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トラネキサム酸が、出血性外傷患者の死亡リスクを低減:2万例の無作為化試験

出血性外傷患者に対して、トラネキサム酸(商品名:トランサミンなど)短期治療を早期に開始すると、安全性を保持しつつ死亡リスクが有意に改善されることが、イギリスLondon School of Hygiene & Tropical MedicineのHaleema Shakur氏らが実施した「CRASH-2試験」(http://www.crash2.lshtm.ac.uk/)の結果から明らかとなった。外傷による院内死亡の約3分の1は出血が原因であり、多臓器不全による死亡にも出血が関与している。トラネキサム酸は、待機的手術を施行された患者の出血を低減させる可能性が示唆されているという。Lancet誌2010年7月3日号(オンライン版2010年6月15日号)掲載の報告。40ヵ国、2万例の外傷患者のプラセボ対照無作為化試験CRASH-2試験の研究グループは、外傷患者に対する短期的トラネキサム酸治療の早期投与が、死亡、血管閉塞性イベント、輸血の費用に及ぼす効果を評価するためにプラセボ対照無作為化試験を実施した。40ヵ国274施設から重篤な出血あるいはそのリスクを有する2万211例の外傷患者が登録され、8時間以内にトラネキサム酸を投与する群あるいはプラセボ群に無作為に割り付けられた。トラネキサム酸は、10分以上かけて1gを負荷投与したのち、8時間で1gを静注投与することとした。患者および試験関係者(各施設の担当医師、試験運営センターのスタッフ)には、治療割り付け情報は知らされなかった。主要評価項目は受傷後4週以内の院内死亡とし、死亡原因を出血、血管閉塞(心筋梗塞、脳卒中、肺塞栓)、多臓器不全、頭部外傷、その他のカテゴリーに分けて解析した。全死亡が有意に9%低下、出血による死亡リスクも有意に15%改善トラネキサム酸群に1万96例が、プラセボ群には1万115例が割り付けられ、それぞれ1万60例、1万67例が解析の対象となった。全死亡率は、プラセボ群の16.0%(1,613/1万67例)に対し、トラネキサム酸群は14.5%(1,463/1万60例)と有意に抑制された(相対リスク:0.91、95%信頼区間:0.85~0.97、p=0.0035)。出血による死亡リスクも、プラセボ群の5.7%(574/1万67例)に対し、トラネキサム酸群は4.9%(489/1万60例)と有意に低下した(相対リスク:0.85、95%信頼区間:0.76~0.96、p=0.0077)。著者は、「トラネキサム酸は、出血性外傷患者の死亡リスクを安全に低減する。これらの結果に基づき、出血性外傷患者ではトラネキサム酸の使用を考慮すべきである」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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HIV患者の併用抗レトロウイルス治療を看護師に任せてよいか?

併用抗レトロウイルス療法(ART)を受けているHIV患者の管理を、訓練を受けた看護師が行っても、医師よる治療と同等の効果が得られることが、南アフリカWitwatersrand大学のIan Sanne氏らが行った無作為化試験(CIPRA-SA試験)で示された。併用ARTはAIDS関連疾患や関連死を著明に低減することが示されている。先進国では、耐性検査を含む頻回の検査のサポートのもとで、専門医があらゆる薬剤を駆使してHIV治療を行っている。しかし、サハラ砂漠以南のアフリカ諸国など医療資源が乏しい環境において併用ARTの使用を拡大するには、医師から他のケア提供者へ職務を移行する必要があるという。Lancet誌2010年7月3日号(オンライン版6月16日号)掲載の報告。看護師と医師によるART治療を比較する非劣性試験CIPRA-SA試験の研究グループは、HIV患者のART治療の管理を医師が行う場合と、これを看護師が行う場合のアウトカムを比較する無作為化非劣性試験を実施した。南アフリカの二つのプライマリ・ケア施設から、CD4細胞<350個/μL、WHO stage 3/4のHIV陽性患者が登録され、看護師によるART治療群と医師によるART治療群に無作為に割り付けられた。治療割り付け情報は患者にも、データ解析者にも知らされなかった。主要評価項目は、治療失敗に関する複合エンドポイント(治療を制限するイベント、全死亡、ウイルス学的失敗、治療を制限する毒性、受診予約に対するアドヒアランス)とした。治療失敗のハザード比の95%信頼区間上限値が<1.40の場合に、医師の治療に対して看護師による治療は非劣性であるとした。エンドポイントは看護師48%、医師44%、ハザード比1.09、95%信頼区間0.89~1.33医師によるART治療群に408例が、看護師によるART治療群には404例が割り付けられ、全例が解析の対象となった。治療失敗のエンドポイントは46%(371/812例)に認められ、そのうち看護師群は48%(192/404例)、医師群は44%(179/408例)であった。治療失敗の複合エンドポイントのハザード比は1.09、95%信頼区間は0.89~1.33であり、非劣性の上限以内であった。フォローアップ期間中央値120週における死亡は看護師群が10例、医師群が11例、ウイルス学的失敗はそれぞれ44例、39例、毒性が68例、66例、非受診が70例、63例であり、両群間で同等であった。著者は、「看護師によるART治療は、これを医師が施行した場合に比べ劣ることはなかった。この知見は、ART治療を適切な訓練を受けた看護師へ移行することを支持するものである」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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頸動脈狭窄に対する内膜切除 vs. ステント留置、4年転帰有意差認められず:CREST試験

