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陰茎に弾丸を入れた男性【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第92回

陰茎に弾丸を入れた男性 ぱくたそより使用 珍しいところに珍しい異物を入れると、「こりゃ珍しい」と担当医に症例報告にされてしまうのが異物医学の世界。とくに、陰茎や肛門などはその対象になることが多いようです。陰茎に関しては、当連載でも「第85回:尿道に安全ピンを安全には入れられない」や「第63回:パン切りナイフで性器を切断した男性」で、誠に痛そうな症例報告を紹介しました。というわけで、今回も陰茎にからんだ論文を紹介しましょう。うーん、しかしなんか悪趣味なコラムニストみたいでイヤだな…。 Gunasekaran K, et al.Unusual metallic penile foreign body.BMJ Case Rep. 2017 Mar 27.pii:bcr2017219377.この論文は、陰茎に、ある異物を入れてしまった男性の話。主人公は、重度の認知症のある85歳の男性です。血尿がひどいということで、妻に連れられて救急部を受診しました。担当した医師が腹部の診察を行うと、腹部はやや膨満しており、どうも陰茎の辺りに硬い腫瘤を触れる…。というか、陰茎の中に何か入っている…。さっそくCTを撮影しました。すると、陰茎に弾丸が入っているではありませんか! 発砲される前の薬きょうごと挿入されていたのです。イタタタ!弾丸は泌尿器科医によって無事に除去されました。妻いわく、「家に銃はあるけど、弾丸を彼がどこに持っているのか知らなかった」とのこと。いやはや、自分に向けて発砲しなくてよかったですよ、ほんと。今回は認知症が原因でしたが、性的倒錯や精神科疾患も陰部異物のリスク因子とされています1)。そのため、異物を挿入した人が救急外来を受診した場合は、基礎疾患の検索が極めて重要です。1)Bedi N, et al. JRSM Short Rep. 2010;1:18.インデックスページへ戻る

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未就学児への不適切な抗菌薬処方、小児科以外で多い

 未就学児の上気道感染症(URI)への抗菌薬処方に関する、全国の診療報酬請求データベースを用いた京都大学の吉田 都美氏らの後ろ向き研究から、非細菌性URIへの不適切な抗菌薬処方が、年齢の上昇、男児、施設の特性、小児科以外の診療科、時間外診療に関連することがわかった。Journal of public health誌オンライン版2017年4月27日号に掲載。 著者らは、わが国における2005年1月~2014年9月の診療報酬請求データベースから、外来での抗菌薬処方を特定し、各被験者の出生時から6歳までの処方パターンを調べた。また、ロジスティック回帰分析により、不適切な抗菌薬処方に関連する因子のオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・データベースにおいて小児が15万5,556人、うち男児が51.6%、女児が48.4%であった。・コホートの66.4%に抗菌薬が処方されており、第3世代セファロスポリンが最も多く(38.3%)、次いでマクロライド系(25.8%)、ペニシリン系(16.0%)であった。・非細菌性URIへの抗菌薬処方は、男児(OR:1.06、95%CI:1.05~1.07)、施設規模、小児科以外の診療科(OR:2.11、95%CI:2.08~2.14)、時間外診療(OR:1.64、95%CI:1.61~1.68)と関連していた。

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日本のてんかんセンター、術後精神疾患に対する強みと課題:愛知医大

 てんかん手術後の精神医学的課題は、大きな問題として知られているが、てんかんセンターによるこれら課題の実際の認識は、まだ明らかにされていない。愛知医科大学の郷治 洋子氏らは、日本全国のてんかんセンターによる精神医学的評価と介入の使用に関して調査した。Epilepsy & behavior誌オンライン版2017年4月12日号の報告。 2016年初めに、てんかん手術前後の精神医学的評価、手術後の精神医学的介入、てんかん手術に関連する精神医学的課題に対処するための今後の計画に関するアンケートを、全国てんかんセンター協議会(JEPICA)の全メンバーに郵送した。アンケートは、24項目で構成した。日本のほとんどの主要なてんかんセンターは、JEPICAに含まれており、2016年に31センターを擁していた。そのうち24センター(77%)がアンケートに回答した。 主な結果は以下のとおり。・精神科医がてんかん手術ユニットの一部に組み込まれていると回答したのは、17センター(70.8%)であった。・この17センターは手術前に精神医学的評価を行っており、評価者が精神科医であったのは8センター(33.3%)、心理士11センター(45.8%)であった。・少なくとも感受性の高い患者に対して、手術後の精神疾患発症リスクを手術前に日常的に説明していたのは23センター(95.8%)であった。・手術後の精神疾患例は16センター(66.7%)で認められ、最も一般的だったのがうつ病(41.7%)であり、次いで不安(33.3%)、精神障害(25.0%)、心因性非てんかん発作(8.3%)であった。 著者らは「日本のてんかんセンターの強みは、ほぼすべてのJEPICAメンバーが手術後の精神疾患に対し深刻な懸念を抱いており、患者に対し精神的有害事象リスクを事前に説明していることである。一方、いくつかのてんかんセンターは小規模で、てんかんユニットを担当する精神科医の意欲に対する依存はもとより、精神症状評価のための標準化された方法が欠如している。てんかん手術に関連する精神医学的課題に関して、てんかんセンター間における、診断および治療上の有意なギャップにつながったと考えられる」としている。■関連記事 てんかん重積状態に対する抗てんかん薬処方の変化 てんかん患者の自動車運転、世間の意識は:愛知医大 世界のてんかん研究を解析、有病率に影響を与える要因は

