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ADHDに対する集中治療プログラムの効果:久留米大

 注意欠如・多動症(ADHD)の小児におけるコルチゾール覚醒反応(CAR)についてはほとんど知られていない。久留米大学の岡部 留美子氏らは、集中的な夏季治療プログラム(STP)の前後および4ヵ月後のADHD児およびその母親のCARを調査した。Brain & development誌オンライン版2017年3月24日号の報告。 対象は、2009~10年にSTPを完了した7~12歳の小児37例およびその母親。コルチゾール測定のために、覚醒時とその30分後の1日2回、STPの前と後、そしてフォローアップ期間に毎日唾液サンプルを収集した。ADHD症状スコアは両親による評価とし、対象患者はKid-KINDL QOLアンケートを完了した。主な結果は以下のとおり。・ADHD児のCARは、STP前は低かったが、STPの4ヵ月後では増加した。・母親のCARもSTP後、増加する傾向にあった。・ADHD児におけるCARの変化は、ADHD不注意スコア(p=0.091)、身体的健康(p=0.070)、Kid-KINDLの学校生活下位尺度スコア(p=0.079)の改善と相関する傾向にあった。 著者らは「STPによりADHD児の行動やQOL改善が認められた。STPは、終了後のCAR増加に反映されたように、HPA軸機能の改善に結び付く可能性がある」としている。関連医療ニュース もしかしたら、食生活の改善でADHD発症を予防できるかも ADHD児に対するスポーツプログラム 子供の運動能力とADHDは相関するのか

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咳のみかた、考えかた

普通の咳、厄介な咳について、360度から解説!院内でそれをきかない日はないといってよいほど、ごくありふれた臨床症状でありながら、患者さんのQOLに大きく影響し、さまざまな疾患の可能性を内包している厄介な「咳」の診療についてまとめた本です。咳を診療する前の鉄則、咳の診断ツール、各疾患の各論、鎮咳薬の使い方、実際の戦略の組み立て、著者が出会った珍しい咳嗽など、「咳」についてあらゆる角度から徹底的に解説を行いました。日常診療で役に立つ1冊です。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。    咳のみかた、考えかた定価4,400円 + 税判型A5判頁数250頁発行2017年4月著者倉原 優Amazonでご購入の場合はこちら

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コッツン外傷の恐怖(その2)【Dr. 中島の 新・徒然草】(168)

百六十八の段 コッツン外傷の恐怖(その2)前々回は「高齢者のコッツン外傷には注意しろ」、前回は「私の経験したコッツン外傷の恐怖」について述べました。すなわち、受診時に意識清明で頭部CT異常なしの高齢者が数時間後に急変し、巨大脳内血腫ができていたという私自身の恐怖の体験から、「次こそ何とかしてやるぞ」と心に誓った話です。ところが、世の中そんなに甘くはなく、病気のほうが1枚も2枚も上手だったのです。大学病院から別の民間病院に異動した私は、ほどなく前回とそっくりな状況の患者さんに遭遇しました。「頭を打ったが意識清明、頭部CTは異常なし」という高齢者です。「こういう人こそ危ないんだ。ちょっとでも異常があったら、すぐCTを撮影しよう」と入院させ、スタッフには厳重に観察するよう指示しました。この患者さん、数時間経たないうちに呂律がまわらなくなってきたので、即座にCTを撮影しました。すると予想どおりに右大脳半球に脳内血腫ができています。「よっしゃあああ!」と右側の開頭血腫除去を行い、術直後のCTできれいに血腫がなくなっているのを確認した私は、達成感とともに帰宅しました。ところが、数時間後に瞳孔不同が出現し、今度のCTでは左側に大きな脳内血腫が認められたのです。「これは難しいな。でも諦めずに血腫除去しよう」左側を開頭し、何とか血腫除去を行った私は、術直後のCTで血腫の大半が除去されていることを確認して帰宅しました。「やれやれ、大変な1日だった。ともかく救命はできたかな」そう思いながら寝ていた深夜に、再び呼び出しの電話が鳴りました。スタッフ「先生、今度は右側の瞳孔散大です!」中島「なにっ! すぐ行くからCTを撮っておいてくれ」慌てて病院に駆け付けた私が見たのは、再び右側の別の部位にできた巨大脳内血腫でした。もはや、できることは何もありません。灯を落とした深夜のICUで、茫然とCTを見つめつつ、「なんでこんな事になってしまったのだろう」と、自問自答するのみでした。その後、何百という頭部外傷に対応し、今回のような遅発性外傷性脳内血腫にも何例か遭遇しました。いわゆる "talk and die(喋った後に死ぬ)"と呼ばれる病態です。治療成績は惨憺たるもので、そのたびにいろいろと考えを巡らせました。血腫が巨大化するのは、頭蓋内で凝固異常もしくは線溶亢進が起こっているからではないか。それなら、血腫ができる前に凝固因子を補充して血液を固めるか、線溶を抑え込んで固まった血液が溶けないようにするか、どちらかで対応すればいいのではないか。あるいは、凝固因子補充と線溶抑制の両方を実行すればなんとかなるかもしれない。しかし、単に新鮮凍結血漿を輸血して凝固因子(フィブリノゲンなど)を補充しても、同時に線溶因子(プラスミノゲンなど)も補充されるので、せっかく固まった血液が片っ端から溶かされてしまう。もしフィブリノゲンだけ補充する手段があれば、うまくいくかもしれない。これらは定説ではなく、あくまでも私が頭の中で考えた理屈にすぎません。でも、少しずつでも工夫を重ねることが、より多くの人を救命する手がかりになるものと思っていろいろ考えるわけです。現在では、早め早めにCT撮影をして、事が起こったら即座に血腫除去をしていますが、それでも助かる人はごく少数、まさしく "talk and die" です。もし読者の皆さんの中で、私の経験を踏み台にして画期的な診断法や治療法を考案してくれる人がいれば、これほど嬉しい事はありません。恐怖の "talk and die" を克服できる日が、いつか来ることを期待したいと思います。最後に1句工夫して 恐怖を重ね 30年