頸動脈アテローム硬化症は、虚血性脳卒中の重大原因である。治療は頸動脈ステント術と頸動脈内膜切除術の二つがあるが、症候性患者を対象とした、両手技を比較するこれまでの無作為化試験の結果は、相反し議論が続いている。米国メイヨークリニックのThomas G. Brott氏らは、症候性あるいは無症候性の頭蓋外頸動脈狭窄患者を対象に、両手技を比較検討する試験「CREST」を行った。脳卒中・心筋梗塞・死亡の複合をエンドポイントとした結果、両群で有意差は認められなかったという。NEJM誌2010年7月1日号(オンライン版2010年5月26日号)掲載より。2,500例超を中央値2.5年追跡CREST試験は、アメリカ108施設、カナダ9施設から症候性あるいは無症候性頸動脈狭窄患者が登録して行われた無作為化試験で、2000年12月から2008年7月までに2,522例が登録された。被験者は、頸動脈ステント術を受ける群、または頸動脈内膜切除術を受ける群に無作為化され、主要エンドポイントは、周術期の脳卒中・心筋梗塞・全死因死亡と、無作為化後4年以内の同側性脳卒中の複合だった。中央値2.5年追跡の2,502例の、4年推定主要エンドポイント発生率は、ステント群7.2%、内膜切除群6.8%で、両群に有意差は認められなかった(ハザード比:1.11、95%信頼区間:0.81~1.51、P=0.51)。主要エンドポイントに関する治療効果は、症候性であること(P=0.84)や、性差(P=0.34)による違いは認められなかった。周術期において、ステント群は脳卒中が、内膜切除群は心筋梗塞がハイリスク4年推定脳卒中・死亡の発生率は、ステント群6.4%、内膜切除群4.7%だった(ハザード比:1.50、P=0.03)。症候性有無別にみると、症候性グループではステント群8.0%、内膜切除群6.4%でハザード比1.37(P=0.14)、無症候性グループではステント群4.5%、内膜切除群2.7%でハザード比は1.86(P=0.07)だった。周術期の各エンドポイント発生率は、ステント群と内膜切除群とで違いが認められ、死亡は0.7%対0.3%(P=0.18)、脳卒中はステント群で有意に高く(4.1%対2.3%、P=0.01)、心筋梗塞は内膜切除群で有意に高かった(1.1%対2.3%、P=0.03)。周術期以後の同側性脳卒中の発生率は、ステント群2.0%、内膜切除群2.4%でいずれも低かった(P=0.85)。(医療ライター:武藤まき)

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中咽頭がん患者の死亡リスク、HPV腫瘍陽性群は陰性群より58%低い

ヒトパピローマウイルス(HPV)腫瘍陽性は、中咽頭がん患者生存の強い独立した予後因子であることが明らかにされた。HPVに起因する中咽頭扁平上皮がんの生存率は良好だが、HPV腫瘍が有意な独立予後因子であるかどうかはわかっていなかった。テキサス大学M.D.アンダーソンがんセンターのK. Kian Ang氏らが、ステージIII、IVの中咽頭がん患者を対象にHPV腫瘍と生存率との関連を後ろ向きに分析した結果による。NEJM誌2010年7月1日号(オンライン版2010年6月7日号)掲載より。放射線療法の違いによる死亡リスクの有意差は認められなかった被験者は、放射線療法に関する加速分割照射法(360例)と通常分割照射法(361例)を比較する無作為化試験「RTOG 0129」の参加者[両群ともシスプラチン(商品名:ブリプラチンなど)併用]で、頭頸部に扁平上皮がんを有していた。そのうち、中咽頭がん患者でHPV腫瘍の状態が判明した323例を、HPV陽性がん(206例、63.8%)とHPV陰性がん(117例)に分類し、比例ハザードモデルを用いて両群間の死亡リスクを比較した。被験者登録は2002年7月から2005年5月に行われ、追跡期間の中央値は4.8年だった。試験全体の3年生存率は、加速分割照射法群(70.3%)と、通常分割照射法群(64.3%)で同等だった(P=0.18)。加速分割照射法群の死亡ハザード比は0.90(95%信頼区間:0.72~1.13)、有意差は認められなかった。グレードの高い急性(P=0.21)あるいは後発性(P=0.18)の毒性の発生率も両群で有意差はみられなかった。4つの因子で患者を、死亡リスク低~高の各群に分類中咽頭がんでHPV腫瘍陽性患者の3年生存率は、同陰性患者より良好だった(82.4%対57.1%、log-rank検定P<0.001)。年齢、人種、腫瘍・リンパ節転移ステージ、喫煙曝露、治療割り付けについて補正後、陽性群の死亡リスクは陰性群より58%低かった(ハザード比:0.42、P<0.001)。また死亡リスクは、喫煙曝露(箱-年)が増えるほど有意に増大した。さらに研究グループは、喫煙曝露の状況も判明していた被験者(266例)のデータを解析することで、「HPV腫瘍の状態(陽性か陰性か)」「喫煙曝露(10箱-年超か以下か)」「腫瘍ステージ(HPV陰性・10箱-年以下の患者でT2–T3かT4か)」「リンパ節転移ステージ(HPV陽性・10箱-年超の患者でN0–N2aかN2b–N3か)」の4つの因子で患者の死亡リスクを、低リスク群、中等度リスク群、ハイリスク群に分類できたことも報告している。(医療ライター:武藤まき)

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ピオグリタゾン対rosiglitazoneのイベントリスク:米国FDA報告

2型糖尿病治療薬のrosiglitazone(国内未承認)は、ピオグリタゾン(商品名:アクトス)他米国内で販売されているチアゾリジン系薬に比べ、脳卒中リスクを1.27倍、心不全リスクを1.25倍に増加するなど、心血管疾患イベントリスクを増大することが報告された。米国食品医薬品局(FDA)のDavid J. Graham氏らが、約23万人のチアゾリジン系薬の服用者を追跡して明らかにしたもので、JAMA誌オンライン版2010年6月28日号で発表された。被験者の平均年齢は74歳、最長3年間追跡研究グループは、米国の高齢者向け公的医療保険メディケアの被保険者で、2006年7月から2009年6月の間に、メディケアのパートD処方プランでrosiglitazoneまたはピオグリタゾンの服用を開始した22万7,571人について、後ろ向き発端コホート研究を行った。被験者は65歳以上で、平均年齢は74.4歳だった。追跡期間は、服用開始から最長で3年だった。エンドポイントは、急性心筋梗塞、脳卒中、心不全、原因を問わない死亡と、それらすべてを合わせた複合イベントだった。rosiglitazoneの複合イベント発生は1.68/100人・治療年その結果、追跡期間中にいずれかのエンドポイントが発生したのは、8,667人だった。rosiglitazoneのピオグリタゾンに対するイベント発生に関するハザード比は、脳卒中が1.27(95%信頼区間:1.12~1.45)、心不全が1.25(同:1.16~1.34)、死亡が1.14(同:1.05~1.24)、複合イベントが1.18(同:1.12~1.23)だった。なお、急性心筋梗塞については、1.06(同:0.96~1.18)で両群で有意差はみられなかった。また、複合イベント発生に関するrosiglitazoneの寄与危険度は、1.68/100人・治療年(同:1.27~2.08)だった。有害必要数(NNH)は、60人(同:48~79)への1年間投与だった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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術後合併症予防キャンペーンSCIP順守の効果は?

