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顔面神経麻痺診療ガイドライン 2023年版

ガイドラインに進化した顔面神経麻痺診療のバイブル誕生!『顔面神経麻痺診療の手引2011年版』を、Bell麻痺・Hunt症候群・外傷性顔面神経麻痺を対象に、『ガイドライン』として大改訂。日本顔面神経学会認定の「顔面神経麻痺治療医」、「顔面神経麻痺リハビリテーション指導士」のテキストで、リハビリテーション治療・形成外科的治療・鍼灸治療・その他の治療内容を詳しく解説します。システマティックレビューに基づいたCQも充実。顔面神経麻痺の治療がどこまで確立しているか、どのような点が不足しているのかも明確化される教科書になっています。顔面神経診療に携わるすべての方々に必読の1冊です。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    顔面神経麻痺診療ガイドライン 2023年版定価3,300円(税込)判型B5判頁数176頁(図数:37枚)発行2023年5月編集日本顔面神経学会

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TTF-1陽性は肺腺がんにおけるICI+ペメトレキセド使用の化学療法の効果予測因子となるか

 肺腺がんに対する免疫チェックポイント阻害薬(ICI)+化学療法の効果予測因子として、TTF‐1(Thyroid transcription factor-1)の可能性が研究されている。 TTF-1は甲状腺・肺・脳で認められる遺伝子調節タンパクである。肺腺がんにおいても、TTF−1との研究が報告されている。 肺腺がんではTTF-1陽性が多く60〜80%を占め、陰性は20〜40%である。TTF-1陽性例に比べ、陰性例は予後不良であるとされる。また、TTF-1の発現の有無は、化学療法薬ペメトレキセドの効果に影響を及ぼすとの報告がある。しかし、肺腺がんにおける、ICIとペメトレキセドを含む化学療法との併用療法とTTF-1発現の関係については十分に研究されていない。第63回日本呼吸器学会学術講演会でも、肺腺がんとTTF-1の関係を検討した研究がいくつか報告された。TTF-1陽性の肺腺がんにおけるICI+化学療法の奏効率は51.7%、陰性35.7% 肺腺がんにおける、TTF-1のICI+化学療法の効果予測因子として可能性を検討した多施設後方視的研究が行われた。その結果を、兵庫県立淡路医療センターの桐生 辰徳氏が発表した。対象はICI+化学療法を施行した再発進行肺腺がん患者101例で、免疫染色強度と腫瘍細胞割合で陽性と陰性に分けて検討した。 研究の結果、奏効率(ORR)はTTF-1陽性では51.7%、陰性では35.7%であった(p=0.141)。無増悪生存期間(PFS)中央値は陽性では7.6ヵ月、陰性では6.4ヵ月であった(p=0.056)。さらにICI+化学療法を、ペメトレキセド使用レジメンとタキサン使用レジメンに分けて検討した。ペメトレキセド使用群のPFS中央値は、TTF-1陽性例で8.5ヵ月、陰性例では5.3ヵ月であった(p=0.005)。一方、タキサン使用群のPFS中央値は、陽性例で7.3ヵ月、陰性例では6.4ヵ月であった(p=0.587)。 陽性と陰性のORRおよびPFSの結果から、TTF-1は肺腺がんにおけるICI+化学療法の効果予測因子である可能性が示された。また、ペメトレキセドを使用したICI+化学療法レジメンではTTF-1陰性例で抗腫瘍活性が低い可能性が示唆され、タキサンを使用したICI+化学療法レジメンでは陽性と陰性での差が少なかった。TTF-1陽性の肺腺がんに対するペメトレキセド・ICI併用レジメンの奏効率51.4%、陰性22.2% ペメトレキセドは肺腺がんの治療において欠かせない化学療法薬だが、上記研究で傾向がみられるように、TTF-1陽性例に比べ、陰性例で効果が劣る可能性が示唆されている。 日本医科大学の高嶋 紗衣氏は、自施設の肺腺がん症例において、ペメトレキセドを使用したICI+化学療法レジメンとTTF-1発現の関係を後方視的に研究した。2016〜22年に日本医科大学において、肺腺がんと診断されTTF-1染色を行った後、化学療法を行った333例のうち、ペメトレキセド+プラチナ化学療法+ICIレジメンを施行した患者46例で、TTF-1発現別に予後と治療効果を検討している。 研究の結果、ORRはTTF-1陽性で51.4%、陰性では22.2%、全生存期間中央値は陽性で30.1ヵ月、陰性では6.53ヵ月であった(p=0.08)。 上記の桐生氏の発表および従来の報告同様、ペメトレキセド+プラチナ化学療法は、ICI併用においてもTTF-1陰性肺腺がんでは抗腫瘍効果が低い傾向が示された。ただし、「今回の試験では、TTF-1陰性の症例が少ないことは大きなlimitationであり、今後の追加研究が必要だ」と高嶋氏は述べた。

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北里大、コロナへのイベルメクチン第III相の論文公表

 北里大学が主導して実施した、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者を対象としたイベルメクチンの第III相臨床試験「CORVETTE-01」の結果については、2022年9月に同大学によって、主要評価項目においてプラセボとの統計学的有意差がなく、有効性が認められなかったことが発表されていた1)。本試験の結果が、Frontiers in Medicine誌2023年5月22日号に掲載された。イベルメクチン群とプラセボ群でコロナ陰性化に有意差は認められなかった 軽症~中等症COVID-19患者に対するイベルメクチンの有効性と安全性を検証するための多施設共同二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験「CORVETTE-01」は、2020年8月~2021年10月の期間に、RT-PCR検査でCOVID-19と診断された国内の221例を対象に実施された。試験期間中は、アルファ株とデルタ株が優勢であった。被験者は20歳以上で、SpO2が95%以上、体重40kg以上とした。対象者をイベルメクチン群とプラセボ群に1対1で割り付け、イベルメクチン(200μg/kg)またはプラセボを絶食下で単回経口投与した。主要評価項目は、SARS-CoV-2に対するRT-PCR検査結果が陰性になるまでの期間とし、層別log-rank検定およびCox回帰モデルを用いて検証した。 新型コロナウイルス感染症患者に対するイベルメクチンの有効性と安全性を検証した主な結果は以下のとおり。・被験者のベースラインは、イベルメクチン群(106例)では、平均年齢47.9歳(SD 15.1)、男性68.9%、73.6%が肺炎を発症し、9例(8.5%)がワクチンを接種していた。プラセボ群(106例)では、平均年齢47.5歳(SD 15)、男性62.3%、肺炎発症が72.6%、ワクチン接種済7例(6.6%)であった。・RT-PCR検査陽性から治験薬の投与までの期間は、イベルメクチン群とプラセボ群ともに2.7日(SD 1.1)であった。・RT-PCR検査の陰性化について、イベルメクチン群とプラセボ群の間に有意差は認められなかった(ハザード比[HR]:0.96※、95%信頼区間[CI]:0.70~1.32、p=0.785)。※HR<1ではプラセボが有利、HR>1ではイベルメクチンが有利。・RT-PCR検査が陰性化するまでの期間の中央値は、イベルメクチン群では14.0日(95%CI:13.0~16.0)、プラセボ群では14.0日(12.0~16.0)だった。・最長45日間の追跡調査期間において、イベルメクチン群で82.1%(87例)、プラセボ群で84%(89例)がRT-PCR検査陰性を達成した。・患者登録日から15日目までで、イベルメクチン群(17.9%)とプラセボ群(21.7%)では、同程度の割合で症状の悪化がみられた(オッズ比:0.77、95%CI:0.38~1.54、p=0.462)。・有害事象について、イベルメクチン群では29例(27.1%)、プラセボ群では28例(26.2%)で報告された。Grade3以上の有害事象は、イベルメクチン群1例(CPK上昇)、プラセボ群2例(肝機能障害)で発現した。試験中止に至る治療起因性有害事象はなかった。本試験追跡期間中における患者の死亡も報告されなかった。 本結果により、軽症~中等症COVID-19患者に対するイベルメクチンは、RT-PCR検査陰性化までの期間の短縮にはつながらないことが示された。

