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薬剤溶出性ステント、パクリタキセル vs シロリムス、有意差なし:SORT OUT II

薬剤溶出性ステントの承認は比較的小規模の治験結果に基づいているが、実際の診療においては幅広い患者を対象に使われる。本研究は、Gentofte大学病院(デンマーク)Anders M. Galloe氏らによって、先頭を走るシロリムス(免疫抑制剤)溶出性ステントとパクリタキセル(抗剤)溶出性ステントの2つの入手可能な薬剤溶出性ステントを用いて行われたSORT OUT IIの結果報告。診療実態に沿って、主要な症状の予防効果に重点が置かれた。JAMA誌2008年1月30日号より。PCI患者2098例をシロリムス群とパクリタキセル群に割り付け試験は2004年8月から2006年1月にかけてデンマークの5つの大学病院で、無作為盲検方式にて実施された。対象は経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた男女合わせて2,098例(平均63.6 歳[標準偏差10.8])で、シロリムス溶出性ステント群(n=1,065)と、パクリタキセル溶出性ステント群(n=1,033)にランダムに割り付けられた。PCIの適応にはST上昇心筋梗塞(STEMI)、非STEMIまたは不安定狭心症、安定狭心症が含まれた。主要評価項目は重大な心イベントの複合エンドポイント(心臓死、急性心筋梗塞、対象病変の血行再建術、血管再形成術によると定義)。二次評価項目には、全原因死亡率とステント血栓症も含まれた。両剤に転帰上の有意差は見いだせず結果、両剤ステント群間には、重大な有害心イベントについても(98例[9.3%]対114例[11.2%]、ハザード比0.83[95%信頼区間0.63-1.08]、P=0.16)においても、あるいはどの二次的エンドポイントの結果にも有意差は確認できなかった。ステント血栓症発生率はそれぞれ、シロリムス群27例(2.5%)、パクリタキセル群30例(2.9%)で、ハザード比0.87[95%信頼区間、0.52-1.46]、P=0.60)。この結果から研究グループは、シロリムスあるいはパクリタキセル溶出性ステントによる治療を受けた患者間で、臨床転帰上の有意差は見いだせなかったと結論づけた。(朝田哲明:医療ライター)

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【トピック】高カカオチョコ、実は高カロリー

ダイエット効果があると人気の高い「高カカオチョコレート」だが、実は高カロリーであることが、国民生活センターの調査で分かった。カカオ分70%以上の高カカオチョコレート12銘柄と普通のチョコレート3銘柄を調査したところ、高カカオチョコの脂質の割合は40.7~53.5%と、普通のチョコの1.2~1.5倍含まれていた。高カカオチョコを100グラム食べると、それだけで30~49歳の女性が生活習慣病予防のために目標とされる1日の脂質量を摂取したことになるという。国民生活センターのプレスリリースはこちらhttp://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20080206_2.html

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【トピック】肥満解消が必要と思っても、4割は何もしていない

4月のメタボ健診スタートも近いが、オムロンヘルスケアがまとめた意識調査によると、30―50歳代の7割が肥満解消の必要性を感じているが、このうち4割は特に何もしていないことがわかった。調査によると、メタボリックシンドロームという言葉を知っている人が3年連続増加し80%を突破。しかし、2人にひとりが自身をメタボリックシンドローム(予備軍を含む)と感じているが、それらの人の中には診断基準(ウエスト径)を正しく理解していない人も多いという。さらに、全体の7割が肥満解消(ダイエット)の必要性を感じているが、そのうち4割は特に努力していない。そして、ダイエットが必要と感じて何らかの努力をしている人でも、努力に「たいへん満足している」人は100人に1人だった。また、全体のうち4割の人が過去1年間に健康診断を受けていなかった。詳細はプレスリリースへhttp://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news2007/0124.html

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新型インフルエンザ対策、感染症法改正案を閣議決定

5日、政府は新型インフルエンザ対策を強化するための感染症法と検疫法の改正案を閣議決定した。改正案では、鳥インフルエンザ(H5N1)を2類感染症に指定することに加え、新型インフルエンザも同法の感染症類型に追加し、入院措置などをとれるよう規定する。また、都道府県知事は、感染の疑いのある患者を含め、健康状態の報告や外出自粛等、感染防止のための協力を求めることができるようにする方針。

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【トピック】長時間ブラジャーを付けていると乳がんになる?

