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がんの緩和ケア、「穏やかに看取る」から「健やかに過ごす」へ/日本肺学会

 がん治療の進展に伴い、がん治療における緩和ケアにも変化が起きている。11月に行われた第61回日本肺学会学術集会では、「肺緩和ケアの新時代~長期治療の中での緩和~」と題したシンポジウムが行われ、演者がそれぞれの立場から現状を報告した。 演者の1人、飯塚病院連携医療・緩和ケア科の柏木 秀行氏は、がん緩和ケアの原則となる「WHO方式がん疼痛治療法」が一部改訂されたことを紹介。前版にあった「鎮痛剤使用の5原則」中の「除痛ラダーに沿って効力の順に」という記載が削除され、症状や個人に応じた個別化が緩和ケアでも進んでいる状況を紹介した。 また、現状の課題として、がん緩和ケアにおいて非薬物療法を提供する重要性にも言及。一例として、肺がんや前立腺がんに多い骨転移では、身体を動かすリハビリ療法が痛みの緩和に有効であり、看護師やPT・OTをはじめとする多職種によるチーム医療が緩和ケアにおいても重要になっている、とした。 柏木氏は「オピオイドによる鎮痛一辺倒だった、かつてのがん緩和療法から状況は大きく変わり、非身体的アプローチや非薬物療法など、症状や患者ごとのニーズが多様化している。医師は自分の主観だけでなく、チーム医療の視点を活かして緩和療法に取り組むべき」と述べた。さらに「がん患者の高齢化が進み、がんだけでなく併存疾患をもつ患者さんが多くを占めるようになっている。一病院の枠を超え、緩和ケアとプライマリ・ケアの統合など、地域の状況に合わせた緩和ケア体制の再編も必要となるだろう」とまとめた。がん患者のメンタルリスクにどう対処するか 続いて、岡山大学病院精神科神経科の井上 真一郎氏が「精神症状の緩和 抑うつを中心に」と題し、精神科医の立場から、がん患者の精神的ケアについて発表を行った。 がん患者はがんの宣告、薬剤による副反応、再発など、各段階においてうつ状態になりやすい状況にある。井上氏は「気分が落ち込むのは当然だが、日常生活に支障が出るくらいの落ち込みが2週間以上に続けば、うつ病を疑うことになる」と述べ、さらにうつ病患者には、精神症状だけでなくさまざまな身体症状が出ることを指摘。こちらも、がんそのものや薬剤の副反応から来る身体症状との見分けが難しいため、「普段の診療時に気持ちのつらさを聞くなど、定期的にうつ病のアセスメントを取り入れることが重要だ」とした。 うつ病のアセスメント方法として、2質問法1)、つらさと支障の寒暖計2)、PHQ-93)という3つのツールを紹介したうえで、「どれも有用なツールだが、がん患者は多くの気がかりを抱え、診断基準に当てはまる方が大勢いる。こうしたとき診断の一助となるのが、『今のしんどさが取れれば、気持ちがラクになりますか?』という問いかけ。がん症状から気持ちがつらい患者は『それはそうだろう』と答えるが、うつ病患者はそうした状況すら想像できない、いわゆる心理的な視野狭窄に陥っているケースが多い」とアドバイスした。 さらに、「うつ病が強く疑われるケースでは、必ず希死念慮の確認をして欲しい」と強調。「死に関する質問はしにくいだろうが、オブラートに包み過ぎず、シンプルに『死にたいと思うことはありますか』と問いかけ、深刻と判断すればすぐ専門医につないで欲しい」とした。 最後に、うつ病とせん妄の誤診リスクも指摘。「せん妄というと、攻撃的になる『過活動型せん妄』が想起されるが、新たなサブタイプとして活動意欲が薄れる『低活動型せん妄』がある。こちらはさらにうつ病との見分けがつきにくく、認知症等に隠れて見逃されるケースも多い。こうした疾病の存在も念頭に置いて対応して欲しい」とした。

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SGLT1/2阻害薬sotagliflozin、心不全悪化の糖尿病患者に有効な可能性/NEJM

 心不全の悪化で入院した糖尿病患者において、退院前または退院直後にナトリウム・グルコース共輸送体1/2(SGLT1/2)阻害薬sotagliflozinによる治療を開始すると、心血管死と心不全による入院・緊急受診の総数が、プラセボに比べ有意に低下することが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のDeepak L. Bhatt氏らが行った「SOLOIST-WHF試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2020年11月16日号に掲載された。SGLT2阻害薬は、安定心不全患者において、心不全による入院および心血管死のリスクを低減すると報告されている。一方、非代償性心不全のエピソード後に間もなく開始したSGLT2阻害薬投与の安全性と有効性は知られていないという。32ヵ国306施設が参加したプラセボ対照無作為化第III相試験 研究グループは、心不全の悪化により入院した糖尿病患者の治療におけるsotagliflozinの安全性と有効性を評価する目的で、二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験を実施した(SanofiとLexicon Pharmaceuticalsの助成による)。32ヵ国306施設が参加し、2018年6月~2020年3月の期間に患者登録が行われた。 対象は、年齢18~85歳、心不全の徴候および症状がみられたため入院し、利尿薬の静脈内投与を受け、初回入院前に2型糖尿病と診断されるか、初回入院中に検査で2型糖尿病の診断を支持する証拠が得られた患者であった。被験者は、退院前または退院後3日以内にsotagliflozinもしくはプラセボの投与を受ける群に無作為に割り付けられた。sotagliflozinは、副作用を考慮しつつ400mg(1日1回)まで増量してよいとされた。 本試験は、出資者からの資金提供を失ったため早期中止となった。主要エンドポイントは、試験の検出力を高めるために、心血管死、心不全による入院・緊急受診の総数に変更された。退院前・後の投与はいずれも良好、心血管死・全死因死亡には差がない 1,222例が登録され、sotagliflozin群に608例、プラセボ群には614例が割り付けられた。全体の年齢中央値は70歳、女性が33.7%、白人が93.2%であった。79.1%が左室駆出率50%未満で、推定糸球体濾過量中央値は49.7mL/分/1.73m2、糖化ヘモグロビン中央値は7.1%、NT-proBNP中央値は1,799.7pg/mLであった。48.8%が退院前に試験薬の初回投与を受け、51.2%は退院後に受けた(中央値で退院後2日[IQR:1~3])。追跡期間中央値は9.0ヵ月。 主要エンドポイントのイベントは600件(sotagliflozin群245件、プラセボ群355件)発生した。100人年当たりの発生割合は、sotagliflozin群がプラセボ群よりも低かった(51.0件vs.76.3件/100人年、ハザード比[HR]:0.67、95%信頼区間[CI]:0.52~0.85、p<0.001)。事前に規定されたすべてのサブグループにおいて、主要エンドポイントはsotagliflozin群で良好な傾向が認められ、退院前(0.71、0.51~0.99)および退院後(0.64、0.45~0.90)の投与開始のいずれにおいても有意に優れた。 主要エンドポイントに、入院の原因となった心不全による緊急受診を重複して含めている懸念があったため、心不全による緊急受診を除外し、心血管死と心不全による入院の総数を検討したところ、主要エンドポイントと一致した結果(HR:0.68、95%CI:0.53~0.88)が得られた。 また、心不全による入院・緊急受診の発生割合(40.4% vs.63.9%、HR:0.64、95%CI:0.49~0.83、p<0.001)もsotagliflozin群で低く、主要エンドポイントの結果と一致していた。心血管死(10.6% vs.12.5%、0.84、0.58~1.22、p=0.36)および全死因死亡(13.5% vs.16.3%、0.82、0.59~1.14)には両群間に差はなかった。 変更前の主要エンドポイント(心血管死または心不全による入院)の結果(HR:0.71、95%CI:0.56~0.89)も、変更後の主要エンドポイントと一致していた。 投与中止の原因となった重篤な有害事象は、sotagliflozin群3.0%、プラセボ群2.8%で発現した。最も頻度の高い有害事象は、低血圧(sotagliflozin群6.0% vs.プラセボ群4.6%)、尿路感染症(4.8% vs.5.1%)、下痢(6.1% vs.3.4%)であった。急性腎障害はsotagliflozin群4.1%、プラセボ群4.4%で認められ、重篤な低血糖はsotagliflozin群で頻度が高かった(1.5% vs.0.3%)。 著者は、「本試験では、駆出率が保持された心不全患者におけるsotagliflozinの有益性の評価を行う予定であったが、試験の早期終了およびこのサブグループの患者数が少なかったことから、この点に関して確固たる結論を導き出すのは困難であった」としている。