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うつ病に対するブレクスピプラゾール補助療法

 うつ病患者から報告されたアウトカムは、患者の人生の充足、ウェルビーイング、価値ある活動などを反映している。カナダ・トロント大学のRoger S. McIntyre氏らは、うつ病患者に対するブレクスピプラゾール補助療法による治療がライフ・エンゲージメントに及ぼす短期的および長期的な影響を検討するため、10項目の自己記入式うつ症状尺度(IDS-SR10)を用いて本研究を実施した。その結果、ブレクスピプラゾール補助療法は、抑うつ症状に対する効果だけでなく、患者のライフ・エンゲージメントの改善が期待でき、うつ病患者自身にとって意味のある機能的アウトカムを改善する可能性が示唆された。Journal of Psychiatric Research誌2023年6月号の報告。 抗うつ薬治療で効果不十分な成人うつ病外来患者(DSM-IV-TR 基準)を対象に、抗うつ薬+ブレクスピプラゾール(2~3mg/日)補助療法(579例)と抗うつ薬+プラセボ(583例)を比較した3つの6週間ランダム化二重盲検試験より短期データをプールした。長期データは、抗うつ薬+ブレクスピプラゾール(0.5~3mg/日)補助療法の26(2,047例)~52(768例)週間非盲検延長試験よりプールした。 主な結果は以下のとおり。・短期治療では、ブレクスピプラゾール補助療法群は、プラセボ群と比較し、IDS-SR10ライフ・エンゲージメントサブスケールスコアの大幅な改善を示した(最小二乗平均差:-1.19、95%信頼区間:-1.78~-0.59、p=0.0001、エフェクトサイズCohen's d:0.23)。・8つのライフ・エンゲージメント項目においても、プラセボ群と比較し、ブレクスピプラゾール補助療法群で大幅な改善が認められた(p<0.05、エフェクトサイズの範囲:0.12~0.24)。・長期治療では、IDS-SR10ライフ・エンゲージメントサブスケールスコアの変化の平均(標準偏差)は、26週目(2,047例)で-2.4(4.9)、52週目(768例)で-3.7(5.3)であり、10項目すべてにおいて平均スコアの改善が認められた。

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再発急性扁桃炎の咽頭痛への有効性、摘出術vs.保存的治療/Lancet

 成人の再発性急性扁桃炎に対する扁桃腺摘出術は、保存的治療と比較して臨床的に有効であり、費用対効果も優れることが、英国・ニューカッスル大学のJanet A. Wilson氏らが同国の国民保健サービス(NHS)国立健康研究所(NIHR)からの委託を受け、英国内27施設で実施した実用的多施設共同無作為化非盲検比較試験「NATTINA試験」の結果で示された。扁桃腺摘出術は、成人の急性扁桃炎患者に一般的に行われているが(英国では年間約1万6,000件)、エビデンスは十分でない。また、扁桃腺摘出術は減少しているが、半面で急性扁桃腺炎の合併症による成人の入院が増加している現状があった。Lancet誌オンライン版2023年5月17日号掲載の報告。扁桃腺摘出術群vs.保存的治療群に無作為化、2年間の咽頭痛日数を比較 研究グループは、2次医療機関の耳鼻咽喉科に新規紹介された16歳以上の再発性急性扁桃炎患者を、扁桃腺摘出術群と保存的治療群に、可変長のランダム置換ブロック法を用いて1対1の割合で無作為に割り付けた。 層別化因子は、募集施設、およびTonsil Outcome Inventory-14スコア(軽症0~35、中等症36~48、重症49~70と定義)を用いて評価した症状重症度であった。扁桃腺摘出群では、無作為化後8週間以内に口蓋扁桃を切除する予定手術を行い、保存的治療群では24ヵ月間標準的な非外科的治療を行った。 主要アウトカムは、無作為化後24ヵ月間の咽頭痛の日数(週に1回、主にテキストメッセージ[電子メール、電話も可]で報告してもらいデータを収集)とした。主要解析はintention-to-treat(ITT)解析で行われた。2年間の咽頭痛日数中央、扁桃摘出群23日、保存的治療群30日 2015年5月11日~2018年4月30日の間に、4,165例が適格性を評価され、適格基準を満たした453例が無作為に割り付けられた(扁桃腺摘出術群233例vs.保存的治療群220例)。そのうち主要アウトカムのデータが得られなかった24例が解析から除外され、429例(95%)が主要ITT解析に組み入れられた(224例vs.205例)。 患者背景は、年齢中央値23歳(四分位範囲[IQR]:19~30)、女性355例(78%)、男性97例(21%)で、407例(90%)が白人であった。 24ヵ月間の咽頭痛の日数中央値は、扁桃摘出群23日(IQR:11~46)、保存的治療群30日(14~65)であり、扁桃摘出群が少なかった。部位とベースラインの重症度で調整後の保存的治療群に対する扁桃摘出群の総咽頭痛日数発生率比は0.53(95%信頼区間[CI]:0.43~0.65、p<0.0001)であった。 扁桃摘出術を受けた231例中90例(39%)に、扁桃摘出術に関連する有害事象が191件発生した。主な有害事象は出血(44例、19%)、主な重篤な有害事象は出血(34例、15%)、感染症(6例、3%)であった。試験期間中に死亡は報告されなかった。

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心不全の入院後30日死亡率、国の経済レベルで3~5倍/JAMA

