていなかった。以前にBRAF標的療法で治療を受けた患者は、治療を受けていない患者よりも頻繁にBRAFおよび細胞周期遺伝子の増幅を示した。・Molecular Tumor Board(MTB:がんゲノム医療カンファレンス)は全体の3分の1の患者に治療の推奨を行ったが、実際に推奨された治療を受けた患者は36例(6%)だった。36例中29例は詳細な治療情報が得られ、10人は米国食品医薬品局(FDA)承認薬以外の治療を受けていた。 研究者らは「BRAF、NRAS、NF1、KITにおける遺伝子変化は、日本人の悪性黒色腫患者によく見られるが、推奨に従って治療を受けた患者は少なかった。日本においては承認薬、もしくは臨床試験における治療薬へのアクセスを容易にすることが求められている」とした。

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BRAF V600E変異mCRC、1次治療のエンコラフェニブ+セツキシマブが有用(BREAKWATER)

 前治療歴のあるBRAF V600E変異型の転移大腸がん(mCRC)に対して、BRAF阻害薬・エンコラフェニブと抗EGFRモノクローナル抗体・セツキシマブの併用療法(EC療法)はBEACON試験の結果に基づき有用性が確認され、本邦でも承認されている。一方、BRAF V600E変異mCRCに対する1次化学療法の有効性は限定的であることが示されており、1次治療としてのEC療法の有用性を検証する、第III相BREAKWATER試験が計画・実施された。 1月23~25日、米国・サンフランシスコで行われた米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム(ASCO-GI 2025)では、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのScott Kopetz氏が本試験の解析結果を発表し、Nature Medicine誌オンライン版2025年1月25日号に同時掲載された。・試験デザイン:国際共同第III相無作為化比較試験・対象:未治療のBRAF V600E変異mCRC、ECOG 0~1・試験群:EC群:エンコラフェニブ+セツキシマブEC+mFOLFOX6群:エンコラフェニブ+セツキシマブ+mFOLFOX6(オキサリプラチン、ロイコボリン、5-FU)・対照群:標準化学療法(SOC)群:CAPOX or FOLFOXIRI or mFOLFOX6±ベバシズマブ・評価項目:[主要評価項目]無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)[副次評価項目]全生存期間(OS)、奏効期間(DOR)、安全性など※試験中にプロトコルが変更され、EC+mFOLFOX6群とSOC群を比較する試験デザインとなった。今回はORRの1次解析、OSの暫定的解析が報告され、PFSをはじめとするほかの評価項目は解析中で、後日報告される予定だ。 主な結果は以下のとおり。・2021年11月16日~2023年12月22日にEC+mFOLFOX6群に236例、SOC群243例が割り付けられた。治療期間中央値はEC+mFOLFOX6群で28.1週間、SOC群で20.4週間であり、データカットオフ(2023年12月22日)時点でEC+mFOLFOX6群は137例、SOC群は82例が治療継続中だった。・ORRはEC+mFOLFOX6群60.9%、SOC群40.0%だった(オッズ比:2.44、95%信頼区間[CI]:1.40~4.25、p=0.0008)。奏効期間中央値は13.9ヵ月対11.1ヵ月であった。設定されたすべてのサブグループにおいて同様の結果が認められた。DORが6ヵ月または12ヵ月を超える患者の割合は、EC+mFOLFOX6群ではSOC群の約2倍だった。・OSデータは未成熟であったが、EC+mFOLFOX6群が優位な傾向が見られた。・重篤な有害事象の発現率は、37.7%と34.6%であった。安全性プロファイルは既知のものと同様であった。 研究者らは、「本試験では、BRAF V600E変異を有するmCRC患者を対象に、1次治療としてのEC+mFOLFOX6併用療法がSOC療法と比較して、有意に高い奏効率を示し、その奏効が持続することが示された」とした。なお、2024年12月、米国食品医薬品局(FDA)は、本試験の結果に基づき、エンコラフェニブとセツキシマブの併用療法をBRAF V600E変異を有するmCRCの1次治療として迅速承認している。

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重大な副作用にアナフィラキシー追加、アルギニン含有製剤など/厚労省