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フィナステリドの副作用、45歳以下では自殺傾向・うつとの関連が顕著

 インターネットやテレビで男性型脱毛症(AGA)治療の広告を目にしない日はないだろう。脱毛症の治療は身近なものになってきているが、脱毛症および良性前立腺肥大症(BPH)治療に使用されるフィナステリドについて、自殺傾向やうつ増大との関連が認められることが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のDavid-Dan Nguyen氏らにより報告された。同治療におけるフィナステリドの有害事象は議論の的となっており、使用男性の自殺企図または自殺例が報告されるようになったのは2012年ごろであったが、今回の検討では、45歳以下の脱毛症患者において、自殺傾向や心理的有害事象との顕著な関連性が認められたという。著者は、「今回の研究結果は、若年の患者にフィナステリドを処方する際は、自殺傾向、うつ、不安症のリスクを考慮する必要があることを示唆するものであった」と述べる一方で、「本研究によってバイアスがかかる可能性があり、さらなる調査が必要である」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2020年11月11日号掲載の報告。フィナステリドの副作用に対して若年患者のほうが脆弱であることを示唆 研究グループは、自殺傾向(念慮、企図、既遂)および心理的有害事象(うつ、不安症)とフィナステリド使用との関連を調べる薬物誘発ケース・非ケース研究を実施した。不均衡分析(ケース・非ケースデザイン法)にて、世界保健機関(WHO)のVigiBase(個別ケースの安全性レポートの世界的なデータベース)で、フィナステリドについて報告された注目される副作用の警告を検出し、検討した。 関連性の強度は報告オッズ比(ROR)を用いて調べ、拡大感度分析では、適応症(BPHおよび脱毛症)、年齢(45歳以下および45歳超)で層別化したうえで、フィナステリドと同様の適応症に使用される、機序が異なる薬剤(脱毛症:ミノキシジル、BPH:タムスロシン塩酸塩)の比較、フィナステリドと同一作用機序および有害事象プロファイルを有する薬剤(デュタステリド)の比較、および2012年前後の自殺傾向の報告を比較した。 フィナステリドについて報告された注目される副作用の警告を検出・検討した主な結果は以下のとおり。・データは2019年6月に入手し、2020年1月25日~2月28日に解析を行った。・VigiBaseにおいて、フィナステリド使用者の自殺傾向の報告356件、心理的有害事象報告2,926件、計3,282件の注目される有害事象の報告を入手した(男性3,206例[98.9%]、18~44歳のデータ入手可能例615/868例[70.9%])。・フィナステリド使用者における自殺傾向(ROR:1.63、95%信頼区間[CI]:1.47~1.81)および心理的有害事象(ROR:4.33、95%CI:4.17~4.49)の有意な不均衡シグナルが特定された。・感度解析で、若年患者(ROR:3.47、95%CI:2.90~4.15)および脱毛症患者(ROR:2.06、95%CI:1.81~2.34)は、自殺傾向の増加に対して有意な不均衡シグナルを示した。こうしたシグナルは、BPHの高齢患者では検出されなかった。・感度解析で、これらの有害事象の報告が2012年以降に大幅に増加したことも示された(ROR:2.13、95%CI:1.91~2.39)。・感度解析の結果は、示された有意な不均衡シグナルは、喚起された報告によるものおよび/またはフィナステリドの副作用に対して若年患者のほうが脆弱であることを示唆するものであった。

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インフルとの鑑別を追記、COVID-19診療の手引き第4版/厚生労働省

 12月4日、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」を公開した。 同手引きは診療の手引き検討委員会が中心となって作成され、第1版は3月17日に、第2版は5月18日に、第3版は9月4日に公表され、随時最新の内容に更新している。 今回の改訂では、日本産科婦人科学会の協力を得て、臨床像や院内感染対策の更新を図ったほか、検査法、薬物療法などに関する新しい知見や行政対応に関する情報を反映させている。 同委員会では「これまでと同様に医療現場で参考にされ、患者の診療ケアの一助となることを期待する」と述べている。主な改訂点【臨床像】・「臨床像」の画像所見の紹介点数が重症度別に追加された・「重症化のリスク因子」で妊婦が削除された・「合併症」で「二次性細菌・真菌感染症」が追記された・「症状の遷延(いわゆる後遺症)」で日本の知見が追記された・「妊婦例の特徴」が1項目追記された【症例定義・診断・届出】・「抗原検査」の「各種検査の特徴」など図表が刷新された・「インフルエンザとの鑑別」が1項目追記された【薬物療法】・「薬物療法」中の「その他の薬剤例」でアドレノメデュリン、イベルメクチン、バリシチニブが追記された・同じく「薬物療法」中で「回復者血漿など」が1項目追記された【院内感染対策】・「死後のケア」中で「個別の場面における主な関係者」の表が追記された

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新たな後発品促進策はバイオシミラーに焦点 個別薬剤の指標も示唆【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第58回