乳がんは日本でも取り上げられる大きな問題となっているが、米国の研究者らの調査がネットで話題となっている。それによると、「ブラジャーを毎日12時間以上着用すると、乳がんのリスクが21倍に増大する」というのだ。調査は、1991年5月から1993年11月までの約2年間、米国の五つの都市 - サンフランシスコ、デンバー、フィーニックス、ダラス、ニューヨーク - を訪問し、乳がんを患っている女性2,056人と乳がんと診断されたことがない女性2,674人の合計4,730人の女性たちからアンケートをとったもの。その結果、ブラを24時間着用する女性4人のうち3人(75%)が乳がんに罹患しているのに対し、ブラを全く/ほとんど着用しない女性の場合、168人に1人(0.6%)しか罹患していない、ことがわかったという。記事の詳細はこちらへhttp://omoroid.blog103.fc2.com/blog-entry-176.html

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【トピック】孤独な人は脳卒中になりやすい

米国医学誌『Stroke』に発表された厚生労働省研究班の調査によると、家族や友人、恋人などの社会的な支えが少ない人ほど脳卒中による死亡のリスクが高くなることがわかった。調査は1993年から約10年間、40歳から69歳の男女約4万4000人に対して行ったもので、周囲の支えに関するアンケートとして、▽一緒にいると心が落ち着き安心できる人はいるか、▽週1回以上話す友人は何人か、▽自分の行動や考えに賛成し支持してくれる人はいるか、▽秘密を打ち明けられる人はいるか、を尋ねて点数化、それを4グループに分けた。その結果、社会的な支えの最も少ないグループは最も多いグループより脳卒中による死亡が1.5倍に及んだという。また男性では1.6倍、女性でも1.3倍となり、特に65以上の男性では周囲の支えが少ない人ほど脳卒中の発症リスクが高まった。論文アブストラクトはこちらhttp://stroke.ahajournals.org/cgi/content/abstract/STROKEAHA.107.496695v1

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【トピック】ゲームによる快感は男性の方が強い!

ゲームをする人は医師にも多いと思うが、スタンフォード大学薬学部の研究チームの研究によると、ゲームによってもたらされるような刺激を受けると、脳内の報酬系は女性よりも男性の方が活性化することが分かった。調査は男女22人に機能的磁気共鳴画像法(fMRI)装置を接続し、被験者たちに簡単なゲームをしてもらって行った。結果、女性と比べて男性の方が、中脳皮質辺縁系の中心の活性化が顕著であることを発見した、という。記事はこちらhttp://wiredvision.jp/news/200802/2008020823.html

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アスピリン抵抗性は心血管系死亡のリスク?

アスピリンによる抗血小板作用が通常ほど見られない「アスピリン抵抗性」の存在が知られているが、20試験2,930例を解析したところ、心血管系疾患患者の28%に「抵抗性」が見られ、それらの患者では「非抵抗性」患者に比べ心血管系イベントリスク、死亡ともにオッズ比が有意に増加しているとの報告がBMJ誌2008年1月26号に掲載された(オンライン版1月17日付)。University Health Network(カナダ)のGeorge Krasopoulos氏らが報告した。解析20試験中アスピリン抵抗性は2,930例中810例(28%)本解析に含まれた20試験はいずれも、心血管系疾患患者に対するアスピリンの予後改善作用を検討したものである。アスピリン抵抗性の有無はそれぞれの試験で定義されている場合それに従い、定義がない場合はKrasopoulos氏らが文献から判定した。また6試験985例では、クロピドグレルやGPIIb/IIIa阻害薬などアスピリン以外の抗血小板薬服用が許されていた。その結果、アスピリン抵抗性は2,930例中810例(28%)に認められた。男性に比べ女性、腎機能正常患者に比べ腎機能低下患者で「抵抗性」は有意に多かった。また「抵抗性」患者では、心血管系イベント発生リスクが有意に高かった。すなわち、「非抵抗性」患者に比べたオッズ比は、全心血管系イベント:3.85(95%信頼区間:3.08~4.80)、急性冠症候群:4.06(95%信頼区間:2.96~5.56)、脳血管障害初発:3.78(95%信頼区間:1.25~11.41)、全死亡:5.99(95%信頼区間:2.28~15.72)だった。アスピリン抵抗性患者における心血管系イベントリスクの増加は、75~100mg/日、100超~325mg/日、いずれの用量でも認められた。本当にアスピリン抵抗性なのか以上などからKrasopoulos氏らは「アスピリン抵抗性患者は心血管系イベントリスクが高い」と結論する。ただし本研究では3試験390例(13.3%)ではアスピリンの服薬コンプライアンスが全く確認されておらず、試験期間中コンプライアンスが繰り返し検討されたのは1試験71例だけだった。またKrasopoulos氏らは、アスピリン抵抗性が見られる患者でも、それ故に処方を中止することのないよう注意を喚起している。なおアスピリン抵抗性患者を対象としたGPIIb/IIIa阻害薬による二次予防作用を賢答化する無作為化試験として、TREND-AR(TiRofiban Evaluation of Surrogate ENDpoints in Prevention of Ischemic Complications During Percutaneous Interventions in Patients With Coronary Disease and Aspirin Resistance)[NCT00398463] が2006年5月に開始されたが、2007年末、対象患者にクロピドグレル抵抗性患者も含まれるよう変更された。終了は2011年の予定だという。(宇津貴史:医学レポーター)

