急性心筋梗塞発症後の血清カリウム値と院内死亡率とにUカーブの関連

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2012/01/24

 



急性心筋梗塞発症後の血清カリウム値と院内死亡率の間には、3.5~4.0mEq/L未満群を最小値としたUカーブの関連が認められることが明らかにされた。米国Emory大学のAbhinav Goyal氏らが、4万人弱の急性心筋梗塞の患者について行った、後ろ向きコホート試験の結果、明らかにしたもので、JAMA誌2012年1月11日号で発表した。現行の臨床ガイドラインでは、急性心筋梗塞患者の血清カリウム値は、4.0~5.0mEq/Lに保つよう勧告されている。

入院中のカリウム値により7群に分類、院内死亡率や心室細胞・心停止発生率を比較




研究グループは、2000年1月1日~2008年12月31日にかけて、米国内67ヵ所の病院で治療を受けた3万8,689人の急性心筋梗塞の患者について、後ろ向き調査を行った。

被験者は、入院中の平均血清カリウム値によって、3.0mEq/L未満、3.0~3.5mEq/L未満、3.5~4.0mEq/L未満、4.0~4.5mEq/L未満、4.5~5.0mEq/L未満、5.0~5.5mEq/L未満、5.5mEq/L以上、の7群に分類され、階層ロジスティック回帰分析にて、血清カリウム値とアウトカムの関係が調べられた。

主評価項目は、院内全死亡率と、心室細動と心停止の複合アウトカムだった。

院内死亡率は3.5~4.0mEq/Lを基準に、4.5~5.0mEq/Lは約2倍、3.0~3.5mEq/Lは約1.5倍




結果、血清カリウム値と院内死亡率の間には、3.5~4.0mEq/L未満群を最も低率にしたUカーブの関係が認められた。

具体的には、血清カリウム値が3.5~4.0mEq/L未満群の院内死亡率は4.8%(95%信頼区間:4.4~5.2)だったのに対し、4.0~4.5mEq/L未満群では5.0%(同:4.7~5.3)、多変量補正後オッズ比は1.19(同:1.04~1.36)であった。さらに、4.5~5.0mEq/L未満群では10.0%(同:9.1~10.9)、同オッズ比は1.99(同:1.68~2.36)であった。5.0mEq/L以上の2群では、同死亡率やオッズ比はさらに高かった。

一方で、血清カリウム値が3.0~3.5mEq/L未満や3.0mEq/L未満の群でも、院内死亡率は3.5~4.0 mEq/L未満群より高率で、同オッズ比はそれぞれ1.45、8.11だった。

心室細動と心停止の統合発生率についても、3.5~4.0mEq/L未満群を基準に、3.0mEq/L未満や5.0mEq/L以上の2群で、発生リスクが有意に増大した。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)