薬局において、後発医薬品の情報収集や採用業務はもはやルーチンワークになったのではないでしょうか。私が薬剤師になった2000年代前半の後発医薬品は、メーカーからの情報提供は不十分で、包装などもイマイチでしたし、患者さんの認知度も低くて拒否されることも多くありました。現在では調剤する薬剤の半分以上が後発医薬品になり、患者さんも抵抗はないように思います。それは、国の後押しと現場の薬剤師の地道な努力の成果だと私は思っています。この国の後押しに関しては、2017年に閣議決定されたいわゆる「骨太の方針2017」で、2017年当時は60%台だった後発医薬品の使用割合を2020年9月までに80%とするという目標を定めて使用を促進しました。また、最終期限である2020年9月に向けた最後のテコ入れとして、同年4月の調剤報酬改定では、後発医薬品の使用割合が低い場合の後発医薬品調剤体制加算は引き下げられ、高い場合は引き上げられました。「できる薬局」にアメを集中的に与えることで、後発医薬品の使用をさらに促すという意図が読み取れました。最新の2020年9月時点での使用割合が公表されるのはもう少し先になりそうですが、4月あたりで70%台後半に達していると聞きます。コロナ禍のイレギュラーな医療現場の状況では、もし目標未達であったとしても細かく追及されることはないように思いますが、今後もさらに後発医薬品の使用を促進するための動きが出てきました。田村憲久厚生労働相は11月27日の経済財政諮問会議で、バイオシミラー(BS)の使用促進策を含めた後発品の「新目標」を今年度中に設定することを表明した。医療現場や患者が抱く有効性・安全性に対する不安や、経済的なインセンティブが働かない高額療養費制度などが普及のハードルとなっているBSに関しては、諮問会議の民間議員も重点課題として位置付け目標設定するよう提言。大型バイオ医薬品の特許切れによってBS成分数は現時点では計14成分に増加しており、厚生労働省は「個別薬剤」まで踏み込んだ対策や数量以外の指標追加も検討する構えだ。(2020年11月30日付 RISFAX)「え! また新たな目標が設定されるの!?」と思ったのは私だけではないはずです。この記事によると、2019年9月の薬価調査に基づき推計した後発医薬品への切り替えによる医療費適正効果額は1兆6,166億円となっていますが、バイオシミラーの金額割合は約20%にとどまっています。先発バイオ医薬品は非常に高価な薬剤が多いですが、バイオシミラーだと薬価が約70%になりますので、切り替えのインパクトは大きいと着目したのでしょう。バイオシミラーは先発バイオ医薬品と適応に違いがあるなど、実際に切り替える際には課題も少なくありませんが、まだ品目が少ない現状だからこそ個別薬剤を狙い撃ちにした対策や指標の検討をにおわせています。バイオシミラーと後発医薬品の違いがわからなかったり、有用性に懸念があったりする患者さんは多いため、地道に後発医薬品を紹介してきたときのような努力がまた必要となるかもしれません。早くも年内に目標が設定されそうですので、今後の動向を見守りたいと思います。

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第37回 どこにでもある薬のCOVID-19重症化予防効果を調べる試験がアフリカで始まった

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に効く薬を見つけるための数多の試験が世界のあちこちで実施されていますが、アフリカではこれまでほぼ皆無でした。しかしこの9月から、とても価値があるのにほとんど手つかずな使命を帯びた大規模試験がアフリカで始まっています1)。その使命とは、COVID-19患者が重症化して入院せずに済むようにする安くてどこでも手に入る薬を見つけ出すことです。ANTICOVという名称のその試験2,3)では、今さらという感がありますが、世界保健機関(WHO)のSolidarity試験や英国でのさらに大規模なRecovery試験でCOVID-19入院患者にはっきりと無効だったマラリア薬・ヒドロキシクロロキンが最初に検討される試験薬の一つとなっています4)。ANTICOVはいまのところコンゴ共和国でのみ進行中ですが、やがては13ヵ国で軽度~中等度のCOVID-19患者2,000~3,000人が参加する予定です。C型肝炎薬ソホスブビル、駆虫薬nitazoxanideやイベルメクチン、痛風薬コルヒチンなどの多数の薬の検討が予定されていますが、まず試されるのは上述のヒドロキシクロロキンとHIV薬・カレトラ(ロピナビル/リトナビル)です4)。理由はどうあれ病院に来た患者にCOVID-19検査を受けてもらい、感染が確認されて酸素飽和度(SpO2)94%以上などの選択基準を満たした患者を試験に招待します。試験参加を了承した患者は対照薬・アセトアミノフェン(パラセタモール)か試験薬のいずれかを決められた期間服用し、アプリへの入力や電話への回答で症状が毎日記録されます。主要転帰はこの上なく明確で、薬の割り当てから3週間(21日間)以内に酸素飽和度が93%以下に陥ることです。そうなったら服用薬が効かなかったと判断され、国によってはWHO主催の入院患者対象Solidarity試験などに参加することができます。先週のScienceのニュース1)によると、コンゴ共和国に続いて今週にはケニアで患者募集が始まります。300人のデータが揃った時点で最初の中間解析が実施され、その後は新たに加わった300人のデータが揃うたびに途中解析が順次実施されます4)。試験で検討される薬は今後追加され、中間解析で有効か無効の判定基準を満たした薬は試験を卒業していきます。ANTICOV試験でまず検討されるヒドロキシクロロキンは入院患者に明らかに無効だったことに加えて予防効果や軽症への効果もなかったとする報告もあり、ヒドロキシクロロキンから始めるなんてことは自分ならしないと英国のSolidarity試験を率いた医師の一人Martin Landray氏は言っています1)。しかしANTICOV試験のガーナ担当を率いるJohn Amuasi氏は試す価値があると考えています。同剤を標準薬とするアフリカの国は依然として多く3)、ANTICOV試験で無効と判明すればその効果への期待を断つことができるのです。それに、利益相反を考慮の上でこれまでの試験一揃いを解析した最近の報告では早めのヒドロキシクロロキン投与に軍配が上がっており5)、効果の望みは全くないというわけではなさそうです。ヒドロキシクロロキンは先鋒にふさわしくなさそうとはいえ、Landray氏はANTICOVのような試験の価値を認めています。誰もがいかなるときにも使えていざという時に大量に供給可能な治療薬は見つけておく必要があるからです。参考1)First-of-its-kind African trial tests common drugs to prevent severe COVID-19/Science2)ANTICOV/DNDi3)Largest clinical trial in Africa to treat COVID-19 cases before they become severe is launched in 13 countries/DNDi4)ANTICOV試験プロトコール5)Mechanism of action of chloroquine/hydroxychloroquine for COVID-19 infection /EurekAlert

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エンコラフェニブ+ビニメチニブ+セツキシマブ、BRAF変異大腸がんに国内承認/小野

