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4月1日から経口避妊剤「シンフェーズ T28錠」科研製薬より発売へ

科研製薬株式会社は22日、ファイザー株式会社が製造販売承認を有する、経口避妊剤「シンフェーズ T28錠」(一般名:ノルエチステロン・エチニルエストラジオール)について、4月1日より発売すると発表した。「シンフェーズ T28」は1999年9月に株式会社ツムラより発売され、その後、医療事故防止対策に関する厚生労働省からの通知に基づき、販売名が「シンフェーズ T28錠」に変更され現在に至っているが、2010年3月末日をもって、ツムラによる販売を終了することとなった。4月1日以降については、科研製薬が「シンフェーズ T28錠」を販売する。なお、科研製薬で従来より販売している同一成分薬「ノリニールT28錠」については、引き続き販売を継続するとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.kaken.co.jp/nr/release/nr20100122.html

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貼るタイプの疼痛治療剤 「デュロテップMTパッチ」の効能追加承認を取得

ヤンセンファーマ株式会社は22日、経皮吸収型持続性疼痛治療剤「デュロテップ MTパッチ」(一般名:フェンタニル) の追加効能となる、“中等度から高度の慢性疼痛における鎮痛”の承認を、20日付けで取得したと発表した。「デュロテップ MTパッチ」は、痛みを和らげる有効成分(フェンタニル)を粘着層に溶解させた薄い半透明フィルム状の経皮吸収型製剤(貼り薬)で、フェンタニルが皮膚を通して少しずつ体内に吸収され、1回の貼付で3日間、鎮痛効果を持続させることが可能とのこと。本剤はこれまで“中等度から高度の疼痛を伴う各種(がん)における鎮痛”を適応とし、いわゆる、がん性疼痛の治療薬としてのみに使用されてきた。一方、欧米などの諸外国においては、フェンタニル・パッチが非がん性の慢性疼痛においても広く使用されている実態を鑑みて、同社では2005年に国内第III相臨床試験を開始し、その後、2008年7月の承認申請を経て、今回の承認取得へと至った。詳細はプレスリリースへhttp://www.janssen.co.jp/inforest/public/home/?paf_gear_id=2100029&paf_gm=content&paf_dm=full&vid=v11&cid=cnt64112

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防げる子宮頸がん…防がないのは罪 ~HPVワクチンの接種により73%の子宮頸がんが減少。社会・経済的効果も190憶円~

諸外国に遅れをとりながらわが国でも子宮頸がんの予防ワクチンが承認された。そのような中『子宮頸がんと予防ワクチン』と題し、国立がんセンター中央病院にて講演会が開催された。講演会では、主催者の国立がんセンター中央病院院長土屋了介氏に加え3名の演者が製薬企業、医療者、患者それぞれの立場でHPVワクチンを日本の医療環境に取り入れていく中での課題や問題点について発表した。そのなかから自治医大埼玉医療センター産婦人科今野良氏の講演内容を中心に紹介する。日本と世界に於ける子宮頸がんの状況世界では、子宮頸がんにより毎年50万人が亡くなっている。日本での子宮頸がん発生率は人口10万人当たり約8人、死亡率は2.6人であり、世界的にみても少ないといえる。これは、日本の子宮頸がん検診は導入、充実が世界的にも早かったためである。しかし、近年は若年者での発生率が増加しているという問題が発生している。実際、20~29歳の浸潤がんの発生率は1984年に比べ1996年で4倍である。その原因としては若年者の子宮頸がん検診受診率が極めて低いことが挙げられる。欧米先進国の子宮頸がん検診受診率は80%以上であるが、日本の受診率は既に24%と極端に低くなっている。これは若い世代に検診の重要性を伝えきれていない結果である。このまま若年者の検診受診の習慣付けをしないと患者数が大幅に増加すると予想される。検診での過ちをワクチンでも繰り返すべきではないと考える。成人女性であれば特別なこととはいえないHPVの感染HPV(Human Papiloma Virus)感染は子宮頸がん発生の必要条件として報告されており、HPV感染の有無は500倍のodds比であり関連度は99%である。HPV感染は通常の性交渉によって起こる。HPVは子宮頸部の非常に微細な上皮の傷から感染し増殖する。そのため、成人女性であれば大部分の方が一度は感染しているといえ、非常にありふれたものといってもおかしくない。いまだ一部誤解があるようだが、問題がある性交渉を行ったから発生するというものではない。また、HPV感染の90%は一過性感染である。残りの10%が持続感染になり、その中からがんに至るものがでてくる。HPVワクチンの効果は非常に高く日本での臨床試験ではHPV16、18感染に関して共に100%予防可能であった。HPVワクチンと検診の両輪で子宮頸がんを克服する子宮頸がんは、リスクファクターもその前がん病変も明らかである。前がん病変は検診時の細胞診で従来から判定が可能である。それに加えリスクファクターであるHPV感染を予防するワクチンが出現した。つまり、子宮頸がんは、一次予防のHPVワクチンと二次予防の検診の両輪で予防可能な疾患なのである。*HPVワクチンについて会場質問と回答も追記・HPVワクチンは成人に接種しても意味がない:現在HPV16、18に感染している方には効果がないが、過去に感染があっても現在陰性であれば年齢に関係なく有効。90%の方は陰性であり成人に対する接種も医学的には有効である。 ・HPV感染者への接種で抗体価が上がる:抗体価は上がらない。また、感染者に接種しても良くも悪くもならない・腺がんの対策:腺がんは検診では鑑別できないため現状の対策はHPVがワクチンしかないHPVワクチン導入による社会・経済的効果本邦におけるHPVワクチン接種による医学的効果と経済評価を行った。その結果、12歳の女児全員に接種すると子宮頸がんの発生率、死亡率ともに73%抑えることが推計された。経済的には、治療費用、機会費用を合せ400億円が削減され、ワクチン費用約210億円(ワクチン1コース36,000円と仮定)を差し引くと社会全体で約190億円の費用削減効果が期待された。さらに、10~45歳の女性全員にワクチンを接種させた場合、約430億円の社会的費用が削減さると推計された。増分費用効果比からみても45歳までの接種が許容されるという計算になる。 子宮頸がん後進国にならないためにHPVがワクチン接種の公費負担をHPVワクチンは100ヵ国以上の国で承認され、約30ヵ国で公費負担により12歳前後の女子に対し接種が行われている。そして、オーストラリア、欧州、米国でも医療保険、民間保険で費用の一部あるいは全額がカバーされている。WHOからも今年の4月にPositionPaperが提示され、世界の多くの国や機関でワクチン政策に組み入れることを推奨している。検診率が高い欧州は、更にHPVワクチン接種を組み込むことによって子宮頸がんを根絶しようという戦略である。一方、経済資源がなく検診の充実が期待できないアフリカなどでもGAVI(Global Alliance for Vaccines and Immunization)のような世界的支援機関の援助でHPVワクチン接種が始められている。日本では、発売されたものの公費負担は認可されていない。公費負担がないとワクチン接種率は5%程度と予想される。前出の費用効果分析の手法でシミュレーションしても、それでは子宮頸がんの発症抑制は全く期待できないことになる。このままだと日本は子宮頸がん対策に取り残されることになるのである。ワクチンの普及には行政がイニシアチブをとることが必要である。まずは11~14歳のHPVワクチンの全額公費負担を、次に15~45歳の保険償還での補助などでHPVワクチン接種の費用負担を実現させたい。 最後に座長の土屋了介氏は、HPVがワクチン公費負担についての会場署名およびWebサイト公募署名を長妻大臣に届けることを会場で宣言し会を締めくくった。(ケアネット 細田 雅之)