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COPD急性増悪、HOT+在宅NIVで予後改善/JAMA

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)急性増悪後に高炭酸ガス血症が持続する患者において、在宅酸素療法(HOT)に加え在宅非侵襲的換気療法(NIV)を併用することにより、12ヵ月以内の再入院または死亡までの期間が延長した。英国・セント・トーマス病院のPatrick B. Murphy氏らが、多施設共同無作為化非盲検並行群間比較第III相試験の結果を報告した。NIVを必要とするようなCOPD急性増悪後の転帰は悪く、再入院や死亡を予防するための治療はほとんどなかった。JAMA誌オンライン版2017年5月21日号掲載の報告。HOT+在宅NIVの有効性、12ヵ月以内の再入院・死亡までの期間で評価 研究グループは、2010~2015年に英国13施設において、呼吸性アシデミア(非代償性アシドーシス、動脈血pH>7.30)改善後の病状が安定した2~4週に高炭酸ガス血症が持続する患者(PaCO2>53mmHg)を登録し、HOT単独群とHOT+在宅NIV群に1対1の割合で無作為に割り付けた。肥満(BMI>35)、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、他原因の呼吸不全などの患者は除外した。スクリーニングされた患者2,021例中適格症例は124例で、このうち116例が無作為化された。 主要評価項目は、これまでのCOPDによる入院回数、長期酸素療法の使用歴、年齢、BMIを補正した12ヵ月以内の再入院または死亡までの期間とした。統計解析には、Cox比例ハザード回帰モデルを使用した。再入院・死亡までの期間はHOT+在宅NIV療法で延長、死亡率に有意差なし 116例の患者背景は、平均(±SD)年齢67±10歳、女性53%、平均BMIが21.6(IQR:18.2~26.1)、平均1秒量0.6±0.2L、平均室内気吸入下PaCO2が59±7mmHgであった。HOT単独群59例(酸素流量中央値1.0L/分[IQR:0.5~2.0L/分])、HOT+在宅NIV群57例(酸素流量中央値1.0L/分[IQR:0.5~1.5L/分])で、12ヵ月間の試験を完遂したのは合計64例(HOT単独群28例、HOT+在宅NIV群36例)であった。在宅での換気設定中央値は、吸気気道陽圧24(IQR:22~26)cmH2O、呼気気道陽圧4(IQR:4~5)cmH2O、バックアップ換気回数14(IQR:14~16)回/分であった。 再入院または死亡までの期間中央値は、HOT+在宅NIV群4.3ヵ月(IQR:1.3~13.8ヵ月)に対し、HOT単独群は1.4ヵ月(IQR:0.5~3.9ヵ月)で、補正ハザード比は0.49(95%信頼区間[CI]:0.31~0.77、p=0.002)であった。12ヵ月間の再入院または死亡リスクは、HOT+在宅NIV群63.4%に対し、HOT単独群は80.4%、絶対リスク減少率は17.0%(95%CI:0.1~34.0)であった。12ヵ月時点での死亡は、HOT+在宅NIV群16例、HOT単独群19例であった。 なお、著者は、二重盲検デザインではないことや、HOT単独群に割り付けられた患者が主要評価項目に達した場合は在宅NIVを追加した実用的試験であることなどを研究の限界として挙げている。

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下気道感染症の抗菌薬処方戦略/BMJ

 合併症のない下気道感染症の若年および成人患者において、抗菌薬を即時処方してもその後の入院または死亡は減少しない。もともと、このような入院や死亡はまれである。英国・サウサンプトン大学のPaul Little氏らが、異なる抗菌薬処方戦略による有害転帰への影響を評価する前向きコホート研究(Cough Complication Cohort:3C)の結果を報告した。英国のGeneral Practice Research Database(GPRD)を用いた2つの試験では、抗菌薬の処方により肺炎リスクが減少する可能性が示唆されている。しかし、どちらの試験も、入院や死亡といった有害転帰への影響は記録されておらず、交絡因子も調整されていなかった。著者は、「医師が抗菌薬の処方を検討しているなら、病状悪化による再診の減少が認められた延期処方のほうが望ましい」と結論づけている。BMJ誌2017年5月22日号掲載の報告。抗菌薬処方戦略別に再診、入院/死亡を追跡調査 研究グループは、英国の一般診療クリニックを受診した16歳以上の下気道感染症患者2万8,883例を登録し、初回診察時に患者の症状や所見、抗菌薬処方戦略(処方なし、即時処方、延期処方)について記録した。初回診察時にX線検査で肺炎と診断された患者や、当日入院した患者、他の原因による急性の咳嗽、免疫不全患者などは除外した。 主要評価項目は、初回診察後30日以内の下気道感染症症状による再診、入院、死亡である。抗菌薬の処方傾向に関連する因子および医師のクラスタリングについて調整し、多変量解析を行った。延期処方で入院/死亡は19%、再診は36%減少、即時処方ではどちらも減少せず 登録された2万8,883例中、初回診察日にX線検査や入院目的で他院へ紹介、またはがんで入院した104例(0.4%)を除く2万8,779例が解析対象となった。2万8,779例において、初回診察日以降に入院または死亡した患者の割合は、抗菌薬処方なし群が0.3%(26/7,332例)、即時処方群が0.9%(156/1万7,628例)、延期処方群(延期日数中央値3日、四分位範囲:2~3日)が0.4%(14/3,819例)であった。 多変量解析の結果、延期処方群では統計学的に有意ではなかったものの入院および死亡が減少したが(多変量リスク比:0.81、95%信頼区間[CI]:0.41~1.64、p=0.61)、即時処方群では減少しなかった(多変量リスク比:1.06、95%CI:0.63~1.81、p=0.84)。新たな症状による再診(1,443/7,332例[19.7%])、症状悪化による再診(4,455/1万7,628例[25.3%])、症状が改善しないことによる再診(538/3,819例[14.1%])はよくみられ、これらは延期処方群で有意に減少したが(多変量リスク比:0.64、95%CI:0.57~0.72、p<0.001)、即時処方群では減少しなかった(多変量リスク比:0.98、95%CI:0.90~1.07、p=0.66)。