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てんかん重積状態に対する抗てんかん薬処方の変化

 新規抗てんかん薬(AED)の処方は増加しているが、てんかん重積状態(SE)に対する新規AEDの使用およびアウトカムへの影響についてのデータは限られている。スイス・Centre Hospitalier Universitaire VaudoisのIsabelle Beuchat氏らは、実臨床における新規AEDと従来型AEDの処方パターンの変化や予後との関連について検討を行った。CNS drugs誌2017年4月号の報告。 2007~16年の10年にわたるプロスペクティブSEレジストリを分析し、新規AEDと従来型AEDの年次使用量と死亡率との関連、退院時のベースライン状態への回復、ベンゾジアゼピンを含む2種類のAEDに対する治療抵抗性として定義される難治性SEを評価した。 主な結果は以下のとおり。・SEエピソード884件(該当患者719例)のうち、新規AED処方は、2007年のSEエピソード当たり0.38から、2016年の1.24へ増加した。主な薬剤は、レベチラセタムおよびラコサミドであった。・ベンゾジアゼピンを除く従来型AEDは、2007年の0.74から、2016年の0.41へ減少しており、フェニトインの処方が減少していた。・新規AED処方は、退院時のベースライン状態への回復の可能性が低く(OR:0.58、95%CI:0.40~0.84)、SE耐性率が高かったが(OR:19.84、95%CI:12.76~30.84)、死亡率に変化は認められなかった(OR:1.08、95%CI:0.58~2.00)。 著者らは「過去10年間で、SEに対する新規AED処方は増加傾向を示したが、退院時のSE難治化や新たな障害の危険性増加と関連することが示唆された。今後のプロスペクティブ比較研究により、SEに対する新規AEDの日常的な使用におけるいくつかの注意点を、正当化する可能性がある」としている。関連医療ニュース 難治性てんかん重積状態への有用な対処法 てんかん重積状態に対するアプローチは 世界のてんかん研究を解析、有病率に影響を与える要因は

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急性期統合失調症に対するアリピプラゾール持効性注射剤の効果を解析

 長時間作用型持効性抗精神病薬は、統合失調症患者の急性期および長期治療のための治療選択肢である。過去に実施した試験では、急性エピソード統合失調症患者を対象としたアリピプラゾール月1回400mg(AOM400)の12週間無作為化二重盲検プラセボ対照試験において、AOM400は、プラセボと比較し、主要エンドポイントである10週目のPANSS総スコアの有意な改善を示した。カナダ・カルガリー大学のZahinoor Ismail氏らは、この試験の事後解析を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌2017年6月号の報告。 統合失調症における、興奮を含むさまざまな症状に対するAOM400の有効性を調査するため、過去に実施した急性エピソード統合失調症患者を対象としたAOM400の12週間無作為化二重盲検プラセボ対照試験の事後解析を行った。PANSS Marder因子モデル(陽性症状、陰性症状、思考解体、制御不能な敵意/興奮、不安/抑うつ)およびPANSS-EC(Marder因子モデルにおいて制御不能な敵意/興奮に相当する項目、および緊張の項目)について、AOM400とプラセボにおけるベースラインからの変化量を比較した。解析には、反復測定のために混合モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・すべての因子に対するAOM400とプラセボとの差は統計的に有意であり、1週目や2週目の早期に見られ、12週まで維持された。・治療開始後2週間に経口アリピプラゾールを併用したAOM400は、プラセボと比較し、急性期統合失調症患者における5つのMarder因子モデルにも、PANSS-ECスコアにより概念化される興奮状態にも、有意な効果を示した。 著者らは「本結果は、AOM400が急性期統合失調症患者のスペクトラム全体に有効であり、短期間および長期的に患者アウトカムに影響を及ぼすことを示している」としている。関連医療ニュース アリピプラゾールLAIのレビュー、メリット・デメリットは 2つの月1回抗精神病薬持効性注射剤、有用性の違いは 統合失調症に対する短期治療、アリピプラゾール vs.リスペリドン

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アダリムマブ、非感染性ぶどう膜炎患者の視覚関連QOLを改善

 最近、非感染性の中間部、後部または汎ぶどう膜炎(以下、非感染性ぶどう膜炎)の治療薬としてアダリムマブが承認された。米国・イースタンバージニアメディカルスクールのJohn Sheppard氏らは、第III相試験であるVISUAL-1試験およびVISUAL-2試験の事後解析を行い、ステロイド依存性の非感染性ぶどう膜炎患者において、アダリムマブは患者報告による視機能を統計学的に有意に改善し、視覚関連QOLの改善が得られたことを示した。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年4月20日号掲載の報告。 研究グループは、2010年8月10日~2015年5月14日に米国、カナダ、欧州、イスラエル、オーストラリア、南米および日本で行われた、アダリムマブの活動性非感染性ぶどう膜炎患者を対象としたVISUAL-1試験、ならびに非活動性の同患者を対象としたVISUAL-2試験の事後解析を行った。 両試験とも、アダリムマブ群(初回80mg、1週後に40mg、以降隔週40mg)、またはプラセボ群に被験者を無作為に割り付け、最長80週間試験薬を皮下投与した。VISUAL-1試験では、全例にprednisoneが投与された(高用量から開始し漸減)。 評価項目は、患者の視点から視覚障害の影響を評価するNEI VFQ-25合計スコア(スコアの範囲0~100、高値ほど視覚に関連した健康関連QOLが良好)で、試験終了/中止時におけるスコアの6週以内最高値ならびにベースライン値からの変化量について、分散分析を用いて両群を比較するとともに、アダリムマブおよびプラセボのNEI VFQ-25に対する時間的影響について縦断的モデルを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は、VISUAL-1試験217例(アダリムマブ群110例/プラセボ群107例、女性124例[57.1%]、平均[SD]年齢42.7[14.9]歳)、VISUAL-2試験226例(アダリムマブ群115例/プラセボ群111例、女性138例[61.1%]、平均[SD]年齢42.5[13.4]歳)で、intent-to-treat解析を行った。・VISUAL-1試験において、NEI VFQ-25合計スコアの最高値から試験終了/中止時までの変化量は、アダリムマブ群-1.30、プラセボ群-5.50、群間差は4.20(95%信頼区間[CI]:1.04~7.36、p=0.01)であった。・VISUAL-2試験において、NEI VFQ-25合計スコアのベースラインから試験終了/中止時までの変化量は、アダリムマブ群3.36、プラセボ群1.24、群間差は2.12(95%CI:-0.81~5.04、p=0.16)であった。・縦断モデルを用いた解析の結果、NEI VFQ-25合計スコアのアダリムマブ群とプラセボ群との差は、VISUAL-1試験(74.15 vs.71.08)が3.07(95%CI:2.09~4.06、p<0.001)、VISUAL-2試験(82.39 vs.77.73)が4.66(95%CI:0.05~9.26、p=0.048)であり、両試験とも有意差が認められた。