 小野薬品工業、2020年11月27日、BRAF阻害薬エンコラフェニブ(商品名:ビラフトビ)およびMEK阻害薬ビニメチニブ(商品名:メクトビ)とEGFR抗体セツキシマブとの3剤併用療法、およびエンコラフェニブとセツキシマブの2剤併用療法における「がん化学療法後に増悪したBRAF遺伝子変異を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸」に対する効能又は効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表。エンコラフェニブおよびビニメチニブとセツキシマブとの3剤群のOSが有意な延長 今回の承認は、1次または2 次治療後に進行したBRAF V600E変異を有する治癒切除不能な進行または再発の結腸・直腸がんを対象に実施された国際共同無作為化非盲検第III相試験(BEACON CRC試験)の結果に基づいている。 同試験の結果、エンコラフェニブおよびビニメチニブとセツキシマブとの3剤群は対照群と比較して、主要評価項目の1 つである全生存期間(OS)で統計学的に有意な延長を示した(HR:0.52;95%VI:0.39~0.70、p<0.0001)。もう 1 つの主要評価項目である盲検下独立中央判定の奏効率についても、3剤群が対照群と比較して、統計学的に有意な改善を示した(p<0.0001)。また、副次評価項目であるエンコラフェニブとセツキシマブの2剤併用療法(2剤群)におけるOSも、2剤群で統計学的に有意なOSの延長を示した(HR:0.60、95%CI:0.45~0.79、p=0.0002)。本試験におけるエンコラフェニブとビニメチニブの安全性プロファイルに関しては、3剤群および2剤群の両群において予期せぬ毒性は認められなかった。

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COVID-19パンデミック時の休校、子供の寿命に影響か

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック時、学校が休校となった国が多いが、子供たちの健康への影響はないのだろうか。米国・ワシントン大学のDimitri A. Christakis氏らが、COVID-19パンデミックに関連して生じうる損失生存年数(years of life lost:YLL)を米国の小学校の休校もしくは開校継続の条件で推定したところ、開校継続が支持される結果となった。JAMA Network Open誌2020年11月12日号に掲載。 この決定分析モデルでは、米国の疾病予防管理センター(CDC)、社会保障局、国勢調査局の2020年のデータを含む公的に利用可能なデータを使用し、休校と学歴低下との関連、学歴低下と平均余命との関連を推定した。また、COVID-19による死亡率、開校を継続してCOVID-19が増加した場合に生じうる死亡率の増加も推定した。主要アウトカムはYLL。 主な結果は以下のとおり。・2020年のパンデミックで、計2,420万人の5〜11歳の子供が通っていた公立学校が休校となり、中央値で54日間(四分位範囲:48〜62.5)の授業が失われた。・休校による平均YLLは、男子で0.31年(95%信頼区間[CI]:0.10~0.65)、女子で0.21年(同:0.06~0.46)であった。人口全体における休校に関連したYLLは、553万年(同:188~1080万年)と推定された。・CDCの報告では、米国では2020年5月末までにCOVID-19で8万8,241人が死亡していることから、YLLは150万年(95%CI:123〜185万年)と推定された。もし開校を継続した場合のYLLの上乗せは、休校とパンデミック蔓延の減少の関連を検討した研究結果に基づくと147万年(同:45~259万年)と予測され、計297万年(同:188〜430万年)となる可能性が示された。・「開校」と「休校」の両条件において推定されたYLLの分布を比較・分析すると、開校継続では休校時よりも合計YLLが低いことが98.1%の確率で観察された。 著者らは、「この決定分析モデルでは開校継続が支持された。今後、パンデミック中の休校の決定は、教育の混乱と予想される寿命短縮との関連を考慮し、休校によって子供の健康に生じうるアウトカムを重視する必要がある」と結論している。

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認知症診断後1年以内の自殺リスク

 重度の認知症であれば、自殺を実行するための機能が損なわれることで自殺を防ぐことができるが、初期および軽度の認知症の場合、認知機能が比較的保たれているため、疾患の進行による将来への不安を醸成し、自殺の実行を助長する可能性がある。韓国・延世大学校のJae Woo Choi氏らは、認知症診断を受けてから1年以内の高齢者の自殺リスクについて調査を行った。Journal of Psychiatry & Neuroscience誌オンライン版2020年10月29日号の報告。アルツハイマー型認知症は自殺リスクが高かった 国民健康保険サービスのシニアコホートデータを用いて、2004~12年に認知症と診断された高齢者3万6,541例を抽出した。認知症の定義は、ミニメンタルステート検査(MMSE)スコア26以下および臨床的認知症評価尺度(CDR)スコア1以上またはGlobal Deterioration Scale(GDS)スコア3以上とし、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、その他/特定不能の認知症を含めた。性別、年齢、併存疾患、インデックス年で1:1の傾向マッチングを行い認知症でない高齢者を対照群として抽出し、2013年までフォローアップを行った。認知症診断後1年以内の自殺による死亡の調整済みハザード比(aHR)を推定するため、時間依存的Cox比例ハザードモデルを用いた。 認知症診断を受けてから1年以内の高齢者の自殺リスクの調査の主な結果は以下のとおり。・認知症診断後、最初の1年間で46例の自殺が確認された。・認知症高齢者は、対照群と比較し、自殺リスクが高かった(aHR:2.57、95%信頼区間[CI]:1.49~4.44)。・アルツハイマー型認知症(aHR:2.50、95%CI:1.41~4.44)またはその他/特定不能の認知症(aHR:4.32、95%CI:2.04~9.15)の高齢者は、対照群と比較し、自殺リスクが高かった。・他の精神疾患を合併していない認知症患者(aHR:1.96、95%CI:1.02~3.77)および合併している認知症患者(aHR:3.22、95%CI:1.78~5.83)は、対照群と比較し、自殺リスクが高かった。・統合失調症(aHR:8.73、95%CI:2.57~29.71)、気分障害(aHR:2.84、95%CI:1.23~6.53)、不安症または身体表現性障害(aHR:3.53、95%CI:1.73~7.21)と認知症を合併している患者は、認知症を合併していない各疾患の患者と比較し、自殺リスクが高かった。 著者らは「本研究は、自殺率の高い韓国の高齢者を対象とした試験であり、異なる背景を有する集団に本結果をそのまま当てはめるには、注意が必要である」としながらも「認知症診断後1年以内での自殺リスクの上昇が認められた」としている。

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高用量オメガ3脂肪酸、高リスク患者のMACE発生を抑制せず/JAMA