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米国成人肥満率、男性は10年前の1.32倍:米国過去10年の動向調査

米国成人の過去10年の肥満率は、男性はやや増加傾向が見られるものの、女性は明らかな変化は認められないことが報告された。米国疾病対策予防センター(CDC)のKatherine M. Flegal氏らが、National Health and Nutrition Examination Survey(NHANES)の結果を分析して明らかにしたもので、JAMA誌2010年1月20日号(オンライン版2010年1月13日号)で発表した。米国成人の68%が、太り気味か肥満研究グループは、2007~2008年のNHANESの結果から、20歳以上の男女、合わせて5,555人について、身長と体重を分析した。その中で、ボディマス指標(BMI)が25.0~29.9を太り気味、BMIが30.0以上を肥満と定義し、1999~2006年の結果と比較した。その結果、2007~2008年の年齢補正後の肥満の割合は、33.8%(95%信頼区間:31.6~36.0)だった。男女別に見ると、男性が32.2%(同:29.5~35.0)、女性が35.5%(同:33.2~37.7)だった。BMIが25.0以上の、太り気味と肥満を併せた割合は、全体で68.0%(同:66.3~69.8)、男性では72.3%(同:70.4~74.1)、女性では64.1%(同:61.3~66.9)だった。女性は有意な変化見られず過去10年間の肥満割合の傾向について見てみると、女性については、有意な傾向は見られなかった(1999~2000年に対する2007~2008年の補正後オッズ比:1.12、95%信頼区間:0.89~1.32)。一方男性については、やや増加傾向が見られた(同:1.32、1.12~1.58)。ただし男性も、直近3回(2003~2004年、2005~2006年、2007~2008年)の調査結果では、有意差は見られていない。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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米国6~19歳白人男子、過度肥満リスクが10年前の約1.5倍:米国過去10年の動向調査

