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宇宙飛行が脳に与える影響は?/NEJM

 宇宙飛行が、脳の解剖学的構造および髄液腔へ与える影響を、MRIを用いて調べる検討が、米国・サウスカロライナ医科大学のDonna R Roberts氏らにより行われた。同影響に関する情報が限られている中で、研究グループは宇宙飛行士の長・短期ミッション前後の脳を調査した。その結果、主に長期飛行後の宇宙飛行士で、脳の中心溝の狭小化および上方偏位と、頭頂部髄液腔の狭小化が、高頻度に認められたという。所見を踏まえて著者は、「地球帰還後の飛行後画像診断を繰り返し行うなど、さらなる調査を行い、これらの変化がどれくらいにわたるものなのか、また臨床的意味について確認する必要がある」と述べている。NEJM誌2017年11月2日号掲載の報告。長・短期飛行を担った宇宙飛行士の、飛行前後に撮影した脳MRIを比較 検討はMRIを用いて、国際宇宙ステーションに滞在し長期間のミッションをこなした宇宙飛行士(長期飛行群)18例、スペースシャトルプログラムに関与し短期間のミッションをこなした宇宙飛行士(短期飛行群)16例、それぞれの脳画像をミッション前後に撮影し比較を行った。画像読影者に、飛行期間は知らされなかった。 また、長期飛行群12例と短期飛行群6例の高解像度3次元画像を基に、飛行前後をペアとするシネMRIを作製し、髄液腔の狭小化と脳構造の偏位を評価した。 さらに、T1強調MRI画像の自動解析を用いて、飛行前後の脳室容積の比較も行った。 事前規定の主要解析の注視点は、中心溝の容積の変化、頭頂部髄液腔の容積の変化、脳の垂直偏位であった。長期飛行群で脳の狭小化、上方偏位、頭頂部髄液腔の狭小化が顕著に確認 平均飛行期間は、長期飛行群164.8日、短期飛行群13.6日であった。 脳の狭小化は、長期飛行群17/18例、短期飛行群3/16例で認められた(p<0.001)。 シネMRIを用いた評価では、脳の上方偏位が長期飛行群(12例)は全例に認められ、一方短期飛行群(6例)は全例で認められなかった。また頭頂部髄液腔の狭小化は、長期飛行群では全例(12例)に認められ、短期飛行群で認められたのは1/6例であった。 長期飛行群の3例が視神経乳頭浮腫と中心溝の狭小化を有していた。このうち入手できた1例のシネMRI評価では、脳の上方偏位が確認された。

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高齢者のPCI、短期DAPTでのDES vs.BMS/Lancet