 スタチン治療中の心血管高リスクの患者において、通常治療に加えてのEPAとDHAのカルボン酸製剤(オメガ-3CA)の摂取はコーン油摂取と比較して、主要有害心血管イベント(MACE)の複合アウトカムの発生に有意差はなかったことが示された。オーストラリア・モナシュ大学のStephen J. Nicholls氏らが多施設共同二重盲検無作為化試験「STRENGTH試験」の結果を報告した。EPAとDHAのオメガ-3脂肪酸が心血管リスクを抑制するかは明らかになっていない。一方で、オメガ-3CAはアテローム性脂質異常症や心血管高リスクの患者の脂質および炎症マーカーに対して好ましい効果があることが文書化されていた。著者は、「今回の結果は、MACE抑制を目的とした高リスク患者でのオメガ-3CAの使用を支持しないものであった」とまとめている。JAMA誌オンライン版2020年11月15日号掲載の報告。22ヵ国のスタチン治療中患者を対象に、コーン油と比較 オメガ-3CAまたはコーン油摂取について比較した試験は、北米、欧州、南米、アジア、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカの22ヵ国・675の大学または地域病院で、スタチン治療中で心血管リスクが高く、高トリグリセライド血症およびHDLコレステロール(HDL-C)が低値の患者を対象に行われた。2014年10月30日~2017年6月14日に登録が行われ、試験は2020年1月8日に終了、最終患者の受診は2020年5月14日であった。 被験者は、スタチン等の通常の治療に加えて、4g/日のオメガ-3CAを摂取する群(6,539例)または不活性比較群として機能することを目的としたコーン油を摂取する群(6,539例)に、無作為に割り付けられた。 有効性の主要評価項目は、心血管死・非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中・冠動脈血行再建術・入院を要した不安定狭心症の複合(MACE)であった。有益性の可能性が見込めず試験は早期に中止 1,384例の患者に主要エンドポイントのイベントが発生した時点(計画では1,600件)で行われた中間解析の結果、オメガ-3CAがコーン油よりも臨床的有益性を認める可能性は低いことが示され、試験は早期に中止となった。 治療中であった1万3,078例の患者(平均年齢62.5[SD 9.0]歳、女性35%、糖尿病70%、LDL-C中央値75.0mg/dL、トリグリセライド中央値240mg/dL、HDL-C中央値36mg/dL、高感度CRP中央値2.1mg/dL)において、1万2,633例(96.6%)が主要エンドポイント発生に関する試験を完了した。 主要エンドポイントの発生は、オメガ-3CA群785例(12.0%)、コーン油群795例(12.2%)であった(ハザード比[HR]:0.99[95%信頼区間[CI]:0.90~1.09]、p=0.84)。 消化器系の有害事象の発現が、オメガ-3CA群(24.7%)でコーン油群(14.7%)よりも高頻度に観察された。

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第24回 風邪薬1箱飲んだら、さぁ大変!【救急診療の基礎知識】

●今回のPoint1)若年者の嘔気・嘔吐では必ず鑑別に!2)拮抗薬はきちんと頭に入れておこう!【症例】26歳女性。ご主人が帰宅すると、自宅で繰り返し嘔吐している患者さんを発見し、辛そうにしているため救急要請。救急隊からの情報では、リビングの机の上には市販薬の空箱が数箱あり、嘔吐物には薬塊も含まれていた様子。●受診時のバイタルサイン意識10/JCS血圧119/71mmHg脈拍98回/分(整)呼吸25回/分SpO299%(RA)体温36.2℃瞳孔3/3 +/+既往歴特記既往なし内服薬定期内服薬なし最終月経2週間前風邪薬の成分とはみなさん風邪薬を服用したことがあるでしょうか? 医療者はあまり使用することはないかもしれませんが、一般の方は風邪らしいなと思ったら薬局などで購入し、内服することは多いでしょう。救急外来や診療所に発熱や咳嗽を主訴に来院する患者さんの中には、市販薬が効かないから来院したという方が一定数いるものです。市販薬を指定されている量を内服している場合には、それが理由でとんでもない副作用がでることはまれですが、当然服用量が過剰になればいろいろと問題が生じます。風邪薬の成分は、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの解熱鎮痛薬、クロルフェ二ラミンマレイン酸塩などの抗ヒスタミン薬、ジヒドロコデインリン酸塩などの鎮咳薬、そして無水カフェインが含まれている商品が多いです。今回は救急外来で遭遇する頻度が比較的高い「アセトアミノフェン中毒」について重要な点をまとめておきます。その他、カフェイン、ブロン、ブロムなども市販薬の内服で起こり得る中毒のため、是非一度勉強しておくことをお勧めします。アセトアミノフェンの投与量以前、アセトアミノフェンは1日最大量1,500mg(1回最大量500mg)と少量の使用しか認められていませんでしたが、2011年1月から1日最大量4,000mg(1回最大量1,000mg)と使用可能な量が増えました。また、静注薬も発売され、みなさんも外来で痛みを訴える患者さんに対して使用していることと思います。高齢者に対しても、肝機能障害やアルコール中毒患者では2,000〜3,000mg/日を超えないことが推奨されていますが、そうでなければ1回の投与量は10〜15mg/kg程度(1,000mgを超えない)が妥当と考えられています。アセトアミノフェン中毒とはアセトアミノフェンは、急性薬物中毒の原因物質として頻度が高く、救急外来でもしばしば遭遇します。最も注意すべきは肝障害であり、アセトアミノフェン中毒で急性肝不全を呈した患者の3週間死亡率は27%と非常に高率です1)。そのため、十分量使用しながらも中毒にならないように管理する必要があります。アセトアミノフェンの大部分は肝臓で抱合され尿中に排泄されますが、一部は肝臓で分解され、N-アセチル-p-ベンゾキノンイミン(NAPQI)を生成し、これをグルタチオンが抱合することで尿中に排泄されます。NAPQIは毒性が高いのですが、アセトアミノフェンが適正の量であれば、グルタチオンによって解毒されます。しかし、過剰量の場合には、グルタチオンが枯渇し、正常の30%程度まで減少するとNAPQIが蓄積、肝細胞壊死へと進行してしまいます2)。そのため、アセトアミノフェンを過剰に摂取した場合には、グルタチオンを増やすことが必要になるわけです。NACとは中毒診療において重要なこととして、拮抗薬の存在が挙げられます。拮抗薬が存在する薬剤は限られるため頭に入れておきましょう(参考:第7回 意識障害その6 薬物中毒の具体的な対応は?)。アセトアミノフェンに対する拮抗薬はN-アセチルシステイン(NAC)です。NACは、グルタチオンの前駆体であり、中毒症例、特に肝細胞壊死へと至ってしまうような症例では必須となります。タイミングを逃さず、NACの投与が開始できれば肝不全は回避できます。ちなみにこのNAC、投与経路は経口です。静注ではありません。臭いをかいだことがある人は忘れない臭いですよね。腐った卵のあの臭い…。NACはいつ投与するかそれではいつNACを投与するべきでしょうか。アセトアミノフェンの血中濃度が迅速に判明する場合には、その数値を持って治療の介入の有無を判断することがある程度することが可能です。ちなみに、アセトアミノフェン摂取後の経過時間を考慮した血中濃度で判断する必要があり、内服直後の数値のみをもって判断してはいけません。一般的には4時間値が100μg/mLを超えているようであればNAC開始が望ましいとされます(以前は150μg/mLでしたが、肝障害発症の予防を強固に、そして医療費の削減のため基準値が下げられました)。“Rumack-Matthewのノモグラム”は有名ですね2)。そのため、摂取時間を意識した測定、経過観察が大切です。測定が困難な場合には、内服した量から推定するしかありません。アセトアミノフェンを150mg/kg以上(50kgであれば7,500mg)服薬していた場合にはNAC療法が推奨されます。この7,500mgという量をみてどのように思いますか? 前述した通り、アセトアミノフェンの1日の最大投与量として許容されている量は4,000mgです。中毒量が目の前に存在することがよくわかると思います。痛みに悩む患者さんは多く、処方されている薬を飲み過ぎてしまうと、簡単に中毒量に達してしまう可能性があるため注意が必要なのです。1箱飲んだら危険製品にもよりますが、アセトアミノフェンが含有される風邪薬や頭痛薬など鎮痛薬と称される市販薬は、1錠に含まれるアセトアミノフェンは80~200mg程度と少量の物が多いのですが、1箱80錠のものも存在します。また、インターネット上で購入しようと思えば500mg錠100錠など、中毒量を購入することは簡単にできてしまうのが現状です。初療時のポイントは、本症例のように嘔気・嘔吐を認める患者など過量内服患者を拾い上げること、そしてNACの適応となり得る量を内服していないかを血中濃度や推定内服量から見積もり判断することです。さいごにアセトアミノフェンは使用し易く、処方する機会は多いと思います。しかし、使用方法を間違ってしまうと肝不全へ陥ってしまう可能性のある恐い薬でもあります。安全な薬というイメージが強いかもしれませんが、いかなる薬もリスクであるため、処方する際には正しい内服方法を丁寧に患者さんに説明しましょう。また、過量内服患者ではNACの適応を理解し、肝障害を防ぎましょう。1)Ostapowicz G,et al. Ann Intern Med. 2002;137:947-954.2)Heard KJ. N Engl J Med. 2008;359:285-292.