米国20歳未満の過去10年間(1999~2008年)の肥満率は、全体として変化傾向はみられないことが報告された。ただし一部、6~19歳の男子などについては、過度な肥満者の割合が増加していることも明らかになった。米国疾病対策予防センター(CDC)のCynthia L. Ogden氏らが、2007~2008年のNational Health and Nutrition Examination Survey(NHANES)を分析し、JAMA誌2010年1月20日号(オンライン版2010年1月13日号)で発表している。1999~2006年にかけての米国20歳未満のボディマス指標(BMI)も、一定水準にあったという。19歳未満の約4,000人を、年齢、性、人種別で分析研究グループは、2007~2008年のNHANESの結果から、2歳未満児の719人と、2~19歳の3,281人について分析を行った。2歳未満の肥満の定義については、CDCの性別横臥身長に対する体重グラフ2000年版に基づき、その95パーセンタイル以上とした。また、2~19歳の肥満の定義は、CDCの性別BMI成長グラフ2000年版に基づき、その97パーセンタイル以上と95パーセンタイル以上、85パーセンタイル以上の3段階に分類定義した。1999~2000年のNHANESデータと比べて、年齢、性、人種別に変化傾向を分析した。全体としての変化傾向はみられずその結果、2007~2008年の2歳未満で基準グラフの95パーセンタイル以上だったのは、9.5%(95%信頼区間:7.3~11.7)だった。2~19歳については、基準グラフの97パーセンタイル以上が11.9%(同:9.8~13.9)、95パーセンタイル以上が16.9%(同:14.1~19.6)、85パーセンタイル以上が31.7%(同:29.2~34.1)だった。傾向分析の結果、1999~2000年と2007~2008年の間には、全体としての変化傾向はみられなかった。ただし、6~19歳の男子で、97パーセンタイル以上の過度な肥満となるリスクが増加しており、2007~2008年の1999~2000年に対するオッズ比は1.52(同:1.17~2.01)だった。なかでも同年齢の非ヒスパニック系白人の男子でのオッズ比は1.87(同:1.22~2.94)と高かった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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抗悪性腫瘍剤「テモダール 点滴静注用100mg」承認取得

シェリング・プラウ株式会社は20日、悪性神経膠腫の治療薬、「テモダール 点滴静注用100mg」(TEMODAL Injection 100mg 一般名:テモゾロミド)の承認を取得したと発表した。テモダールは旧シェリング・プラウ・コーポレーション(現:Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A)が1991年に欧州連合(EU)で承認を受けて以降、カプセル剤と点滴静注剤を合わせ、現在90ヵ国以上で承認されており、点滴静注剤は33ヵ国で承認されている。日本においては、2005年7月22日、厚生労働省の「未承認薬使用問題検討会議」により「テモダール カプセル20mg/100mg」(TEMODAL Capsule 20mg/100mg)が早期承認申請の要請を受け、申請後、同年9月30日付で「優先審査品目」に指定された。その後2006年9月、悪性神経膠腫の適応を有する日本で19年ぶりの新規薬剤として発売されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.schering-plough.co.jp/press/index.html

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静注用人免疫グロブリン製剤『献血ベニロン‐I静注用』 効能追加で承認取得

化学及血清療法研究所と帝人ファーマ株式会社は20日、静注用人免疫グロブリン製剤『献血ベニロン‐I静注用』(一般名:乾燥スルホ化人免疫グロブリン/以下、献血ベニロン)について、「チャーグ・ストラウス症候群及びアレルギー性肉芽腫性血管炎における神経障害の改善(ステロイド剤が効果不十分な場合に限る)」の効能追加の承認を取得したと発表した。希少疾患である「チャーグ・ストラウス症候群」および「アレルギー性肉芽腫性血管炎」の治療にはステロイド剤が一般的だが、手足のしびれ・筋力低下などの神経障害はステロイド治療に抵抗を示す場合があり、これらの神経障害が日常生活動作を低下させ、患者の社会生活を妨げることが問題となっていた。なお同剤は、今回追加承認された効能・効果に対して、希少疾病用医薬品(オーファン・ドラッグ)の指定を受けている。詳細はプレスリリースへhttp://www.teijin-pharma.co.jp/information/100120.html

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抗うつ薬「サインバルタ カプセル20mg/30mg」 製造販売承認を取得

塩野義製薬株式会社は20日、うつ病・うつ状態の治療薬として、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤「サインバルタ カプセル20mg/30mg」(一般名:デュロキセチン塩酸塩)の製造販売承認を取得したと発表した。サインバルタは、米国イーライリリー社で創製されたセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)で、2004年8月の米国での発売以来、95ヶ国で承認され約1800万人に処方されている。日本国内における臨床試験については、塩野義製薬が中心となって開発を進めていた。同剤は、1日1回の経口投与で、精神症状のみならず身体症状も含めた多様なうつ症状に対する効果および良好な寛解率が期待できるという。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.shionogi.co.jp/ir/news/detail/100120.pdf

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ゲムシタビン点滴静注用「タイホウ」 ジェネリック医薬品製造販売承認取得

大鵬薬品工業株式会社は15日、代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤『ゲムシタビン点滴静注用200mg「タイホウ」、1g「タイホウ」』(一般名:塩酸ゲムシタビン、先発名:ジェムザール注射用)のジェネリック医薬品製造販売承認を取得したと発表した。効能・効果は、非小細胞肺、胆道、尿路上皮。投与方法は通常、成人にはゲムシタビンとして1回1000mg/m2を30分かけて点滴静注し、週1回投与を3週連続し、4週目は休薬を1コースとして投与を繰り返す。患者の状態により適宜減量が必要とのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.taiho.co.jp/corporation/news/2010/20100119.html

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術後は静脈血栓塞栓症のリスクが著明に増大、イギリスの中年女性