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ペムブロリズマブの胃がん適応拡大に優先審査:FDA

 Merck社は2017年5月23日、米国食品医薬品局(FDA)が2ライン以上の化学療法を受けた再発・進行の胃および胃食道接合腺がんに対するペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)の承認を求める生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)を受理したと発表。FDAの決定日は2017年9月22日。 FDAに提出された申請は、既治療患者に対してペムブロリズマブ200mgの3週間ごと単独投与の承認を求めたもの。2つ以上の化学療法後に進行し、重度の治療が行われた上記患者を対象とした第II相試験KEYNOTE-059のコホートデータに基づいている。 このKEYNOTE-059のコホートデータは、第53回米国臨床腫瘍学会年次大会(ASCO 2017)で発表される。■参考MERCK(米国本社)ニュースリリースKEYNOTE-059試験(Clinical Trials.gov)

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だからといって在宅NIVが進むだろうか(解説:倉原 優 氏)-684

 本研究は、急性呼吸性アシドーシスから回復したもののPaCO2が53mmHgを超えるII型呼吸不全の状態で在宅療養を余儀なくされたCOPD患者さんに、在宅酸素療法だけでなく非侵襲的換気(NIV)を併用することでその後のCOPD増悪による入院や死亡を減らせるかどうか検証したものである。日本ではNIVと表記するのはまだ一般的でなく、非侵襲的陽圧換気(NPPV)と表記されることが多いが、文献に合わせて以下NIVと表記させていただく。 本研究では、ランダム化から12ヵ月後の再入院・死亡はNIV併用で有意に少ないというポジティブな結果が得られた(17.0%のリスク減少)。NIVはHarmony2あるいはVPAP III ST-Aが用いられた。大きな機器ではなく、在宅でも十分使用可能なサイズだ。最終的に、ランダム化から12ヵ月後の時点でNIVにおけるNIV使用は夜間7時間以上に及んでおり、寝ているときはほぼNIVを使用していることになる。 これを読むと、「II型呼吸不全のCOPD患者さんはNIVを併用したほうが良いのか、よし明日にでも勧めよう」と思い立つかもしれないが、事態はそんな単純ではない。そもそも在宅酸素療法ですらホイホイと導入できるものではなく、本人がいささかの抵抗感を持ちつつ、周囲の協力を得て実現できるものである。簡単に導入できると豪語できる医療従事者は、患者の社会生活を一度顧みていただきたい。どれだけ酸素療法によって経済的負担が増えるのか即答できないのなら、安易な酸素処方をすべきではない。酸素療法は、私たちがスマホのアプリをダウンロードするのとは訳が違う。ましてや、在宅NIVとなるとさらにハードルは上がる。今でこそ軽量化した機器がたくさん登場し、在宅NIVが比較的簡便になったが、それでも「自分が装着するメカ」を家に持って帰るのに抵抗がない患者さんなどいない。 この研究結果が示すリスク減少の効果は、実臨床にインパクトを与えるほど大きい。そのため、この理想の在宅酸素療法に少しでも近付けるため、われわれ医療従事者は在宅NIVが将来のリスク減少にどれほど寄与するか、患者・患者家族に効果的に説明する必要がある。そして到来する超高齢化社会のCOPD増悪に、現在与えられた治療選択肢でどう立ち向かうのか、熟考しなければならない。

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肝細胞がんに対するニボルマブの優先審査を受理:FDA

 ブリストル・マイヤーズスクイブ社は2017年5月24日、米国食品医薬品局(FDA)が、ソラフェニブ治療歴のある肝細胞がん(HCC)を対象としたニボルマブ(商品名:オプジーボ)の適応拡大を求める生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)を受理したと発表した。FDAは、以前にHCC治療薬としてニボルマブを希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定しており、今回、本申請を優先審査の対象として受理した。FDAによる審査完了期日は、2017年9月24日である。 この申請は、B型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルス感染および非感染進行HCC患者に対するニボルマブの第I/II相試験CheckMate-040の結果に基づいている。この試験データは、Lancet誌に最近掲載され、本年(2017年)の米国臨床腫瘍学会(ASCO)総会ポスターディスカッションセッションで発表される。■参考 ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社ニュースリリース El-Khoueiry AB, et al. Lancet. 2017 Apr 20. [Epub ahead of print] Checkmate-040試験(Clinical Trials.gov)

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「ザ・ゴール」シリーズ【Dr. 中島の 新・徒然草】(172)