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サルコイドーシス〔sarcoidosis〕

1 疾患概要■ 概念・定義サルコイドーシスは、1877年にイギリスの内科医Jonathan Hutchinsonが皮膚病変として初めて報告した疾患である。全身の臓器に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を形成する原因不明の多臓器疾患であり、両側肺門リンパ節、肺、 眼、皮膚の罹患頻度が高く、神経、筋、心臓、腎、骨、消化器などの臓器も罹患する。免疫学的には、CD4陽性T細胞/CD8陽性T細胞比の増加(Th-1型反応)がみられ、皮膚の遅延型過敏反応が抑制されている。無症状の肺門リンパ節腫脹例などは自然治癒することが多いが、肺外多臓器病変を伴うときは、肺や他臓器に進行性の線維化を認めることがある。■ 疫学サルコイドーシスは世界中でみられ、両性、全人種、全年齢層で起こりうるが、地域差があり、これは遺伝的な要因や環境因子の違いによるものと考えられている。海外と比較すると、わが国においては、サルコイドーシスの有病率、罹患率ともに低く、西欧諸国と比較し重症になりにくい。わが国でのピークは男性で20~34歳であり、女性では25~39歳と50~60代と2峰性を示す。20歳以下または80歳以上のサルコイドーシス患者はまれであり、それぞれ割合は0.9%、0.4%と報告されている。全国調査では、北部、とくに北海道に多く、南部の四国、九州には少ない傾向がある。■ 病因サルコイドーシスの原因は不明だが、遺伝的に感受性のある宿主が特定の環境因子に曝露されて起こると考えられている。環境因子としては、これまでも抗酸菌をはじめとする、いくつかの感染性微生物がサルコイドーシスを起こす可能性のある原因として考えられてきた。とくに最近では、Propionibacterium acnes(P. acnes)が、サルコイドーシス患者の肉芽腫形成を惹起する可能性の1つとして考えられている。■ 症状・分類霧視・羞明・飛蚊・視力低下などの眼症状で発見される場合がもっとも多く、次いで皮疹、咳、全身倦怠感が多い。発熱、疲労感、倦怠感、体重減少などの非特異的な身体症状はサルコイドーシス患者の3分の1でみられ、各種臓器病変に関連しさまざまな症状を呈する。サルコイドーシスの肉芽腫は、すべての臓器に形成される可能性があるが、90%以上の患者で呼吸器病変、眼病変、皮膚病変のいずれかを認める。とくに呼吸器病変は、日本人では胸郭内病変が86%の患者で認められ、もっとも頻度が高く、胸部単純X線における両側肺門リンパ節腫脹は、もっとも診断的価値が高い。また、日本人では眼病変(54.8%)、心病変(23%)が海外の報告よりも多いのに対し、結節性紅斑の合併は6.2%と低い。■ 予後サルコイドーシスの臨床所見、自然経過、および予後はきわめて多様であり、自然経過・治療に対する反応のいずれにおいても、増悪したり改善したりする傾向がある。自然寛解は3分の2に近い症例でみられるが、10~30%の症例で慢性ないし進行性の経過をとる。胸部X線所見は臨床経過と関連しており、StageI、II(両側肺門リンパ節腫脹±肺野陰影)では80~90%で自然寛解するのに対し、StageIII、IV(肺野陰影のみ、または肺線維化)は予後不良と報告されている。西欧諸国では進行性の肺病変が死因としてもっとも多いが、日本人のサルコイドーシス患者の死因としてもっとも多いのは、心病変であり、主に心不全や不整脈である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)サルコイドーシスは、臨床・画像所見がサルコイドーシスに合致し、組織学的に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が証明され、他の類似疾患が除外されることで診断される。2015年に日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会と厚生労働省のびまん性肺疾患に関する調査研究班とが合同でこれまでの診断基準を刷新した。「サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き-2015」として、広く臨床で使用されている。【組織診断群】全身のいずれかの臓器で壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が陽性であり、かつ、既知の原因の肉芽腫および局所サルコイド反応を除外できているもの。ただし、特徴的な検査所見および全身の臓器病変を十分検討することが必要である。【臨床診断群】類上皮細胞肉芽腫病変は証明されていないが、 呼吸器、眼、心臓の3臓器中の2臓器以上において本症を強く示唆する臨床所見を認め、かつ、特徴的検査所見の5項目中2項目以上が陽性のもの。●特徴的な検査所見1)両側肺門リンパ節腫脹2)血清アンジオテンシン変換酵素(ACE)活性高値または血清リゾチーム値高値3)血清可溶性インターロイキン-2容体(sIL-2R)高値4)Gallium-67 citrateシンチグラムまたはfluorine-18 fluorodeoxygluose PETにおける著明な集積所見5)気管支肺胞洗浄検査でリンパ球比率上昇、CD4/CD8比が3.5を超える上昇※特徴的な検査所見5項目中2項目以上陽性の場合に陽性とする。サルコイドーシスに関連した臓器病変の特徴と除外疾患についても診断の手引きとして示されているが、呼吸器病変では両側肺門リンパ節腫脹、眼病変では前部ぶどう膜炎(豚脂様角膜後面沈着物、虹彩結節)、硝子体病変、心病変では高度房室ブロック、心室中隔基部の菲薄化、左室収縮不全などが各臓器病変を強く示唆する所見である。皮膚病変や表在リンパ節腫脹のない例においては、経気管支肺生検での組織診断が推奨されているが、最近は縦隔リンパ節に対する超音波気管支鏡ガイド下針生検により診断率が上昇することが報告されている。FDG-PET/CTでは、サルコイドーシス病変の広がりを評価することが可能であり、空腹時PET/CTは心病変の診断に有用であると報告されている。また、病理組織診断において、前述したP. acnesに対する特異的なモノクローナル抗体を用いた免疫組織染色が診断に有用であるとも報告されている。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)胸部単純X線分類によるStageI~IIの軽症例では、自然治癒する可能性が高いため全身ステロイドによる治療の必要はない。一般的に、全身ステロイドの治療適応は、胸部単純X線所見分類によるStageIII~IVの重症例や、心病変、局所治療抵抗性の眼病変、神経病変、高Ca血症などであるが、投与後の長期予後の検討はあまり行われていない。ステロイド抵抗性の症例には、メトトレキサート、アザチオプリン、シクロホスファミドなども使用される。また、サルコイドーシスはP. acnesをはじめとするさまざまな感染性微生物との関連が示唆されており、テトラサイクリン、ミノサイクリン、ドキシサイクリン、クラリスロマイシンなどが有効であった例も報告されている。4 今後の展望サルコイドーシスの発症機序は、いまだ解明されておらず根治治療は開発されていない。原因解明、予後不良因子のリスク評価、進行予防や重症例への有効な治療法の開発、国際的な診断基準の統一などが、今後のサルコイドーシス診療の課題である。5 主たる診療科呼吸器内科、循環器内科、眼科、皮膚科、神経内科 など※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター サルコイドーシス(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報サルコイドーシス友の会(患者とその家族向けのまとまった情報)公開履歴初回2015年06月09日更新2017年05月02日