中年女性では、術後の静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症、肺塞栓症)のリスクが12週にわたって増大し、特に股関節や膝関節の置換術、がんの切除術後に大きいことが、イギリス・オックスフォード大学腫瘍疫学科のSian Sweetland氏らが実施したコホート試験「Million Women Study」(http://www.millionwomenstudy.org/introduction/)で示された。肺塞栓症とその前駆病態である深部静脈血栓症は世界的に罹患率、死亡率が高く、多大な疾病負担となっている。静脈血栓塞栓症のリスクは術後早期に最も大きいことが知られているが、どのくらい持続し、手術のタイプによってどの程度異なるかは明確でなかったという。BMJ誌2010年1月2日号(オンライン版2009年12月3日号)掲載の報告。約95万人の中年女性を対象とした前向きコホート試験Million Women Studyの研究グループは、さまざまな手術の施行後における静脈血栓塞栓症のリスク増大の期間とその程度について検討するプロスペクティブなコホート試験を行った。1996~2001年までにイギリス在住の中年女性94万7,454人が登録され、質問票で得たデータと国民保健サービス(NHS)がルーチンに収集している入院および死亡のデータの関連づけを行った。フォローアップ期間中に23万9,614件の手術入院があり、静脈血栓塞栓症による入院は5,419人、そのうち270人が死亡した。経過時間および手術タイプ別に、静脈血栓塞栓症による入院および死亡の補正相対リスク(RR)、標準化発生率について評価した。術後6週の発症リスクは70倍、3週目にピーク、12週まで実質的に増大手術を受けていない女性に比べ、入院手術を受けた女性は術後6週における静脈血栓塞栓症による入院のリスクが約70倍高く(RR:69.1)、3週目にリスクのピークが見られた。日帰り手術の場合でもリスクは約10倍に達した(RR:9.6)。術後7~12週にリスクは約20倍から約6倍にまで低下(RR:19.6、5.5)したものの、非手術女性に比べ実質的に増大したままであった。このリスクのパターンは肺塞栓症(2,487人)と深部静脈血栓症(3,529人)で類似していた。術後の静脈血栓塞栓症のリスクは手術のタイプによって大きく異なり、人工股関節・膝関節の置換術やがんの切除術後に最も増大し、術後1~6週のRRはそれぞれ220.6、91.6であった。著者は、「術後の深部静脈血栓症と肺塞栓症のリスクは12週まで実質的に増大しており、リスクの程度は手術タイプによって大きな差が認められた」と結論し、「手術を受けていない中年女性が12週の間に静脈血栓塞栓症を発症する確率は6,200人に1人にすぎない一方で、日帰り手術では815人に1人、入院手術を受けた中年女性では140人に1人が発症すると予測される。なかでも、股関節・膝関節の置換術後は45人に1人が、がんの切除術後は85人に1人が発症すると考えられる」と指摘している。(医学ライター:菅野守)

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新型インフル感染死亡率は予想よりも低い、イングランドの調査

2009年11月までにイングランドでは138人が新型インフルエンザウイルス(2009年汎発性インフルエンザA/H1N1)感染が原因で死亡し、推定死亡率(10万人当たり26人)は予想よりも低かったことが、イギリス保健省Richmond HouseのLiam J Donaldson氏らの調査で明らかとなった。イギリスでは、インフルエンザによる死亡率は伝統的に超過死亡(excess death)に基づいて算出されているが、死亡証明による予測であるため母集団が少ない場合は信頼性が低いとされる。この調査の初期報告は、検査で感染が確定された例を母集団としたため過小評価となった可能性があるが、今回は症状の見られる症例を母集団として推計したという。BMJ誌2010年1月9日号(オンライン版2009年12月10日号)掲載の報告。2009年11月8日までに報告されたデータを解析研究グループは、イングランドにおける新型インフルエンザによる死亡率の調査を行った。2009年11月8日までに、救急病院およびプライマリ・ケア施設の医師によって報告された新型インフルエンザに関するデータを解析した。推定感染者数や死亡数とともに年齢別の死亡率を算出し、基礎疾患、病態の経時的変化、抗ウイルス薬による治療状況を調べた。推定死亡率は、全体で0.026%、子どもが0.011%、高齢者は0.98%全体の推定死亡率は10万人当たり26(11~66)人であり、当初の予想よりも低かった。年齢別の解析では、5~14歳の子どもが最も低く[11(3~36)/10万人]、65歳以上の高齢者が最も高かった[980(300~3,200)/10万人]。子どもは高感染/低死亡率で、高齢者は低感染/高死亡率という傾向が見られた。死亡原因が新型インフルエンザ感染と確定されたのは138人で、年齢中央値は39歳であった。その2/3(92人、67%)が、現在であればイギリスのワクチン接種基準を満たしていた。50人(36%)は既存疾患がないか、あってもごく軽度であった。多くの患者(108人、78%)が抗ウイルス薬を処方されていたが、そのうち82例(76%)は発症後48時間以内の投与を受けていなかった。これらの知見を踏まえ、著者は「統計学的には、今回の新型インフルエンザのパンデミックは20世紀に起きた爆発的感染拡大に匹敵するものである。今回の方が感染者数は少ないが、これは対策を講じないことを正当化するものではない」としている。また、「高リスク例には優先的にワクチン接種を行うべきである。本研究には対照群がないため外挿するには限界があるが、死亡例の多くは抗ウイルス薬の投与が遅れていることから、適切な時期に投与すれば死亡率は低減できることが示唆される」「既存疾患のない健常者が感染した場合は実質的に死亡数が少なかったことから、ワクチン接種プログラムを拡大し、早期の抗ウイルス薬治療を広範に実施すべきと考えられる」と考察している。(医学ライター:菅野守)