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「誰に相談すべきなの?」――開業前のお悩みを整理【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第6回

第6回 「誰に相談すべきなの?」――開業前のお悩みを整理漫画・イラスト:かたぎりもとこ開業を考えはじめた時には「何から手を付ければいいのか」「誰に相談すればいいのか」と悩まれる方が多いでしょう。適切な時期に適切な相手に相談することで、効率的に必要な知識を得ることができます。まず、現在の自分は、下記のどちらに当たるのかを確認してください。(1)開業を検討しはじめたばかり(2)開業に向けた基本的な知識があり、物件探しを開始した(1)開業を検討しはじめたばかりこの場合は、まずは開業セミナーへの参加や開業系の本を読むこと、また開業した先輩へ相談されることをお勧めします。広く薄く情報をインプットすることで、開業するうえでどんなことが障害になりそうか、何を大切にしたいかなど、考えが徐々に明確になってきます。また、自分の知識が足りない分野を確認することもできるでしょう。ここで注意したいのが、(1)の段階の方が「まずは物件探しだ!」と、いきなり不動産仲介会社や医業承継コンサルタントに相談に行くケースがよくあることです。自分の開業のイメージが固まらない段階でこうしたプロに依頼しても、コミュニケーションコスト(相手に伝えたいことを理解させる時間)が膨大にかかり、お互いに無駄が多くなります。<開業セミナー参加時の注意点>開業セミナーに参加する場合は、各業者のキャッシュポイント(どこで売上を立てているか)に着目しておくことも重要です。事業者の中には開業支援を無料で行い、その後、異なる段階(キャッシュポイント)で費用を回収するケースも少なくありません。そのような前提を理解したうえで、開業支援を依頼するか判断しましょう。開業支援事業者のキャッシュポイントには下記のようなものがあります。相談時に費用が発生する…新規開業コンサルタント等成功時(開業時)に費用が発生する…承継開業コンサルタント、不動産仲介事業者、医療機器業者、内装・建築業者開業後に費用が発生する…リース業者、税理士、医薬品卸業者、調剤薬局(費用ではないが医院の存在が薬局運営の集客源となる)(2)開業に向けた基本的な知識があり、物件探しを開始した(2)の方の場合、自身が新規または医業承継のどちらの開業形態に向いているかを検討し、そちらの専門性の高い事業者へ物件探しを依頼しましょう。新規開業と医業承継支援は似ているようで、求められる専門性や知識は大きく異なります。新規開業を支援しても、承継開業に必要となる税務面や法務的な知識を苦手とする事業者も多いのです。自分の希望する条件や診療所のイメージを伝え、事業者とコネクションをつくっておくことで魅力的な物件が出た際にいち早く声を掛けてもらえ、スムーズな開業につながります。

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事例015 腕の創傷処理の査定【斬らレセプト シーズン2】

解説麻酔を用いずに実施したスキンステープラー縫合を、K000創傷処理5で算定したところ、事由B(医学的に過剰・重複と認められるものをさす)で査定となりました。手術料を算定する場合で、通常行われる麻酔が伴っていないケースでは、J000創傷処置で算定するとのルールがあるようです。今回、それが適用されたものと考えられます。創傷処理の留意事項には、「切・刺・割創または挫創に対して切除、結紮または縫合(ステープラーによる縫合を含む)を行う場合の第1回治療のこと」と注釈があります。デブリードマン加算を算定する場合以外に、通常麻酔を必要とするとの注釈はありません。また、麻酔なしの創傷処理4 筋肉臓器に達しないもの(直径5cm未満)には麻酔なしでも査定がありません。さらに、多くの場合はステープラーによる創閉鎖には麻酔を用いません。今回は処理範囲が広いため、査定予防に「麻酔を用いずにステープラー使用」と補記して算定したことがあだとなってしまったようです。本事例では、創傷処理にステープラーが認められていることと、麻酔を用いずに使用することが多いことから、創閉鎖の状況説明を付けて再審査請求を行っています。過去にも同様の査定があり再審査請求を行ったところ、一部を除き復活しています。査定がなされた場合、そのまま鵜呑みせずに、理由を確認して再審査請求を行うことも適切な診療報酬算定に必要と考えています。なお、ステープラーとよく混同されるのですが、ステリストリップなどの皮膚接合用テープに関しては、創閉鎖のみは結索または縫合とみなされずに創傷処置での算定となります。

