認知症高齢者、入院率は1.4倍に増大

提供元:ケアネット

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公開日:2012/01/24

 



高齢者において、認知症は入院を有意に増大するリスク因子であることが米国・ワシントン大学のElizabeth A. Phelan氏らによる調査の結果、報告された。認知症高齢者の入院率はそうでない高齢者の約1.4倍に上り、なかでも細菌性肺炎や尿路感染症のような外来治療可能な疾患での入院率が、約1.8倍多かったという。同氏らが3,000人超の高齢者について調べた結果で、JAMA誌2012年1月11日号で発表した。

補正前入院率、非認知症は200件/1,000人・年、認知症は419件/1,000人・年




研究グループは、65歳以上の3,019人の1994~2007年のデータについて、後ろ向き縦断コホート調査を行った。
 主要評価項目は、認知症の有無による、全原因入院率や外来治療可能疾患(ambulatory care–sensitive conditions:ACSC)による入院率とした。

結果、追跡期間中に認知症を発症したのは494人で、うち427人(86%)が1回以上入院した。認知症を発症しなかった2525人では、うち1478人(59%)が入院した。

補正前入院率は、非認知症群が200件/1,000人・年だったのに対し、認知症群は419件/1,000人・年に上った。

認知症群の全入院率比は1.41倍、ACSCによる入院率比は1.78倍




年齢、性別やその他交絡因子を補正後、認知症群の非認知症群に対する入院率比は、1.41(95%信頼区間:1.23~1.61、p<0.001)だった。ACSCによる入院に関する同入院率比は、1.78(同:1.38~2.31、p<0.001)とさらに高かった。

入院の原因器官系別に入院率をみたところ、大半で認知症群が非認知症群より有意に高率だった。また細菌性肺炎やうっ血性心不全、尿路感染症による入院は、ACSCでの入院の3分の2を占め、いずれの補正後入院率も、認知症群が非認知症群より有意に高率だった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)