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新型インフルに最も有効なワクチンが明らかに、中国の検討

新型インフルエンザウイルス(2009年汎発性インフルエンザA/H1N1)に対するワクチンによる予防治療としては、ヘマグルチニン(HA)を7.5μg含みアジュバントを用いないsplit-virionワクチンの1回接種が最も有効なことが、中国疾病予防管理センターのXiao-Feng Liangらが実施した多施設共同試験で明らかとなった。現在、世界各国で新型インフルワクチンの臨床試験が行われているが、いずれも参加者が少なく、過去の感染や交差反応による既存の免疫反応の影響を除外しきれない試験もあるため、プラセボを対照とした大規模臨床試験が切望されていた。Lancet誌2010年1月2日号(オンライン版2009年12月16日号)掲載の報告。8つのワクチン製剤の安全性、免疫原性をプラセボと比較研究グループは、中国の製薬会社10社が開発した8つの新型インフルエンザワクチン製剤の安全性と免疫原性を評価するために、二重盲検無作為化プラセボ対照試験を実施した。中国の10施設に3歳以上の12,691人が登録された。各施設において年齢で層別化し、8つのワクチン製剤のうち1つを接種する群あるいはプラセボ群に無作為に割り付けた。ワクチン製剤の種類は、アジュバント(水酸化アルミニウム)を用いHAをそれぞれ7.5、15、30μg含むsplit-virionワクチン、アジュバントを用いずHAを7.5、15、30μg含むsplit-virionワクチン、アジュバントを用い5、10μgのHAを含むwhole-virionワクチンの8つであった。すべてのワクチン製剤は再集合体株X-179A(A/California/07/2009-A/PR/8/34)から生産された。ワクチン製剤の安全性(有害事象)、免疫原性[赤血球凝集抑制抗体の幾何平均抗体価(GMT)]、抗体保有率(seroprotection rate、GMTが接種前の40倍以上の場合を抗体保有者とする)についてper protocol解析を行った。HA 7.5μg非アジュバントsplit-virionワクチンは、全年齢層でEU認可基準を満たす12,691人がday 0に1回目のワクチン接種を受け、そのうち12,348人がday 21に2回目の接種を受けた。8つのワクチンの初回接種後21日における抗体保有率は、最低値がHA 7.5μgアジュバントsplit-virionワクチンの69.5%で、最高値はHA 30μg非アジュバントsplit-virionワクチンの92.8%であった。プラセボ群の抗体保有率が9.8%(140/1,432人)であったのに対し、HA 7.5μg非アジュバントsplit-virionワクチンは86.5%(796/920人)と有意に優れていた(p<0.0001)。HA 7.5μg非アジュバントsplit-virionワクチンの年齢別の抗体保有率は、3~11歳が76.7%(178/232人)、12~17歳が96.8%(211/218人)、18~60歳が89.5%(289/323人)、60歳以上が80.3%(118/147人)であり、すべての年齢層がEUの認可基準を満たしていた。3~11歳の子どもは、2回目のワクチン接種により抗体保有率が97.7%(215/220人)に上昇した。有害反応はほとんどが軽度~中等度であり、特に治療をしなくても回復するものが多かった。重篤な有害事象はプラセボ群が1例(0.1%)のみであったのに対し、ワクチン群では69例(0.6%)に認めた。最も多かったのが発熱で、初回接種後は25例(0.22%)、2回目接種後は4例(0.04%)に見られたが、プラセボ群ではまったく認めなかった。著者は、「12歳以上の2009年汎発性インフルエンザA(H1N1)に対するワクチン製剤としては、HAを7.5μg含む非アジュバントsplit-virionワクチンの1回接種が有用と考えられる。3~11歳の子どもは2回接種を要する可能性がある」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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CRP濃度は、種々の血管疾患、非血管疾患の指標である