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受ける高齢患者において、薬剤溶出ステント(DES)を用い抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)を短期間とする戦略は、ベアメタルステント(BMS)を用いDAPTを短期間とする戦略よりも予後は良好であり、全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中および虚血による標的病変血行再建の発生に関しては同程度であることが示された。フランス・パリ第5大学のOlivier Varenne氏らによる無作為化単盲検試験の結果で、Lancet誌オンライン版2017年10月31日号で発表された。高齢患者は通常、DAPTの継続を短縮するために、DESの代わりにBMSの留置を受ける。研究グループは、高齢患者においてDAPTを短期間とした場合の両ステント間のアウトカムを比較する検討を行った。DAPT投与期間を事前に計画し、DES群またはBMS群に無作為化 試験は9ヵ国、44ヵ所の医療施設から患者を集めて行われた。被験者は、75歳以上で安定狭心症、無症候性心筋虚血、急性冠症候群を有し、70%以上狭窄の冠動脈が1枝以上(左主幹部50%以上)でPCI適応とみなされる患者を適格とした。除外基準は、冠動脈バイパス術による心筋血管再生手術の適応、DAPTに対する忍容性・獲得性・順守性がない、追加手術の必要性、1年以内に生命を脅かす非心臓疾患の併存、出血性脳卒中の既往、アスピリンまたはP2Y12阻害薬に対するアレルギー、P2Y12阻害薬禁忌、左心筋10%未満の無症候性虚血で冠血流予備量比0.80以上であった。 DAPTの計画投与期間が記録された後(安定症状患者は1ヵ月間、不安定症状患者は6ヵ月間)、被験者は中央コンピュータシステムによって、DESまたはBMSを受ける群のいずれかに無作為に割り付けられた(試験施設および抗血小板薬で層別化も実施)。割り付けは単盲検(患者はマスキングなど)で行われたが、アウトカムの評価者はマスキングされた。 主要アウトカムは、intention-to-treat集団における1年時点の重大有害心・脳血管イベント(全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中、虚血による標的病変血行再建)の両群間の比較であった。イベント評価は、30日、180日、1年時点のそれぞれで行った。1年時点の主要複合エンドポイントの発生、DES群が有意に低下 2014年5月21日~2016年4月16日に、患者1,200例が無作為化を受けた(DES群596例[50%]、BMS群604例[50%])。被験者の平均年齢は81.4歳(SD 4.3)、男性が747例(62%)であった。全体的にプロファイルは典型的な高齢者ハイリスク患者であることを示し、高血圧(各群72%、81%)、高コレステロール血症(52%、53%)、心房細動(17%、18%)などを有していた。既往歴は、一部を除外すればほぼバランスが取れていた。DAPT投与計画は、1ヵ月投与が全体で57%(各群55%、59%)を占め、同計画群の90%が安定狭心症または無症候性虚血の患者で、DES群とBMS群で差はなかった。6ヵ月投与は、ベースラインで急性冠症候群が認められた患者が大半を占めた(83%)。試験期間中のアスピリン用量中央値は100mg(IQR:75~100)、プラスグレル投与患者の半数は5mg/日量であった。また、88%(1,057例)の患者のP2Y12阻害薬がクロピドグレルであった。 主要複合エンドポイントの発生は、DES群68例(12%)、BMS群98例(16%)で報告された(相対リスク[RR]:0.71、95%信頼区間[CI]:0.52~0.94、p=0.02)。 1年時点の出血合併症の発現頻度は両群ともにまれで、DES群26例(5%)vs.BMS群29例(5%)であった(RR:0.90、95%CI:0.51~1.54、p=0.68)。ステント血栓症の発現頻度も同様であった(3例[1%]vs.8例[1%]、RR:0.38、95%CI:0.00~1.48、p=0.13)。 結果を踏まえて著者は、「出血イベントのリスクを減らすための短期BMS様DAPTレジメンとともに、血行再建術の再発リスクを減らすためのDESとの組み合わせ戦略は、PCIを受ける高齢患者の魅力的な選択肢である」と述べている。

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卵円孔開存を閉じるまでの長い道のり(解説:香坂俊氏)-762

