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抗精神病薬治療中の若者、3割がADHD

 米国・ザッカーヒルサイド病院のMichael L. Birnbaum氏らは、若年者の注意欠陥多動性障害(ADHD)における抗精神病薬使用に関する薬剤疫学データのシステマティックレビューとプール解析を実施した。その結果、若年ADHDの約1割で抗精神病薬が投与されていること、抗精神病薬による治療を受けている若年者の約3割にADHDがみられる状況を報告した。Current Psychiatry Reports誌2013年8月号の掲載報告。 若年ADHDへの抗精神病薬の処方について懸念が高まっているが、利用可能なデータベースは個々の試験に限られている。そこで、全体的な頻度と経年的な傾向を明らかにすることを目的に、若年ADHDにおける抗精神病薬使用に関する薬剤疫学データのシステマティックレビューとプール解析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・ヒットした1,806件の試験のうち21件で、以下の3つの集団解析データの報告を含んでいた。1)抗精神病薬による治療を受けている若年者( 15件、34万1,586例)2)若年ADHD(9件、619万2,368例)3)一般の若年者(5件、1,428万4,916例)・抗精神病薬による治療を受けている若年者の30.5±18.5%がADHDを有していた。その割合は、1998年から2007年の間に21.7±7.1%から27.7 ±7.7%(比= 1.3±0.4)へと増加していることが長期試験で示された。・若年ADHDの11.5±17.5%が抗精神病薬の投与を受けていた。その割合は、1998年から2006年の間に5.5±2.6%から11.4±6.7%(比= 2.1±0.6)へと増加していることが長期試験で示された。・一般の若年者の0.12±0.07%でADHDが確認され、抗精神病薬の投与を受けていた。その割合は、1993年から2007年の間に0.13±0.09%から0.44±0.49%(比= 3.1±2.2)へと増加していることが長期試験で示された。・以上の知見より、抗精神病薬は臨床的に重要かつ大勢の若年ADHDに使用されていることが示唆された。処方の理由およびリスク対ベネフィットに関するエビデンスが少ないため、さらなる検討が望まれる。関連医療ニュース 自閉症、広汎性発達障害の興奮性に非定型抗精神病薬使用は有用か? 抗てんかん薬によりADHD児の行動が改善:山梨大学 摂食障害、成人期と思春期でセロトニン作動系の特徴が異なる!

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肺保護的換気法、腹部大手術アウトカムを改善/NEJM

 術後肺合併症のリスクがある腹部大手術施行患者では、術中の肺保護的な換気法により臨床アウトカムが改善され、医療資源利用が抑制されることが、フランス・クレルモンフェラン大学中央病院(CHU)付属エスタン病院のEmmanuel Futier氏らが行ったIMPROVE試験で示された。低1回換気量および呼吸終末陽圧(PEEP)による肺保護的な換気法は、重症患者に対する最良の換気法とされるが、麻酔下に大手術を施行された患者における役割は、これまで知られていなかった。NEJM誌2013年8月1日号掲載の報告。400例を無作為化試験で評価 IMPROVE試験は、肺合併症リスクを有し、腹部大手術を受けた患者に対する肺保護的換気法の有用性を評価する多施設共同二重盲検並行群間無作為化試験。対象は、術前の評価で術後肺合併症リスクが中等度~高度と判定され、2時間以上を要すると予測される腹腔鏡または非腹腔鏡的な待機的腹部大手術が予定されている40歳以上の患者であった。 参加者は、肺保護的換気法(1回換気量:6~8mL/kg、PEEP:6~8cmH2O、気管挿管後30分ごとにリクルートメント手技を繰り返す)を施行する群または非保護的な換気法(1回換気量:10~12mL/kg、PEEPやリクルートメント手技は行わない)を施行する群に無作為に割り付けられた。 2011年1月~2012年8月までにフランスの7施設から400例が登録された。非保護的換気法群に200例(平均年齢63.4歳、男性60.5%、開腹手術78.0%)、肺保護的換気法群にも200例(61.6歳、58.0%、79.5%)が割り付けられ、30日間のフォローアップが行われた。診断名は約8割ががんであり、手技としては膵頭十二指腸切除術が約4割、肝切除術が約2割、大腸切除術が約2割であった。7日以内の肺・肺外合併症リスクが60%低下 主要評価項目(術後7日間における肺および肺外合併症の複合アウトカム)の発生率は、肺保護的換気法が10.5%(21/200例)と、非保護的換気法群の27.5%(55/200例)に比べ有意に低かった(調整相対リスク:0.40、95%信頼区間[CI]:0.24~0.68、p=0.001)。術後30日間の発生率は、それぞれ12.5%(25例)、29.0%(58例)であり、やはり有意な差が認められた(同:0.45、0.28~0.73、p<0.001)。 術後7日間に急性の呼吸器不全で非侵襲的な換気や挿管を要した患者の割合は、肺保護的換気法群が5.0%(10例)であり、非保護的換気法群の17.0%(34例)に比し有意に低かった(同:0.29、0.14~0.61、p=0.001)。 術後7日間の肺合併症発生率は、Grade 1/2は肺保護的換気法群12.5%(25例)、非保護的換気法群15.0%(30例)と両群で同等であった(同:0.67、0.39~1.16、p=0.16)が、Grade 3以上はそれぞれ5.0%(10例)、21.0%(42例)であり、肺保護的換気法群で有意に少なかった(同:0.23、0.11~0.49、p<0.001)。 入院期間中央値は、肺保護的換気法群が有意に短かった(11vs. 13日、調整平均差:-2.45日、95%CI:-4.17~-0.72、p=0.006)。ICU入室期間中央値は両群間に差はなかった(6 vs. 7日、-1.21、-4.98~7.40、p=0.69)。 著者は、「肺保護的換気法は腹部大手術を受けた患者の臨床アウトカムを改善し、医療資源利用を抑制することが示された」とし、「予想よりも合併症発生率がわずかに高かったが、これは低リスク例を除外したことなどによると考えられる」と考察している。

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高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫、早期介入が有用/NEJM

 くすぶり型多発性骨髄腫の高リスク例については、レナリドミド(商品名:レブラミド)、デキサメタゾン(同:レナデックス)を用いた治療を早期に開始したほうがベネフィットを得られることが、スペイン・サラマンカ大学病院のMaria-Victoria Mateos氏らによる検討の結果、明らかにされた。くすぶり型多発性骨髄腫に対する治療は、有効な治療薬がほとんどなく、利用可能な治療薬は長期毒性への懸念があり、症状が発現するまでは経過観察が標準とされている。背景には、同疾患の活動性疾患への進行リスクが低い(年率10%)ことがあるが、研究グループは、これまで研究ターゲット集団として検討されていなかった、同患者の40%を占める高リスク例(進行する確率が2年で50%)について、早期介入の有用性を検討する第3相無作為化オープンラベル試験を行った。NEJM誌2013年8月1日号の掲載報告。高リスクの119例を治療群と観察群に無作為化 試験は、高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫患者119例を、治療群と観察群に無作為に割り付けて行われた。治療群の患者は、1サイクル4週間の導入療法[レナリドミド25mg/日(1~21日目)+デキサメタゾン20mg/日(1~4日目、12~15日目)投与]を9サイクル受け、その後に1サイクル28日間の維持療法(1~21日目にレナリドミド10mg/日投与)を2年間受けた。 主要エンドポイントは、症候性疾患に進行するまでの期間とした。副次的エンドポイントは奏効率、全生存率、安全性とした。治療群の進行ハザード比0.18、死亡ハザード比0.31 119例のうち、57例が治療群に、62例が観察群に割り付けられた。ベースラインの両群の特性は均等であった。 追跡期間中央値40ヵ月後、進行までの期間中央値は、治療群(未到達)が観察群(21ヵ月)よりも有意に延長した(治療群の進行のハザード比[HR]:0.18、95%信頼区間[CI]:009~0.32、p<0.001)。 また、3年生存率も治療群のほうが高率であった(94%vs. 80%、治療群の死亡のHR:0.31、95%CI:0.10~0.91、p=0.03)。 治療群では部分奏効以上の達成が、導入療法後に79%、維持療法中では90%で認められた。 毒性は主にグレード2以下であった。