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循環器内科 米国臨床留学記 第20回

第20回 米国の電子カルテ事情日本でも電子カルテが一般的になっていますが、米国では電子カルテのことをElectrical Medical Record (EMR)と言います。今回は、米国におけるEMR事情について書いてみたいと思います。米国のEMRの特徴の1つとして、どこからでもアクセスできるというのが挙げられます。「今日は疲れたから、残りのカルテは家で書きます」といった感じで、インターネットで世界中のどこからでも電子カルテにアクセスできます。実際、私も帰国時に日本から米国の患者に処方したり、カルテをフォローしたりすることがあります。日本でも電子カルテが登場して久しいですが、インターネットを介して患者のカルテにアクセスするのはまだ一般的でないかもしれません。Medscapeのリポートによると、2016年の段階で91%の医師が電子カルテを使用しており、これは2012年の74%から比べても大幅な増加です。その中でも、41%と圧倒的なシェアを誇るのがEPICというシステムです。ほかのEMRと比べても、EPICはuser friendlyで使いやすく、日常臨床を強力にサポートしてくれます。私のいるカリフォルニア大学アーバイン校では、現在はEPICと異なるシステムを使っていますが、評判が悪いため、来年EPICに移行します。乱立していたEMRの会社も徐々に淘汰され、数社に絞られてきているようです。また、同じEMRシステムを使うと、異なる病院間でも情報が共有できるといったサービスもあります。以前いたオハイオ州のシンシナティーという町にはEPIC everywhereというシステムがあり、EPICを使っているシンシナティー市内すべての病院の情報が共有されていました。ほかの病院の情報に簡単にアクセスできると、無駄な検査を減らすことができます。EMRは、入院時に必要なオーダーを入れないとオーダーを完了できないシステムになっています。例えば、深部静脈血栓症(DVT)予防は、入院時に必須のオーダーセットに入っているため、オーダーせずに患者を入院させようとすると、ブロックサインが現れ、入院させることが難しくなっています。このようなシステムは日本の電子カルテにもあると思います。また、代表的なEMRのシステムには、ガイドラインに準じたクリニカルパスが組み込まれています。 主なものとしては、敗血症ショックセット、糖尿病ケトアシドーシス(DKA)セット、急性冠動脈症候群(ACS)セットなどが挙げられます。例えばACSで入院すると、ヘパリン、アスピリン、クロピドグレル、スタチン、β遮断薬をクリック1つで選択するだけですから、確かに処方し忘れなどは減ります。オーダーセットは非常に楽ですし、DKAなどは勝手に治療が進んでいき、うまくいけば入院時のワンオーダーで、ほぼ退院まで辿り着けるかもしれません。しかしながら、一方で医者が状況に応じて考えなければいけないことが減り、時には危険なことも起こります。患者の状態は、1人ずつ異なりますから、tailor madeな治療が必要になります。実際、DKAで入院した患者がDKAオーダーセットによる多量の生理食塩水で心不全を起こすというようなことは、何度も見てきました。このほか、EMRで問題となっているのは、いわゆる“copy and paste”です。デフォルトのカルテでは、正常の身体所見が自動的に表示されます。注意を怠ると、重度の弁膜症患者にもかかわらず「雑音がない」とか、心房細動なのに脈拍が“regular”などといった不適切な記載となります。実際に、このようなことはしょっちゅう見受けられます。他人のカルテをコピーすることも日常茶飯事なので、4日前に投与が終わったはずの抗生剤が、カルテの記載でいつまでも続いているということもあります。Medscapeの調査でも66%の医者が“copy and paste”を日常的に(時々から常に)使用しているとのことでした。外来でのEMRは、Review of System、服薬の情報、予防接種(インフルエンザ、肺炎球菌)、スクリーニング(大腸ファイバーなど)などをすべて入力しなければ、カルテを終了(診察を終了)できなくなっています。こうした項目を入力しないと医療点数(診療費)に関わってくるからです。その結果、EMRに追われてしまい、患者を見ないでひたすらコンピューターの画面を見て診療しているような状況に陥りがちです。こうなると、自分がEMRを操作しているのか、EMRに操作されているのかわからなくなります。いろいろな問題がありますが、EMRは日々進歩している印象があります。使い勝手は良いのですが、最終的には医者自身が頭を使わければ患者に不利益が被ることもあるため、注意が必要です。