循環血中のC反応性蛋白(CRP)濃度は、確立された従来のリスク因子や炎症マーカーと関連するとともに、様々な血管疾患、非血管疾患とも相関を示すことが、イギリス・ケンブリッジ大学のStephen Kaptoge氏らEmerging Risk Factors Collaboration(ERFC)が実施したメタ解析で明らかとなった。肝臓で合成される血漿蛋白であるCRPは、高い感受性を示す全身性の炎症マーカーであり、重篤な感染に対する急性反応や組織損傷時に血中濃度が1万倍にまで上昇するという。また、LDLと結合して動脈硬化性プラーク中に発現するため冠動脈心疾患の原因とも考えられており、22のプロスペクティブ試験のメタ解析ではCRP高値の場合は冠動脈心疾患の相対リスクが高いことが示されている。Lancet誌2010年1月9日号(オンライン版2009年12月22日号)掲載の報告。54試験16万例の個々の患者記録のメタ解析ERFCの研究グループは、さまざまな状況におけるCRPと血管疾患もしくは非血管疾患のリスクの関連を評価するメタ解析を行った。54の長期的なプロスペクティブ試験に登録された血管疾患の既往歴のない16万309例(131万人・年に相当)の個々の患者記録に基づいてメタ解析を行った。リスク因子の程度による個人内の変動は試験ごとの回帰分析で補正した。CRP濃度と虚血性脳卒中の関連には従来リスク因子の関与が大きいLog(e) CRP濃度はいくつかの従来のリスク因子(収縮期血圧、BMI、非HDLコレステロールなど)や炎症マーカー(フィブリノーゲン、インターロイキン-6)と直線的に関連し、虚血性血管疾患や非血管疾患とほぼ対数線形的な相関を示した。Log(e) CRP濃度の1SD上昇(3倍の高値に相当)ごとの冠動脈心疾患のリスク比は、年齢と性別のみによる初回補正時が1.63、さらに従来のリスク因子で補正した場合は1.37であった。同様に補正した場合のリスク比は、虚血性脳卒中がそれぞれ1.44、1.27と従来リスク因子の影響が最も大きく、血管死はそれぞれ1.71、1.55、非血管死の場合は1.55、1.54であった。喫煙者や初回フォローアップ患者を除外すると、補正によるリスク比の変化はほとんど見られなくなった。フィブリノーゲンで補正後のリスク比は、冠動脈心疾患が1.23、虚血性脳卒中が1.32、血管死が1.34、非血管死も1.34であった。著者は、「CRP濃度は、冠動脈心疾患、虚血性脳卒中、血管死、非血管死(数種のがん腫および肺疾患による死亡)のリスクと持続的な関連性が認められた。虚血性脳卒中とCRP濃度の関連は、従来のリスク因子や炎症マーカーへの依存度が大きかった」と結論している。また、「インターロイキン-6、CRP、フィブリノーゲンなどの炎症マーカーや、リポ蛋白関連ホスホリパーゼA2などの易破綻性プラークのマーカーとともに、その遺伝学的因子やライフスタイル要因を同時に評価する大規模な試験を行う必要があり、また軽度の炎症が外的なトリガー(社会経済的地位や感染など)、インスリン抵抗性、遺伝的素因、これらの因子の組み合わせを反映するものなのかを検討することも重要」と考察する。(菅野守:医学ライター)

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一般中年の早期再分極パターンには要注意、死亡リスク上昇

中年で12誘導心電図検査において早期再分極が見られる人は、心疾患による死亡リスクが高いことが、フィンランドのオウル大学内科臨床医学部門のJani T. Tikkanen氏らによって報告された。早期再分極は、12誘導心電図でV1~V3以外の誘導で見られるQRS-ST接合部(J点)の上昇であり、心房細動が発症しやすいことと関連していると言われる。しかし、一般集団でこのパターンが見られた人の予後については、これまでほとんど検討されていなかった。NEJM誌2009年12月24日号(オンライン版2009年11月16日号)掲載より。地域に住まう中年約1万例を平均30年追跡、有病率と予後の有意性評価Tikkanen氏らは、一般地域住民の中年(44±8歳)10,864例を対象に、12誘導心電図に早期再分極が見られた有病率と予後の有意性について評価を行った。平均追跡期間は、30±11年。主要エンドポイントは、追跡期間中の心臓に関連した死因による死亡。副次エンドポイントは、全死因死亡と不整脈による死亡とした。分析にあたり早期再分極について、下壁または側壁誘導の別に、さらにそれぞれのJ点上昇別(0.1mV以上あるいは0.2mV超)で階層化した。下壁誘導0.1mV以上の人の心疾患死亡リスクは1.28倍、0.2mV超は2.98倍0.1mV以上の早期再分極パターンが見られたのは被験者のうち630例(5.8%)だった。内訳は下壁誘導384例(3.5%)、側壁誘導262例(2.4%)で、16例(0.1%)は両誘導で見られた。下壁誘導0.1mV以上の早期再分極パターンで、主要エンドポイントの増加との関連が認められた(補正相対リスク:1.28、95%信頼区間1.04~1.59、P=0.03)。下壁誘導0.2mV超の早期再分極パターンを示した被験者36例(0.3%)には、顕著に高い主要エンドポイントリスク(同2.98、1.85~4.92、P

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新型インフル迅速検査で陰性でも、妊産婦には抗ウイルス薬を