 世界40ヵ国の心不全(HF)患者2万3,341例を登録したG-CHFレジストリ研究の結果、HFの病因、治療、転帰には国の経済レベルによって差があることを、カナダ・マックマスター大学のPhilip Joseph氏らG-CHF Investigatorsが報告した。HFに関する疫学研究の多くは高所得国で実施されており、中・低所得国での比較可能なデータは限られていた。著者は、「今回のデータは、世界的にHFの予防と治療の改善に取り組むうえで有用と考えられる」とまとめている。JAMA誌2023年5月16日号掲載の報告。高・高中・低中・低所得国の、HFの原因、治療、入院、死亡を比較 研究グループは、経済発展のレベルが異なる国々の間で、HFの病因、治療、転帰にどのような違いがあるかを検討する目的で、2016~20年に5大陸40ヵ国の257施設からHF患者2万3,341例を登録し、前向きに追跡調査を行った。今回の解析では、2022年8月10日以前に記録された追跡調査期間中央値2.0年間のイベントに関する評価を行った。 40ヵ国の内訳は、研究開始時の世界銀行分類に基づき、高所得国17ヵ国8,691例(カナダ、米国、チリ、アイスランド、スウェーデン、アイルランド、英国、デンマーク、ドイツ、ポーランド、フランス、スイス、イタリア、ポルトガル、スペイン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)、高中所得国10ヵ国5,793例(メキシコ、コロンビア、エクアドル、ブラジル、アルゼンチン、ロシア、トルコ、中国、ボツワナ、南アフリカ共和国)、低中所得国9ヵ国6,947例(ウクライナ、エジプト、スーダン、ナイジェリア、カメルーン、ケニア、パキスタン、インド、フィリピン)、低所得国4ヵ国1,910例(ウガンダ、タンザニア、モザンビーク、ネパール)である。 主要評価項目は、HFの原因、HF治療薬の使用、入院、死亡とした。低所得国で、標準的HF治療の割合が低く、死亡率が高い 登録患者の平均(±SD)年齢は63.1±14.9歳、9,119例(39.1%)は女性であった。 HFの原因として最も多かったのは虚血性心疾患(38.1%)、次いで高血圧(20.2%)、特発性拡張型心筋症(15.4%)であった。高所得国、高中所得国、低中所得国では虚血性心疾患が最も多い原因であり、低所得国では高血圧が最も多い原因であった。 駆出率が低下したHF患者(左室駆出率が40%以下)の治療では、β遮断薬、レニン・アンジオテンシン系阻害薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬を併用している患者の割合は、高所得国(51.1%)と高中所得国(61.9%)で高く、低中所得国(39.5%)と低所得国(45.7%)で低かった(p<0.001)。 100人年当たりの年齢・性別標準化死亡率は、高所得国が7.8(95%信頼区間[CI]:7.5~8.2)で最も低く、高中所得国9.3(8.8~9.9)、低中所得国15.7(15.0~16.4)、低所得国が19.1(17.6~20.7)で最も高かった。ベースラインの患者特性および慢性HF治療薬の使用に関して補正後も、死亡リスクは高所得国と比較し、低中所得国(ハザード比[HR]:1.48、95%CI:1.37~1.60)および低所得国(2.10、1.90~2.33)で有意に高いままであった。 高所得国および高中所得国では初回入院率が死亡率より高く(死亡に対する入院の比率:それぞれ3.8、2.4)、低中所得国では同程度(同1.1)、低所得国では初回入院率より死亡率が高かった(同0.6)。 初回入院後30日死亡率は、高所得国が6.7%と最も低く、次いで高中所得国9.7%、低中所得国21.1%で、低所得国が31.6%と最も高かった。ベースラインの患者特性および慢性HF治療薬の使用に関して補正後も、初回入院後30日死亡のリスクは高所得国に比べて低中所得国および低所得国で3~5倍高かった。

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降圧薬による血圧低下度に薬剤差、個人差があるのか?(解説:石川讓治氏)

 降圧薬の投与によって速やかに降圧目標に達することで、投与開始後早期の患者の心血管イベント抑制につながると考えられている。そのため、それぞれの患者に最も有効な降圧薬を選択していくことが重要である。 本研究は、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(リシノプリル20mg)、アンジオテンシンII受容体阻害薬(カンデサルタン16mg)、サイアザイド利尿薬(ハイドロクロロサイアザイド25mg)、カルシウムチャンネル阻害薬(アムロジピン10mg)の4種類の降圧薬をクロスオーバーデザインで繰り返し投与し、降圧度の薬剤差、個人差を検討している。ダブルブラインドではあるが、1例の患者が繰り返しこれらの薬剤を内服したり中止したりするプロトコールであり、参加に同意した患者および医師の大変さが想像された。結果として薬剤間で最大4.4mmHgの収縮期血圧の低下度に差が認められたことが報告された。 降圧の効果に患者間で差があることは重要であるが、本研究の降圧投与量は我が国の最大投与量に近い。血圧低下度の差は設定投与量の差でもあり、日常臨床では4.4mmHg程度の差は投与量の増減で調整すればいいのではないかと感じる。本研究においては、どういった特徴の患者において各降圧薬の降圧度がより大きかったのかといったことは示されていないが、日常臨床においてはそういった情報のほうがより重要に思われた。 英国のNICEガイドランにおいては、年齢によって、カルシウムチャンネル阻害薬と、アンジオテンシン変換酵素阻害薬やアンジオテンシンII受容体阻害薬のどちらを第一選択にするのかを規定している。プライマリケア医においては、このような明確な指標のほうが有用に思われる。日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインにおいては、4つの種類の降圧薬を医師の判断で第一選択薬として選択可能になっているが、英国同様にプライマリケア医に対するより簡便な指針も検討する時期が来たのかもしれない。また、欧米のガイドラインにおいては、降圧薬間の降圧度の差を考慮し、速やかに降圧目標に到達する目的で、第一選択薬として合剤を使用する基準が記載されている。わが国においては、そういったガイドラインの記載はなく、今後の検討が必要である。

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第161回 高齢者に熱中症対策を促す際、エアコンより厄介なのは…