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ニボルマブの恩恵を受けるのは腫瘍変異が高い症例?:CheckMate-026探索的研究

 残念ながらポジティブな結果とはならなかった、転移・再発非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療のニボルマブ(商品名:オプジーボ)の無作為化試験CheckMate-026だが、探索的研究では、ニボルマブの恩恵は、腫瘍変異負荷(tumor mutation burden:TMB)の高い患者において引き出されるという結果を明らかにした。 この探索的研究は、エクソーム配列決定に十分なサンプルを有する患者を対象に行われ、TMBの三分位分布に基づいて患者を低TMB(0~99)、中TMB(100~242)、高TMB(243以上)に等しく分割して解析した。高TMB患者ではニボルマブがORR、PFSを改善 主な結果は以下のとおり。・無作為化された患者541例中312例(57.7%)が評価可能なTMBデータを有していた(患者のベースライン特性、PFS、OSは、全患者と同等)。・高TMB患者の割合はニボルルマブ群で低かった(化学療法群39.0% vs.ニボルマブ群29.7%)。・高TMB患者におけるPFSは、ニボルマブ群9.7ヵ月に対し、化学療法群5.8ヵ月と、ニボルマブ群でより改善されていた(HR:0.62、95%CI:0.38~1.00)。・高TMB患者における奏効率(ORR)は、ニボルマブ群46.8%に対し、化学療法群28.3%と、ニボルマブ群で高かった。・OSは両治療群で同等であった。・化学療法群からニボルマブへのクロスオーバー率は65%であった。(ケアネット 細田 雅之)参考AACR 2017 abstract非小細胞肺がん1次治療、ニボルマブ単剤と化学療法の比較:CheckMate026

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うつ病患者のモニタリングツール、実現性の検証

 プライマリケアでのうつ病患者のモニタリングのために患者報告アウトカム測定(PROM)の実施が可能かを判断するため、英国・サウサンプトン大学のTony Kendrick氏らは、部分的にランダム化された部分的クラスターランダム化比較試験を行った。BMJ open誌2017年3月30日号の報告。 対象は、南イングランドの9つの診療所における新規エピソードうつ病患者47例。介入群22例、対照群25例に無作為に割り付けた。診断の10~35日後、うつ病モニタリングのために患者健康アンケート(PHQ)、Distress Thermometer Analogue Scale、PSYCHLOPS problem profileによる介入を行った。患者スコアのフィードバックは、診療医により実施した。主要アウトカムは、ベックうつ病調査表(BDI-II)で評価した。副次的アウトカムは、仕事と社会性の調整尺度(Work and Social Adjustment Scale:WSAS)、QOL評価のためのEuroQol 5項目、5レベル(EQ-5D-5L)スケール、コスト評価のためのmodified Client Service Receipt Inventory、医療情報適合満足度(Medical Informant Satisfaction Scale:MISS)で評価し、実施の可能性と受容性について、患者14例およびスタッフ13例より定性的インタビューを行った。主な結果は以下のとおり。・3つの診療所で、12ヵ月間で6例の目標患者を達成できなかった。・介入群におけるフォローアップ率は、12週で18例(82%)、26週で15例(68%)であった。対照群では、12週で18例(72%)、26週で15例(60%)であった。・介入群における12週目の平均BDI-IIスコアは、対照群と比較し5.8ポイント(95%CI:-11.1~-0.5)低かった(ベースライン差とクラスタリングで調整)。・WSASスコアに有意な差が認められなかった。・26週での症状、社会機能、QOL、コストに有意な差は認められなかったが、平均満足度スコアは、22.0ポイント(95%CI:-40.7~-3.29)高かった。・介入群の患者は、PROMを完遂することを好んだが、その結果を診療医が管理者に伝えるために使用しなかったことに失望した。 著者らは「PROMは、その結果を診療医が管理者に知らせなかったとしても、短期間でうつ病アウトカムを改善する可能性がある。患者を募集し、フォローアップする際の課題は、管理者に知らせることのできる比較的簡単な対策に取り組む必要がある」としている。関連医療ニュース うつ病の診断年齢を分析、とくに注意が必要なのは たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能 自殺予防に求められる、プライマリ・ケア医の役割

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ヒーローと悪役の皮膚描写、その違いが偏見を助長?

 映画では、ヒーローと悪役に二分した皮膚描写が、無声映画時代から用いられている。米国・テキサス大学医学部ガルベストン校のJulie A Croley氏らは、米国映画歴代トップ10のヒーローと悪役について調査し、両者の皮膚所見には有意な差があることを示した。著者は、「映画では、善悪の二分を強調するため悪役には皮膚描写が用いられているが、それは、社会において皮膚疾患患者に向けられる偏見を助長する可能性がある」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2017年4月5日号掲載の報告。 研究グループは、主要な映画におけるヒーローと悪役の皮膚所見を評価する目的で、以下の横断的研究を行った。(1)米国映画歴代トップ10の悪役の皮膚所見を特定する、(2)その皮膚所見を歴代トップ10のヒーローと量的および質的に比較する、(3)悪役の皮膚描写を深く分析する。 皮膚所見の量的ならびに質的な比較は、χ2検定(有意水準α<0.05)を用いた。歴代トップ10のヒーローと悪役は、米国映画協会(AFI)の「アメリカ映画100年のヒーローと悪役ベスト100(AFI's 100 Years…100 Heroes & Villains)」リストから得た。評価項目は、皮膚所見とその頻度とした。 主な結果は以下のとおり。・歴代トップ10の悪役では、6人(60%)に皮膚所見が認められた。・主なものは、美容的に著しい脱毛(30%)、眼窩周囲の色素沈着(30%)、顔面の深いしわ(20%)、顔面の多発性瘢痕(20%)、顔面の尋常性疣贅(20%)および鼻瘤(10%)であった。・歴代トップ10の悪役は、トップ10のヒーローに比べ、皮膚所見の頻度が有意に高かった(60% vs.0%、p=0.03)。