筆者が研修を行っていた時分(10年以上前)は、まさに心エコーで「卵円孔開存(PFO)を見つけよう!」という機運が盛り上がっていたところで、下図のように細かい空気泡を静脈に打ち込んでは、右房から左房に漏れないかどうか目を凝らして見ていた(細かい空気泡はよく超音波を反射するので、静脈系の血液が流れている様子がエコーでよく見えるようになる)。こうしたとき、時に患者さんに息こらえや咳をしてもらったりすると(胸腔内圧を上げる)、たまに空気泡がパラパラと左房側に漏れていき、「結構な患者さんで卵円孔は開存しているのだなぁ」と感銘を受けたことを覚えている。実際に統計をとってみると、実に4人に1人くらいで卵円孔は開存しているとされている。そして、これが開いているだけならまだよいのだが、たまに静脈側で発生した血栓等を通してしまい(通常は肺に行くはずが左心系に迷い込む)、脳梗塞を起こしたりするのが長らく問題だと考えられてきた。下図のように実際に血栓(赤色部)が開存した卵円孔に挟まっていたというような症例報告も多数なされている。その後、とくに若年者の脳梗塞の50%以上にPFOが併存しているとする報告がなされ、とくに若年者でPFOを打倒しようという機運が盛り上がった。その黎明期には、PFO患者にアスピリンやワルファリンを使ってもまったく脳梗塞の予防にもつながらず、カテーテルでPFOを閉じるデバイス(両端に傘がついたようなデバイス)が導入された後も、いまひとつその成績はぱっとしなかった(CLOSURE I、PC Trial、RESPECT)。しかしその後もデバイスの開発が進められ、適切なプロフィールの患者を選択するための方策が練られた。今回NEJMに掲載されたのは、そうした流れの中で行われた試験である(CLOSE、RESPECT extended、REDUCEの3試験の結果が同時掲載)。この3つの試験ではカテーテルによるPFO閉鎖による脳梗塞予防効果が見事に証明された。最も大きなポイントとしては、きちんと18歳から60歳という若年者を対象としたということのほかに、右左シャントの「大きさ」を規定したことではなかったか。これまでは少しでも空気泡が左房側に漏れればそれで「PFOだ!」としてきたが、今回はたとえばCLOSE試験では、右房が空気泡で満たされてから3心拍以内に30以上の空気泡が左房に認められた場合のみ閉鎖の適応としている。そのことを反映してか、これまでの試験よりも試験全体の脳梗塞の発症率が高くなっている(コントロール群で5%前後)。注意すべき点としては術後に肺塞栓(RESPECT extended)や心房細動(REDUCE)の頻度が若干増えるところだろうか? ただ、トータルで考えると今回の脳梗塞の「劇的」ともいえる予防効果(35~50%のイベント抑制効果)の前では閉鎖することのベネフィットのほうがほとんどのケースで高くなるものと考えられる。今後コストの問題等も合わせて検討されなくてはならないが、今回ようやく適切なPFO閉鎖というところに道筋がつけられたといえるのではないか?

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アストラゼネカ、epacadostatのIncyte社と肺がん臨床試験で連携

 AstraZeneca(本社:英国ロンドン、CEO:Pascal Soriot)と同社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門MedImmuneは2017年10月31日、Incyte社(本社:米国デラウェア州、CEO:Herve Hoppenot)との共同臨床開発を拡大すると発表した。 本契約の一環として両社は、同時化学放射線療法(CCRT)後に病勢進行が認められなかった切除不能の局所進行(Stage III)NSCLC患者を対象とする第III相試験を実施。アストラゼネカの抗PD-L1抗体durvalumabとIncyte社のIDO1酵素阻薬epacadostatの併用とdurvalumab単剤との有効性および安全性を評価する。患者登録は、2018年上半期から開始予定。 Stage III肺がんはNSCLCの罹患数の約3分の1を占めており、2016年には上位7ヵ国において約10万5,000人が罹患したと推定される。これらの患者の70%超は切除不能である。現在の標準治療はCCRTで、その後は進行の有無について注意深い経過観察が行われる。予後は依然として不良であり、長期生存率は低率である。 epacadostatは、開発中の強力かつ選択的なIDO1酵素の経口阻害薬。すでに、切除不能または転移メラノーマ、NSCLC、肝細胞がん、頭頸部扁平上皮がん、および膀胱がん患者を対象とする単群試験により、epacadostatと免疫チェックポイント阻害剤の併用療法の概念実証(Proof-of-Concept)が示されている。これらの試験において、CTLA-4阻害薬イピリムマブもしくはPD-1阻害薬ペムブロリズマブまたはニボルマブとepacadostatの併用療法は、免疫チェックポイント阻害剤単剤に比べて奏効率を改善することが示された。■参考AstraZeneca(グローバル)メディアリリース■関連記事epacadostat・ペムブロリズマブ併用で進行性メラノーマのPFSが12ヵ月に(ECHO-202試験)/ESMO2017