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逆流性食道炎と非びらん性胃食道逆流症のリスク因子は大きく異なる

 逆流性食道炎(RE)と非びらん性胃食道逆流症(NERD)のリスク因子は、病態生理学的に大きく異なることが、東京大学医学系研究科消化器内科の皆月ちひろ氏らの研究で明らかになった。また、RE有病率はヘリコバクター・ピロリ(HP)感染群よりも除菌群で有意に高かったのに対して、NERD有病率は両群で有意な差を認めなかった。HP除菌療法を行う際には、REの発症および進行につながることを考慮すべきである。PLoS One誌2013年7月26日号の報告。 胃食道逆流症(GERD)は高い有病率にもかかわらず、そのリスク因子は依然として論争中である。これはおそらく、REとNERDの区別および胃周辺部の評価が不十分であるためと考えられる。本研究の目的は、HP感染と胃の萎縮の評価に基づいて、REとNERDの独立した背景因子を定義することであった。 対象は、上部消化管内視鏡検査を受けた健常人1万837人(男性6,332人、女性4,505人、20~87歳、日本人)。対象のうち、「食道の粘膜破壊を認める」1,722人(15.9%)がRE、「食道の粘膜破壊を認めず、胸焼けや胃酸逆流を認める」733人(6.8%)がNERDと診断された。REおよびNERDと診断されなかった被験者を対照群とし、RE群とNERD群の背景因子は、ロジスティック回帰分析を用いて標準化係数(SC)、オッズ比(OR)、p値で評価した。 主な結果は以下のとおり。・REと正の相関を認めた因子は、男性(SC=0.557、OR=1.75)、HP非感染(SC=0.552、OR=1.74)、ペプシノーゲンI/II比高値(SC=0.496、OR=1.64)、BMI高値(SC=0.464、OR=1.60)、飲酒(SC=0.161、OR=1.17)、加齢(SC=0.148、OR=1.16)、喫煙(SC=0.129、OR=1.14)であった。・NERDと正の相関を認めた因子は、HP感染(SC=0.106、OR=1.11)、女性(SC=0.099、OR=1.10)、若年齢(SC=0.099、OR=1.10)、ペプシノーゲンI/II比高値(SC=0.099、 OR=1.10)、喫煙(SC=0.080、OR=1.08)、BMI高値(SC=0.078、OR=1.08)、飲酒(SC=0.076、OR=1.08)であった。・REの有病率は、HP感染群(2.3%)と比較し、HP除菌成功群(8.8%)で有意に高かった(p<0.0001)。・NERDの有病率は、HP感染群(18.2%)とHP除菌成功群(20.8%)で有意な差を認めなかった(p= 0.064)。

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メタボは上肢痛のリスク因子か

 内臓脂肪は上肢痛のリスク因子であるようだ。フィンランド労働衛生研究所のTapio Vehmas氏らが、コホート研究の結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「さらなる研究にて、そのメカニズムを解明し、減量が疼痛管理に有用かどうかを明らかにすることが必要だ」とまとめている。Pain Medicine誌2013年7月号(オンライン版2013年5月3日号)の掲載報告。 研究グループは、代謝障害、とくに内臓肥満の徴候が上肢痛と関連があるかどうかを評価することを目的としたコホート研究を行った。 対象は、上肢障害のため産業保健サービスで医師の診察を受けている労働者177例であった(女性154人、男性23人、年齢20~64歳、平均年齢45歳)。 対象者について、体重、身長、ウエスト周囲径、ヒップ周囲径を計測し、内臓脂肪量、肝臓脂肪量ならびに頸動脈内膜中膜複合体厚(IMT)を超音波測定するとともに、調査開始時、2、8、12、52および104週後に、疼痛強度と疼痛による睡眠障害度を視覚的アナログスケールで評価した。 主な結果は以下のとおり。・すべての肥満に関する指標が、疼痛強度ならびに疼痛による睡眠障害度の両方と関連していた。・内臓脂肪の厚さは、疼痛強度および疼痛の睡眠妨害度の最も強い予測因子であった。・IMTは、疼痛強度および疼痛の睡眠妨害度のどちらとも関連していなかった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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エキスパートに聞く!「認知症診療」Q&A 2013 Part1