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米の多摂取による糖尿病リスク、緑茶が抑える可能性

 最近の観察研究では、白米摂取と糖尿病リスクの間に正の相関関係が、また、緑茶・コーヒー摂取と糖尿病リスクの間に保護的な関連が示唆されている。しかし、これらの飲食物の相互作用は検討されていない。今回、九州大学の平田 明恵氏らが実施したわが国の高齢者における前向き研究において、米の摂取量と糖尿病リスクの正相関は女性でのみ認められ、その相関は緑茶を多く摂取することで抑制される可能性が報告された。Asia Pacific journal of clinical nutrition誌2017年5月号に掲載。 本研究のベースライン調査(2004~07年)に参加した日本人の男女のうち、1万1,717人(91%)が追跡調査(2010~12年)に応じた。多重ロジスティック回帰分析を用いて、穀物食品(米、パン、麺など)、緑茶、コーヒーのそれぞれで摂取量別の糖尿病発症のオッズ比を算出し、さらに米摂取による糖尿病リスクの増加が緑茶とコーヒーの摂取でどう変化するかを調べた。 主な結果は以下のとおり。・糖尿病の新規発症が464例で確認された。・女性のみ、米の摂取量と糖尿病発症の間に正相関が示され(傾向のp=0.008)、緑茶の摂取量と糖尿病発症の間に逆相関を示した(傾向のp=0.02)。・コーヒーは男女共に糖尿病発症との関連が認められなかった。・緑茶摂取量による層別解析で、緑茶を1日7杯以上摂取する女性では、米の摂取量と糖尿病発症の関連が消失した(相互作用のp=0.08)。

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術前デキサメタゾン追加で術後24時間の嘔吐が低減/BMJ

 大腸および小腸の手術では、麻酔導入時にデキサメタゾン8mgの静脈内投与を追加すると、標準治療単独に比べ術後24間以内の悪心・嘔吐が抑制され、72時間までの制吐薬レスキュー投与の必要性が低減することが、英国・オックスフォード大学のReena Ravikumar氏らが実施したDREAMS試験で示された。デキサメタゾン追加による有害事象の増加は認めなかったという。研究の成果は、BMJ誌2017年4月18日号に掲載された。術後の悪心・嘔吐(PONV)は、最も頻度の高い術後合併症で、患者の30%以上にみられる。腸管の手術を受けた患者では、PONVは回復を遅らせることが多く、術後の栄養障害を引き起こす可能性もあるため、とくに重要とされる。デキサメタゾンは、低~中リスクの手術を受ける患者でPONVの予防に有効であることが示されているが、腸管手術を受ける患者での効果は知られていなかった。デキサメタゾンの術後制吐効果を1,350例で検討 本研究は、英国の45施設が参加したプラグマティックな二重盲検無作為化対照比較であり、2011年7月~2014年1月に1,350例が登録された(英国国立健康研究所・患者ベネフィット研究[NIHR RfPB]などの助成による)。 対象は、年齢≧18歳、病理学的に悪性または良性の病変に対し、開腹または腹腔鏡による待機的腸管手術を施行される患者であった。 すべての患者が全身麻酔を受け、麻酔科医が決定した標準治療として術前に制吐薬(デキサメタゾンを除く)が投与された。デキサメタゾン群は術前にデキサメタゾン8mgの静脈内投与を受け、対照群には標準治療以外の治療は行われなかった。 主要評価項目は、24時間以内に患者または医師によって報告された嘔吐とした。副次評価項目は、術後24時間以内、25~72時間、73~120時間の嘔吐および制吐薬の使用、有害事象などであった。デキサメタゾン群が標準治療群に比べ有意に低かった デキサメタゾン追加群に674例、標準治療単独群には676例が割り付けられた。全体の平均年齢は63.5(SD 13.4)歳、女性が42.0%であった。腹腔鏡手術は63.4%で行われた。直腸切除術が42.4%、右結腸切除術が22.4%、左/S状結腸切除術が16.4%であった。 24時間以内の嘔吐の発現率は、デキサメタゾン群が25.5%(172例)と、標準治療群の33.0%(223例)に比べ有意に低かった(リスク比[RR]:0.77、95%信頼区間[CI]:0.65~0.92、p=0.003)。1例で24時間以内の嘔吐を回避するのに要する術前デキサメタゾン投与による治療必要数(NNT)は13例(95%CI:5~22)だった。 24時間以内に制吐薬の必要時(on demand)投与を受けた患者は、デキサメタゾン群が39.3%(265例)であり、標準治療群の51.9%(351例)よりも有意に少なかった(RR:0.76、95%CI:0.67~0.85、p<0.001)。また、術前デキサメタゾン投与のNNTは8例(95%CI:5~11)だった。デキサメタゾン群は制吐薬の必要時投与が少なかった 25~72時間の嘔吐の発現に有意な差はなかった(33.7 vs.37.6%、p=0.14)が、制吐薬の必要時投与はデキサメタゾン群が有意に少なかった(52.4 vs.62.9%、p<0.001)。73~120時間については、嘔吐、制吐薬の必要時投与はいずれも両群間に有意差を認めなかった。 死亡率は、デキサメタゾン群1.9%(13例)、標準治療群は2.5%(17例)と有意な差はなく、両群8例ずつが術後30日以内に死亡した。有害事象の発現にも有意差はなかった。30日以内の感染症エピソードが、それぞれ10.2%(69例)、9.9%(67例)に認められた。 著者は、「PONVの現行ガイドラインは、おそらく過度に複雑であるため広範には用いられていない。今回の結果は、腸管手術を受ける患者におけるPONVの抑制に簡便な解決策をもたらす」としている。

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162)ダイエットは家の冷蔵庫から【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者中性脂肪が気になるんですが、なかなか、ダイエットができなくて…。医師それならいい方法がありますよ。患者それは何ですか? (興味津々)医師冷蔵庫の中を整理することです。患者冷蔵庫の中を整理する?医師そうです。太りやすい人は冷蔵庫の中が満杯で、中を見ないで買い物に出掛けるので余分なものを買う傾向にあるようです。患者それ、私です!医師その結果、賞味期限間近の食品を「もったいないから」といって食べ過ぎて太るみたいです。それと冷蔵庫内の8割以上に食品を詰めると冷えにくくなり、電気代も余計かかるみたいですよ。患者冷蔵庫も腹八分目が大切なんですね。家に帰って、すぐ冷蔵庫の整理をします(うれしそうな顔)。●ポイント冷蔵庫の整理が、減量と中性脂肪を減らすのに役立つことを上手に説明します