百七十二の段 「ザ・ゴール」シリーズ最近、「ザ・ゴール」(ダイヤモンド社)シリーズを読み直しています。シリーズ第1作目の「ザ・ゴール-企業の究極の目的とは何か」はイスラエルの物理学者、エリヤフ・ゴールドラット博士が、工場の生産性を上げるにはどうしたらいいのか、というテーマについて独自の理論を分かりやすく語った小説です。小説なので、理不尽な上司や自己主張の強い妻が登場して、主人公のアレックス・ロゴ所長(工場の責任者)を苦しめます。しかし、アレックスはTOC(Theory of Constraints 制約条件の理論)を活用して、たった3ヵ月で見事に工場を立て直し、上司にも妻にも賞賛されたのです。ここで出てくる制約条件というのは難しい言葉ですが、ボトルネック(ビンのクビ)と言い換えると誰でも分かると思います。たとえば、ビンを逆さまにして中の水を注ぐ時のことを想像してみてください。水を注ぐスピードはビン全体の大きさではなくボトルネックのサイズに関係することは直観的に理解できるかと思います。次に直列した多工程からなる作業の生産性を上げることを考えます。小説で強調されているのは、ボトルネックになっている工程を見つけ出し、この工程を徹底活用することが、生産性アップになるということです。つまりボトルネックの詰まりをとったり直径を拡げたりすれば全体の作業が効率化して生産性が良くなるのです。非ボトルネック工程をいくら改善しても全体の生産性は全く変わりません。言葉を変えると、「部分最適化ではなく全体最適化をはかれ」ということになります。これはよく耳にするスローガンですが、「じゃあどうすれば全体最適化をはかれるのか?」という具体的方法をみつけるのが難しいのです。この難題に対し「ザ・ゴール」は、工場の生産性アップを例にして、全体最適化の具体的方法を明確に示しています。全部で7~8冊ある「ザ・ゴール」シリーズは小説の形を借りてボトルネック以外にも色々な手法を紹介しているので、ストーリーを楽しみつつ全体最適化の方法を学ぶことができます。もちろん理不尽な上司や妻に加えて、無能な部下とか聞き分けのない子供とかもちゃんと出てくるので御安心ください。「ザ・ゴール」シリーズで紹介されている手法を医療にどう応用するかについては、これから思いつくままに述べて行きたいと思います。最後に1句TOC ブレイクスルーは 得意技

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高齢者にスタチンの1次予防効果はあるか~ALLHAT-LLT事後解析

 心血管疾患の1次予防としてスタチン治療が心血管疾患発症を減少させることが示唆されているが、全死亡率については知見が一致していない。また、75歳以上の高齢者に1次予防でのスタチン使用に関するエビデンスはほとんどない。今回、ALLHAT-LLTの事後解析の結果、中等症の高脂血症と高血圧症を有する高齢者での心血管疾患の1次予防として、プラバスタチンのベネフィットは認められず、また75歳以上では、有意ではないがプラバスタチン群で全死亡率が高い傾向があったことが報告された。JAMA internal medicine誌オンライン版2017年5月22日号に掲載。 本研究は、ALLHAT-LLT(Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial)のLipid-Lowering Trial(LLT)における、65~74歳と75歳以上に対する心血管疾患の1次予防のためのスタチン使用に関する研究で、アテローム性冠動脈疾患を有さなかった65歳以上の参加者について事後解析を実施した。ベースライン時にアテローム性冠動脈疾患を有さない高血圧症の外来患者2,867例について、プラバスタチン(40mg/日)群と通常治療群に分けて比較した。なお、ALLHAT-LLTは1994年2月~2002年3月に513施設で実施された。ALLHAT-LLTの主要アウトカムは全死亡率、副次アウトカムは原因別死亡率、非致死性心筋梗塞と致死的冠動脈疾患の複合(冠動脈疾患イベント)であった。 主な結果は以下のとおり。・プラバスタチン群は1,467例で、平均年齢(SD)は71.3(5.2)歳、女性が704例(48.0%)、通常治療群は1,400例で平均年齢は71.2(5.2)歳、女性が711例(50.8%)であった。・ベースライン時の平均LDLコレステロール値(SD)は、プラバスタチン群では147.7(19.8)mg/dL、通常治療群で147.6(19.4)mg/dLであり、6年後はプラバスタチン群で109.1(35.4)mg/dL、通常治療群で128.8(27.5)mg/dLであった。・6年後、プラバスタチン群で253例中42例(16.6%)が、また通常治療群で71.0%がどのスタチンも服用していなかった。・通常治療群に対するプラバスタチン群の全死亡のハザード比は、全体(65歳以上)で1.18(95%CI:0.97~1.42、p=0.09)、65~74歳で1.08(同:0.85~1.37、p=0.55)、75歳以上で1.34(同:0.98~1.84、p=0.07)であった。・冠動脈疾患の発症率については2群間で有意差はなかった。多変量回帰分析でも有意ではなく、治療群と年齢との間に有意な交互作用はなかった。

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医薬品広告や講演会はどうあるべきか~J-CLEAR春季セミナー