ウクライナ危機に端を発した燃料費の高騰により、大手電力7社が申請していた6月からの電気料金の値上げが決定した。値上げ率は各社で異なるが、15.3~39.7%と大幅な値上げだ。これだけの値上げとなると、暑くなる時期にエアコンの使用を控える人も出てくるだろう。しかも、よりによってこの時期に記録的な暑さとなっている。5月17日には全国250地点以上で30℃超の真夏日となり、岐阜県揖斐川町では5月として観測史上最高の35.1℃の猛暑日を記録した。翌18日も各地で真夏日となり、東京都では5月中旬としては観測史上初の2日連続の真夏日。しかも、今年の6~8月は平年と比べ、かなり酷暑になると予想されている。2022年6~8月は国内で平均気温統計を開始した1898年以降、2番目の暑さだったと言われているが、もしかしたらそれを超えるかもしれない状況だ。こうなると危惧されるのが熱中症患者の増加だ。消防庁によると、2022年5~9月の全国の熱中症による救急搬送者の累計は7万1,029人。前年の2021年同時期の4万7,877人より大幅に増加し、搬送者数の調査が開始された2008年以降では3番目に多い数となった。この増加は前述した昨年の暑さのレベルで説明がつく。ちなみに2020年のコロナ禍以降、ユニバーサルマスク推奨で熱中症が増えたのではないかと、一部の人が指摘することがある。しかし、2019~21年までの夏の熱中症搬送者の累計は右肩下がり。2020年は東日本を中心に2019年よりも年平均気温が高かったにもかかわらずだ。この点は日本救急医学会・日本臨床救急医学会・日本感染症学会・日本呼吸器学会による「新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた熱中症診療に関するワーキンググループ」が公表した「新型コロナウイルス感染症流行下における熱中症対応の手引き(第2版)」でも、論文調査結果からマスク着用が熱中症の危険因子となるエビデンスはないと明記されている。熱中症に弱いのは高齢者であることはよく知られている。高齢者では体液貯留機能も有する筋肉量も若年者より減少していることが多く、さらに腎機能低下により老廃物排出時にはより多くの水分が必要となる傾向にあり、そもそも脱水気味であることが一因だ。さらに加齢による感覚機能の低下で暑さに対する感度も低下している。過去のデータを見ると、熱中症で死亡した高齢者では約9割がエアコンを使用していなかったというデータもあるが、これはたぶん節約というよりは暑さに対する感度の低下が要因ではないかと個人的には考えている。しかし、ここに今回のような電気料金の大幅な値上げがあると、独居老人を中心に「電気料金を節約する」という行動が強まり、今夏は高齢者の熱中症増加が深刻化する可能性は十分にある。その意味で熱中症対策として頻繁に耳にする「暑い時には適切にエアコンを使う」という呼びかけの強化は必須だろう。もっとも電気料金の問題を脇に置けば、実は高齢者へのエアコンの使用推奨は、まだハードルが低いかもしれない。というのも、たとえば「真夏日、猛暑日予報の日は午前10時~午後3時過ぎぐらいまでの間は、緩やかにでもエアコンを使い続けてください」などの呼びかけも可能だからだ。こうした注意喚起は“実行しやすさ”がカギとなるため、極論を言えば、高齢者にありがちな、なんとなくテレビをつけているのと同じ感覚で使うことを推奨することはできなくもない。しかし、この熱中症対策についての記事を書く、あるいは自分の周囲に呼びかける際に私がいつも頭を悩ませてしまうのは、「喉の渇きがなくとも水分補給を」というフレーズである。前述の感覚機能の低下により、高齢者では喉の渇きを感じるのがやや周回遅れになりがちという点を踏まえてのことだが、言うほど簡単ではない。テレビやエアコンのつけっぱなしとは違い、なんとなくはできない行為だ。介護施設や同居人がいる高齢者宅ならば、周囲が気を配り定期的にお茶の時間を設けるなど自然な形で水分摂取の習慣を作ることも可能だろう。だが、独居高齢者ではよほど本人が自覚的に時間を決めて水分を取るなどの几帳面さがない限り、結構、難易度が高いのではないかと思う。多くの高齢者個人が熱中症対策で日内の定期的な水分摂取を習慣化することが容易ならば、よくある高齢者の服薬アドヒアランスの低下は問題にならないだろう。私自身はまだ高齢者ではないものの、尿酸値が高めのため、高尿酸血症の患者向けパンフレットにある「1日2L以上の水分摂取を」という推奨を意識して実行している。しかし、高齢者よりは喉の渇きに鋭敏であるはずなのに、真夏でもこの2Lのクリアはなかなか大変である。ちなみに自分の場合、どのように習慣付けているかというと、まず起床直後すぐに500mLペットボトルの半分近くの水分を摂取し、それから排尿を済ませてペットボトルの残りを飲み切る。その後は仕事場のPC脇に満タンにした2Lのペットボトルを置き、仕事の合間にちびちびこれを飲む。視覚的に残りが確認できるので夜7時くらいまでにこれを飲み切る。水分摂取の励行だけでも高齢者にとってはそれなりにハードルが高いと思われるのだが、最近では「熱中症予防のためには水分だけではなく塩分も」とメディアで呼びかけている。これは医学的には極めて正しいが、喉の渇きも感じないのに水分も取って、さらに塩分も取れと言われても高齢者では混乱してしまうのではないだろうか? ドラッグストアで売られている経口補水液を使えば良いとは言っても、こうした非日常的な対応はやはり簡単ではない。そう考えた時に、今でも地方ではありがちな高齢者が三々五々集まって「漬物をつまみながら、お茶を飲む」という習慣は、過度にならないのならば水分と塩分を同時に摂取できる合理的なものだと感じ入ってしまうのだが、コミュニティが希薄化している都市部ではそうはいかないケースも多い。私は地方の実家に高齢の両親がおり、やはり近所の人が時おり集まってお茶を飲むこともあるのを知ってはいる。これに加えて念のため、厚生労働省が行っている「あんぜんプロジェクト」の尿の色で脱水症状をチェックするという試みを伝えて、両親に注意を促しているものの、それでも心もとない。その意味では単に「喉の渇きがなくとも水分摂取を」の言葉だけでなく、実践しやすい事例を探しているのだが、ピンとくるものは少ない。この機会に読者の皆さんから「私はこんなふうに指導してますよ」という事例があれば、ぜひともお知恵を拝借したい。