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神経因性疼痛に対する弱オピオイドと合成カンナビノイドの鎮痛効果

 カンナビノイドは何世紀にもわたり鎮痛薬として用いられてきたが、これを支持するエビデンスは少なく、向精神薬は副作用のため慢性疼痛患者では治療量を使用できないことが多い。それゆえ、神経因性疼痛は治療選択肢が少なく治療が困難である。ロイヤルビクトリア病院疼痛管理部(ニューカッスル、イギリス)のB. Frank氏らは、慢性神経因性疼痛患者においては弱オピオイドであるジヒドロコデインが、合成カンナビノイドであるナビロンよりも鎮痛効果が優れることを明らかにした。BMJ誌2008年1月26日号(オンライン版1月8日付)掲載の報告。VASスコアを疼痛の指標としたクロスオーバー試験 本研究は、慢性神経因性疼痛患者を対象にジヒドロコデインとナビロンの鎮痛効果および副作用を比較する二重盲検無作為化クロスオーバー試験。2001年7月~2002年11月の間にイギリスの3施設の外来を受診した23~84歳の96例が登録され、ジヒドロコデイン→ナビロン群に48例、ナビロン→ジヒドロコデイン群に48例が割り付けられた。 2週間のwash out期間を挟んでそれぞれ6週間の治療を行った。各治療期間の最後の2週間に最大1日用量がジヒドロコデイン240mg、ナビロン2mgとなるよう投与量を漸増した。 疼痛の指標として各治療期間の最後の2週間に視覚アナログスケール(VAS)を測定し、その平均スコアの差を主要評価項目とした。副作用の測定には質問票を用いた。鎮痛効果はジヒドロコデインが優れるが、十分とはいえない ベースラインにおける0~100mmスケールの平均VASスコアは69.6mm(29.4~95.2mm)であった。73例が評価可能であり、64例がper protocol解析の対象となった。疼痛評価期間の平均VASスコアは、評価可能例ではジヒドロコデインよりもナビロンが6.0mm(95%信頼区間:1.4~10.5、p=0.01)長く、per protocol解析では5.6mm(同:0.8~10.3、p=0.023)長かった。副作用の頻度はナビロンのほうが高かった。 Frank氏は、「神経因性疼痛に対する鎮痛効果は、ジヒドロコデインがナビロンよりも優れていた。副作用もジヒドロコデインで少なかったが、両薬剤とも重篤な有害事象はみられなかった」と結論したうえで、「両薬剤の鎮痛効果の差は小さく、ジヒドロコデインの効果も十分とはいえない」と指摘している。

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リピトール服用患者はシンバスタチン服用患者に比べて心血管疾患発症の可能性が低い