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小児攻撃性に対する抗精神病薬の効果~メタ解析

 小児における攻撃性や過敏性は、診断のさまざまな段階で認められ、経済的なコストおよび負の社会心理的アウトカムと関連している。このような場合、抗精神病薬が一般的に用いられる。米国・イェール大学のGerrit I van Schalkwyk氏らは、小児の攻撃性および過敏性に対する抗精神病薬の効果についてメタ解析を行った。Expert review of neurotherapeutics誌2017年10月号の報告。 14件の無作為化比較試験のランダム効果メタ解析を行った。攻撃性および過敏性に対する抗精神病薬の全体的なエフェクトサイズを算出した。診断指標、特定の薬剤、鎮静の程度によってサブグループ解析を行った。抗精神病薬の用量効果を調べるため、メタ回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・全体として、抗精神病薬は、攻撃性および過敏性の軽減に有効であった(SMD:0.74、95%CI:0.57~0.92、z=8.4、p<0.0001)。・層別サブグループ解析では、個々の抗精神病薬の有効性に違いは認められなかった(χ2=1.1、df=3、p=0.78)。・アリピプラゾールおよびリスペリドンは、プラセボよりも有意なベネフィットを有していた。・抗精神病薬の効果には、診断指標に基づく有意な違いは認められなかった(χ2=4.2、df=4、p=0.39)。・メタ回帰分析では、全体的な用量効果は認められなかった。 著者らは「臨床データでは、攻撃性および過敏性に対するアリピプラゾール、リスペリドンの効果が認められた。他の薬剤では、利用可能なデータが不十分であった。根本的な診断、薬剤の選択もしくはその鎮静作用の程度に基づく効果の違いは、利用可能なデータでは認められなかった」としている。■関連記事小児不安症に効果的な治療は日本人自閉スペクトラム症に対するアリピプラゾールの長期効果はたった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

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O型女性は胃十二指腸潰瘍リスクが高い~日本ナースヘルス研究

 ABO式血液型でO型の日本人女性は、他の血液型の女性よりも胃十二指腸潰瘍の発症リスクが有意に高いことが、群馬大学のLobna Alkebsi氏らの研究により明らかになった。また、1955年以前に出生した群は、それ以降に出生した群よりも高リスクであった。Journal of epidemiology誌オンライン版2017年10月28日号の報告。 血液型Oが消化性潰瘍リスク上昇と関連するという報告があるが、日本人対象の調査はほとんどない。そのため、著者らは、日本人女性の大規模コホート研究である日本ナースヘルス研究※(n=15,019)の前向き/後ろ向きデータ両方を用いて分析を行い、ABO式血液型と胃十二指腸潰瘍発症リスクとの関連性を調査した。胃十二指腸潰瘍発症リスクに対するABO式血液型の影響は、Cox回帰分析を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・血液型Oの女性は、それ以外の血液型(A、B、AB)の女性と比較して、出生時から胃十二指腸潰瘍の発症リスクが有意に高かった(多変量調整ハザード比 1.18、95%CI:1.04~1.34)。・血液型Oで1955年以前に出生した女性は、それ以降に出生した女性よりも、胃十二指腸潰瘍の累積発生率が高かった。 1955年以前群:多変量調整ハザード比 1.22、95%CI 1.00~1.49 1956年以降群:多変量調整ハザード比 1.15、95%CI 0.98~1.35※日本ナースヘルス研究(JNHS:Japan Nurses' Health Study) 女性の健康増進に役立てるため、日本の女性看護職員を対象に、生活習慣や女性ホルモン剤の利用が健康にどのような影響を及ぼすかを研究している。

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dacomitinibによるEGFR変異肺がん1次治療のサブグループ解析:ARCHER 1050/WCLC2017