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がん死亡率、ファストフード店の多さと関連

 住居地を選ぶ際にスーパーや飲食店へのアクセスの良さを考慮する人は少なくない。今回、米国・オーガスタ大学のMalcolm Seth Bevel氏らは米国における飲食店へのアクセス条件が肥満関連のがん死亡率と関係するのかどうかを調査した。近年、野菜などの生鮮食料品が入手困難な地域はFood Desert(食の砂漠)と呼ばれ、一方でファストフード店が多く集中し生鮮食品を取り扱う店が少ない地域はFood Swamp(食品沼)と呼ばれている。 今回の横断研究では、2012年、2014~15年、2017年、2020年の米国農務省(USDA)のFood Environment Atlasと、2010~20年の米国疾病予防管理センター(CDC)の18歳以上の成人の死亡率データを使用し、Food DesertとFood Swampの両スコアと肥満関連のがん死亡率との関連について調査した。解析には年齢調整した混合効果モデルが用いられ、Food Swampの指標として、食料品店や野菜などの直売所の数に対するファストフードやコンビニの店舗数の比率を計算しスコア化した。Food SwampとFood Desertのスコアが高ければ(20.0~58.0)、その郡は健康的な食品資源が少ないと判定された。また、肥満と関連する13種類のがん(子宮内膜がん、食道腺がん、胃噴門部がん、肝臓がん、腎がん、多発性骨髄腫、髄膜腫、膵臓がん、大腸がん、胆嚢がん、乳がん、卵巣がん、甲状腺がん)による死亡率を人口10万人あたり71.8以上で「高い」とし、人口10万人あたり71.8未満で「低い」と分類した。 主な結果は以下のとおり。・米国3,142郡のうち、合計3,038郡(96.7%)がこの分析に含まれ、そのうち758郡(25.0%)で肥満関連のがん死亡率が高かった(四分位範囲[IQR]の“最も高い”範囲)。・これらの特定の郡ではほかの郡と比べ、非ヒスパニック系黒人住民の割合が高く(3.26%[IQR:0.47~26.35] vs.1.77%[IQR:0.43~8.48])、65歳以上でもその割合が高かった(15.71%[IQR:13.73~18.00] vs.15.40%[IQR:12.82~18.09])。・また、肥満関連のがん死亡率が高い郡は、低い郡と比較して以下の特徴が挙げられた。 貧困率が高い(19.00%[IQR:14.20~23.70] vs.14.40%[IQR:11.00~18.50]) 肥満率が高い(33.00%[IQR:32.00~35.00] vs.32.10%[IQR:29.30~33.20]) 糖尿病の罹患率が高い(12.50%[IQR:1:1.00~14.20] vs.10.70%[IQR:9.30~12.40])・これらの郡では、Food Desert(7.39%[IQR:4.09~11.65] vs.5.99%[IQR:3.47~9.50])およびFood Swamp(19.86%[IQR:13.91?26.40] vs.18.20%[IQR:13.14~24.00])に居住する人の割合が高かった。・相関分析の結果、Food DesertとFood Swampの両スコアが肥満関連がん死亡率と正の相関関係があり、Food Desertと肥満関連のがん死亡率との間の相関がわずかに高いことが示唆された(Food Desert:ρ=0.12、Food Swamp:ρ=0.08)。しかし、Food DesertとFood Swampの指数スコアはユニークであると決定付けられ、低い係数が与えられた。・Food Swampスコアが高い郡では、肥満関連のがん死亡のオッズが77%増加した(調整オッズ比:1.77、95%信頼区間:1.43~2.19)。また、Food DesertとFood Swampのスコアの3つのレベル(低-中-高)と肥満関連のがん死亡率との間には、正の用量反応関係も観察された。

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統合失調症における抗精神病薬の多剤併用と単剤療法の安全性比較

 東フィンランド大学のHeidi Taipale氏らは、抗精神病薬の単剤療法と比較した多剤併用療法の安全性を検討した。その結果、抗精神病薬の単剤療法は、多剤併用療法と比較し、重度の身体的併存症による入院リスクの低下と関連していないことが示唆された。著者らは、安全性の問題に関する既存のエビデンスがない以上は、ガイドラインで抗精神病薬の多剤併用療法の代わりに単剤療法を推奨するべきではないとしている。The American Journal of Psychiatry誌2023年5月1日号の報告。 フィンランドの全国入院患者レジストリより統合失調症患者6万1,889例を特定し、1996~2017年にわたりフォローアップ調査を行った(フォローアップ期間中央値:14.8年[IQR=7.4~22.0])。非精神疾患および心血管系による入院など、重度の身体的併存症リスク(調整ハザード比:aHR)を、抗精神病薬の単剤療法と多剤併用療法における7つの用量カテゴリで比較した。7つの用量カテゴリは、1日当たりの服用量(DDD:defined daily doses)0.4未満、0.4~0.6未満、0.6~0.9未満、0.9~1.1未満、1.1~1.4未満、1.4~1.6未満、1.6以上であった。選択バイアスを除外するため、個別分析(Within-individual analysis)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・対象患者の平均年齢は46.7±16.0歳、男性の割合は50.3%(3万1,104例)であった。・単剤療法と多剤併用療法の両方を実施した患者における非精神疾患による入院リスクは、1.1以上DDD/日の3つの用量カテゴリの多剤併用療法で、同用量カテゴリの単剤療法と比較し、最大13%の有意な低下が観察された。【1.1~1.4未満 DDD/日】aHR:0.91(95%CI:0.87~0.95)【1.4~1.6未満DDD/日】aHR:0.91(95%CI:0.86~0.96)【1.6以上DDD/日】aHR:0.87(95%CI:0.84~0.89)・心血管系による入院リスクは、1.6以上DDD/日の用量カテゴリで、多剤併用療法のほうが有意に低かった(-18%)。【1.6以上DDD/日】aHR:0.82(95%CI:0.72~0.94)・抗精神病薬の未使用と単剤療法、または同未使用と多剤併用療法の比較の結果は、同一の個人での多剤併用療法と単剤療法の比較と同様であった。・多剤併用療法と単剤療法の比較で、非精神疾患または心血管系による入院に有意な差は認められなかった。

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成人肺炎診療ガイドラインを先取りした肺炎の予防戦略/日本呼吸器学会

 肺炎は日本人の死因の5位に位置する主要な疾患である。高齢になるにつれて発生率、死亡率が高くなり、65歳以上の高齢者が死亡者全体の95%以上を占めている。したがって、高齢者肺炎の予防が重要といえる。本邦において、医療関連肺炎(HCAP)では肺炎球菌に加えて口腔内連鎖球菌、嫌気性菌が多かったという報告もあり1)、高齢者肺炎の予防戦略は「肺炎球菌ワクチン」と「口腔ケア」が2本柱といえる。改訂中の成人肺炎診療ガイドラインでは、これに対応して「肺炎の予防に口腔ケアを推奨するか」というCQ(クリニカルクエスチョン)が設定され、システマティックレビュー(SR)が実施された。ワクチンについては、すでに確立された予防戦略と判断されたことから、2017年版の内容が引用され、「インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの併用接種」が推奨された。そこで、第63回日本呼吸器学会学術講演会において丸山 貴也氏(三重県立一志病院 院長)は、肺炎診療ガイドラインの改訂にあたって実施した口腔ケアのSRの結果や、それに基づく委員会での推奨、ワクチンに関する最新の情報について紹介した。成人肺炎診療ガイドラインで口腔ケアのCQ設定 改訂中の成人肺炎診療ガイドラインでは、「肺炎の予防に口腔ケアを推奨するか」というCQが設定され、人工呼吸器関連肺炎(VAP)/非VAP、クロルヘキシジン使用/不使用に分けてSRが実施された。その結果、非VAPについて、クロルヘキシジン不使用の口腔ケア実施群で、非実施群と比べて肺炎による死亡が有意に減少し、肺炎発症率も有意に低下した。以上の結果などから、推奨は「実施することを弱く推奨する」とする予定と報告された。今回、“弱く”推奨するとなっているのは、認知症や精神疾患などによって口腔ケアの実施が難しい場合が考えられるためであるという。したがって、丸山氏は「口腔ケアにはしっかりとしたエビデンスがあり、原因微生物とストラテジーもはっきりしている。侵襲性も少ないことから、ぜひ実践してほしい」と述べた。成人肺炎診療ガイドラインではワクチン併用接種を引き続き推奨 現行の成人肺炎診療ガイドライン2017では、「高齢者の肺炎予防において、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの併用接種は推奨されるか」というCQが設定され、併用接種が強く推奨されている2)。改訂中の成人肺炎診療ガイドラインでは、すでに確立された予防方法として2017年版でのSRの結果を引用しながら、新たなワクチンについても解説するという。 インフルエンザウイルスに感染すると、気道や全身に変化が起こり、肺炎球菌などへの2次感染が生じやすくなる。実際に、本邦においてインフルエンザウイルス感染により入院した患者の合併症として肺炎が最も多く、36.4%を占めていた。また、インフルエンザ関連肺炎の原因微生物として、肺炎球菌が多く、死亡例の80%が肺炎を合併し、インフルエンザ関連肺炎の死亡率は9.5%であった。多変量解析によっても肺炎の発症がインフルエンザウイルス感染の予後規定因子として特定されており3)、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの併用接種が重要といえる。 肺炎球菌ワクチンについて、日本呼吸器学会と日本感染症学会の合同委員会は、2023年3月24日に「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第4版)」を公表している。そこでは、65歳以上の健康な高齢者については「定期接種の機会を利用してPPSV23(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)を接種」、ハイリスク者については「PCV13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)またはPCV15接種後1年以内のPPSV23接種を検討(とくに免疫不全者には推奨)」としている4)。改訂中の成人肺炎診療ガイドラインでは、この内容を追随する予定と報告された。