米国ファイザーは、米国マネージドケアの医療費請求に関する大規模なデータベースを用いた観察研究を行った結果、循環器疾患の既往がなく新規にスタチン製剤の服用を開始した患者について、リピトール(アトルバスタチンカルシウム)を服用した患者は、シンバスタチンを服用した患者に比べて心血管疾患、心臓発作または血管再建術(心臓手術の1種)発症の相対リスクが有意に低いことが明らかになった発表した。それによると、リピトール服用患者では心血管疾患の発症リスクが12%低かった。また副次的解析においても、リピトール服用患者はシンバスタチン服用患者に比べて、心臓発作の相対リスクと血管再建術の相対リスクがそれぞれ15%、12%低かった。但し、脳卒中または一過性脳虚血発作に関しては2群間で有意差は認められなかった。詳細はプレスリリースへhttp://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2008/2008_01_30.html

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「こころの病気を学ぶ授業」普及開始

日本イーライリリー株式会社は、精神疾患への理解促進と偏見是正を目的に、中・高生向けに、統合失調症を例に「こころの病気を学ぶ授業」プログラムを開発、2月6日よりウェブサイトで公開、普及開始した。「こころの病気を学ぶ授業」は、2月6日より同社のウェブサイト(www.lilly.co.jp)で概要を公開、指導案・教材CD-Rの申し込みを受け付ける。また「こころの病気を学ぶ授業」指導案・教材CD-Rは、学校の授業でご活用いただくことを目的に、教育関係者の方々に無料で提供するという。詳細はプレスリリースへhttp://www.lilly.co.jp/CACHE/news_2008_07.cfm

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経口避妊薬は、市販後50年で約10万人の卵巣死を予防

経口避妊薬の使用により卵巣の発生率が低下することが知られている。卵巣は若年女性では少なく、加齢とともに増加するため、発生率低下の公衆衛生面への影響は使用中止後のリスク低下効果の持続時間に依存するという。Collaborative Group on Epidemiological Studies of Ovarian Cancerの研究グループは45の疫学研究のデータを解析、経口避妊薬は市販後約50年の間に約20万人の女性の卵巣罹患を予防し、約10万人が卵巣による死亡から救われたと推計している。Lancet誌2008年1月26日号掲載の報告。使用状況と卵巣相対リスクを推計21か国の45の疫学研究から2万3,257人の卵巣症例と8万7,303人の非卵巣(対照)のデータを収集し解析を行った。経口避妊薬の使用状況と卵巣の相対リスクを推計し、さまざまな因子で層別化した。経口避妊薬の使用経験者は症例群が7,308人(31%)、対照群が3万2,717人(37%)であり、平均使用期間はそれぞれ4.4年、5.0年であった。卵巣診断年の中央値は1993年、診断時の平均年齢は56歳であった。今後数10年にわたり、年間3万人以上の卵巣罹患を予防経口避妊薬の使用期間が長いほど卵巣のリスクが低下した(p<0.0001)。また、このリスク低下効果は使用中止後30年以上が経過しても持続していたが、中止後10年までは29%、10~19年では19%、20~29年では15%と漸減した。経口避妊薬のエストロゲン含有量は年代によって異なり、1960年代は1980年代の2倍以上であった。しかし、60年代、70年代、80年代のリスク低下率は使用期間に応じて同等であり、エストロゲン量とは関連しなかった。組織型別の解析では、粘液性(全体の12%)は経口避妊薬の影響をほとんど受けていなかったが、他の組織型は同等のリスク低下率を示した。高所得国では、経口避妊薬を10年間使用した場合、75歳までの卵巣罹患率は100人当たり1.2から0.8人に、卵巣による死亡率は0.7から0.5人に低下すると推計された。これは、5,000人年当たり2人の罹患および1人の死亡が予防されることになる。研究グループは、「経口避妊薬の長期的な卵巣予防効果を確認した。市販後約50年で約20万人の卵巣罹患および約10万人の卵巣死を予防したと推計される」と結論、「卵巣罹患予防数は、今後、数10年以上にわたり、少なくとも年間3万人にのぼる」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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第X凝固因子阻害剤idraparinuxの心房細動患者塞栓症抑制への有用性認められず:Amadeus試験