 ARCHER1050試験は、EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療において第2世代EGFR-TKIのdacomitinibと第1世代TKIゲフィチニブを比較した第III相試験である。対象はStage IIIB~IVのEGFR変異陽性再発NSCLC患者452例で、主要評価項目はIRCレビューによる無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目はIRCおよび治験担当医の評価による全生存期間および客観的奏効率(ORR)である。 既報では、IRC評価のPFSは、dacomitinib群14.7ヵ月に対し、ゲフィチニブ群9.2ヵ月と、dacomitinib群で有意に延長している(p<0.0001)。横浜で開催された第18回世界肺学会(WCLC)では、EGFR変異サブタイプによって層別化した前向きサブグループ解析の結果を、中国・Guangdong Lung Cancer InstituteのYi-Long Wu氏が発表した。 結果、exon19delにおけるPFSはdacomitinib群16.5ヵ月(11.3~18.4)、ゲフィチニブ群9.2ヵ月(9.1~11.0)と、dacomitinib群で有意に長かった(HR:0.55、95%CI:0.41~0.75、p<0.0001)。ORRはdacomitinib群76.1%(68.0~83.1)、ゲフィチニブ群69.9%(61.4~77.6)であった(p=0.1271)。奏効期間(DOR)はdacomitinib群15.6ヵ月(13.1~19.6)、ゲフィチニブ群8.3ヵ月(7.9~10.1)と、dacomitinib群で有意に長かった(HR:0.454、95%CI:0.319~0.645)、p<0.0001)。 L858R変異におけるPFSはdacomitinib群12.3ヵ月(9.2~16.0)、ゲフィチニブ群9.8ヵ月(7.6~11.1)、とdacomitinib群で有意に長かった(HR:0.63、95%CI:0.44~0.88、p=0.0034)。ORRはdacomitinib群73.1%(62.9~81.8)、ゲフィチニブ群73.9%(63.7~82.5)であった(p=0.5487)。DORはdacomitinib群13.7ヵ月(9.2~17.4)、ゲフィチニブ群7.5ヵ月(6.5~10.2)と、dacomitinib群で有意に長かった(HR:0.403、95%CI:0.267~0.607、p<0.0001)。■参考ARCHER1050試験(Clinical Trials.gov)■関連記事dacomitinib、EGFR変異陽性肺がん1次治療の成績発表:ARCHER1050試験/ASCO2017

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心原性ショックを伴う急性心筋梗塞、まずは責任病変のPCIを/NEJM

 心原性ショックを伴う多枝病変の急性心筋梗塞(AMI)患者において、同時多枝経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を実施した患者よりも、最初に責任病変のみにPCIを実施した患者のほうが、死亡または腎代替療法につながる重症腎不全の30日複合リスクが低かった。ドイツ・ライプチヒ大学病院のHolger Thiele氏らが、CULPLIT-SHOCK試験の結果を報告した。心原性ショックを伴うAMI患者では、PCIによる責任動脈の早期血行再建が予後を改善するが、心原性ショック状態の患者の多くは多枝病変を有しており、非責任動脈の狭窄に対してPCIをただちに行うかどうかについては、なお議論の的となっていた。NEJM誌オンライン版2017年10月30日号掲載の報告。AMI患者約700例を、責任病変単独PCI群と多枝PCI群に無作為化 CULPLIT-SHOCK試験(Culprit Lesion Only PCI versus Multivessel PCI in Cardiogenic Shock trial)は、欧州で行われた多施設共同無作為化非盲検試験である。対象は心原性ショックを伴う多枝病変のAMI患者706例で、責任病変のみにPCIを施行する責任病変単独PCI群(段階的に非責任病変の血行再建術も行う選択肢を伴う)と、責任病変と同時に非責任病変に対してもPCIを施行する多枝PCI群に無作為に割り付けた。 主要エンドポイントは、無作為化後30日以内の死亡または腎代替療法を要する重症腎不全の複合で、安全性エンドポイントは、出血(BARC出血基準でタイプ2・3・5)および脳卒中などとした。intention-to-treat解析を行い、カイ2乗検定を用いて事象発生率を比較した。責任病変単独PCI群で死亡/重症腎不全リスクが17%減少 30日時点で、主要複合エンドポイントは、責任病変単独PCI群344例中158例(45.9%)、多枝PCI群341例中189例(55.4%)に認められた(相対リスク:0.83、95%信頼区間[CI]:0.71~0.96、p=0.01)。多枝PCI群に対する責任病変単独PCI群の死亡の相対リスクは0.84(95%CI:0.72~0.98、p=0.03)で、腎代替療法の相対リスクは0.71(95%CI:0.49~1.03、p=0.07)であった。 血行動態安定までの期間、カテコラミン療法のリスクとその期間、トロポニンT値、クレアチニンキナーゼ値、および出血/脳卒中の発生率に関しては、両群間で有意差は確認されなかった。 著者は研究の限界として、非盲検試験であり、最終同意を得られず評価できなかった患者がいたこと、割り付けられた治療から他の治療に変更した患者が75例いたことなどを挙げている。