術後合併症の予防を目的として、米国の主な医療機関が参加・展開するキャンペーン「Surgical Care Improvement Project」(SCIP)で定められた予防措置を守ることで、術後合併症リスクは15%減らせることが明らかにされた。ただし順守と術後合併症予防に有意な関連は認められなかったとも報告している。米国オハイオ州のケース・ウエスタン・リザーブ大学のJonah J. Stulberg氏らが、40万人超の患者について調べ、明らかにしたもので、JAMA誌2010年6月23/30日号で発表した。感染予防措置の3項目順守率、2~6項目順守率をそれぞれ評価同氏らは、SCIPに参加し、予防措置の順守率について「Hospital Compare Web」で、「Premier Inc's Perspective Database」に基づき報告・公開している医療機関398ヵ所で手術を受け、2006年7月1日から2008年3月31日までに退院した40万5,720人について、後ろ向きコホート試験を行った。被験者のうち、白人は69%、黒人は11%で、高齢者向け公的医療保険メディケアの患者が46%、68%が選択的外科手術例だった。SCIPは7つの評価項目(INF-1~INF-7)と、2つの複合評価方法(S-INFコア、S-INF)から成る。複合評価方法「S-INFコア」は、評価項目の中心であるINF-1~INF-3の3項目から構成され、「S-INF」はINF-5を除く6項目から成る。研究グループは、複合評価方法でSCIP項目を順守することの術後感染に対する効果を評価するため、S-INFコア指標について3項目すべてを順守した群と順守しなかった群とで術後感染との関連を調べ、またS-INF指標については2項目以上を順守していた群と順守項目がなかった群とで順守状況と術後感染について調べた。評価に際しては、病院特性(規模、位置、教育病院かなど)を加味している。2項目以上順守の術後感染率0.85倍、中核の3項目順守で0.86倍結果、追跡期間中に発生した術後感染は、3,996件だった。S-INF評価で2項目以上を順守した群の術後感染率は、1,000退院当たり6.8、非順守群は同14.2で、順守群の方が低かった(補正後オッズ比:0.85、95%信頼区間:0.76~0.95)。S-INFコアについても、順守群の術後感染率は1,000退院当たり5.3、非順守群は11.5と順守群が低かったが、統計学的有意差は認められなかった(補正後オッズ比:0.86、同:0.74~1.01)。またSCIPの6項目のうち、順守したか否かで術後感染率の低下につながり他の項目と有意な差がついたという項目はなかった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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電子化された診療記録の共有化のベネフィットとは?

イギリスで国家プロジェクトとして進められている電子化された診療記録の共有化は、そのベネフィットが当初の予想よりも小さく、実際に利用する臨床医は少ないことが、Barts and The London School of Medicine and DentistryのTrisha Greenhalgh氏らの調査で明らかとなった。電子化された診療記録が共有されれば、多彩なケアの利用を可能にする核心的な情報の発信が可能となり、医療の質、安全性、有効性の改善につながるとの期待があるが、500万人以上の人口を抱える国で、国レベルの電子患者記録の共有化に成功した例はないという。2007年、イギリス保健省は診療概要記録(SCR)の国レベルでの共有化を推進するプログラムを開始し、さしあたり救急と予約外診療での運用が始まっている。BMJ誌2010年6月26日号(オンライン版2010年6月16日号)掲載の報告。SCRの集積を進める国家プラグラムを評価研究グループは、電子化された診療概要の記録の集積を進める国家プログラム(English National Health Service 2007-10.)の評価を行った。SCRは、“National Programme for Information Technology”の一環として導入された。SCRの評価は国の政策との関連で第一線で遂行されるものとみなされ、3地域で実施された。国レベルで集めたデータおよび時間外や予約なしの受診が可能なプライマリ・ケア施設から収集された、41万6,325例のデータが集積され解析された。政策立案者、管理者、臨床医、ソフトウェア供給者などへの140のインタビュー、214の診療の観察記録を含む2,000ページの民族誌的現場記録、3,000ページにおよぶ文書が、テーマ別および解釈的に解析された。SCRの効果は当初の予測より小さく、利用頻度も低い2007~2010年に、SCRプログラムは社会的、技術的に膨大な課題に直面し、これを遂行するには高度な作業負荷を要し、複雑な相互依存が存在することが判明した。予約なしのプライマリ・ケア施設でSCRが利用できる環境を構築しても、これにアクセスして実際に使用する臨床医は多くないことが示された。SCR関連のベネフィットは、当初の予測に比べると小さく、確実性が低かった。プログラムの技術的側面や運営上の問題は、SCR導入の政治的、職業的、臨床的、個人的な意図などの主観的で状況的な論点と切り離せないことが示された。著者は、「電子化された患者の診療概要の記録の導入には一定の進展がみられるが、重大な社会的、技術的障壁がその広範な採用を阻んでいる。現時点でのベネフィットは当初の予想よりも小さく、不確実であった」とまとめている。(菅野守:医学ライター)

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歯磨きしないと心血管疾患になる?