 NPO法人 臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR/理事長 桑島 巖氏)は、2017年5月13日、都内において春季セミナーを開催した。 第1部では、飯山 幸雄氏(国民健康保険中央会 常務理事)を講師に迎え、「保健医療分野におけるICT活用」と題した講演が行われた。続く第2部のシンポジウム「医薬品広告、講演会などの適正な在り方について」では、4名の各専門家が意見を交わした。保険事務からスタートするICTの活用 はじめに、政府が推進する「保健医療分野におけるICT活用」について、飯山氏が計画の概要、現在の進捗状況と問題点、今後の展望について説明した。 医療分野におけるICTの活用はマイナンバー制度のインフラを活用したものであり、情報流出などのリスクを避けるために分散管理方式で行われる。各機関や組織、団体が保管している個々の情報資産に対し独自符号を付け、この符号のやり取りで各間の情報の紐付けや利用を行うことが予定されている。 保健医療分野では主に保険事務で活用され、各医療機関と健康保険組合などで発行されたIDによる情報連携を可能にする、仕組み作りが行われようとしている。また、将来的には、収集されたビッグデータを活用することで、遠隔医療や地域間のネットワーク、健康サポート、救急災害医療、医療のイノベーションなどに応用し、国民にとって価値あるデータを増やしていく予定であると説明した。医師会、製薬協、さまざまな取り組み 第2部では、シンポジウム「医薬品広告、講演会などの適正な在り方について」が行われた。 はじめに基調講演として、羽鳥 裕氏(日本医師会 常任理事)が「医師会からみた医療情報提供の在り方」をテーマに、医師会の「臨床研究」への取り組み、会員医師へ向けた適正研究への啓発活動の実施などを報告した。医薬品に関する情報では、医師会発信の情報提供を行う一方で、後発医薬品の情報は個々の会員医師が自発的に入手することでカバーしているが、副作用などの情報がとくに後発医薬品製薬企業から不足していると、現下の問題を指摘した。 次に中垣 友宏氏(日本製薬工業協会製品情報概要審査会)から、「適正広告に対する製薬企業の取り組み」について語られた。製薬企業では適正使用の情報を提供するために、法律はもちろん、協会制定のプロモーションコードなどに沿った作成要綱が定められ、それらは製品パンフレットや配布資料、講演会資料、WEBサイトで順守されていること、また、日常的に審査会レポートの発行や会員企業への問題事項のフィードバック、eラーニングなどを行うことで、適正な広告の普及に努めていることを同氏は説明した。 続いて、和田 成雄氏(京都糖尿病医会)が「スポンサーなしの研究会、講演会の試み」として、企業主導ではない研究会の開催法について述べた。 研究会の目的は薬剤の効果を知ることだけではなく、ネガティブな内容も知ることが重要であるとしている。また、地元医師会や大学と共催することで会場費や事務費を節約しながら、内容においてはディベートやカンファレンスの実施など、製薬企業が行わないセッションを実施している。自主運営のメリットとしてテーマ・講師の選択が適正で自由であることを挙げ、本音が聞かれる反面、運営が煩雑であり、参加者に十分な配慮ができないこともあるが利点は大きいと、その経験を披露した。今後の広告適正化の在り方 最後に、座長の桑島氏と羽鳥氏の進行の下、医師と製薬企業との関係をどのように保つべきか総合討論が行われた。 一例として、製薬企業のスポンサーのない医師向けの講演会も多数開催されている例や、製薬企業主導であってもケースによっては、時間配分ですみ分けを行い、製品のファクトが聞ける講演会などを実現できることも報告された。 また、製薬企業のプロモーション媒体については、最近、医学誌などで増えている記事広告に触れ、総説記事の広告化が起きていること、海外では専門のエージェンシーがすでに多数存在することが報告された。さらに、WEB媒体の内容チェック体制への問題提起を受け、製薬企業や企業関係サイトの内容はパンフレットなどと同様に、自主規制や関係法令に即した運用の対象となることが説明された。■参考NPO法人 臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)■関連記事 CLEAR! ジャーナル四天王

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双極性障害、リチウムは最良の選択か

 双極性障害の治療ではリチウムが頻繁に使用されており、最も確立された長期治療法と考えられる。実際に、リチウムは再発リスクを最小限にとどめ、エピソード間の症状を改善するための治療の基本である。イタリア・ローマ・ラ・サピエンツァ大学のGabriele Sani氏らは、双極性障害治療におけるリチウムの入手可能なエビデンスを検討した。それには、効能、限界、潜在的な利点や、別の製剤を考慮した有効性も含まれた。また、双極性障害患者への抗てんかん薬、抗うつ薬、抗精神病薬の長期的代替使用に関する、顕著な比較をオーバーレビューした。Clinical drug investigation誌オンライン版2017年5月5日号の報告。双極性障害患者の多くに初期治療としてリチウムを使用すべき 双極性障害治療におけるリチウムの有効性を検討した主な結果は以下のとおり。・入手可能なエビデンスによると、双極性障害患者は主としてリチウムで治療し、いくつかのケース(とくに急性期治療)では抗精神病薬と組み合わせ、リチウム不耐性または無効例では抗てんかん薬を用いるべきであると考えられる。・補助的な抗うつ薬の使用は、ブレークスルーうつ病エピソードに限定されるべきである。・自殺念慮や自殺行為に、リチウムの長期的な利点と潜在的な副作用についての十分な情報を有している場合には、双極性障害患者の多くに初期治療としてリチウムを使用すべきである。・疾患または抗精神病薬の経過を悪化させる、重大で長期的な副作用を引き起こす可能性があるなどの抗うつ薬との併用を行うことなく、多くの患者でリチウムは許容可能である。■関連記事双極性障害に対する抗けいれん薬の使用は、自殺リスク要因か双極性障害の再発リスク、1年目で4割超双極性障害の自殺企図、“だれ”よりも“いつ”がポイント