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クローン病のタイトコントロールは有益/Lancet

 中等症~重症の早期クローン病患者において、臨床症状とバイオマーカーの組み合わせに基づく抗腫瘍壊死因子療法の適時escalation戦略は、症状のみで治療方針を決定するよりも、臨床的および内視鏡的アウトカムを改善することが示された。米国・マウントサイナイ医科大学のJean-Frederic Colombel氏らが、22ヵ国74施設で実施した無作為化第III相試験「CALM試験」の結果を報告した。便中カルプロテクチン(FC)やC反応性蛋白(CRP)など腸炎症のバイオマーカーは、クローン病患者のモニタリングに推奨されてきたが、これらを用いた治療方針の決定がクローン病患者の予後を改善するかどうかは不明であった。Lancet誌オンライン版2017年10月31日号掲載の報告。臨床症状+バイオマーカーに基づくクローン病の治療決定の有効性を評価 CALM試験の対象は、内視鏡的活動期(クローン病内視鏡的活動指数[CDEIS]>6、1つ以上の区域でのCDEISサブスコア合計>6、ベースラインのprednisone投与量に応じたクローン病活動指数[CDAI]150~450、免疫調整薬や生物学的製剤の治療歴がない)にある18~75歳の中等症~重症クローン病患者で、タイトコントロール群または標準コントロール群に1対1の割合で無作為に割り付けられた(喫煙状況、体重および罹患期間で層別化)。割り付け時期は、prednisone導入療法8週後、または疾患活動期の場合は早期に導入とした。 両群とも治療は、未治療→アダリムマブ導入→アダリムマブ隔週→アダリムマブ毎週→アダリムマブ毎週+アザチオプリン2.5mg/kg/日の連日投与へ、段階的に増量さらに免疫調整剤との併用療法を行った。このescalation戦略は、治療失敗基準(treatment failure criteria)に基づき両群で異なった。タイトコントロール群は、便中カルプロテクチン≧250μg/g、CRP≧5mg/L、CDAI≧150、または前週のprednisone使用に基づき、標準コントロール群は、ベースライン時と比較したCDAI減少<100点/CDAI≧200、または前週のprednisone使用に基づいた。また、アダリムマブ毎週+アザチオプリン投与、もしくはアダリムマブ単独を毎週投与の患者で、治療失敗基準を満たさない場合はde-escalation(いずれもアダリムマブ投与を毎週→隔週に)が可とした。 主要エンドポイントは、無作為化後48週間の深部潰瘍を伴わない粘膜治癒(CDEIS<4)とし、intention-to-treat解析にて評価した。クローン病のタイトコントロール群で粘膜治癒率は改善、有害事象は有意差なし 2011年2月11日~2016年11月3日の期間に、244例(平均[±SD]罹患期間:標準コントロール群0.9±1.7年、タイトコントロール群1.0±2.3年)が登録され、両群に122例ずつ無作為に割り付けられた。標準コントロール群29例(24%)およびタイトコントロール群32例(26%)が、有害事象等により試験を中断した。 48週時に深部潰瘍を伴わない粘膜治癒(CDEIS<4)に達した患者の割合は、タイトコントロール群が標準コントロール群よりも有意に高かった(56例[46%]vs.37例[30%])。Cochran-Mantel-Haenszel検定法を用いた補正後リスク差は16.1%(95%信頼区間[CI]:3.9~28.3、p=0.010)であった。 治療関連有害事象は、タイトコントロール群で105例(86%)、標準コントロール群で100例(82%)に認められた。治療関連死は発生しなかった。主な有害事象は、タイトコントロール群では悪心21例(17%)、鼻咽頭炎18例(15%)、頭痛18例(15%)、標準コントロール群ではクローン病の悪化35例(29%)、関節痛19例(16%)、鼻咽頭炎18例(15%)であった。 著者は、「CALM試験は、早期クローン病患者において、臨床症状とバイオマーカーの組み合わせに基づく抗腫瘍壊死因子療法の適時escalationが、症状のみの治療方針の決定よりも、良好な臨床的および内視鏡的アウトカムに結び付くことを示した初の試験である。さらなる試験を行い、腸損傷、手術、入院、障害などの長期アウトカムへの適時escalation治療戦略の効果を評価する必要がある」とまとめている。