抗トロンビン作用を有する抗凝固剤ximelagatranの臨床応用が見送られ、非弁膜性心房細動患者の脳塞栓症を抑制しうる新薬の登場が期待されているが、第X凝固因子阻害剤であるidraparinuxは、安全性の面でワルファリンに劣るようだ。Lancet誌2008年1月26日号に掲載された、無作為化非盲検化試験Amadeusでは塞栓予防作用はワルファリンと同等ながら、出血リスクは有意に増加していた。出血著明増加により早期中止Amadeus試験の対象は、非弁膜性心房細動を認める脳塞栓高リスク患者4,576例。当初6,000例近くを登録予定だったが、安全性監視委員会の勧告に基づき早期の中止となった。平均年齢は70歳、31%は75歳以上だった。ワルファリン群(2,293例)はINR:2~3を目標に用量を調節、idraparinux群(2,283例)は2.5mgを週1回皮下注した。その結果、追跡期間中(平均300日強)、一次評価項目であった「全脳卒中+全身性塞栓症」はidraparinux群で減少傾向を認め(ハザード比:0.71 vs. ワルファリン群、95%信頼区間:0.39~1.30)、さらにワルファリンに対する非劣性が確認された(p=0.007)。しかし安全性に関しては、idraparinux群全出血(ハザード比:1.74、95%信頼区間:1.47~2.06)、脳出血(ハザード比:2.58、95%信頼区間:1.18~5.63)ともに有意かつ著明な増加を認めた。サブグループ解析の結果、idraparinuxで出血リスクが増加する患者群の存在が示唆されるため研究者らは、よりきめ細かな用量設定により有用性が得られる可能性を訴えている。(宇津貴史:医学レポーター)

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多枝冠動脈疾患には依然としてCABGがステントより有利

 多枝冠動脈疾患の競合的な治療法として、冠動脈バイパス術(CABG)と冠動脈ステント留置術はこれまでにも多くの比較研究が行われてきたが、薬剤溶出性ステントが登場してからは、CABGとの比較研究はほとんど耳にしなくなった。ニューヨーク州立大学オールバニー校公衆衛生部門のEdward L. Hannan氏らによる本研究は、CABGと薬剤溶出性ステント留置術を受けた患者の有害転帰を追跡調査したもので、CABGは依然として薬剤溶出性ステント処置より死亡率が低いだけでなく、心筋梗塞発生率や血行再建術の再施行リスクも低いと報告している。NEJM誌2008年1月24日号より。二枝・三枝に分け12~27ヵ月間の有害転帰を比較 対象は2003年10月1日から2004年12月31日までの間にニューヨーク州内で、薬剤溶出性ステント留置術あるいはCABGのいずれかを受けた多枝冠動脈疾患患者。患者間の基線危険因子の相違を補正した後、病変部が二枝の患者と三枝の患者に分け、2005年12月31日までに死亡したか、心筋梗塞を再発したか、血行再建術を再施行したかの有害転帰を比較検討した。死亡率、心筋梗塞再発率、血行再建術再施行率ともCABGが優位 三枝病変患者で、CABG群をステント群と比較すると、死亡に対する補正ハザード比は0.80(95%信頼区間0.65~0.97)で、補正生存率はCABG群の94.0%に対してステント群は92.7%だった(P=0.03)。死亡または心筋梗塞に対する補正ハザード比は0.75(95%信頼区間0.63~0.89)、心筋梗塞から解放された補正生存率はCABG群92.1%に対してステント群は89.7%だった(P

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適応外使用にはベアメタルステントよりは薬剤溶出性ステント

最近、薬剤溶出性ステントの適応外使用と有害事象発生率増加の関係を示唆する報告が見られたが、従来のベアメタルステントとの比較はなかった。そこでピッツバーグ大学心臓血管学部門のOscar C. Marroquin氏らは、ベアメタルステントと薬剤溶出性ステントの適応外使用を受けた患者の1年後を比較。死亡または心筋梗塞のリスクに差はないが、血行再建術の再施行率は有意に低いとして、適応外使用には薬剤溶出性ステントを使うことを支持すると結論付けている。NEJM誌2008年1月24日号より。患者6,551例の心血管イベント・死亡発生率を1年間追跡米国国立心肺血液研究所の大規模動態登録に参加している患者6,551例を用い、薬剤溶出性ステント治療群とベアメタルステント治療群とに割り付け、それぞれ標準的使用だったか適応外使用だったかを分析した。適応外使用の定義は、再狭窄病変、バイパス移植の病変、左冠動脈主幹部疾患または動脈口部・分岐部・完全閉塞部の各病変に対する使用とし、さらに基準血管の直径が2.5mm未満か3.75mm超だったり、病変部の長さが30mm超の患者に対する使用も加えた。その後、心血管イベントの発生と死亡発生率を1年間にわたり追跡した。死亡、心筋梗塞再発は同等、血行再建術再施行リスクで有意差適応外使用だった患者は、ベアメタルステント群54.7%、薬剤溶出性ステント群48.7%だった。薬剤溶出性ステント群はベアメタルステント群より、糖尿病、高血圧、腎疾患、経皮冠動脈インターベンションと冠状動脈バイパス術の施行歴、多枝冠動脈疾患の有病率が高かった。しかし薬剤溶出性ステント群はより困難な病歴の患者が多いにもかかわらず、介入1年後の時点ではベアメタルステント群と比べて、死亡または心筋梗塞の補正リスクに有意な差はなかったものの、血行再建術を再施行するリスクについては、薬剤溶出性ステント群のほうが有意に低かった。このため「適応外使用には薬剤溶出性ステントが支持される」としている。(朝田哲明:医療ライター)