劣悪な口腔衛生状態は心血管疾患のリスクを増大させ、軽度炎症のマーカーとも関連することが、イギリスUniversity College London疫学・公衆衛生学科のCesar de Oliveira氏らによるScottish Health Surveyの結果から明らかとなった。過去20年以上にわたり歯科疾患と心血管疾患の関連に対する関心が高まっている。炎症は動脈硬化の病因として重要であり、軽度炎症のマーカーが、高い心血管疾患リスクと関連することが示されており、口腔衛生が劣悪な状態は慢性的な炎症状態である歯周病を起こしやすいという。BMJ誌2010年6月26日号(オンライン版2010年5月27日号)掲載の報告。歯磨きの回数と心血管イベントのリスクの関連を評価研究グループは、自己申告による歯磨きの状況と心血管疾患との関連、および炎症マーカー(C反応性蛋白:CRP)、凝固(フィブリノゲン)との関連について検討した。スコットランドに居住する一般家庭を対象としたScottish Health Surveyに登録された平均年齢50歳の1万1,869人について解析を行った。口腔衛生状態は自己申告による歯磨きの回数で評価した。調査は病院の臨床記録とプロスペクティブに連動させ、Cox比例ハザードモデルを用いて口腔衛生状態に応じた心血管疾患イベントや死亡のリスクを推定した。口腔衛生と炎症、凝固との関連は4,830人において評価した。口腔衛生が劣悪だと心血管疾患イベントのリスクが1.7倍にフォローアップ期間平均8.1年において心血管疾患イベントは555件発生し、そのうち170件が致死的であった。心血管疾患イベントを来した患者の74%(411例)が冠動脈心疾患と診断されていた。完全に補正されたモデルでは、口腔衛生が劣悪な集団(歯を磨かない、または磨くことはまれ)では心血管疾患イベントのリスクが有意に増大していた(ハザード比:1.7、95%信頼区間:1.3~2.3、p<0.001)。これらの集団では、CRPやフィブリノゲンの濃度も上昇していた。著者は、「劣悪な口腔衛生状態は心血管疾患のリスクを増大させ、軽度炎症のマーカーとも関連することが示された。しかし、その因果関係は明らかではない」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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Rosiglitazone Associated with Increased Stroke, Heart Failure, and Death Compared to Pioglitazone in Elderly Patients

The thiazolidinediones rosiglitazone (Avandia) and pioglitazone (Actos) have become popular drugs for type 2 diabetes in recent years for their potential to improve glycemic control by increasing insulin sensitivity. Concern over the safety of rosiglitazone was raised by a 2007 meta-analysis of 42 trials associating the drug with increased risk of myocardial infarction (MI) and cardiovascular death (N Engl J Med 2007 Jun 14;356(24):2457).A new, large cohort study compared the safety of rosiglitazone vs. pioglitazone in 227,571 elderly patients (mean age 74 years) with diabetes who began taking 1 of the 2 drugs between July 2006 and June 2009. During a follow-up period of up to 3 years, there were 8,667 events of MI, stroke, heart failure, or death. The incidence rate per 100 person-years for the composite of these outcomes was significantly higher for rosiglitazone than for pioglitazone (9.1 vs. 7.42, p < 0.05) (level 2 [mid-level] evidence). The number needed to harm (NNH), calculated as the number of patients treated for 1 year to generate 1 excess event, was 60 for the composite outcome. Rosiglitazone was also associated with increased incidence rates of stroke (1.27 vs. 0.95, p < 0.05, NNH 313), heart failure (3.94 vs. 3, p < 0.05, NNH 106), and death (2.85 vs. 2.4, p < 0.05, NNH 222). Incidence rates of acute MI were not significantly different (1.83 vs. 1.63) (JAMA 2010 Jun 28 early online).Also recently published was an update of the 2007 meta-analysis with 14 additional trials comparing treatment with vs. without rosiglitazone. Rosiglitazone was associated with increased risk of MI (odds ratio 1.28, 95% CI 1.02-1.63), but there was no significant difference in cardiovascular death (Arch Intern Med 2010 Jun 28 early online).For more information, see the Rosiglitazone topic in DynaMed. Published by DynaMedCopyright(c) 2010 EBSCO Publishing. All rights reserved.DynaMedは、信用できる最新エビデンスを簡潔にまとめた診療サポート・EBM実践ツールです。DynaMed Weekly Updateは、毎週DynaMedに採用される記事の中から、医師にとって重要で臨床上の判断に影響を与え得ると思われる1~5つの記事を集めたニュースレターです。●問合せ先EBSCO Publishing (エブスコ・パブリッシング)〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-6-2 高円寺センタービル8FTEL: 03-5327-5321, FAX: 03-5327-5323, E-MAIL: medical@ebsco.co.jpHP: http://www.ebsco.co.jp/medical/dynamed

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エパデールが末梢動脈疾患患者の冠動脈イベントを抑制する ―JELIS試験のサブ解析結果より

持田製薬株式会社は5日、高脂血症、閉塞性動脈硬化症治療剤「エパデール」(一般名:イコサペント酸エチル、EPA)の高脂血症患者を対象とした大規模臨床試験「JELIS」において、エパデールが末梢動脈疾患を有する患者の冠動脈イベントを有意に抑制するとの結果が得られたと発表した。解析結果は日本循環器学会の機関誌『Circulation Journal』7月号に掲載されるとのこと。JELISのコントロール群(エパデール非投与群)について末梢動脈疾患の有無による冠動脈イベントの発症率を調べた結果、末梢動脈疾患を有していないグループでは7.2人/千人・年、試験登録時に末梢動脈疾患を合併しているグループでは38.6人/千人・年、また試験期間に末梢動脈疾患を新たに発症したグループでは55.2人/千人・年であった。末梢動脈疾患を合併しているグループの冠動脈イベント発症リスクは、末梢動脈疾患を有していないグループに比べて1.97倍高く、また新たに末梢動脈疾患を発症したグループでは2.88倍高いことが示されたという。また、末梢動脈疾患を有していたグループ(合併+新規発症)をエパデール投与群と非投与群とに分けて解析した結果、冠動脈イベント発症はエパデール投与群では17.3人/千人・年、エパデール非投与群では42.9人/千人・年となり、エパデール投与により冠動脈イベントの発症が56%有意に抑制されることもわかったという。詳細はプレスリリースへhttp://www.mochida.co.jp/news/2010/0705.html