 2025年1月29日、厚生労働省はアルギニン含有注射剤などに対して、添付文書の改訂指示を発出した。副作用の項に重大な副作用としてアナフィラキシーの追記がなされる。 対象医薬品は以下のとおり。◯プラスアミノ輸液(混合アミノ酸・ブドウ糖製剤)◯ツインパル輸液(混合アミノ酸・ブドウ糖・無機塩類製剤)◯ビーフリード輸液(その他の配合剤)◯アルギU点滴静注(一般名:L-アルギニン塩酸塩)◯アルギニン点滴静注(同) 今回、アルギニン含有注射剤についてアナフィラキシー関連症例を評価して専門委員の意見も聴取した結果、アナフィラキシーとの因果関係が否定できない症例が集積した品目について、使用上の注意を改訂することが適切と判断された。 また、検討の過程で、アルギニンのみを有効成分とし、添加剤を含まない注射剤投与後のアナフィラキシー関連症例の集積を踏まえ、アルギニンによるアナフィラキシー発現の可能性に関して専門委員及び関連学会の意見を聴取したところ、アルギニンがマスト細胞を直接刺激しヒスタミンなどの化学伝達物質を遊離させる可能性1)の指摘があったことから、調査対象はアルギニン含有注射剤のうち、「副作用」の重大な副作用の項にアナフィラキシーの記載がない品目とした。しかしながら、その後の専門協議において、マスト細胞を直接刺激する機序については仮説に過ぎないとの意見があったこと、高浸透圧製剤の静脈内投与に起因する可能性があること、アルギニンは体内で生合成されるアミノ酸であることから、現時点でアルギニンそのものによりアナフィラキシーが発現し得るかは明確でないと判断し、アルギニン含有注射剤を一律に措置対象とするのではなく、措置の要否については、各品目の副作用症例の評価を基に検討された。 なお、他の品目については、専門協議にてアナフィラキシーとの因果関係が否定できないと評価された症例があるものの、集積が少なくかつこれらの症例ではアナフィラキシー発現の原因として併用薬等も考えられることから、集積がない品目も含め、現時点では使用上の注意の改訂は不要と判断されたが、アルギニンを添加剤として含有する注射剤についても、上記と同様に、添付文書の記載状況を踏まえた上で、必要に応じてアナフィラキシー関連症例の確認・評価を実施するとしている。

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「プレハビリテーション」は有効か?~メタ解析/BMJ

 運動、栄養ならびに運動を含む多要素的な手術前のリハビリテーション(プレハビリテーション)は、手術を受ける成人患者に有用で、ネットワークメタ解析およびコンポーネントネットワークメタ解析において一貫した意味のある効果推定値が得られたことを、カナダ・オタワ大学のDaniel I. McIsaac氏らが報告した。著者は、「これらプレハビリテーションを臨床ケアにおいて考慮すべきであることが示唆された。一方で、プレハビリテーションの有効性をより確実にするためには、優先度の高いアウトカムに関して適切な検出力のあるバイアスリスクが低い多施設共同試験が必要である」とまとめている。BMJ誌2025年1月22日号掲載の報告。無作為化比較試験のネットワークおよびコンポーネントネットワークメタ解析を実施 研究グループは、手術を受けた成人患者の術後合併症、入院期間、健康関連QOLおよび身体回復に及ぼす相対的な有効性を推定する目的で、無作為化比較試験のシステマティックレビューとネットワークメタ解析およびコンポーネントネットワークメタ解析を行った。 Medline、Embase、PsycINFO、CINAHL、Cochrane Library、Web of Scienceを2022年3月1日に検索し、2023年10月25日に再検索して対象研究を特定した。対象研究の選択基準は、待機的手術を受ける18歳以上の成人を対象にプレハビリテーション群と対照(通常ケア、標準ケア)群を比較した無作為化試験で、重要なアウトカムを報告しているものとし、術前のリスク因子管理(禁煙、貧血治療など)を単独で評価した研究や、プレハビリテーションの期間が7日未満の研究などは除外した。 評価者2人がそれぞれ対象研究を特定し、1人がデータ抽出を、他の1人が検証を行った後、研究リーダー1人と他の評価者1人がコクランバイアスリスクツールを用いてバイアスリスクを評価した。 治療レベルでの各アウトカムに関するエビデンスの確実性は、CINeMA(Confidence in Network Meta-Analysis)を用いて評価した。多要素介入は、合併症、入院期間、健康関連QOL、術後の身体的回復を改善 186件の無作為化比較試験(被験者計1万5,684例)が解析対象となった。 ランダム効果ネットワークメタ解析の結果、通常ケアと比較して以下のプレハビリテーションは合併症を減少させる可能性が高かった。・運動単独(オッズ比:0.50[95%信頼区間[CI]:0.39~0.64]、エビデンスの確実性:非常に低い)・栄養単独(0.62[0.50~0.77]、非常に低い)・運動+栄養+心理社会的ケアの併用(0.64[0.45~0.92]、非常に低い) また、次のプレハビリテーションは、通常ケアと比較して入院期間を短縮する可能性が高かった。・運動+心理社会的ケアの併用(-2.44日[95%CI:-3.85~-1.04]、非常に低い)・運動+栄養の併用(-1.22日[-2.54~0.10]、中程度)・運動単独(-0.93日[-1.27~-0.58]、非常に低い)・栄養単独(-0.99日[-1.49~-0.48]、非常に低い) 健康関連QOLおよび身体的回復の改善に有効だったのは、運動+栄養+心理社会的ケアの併用で、Short Form(SF)-36 の身体項目スコアの平均群間差は3.48(95%CI:0.82~6.14、エビデンスの確実性:非常に低い)、6分間歩行テストでの距離の平均群間差は43.43m(95%CI:5.96~80.91、エビデンスの確実性:非常に低い)であった。 コンポーネントネットワークメタ解析の結果、運動と栄養はすべての重要なアウトカムを改善する可能性が最も高かった。すべてのアウトカムに関するすべての比較のエビデンスの確実性は、試験レベルのバイアスリスクと不正確さのため、一般的に低いまたは非常に低いであったが、バイアスリスクが高い試験を除外した場合、運動と栄養のプレハビリテーションの有効性の確実性は高かった。

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