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ラムシルマブの30分投与、国内承認/日本イーライリリー

 日本イーライリリーは、2020年11月27日、抗悪性腫瘍剤ラムシルマブ(商品名:サイラムザ)について、すべての適応に対する投与時間短縮に係る承認事項一部変更承認を取得した。  この承認は、ラムシルマブにおける既承認のがん種等を対象に実施された国内外の臨床試験で得られ たラムシルマブの薬物動態及び母集団薬物動態モデルを用いたモデリング&シミュレーションに基づいたもの。 すべての適応に対して、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮が可能となる。

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姉の乳がん発症年齢で、妹の発症リスクも高まる可能性

 姉が乳がん歴を有する場合、妹の乳がんスクリーニングにおいてはその発症年齢を考慮する必要がある可能性が示唆された。米国・国立環境衛生科学研究所のAnn Von Holle氏らが、2万例を超える姉妹コホートの前向き研究結果を、International Journal of Epidemiology誌オンライン版2020年11月28日号に発表した。 著者らは、2万3,145人の姉妹コホートを前向きに調査し、乳がん歴のある姉の診断時の年齢前後でその妹の乳がんリスクが変化したかどうかを調べた。Cox回帰モデルの年齢依存性共変数を使用して、参加者がその姉の診断年齢に近い場合の乳がん発症のハザード比を、姉が全く異なる年齢で診断された同年齢の女性と比較して推定した。なお、若年発症の家族性がんによる相関関係を除外するために、50歳以上で登録した女性を個別に調査した。 主な結果は以下のとおり。・2万3,145人の女性のうち、追跡期間中(中央値9.5年)に1,412人が乳がんを発症した。・姉の診断時の年齢における妹の乳がん発症の推定ハザード比は1.80(95%信頼区間:1.18~2.74)であり、姉が全く異なる年齢で診断された同年齢の女性と比較してリスクが大幅に増加していた。・50歳以上で登録した女性へ制限した場合も同様の結果が得られた。 著者らは、この家族内集積は、晩年であっても、乳がん発症のタイミングに影響を与える重要な遺伝的および/または初期の環境リスク要因が存在する可能性があることを示唆すると結論づけている。

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ペムブロリズマブと化学療法の併用、進行・再発食道がん1次治療に国内承認申請/MSD

 MSDは、2020年11月30日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)について、化学療法(シスプラチン+5-フルオロウラシル)との併用療法において、根治切除不能な進行・再発の食道に対する1次治療としての製造販売承認事項一部変更を承認申請したと発表。 今回の製造販売承認事項一部変更承認申請は、局所進行または転移性食道がんおよび食道胃接合部(GEJ)がんの1次治療として、キイトルーダと化学療法(シスプラチン+5-フルオロウラシル)との併用療法をプラセボ+化学療法と比較した、第III相KEYNOTE-590試験の結果に基づくもの。この試験でペムブロリズマブ併用療法群は化学療法に比べ、有意な延長を認めている。

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最前線の医療従事者におけるCOVID-19発生による不安・抑うつへの影響

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、人々の健康やウェルビーイングに深刻な影響を及ぼしている。最前線でCOVID-19への対応が求められる医療従事者では、その影響はさらに大きくなると考えられる。中国・山東大学のLi-Qun Xing氏らは、最前線で勤務する医療従事者の不安、抑うつ、ストレスに対するCOVID-19の心理的影響を明らかにするため、検討を行った。The International Journal of Social Psychiatry誌オンライン版2020年10月24日号の報告。 中国・済南市にある病院において最前線で勤務する医療従事者を対象に、横断的調査を実施した。基本的な人口統計データ、10項目のCOVID-19によるストレスに関する質問票、自己評価式不安尺度(SAS)、うつ性自己評価尺度(SDS)を含む自己評価質問票を用いて、対象者よりデータを収集した。COVID-19による不安、抑うつ、ストレスのリスクと頻度を推定した。 主な結果は以下のとおり。・対象者309人中、不安症は88人(28.5%)、うつ病は172人(56.0%)であった。・多変量ロジスティック回帰分析において、不安または抑うつと独立して関連が認められた因子は以下のとおりであった。【不安との関連】 ●30歳以下(OR:4.4、95%信頼区間[CI]:1.6~12.2) ●31~45歳(OR:3.1、95%CI:1.1~8.8) ●COVID-19隔離病棟での勤務(OR:2.3、95%CI:1.4~4.0) ●消毒対策が不十分だと感じる(OR:2.5、95%CI:1.5~4.3)【抑うつとの関連】 ●30歳以下(OR:3.8、95%CI:1.8~7.8) ●31~45歳(OR:2.7、95%CI:1.3~5.7) ●看護師(OR:2.5、95%CI:1.1~5.6) ●消毒対策が不十分だと感じる(OR:2.1、95%CI:1.3~3.5) 著者らは「最前線の医療従事者では、COVID-19発生により、不安や抑うつ症状の有症率が増加していた。とくに若年スタッフや看護師では、心理的ケアの必要性が高かった。専門家による感染予防対策は、医療従事者の心身の健康を守るために重要である」としている。

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難治性高コレステロール血症、evinacumabでLDL-C半減/NEJM