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糖尿病の血管疾患リスクはどの程度? 70万人のメタ解析

糖尿病の存在は、肥満、脂質異常、高血圧など従来のリスク因子とは別個に、血管疾患リスクを約2倍に高めることが、Emerging Risk Factors Collaborationが実施した102もの試験のメタ解析で明らかとなった。糖尿病は冠動脈心疾患や脳卒中のリスク因子として確立されているが、年齢、性別、従来のリスク因子の有無などでリスクの程度はどれくらい変化するのか、致死的心筋梗塞と非致死的心筋梗塞、虚血性脳卒中と出血性脳卒中とでは糖尿病の影響はどの程度は異なるのかという問題は未解決のままだ。さらに、非糖尿病患者における血糖異常の意義についても同様の問題が残されているという。Lancet誌2010年6月26日号掲載の報告。糖尿病の血管疾患リスクを定量的に評価するメタ解析研究グループは、血管疾患リスクに及ぼす糖尿病の影響を定量的に評価することを目的に102のプロスペクティブ試験のメタ解析を行った。Emerging Risk Factors Collaborationが実施した試験から血管疾患の既往のない患者を抽出し、個々の患者の糖尿病、空腹時血糖値およびその他のリスク因子の記録について解析した。個々の試験を年齢、性別、喫煙状況、収縮期血圧、BMIで補正して回帰分析を行い、これらのデータを統合して血管疾患に対するハザード比(HR)を算出した。糖尿病の血管疾患に対するHRは1.73~2.27、空腹時血糖値の関連はわずか102のプロスペクティブ試験から抽出された69万8,782人(5万2,765人が非致死的あるいは致死的血管疾患を発症、849万人・年)が解析の対象となった。糖尿病の冠動脈心疾患に対する補正HRは2.00(95%信頼区間:1.83~2.19)、虚血性脳卒中に対する補正HRは2.27(同:1.95~2.65)、出血性脳卒中は1.56(1.19~2.05)、分類不能の脳卒中は1.84(同:1.59~2.13)、その他の血管死の合計が1.73(同:1.51~1.98)であった。脂質、炎症、腎機能のマーカーでさらに補正しても、HRに明確な変化は認めなかった。冠動脈心疾患に対するHRは男性よりも女性で高く、70歳以上よりも40~59歳で、非致死的疾患よりも致死的疾患で高かった。成人の糖尿病有病率を10%とすると、血管疾患の11%が糖尿病関連と推算された。空腹時血糖値は血管リスクと直線的な関連はなく、3.90mmol/Lと5.59mmol/Lで有意な差はみられなかった。空腹時血糖値3.90~5.59mmol/Lの場合と比較して、空腹時血糖値≦3.90mmol/Lの場合の冠動脈心疾患に対するHRは1.07(95%信頼区間:0.97~1.18)、5.60~6.09mmol/Lの冠動脈心疾患に対するHRは1.11(同:1.04~1.18)、6.10~6.99mmol/Lでは1.17(同:1.08~1.26)であった。糖尿病歴のない集団では、従来のリスク因子のほかに、空腹時血糖値や空腹時血糖異常に関する情報を付加しても、血管疾患の検出基準が改善されることはなかった。著者は、「糖尿病は、他の従来のリスク因子とは別個に、広範な血管疾患のリスクを約2倍に上昇させる。非糖尿病集団では、空腹時血糖値の血管疾患リスクとの関連はわずかであった」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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新規SGLT2阻害薬dapagliflozin、血糖コントロールが不良な2型糖尿病に有効

メトホルミンだけでは十分な血糖コントロールが得られない2型糖尿病患者に対し、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の選択的阻害薬であるdapagliflozinを追加投与すると、ヘモグロビンA1c(HbA1c)が有意に改善することが、英国Aston大学のClifford J Bailey氏らが行った無作為化試験で示された。高血糖の是正や糖毒性の発現予防は2型糖尿病の管理における重要な目標とされる。dapagliflozinは、SGLT2を選択的に阻害することで、インスリン非依存性に腎臓でのグルコースの再吸収を抑制するという。Lancet誌2010年6月26日号掲載の報告。dapagliflozinの有用性を評価する二重盲検プラセボ対照第III相試験研究グループは、メトホルミンだけでは血糖コントロールが不十分な患者においてdapagliflozinの有効性と安全性を評価する多施設共同二重盲検プラセボ対照第III相試験を実施した。メトホルミン≧1,500mg/日で十分な血糖コントロールが達成されない2型糖尿病患者546例が、3つの用量のdapagliflozin(2.5mg群:137例、5mg群:137例、10mg群:135例)あるいはプラセボ群(137例)に無作為に割り付けられた(いずれも1日1回経口投与)。メトホルミンは、試験開始前と同一の用量を継続投与した。主要評価項目は、24週におけるHbA1cのベースラインからの変化とした。二重盲検下で1回以上の投薬を受け、ベースラインとその後に少なくとも1回の検査を受けた全症例が解析の対象となった。用量依存性にHbA1cが有意に低下、ウエスト周囲長の短縮を伴う体重減少効果も主要評価項目の解析は、534例(dapagliflozin 2.5mg群:135例、5mg群:133例、10mg群:132例、プラセボ群:134例)で行われた。24週の時点で、プラセボ群の平均HbA1cが0.30%低下したのに対し、dapagliflozin 2.5mg群は0.67%(p=0.0002)、5mg群は0.70%(p<0.0001)、10mg群は0.84%(p<0.0001)と用量依存性に低下しており、いずれも有意差を認めた。dapagliflozin群では治療早期から体重減少を認め、この効果は治療期間を通じて持続した。24週には、プラセボ群の体重が平均0.9kg低下したのに対し、2.5mg群が2.2kg、5mg群が3.0kg、10mg群は2.9kg減少した(いずれも、p<0.0001)。ウエスト周囲長も、プラセボ群が平均1.3cm短縮したのに対し、2.5mg群が1.7cm、5mg群が2.7cm、10mg群は2.5cm減少していた。低血糖症状の発現率は、dapagliflozin群が2~4%、プラセボ群は3%と同等であった。性器感染を示唆する徴候、症状などの報告は、プラセボ群の5%(7例)に比べ、dapagliflozin 2.5mg群が8%(11例)、5mg群が13%(18例)、10mg群は9%(12例)と頻度が高い傾向がみられた。重篤な有害事象は17例(dapagliflozinの各用量群が4例ずつ、プラセボ群が5例)に認められた。著者は、「メトホルミン単剤では血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者の治療において、メトホルミンへのdapagliflozin追加療法は新たな選択肢となる」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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静脈瘤出血の中等度以上肝硬変、早期TIPSが治療失敗と死亡率を低下