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大動脈弁狭窄症の死亡率の動向~日本含む高所得国

 カナダ・トロント大学の日尾野 誠氏らが、日本を含む高所得国8ヵ国における2000~20年の大動脈弁狭窄症の死亡率の動向を調査した結果、粗死亡率は8ヵ国とも増加したが、年齢標準化死亡率は3ヵ国(ドイツ、オーストラリア、米国)で減少傾向に転じ、80歳以上では8ヵ国で減少傾向に転じたことがわかった。Heart誌オンライン版2023年5月19日号に掲載。 本研究では、英国、ドイツ、フランス、イタリア、日本、オーストラリア、米国、カナダにおける2000~20年の大動脈弁狭窄症による死亡率の動向を調べるために、WHOのデータベースを用いて10万人当たり粗死亡率および年齢標準化死亡率、3つのグループ(64歳未満、65~79歳、80歳以上)の年齢層別死亡率を算出した。年間変化率は、結合点回帰を用いて分析した。 主な結果は以下のとおり。・観察期間中、10万人当たりの粗死亡率は8ヵ国とも増加した(英国:3.47から5.87、ドイツ:2.98から8.93、フランス:3.84から5.52、イタリア:1.97から4.33、日本:1.12から5.49、オーストラリア:2.14から3.38、米国:3.58から4.22、カナダ:2.12から5.00)。・年齢標準化死亡率の結合点回帰では、ドイツで2012年以降(-1.2%、p=0.015)、オーストラリアで2011年以降(-1.9%、p=0.005)、米国で2014年以降(-3.1%、p<0.001)に減少傾向に転じていた。・年齢層別死亡率は、80歳以上ではほかの年齢層とは対照的に8ヵ国とも減少傾向にシフトしていた。

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中等~重度RAへのperesolimab、疾患活動性スコアを改善/NEJM

 中等度~重度の関節リウマチ(RA)患者を対象とした第IIa相無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験において、peresolimabの有効性が示されたことを、米国・イーライリリーのJay Tuttle氏らが報告した。peresolimabは、内因性プログラム細胞死1(PD-1)阻害経路を刺激するようにデザインされたヒト化IgG1モノクローナル抗体である。この経路の刺激は、自己免疫疾患または自己炎症性疾患の新たな治療アプローチとなる可能性がある。今回の結果は、PD-1受容体の刺激がRA治療に有効であることを示唆するエビデンスを提供するものであり、著者は「RAに対するperesolimabの有効性と安全性を検証する、より大規模で長期的な試験が必要である」とまとめている。NEJM誌2023年5月18日号掲載の報告。peresolimab 700mgの有効性と安全性をプラセボと比較検証 研究グループは、1つ以上の従来型の合成疾患修飾性抗リウマチ薬(csDMARD)、あるいは1つ以上の生物学的製剤(bDMARD)または分子標的薬(tsDMARD)による治療で効果不十分、効果低下または許容できない副作用が発現した中等度~重度の活動期RA成人患者を、peresolimab 700mg群、300mg群またはプラセボ群に2対1対1の割合で無作為に割り付け、4週ごとに静脈内投与した。 主要アウトカムは、12週時のC-反応性蛋白(CRP)に基づく28関節の疾患活動性スコア(DAS28-CRP:範囲0~9.4、スコアが高いほど活動性が高いことを示す)のベースラインからの変化量で、主要比較は700mg群とプラセボ群との間の変化量の差とした。副次アウトカムは、12週時の米国リウマチ学会基準(圧痛・腫脹関節数および重要な5項目中3項目以上で改善)で20%改善(ACR20)、50%(ACR50)、70%改善(ACR70)の達成率などであった。有効性解析対象は修正intention-to-treat集団、安全性は安全性解析集団とした。主要評価項目の12週時のDAS28-CRP変化量は達成 2021年1月4日~2022年1月10日に172例がスクリーニングされ、適格基準を満たした98例がperesolimab 700mg群(49例)、peresolimab 300mg群(25例)、またはプラセボ群(24例)に割り付けられ、全例が1回以上治験薬の投与を受けた。 12週時のDAS28-CRPのベースラインからの変化量(最小二乗平均値±標準誤差)は、peresolimab 700mg群-2.09±0.18、プラセボ群-0.99±0.26であり、peresolimab 700mg群で有意に大きかった(群間差:-1.09、95%信頼区間[CI]:-1.73~-0.46、p<0.001)。 副次アウトカムは、ACR20達成率についてはperesolimab 700mg群がプラセボ群より良好であることがみられたが(71% vs.42%)、ACR50達成率(39% vs.21%)、およびACR70達成率(20% vs.17%)については両群で大きな差はなかった。 治療期間における有害事象の発現率は、peresolimab 700mg群29%、peresolimab 300mg群32%、プラセボ群38%で、安全性プロファイルは3群で類似していた。

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白内障手術の有効性・安全性、両眼同時vs.片目ずつ/Lancet