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高齢者の肥満、有酸素運動+筋トレの併用が有効/NEJM

 肥満高齢者に対し食事による減量プログラムと運動療法を行う際、有酸素運動と筋力トレーニングを併せて実施することで、有酸素運動または筋力トレーニングのみを実施する場合に比べ、半年後の身体機能はより大幅に向上することが示された。米国・ベイラー医科大学のDennis T. Villareal氏らが、160例の高齢者を対象に行った無作為化比較試験で明らかにしたもので、NEJM誌2017年5月18日号で発表した。肥満はフレイルの原因となるが、減量は加齢に伴う筋量および骨量の低下を加速させ、結果としてサルコペニアやオステオペニアを生じさせるのではと指摘されていた。有酸素運動、筋力トレーニングとその併用を比較 研究グループは、肥満高齢者160例を対象に、減量によるフレイルからの回復や筋量・骨量の減少予防に資する、より効果的な運動の種類について検証した。 被験者を無作為に4群に分け、うち3群は減量プログラムとともにそれぞれ1)有酸素運動、2)筋力トレーニング、3)有酸素運動と筋力トレーニングを併用した。4)対照群には減量プログラムも運動療法も行わなかった。 主要評価項目は、ベースラインから6ヵ月後の、身体機能テスト(Physical Performance Test:0~36点で、高いほど身体機能が良好)の点数の変化とした。副次的評価項目は、その他のフレイルに関する指標、骨密度、身体機能の変化などとした。除脂肪体重の減少、有酸素運動群で5%と最大 被験者のうち試験を完了したのは141例(88%)だった。 身体機能テストのスコア変化は、1)有酸素運動群が14%(29.3から33.2点に)増加、2)筋トレ群が14%(28.8から32.7点に)増加だったのに対し、3)有酸素運動+筋トレ群は21%(27.9から33.4点に)増加と、より大幅に上昇した(それぞれボンフェローニ補正後、p=0.01、p=0.02)。また、すべての運動群は対照群と比べ、同点数が大幅に増加した(いずれもp<0.001)。 最大酸素消費量は、3)有酸素運動+筋トレ群(17%増)と1)有酸素運動群(18%増)が、2)筋トレ群(8%増)より大幅に増加した(いずれもp<0.001)。 筋力については、3)有酸素運動+筋トレ群(18%増)と2)筋トレ群(19%増)が、1)有酸素運動群(4%増)より大幅に増加した(いずれもp<0.001)。体重は、すべての運動群で9%減少したのに対し、4)対照群では有意な変化は認められなかった。 一方、除脂肪体重は、1)有酸素運動群では5%低下だったのに対し、3)有酸素運動+筋トレ群と2)筋トレ群ではそれぞれ3%低下、2%低下と、減少率はより小幅にとどまった(いずれもp<0.05)。股関節骨密度低下についても同様に、1)有酸素運動群が3%低下に対し、3)有酸素運動+筋トレ群と2)筋トレ群ではそれぞれ1%低下、0.5%低下にとどまった(いずれもp<0.05)。 運動関連の有害事象は、筋骨格損傷などが報告された。

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潰瘍性大腸炎への抗MAdCAM-1抗体、有効量を確認/Lancet

 従来療法に不耐容の中等症~重症の活動期潰瘍性大腸炎患者に対し、開発中の、粘膜アドレシン細胞接着分子1(MAdCAM-1)を標的とする完全ヒトモノクローナル抗体PF-00547659(抗MAdCAM-1抗体)を投与することで、プラセボと比べ寛解導入が有意に良好であったことが報告された。また、安全性、忍容性も確認された。ベルギー・ルーヴェン・カトリック大学のSeverine Vermeire氏らが、357例の患者を対象に行った第II相の無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果として、Lancet誌オンライン版2017年5月17日号で発表した。この結果を受けて同研究グループは現在、より大規模な第III相臨床試験を進行中である。抗TNFα治療歴で層別化し、抗MAdCAM-1抗体4種の用量を投与 研究グループは2012年11月2日~2016年2月4日にかけて、21ヵ国105ヵ所の医療施設を通じ、肛門縁から15cm超までに病変部が拡張している活動期潰瘍性大腸炎患者で、少なくとも1つの従来療法の効果が不十分または忍容性が不良の357例を対象に試験を行った。被験者の年齢は18~65歳で、総メイヨースコアは6以上、メイヨー内視鏡所見サブスコアは2以上だった。 被験者を抗TNFα治療歴の有無によって層別化し、無作為に5群に分け、抗MAdCAM-1抗体7.5mg(71例)、22.5mg(72例)、75mg(71例)、225mg(70例)、またはプラセボ(73例)を、ベースライン時と4週後にそれぞれ皮下注投与した。 主要エンドポイントは、12週後の寛解(総メイヨースコア2以下、1超の個別サブスコアなし、直腸出血サブスコア1以下)を達成した患者の割合とした。 有効性解析は、無作為化治療を1回以上受けた全患者を包含して行った。また安全性解析は、割り付け治療ごとに行った。すべてのp値は片側に多変量調整して算出した。抗MAdCAM-1抗体の22.5mg群、75mg群で最も有効 12週後の寛解率は、抗MAdCAM-1抗体群のうち投与量の少ないほうから3用量群でプラセボ群より有意に高率だった。プラセボ群の寛解率は2.7%に対し、7.5mg群は11.3%(プラセボ群とのリスク差:8.0%、p=0.0425)、22.5mg群は16.7%(同:12.8%ポイント、p=0.0099)、75mg群は15.5%(同:11.8%、p=0.0119)と有意差が認められたが、225mg群は5.7%(同:2.6%、p=0.1803)であり、有意差は認められなかった。 これらの寛解率は、抗TNFα治療歴の有無で補正後も同様の傾向が認められた。 なお、抗MAdCAM-1抗体の安全性に関する疑わしい事象は認められなかった。