急性静脈瘤出血で入院した治療失敗の可能性が高いChild-Pugh分類C(重度)、B(中等度)の肝硬変患者に対し、経頸静脈性肝内門脈大循環短絡術(TIPS)を早期に行うことで、治療の失敗または死亡率を有意に低下することが明らかになった。スペイン・バルセロナ大学病院のJuan Carlos Garcia-Pagan氏ら研究グループによる報告で、NEJM誌2010年6月24日号に掲載された。early-TIPS群と薬物療法-EBL群に無作為化し追跡研究グループは、急性静脈瘤出血の肝硬変患者で血管作用薬+内視鏡治療を受けた63例を、入院後24時間以内に2群に無作為化した。一方は、ポリテトラフルオロエチレン被膜ステントを用いた処置を、無作為化後72時間以内に行う群(early-TIPS群、32例)、もう一方は、血管作用薬を投与しながら3~5日後にプロプラノロール(商品名:インデラル)またはナドロール(同:ナディック)投与と、長期内視鏡的結紮術(EBL)を施行し、レスキュー療法が必要な時にTIPSを行う群(薬物療法-EBL群、31例)に割り付け追跡された。主要エンドポイントは、割り付け1年以内の急性出血コントロール失敗または臨床的に有意な静脈瘤の再出血予防の失敗からなる複合アウトカムとした。治療失敗の未発生、薬物療法-EBL群50%に対しearly-TIPS群97%追跡期間中央値16ヵ月の間に、再出血または出血コントロールの失敗は、薬物療法-EBL群では14例起きていたが、early-TIPS群は1例だった(P=0.001)。1年間主要エンドポイントが起きない確率は、薬物療法-EBL群は50%だったが、early-TIPS群は97%だった(P

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EGFR変異の進行性肺がん、ゲフィチニブのファーストラインで無増悪生存期間が倍に

EGFR遺伝子変異を有した非小細胞肺がんに対し、分子標的治療薬ゲフィチニブ(商品名:イレッサ)による治療は、従来の抗がん剤治療と比べ、再増悪までの期間が約2倍に改善することが明らかにされた。東北大学はじめ日本国内50施設が参加した北東日本研究機構(North East Japan Study Group:NEJSG)による報告で、NEJM誌2010年6月24日号で発表された。抗がん剤未治療患者230例を、ゲフィチニブ群と標準抗がん剤治療に無作為化し追跡北東日本研究機構は、EGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺がんに対しゲフィチニブが有効であるとの先行研究を受けて、EGFR遺伝子突然変異型を検出する高感度法を開発した。本試験では、その手法で事前特定した患者に対し、ファーストラインとしての、標準抗がん剤治療とゲフィチニブ治療を比較することを目的に行われた。被験者は、転移性非小細胞肺がんを有した抗がん剤未治療の230例。ゲフィチニブ投与群とカルボプラチン(商品名:パラプラチン)+パクリタキセル(同:タキソール)投与群(標準治療)に無作為化し追跡した。主要エンドポイントは、無増悪生存期間とした。副次エンドポイントは、総生存率、奏効率と毒性作用とした。増悪までの期間、奏効率がゲフィチニブ群で有意に、毒性も許容範囲内予定中間解析(最初の200例)の結果、増悪までの期間が、標準療法よりもゲフィチニブ投与群で、有意に延長していた。ゲフィチニブ群の死亡・疾患進行ハザード比は、0.36だった(P

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血中ホモシステインの低減、主要冠動脈イベントや脳卒中リスク減少につながらず

血中ホモシステインの低減は、主要な血管・冠動脈イベント、脳卒中や非冠動脈血管再生のリスク減少には、結びつかないようだ。がん発症との関連も認められなかったという。これまでの観察研究から、血管疾患を発症した人の血中ホモシステイン値は、そうでない人に比べ、高いことは知られていたが、この点が心血管疾患の原因となるかどうかは不明だった。英国オクスフォード大学のJane M. Armitage氏ら研究グループが、心筋梗塞歴のある1万2,000人超について、二重盲無作為化プラセボ対照試験を行って明らかにしたもので、JAMA誌2010年6月23/30日号で発表した。葉酸2mg+ビタミンB12 1mgを毎日投与研究グループSEARCH(Study of the Effectiveness of Additional Reductions in Cholesterol and Homocysteine)は1998~2008年にかけて、英国の病院を通じ、非致死の心筋梗塞を発症した1万2,064人を対象に試験を行った。同グループは被験者を無作為に二群に分け、一方には葉酸2mgとビタミンB12 1mgを毎日(ビタミン群)、もう一方にはプラセボを投与した。主要評価項目は、初回主血管イベントの発生、主冠動脈イベントの発生(冠動脈死、心筋梗塞、冠動脈血管再生のいずれか)、致死・非致死の脳卒中、非冠動脈血管再生だった。追跡期間の平均値は、6.7年(標準偏差:1.5)だった。イベント発生、死亡率、がん発症率などいずれも両群で有意差なしビタミン群のホモシステイン減少幅の平均値は、3.8μmol/L(28%)だった。追跡期間中の主血管イベント発生は、ビタミン群が6,033人中1,537人(25.5%)、プラセボ群が6,031人中1,493人(24.8%)と、有意差はみられなかった(リスク比:1.04、95%信頼区間:0.97~1.12、p=0.28)。主冠動脈イベントについても、ビタミン群が1,229人(20.4%)に対しプラセボ群が1,185人(19.6%)と、有意差はなかった(リスク比:1.05、同:0.97~1.13)。さらに脳卒中についても、それぞれ269人(4.5%)と265人(4.4%)でリスク比は1.02(同:0.86~1.21)、非冠動脈血管再生もそれぞれ178人(3.0%)と152人(2.5%)でリスク比は1.18(同:0.95~1.46)と、両群で有意差はなかった。さらに、血管疾患が原因の死亡[ビタミン群578人(9.6%)対プラセボ群559人(9.3%)]、非血管疾患が原因の死亡[同405人(6.7%)対392人(6.5%)]、がん発症率[同678人(11.2%)対639人(10.6%)]についても、それぞれ両群で有意差はなかった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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65歳以上の肥満や50歳からの体重増で、2型糖尿病リスクが大幅増加