CareNet.comでは認知症特集を配信するにあたって、事前に会員の先生方から認知症診療に関する質問を募集しました。その中から、とくに多く寄せられた質問に対し、大阪大学 数井裕光先生にご回答いただきました。2回に分けて掲載します。今回は、認知症とうつの鑑別方法、抗認知症薬の投与開始時期と効果の判定方法、増量のタイミング、コリンエステラーゼ阻害薬にメマンチンを併用する場合のタイミングについての質問です。Part2(Q6~Q10)はこちら1 認知症とうつ病の鑑別方法を教えてください。うつ病は高齢者に多く、患者さんやご家族が物忘れを訴えることもしばしばです。また注意力や集中力の低下のために、認知機能検査の得点が初期の認知症の患者さんと同程度に低下することもあります。このため、認知症とうつ病との鑑別は臨床的に重要です。うつ病と比べて認知症(とくにアルツハイマー病)で認められやすい症状を列挙すると、初発症状が物忘れである(うつ病では気分の落ち込みや意欲低下)記憶検査で自由再生も再認も障害される(たとえば、3単語を用いた記憶検査などで、覚えた単語をヒントなしに患者さんに思い出してもらう想起法を「自由再生」と呼ぶ。一方、答えの単語とそうでない単語をランダムに提示し、あったかなかったかを答えてもらう想起法を「再認」と呼ぶ。うつ病では自由再生は障害されても再認は障害されにくい)物忘れの自覚と深刻味が乏しい(うつ病では過剰に訴えることが多い)見当識障害を伴う(うつ病では見当識は保たれる)うつ病の既往がないなどです。頭部MRIや脳血流検査などの神経画像検査が鑑別に必要な場合もあります。とくに、早発性のアルツハイマー病患者さんでは上記の認知症の特徴が明らかにならず、MRIでも明瞭な萎縮を認めないことがあるので、脳血流検査が必要となることがあります。うつ病と診断していても、抗うつ薬などの治療の効果が乏しかったり、認知障害が進行したりする場合には、専門医への紹介を検討してください。アルツハイマー病患者さんの40~50%に抑うつ気分を認めるともいわれているため、認知症にうつ症状が合併しているかもしれないという視点も重要です。認知症に伴ううつ症状は、悲哀感、罪責感、低い自己評価のような古典的なうつ症状よりも、喜びの欠如、身体的不調感などの非特異的な症状が目立ちやすいという特徴があります。また、認知症患者さんに高頻度に認めるアパシーをうつ症状と混同しないことも重要です。アパシーでは、趣味や家事などの日常の活動や身の回りのことに興味を示さない、意欲が低下するなどの症状を認めますが、悲哀感、罪責感、低い自己評価、喜びの欠如、身体的不調感は認めません。2 抗認知症薬の投与開始時期について教えてください。抗認知症薬を早期から投与したほうがよいのでしょうか? わが国で使用可能な抗認知症薬は、アルツハイマー病に対するコリンエステラーゼ阻害薬3種類(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)とNMDA受容体拮抗薬1種類(メマンチン)です。コリンエステラーゼ阻害薬は軽度の状態から使用可能なので、薬の投与開始時期はアルツハイマー病と診断した時ということになります。また、これらの薬剤の主たる効能は、症状の進行抑制なので、アルツハイマー病の診断が確かであれば、早期から投与して、良い状態を少しでも長く維持させることを目指します。実際、早期に治療開始した患者さんのほうが、その後の全般的機能や認知機能の悪化が少ないという報告もあります。最近の研究では、アルツハイマー病患者さんが認知症の段階になった時、あるいはその前段階の軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment: MCI)の段階でも、脳内のアルツハイマー病の病理過程はかなり進行していることが明らかになっています。したがって、症状が軽くても疾患としてはある程度進行していると考えるべきです。また、コリンエステラーゼ阻害薬にはアルツハイマー病患者さんの海馬や全脳の萎縮の進行を遅延させる効果も報告されており、神経保護作用を有する可能性もあるからです。留意点としては、MCIの基準を満たす患者さんの原因疾患はアルツハイマー病だけでなく、うつ病などもあるため、すべてのMCI患者さんにコリンエステラーゼ阻害薬を投与してよいわけではなく、アルツハイマー病の診断を正確に行うことが前提です。3 抗認知症薬の効果の判定方法について、判定するまでの期間など、具体的に教えてください。効果判定の時期や方法について、わが国でとくに推奨されているものはありません。海外のガイドラインでは6ヵ月後に評価するとされていますが、評価法については明確に記載されていません。逆に認知機能検査に関して、Mini Mental State Examination(MMSE)のような簡易なものでは不十分であると記載されています。しかし実臨床場面では、複数のご家族やデイケアなどのスタッフからの情報とMMSEのような認知機能検査の結果などをもとに効果を判定することになると思います。ご家族が最も期待するのは記憶障害の改善なのですが、ご家族が記憶障害の改善を実感できる患者さんは少ないと思います。どの抗認知症薬においても改善を認めやすい症状は、意欲低下、注意・集中力の障害です。したがって、まず効果の判定には、これら症状の改善の有無を患者さんの周囲の複数の人に確認してもらうのがよいと思います。ご家族に聞くときは、具体的には、「言葉数が増えましたか」「何かをしようとすることが多くなりましたか」「表情が明るくなりましたか」などというように質問しましょう。しかしながら、アルツハイマー病は進行性の疾患なので、大きな変化がないというのも、効果があると考えてよいと思います。実際、前述の海外のガイドラインでは、投与前と同様に投与後も悪化している場合に、他剤への変更を検討するということになっています。ただし投与後に不変であっても、患者さん自身やご家族が、よりよい改善を期待して他剤への変更を希望する場合には変更してよいと思います。4 抗認知症薬の増量のタイミング(症状の目安など)を教えてください。ドネペジルは軽度から重度まで、すべての段階のアルツハイマー病に適応があります。これに対してガランタミン、リバスチグミンは軽度と中等度の患者さんに、メマンチンは、中等度と重度の患者さんに適応を有しています。したがって、保険適用の観点からは、中等度になったらメマンチンを併用し、重度になったらドネペジル10mgに増量、あるいは変更します。軽度認知症レベルとは、銀行などの手続きも含めた財産管理ができない、買い物で必要な物を必要な量だけ買うことができない、パーティーの段取りのような複雑な作業はできないが、家庭内の日常生活には支障が生じていない段階です。中等度認知症レベルとは、時期や場面にあった服を選べない、入浴を時々忘れるなどが生じ、日常生活にある程度の介護が必要な状態です。重度認知症レベルとは、服を着ることができない、入浴に介助が必要、トイレがうまく使えないなど、日常生活に多大な介助が必要な状態です。しかし、アルツハイマー病は緩徐に連続的に進行していく疾患なので、どこからが中等度でどこからが重度かの線引きをすることは困難ですし、境界には幅があります。そこで実臨床場面では、患者さんやご家族から日常生活上の障害に関する情報を聴取し、中等度、重度への移行をおおまかに判断しますが、同時に、患者さんやご家族の進行に対する不安、増量に対する意向なども聞いて、総合的に判断します。たとえば、ご家族が明らかに進行したと感じ、これに対して何とかしてほしいという気持ちが強い場合は、日常生活のごく一部のみで次の段階に移行した可能性がある程度でも、追加や増量を検討します。5 コリンエステラーゼ阻害薬にメマンチンを併用する場合のタイミングと、併用する際の増量や追加の順番を教えてください。アルツハイマー病患者さんにコリンエステラーゼ阻害薬を使用していても、症状が進行し、中等度認知症レベル(Q4参照)に至った時にコリンエステラーゼ阻害薬にメマンチンを併用します。メマンチンの増量は規定に従い、5mgから開始し、1週間ごとに5mgずつ増量していき、20mgの維持量まで持っていきます。しかしわが国での発売後の調査で、めまいや眠気などの副作用を認める例が少なくないことが明らかになりました。そこでこの副作用を防止するために、2~4週間ごとに増量する先生もいらっしゃいます。中等度の段階で初めてアルツハイマー病と診断した患者さんの場合は、コリンエステラーゼ阻害薬とメマンチンのどちらを先に処方するかという選択に迫られます。これまでの研究報告からは、コリンエステラーゼ阻害薬のほうがメマンチンよりも、認知機能に対する効果が大きいようなので、コリンエステラーゼ阻害薬を先に処方するほうがよいでしょう。ただし、患者さんの身体的既往症、合併症、精神行動障害によってはメマンチンを先に投与する場合もあります。しかし単独処方よりも両薬剤を併用することによって進行抑制効果が増すため、基本的には併用処方を目指します。したがって、どちらか一方のみを処方する期間は短いでしょうから、どちらが先かについてはあまり神経質にならなくてもよいと思います。※2012年10月の認知症特集におけるQ&Aも併せてご覧ください。認知症のエキスパートドクターが先生方からの質問に回答!(Part1)認知症のエキスパートドクターが先生方からの質問に回答!(Part2)

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統合失調症に対し抗精神病薬を中止することは可能か

 統合失調症治療では、急性期に使用した薬剤をそのまま維持期でも使用することが少なくない。そのため、抗精神病薬誘発性の副作用などにより、維持期統合失調症患者の社会的機能低下が問題となる。ノッティンガム大学のStephanie Sampson氏らは、維持期における間欠的な抗精神病薬治療が有用かを検討した。Schizophrenia bulletin誌オンライン版2013年7月16日号の報告。 著者らは、コクラン統合失調症グループの試験登録(2012年4月)を検索し、関連する研究の著者に連絡を取ったり、参考文献リストの作成を行うなどしてこれを補足した。 主な結果は以下のとおり。・関連するランダム化試験(RCTs)が17試験抽出された。・再発例は、長期にわたり抗精神病薬の間欠的投与を受けた群で有意に高かった(436例、RCTs:7試験、RR:2.46、95%CI:1.70~3.54)。・間欠的投与はプラセボより有効であったが、間欠的に抗精神病薬を服用している患者では中期までに再発する例は有意に少なかった(290例、RCTs:2試験、RR:0.37、95%CI:0.24~0.58)。・間欠的な抗精神病薬治療は、統合失調症患者の再発を防ぐために連続的治療ほどの効果はないものの、無治療よりは有意に優れることが示された。関連医療ニュース 維持期統合失調症でどの程度のD2ブロックが必要か 新規抗精神病薬は患者にどう評価されているか? 青年期統合失調症の早期寛解にアリピプラゾールは有用か?

