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維持透析を受けている腎不全の2型糖尿病患者において、GLP-1受容体作動薬(GLP-1薬)の新規使用は、他の一般的な血糖降下薬と比較して心血管イベントおよび全死因死亡のリスク低下と関連していたことを、米国・Duke University School of MedicineのBenjamin Catanese氏らが示した。Journal of the American Society of Nephrology誌オンライン版2026年3月12日号掲載の報告。 GLP-1薬は、透析を必要としない慢性腎臓病患者において心血管イベントリスクを低減することが報告されている。しかし、透析に至った腎不全患者におけるGLP-1薬の有益性は依然として不明であり、腎不全患者の心血管アウトカムを改善する治療選択肢は限られている。そこで研究グループは、腎不全と2型糖尿病を併発している患者を対象に、GLP-1薬または他の血糖降下薬を新たに使用開始した場合の心血管アウトカムを比較する観察研究を実施した。 電子カルテ、メディケア請求データ、米国腎臓データシステム(United States Renal Data System、2011~21年)を用いて、維持透析中の2型糖尿病患者におけるGLP-1薬、DPP-4阻害薬、スルホニル尿素薬(SU薬)の新規使用者を特定した。主要解析では61の共変量を用いた傾向スコアマッチングにより、GLP-1薬とDPP-4阻害薬の開始者を1対1で比較した。副次解析として、GLP-1薬とSU薬の開始者についても同様に比較した。 主要アウトカムは全死因死亡を含む修正主要心血管イベント(MACE)で、副次アウトカムには主要アウトカムの個々の構成要素と心不全による入院が含まれた。原因別Cox比例ハザードモデルによりハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・新規使用者は、GLP-1薬3,629例、DPP-4阻害薬2万1,369例、SU薬3万2,296例で、最大2年間追跡された。・GLP-1薬とDPP-4阻害薬の開始者3,284組のマッチングにおいて、GLP-1薬の使用はMACE、全死因死亡、心不全による入院のリスク低下と関連していた。 MACE HR:0.87(95%CI:0.78~0.97) 全死因死亡 HR:0.83(95%CI:0.74~0.94) 心不全による入院 HR:0.90(95%CI:0.83~0.99)・GLP-1薬とSU薬の開始者2,792組のマッチングにおいて、GLP-1薬の使用はMACEおよび全死因死亡のリスク低下と関連していた。 MACE HR:0.83(95%CI:0.74~0.93) 全死因死亡 HR:0.80(95%CI:0.69~0.91)