 高齢者の白内障手術において、両眼同時手術(immediate sequential bilateral cataract surgery:ISBCS)は片眼ずつを別の日に行う従来の待機的手術(delayed sequential bilateral cataract surgery:DSBCS)との比較において、有効性は非劣性、安全性は同等であり、費用対効果は優れることが、オランダ・マーストリヒト大学医療センターのLindsay Spekreijse氏らによる多施設共同無作為化非盲検非劣性試験「bilateral cataract surgery in the Netherlands study:BICAT-NL試験」の結果で示された。著者は、「厳格な適格基準を適用すれば、国家のコストは年間2,740万ユーロ(3,450万米ドル)削減できる可能性があり、ISBCSが支持される」とまとめている。高齢化が進む中、将来、白内障治療を確実に受けられるようにするためには、効率性の改善が必要とされていた。Lancet誌オンライン版2023年5月15日号掲載の報告。ISBCSとDSBCSに無作為化、有効性・安全性・費用対効果を検討 研究グループは、オランダの10病院において、単純な両眼の乳化吸引白内障手術が予想され、眼内炎または術後の眼内レンズ度数ずれ(refractive surprise)のリスクが高くない18歳以上の患者を対象に試験を行った。施設および眼軸長で層別化したウェブシステムを用いて、ISBCS群またはDSBCS群のいずれかに1対1の割合で患者を無作為に割り付け、ISBCS群では両眼の手術を同日に、DSBCS群では片眼手術の2週間後にもう片眼の手術を行った。 主要アウトカムは、術後4週時の目標屈折率が1.0ジオプトリー(D)以下の第2眼(2番目に手術した眼)の割合とし、ISBCS vs.DSBCSの非劣性マージンは-5%とした。また、試験に基づく経済評価では、質調整生存年(QALY)当たりの増分社会的費用を主要エンドポイントとした。すべての解析は、修正intention-to-treat(ITT)解析にて行った。費用は、資源使用量と単価を乗じて計算し、2020年のユーロおよび米ドルに換算した。有効性は非劣性、安全性は同等、費用対効果は優れる 2018年9月4日~2020年7月10日の期間に、計865例がISBCS群(427例[49%]、854眼)およびDSBCS群(438例[51%]、876眼)に無作為に割り付けられた。 修正ITT解析において、目標屈折率が1.0 D以下の第2眼の割合は、ISBCS群97%(404/417例)、DSBCS群98%(407/417例)であった。群間差は-1%(90%信頼区間[CI]:-3~1、p=0.526)で、DSBCS群に対するISBCS群の非劣性が示された。 眼内炎は、いずれの群においても認められなかった。有害事象は、不同視を除き両群で同等であった。DSBCS群で第1眼と第2眼の手術の間に不同視が生じたと報告した患者が有意に多かった(13例vs.0例)。 社会的費用は、DSBCS群と比較してISBCS群で403ユーロ(507米ドル)低く、DSBCSに対するISBCSの費用対効果の確率が100%である支払意思額(willingness to pay)の範囲は、2,500~8万ユーロ/QALY(3,145~10万629米ドル/QALY)であった。

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Complex PCIにおけるイメージングガイドPCIの有用性(解説:上田恭敬氏)

 韓国の20施設において、約2年間の心臓死・標的血管関連心筋梗塞・TVRの複合エンドポイントを用いて、イメージングガイドPCIとアンジオガイドPCIの成績を比較した無作為化比較試験の結果である。 Complex PCIとして規定される登録対象病変は、1)側枝径2.5mm以上の分岐部病変、2)CTO病変、3)unprotected LM病変、4)必要ステント長38mm以上と予想される病変、5)2枝以上の主要冠動脈枝のPCIを同時に行うもの、6)3本以上のステント使用が必要な病変、7)ステント内再狭窄病変、8)高度石灰化病変、9)主要冠動脈枝の入口部病変である。 イメージングガイド群1,092例、アンジオガイド群547例と、1,639例の対象患者が2:1に割り付けられている。イメージングガイドとしては、術者の選択によってIVUSまたはOCTが使用可能であったが、実際には74.5%でIVUS、25.5%でOCTが使用されていた。複合エンドポイントは7.7%対12.3%(p=0.008)とイメージングガイド群で有意に低値となった。ステント血栓症や造影剤腎症の発生頻度に群間差はなかった。 Complex PCIに限定せず1,448例のAll-comerの対象患者で、イメージングガイドPCIとアンジオガイドPCIの成績を比較した無作為化比較試験であるULTIMATE試験においても同様に、1年間の心臓死・標的血管関連心筋梗塞・TVRの複合エンドポイントが、2.9%対5.4%(p=0.019)とイメージングガイド群で有意に低値となっている。ULTIMATE試験においては、IVUSで定義されるoptimal PCIが達成された場合とそうでない場合で、イメージングガイド群の中でも同エンドポイントが1.6%対4.4%(p=0.029)と大きな差が生じている。 当然のことではあるが、イメージングをただ使うだけではだめで、イメージングを使って種々の手技を実施してoptimal PCIを達成することによって初めて、PCIの成績向上につながっているといえる。多くの試験ではバルーンによるステントの追加拡張を行うか否かの違いしかないようであるが、ロータブレーターやカッティングバルーン等によるステント留置前の病変プレパレーションや各種テクニックによって、よりoptimalな結果が得られれば、PCIの成績はさらに向上することが期待されるだろう。

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工夫で乗り切る!【Dr. 中島の 新・徒然草】(478)

四百七十八の段 工夫で乗り切る!暑くなったり寒くなったりの不安定な天気が続きます。雨が続くと「もう梅雨か」と思いますが、近畿地方の梅雨入り平均は6月6日。まだ少し早そうです。さて、脳外科外来で最も多い患者さんの訴えの1つ。それは……「最近、テレビに出てきた俳優さんの名前が出てこん」「物忘れがひどい」「1日中、探し物ばっかりしている」そして最後には同じ質問です。「ひょっとして認知症と違うやろか?」認知症になった人が1人で通院できるわけありません。そう言って否定する毎日です。が、こういう患者さんは実際に毎日の生活に困っているのですから、認知症でないにしても何らかの対応が必要ではないか、と最近になって思うようになりました。というのも、私自身が「人の名前が出てこない」「物忘れをする」「探し物をする」ということをやりがちになってきたからです。自分が認知症になったとは思いませんが、こういった症状で困るのは患者さんもお医者さんも同じこと。で、今さら脳を鍛えるよりは、文明の利器を活用するほうが省エネかつ効果的です。そこで人の顔については、名刺アプリの「Eight」を私は使っています。スマホで名刺を撮影すると、そのまま名前や所属を登録してくれる便利モノ。相手も同じアプリを使っていると、名前の肩にEightのマークが表示されるので、すぐにわかります。このアプリにはメモ機能が付いていて、テキストや画像も入力することが可能。私は名刺交換した場所とか、その人の顔写真を入力して活用しています。これを時々見ておくと、次に会った時に瞬時に相手を同定して「〇〇先生、ご無沙汰しております!」と明るく挨拶をすることができるわけですね。また、役所などに提出する書類も、郵送の前にスマホで写真を撮っています。コピーしたりスキャンしたりするより、写真撮影のほうがはるかに簡単。「あの書類はどう書いたかな?」と思った時にはすぐに確認できます。部屋掃除の時に出て来た昔の書類についても、シュレッダーにかける前にスマホで写真撮影。iPhoneの場合はそれぞれの写真ごとに「日付と時刻を調整」という機能を使って、しかるべき年月日を入力すれば、10年前の書類は10年前の位置に収納することが可能です。年々劣化していく脳みそではありますが、毎日を乗り切るためにいろいろな工夫をするのも面白いと思うようになってきました。患者さんへのアドバイスにも生かしたいと思います。最後に1句梅雨空に 顔を忘れぬ 一工夫