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違法な美白化粧品の迅速検出法を開発

 EU市場では昨年、インターネット上のいわゆる“闇市場”と呼ばれる購入サイト上に違法化粧品が氾濫する事態が生じた。その大半を占めたのが、美白化粧品であったという。ベルギー国立保健科学研究所のB. Desmedt氏らは、流通する美白化粧品が合法なものか違法なものかを迅速に検出するため、新たに超高速液体クロマトグラフィー‐ダイオードアレイ検出法(UHPLC-DAD)というスクリーニング法を開発し検証を行った。その結果、12分間で詳細な成分の同定が可能であることが示されたという。Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis誌2013年9月号(オンライン版2013年5月4日号)の掲載報告。 氾濫していた違法な美白化粧品には、EUの現行の化粧品に関する法律(Directive 76/768/EEC)で規制されている、ハイドロキノン、トレチノイン、コルチコステロイドなど複数の違法な活性成分が含まれていた。それらは、局所ばかりでなく全身性に毒性作用をもたらすことから、EU市場では禁止成分の対象とされている。 Desmedt氏らは、市場統制のために、多様な違法成分を迅速に検出できる新たなスクリーニング法を開発し検証を行った。 主な結果は以下のとおり。・開発・検証したのは、UHPLCの手法を用いたスクリーニング法であった。・同スクリーニング法によって、主要な違法成分(ハイドロキノン、トレチノイン、6つの皮膚外用性コルチコステロイド)と合法的な美白成分を検出可能なだけでなく、合法成分(コウジ酸、アルブチン、ニコチンアミド、サリチル酸)の濃度や適用に関する制限についても検出可能であった。また、これらを12分間で定量化することも可能であった。・スクリーニング法は、ISO-17025準拠の検証要件に即した「トータルエラー」アプローチに基づき実効性が確認された。・検証において、クリーム、ローション、石鹸など多様なコスメティック商品が考慮すべき対象であることが明らかになった。

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小児外傷後てんかんの予防にレベチラセタムは有用

 急性頭部外傷を受けた外傷後てんかんリスクを有する小児へのレベチラセタムについて、安全性および良好な忍容性が確認されたことが、米国・国立小児医療センターのPhillip L. Pearl氏らによる第2相試験の結果、報告された。外傷後てんかんは、重症頭部外傷(TBI)を受けた小児において最大20%で発現することが報告されているという。Epilepsia誌2013年7月22日号の掲載報告。 今回の第2相試験は、6~17歳の小児で、頭蓋内出血、頭蓋骨陥没骨折、穿通性損傷など外傷後てんかんの発症に関するリスク因子、または外傷後発作の発現に関するリスク因子を1つ以上有する者を集めて行われた。被験者には30日間にわたり、レベチラセタム55mg/kg/日を1日2回で投与した。投与は外傷後8時間以内に開始された。治療被験者の目標数は、20例であり、TBI後8~24時間以内に受診しその他の適格基準を満たした20例を観察対象として組み込んだ。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップの期間は2年であった。45例がスクリーニングを受け、20例が治療群に組み込まれた。・TBI後に最も頻度が高かったリスク因子は、即時の発作であった。・レベチラセタムの投与には95%が応じた。死亡例はみられなかった。治療被験者20例のうち、1例が途中で追跡不能となった。・治療被験者で最も頻度の高かった重篤な有害事象は、頭痛、疲労感、傾眠、易刺激性であった。・治療被験者が対照被験者と比較して、感染症、気分変化、問題行動の発生が多いということはみられなかった。・被験者40例のうち、外傷後てんかん(外傷後7日超での発作と定義)を呈したのは1例のみ(2.5%)であった。・今回の試験によって、外傷性脳損傷のリスク集団において、小児外傷後てんかんを予防する研究の実現可能性が示された。・以上の結果を踏まえて著者は、「レベチラセタムは、今回対象としたリスク集団において、安全であり忍容性が良好であった。本研究は、外傷後てんかんリスク集団の予防に関する、前向き試験実現のためのステージを用意するものとなった」とまとめている。関連医療ニュース 抗てんかん薬レベチラセタム、日本人小児に対する推奨量の妥当性を検証 小児てんかん患者、最大の死因は? 抗てんかん薬によりADHD児の行動が改善:山梨大学

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インターネット研修、抗菌薬処方を抑制/Lancet

 プライマリ・ケア医に対しインターネットを利用した気道感染症治療に関する2つの研修を行うことで、抗菌薬の処方率が大幅に抑制されることが、英国・サザンプトン大学のPaul Little氏らGRACEコンソーシアムの検討で示された。プライマリ・ケアにおける大量の抗菌薬処方は、薬剤耐性の重大な促進要因とされる。処方は医師や患者への教育によって低下する可能性があるが、高度に訓練された教育担当員を要する場合が多いことから、簡便で効果的な研修法の開発が望まれている。Lancet誌オンライン版2013年7月31日号掲載の報告。クラスター無作為化試験で4群を比較 GRACEコンソーシアムは、インターネットを利用した気道感染症治療関連の研修法を開発し、その抗菌薬処方に対する効果を評価するために、国際的なクラスター無作為化試験を実施した。 欧州6ヵ国のプライマリ・ケア施設が、通常治療群、医師に対しC反応性蛋白(CRP)検査の研修を行う群、コミュニケーション技法の向上を目的とした研修を行う群、2つの研修の両方を行う群の4群に無作為に割り付けられた。 2010年10~12月に、割り付け前のベースライン調査が行われた。259施設に登録された6,771例[下気道感染症5,355例(79.1%)、上気道感染症1,416例(20.9%)]のうち3,742例(55.3%)に抗菌薬が処方されていた。両方の研修を行うのが最も効果的 2011年2~5月に、246施設を4群に無作為に割り付け、そのうち228施設(92.7%、医師372人)に登録された4,264例がフォローアップの対象となった。内訳は、通常治療群が53施設(870例)、CRP検査研修群が58施設(1,062例)、コミュニケーション技法研修群が55施設(1,170例)、CRP検査+コミュニケーション技法研修群は62施設(1,162例)であった。 抗菌薬処方率はCRP検査研修群が33%であり、CRP検査研修を行わなかった群の48%に比べ有意に低下した(調整リスク比:0.54、95%信頼区間[CI]:0.42~0.69、p<0.0001)。また、コミュニケーション技法研修群の処方率は36%と、コミュニケーション技法研修を行わなかった群の45%に比し有意に低下した(同:0.69、0.54~0.87、p<0.0001)。 抗菌薬処方率は、両方の研修を行ったCRP検査+コミュニケーション技法研修群が最も低く、リスク比は0.38(95%CI:0.25~0.55、p<0.0001)であった。 著者は、「プライマリ・ケア医に対するインターネットによる2つの簡便な研修は、いずれも抗菌薬処方の抑制に有効で、両方の研修を行った場合に最も高い有効性が示された」とまとめ、「このような母国語や文化的な境界を超えた介入が大きな成果を上げたことは、これらの介入が多くの保健システムにおいて広く実行可能であることを示唆する」としている。