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ニボルマブによるNSCLCの5年全生存率が明らかに

 ニボルマブ(商品名:オプジーボ)の非小細胞肺がん(NSCLC)の5年全生存率(5年OS)が、ジョンズ・ホプキンスBloomberg–Kimmel Institute for Cancer ImmunotherapyのJulie Brahmer氏らにより、米国がん学会年次総会(AACR2017)で明らかになった。この研究はニボルマブの第Ib相臨床試験CA209-003のコホートデータを解析したものであり、免疫チェックポイント阻害薬による転移性NSCLCの長期生存率に関する初めての報告である。5年OSは16%。3年目以降はプラトーに CA209-003試験では、高度な前治療歴のある進行NSCLC患者が、PD-L1状態に関係なく登録された。ニボルマブが有望な有効性を示し、その後の米国食品医薬品局(FDA)による進行NSCLCの2次治療の承認につながっている。 5年(最低期間58.25ヵ月)のフォローアップの結果、全体の5年OSは16%であった。組織別にみると、扁平上皮がんでは16%、非扁平上皮がんでは15%であった。経時的にみると、1年42%、2年24%、3年18%、5年16%と、3年目以降は横ばい傾向であった。 5年以上生存した16例の患者における、PRは12例、SD、PDは各2例であった。この16例中12例では、さらなる治療を必要としなかった(8例は副作用なしに2年間治療、4例は副作用のため早期に中止)。 PD-L1発現状況と5年OSの関連をみると、PD-L1発現1%未満では20%、1%以上50%未満23%、50%以上43%と、発現が高くなると共に生存率が上昇する傾向にあった。しかし、対象患者の47%にあたる61例はPD-L1測定不能であった。従来の数倍の5年OSだが、予測にはさらなる研究が必要 米国国立がん研究所(NCI)のSEERデータによると、転移性NSCLC患者の5年OSは4.9%。この研究での5年OSは標準治療を受けている患者集団の数倍となる。しかし、5年以上の生存を予測する一貫したパターンは明らかにならなかった。効果の持続性は証明されたものの、免疫システムが、がんを完全に排除して治療が不要になったのか?治療が持続的に免疫記憶を呼び覚ましているのか?さらなる研究が必要である、とBrahmer氏は述べている。(ケアネット 細田 雅之)参考AACRニュースリリースブリストル・マイヤーズ スクイブ(グローバル)プレスリリース

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糖尿病患者の大腸がんリスク、55歳未満でより高い

 2型糖尿病(DM)患者の大腸がんリスクについて、オランダ・マーストリヒト大学のSander de Kort氏らが、DMの診断年齢に注目して検討したところ、大腸がんリスクの増加は、DMの診断年齢により変化し、55歳未満で診断された男性でリスクがより高いことが示された。Scientific reports誌2017年4月24日号に掲載。 本研究は、Eindhoven Cancer RegistryとリンクしたPHARMO Database Networkの薬局データ(1998~2010年)を用いた。多変量時間依存性Cox回帰分析を用いて、2型DMでない人と比べた2型DM患者の大腸がん発症のハザード比(HR)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・259万9,925人年の追跡期間中、大腸がんは、DM患者4万1,716例(平均64.0歳、男性48%)のうち394例、また非DM患者32万5,054例(平均51.2歳、男性46%)のうち1,939例に確認された。・男女共にDMが大腸がんリスクの増加に関連し(HR:1.3、95%CI:1.2~1.5)、とくに2型DMの診断後6ヵ月間、また近位結腸において増加が著しかった。このリスクは55歳未満の男性でより高かった(HR:2.0、95%CI:1.0~3.8)。

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コリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンと抗コリン薬の併用の現状

 抗認知症薬と抗コリン薬の併用は、頻繁に行われている。コリンエステラーゼ阻害薬と抗コリン薬の併用は、相互に作用を打ち消し、患者へのベネフィット低下、副作用の増加、ケアコストの増大につながる。米国・ハワイ大学のBrian R Schultz氏らは、アジア太平洋諸国の都市部の病院における、コリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンと抗コリン薬との併用処方の割合を確認した。Psychogeriatrics誌オンライン版2017年4月7日号の報告。コリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンと抗コリン薬の同時処方、減少傾向に 本研究は、2006年1月~2010年12月に、FDA承認の抗認知症薬(ガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル、メマンチン)と抗コリン薬を同時に投与された、一般病院の入院患者対象のレトロスペクティブレビューとして行った。コリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンと抗コリン薬との併用処方の割合を確認した主な結果は以下のとおり。・コリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンと抗コリン薬を同時に投与されていた患者は、全体で304例であった。・高力価抗コリン薬は64.1%、中力価抗コリン薬は35.9%であった。・抗コリン薬の適応は、泌尿器系(17.8%)、胃腸を除く消化器系(32.6%)、悪心(10.2%)、精神科系(7.9%)、その他(31.6%)であった。・アジア人(8.4%)は、ハワイ先住民(12.2%)または白人(13.3%)よりもコリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンと抗コリン薬を併用する割合が少なかった(χ2=16.04、自由度=2、p<0.0003)。 著者らは「コリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンと抗コリン薬の同時処方は、民族間で違いはあるものの、以前の研究と比較し有意に少なかった。アジア人の同時処方の減少は、集団間の抗コリン薬に対する適応症の割合または忍容性の変化が原因であろう」としている。関連医療ニュース 米国の認知症有病率が低下、その要因は 白質の重症度で各抗認知症薬の効果に違い:岡山大 認知症高齢者5人に1人が抗コリン薬を使用