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学会発表に必須!英語の“filler”を上手に使いこなす【学会発表で伝わる!英語スライド&プレゼン術】第16回

学会発表に必須!英語の“filler”を上手に使いこなすスムーズな英会話を行うために、前回ご紹介した相槌とともに重要なのが“filler”、いわゆる「つなぎ言葉」と言われるものです。よく用いられるfillerの例日本語脳で話していると、ついつい英語の合間に「えーと」「うーん」のような日本語の“filler”を口走ってしまうかもしれません。そうした場合、英語話者の相手に“Eight?”のように聞き返されてしまう可能性もあります。また、英会話にも「適切な沈黙」というのはありますが、基本的には不用意な沈黙を嫌う文化があります。このため、適切な“filler”で沈黙を埋めることはコミュニケーションを円滑に進めるうえで重要です。学会では、質問の回答を少し考える時間が必要で、間ができてしまった場合にこれらの“filler”が有効になります。“Well…”、“Let me see…”などと言って少し間を埋められれば、自然な印象を与えます。なお、私は質疑応答で質問された際には、頻繁に“That’s a great question.”と返しています。そう言っておいて、間をとって頭の中で回答を整理するのです。これも立派な“filler”だと思います。慣れるまで、英語の“filler”を使うのが少し照れくさいかもしれませんが、すぐに慣れるものです。ぜひ多様な表現をマスターしてください。講師紹介

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第46回 コロナ定点報告、注意報・警報発令の値はどうなる?

「5類」移行後、初めての定点報告5月8日にCOVID-19が「5類感染症」に移行してから、初回の定点医療機関あたりの患者数が全国で2.63人だったと報告されました。指定医療機関における1週間あたりのCOVID-19患者数が2.63人だったということです。定点医療機関あたりの患者数は、インフルエンザの場合、1人以上で流行期入り、10人以上で注意報、30人以上で警報というレベルが設定されています。現場でも、30人以上だとかなりインフルエンザが増えてきたなと実感する水準です。今回、インフルエンザの流行は比較的小波に終わりました。定点のニュースが流れた後「結局、以前と比べてどうなの?」と思った人が多かったと思います。ほぼ全数把握をしていた5月第1週の感染者数を定点医療機関あたりの患者数に換算すると、全国で1.80人になるそうです。単純計算で前週比46%増ということですから、ちょっと雲行きが心配になってきますね。地域差大きく、沖縄が最多今回、沖縄の定点医療機関あたりの患者数は6.07人と全国最多でした。沖縄県の主要病院のホームページをみても、院内クラスターが発生しているようで、職員の感染が診療を制限している構図が観察されます。沖縄県の感染者数は、現時点で約58万人です。県民の約4割が感染していますが、全国平均の約3割を上回っています。ある程度集団免疫的な機能が備わっていると思いきや、全国最多の定点医療機関あたりの患者数を記録しているのが現状です。さらに、ここにきて海外からのインバウンド観光客も急増しており、今後の感染動向は予想が難しそうです。確かにCOVID-19はインフルエンザと同じ「5類感染症」に移行しましたが、注意報・警報も同じ扱いでよいのかというと、そうではありません。むしろ、インフルエンザよりも感染性が高いことから、少なくとも「1人-10人-30人」の数値よりはレベルを厳しく設定する必要があるかもしれません。ちなみに、現在の新型コロナ流行を「1人-2人-4人」で色分けすると図のようになります(図、1人以下の都道府県はありません)。東高西低の分布になっていますね。注意報・警報をどのように発令していくかは厚労省で今後検討されるとのことです。図. 現在のCOVID-19流行(参考資料1をもとに筆者作成)参考文献・参考サイト1)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について

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他の抗CGRP抗体への切り替えが有効な片頭痛患者の特徴は

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を介したモノクローナル抗体(mAb)は、片頭痛治療に有効な治療薬として承認されている。特定のmAbで治療反応が得られなかった患者に対し、別のmAbへ切り替えることで、ある程度の有効性が得られることが示唆されている。イタリア・フィレンツェ大学のLuigi Francesco Iannone氏らは、抗CGRP/リガンドmAbで治療反応が得られなかった患者における抗CGRP/受容体mAbへの切り替えによる治療効果、およびその逆における効果を評価した。その結果、特定の抗CGRP mAbで効果が不十分であった場合、他の抗CGRP mAbへの切り替えは臨床上の重要なオプションである可能性が示唆された。Cephalalgia誌2023年4月号の報告。 2019年12月~2022年7月、2種類の抗CGRP mAbによる連続した治療を行った外来片頭痛患者31例より、包括基準を満たした22例(全例女性、慢性片頭痛19例、反復性片頭痛3例)を対象に、レトロスペクティブコホート研究を実施した。最初の抗CGRP mAbに対し効果不十分であった患者を、同じ患者コホートの3つの変数(片頭痛評価尺度[MIDAS]スコア、1ヵ月当たりの頭痛日数、1ヵ月当たりの鎮痛薬使用日数)または5つの変数(MIDASスコア、1ヵ月当たりの頭痛日数、1ヵ月当たりの鎮痛薬使用日数、1ヵ月当たりの鎮痛薬使用数、Headache Impact Test-6[HIT-6]スコア)を用いて評価した。主要評価項目は、2番目の抗CGRP mAbによる治療3ヵ月後における、1ヵ月当たりの頭痛日数、治療反応率、薬物乱用継続のベースラインからの絶対変化とした。 主な結果は以下のとおり。・3つの変数で効果不十分と判断された患者では、2番目の抗CGRP mAbによる治療3ヵ月後において、1ヵ月当たりの頭痛日数、1ヵ月当たりの鎮痛薬使用日数、MIDASスコア、HIT-6スコアの持続的な改善が認められた。・30%以上の治療反応が認められた患者は、10例(45.4%)であった。・抗CGRP mAbの切り替えは、リガンドから受容体またはその逆において、差は認められなかった。・5つの変数で効果不十分と判断された患者では、2番目の抗CGRP mAbによる治療3ヵ月後に、HIT-6スコアのみでベースラインからの改善が認められた。1ヵ月当たりの頭痛日数、1ヵ月当たりの鎮痛薬使用日数、MIDASスコアについては、3ヵ月後の減少傾向が観察された。

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