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血圧変動が大きい高齢者は認知機能が不良/BMJ

 心血管疾患リスクを持つ高齢者では、平均血圧とは無関係に、診察室血圧の変動が大きい集団で認知機能が不良であることが、オランダ・ライデン大学医療センターのBehnam Sabayan氏らが実施したPROSPER試験で示された。血圧変動は心血管イベントの独立のリスク因子とされる。また、診察室血圧の変動が大きいほど、無症候性および臨床的に明らかな脳血管障害のリスクが高くなることが知られている。BMJ誌オンライン版2013年7月30日号掲載の報告。欧州の3施設で行われた前向きコホート試験 PROSPER試験は、高齢者における診察室血圧の変動と認知機能の関連の評価を目的とする前向きコホート試験。 アイルランド、スコットランド、オランダの3施設から、心血管疾患リスクを有する高齢者(>70歳)が登録された。血圧は3ヵ月ごとに測定し、血圧変動は試験期間中の測定値の標準偏差(SD)と定義した。 血圧変動の大きさを三分位法で3つの集団(大、中、小)に分け、認知機能に関する4項目(選択的注意、処理速度、即時記憶、遅延記憶)の評価を行った。また、オランダの参加者(553例)ではMRIを用いて脳の体積、微小出血、梗塞、白質病変を測定した。すべての認知機能評価項目が有意に不良 5,461例が登録され、ベースラインの平均年齢は75.3歳、女性が51.7%で、既往歴は高血圧が62.2%、糖尿病が10.5%、脳卒中/TIAが11.1%、心筋梗塞が13.1%、血管疾患が44.0%であり、喫煙者は26.2%であった。平均フォローアップ期間は3.2年で、この期間中の平均血圧測定回数は12.7回、平均血圧は153.1/82.5mmHgであった。 収縮期血圧の変動大(16.3~64.4mmHg)、中(12.3~16.2mmHg)、小(0.7~12.2mmHg)、拡張期血圧の変動大(8.6~33.1mmHg)、中(6.6~8.5mmHg)、小(0~6.5mmHg)の群にそれぞれ1,820例、1,821例、1,820例ずつが登録された。 平均血圧や心血管リスク因子で調整後、収縮期血圧の変動が大きい集団では認知機能の評価項目がすべて有意に不良であることが示された(選択的注意:p<0.001、処理速度:p<0.001、即時記憶:p<0.001、遅延記憶:p=0.001)。拡張期血圧の変動が大きい集団でも同様の結果が得られた(選択的注意:p<0.001、処理速度:p<0.001、即時記憶:p<0.001、遅延記憶:p=0.001)。 収縮期血圧および拡張期血圧の変動が大きい集団では、海馬体積の減少(いずれもp=0.01)、皮質の梗塞(いずれもp=0.02)との関連が認められ、拡張期血圧の変動が大きい集団では脳の微小出血(p=0.01)との関連が確認された。 著者は、「認知機能障害の発症機序として、脳の微小出血、皮質梗塞、海馬体積の減少が関与している可能性がある。今後は介入試験を行って、血圧変動の抑制により認知機能障害のリスクが低下するかを検証する必要がある」と指摘している。

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足白癬患者の靴下、洗濯水は何℃が望ましいか

 真菌が付着した靴下を洗浄する場合、低温での洗濯では真菌病原体が十分に死滅しないため、高温で洗濯することが望ましいことが、イスラエル・テルアビブ大学のBoaz Amichai氏らによって報告された。 真菌が付着した衣類からは再感染の可能性があるが、これまで十分に検証されていなかった。 The International Society of Dermatology誌オンライン版2013年7月24日掲載報告。 Amichai氏らは、異なる水温での家庭洗濯によって、靴下に付着した真菌をどのくらい排除できるか、その効果を評価した。靴下は足白癬患者から81足集められた。 主な結果は以下のとおり。・調査に使用した靴下は、足白癬患者が着用した後、40℃または60℃の洗濯水で洗浄され、室温で乾燥された。・真菌培養検査に用いたサンプルは、つま先部分とかかと部分の2ヵ所からそれぞれ採取された。・40℃の洗濯水で洗浄されたサンプルのうち、29足(36%)の真菌培養が陽性であった。なお、14足はつま先部分で、15足はかかと部分であった。・そのうち、紅色白癬菌は4検体、アスペルギルス属は20検体で検出された。・同様の条件の靴下を60℃の洗濯水で洗浄した場合、5足(6%)の真菌培養が陽性であった。なお、3足はつま先部分で、2足はかかと部分であった。・60℃の洗濯水で洗浄した靴下では、アスペルギルス属のみ検出された。・酵母は40℃の洗濯で死滅した。・以上の結果より、真菌を死滅させるためには低温の洗濯水は効果的ではないことから、省エネや環境保護といった流れに反するものの、真菌が付着した靴下は高い水温(60℃)での洗濯が必要であることが示唆された。