65歳以上の肥満や、50歳からの体重増は、糖尿病発症リスクを増加するという。BMI値の最高五分位範囲の群では、最低五分位範囲の群に比べ、糖尿病発症リスクが4倍以上であったことが報告された。米国ワシントン大学公衆衛生校生物統計学部のMary L. Biggs氏らが、65歳以上の4,000人超を対象とした前向きコホート試験の結果明らかにしたもので、JAMA誌2010年6月23/30日号で発表した。これまで、若者や中年の肥満が2型糖尿病のリスク因子であることは知られていたが、高齢者の肥満と同リスクに関する研究報告はほとんどなかった。肥満について人体測定学と生体インピーダンス法で測定研究グループは1989~2007年にかけて、Cardiovascular Health Studyの被験者で65歳以上の4,193人について、前向きに追跡した。肥満測定は、ベースラインでは人体測定学と生体インピーダンス法を用い、3年後に人体測定学で再測定を行った。主要評価項目とした糖尿病の診断については、糖尿病治療薬の服用や空腹時血中血糖値が126mg/dL以上とした。追跡期間の中央値は12.4年(範囲:0.9~17.8年)だった。その間、糖尿病が確認されたのは、339人だった(7.1/1,000人・年)。糖尿病リスクは、各因子とも最高五分位範囲が最低五分位範囲の約4倍ベースラインのBMI値が、最高五分位範囲の最低五分位範囲に対する、糖尿病発症に関するハザード比は、4.3(95%信頼区間:2.9~6.5)、50歳時点のBMI値については同3.0(同:2.0~4.3)だった。ベースラインの体重が、最高五分位範囲の最低五分位範囲に対する同ハザード比は、4.2(同:2.8~6.4)、体脂肪量は同4.0(同:2.6~6.0)、ウエスト周囲が同4.2(同:2.8~6.2)、ウエスト・ヒップ比が同2.4(同:1.6~3.5)、ウエスト・身長比が同3.8(同:2.6~5.5)だった。ただこれらハザード比の傾向を年齢階層化してみると、75歳以上になるとリスクは、65~74歳と比べておよそ半分であった。また、体重増との関係についてみてみると、本試験登録時の体重について50歳時点から9kg以上増えていた人は、体重の増減が2kg以内の人と比べ、2型糖尿病発症のハザード比が2.8(95%信頼区間:1.9~4.3)、ベースラインから追跡中3回目の測定までに体重が6kg以上増えた人の同ハザード比は2.0(同:1.1~3.7)だった。ベースラインから3回目の測定までに、ウエストが10cm超増えた人の同ハザード比は、ウエスト増減が2cm未満だった人との比較で、1.7(同:1.1~2.8)だった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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職場、公共スペースの禁煙後、着実に心筋梗塞入院患者が減少

イングランドでは2007年7月1日に、一部例外を除き、職場および公共スペースを全面禁煙とする法律が施行された。同国バース大学公衆衛生校のMichelle Sims氏らは、禁煙法導入による心筋梗塞入院患者に関する短期的な影響について調査を行った結果、「禁煙法は心筋梗塞を減らす」とのエビデンスを肉付けする結果が得られたという。BMJ誌2010年6月19日号(オンライン版2010年6月8日号)掲載より。施行後-2.4%減少、施行1年で1,200件減少に等しいSims氏らは、イングランドの18歳以上で心筋梗塞と診断分類され緊急入院した、2002年7月~2008年9月分のデータ(禁煙法施行前5年分と施行後15ヵ月分)を、ポアソン回帰分析法を用いて解析した。データはルーチンに集められた断続的時系列な統計学的データだった。主要評価項目は、週ごとの入院患者数。信仰や季節的な傾向、母集団サイズを補正後の解析結果、わずかではあるが有意な心筋梗塞入院患者の減少が、禁煙法施行後に認められた(-2.4%、95%信頼区間:-4.06~-0.66、P=0.007)。これは、法施行後1年間で1,200件(再入院を含むと1,600件)の心筋梗塞入院減少に等しかった。男女とも60歳以上で有意な減少、60歳未満は男性のみ有意入院減少が有意だったのは、60歳以上の男性(3.1%、P=0.001)および女性(3.8%、P=0.007)で、60歳未満では、男性は有意だったが(3.5%、P

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乳児への肺炎球菌ワクチン接種の費用対効果:オランダ

 オランダで行われている全乳児への7価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV-7)の4回投与の予防接種プログラムについて、費用対効果に関する研究が行われた。オランダ・フローニンゲン大学薬学部のMark H Rozenbaum氏らによるもので、PCV-7の投与回数を減らした場合や、10価(PCV-10)、13価(PCV-13)のワクチンを用いた場合との比較を行った結果、現行のPCV-7の4回投与は、費用効果的ではないことが明らかになったと報告している。BMJ誌2010年6月19日号(オンライン版2010年6月2日号)掲載より。PCV-7、PCV-10、PCV-13投与と非投与とを比較 Rozenbaum氏らは、デシジョンツリー分析モデル(予備研究データにより構築)を用いて、PCV-7、PCV-10、PCV-13の費用対効果をワクチン非投与との比較で検討した。 コホート母集団の被験児は、オランダ生まれの乳児18万人で5歳まで追跡された。PCV-7の4回投与が始まる前の肺炎球菌感染症の発病率と抗原型に関するサーベイランスデータは、2004~2006年分が入手できた。 主要評価項目は、コスト、獲得生存年およびQALYs(生活の質を調整した生存年)、増分費用効果比(incremental cost effectiveness)とした。 ワクチンの効果が5年に及ぶと仮定した条件下で解析した結果、5歳児集団におけるワクチン接種による副次効果(集団感染の抑制)は、推定ネットで認められなかった。PCV-7の4回(3+1)投与で予防できたのは、5歳児で、侵襲性症例は推定71例、非侵襲性症例は同5,778例で、173獲得生存年、277QALYsに相当するものだった。PCV-7の4回投与はコストの割には効果に乏しい PCV-7の増分費用効果比、すなわち1QALYを獲得するのにかかったコストは11万3,891ユーロで、当初、費用対効果があるものとして推計されていた1QALY当たり5万ユーロをかなり上回っていた。 PCV-7の3回(2+1)投与の場合は、8万2,975ユーロに減っていた。 また、PCV-10、PCV-13接種の場合は、仮定条件により異なるが、3万1,250~5万2,947ユーロの範囲だった。 Rozenbaum氏は、「現行のPCV-7の4回投与は、費用効果的ではない。ワクチン非接種者による感染者増加が、ワクチン接種者による集団への副次効果を減じ、ワクチン接種の予防ベネフィットを相殺しているためと思われる。その点、PCV-10、PCV-13接種の方が利点がありそうである。PCV-7についてはワクチンの接種回数を減らすこと、および値段の引き下げでプログラム全体のコストが減らすことができれば、増分費用効果比を寛容できる範囲に減らすことは可能である」と結論している。

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自閉症児に対する親によるコミュニケーション介入は症状を改善するか?