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前立腺への放射線+ホルモン治療のリスクを調査

進行性前立腺に対しては、放射線治療(RT)+ホルモン治療(アンドロゲン抑制治療:AST)がスタンダードになっている。しかし一方で、大規模患者コホート試験によって、ASTによる心血管イベント増大の可能性が示されている。そこでブリガム&ウーマンズ病院/ダナ・ファーバー研究所(アメリカ、マサチューセッツ州ボストン)放射線部門のAnthony V. D’Amico氏らは、RT単独治療とRT+AST(6ヵ月)治療とで、心血管イベントと全死亡率との関連性を調査した。JAMA誌2008年1月23日号に掲載。206例をRT単独治療群とRT+AST治療群に無作為化し追跡試験は、1995年12月1日~2001年4月15日の間に、マサチューセッツにある医療機関(アカデミック病院および地域病院)で局在予後不良リスクの高い前立腺と診断され治療を受けた男性206例を対象に行われた。対象は、無作為にRT単独またはRT+ASTを受ける群に割り付けられた。解析は、治療群ごとに階層化された推定全死亡率、さらにAdult Comorbidity Evaluationを用い事前解析され階層化された27の共存症のスコアをログランク検定を用いて比較する方法で行われた。主要評価項目は、死亡に至るまでの時間(全死亡要因について調査)。RT単独群で死亡多いが…2007年1月15日現在の追跡調査期間は中央値7.6年(範囲:0.5年~11.0年)で、74例が死亡していた。RT単独群とRT+AST群とを比較すると、RT単独群の死亡者のほうが有意に多かった(44対33、ハザード比1.8;95%信頼区間1.1~2.9、P=0.01)。しかし死亡の内訳をよく見ると、共存症なしあるいは軽症共存症による死亡が多かった(31対11、ハザード比4.2;95%信頼区間2.1~8.5、P=0.001)。中等度または重度共存症を有した患者間の比較では、両群の差異は認められなかった(13対19、ハザード比0.54;95%信頼区間0.27~1.10、P=0.08)。研究者らは「結果としてAST追加治療は全生存率の引き上げに寄与していたが、中等度以上の共存症を伴わない場合に限った結果のようである」と結論づけている。(武藤まき:医療ライター)