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前医批判がもとで医事紛争に発展した手指切断のケース

整形外科最終判決平成15年2月14日 前橋地方裁判所 判決概要プレス作業中に右手第2指先端を負傷した24歳男性。キルシュナー鋼線による観血的整復固定術を受けたが、皮膚の一部が壊死に陥っていた。プロスタグランジンの点滴注射などでしばらく保存的な経過観察が行われたが、病院に対して不信感を抱いた患者は受傷から18日後に無断で退院。転院先の医師から「最悪ですよ。すぐ手術しなければならない」と説明され、指の切断手術が行われた。詳細な経過患者情報24歳男性経過平成10年11月9日午前9:00右手第2指をプレス機に挟まれて受傷。第1関節から先の肉が第3指(中指)側にずれるようにして切れ、めくれ上がり、傷口から骨がみえる状態であった。ただちに当該病院に運ばれ、キルシュナー鋼線2本を用いた観血的整復固定術を受けた。以下カルテ記載より11月9日朝9:00頃指を機械に挟まれた。挫滅創。11月10日(指の先端について)針の痛み刺激OK。知覚なし。(指の第1関節付近について)紫色不良。治療方針(非常勤整形外科医師のコメント)。伸筋腱は切れてはいなかったでしょうか。もしも切断されていて、創部切断を免れた場合は、腱縫合を2週間以内に考えた方がいいと思います。11月11日ワイヤー1本抜去(指の先端について)。血流弱い。→プロスタグランジン開始。1日120mg(生食100mL)を2回。11月13日包交、色良くなってきている。11月14日変化なし。11月16日包交、出血なし、膨張少し、色よい。11月17日(指の先端について)知覚なし。(指の第1関節付近について)色よい、ペンローズ抜去、明日よりヒビテン®浴開始。11月19日創きれい、色よい。11月21日創痛なし。(指の先端について)両側の知覚障害あり。(指のつめの根元付近について)この部分からの血流供給よい。11月22日膿はなく、出血もないが、創面はまだドライではない。11月24日X線写真の整合性よい。(指の先端のてのひら側について)壊死性皮膚、しかし感染はない。11月27日患者は「携帯電話を買いにいく」とウソをついて無断で当該病院を退院し、別病院を受診。そこの整形外科医師から、「最悪ですよ。すぐ手術しなければならない」と説明され、緊急で右第2指近位1/3の切断手術を受けた。別病院での手術所見指のてのひら側は、末節の一部を残してDIp(第1関節)にかけてまで黒く壊死になっていた。指の背側の中節の一部も壊死になっていた。これを切除していくと、軟部も壊死となっており、屈筋腱も壊死しており、Kワイヤーを抜去すると、DIp関節も壊死となっていたためにブラブラになってしまった。末節骨も壊死になっていた。このため、生存していた皮膚および中節骨の2/3を残して切断した。FDp(深指屈筋)も切除。FDS(浅指屈筋)は一部残した。生存していた皮膚を反転させ、縫合した。少し欠損は残ったが、これは肉芽が上がるのを待つこととした。鑑定書DIp以遠の挫創については、一般にマイクロサージャリーの適応はないとされ、本件のような骨折部の観血的創閉鎖術で問題ない。ただし結果論的には、予想以上に組織挫滅の大きかったことから、当初から切断術適応でも差し支えなかった症例である。また、術後の抗菌薬・血管拡張薬投与も適正であり、さらにその後の経過観察においても感染兆候なく、また、創部の処置も適正に行っていると認められる。別病院での手術所見からみると、軟部組織はもちろん、骨部分においても壊死に陥っており、予想以上に深部まで血管損傷・組織挫滅が強かったと認められる不全切断であり、最初からマイクロサージャリーを施行していたとしても、生着していた可能性は低かったと考える。切断はやむを得ない症例である。ただし、最初の手術の時点で切断可能性について十分に説明していなかったことがこのような紛争につながったのではないかと推測された。別病院の術中所見をみる限り、手術適応と手技に問題はないと思われる。ただし、被告病院に何の連絡もなく手術したことは、医療連携として問題である。当事者の主張患者側(原告)の主張被告病院の担当医師は整形外科の専門医ではないのに、キルシュナー鋼線を10回以上も入れ直すなど手術が粗雑であったため、指の組織の腐食が始まった。著しく汚染された傷でありながら、ゴールデンアワーに適切な洗浄、消毒および切除(デブリドマン)を怠り、原告自身に消毒を行わせるなどずさんな治療しかしなかった。しかも創部の疼痛や指先の感覚異常、色調変化を訴えていたが、担当医師らは聞き流して適切な治療を一切行わなかった。被告病院の担当医師が、患部の状態についてきちんと説明し、患者の要求どおり早期に別の医療機関でさらに検査および診療を受ける機会を与えていれば、自分の指の症状をある程度客観的に知ることができ、今後も被告病院で治療を続けるか、それとも別病院で治療を受けるかについて、自らの意思で選択することができたはずである。ところが、「入院中は、何も考えないで病気を治すことだけを考えなさい」、「血色の良い部分もあるので、悪い部分も良くなるでしょう」などというのみで、今後の治療方法などについて説明はななかった。病院側(被告)の主張担当医師は手の外科を専門とする形成外科医であり、手の手術経験は200例を超える。今回の手術ではキルシュナー鋼線は2回入れ直したにすぎない。負傷直後の段階で、適正な消毒、デブリドマン(除去施術)を行った。指の状態は、その後の点滴および消毒などの治療により改善傾向にあったのであり、時間を争って指を切断しなければならないほど悪化してはいなかった。患者自身に消毒させたというのは、ヒビテン®浴のことを誤解しただけである。担当医師は事あるごとに、患者に対し十分な説明をくり返した。当時の治療方針は、負傷部のデマルケーション(壊死部の境界線がはっきりすること)をみながら、植皮するか、最悪の場合には切断する予定であった。ところが、切断をすることもやむを得ないとの方向を検討し、患者に説明しようとしていた矢先に勝手に退院したため、説明の機会を失ったにすぎない。裁判所の判断被告病院では、手術の状況などを記載した手術記録をのこさず、さらにカルテにも記録していなかった。また、初診時に撮影したX線フィルムを紛失してしまったため、どのような手術が行われたのか、手術の状況はどうだったのかなどについて判断できない。ただし手術に際し、キルシュナー鋼線を10回以上も入れ直したと認めるに足りる証拠は何もないので、手術が粗雑であったとまで認めることはできない。担当医師は形成外科の専門医であり、手の外科の専門医でないとまで認めることはできない。カルテや看護記録の記載によれば、指の色が良くなってきた時期もあるので、一方的に悪くなっていったわけではない。また、感染症に対する予防措置や、指の血行障害の発生を防止する措置も十分に行っていたので、担当医師らによる治療が不適切なものであったと認めることはできない。別病院の医師が被告病院に無断で原告の指を切断し、また、手術中に指のポラロイド写真を撮影したり、指の組織検査の標本を採らなかったことから、指を切断する前に手術ミスを犯し、それを隠すために指を切断したのではないかなどと被告病院は主張するが、虚偽の事実を伝えて被告病院を抜け出し、無断で別病院の診察を受けに来たのであるから、すでに患者と被告病院との間の信頼関係は破綻していた。このような場合にまで、別病院の医師にそれまでの治療経過を被告病院に確認すべきであったとまでいうことはできない。結局のところ、被告病院における治療に強い不信感を抱いた原因は、被告病院の医師から指の状態や治療方針(指の切断の可能性など)などに関する説明がなかったためである。原告側合計670万円の請求に対し、合計110万円の判決考察ほかの病院で治療を受けていた患者が、紹介状もなく来院した時、どのように対応されていますでしょうか。もちろん、診察した時点で「正しい」と思った診断、あるいは治療方針を、患者にきちんと説明するのは当然のことと思われます。ただしその際に、前医の医療行為に対して配慮を欠いた発言をすると、思わぬ医事紛争へ発展する「不用意な一言」になりかねません。本件ではあとから振り返ると、最終的には手指切断を免れなかった症例と思われます。そして、被告病院の医師がとった初期段階の治療方針も、その後の別病院ですぐに切断手術が行われたのも、どちらも医学的にみて適切と考えられる医療行為でした。ところが、負傷から18日も経過した段階の所見をはじめて目の前にした医師が、それまでの治療経過をよく確かめずに、「最悪ですよ。すぐ手術しなければならない」などとコメントすれば、患者が被告病院を訴えたくなるのも当然でしょう。実際にこの一言をきっかけとして、4年以上にも及ぶ不毛な医事紛争へと発展しました。この事案を鑑定した整形外科専門医が、「被告病院に何の連絡もなく手術したことは、医療連携として問題である」と指摘したのは、きわめて当たり前の考え方であると思います。さらに被告病院は、「指を切断する前に手術ミスを犯し、それを隠すために指を切断したので、術中写真ものこさず、指の病理組織検査もしなかった」というような理解しがたい主張まで行い、「最悪ですよ」と批判した後医に対する敵意をあらわにしました。患者を前にして、自らの診断・治療に自信を持つ気持ちは十分に理解できますし、不適切な医療行為を批判したくなるのもよくわかりますが、同じ医師同士でこのような争いをするのは、絶対に避けたいと思います。とくにそれまでの医療行為に対して不満を抱く患者が、自分のことを頼って来院したような場合には、ほんのわずかな配慮によって患者の不信感を拭うこともできるのですから、前医の批判は絶対に避けなければなりません。最初に診た医師よりも、あとから診た医師の方が「名医」になるというのは、昔からいわれ続けている貴重な教訓です。本件では、患者が紹介状を持参せずに来院したので、何か「訳あり」であろうと初診時から予測することができたと思います。そこでまずは患者の言い分を聞き、そのうえで被告病院に電話を入れて治療状況を確認すれば、被告病院の立場にも配慮した説明(なるべく指を切断しないで残そうと努力していたのだけれども、当初のケガが重症だったので切断もやむを得ない段階にきている、というような内容)をすることができたと思います。そうしていれば、患者も納得して治療(手指の切断)を受け入れることができたでしょうし、医事紛争の芽を事前に摘み取ることができたかも知れません。もう一つの問題点として、被告病院では医師と患者のコミュニケーションが絶対的に不足していたと思われます。病院側は十分な説明を行ったと主張していますが、患者の印象に残った説明とは、「入院中は、何も考えないで病気を治すことだけを考えなさい」ですとか、指の色が悪いことを心配して質問しても、「血色の良い部分もあるので、悪い部分も良くなるでしょう」程度の曖昧な説明しか行わず、もしかすると切断するかもしれない、という重要な点には言及しなかったようです。このような患者の場合、勝手に離院するまでの入院中にはいろいろな徴候がでていたと思いますので、普段接する看護師や理学療法士などの意見にも耳を傾けて、不毛な医事紛争を避けるようにしたいと思います。本件は最終的には「説明義務違反」という名目で結審し、判決の金額自体はそれほど高額ではありませんでした。しかし、判決に至るまでに費やした膨大な時間と労力に加えて、患者への評判、社会的信用、医師同士の信頼感など、失ったものは計り知れないと思います。整形外科