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新肺炎診療ガイドラインは高齢者に重点

 2017年4月21~23日に都内で開催された第57回日本呼吸器学会学術講演会(会長:中西洋一、九州大学大学院附属胸部疾患研究施設 教授)において、新しい「成人肺炎診療ガイドライン」が発表された。 特別講演として「新しい肺炎診療ガイドラインとは」をテーマに、迎 寛氏(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 呼吸器内科学分野 教授)が今回の改訂の背景、ガイドラインの概要について講演を行った。患者の意思を尊重した終末期の治療を 今までのガイドラインは、市中肺炎(CAP)、院内肺炎(HAP)、医療・介護関連肺炎(NHCAP)と3冊に分かれ、各疾患への細かい対応ができた反面、非専門医や医療従事者にはわかりにくかった。これに鑑み、新しいガイドラインは1冊に統合・改訂されたものである。 今回の改訂は、『Minds 診療ガイドライン作成の手引き』に準拠して行われ、第1部では“SCOPE”として肺炎の基本的特徴を解説、第2部では“Clinical Question”として25項目のCQが掲載されている。 CQ推奨の強さは、アウトカムへのエビデンスの強さ、リスクとプロフィットのバランス、患者の価値観や好み、コストパフォーマンスの視点から総合的に評価できることにある。とくに今回の改訂では、肺炎死亡の96.8%が65歳以上の高齢者が占めることから、高齢者の肺炎への対応も述べられている。 予後不良や誤嚥性肺炎といった肺炎における高齢者特有の問題は、終末期とも密接に関わっており、このような場合は治療を本人や家族とよく検討して対処することを推奨している。肺炎治療に抗菌薬を使うと死亡率は減少するが、QOLは低下することも多い。そのため、患者が不幸な終末期を迎えないためにも、厚生労働省や老年医学会のガイドラインなどが参照され、患者や患者家族の意思の尊重が考慮されている。大きく2つのグループに分けて肺炎診療を考える 新しいガイドラインは、わが国の現状を見据え、CAPとHAP+NHCAPの大きく2つのグループに分けた概念で構成されている。 CAP診断の際には従来のA-DROPによる重症度分類に加えて、新たに敗血症の有無を判定することも推奨され、敗血症の有無や重症度に応じて治療の場や治療薬を決定する。 また、HAPとNHCAPは高齢者に多いことから、最初に重要なのは患者のアセスメントだという。疾患終末期や老衰、誤嚥性肺炎を繰り返す患者では、患者の意思を尊重しQOLに配慮した緩和ケアを中心とした治療を行う。上記に該当しない場合は、敗血症の有無、重症度、耐性菌リスクを考慮して、治療を行うこととしている。このほかに、予防の項目ではインフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンの接種や、口腔ケアの実施を推奨している。 今回の新肺炎診療ガイドラインの特徴としては、 ・CAP、HAP、NHCAPの診療の流れを1つのフローチャートにまとめたこと ・終末期や老衰状態の患者には個人の意思を尊重した治療を推奨すること ・重要度の高い医療行為は、CQを設定し、システマティックレビューを行い、  リスクとベネフィット、患者の意思、コストを考慮しながら委員投票で推奨を  決定したことが挙げられる。 最後に迎氏は「今後、新ガイドラインの検証が必要である。ガイドラインを精読していただき、診療される先生方のさまざまな提案や意見を取り入れてより良くしていきたい。次版の改訂に向け、動き出す予定である」と語り、講演を終えた。 なお、本ガイドラインの入手は日本呼吸器学会直販のみで、書店などでの販売はない。詳しくは日本呼吸器学会 事務局まで。(ケアネット 稲川 進)関連リンク 日本呼吸器学会 事務局 第57回日本呼吸器学会学術講演会

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1次予防のスタチン対象、ガイドラインによる差を比較/JAMA

 スタチンによる動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の1次予防が推奨される患者は、米国心臓病学会(ACC)/米国心臓協会(AHA)ガイドライン2013年版よりも、米国予防医療サービス対策委員会(USPSTF)の2016年版勧告を順守するほうが少なくなることが、米国・デューク大学のNeha J. Pagidipati氏らの検討で示された。ACC/AHAガイドラインで対象だが、USPSTF勧告では対象外となる集団の約半数は、比較的若年で高度の心血管疾患(CVD)リスクが長期に及ぶ者であることもわかった。研究の成果は、JAMA誌2017年4月18日号に掲載された。1次予防におけるスタチンの使用は、ガイドラインによって大きな差があることが知られている。USPSTFによる2016年の新勧告は、1つ以上のCVDリスク因子を有し、10年間CVDリスク≧10%の患者へのスタチンの使用を重視している。年齢40~75歳の3,416例で2つの適格基準を比較 研究グループは、米国の成人におけるASCVDの1次予防でのスタチン治療の適格基準に関して、USPSTFの2016年勧告とACC/AHAの2013年ガイドラインの比較を行った(デューク臨床研究所の助成による)。 2009~14年の米国国民健康栄養調査(NHANES)から、年齢40~75歳、総コレステロール(TC)値、LDL-C値、HDL-C値、収縮期血圧値のデータが入手可能で、トリグリセライド値≦400mg/dL、CVD(症候性の冠動脈疾患または虚血性脳卒中)の既往歴のない3,416例のデータを収集し、解析を行った。USPSTF勧告で15.8%、ACC/AHAガイドラインで24.3%増加 対象の年齢中央値は53歳(IQR:46~61)、53%が女性であった。21.5%(747例)が脂質低下薬の投与を受けていた。 USPSTF勧告を完全に当てはめると、スタチン治療を受ける集団が15.8%(95%信頼区間[CI]:14.0~17.5)増加した。これに対し、ACC/AHAガイドラインを完全に適用すると、スタチン治療の対象者は24.3%(22.3~26.3)増加した。 8.9%(95%CI:7.7~10.2)が、ACC/AHAガイドラインではスタチン治療が推奨されるが、USPSTF勧告では推奨されなかった。このうち55%が年齢40~59歳であった。この集団は、CVDの10年リスクの平均値は7.0%(6.5~7.5)と相対的に低かったが、30年リスクの平均値は34.6%(32.7~36.5)と高く、28%が糖尿病であった。

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