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循環器内科 米国臨床留学記 第21回

第21回 カリフォルニアの医療通訳事情日本を訪れる外国人の数も年々増えており、日本でも外国人の受診が増えていると思います。私が臨床を行っているカリフォルニアは多人種が集まっており、言語が問題となることも多いです。メキシコなど中南米からの移民が多いために、ほかのどの州よりもスペイン語を話す人が多く、私の印象でも10~20%の人はスペイン語しかできず、通訳を必要とします。また、ベトナム戦争の頃に移住してきたベトナム人が住むリトルサイゴンという町が近いため、5~10%の患者はベトナム語しか話せません。中国人や韓国人も多く、日常臨床でも毎日通訳が必要となります。残念ながら、日本語しか話せない患者を診る機会はほとんどありません。問診などは、バイリンガルの家族がいれば通訳をお願いすることができますが、心臓カテーテルなどの手技の同意をとる際に、家族にお願いすることは許されません。病院が雇う通訳者はスペイン語、ベトナム語に限定されており、夜間は常駐していません。ですから、その他の言語については電話を使った通訳システムに頼らざるを得ません。電話による通訳は、通訳者の質が保障されておらず、難しいこともあります。さらに、医療用語は特殊なため、いくらバイリンガルでも医療用語に精通していないと会話が難しくなります。ましてや、医者であるわれわれもネイティブスピーカーでないことがあるため、時には診察に2~3倍以上の時間がかかります。病院が雇っている通訳者を介した通訳に比べると、電話による通訳はスムーズにはいきません。そんな中、ローテーション先のLong Beach市の病院ではテレビ電話を用いた通訳システムを採用しており、患者の表情や様子が通訳の助けになるため、音声だけの通訳よりは使いやすく感じます。カリフォルニアでは、法律で患者が通訳を求める権利があります。また、すべての病院は通訳サービスを提供することが義務付けられています。家族が通訳に入ると、患者に情報を隠したり、歪曲して伝えたりする可能性があります。例えば、民族的、宗教的な信念から、患者にがんの診断を伝えないなどといったことが挙げられます。ですから、たとえバイリンガルの家族がいても、患者本人が求める場合には必ず通訳を提供しなければなりませんし、同意書をとる時などは、家族を介しての通訳は認められません。そのような背景もあり、医療通訳は一つの職業としてしっかり認知されています。Payscaleというウェブサイトによると、医療通訳者の給料は時給が19ドル前後です。看護師(Registered Nurse)の時給が38ドル程度ですから、約半分です(ちなみにカリフォルニアの労働者の最低賃金は10ドルです)。日本では外国人を診る機会が基本的に少なく、医療従事者が英語を十分に話せるということはまだまだ少ないと思います。私も日本にいた頃、とくに東京で勤務していた際は、英語しか話せない患者を1ヵ月に一度程度は診ていました。十分な情報を伝えられていなかったこともあったと思います。当時は通訳サービスがなく、中国語を話す患者の診療に困ったこともありました。2020年の東京オリンピックに向けて、ますます外国人の訪問者数が増えそうですし、今後は英語以外の言語も含め、電話などを介した通訳サービスを拡張させていく必要があるように感じます。また、患者の利益を考えると、通訳を義務付ける法律の整備も必要なのかもしれません。