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これからのアルツハイマー病治療薬はこう変わる

 米国・カリフォルニア大学のMichael S. Rafii氏は、アルツハイマー病(AD)治療のアップデートを目的に文献レビューを行った。その結果、米国食品医薬品局(FDA)によるAD治療の新薬承認は2003年のNMDA受容体拮抗薬以降は行われておらず、近年の疾患修飾を狙った開発薬はいずれも有効性を示すことができなかったこと、その失敗を踏まえて現在はAD発症メカニズムに着目した新薬開発が積極的に進められていることを報告した。Reviews on Recent Clinical Trials誌オンライン版2013年7月17日号の掲載報告。 ADは世界的な認知症の主因であり、臨床的特徴として進行性の認知障害および神経精神病学的障害が認められる。Rafii氏は、AD治療に関する文献レビューを行い、AD治療薬の開発および最近の動向について次のように報告した。・ADの病理学的特徴は、細胞外のアミロイドプラークの蓄積、ニューロン内神経原線維変化であり、広範な神経変性を伴う。前脳基底部におけるコリン作動性ニューロンの喪失などが認められ、コリン作動性の神経伝達の低下や記憶障害に結びつくことが明らかとなっている(Bartus et al, 1982; Whitehouse et al, 1982)。・そこで現在、AD型認知症の症状に対しては、コリン作動性ニューロンの喪失をターゲットにしたアセチルコリンエステラーゼ阻害薬(AChEI)による治療が行われている(Birks J, 2006)。しかしAChEI治療は、一時的に症状を緩和するだけで、疾患の進行を遅らせたり改善したりはしない。承認されているAChEIとしては、ドネペジル(商品名:アリセプトほか)、リバスチグミン(同:イクセロン、 リバスタッチ)、ガランタミン(同:レミニール)がある。・また、過剰なグルタミン酸作動性神経伝達(ニューロンの興奮毒性として示される)も、ADの病理に関与しているのではないかと仮定された。・そこで開発されたのが、低親和性の非競合的電位依存性NMDA受容体拮抗薬メマンチン(同:メマリー)である(Chen HV, 1992)。メマンチンは中等度~重度のAD治療薬として承認された。・しかし、米国FDAは、2003年にこのメマンチンをAD治療薬として承認して以降、新薬の承認をしていない。唯一の承認は、2011年のドネペジルの高用量の経口剤(23mg錠)と、2012年のリバスチグミンの経皮パッチ剤(13.3mg)であった。・近年、疾患修正を狙った多くの新薬候補が、大規模無作為化対照試験に臨んだが、AD治療における有効性を示すことはできなかった。・ADの原因究明については、いまだ熱心に研究されているが、その領域はAD早期診断および早期治療に向かっている。そこはまた、これまで数多くの臨床試験失敗の主な原因とも考えられている領域である。・現在、積極的な開発が進められている新たなAD治療薬およびそのメインとする機序として、次の4つがある。すなわち、(1)Aβ産生の減少(とくにセクレターゼ抑制)を狙ったもの、(2)Aβプラークの沈着を抑制または断絶しその負荷を減じることを狙ったもの、(3)積極的あるいは受動的な免疫療法でAβのクリアランス促進を狙ったもの、そして(4)タウ蛋白のリン酸化または線維化を阻止することを狙ったものである。・本レビューにおいて、上記の“カテゴリー”に属するそれぞれの臨床試験および前臨床試験から、最新の知見が検討されていること、またこれらの“カテゴリー”は「その他の治療薬」として括られていることが伺えた。このカテゴリーには、単一の作用機序としてはまとめられないが、アルツハイマー病の基礎病理に合理的な介入であることを示す治療が含まれていた。関連医療ニュース 抗認知症薬4剤のメタ解析結果:AChE阻害薬は、重症認知症に対し有用か? アルツハイマー病の早期ステージに対し、抗Aβ治療は支持されるか? たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能

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てんかん患者の若年性死亡リスクは11倍/Lancet

 てんかん患者の若年性死亡リスクは、そうでない人に比べ、11倍超に増大することが明らかになった。外因性の死亡は15.8%で、そのうち75.2%において、うつ病など精神疾患の共存症が認められた。英国・オックスフォード大学ウォーンフォード病院のSeena Fazel氏らが、約7万人のてんかん患者について調べた検討で明らかにしたもので、Lancet誌オンライン版2013年7月19日号で発表した。追跡期間中のてんかん患者死亡率は8.8%、年齢中央値は34.5歳 研究グループは、スウェーデンで1954~2009年に生まれ、てんかんの診断を受けた6万9,995人について、若年死亡リスクとその原因を調べた。一般集団から年齢と性別をマッチングした対照群(66万869人)と、てんかんの診断を受けていない兄弟姉妹(8万1,396人)とを、それぞれ比較した。 その結果、追跡期間中に死亡したてんかん患者は6,155人(8.8%)で、死亡時の年齢中央値は34.5歳(四分位範囲[IQR]:21.0~44.0)だった。非交通事故死5.5倍、自殺3.7倍 てんかん患者の若年死亡リスクは極めて高く、一般集団の対照群に対する補正オッズ比は11.1(95%信頼区間[CI]:10.6~11.6)、てんかんの診断を受けていない兄弟姉妹に対する同オッズ比は11.4(同:10.4~12.5)だった。 てんかん患者の死亡例のうち、15.8%(972人)は外因性のもので、非交通事故による死亡について、対照群に対する同オッズ比は5.5(95%CI:4.7~6.5)、自殺の同オッズ比は3.7(同:3.3~4.2)だった。 なかでも、外因性の理由で死亡した人のうち、精神疾患の共存症が認められたのは75.2%と高く、うつ病のある人の死亡の同オッズ比は13.0(95%CI:10.3~16.6)、薬物依存の人では22.4(同:18.3~27.3)と高かった。 著者は、「てんかん患者の治療において、外因性による若年死亡率を低下させることが、優先すべき課題である。精神疾患の共存は、この課題において重要である。そのような死亡を阻止するための医療サービスや公衆衛生の介入能力について再考が必要である」とまとめている。

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末梢動脈疾患、21世紀の世界的な重要課題に/Lancet