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NPPA遺伝子変異型の降圧剤への効果と関連性

 高血圧治療は近年優れた薬剤の登場でコントロールが可能となってきているが、ミネソタ大学薬理学のAmy I. Lynch氏らは「患者個々の遺伝子特性に合わせた治療が可能となれば、心血管疾患(CVD)罹患率および死亡率をもっと低下することができるのではないか」と考えた。その可能性をALLHAT(Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial)の高血圧患者のデータを利用し解析。JAMA誌2008年1月23日号に結果が掲載された。ALLHATから高血圧患者38,462例のデータを事後解析Lynch氏らがターゲットとしたのは、一部の降圧剤の効能をコントロールする可能性が示唆される心房性ナトリウム利尿ペプチドの前駆体をコードしているNPPA遺伝子。その変異による降圧剤への効果と関連性を調べた。NPPA T2238CあるいはNPPA G664A変異を有する対象者での心血管疾患率および血圧の変化の違い、利尿剤と他の降圧薬治療との違いについて調査。ALLHATから高血圧患者38,462例のデータによる事後解析の内訳は、利尿剤(クロルサイアザイド)13,860例、Ca拮抗剤(アムロジピン)8,174例、ACE阻害剤(リジノプリル)8,233例、αブロッカー剤(ドキサゾシン)8,195例となっている。遺伝子タイピングの実施期間は2004年2月から2005年1月の間に行われた。平均追跡期間は4.9年。主要評価項目は、致死的CHD・非致死的心筋梗塞と定義された虚血性心疾患(CHD)。副次評価項目は、脳卒中、全死亡、心血管疾患併発、6ヵ月後の収縮期・拡張期血圧の変化。血圧変化(収縮期)はCC遺伝子型で最も大きな変化TT、TCなど各遺伝子型(NPPA T2238C:TT、TC、CC NPPA G664A:GG、GA、AA)の結果から最大・最低値をみると、CHDの最低はAAにおける15.3、最高はTTで19.3、脳卒中は9.6(TT)、15.4(AA)、全死亡は27.4(TT)、30.7(AA)(いずれも/1,000人年)。NPPA T2238C変異群でイベント発症が低いことが明らかとなった。6ヵ月後の血圧変化(収縮期)については、CC遺伝子型で最も大きな変化がみられた(利尿剤:-6.5mmHg、Ca拮抗剤:-3.8mmHg、ACE阻害剤:-2.4mmHg、αブロッカー剤:-3.8mmHg)。TT遺伝子型では、投薬による降圧効果は収縮期、拡張期とも、いずれの薬剤においても低かった。NPPA G664A異型では「遺伝薬理学的な関連性をみいだせなかった」とも報告されている。Lynch氏らは、「NPPA T2238C異型は、心血管疾患、血圧に影響を及ぼす降圧剤との関連が認められた。C遺伝子型を有する場合は、利尿剤投与が最も心血管疾患のアウトカムに有利で、TT遺伝子型の場合は、Ca拮抗剤が最も有利」とまとめている。(武藤まき:医療ライター)

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肺動脈性肺高血圧症治療に初めてのPDE5阻害薬

ファイザー株式会社は、肺動脈性肺高血圧症治療薬「レバチオ」(シルデナフィルクエン酸塩)の承認を取得したと発表した。「レバチオ」は、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害という新たな作用機序を有する肺動脈性肺高血圧症の経口治療薬。酵素であるPDE5の活性を阻害することにより、平滑筋弛緩作用をもつサイクリックGMP(cGMP)の分解を抑制し、その結果、肺動脈平滑筋が弛緩し、肺動脈圧及び肺血管抵抗が低下する。詳細はプレスリリースへhttp://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2008/2008_01_29_02.html

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片頭痛治療薬「アマージ」承認取得

グラクソ・スミスクライン(GSK)は、片頭痛治療薬「アマージ(ナラトリプタン塩酸塩)」の承認を取得したと発表した。「アマージ」は5-HT1B/1D受容体に選択的に作用するトリプタン系の経口片頭痛治療薬。従来の薬に比べて効き目が長く続くため(24時間)、短時間で片頭痛発作を繰り返す人の治療に向いているという。4月発売予定。詳細はプレスリリースへhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2008_01/P1000456.html

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依然と低いCOPD(慢性閉塞性肺疾患)認知度

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社とファイザー株式会社が行ったCOPDに対する一般市民の意識調査(全国で40歳以上の男女を対象にインターネット調査、回答を得た4,744名を集計した結果)によると、COPDの認知度は34.0%と前回調査(2007年5月)時34.3%とほぼ横ばいの結果だった。咳、痰、息切れなどの自覚症状や喫煙暦の有無からCOPDが疑われる人でも、自分の症状を医師に相談しない人は82.1%にのぼり、その理由として、60.4%の人が「自分はCOPDではない」と回答、35.8%の人が「医師に相談するほど、自分の症状は深刻ではない」と回答している。さらに、COPDの重要なサインのひとつである咳が長引いた場合、COPDを疑う人は15.0%にとどまることが判明した。長引く咳の場合、68.9%の人が慢性気管支炎を、56.5%の人が肺炎を、44.8%の人がぜんそくを疑うと回答し、咳、痰、息切れといったCOPDの初期症状が充分に認知されていない実態が明らかとなった。詳細はプレスリリースへhttp://www.boehringer-ingelheim.co.jp/news/p-release/08_0125.html

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