 難治性高コレステロール血症患者の治療において、アンジオポエチン様蛋白3(ANGPTL3)の完全ヒト化モノクローナル抗体であるevinacumab(高用量)はプラセボに比べ、LDLコレステロール値を50%以上低下させることが、米国・マウント・サイナイ・アイカーン医科大学のRobert S. Rosenson氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2020年11月15日号に掲載された。ANGPTL3は、リポタンパク質リパーゼや血管内皮リパーゼを阻害することで、脂質代謝の調節において重要な役割を担っている。ANGPTL3の機能喪失型変異を有する患者は、LDLコレステロールやトリグリセライド、HDLコレステロールが大幅に低下した低脂血症の表現型を示し、冠動脈疾患のリスクが一般集団より41%低いと報告されている。evinacumabは、第II相概念実証研究の機能解析で、LDL受容体とは独立の機序でLDLコレステロールを低下させる作用が示唆されている。皮下投与で3用量、静脈内投与で2用量とプラセボを比較 本研究は、難治性高コレステロール血症患者におけるevinacumabの安全性と有効性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化第II相試験であり、20ヵ国85施設が参加した(Regeneron Pharmaceuticalsの助成による)。 対象は、年齢18~80歳、難治性高コレステロール血症を有するヘテロ接合性または非ヘテロ接合性の原発性家族性高コレステロール血症で、エゼチミブの有無を問わず、最大耐用量のPCSK9阻害薬またはスタチンに抵抗性の患者であった。難治性高コレステロール血症は、アテローム性動脈硬化による心血管疾患がある場合は70mg/dL以上、ない場合は100mg/dL以上と定義された。 被験者は、evinacumabまたはプラセボを皮下または静脈内投与する群に無作為に割り付けられた。皮下投与では、450mg/週、300mg/週、300mg/2週、プラセボに1対1対1対1の割合で、静脈内投与では、15mg/kg/4週、5mg/kg/4週、プラセボに1対1対1の割合で割り付けられた。 主要エンドポイントは、ベースラインから16週のLDLコレステロールの変化率とした。HDLコレステロールも用量依存性に低下 272例が登録され、皮下投与例(163例、平均年齢54±13.2歳、女性62%、ヘテロ接合性72%)ではevinacumab 450mg群に40例、同300mg/週群に43例、同300mg/2週に39例、プラセボ群には41例が、静脈内投与例(109例、54.6±11.0歳、56%、81%)では、15mg/kg/4週群に39例、5mg/kg/4週群に36例、プラセボ群には34例が割り付けられた。全例がPCSK9阻害薬の投与を受けており、44%が最大耐用量のスタチン、30%がエゼチミブの投与を受けていた。 16週の時点で、皮下投与例におけるベースラインからのLDLコレステロール値の変化率の最小二乗平均値の差は、450mg群とプラセボ群が-56.0ポイント、300mg/週群とプラセボ群が-52.9ポイント、300mg/2週群とプラセボ群は-38.5ポイントであった(いずれもp<0.001)。また、静脈内投与例における変化率の最小二乗平均値の差は、15mg/kg/4週群とプラセボ群が-50.5ポイント(p<0.001)、5mg/kg/4週群とプラセボ群は-24.2ポイントの差であった。皮下投与例、静脈内投与例とも、2週後にはevinacumab治療への反応が認められ、16週まで維持された。 脂質値は、evinacumabの皮下投与および静脈内投与が、プラセボに比べて実質的に低下した。リポ蛋白(a)を除き、アテローム性リポ蛋白はevinacumabの用量依存性に低下した。 皮下投与例におけるHDLコレステロールの16週時のベースラインからの変化は、450mg群が-27.9%、300mg/週群が-30.3%、300mg/2週は-19.5%であり、プラセボ群は-1.7%であった。また、静脈内投与例では、15mg/kg/4週群が-31.4%、5mg/kg/4週群は-14.9%であり、プラセボ群は1.9%だった。 治療期間中の有害事象の発生率は各群54~84%の範囲であり、重篤な有害事象の発生率は3~16%の範囲であった。治療中止の原因となった有害事象は、3~6%で発生した。 著者は、「これらの結果は、ANGPTL3の阻害による、心血管疾患に対する潜在的な有益性を支持するものである」と結論し、「evinacumabで観察されたHDLコレステロール低下の重要性はまだ十分に解明されていないが、自然発生的な遺伝学的ANGPTL3欠損症の患者では、低HDLコレステロールは心血管疾患のリスク増大とは関連がなかったと報告されている」と指摘している。

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SGLT1/2阻害薬sotagliflozin、CKD併存の糖尿病に有効な可能性/NEJM

 2型糖尿病と慢性腎臓病(CKD)(アルブミン尿の有無は問わない)が併存する患者の治療において、ナトリウム・グルコース共輸送体1/2(SGLT1/2)阻害薬sotagliflozinはプラセボに比べ、心血管死、心不全による入院、心不全による緊急受診の複合リスクを低下させるが、とくに注目すべき有害事象の頻度は高いことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のDeepak L. Bhatt氏らが行った「SCORED試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2020年11月16日号で報告された。糖尿病とCKDが併存すると、心不全や虚血性イベントのリスクがいっそう高まる。糖尿病の有無にかかわらず、CKD患者へのSGLT2阻害薬の使用を支持する無作為化試験のデータがあるが、これらの試験は患者選択基準で推定糸球体濾過量の低下に加え顕性アルブミン尿の発現を求めている。一方、CKDが併存する糖尿病患者の治療におけるsotagliflozinの有効性と安全性は十分に検討されていないという。44ヵ国750施設が参加したプラセボ対照無作為化第III相試験 本研究は、CKDが併存する糖尿病患者におけるsotagliflozinの有効性と安全性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験であり、44ヵ国750施設が参加し、2017年12月~2020年1月の期間に患者登録が行われた(SanofiとLexicon Pharmaceuticalsの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、2型糖尿病(糖化ヘモグロビン値≧7%)で、CKD(推定糸球体濾過量25~60mL/分/1.73m2)を伴い、心血管疾患のリスクを有する患者であり、アルブミン尿の有無は問われなかった。被験者は、標準治療に加え、sotagliflozin(200mg、1日1回)またはプラセボの投与を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。sotagliflozinは、許容されない副作用の発現がなければ400mg(1日1回)まで増量可とされた。 本試験は、目標イベント数に達する前に、資金不足で早期中止となった。主要エンドポイントは、早期中止決定時に、心血管死、心不全による入院、心不全による緊急受診の複合に変更された。心血管死に差はない、変更前の複合主要エンドポイントは良好 1万584例が登録され、5,292例がsotagliflozin群(年齢中央値69歳[IQR:63~74]、女性44.3%)に、5,292例がプラセボ群(69歳[63~74]、45.5%)に割り付けられた。治療期間中央値は、それぞれ14.2ヵ月(IQR:10.3~18.9)および14.3ヵ月(10.3~18.9)で、追跡期間中央値は16ヵ月だった。 主要エンドポイントのイベント発生率は、sotagliflozin群が100人年当たり5.6件、プラセボ群は7.5件(ハザード比[HR]:0.74、95%信頼区間[CI]:0.63~0.88、p<0.001)であった。心不全による入院と心不全による緊急受診の複合の発生率は、sotagliflozin群が100人年当たり3.5件、プラセボ群は5.1件(0.67、0.55~0.82、p<0.001)であった。心血管死(2.2件vs.2.4件/100人年、0.90、0.73~1.12、p=0.35)には有意差が認められなかった。 変更前の複合主要エンドポイントである心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中の複合(HR:0.84、95%CI:0.72~0.99)および心血管死、心不全による入院の複合(0.77、0.66~0.91)は、いずれもsotagliflozin群で良好だった。 有害事象や治療中止の原因となったイベントの発生割合は両群間に差はなく、重篤な有害事象の発生割合も同程度であった(sotagliflozin群23.4%、プラセボ群25.2%)。sotagliflozin群はプラセボ群に比べ、とくに注目すべき有害事象のうち、下痢(8.5% vs.6.0%、p<0.001)、糖尿病性ケトアシドーシス(0.6% vs.0.3%、p=0.02)、性器真菌感染症(2.4% vs.0.9%、p<0.001)、体液量減少(5.3% vs.4.0%、p=0.003)の頻度が高かった。 著者は、「sotagliflozinの有効性と安全性を評価するには、さらに長期の検討を要する」としている。

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