 末梢動脈疾患(PAD)の世界的な有病率は21世紀初頭の10年ほどで20%以上増加し、2010年の患者数は2億人以上に及ぶことが、英国・エジンバラ大学のF Gerald R Fowkes氏らの調査で示された。喫煙が最大のリスク因子であることもわかった。世界的な人口の高齢化や、低~中所得国における慢性疾患のリスク因子の広がりにより、今後10年間で非伝染性疾患の疾病負担の急激な上昇が予測されている。なかでも下肢のPADは、アテローム性動脈硬化症に起因する心血管疾患として、冠動脈疾患、脳卒中に次いで3番目に多く、その世界的な罹患状況の把握が急がれていた。Lancet誌オンライン版2013年8月1日号掲載の報告。リスク因子と罹患状況をメタ解析などで推定 研究グループは、PADの主要なリスク因子を同定し、世界的な罹患状況を推定するために、文献を系統的にレビューし、メタ解析を含む種々の分析を行った。 1997年以降に行われたPAD(足関節上腕血圧比[ABI]≦0.90)に関する地域住民ベースの試験を対象とした。年齢別、性別の疫学モデルを用いて高所得国(HIC)、低~中所得国(LMIC)および世界的なPAD有病率を推算した。 15の推定リスク因子のオッズ比(OR)に関するメタ解析を行って、HIC、LMICにおける効果量を算出した。次いで、これらのリスク因子を用いて世界保健機関(WHO)の規定による8地域(HIC 3地域、LMIC 5地域)のPAD患者数を予測した。10年間の増加率は低~中所得国で高い傾向に 34試験(日本を含むHICの22試験、LMICの12試験)に参加した11万2,027人(PAD 9,347例を含む)が解析の対象となった。男女ともに、加齢に伴ってPAD有病率が上昇した。 たとえば、HICの45~49歳の有病率は女性が5.28%、男性が5.41%であり、85~89歳では女性が18.38%、男性は18.83%であった。男性の有病率はHICよりもLMICで低い傾向が認められ、45~49歳ではそれぞれ5.41%、2.89%、85~89歳では18.83%、14.94%だった。また、LMICでは男性よりも女性で高く、とくに若年層でその傾向が強かった(45~49歳の女性6.31%、男性2.89%、85~89歳はそれぞれ15.22%、14.94%)。 リスク因子としては、喫煙の影響が最も大きく、現喫煙者のメタORはHICが2.72、LMICが1.42であった。次いで、糖尿病(メタOR:HIC 1.88、LMIC 1.47)、高血圧(同:1.55、1.36)、高コレステロール血症(同:1.19、1.14)の順であった。 2010年の世界のPAD患者数は約2億200万人で、その3分の2以上(69.7%)がLMICの患者と推定された。東南アジアが5,480万人、西太平洋地域が4,590万人であった。2000~2010年の間にPAD患者は23.5%増加しており、HICの13.1%に対しLMICは28.7%と大きな差が認められた。 著者は、「PADは21世紀の世界的な課題となっている。低~中所得国の政府、非政府組織(NGO)、民間組織は、その社会的、経済的な影響に対処し、至適な治療法や予防法に関する最善の戦略を立てる必要がある」と指摘している。

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コーヒー摂取との関連「認めず」―4大上部消化管疾患

 コーヒー摂取と4大上部消化管疾患(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症)との間に有意な関連は認められないことが、亀田メディカルセンター幕張 消化器内科の島本 武嗣氏らによる横断的研究で明らかになった。PLoS One誌オンライン版2013年6月12日号の報告。 コーヒーに含有されるカフェインは、胃酸の分泌を促す性質がある。そのため、十分な疫学的根拠がないにもかかわらず、さまざまな上部消化管疾患と関連があると考えられてきた。本研究では、4大上部消化管疾患である胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症とコーヒー消費量の関連について、大規模な多変量解析に基づいて評価した。 対象は、人間ドックを受診した健常人9,517人のうち、胃の手術を受けた人、プロトンポンプ阻害薬やヒスタミンH2受容体拮抗薬を服用している人、ヘリコバクター・ピロリ(HP)除菌したことがある人を除いた8,013人(20~84歳;男性4,670人、女性3,343人;日頃コーヒーを飲んでいる群5,451人、コーヒーを飲まない群2,562人)。そのうち、2,164人が胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症と診断された。コーヒー摂取と4大疾患との関連は、ペプシノーゲンI/II比、喫煙、飲酒、年齢、性別、BMI、HP感染状況をもとに多変量解析を行い、評価した。さらに、コーヒー摂取と胃潰瘍および十二指腸潰瘍との関連を再定義するために、ランダム効果モデルを用いてメタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・単変量解析の結果、日頃コーヒーを飲んでいる群と飲んでいない群で有意差を認めた因子は、年齢、BMI、ペプシノーゲンI/II比、喫煙、飲酒であった。・多重ロジスティック回帰分析の結果、各疾患と有意な正の相関を認めた因子は以下のとおり。胃潰瘍:HP感染、現在の喫煙、BMI高値、ペプシノーゲンI/II比高値十二指腸潰瘍:HP感染、現在の喫煙、ペプシノーゲンI/II比高値逆流性食道炎:HP非感染、男性、現在(または過去)の喫煙、BMI高値、ペプシノーゲンI/II比高値、加齢、飲酒非びらん性胃食道逆流症:若年齢、女性、現在(または過去)の喫煙、BMI高値・メタ解析の結果、胃潰瘍と十二指腸潰瘍のいずれにおいても、コーヒー摂取とのいかなる関連を認めなかった。・以上の結果より、コーヒーの摂取と4大上部消化管疾患の間には有意な関連は認められないことが明らかになった。

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線維筋痛症は治療継続が難しい

 線維筋痛症は、原因不明の慢性疼痛疾患で決定的治療法はなく、症状軽減にしばしば抗うつ薬や抗てんかん薬が用いられている。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のSeoyoung C. Kim氏らのコホート研究において、線維筋痛症で一般的な薬剤により治療を開始した患者は、いずれの場合も治療薬の増量はほとんどなされておらず、しかも治療期間が短期間にとどまっていたことを明らかにした。Arthritis Care & Research誌オンライン版2013年7月16日の掲載報告。 米国の医療利用データを用い、線維筋痛症と診断され、アミトリプチリン(商品名:トリプタノールほか)、デュロキセチン(同:サインバルタ)、ガバペンチン(同:ガバペン)またはプレガバリン(同:リリカ)を新規処方された患者について、臨床的特徴と投薬状況を調査した。(わが国で線維筋痛症に承認されている薬剤はプレガバリンのみ) アミトリプチリンで治療を開始した患者は1万3,404例、同じくデュロキセチン1万8,420例、ガバペンチン2万3,268例、プレガバリン1万9,286例であった(平均年齢48〜51歳、女性72%~84%)。 主な結果は以下のとおり。・合併症は、4群すべてにおいて腰痛症が最も頻度が高かった(48~64%)。・そのほかの合併症として、高血圧、頭痛、うつ病、睡眠障害などもみられた。・追跡開始時の1日投与量中央値は、アミトリプチリン25mg、デュロキセチン60mg、ガバペンチン300mg、プレガバリン75mgであった。・患者の60%以上は、追跡期間中に投与量が変更されていなかった。・1年以上治療を継続した患者は、5分の1にとどまっていた。 ・治療開始時の他の併用薬の数は、平均8~10剤であった。・患者の50%超がオピオイドを使用しており、3分の1がベンゾジアゼピン、睡眠障害治療薬、筋弛緩薬を投与されていた。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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