米国カリフォルニア州の公衆衛生局Janice K. Louie氏らは、州内の妊産婦の、2009新型インフル(H1N1インフルエンザ)による入院または死亡に関する報告データを精査した。その結果、2009新型インフルは妊産婦に、重症疾患および死亡をもたらすこと、2009年の州内妊産婦の死亡率は高まることが予想され、2009年の全米の妊産婦死亡率も高まる可能性が示されたことを報告した。NEJM誌2010年1月7日号(オンライン版2009年12月23日号)より。抗ウイルス薬服用開始が遅かった妊婦の重症化・死亡リスクは、早かった妊婦の4.3倍精査されたのは、2009年4月23日~8月11日までに報告された、15~44歳までの妊娠可能な年齢にいる女性で2009新型インフルに感染し入院した妊婦94例、出産後2週間以内の女性8例、非妊産婦137例について。このうち迅速抗原検査で偽陰性だったのは38%(58/153例)だった。妊婦の大半(95%、89/94例)は妊娠第二または第三期・後期にあり、約3分の1(34%、32/93例)に妊娠以外のインフルエンザによる合併症がリスクファクターとして認められた。妊婦で抗ウイルス薬服用開始が遅かった人の、ICU入室または死亡に関する相対リスクは、早かった人(症状発症後2日以内)と比べて4.3倍に上った。妊産婦102例のうち、妊婦18例、出産後女性4例の計22例(22%)が集中治療を受け、8例(8%)が死亡した。ICU入室中の出産例は6例で、そのうち4例は緊急帝王切開だった。カリフォルニア州の2009新型インフルに特異的な妊産婦死亡率(出生10万当たりの妊産婦死亡数)は、4.3だった。Louie氏は、妊産婦死亡統計では例年、インフルエンザによるものはほとんど見られず、2009年はカリフォルニア州のみならず全米で、2009新型インフルによる死亡率上昇が示される可能性が高いと結論した。また一方で今回の調査の結果から、妊産婦には迅速抗原検査の結果にかかわらず、迅速にインフルエンザ様疾患の評価と抗ウイルス薬投与を行わなくてはならないとも述べている。(医療ライター:武藤まき)

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【お知らせ】第1回医療労働研究会を開催

全国医師ユニオンは全国医師連盟の共催で「第1回医療労働研究会」を1月24日に開催します。 日時 : 平成22年1月24日(日) 16時~18時場所 : 大手町ファーストスクエア ルームD入場料: 1000円(報道関係者の方は、ご取材目的であれば無料です)内容・「医師労働と労働基準法そして過労死 ~36協定の現状をどうみるのか~」 講師:岡村親宜 弁護士(過労死弁護団全国連絡会議代表幹事・日本労働弁護団副会長)・「勤務医を中心とする医療改革」 演者:黒川衛氏(全国医師連盟代表)詳細は、下記ホームページをご覧ください。http://homepage3.nifty.com/zeniren-news01/union.htm

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病院パフォーマンスレポート、導入による医療の質改善効果は不明

病院パフォーマンスレポートを導入しても、医療の質改善につながるかどうかは不明であることが無作為化試験の結果として報告された。カナダInstitute for Clinical Evaluative SciencesのJack V. Tu氏らが明らかにしたもの。治療過程や患者アウトカムについて、その質に関する成績表であるレポートカード導入と質改善について行った無作為化試験は初めてという。試験結果は、JAMA誌2009年12月2日号(オンライン版2009年11月18日号)で発表された。病院86ヵ所について、成績表フィードバック時期をずらして無作為化評価Tu氏らは、1999~2005年にかけて、カナダのオンタリオ州にある、86ヵ所の病院について、住民ベースのクラスター無作為化試験を行った。対象としたレポートカードは、急性心筋梗塞(12項目)とうっ血性心不全(6項目)の治療過程指標。試験対象病院は1999年4月~2001年3月の間のパフォーマンスデータを基線とし、無作為に2004年1月にレポートカードのフィードバックがあった群(前期フィードバック群)、もう一方は2005年9月にフィードバックがあった群(後期フィードバック群)とに分けられた。両群は2004年4月~2005年3月の間の同指標の再調査が行われ評価された。再調査までの治療過程指標改善に両群で差はなしその結果、前期フィードバック群と後期フィードバック群との間に、試験開始時から再調査時点にかけての心筋梗塞の治療過程指標の改善に有意差は見られなかった(絶対格差1.5%、95%信頼区間:-2.2~5.1、p=0.43)。冠動脈性心不全の治療過程指標の改善についてもまた、両群で有意差は見られなかった(絶対格差0.6%、同:-4.5~5.7%、p=0.81)。なお、追跡期間中の急性心筋梗塞の30日死亡率については、前期フィードバック群の方が、後期群に比べ、2.5%低率だった(95%信頼区間:0.1~4.9、p=0.045)が、院内死亡率については、両群で有意差は認められなかった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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PCI実施の透析患者への禁忌薬剤投与、出血リスクは1.6倍