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親が早期発症高血圧だと子の高血圧リスクも高い/BMJ

 早発型の高血圧は、晩発型の高血圧に比べ心血管死のリスクが高く、子の高血圧の発症リスクも上昇することが、米国・国立心肺血液研究所(NHLBI)のTeemu J. Niiranen氏らフラミンガム心臓研究グループの検討で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2017年5月12日号に掲載された。若年者および高齢者の高血圧は心血管疾患の重大なリスクであることが知られているが、高血圧を発症時期で早発型と晩発型に分けることの妥当性については十分なデータがないという。発症時期別の心血管死、子の高血圧のリスクを検討 研究グループは、子の高血圧のリスク因子としての、親の高血圧の発症時期の影響を評価するために、2世代にわたる前向きコホート研究を実施した(米国心臓協会[AHA]と米国NHLBIによるフラミンガム心臓研究の研究助成などを受けた)。 対象は、フラミンガム心臓研究の参加者で、60年間にわたり継続的に血圧測定検査を受けた親子2世代の地域住民参加者であった。死亡データがある第1世代の3,614例と、親の血圧データがあり、ベースライン時に高血圧がみられなかった第2世代の1,635例が解析に含まれた。主要評価項目は、親の早発型高血圧(55歳未満で発症)と子の高血圧発症の関連、および高血圧発症時期と原因別死亡(心血管死 vs.非心血管死)の関連であった。 ベースライン時の子の世代は、親に高血圧がみられない群が107例(平均年齢33.3歳、女性52.3%)、片親または両親が晩発型高血圧の群が480例(32.9歳、55.0%)、片親が早発型高血圧の群が721例(31.6歳、53.8%)、両親が早発型高血圧の群は327例(31.6歳、56.0%)であった。平均追跡期間26(SD 9)年の間に、子の世代の29.4%(481/1,635例)が高血圧を発症した。片親が早期発症で子のリスクが2倍、両親では3.5倍に 子の世代では、親が非高血圧の群と比較して、片親または両親が晩発型高血圧の群では高血圧のリスクに有意な差はなかった(多変量補正モデルによるハザード比[HR]:1.5、95%信頼区間[CI]:0.9~2.7)のに対し、片親が早発型高血圧の群(2.0、1.2~3.5、p<0.05)および両親が早発型高血圧の群(3.5、1.9~6.1、p<0.001)では、いずれも高血圧の発症リスクが有意に高かった。 親の世代の死亡者のうち1,151例の死因が心血管死であり、このうち630例が冠動脈性心疾患死であった。また、心血管死のオッズは、高血圧の発症年齢が若くなるに従って、直線的に上昇した(傾向検定:p<0.001)。非高血圧群と比較して、高血圧の発症時期が45歳未満の群は心血管死のオッズ比(OR)が2.2(1.8~2.7、p<0.001)、冠動脈性心疾患死のORは2.3(1.8~2.9、p<0.001)であったのに対し、65歳以上で発症した群のORはそれぞれ1.5(1.2~1.9、p=0.001)、1.4(1.0~1.9、p=0.07)と低くなっており、いずれも高血圧発症時期が45歳未満のほうが65歳以上よりも有意にORが高かった(p≦0.002)。 著者は、「高血圧の発症年齢は、血圧上昇の遺伝的素因を反映し、さらに個々の患者の心血管リスクの評価において重要な予測的情報の提供もするという、2つの特性を持つことが示唆される」と指摘している。

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高齢緑内障患者、視野検査時には認知機能の評価必要か

 米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のAlberto Diniz-Filho氏らは、前向き観察コホート研究を行い、認知機能低下と視野検査における変動の増大が関連していることを明らかにした。視野検査における変動は、緑内障の進行の検出を妨げる可能性があり、また高齢者は神経認知障害と緑内障の両方を有している可能性があるが、これまで認知機能の変化と視野検査における変動との関連を調べた研究はなかった。この結果を踏まえて著者は、「緑内障の視野障害の評価において、認知機能のスクリーニングとモニタリングを重視すべき可能性が示唆された」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年5月18日号掲載の報告。 研究グループは2011年3月~2015年4月の間、115例211眼を対象に、自動視野計(SAP)による検査を行うとともに、Montreal Cognitive Assessment(MoCA)を用いて長期にわたり認知機能を評価し、認知機能低下と視野検査における変動との関連について調べた。 平均追跡期間は2.5(標準偏差[SD] 0.8)年(範囲1.2~4.7年)で、2015年11月~2016年5月に解析が行われた。 主な結果は以下のとおり。・115例は、ベースラインの平均年齢が67.4(SD 10.1)歳、男性63例(54.8%)、白人86例(74.8%)であった。・MoCAスコア変化と視野検査における経時的な変動との間に、統計的に有意な関連が認められた。・単変量モデルにおいて、MoCAスコアの5ポイント低下は、SAP平均偏差(MD)残差SDの0.18dB増加と関連していた(R2=4.3%、95%信頼区間[CI]:0.06~0.30、p=0.003)。・ベースラインのMoCAスコア、SAP MDの平均値、年齢、性別、人種/民族、教育水準、収入およびSAP検査回数で調整した多変量モデルにおいても、MoCAスコアの5ポイント低下は、SAP MD残差SDの0.23dB増加と関連していた(95%CI:0.11~0.35、p<0.001)。

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乳がんリスクが高い職業

 職業別の乳がんリスクについて、スウェーデン・カロリンスカ研究所のCecilia Kullberg氏らが調査したところ、ホワイトカラーのほうがブルーカラーより高リスクで、専門職や管理職の女性でリスクが高いことがわかった。さらに、このリスク増加の要因として、生殖および生活習慣以外の因子の影響が大きいことが推測された。Occupational and environmental medicine誌オンライン版2017年4月29日号に掲載。 本研究は1991~96年に実施されたコホート研究で、スウェーデンのマルメ州の住民で1923~50年に生まれた女性1万4,119人が参加した。リスク因子に関する情報(年齢、出産歴、第1子出産年齢、授乳月数、ホルモン補充療法、身体活動、飲酒、喫煙、身長、BMIなど)および職歴についてアンケート調査した。侵襲性乳がんの診断は、スウェーデンがんレジストリで2013年12月31日まで確認した。 主な結果は以下のとおり。・計897人の女性が乳がんと診断された。・年齢調整後の解析で、ホワイトカラーはブルーカラーに比べて乳がんリスクが高く、専門職、管理職、簿記業務に従事する女性では、販売、運輸、生産、サービス業務に従事する女性よりも乳がんリスクが高かった。・乳がんリスクの差は、生殖および生活習慣に関連するリスク因子の調整後も、わずかに減少したのみであった。

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