コアな自閉症の患児に対して、通常の治療に加え親によるコミュニケーションに焦点を当てた介入を行っても、症状の改善はわずかしか得られないことが、イギリス・マンチェスター大学精神科のJonathan Green氏らが行った無作為化試験で示された。自閉症は、その中核をなす患者のおよそ0.4%、広範な自閉症スペクトラムに属する患者の約1%が重篤で高度に遺伝性の神経発達障害をきたすと推察され、社会的な相互関係や意思疎通、行動の障害が、小児から成人への発達に多大な影響を及ぼすため、家族や社会に大きな経済的な負担が生じることになる。小規模な試験では、社会的コミュニケーションへの早期介入が自閉症児の治療に有効なことが示唆されているという。Lancet誌2010年6月19日号(オンライン版2010年5月21日号)掲載の報告。PACTによる介入群と非介入群を比較する無作為化試験研究グループは、中核的な自閉症の患児を対象に社会的コミュニケーションへの早期介入の有効性について検討する大規模な無作為化試験を実施した。イギリスの三つの専門施設(ロンドン、マンチェスター、ニューカッスル)に2歳~4歳11ヵ月の自閉症児が登録され、親によるコミュニケーションに焦点を当てた介入(Preschool Autism Communication Trial;PACT)を行う群あるいは通常の治療を行う群に1:1の割合で無作為に割り付けられた。PACT群の患児には通常の治療も施行された。主要評価項目は、治療13ヵ月後の自閉症症状の重症度[Autism Diagnostic Observation Schedule-Generic(ADOS-G)の社会的コミュニケーションに関するアルゴリズム項目の総スコア(スコアが高いほど重症度が高度)]とし、補足的な副次評価項目として親子間の相互応答、患児の言語能、学校での適応能を測定した。親子間のコミュニケーションには明確なベネフィットが152例が登録され、PACT群に77例(ロンドン:26例、マンチェスター:26例、ニューカッスル:25例)、通常治療群には75例(ロンドン:26例、マンチェスター:26例、ニューカッスル:23例)が割り付けられた。13ヵ月の時点における症状の重症度の改善効果は、施設、性別、社会経済的状況、年齢、言語能、非言語能で補正後のADOS-Gスコアが、PACT群で3.9点低下し、通常治療群では2.9点低下しており、両群とも症状の改善効果が認められた。各群間の効果量(effect size)は-0.24(95%信頼区間:-0.59~0.11)であり、PACTによる介入の症状改善効果は小さいと推察された。親の子どもへの同期的応答(効果量:1.22、95%信頼区間:0.85~1.59)、子どもからの親への応答(同:0.41、同:0.08~0.74)、親子の配慮の共有(同:0.33、同:-0.02~0.68)にはPACTによる改善効果が認められた。言語能や学校での適応能に対するPACTによる改善効果は小さかった。これらの知見に基づき、著者は「自閉症児の症状の低減を目的に、通常治療にPACTを併用するアプローチは推奨されない。その一方で、親子間の社会的コミュニケーションには明確なベネフィットが認められた」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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高尿酸血症治療薬アロプリノール、慢性安定狭心症患者の運動能を改善

痛風・高尿酸血症の治療薬として用いられているアロプリノール(商品名:ザイロリックなど)の高用量投与により、慢性安定狭心症患者の運動能が有意に改善することが、イギリスDundee大学Ninewells病院のAwsan Noman氏らが行った無作為化試験で明らかとなった。実験的な研究では、キサンチンオキシダーゼ阻害薬は1回拍出量当たりの心筋酸素消費量を低下させることが示されている。このような作用がヒトでも起きるとすれば、アロプリノールなどこのクラスのキサンチンオキシダーゼ阻害薬が狭心症患者における心筋虚血の新たな治療薬となる可能性があるという。Lancet誌2010年6月19日号(オンライン版2010年6月8日号)掲載の報告。高用量アロプリノールの運動能改善効果を評価する二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験研究グループは、高用量アロプリノールによる慢性安定狭心症患者の運動能の延長効果について検討する二重盲検プラセボ対照クロスオーバー無作為化試験を行った。イギリスの1病院と2診療所に、血管造影にて冠動脈疾患を認め、運動負荷試験で冠動脈の狭窄が確認された18~85歳の慢性安定狭心症患者(2ヵ月以上が経過)65例が登録された。これらの患者が、アロプリノール600mg/日を投与する群あるいはプラセボ群に無作為に割り付けられ、6週間の治療ののち治療法のクロスオーバーが行われた。主要評価項目はST低下までの時間とし、副次評価項目は総運動時間および胸痛発現までの時間とした。ST低下までの時間が43秒、総運動時間が58秒、胸痛発現までの時間は38秒有意に延長クロスオーバー前の6週間の治療においては、アロプリノール群に割り付けられた31例のうち28例が、プラセボ群の34例のうち32例が評価可能であった。クロスオーバー後の治療では、60例全例で評価が可能であった。ST低下までの時間の中央値は、アロプリノール群がベースラインの232秒から6週後には298秒にまで延長したのに対し、プラセボ群の延長は249秒までであり、有意な差が認められた(p=0.0002)。両群間の絶対差は43秒(95%信頼区間:31~58秒)であった。総運動時間の中央値は、アロプリノール群がベースラインの301秒から393秒にまで延長したのに対し、プラセボ群の延長は307秒までであり、有意な差を認めた(p=0.0003)。両群間の絶対差は58秒であった(95%信頼区間:45~77秒)。胸痛発現までの時間の中央値は、アロプリノール群が234秒から304秒へ、プラセボ群は272秒まで延長し、やはり有意な差が確認された(p=0.001)。両群間の絶対差は38秒であった(95%信頼区間:17~55秒)。治療に関連した有害事象は両群ともにみられなかった。著者は、「アロプリノールは、狭心症患者の運動能の改善薬として有用であり、安価で耐用性にも優れ高い安全性を有する可能性が示唆された」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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