経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を実施する透析患者に対し、禁忌薬剤である抗血栓薬を投与すると、院内出血リスクが約1.6倍に増大することが明らかにされた。米国デンバー退役軍人病院のThomas T. Tsai氏らが、約2万3,000人の透析患者を対象に行った試験で明らかにしたもので、JAMA誌2009年12月9日号で発表した。これまで禁忌薬剤を投与した場合のアウトカムなどについての研究報告はほとんど行われていない。22.3%が禁忌薬剤を投与、補正前服用群の死亡リスクは非服用群の1.68倍Tsai氏らは、2004年1月1日~2008年8月31日にかけて、829ヵ所の病院でPCIを実施した、2万2,778人の透析患者について調査を行った。そのうち禁忌薬剤である抗血栓薬を服用していたのは、22.3%にあたる5,084人だった。うち、2,375人(46.7%)がエノキサパリン(商品名:クレキサン)を、3,261人(64.1%)がeptifibatideを、また552人(10.9%)がその両者を服用していた。抗血栓薬を服用した群と、服用しなかった群についてアウトカムを比較したところ、補正前の院内出血率は非服用群が2.9%に対し服用群は5.6%と、服用群が有意に高率だった(オッズ比:1.93、95%信頼区間:1.66~2.23)。死亡率についてもまた、補正前では非服用群が3.9%に対し服用群が6.5%と、有意差があった(オッズ比:1.68、同:1.46~1.95)。傾向スコアでマッチング後も院内出血リスクは1.63倍多変量補正を行った後、院内出血リスクに関する服用群の非服用群に対するオッズ比は1.66(同:1.43~1.92)、死亡に関する同オッズ比は1.24(同:1.04~1.48)となった。さらに、傾向スコアでマッチングを行った1万158人における解析でも、服用群の非服用群に対する院内出血リスクのオッズ比は1.63(同:1.35~1.98)となり有意差が認められた。一方、死亡リスクに関する同オッズ比は1.15(同:0.97~1.36)と有意差が認められなかった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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喘息配合剤トップシェアを目指す~国内2剤目のシムビコート発売会見~

2010年1月14日、国内2番目の配合喘息治療薬、シムビコートに関して、アステラス製薬株式会社/アストラゼネカ株式会社両社の営業責任者による発売会見が開催された。シムビコートは、吸入ステロイド薬のブデソニドと即効性・長時間作用性吸入β2刺激薬のホルモテロールからなる配合剤である。国内ではグラクソ・スミスクラインのアドエアについで2番目の発売となる。シムビコートは平均粒子径が2.4~2.5μmであり、他剤と比較して小さい。そのため末梢気道まで到達しやすく、肺全体に薬剤が広がるので、強力かつ速やかな効果の出現が期待できる。昨年改訂された『喘息予防・管理ガイドライン2009』では、治療ステップ2から、配合剤の使用が認められている。会見の中で、アストラゼネカ プライマリーケア事業本部長の金子潔氏は、喘息患者530万人のうち、およそ6割の患者がガイドラインの治療ステップ2から4にあたるとし、「対象患者さんに少しでも早く使っていただければ」と語った。また、アステラス製薬 営業本部長の山田活郎氏は、この薬剤が日本の喘息治療に大きく貢献できると確信し、「早い段階での国内シェアナンバーワンを実現したい」とコメントした。シムビコートは2009年10月に承認、2010年1月13日に発売された。アストラゼネカが製造・開発を、アステラス製薬が流通・販売を担当し、両社合わせて2,700名のMRがプロモーション活動にあたる。(ケアネット 吉田 直子)

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見た目年齢でわかる老化と寿命?

見た目年齢――臨床家が患者の健康状態を測る指標として一般的に広く用いている――は、身体・認知機能および老化の分子レベルの表現型と相関しており、老化の強力なバイオマーカーであり、70歳以上の人の寿命を予測しうることが明らかになったとする報告が、BMJ誌年末恒例の「クリスマス特集号」(2009年12月19日号)で発表された。南デンマーク大学公衆衛生研究所デンマーク双生児登録・老化研究センターのKaare Christensen氏らが、70歳以上の双生児1,800組余を対象に行ったコホート研究による。見た目年齢と、身体・認知機能、バイオマーカーとが相関するかを専門・非専門家が評価Christensen氏らは、デンマークに住む70歳以上の同性の双生児1,826例の追跡調査を行った。被験者はパスポートタイプの顔写真を撮影され、2001年春から2008年1月31日まで経過観察された。調査終了時点で死亡が確認されたのは675例(37%)。被験者は、身体・認知機能検査と老化のバイオマーカー(白血球のテロメアの長さ)の評価を受けた。一方、Christensen氏らは、看護師20人(女性25~46歳)・若者10人(男性22~37歳)・高齢者11人(女性70~87歳)の評価者グループを構成し、被験者の顔写真を見せ年齢を推定してもらった。双子間でより見た目が老けているほうが先に死亡?結果、評価者の専門性や年齢、性別を問わず評価者による見た目年齢と、被験者の寿命との間には有意な相関が認められた。暦年齢、性、成育環境で補正後も、さらに身体・認知機能で補正後も、その関連性は変わらなかった。双子間の見た目年齢が実年齢とかけ離れているほど、双子のうち、より年老いて見えるほうが先に死亡する可能性が大きいようだった。双子解析からは、見た目年齢と寿命には一般的な遺伝的要因が影響することが示された。暦年齢、性でコントロールされても、見た目年齢と身体・認知機能、また白血球のテロメアの長さとの間にそれぞれ有意な相関が認められた。

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