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日本初の抗PD-L1抗体アベルマブ、他の抗体との違いも

 抗PD-L1抗体として日本で初めて、アベルマブ(商品名:バベンチオ)が9月27日に承認された。アベルマブは、今回承認されたメルケル細胞がん(MCC)以外に、胃がん、非小細胞肺がん、頭頸部がん、腎細胞がん、尿路上皮がん、リンパ腫、固形がんに対して、国内で臨床試験を実施している。11月6日、共同開発を進めるメルクセローノ株式会社とファイザー株式会社によるプレスセミナーが開催され、西川 博嘉氏(国立がん研究センター研究所腫瘍免疫研究分野/先端医療開発センター免疫トランスレーショナルリサーチ分野 分野長)と山﨑 直也氏(国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科 科長)が講演した。アベルマブは他の抗PD-L1抗体にはないプラスαがある可能性 抗PD-L1抗体と抗PD-1抗体の抗腫瘍効果は、T細胞活性化を調節する免疫チェックポイント経路の1つであるPD-L1/PD-1経路の阻害による。がん細胞は免疫から逃れるために、PD-L1を発現しT細胞のPD-1に結合することによって、T細胞活性化を抑制する。そこで、抗PD-L1抗体はがん細胞のPD-L1に、抗PD-1抗体はT細胞のPD-1に結合することによって、PD-L1 とPD-1の結合を阻害してT細胞を活性化し、抗腫瘍効果を発揮する。 抗PD-1抗体としては、すでにニボルマブとペムブロリズマブが承認されているが、抗PD-L1抗体ではアベルマブが国内で初めて承認された。現在、アベルマブ以外の抗PD-L1抗体はatezolizumab、durvalumabが開発されているが、西川氏によると、アベルマブは他の2剤とは異なるという。すなわち、アベルマブはヒト化IgG1抗PD-L1モノクローナル抗体(他の2剤はIgG4)であり、がん細胞のPD-L1に結合したアベルマブに、NK細胞やマクロファージのFc受容体が結合することによってがん細胞を直接攻撃するADCC(抗体依存性細胞傷害)活性があることがマウスで認められているという。西川氏は「このようなプラスαの作用があることがヒトではいいのかどうか、今後の臨床データ次第ではあるが注目すべき点だ」と述べた。アベルマブは標準治療がなかったMCCに対する初めての治療薬 今回承認されたMCCは、米国では2006年の新規患者が約1,600人で、10年で2倍に増加している。わが国の年間新規患者は100人前後と推定され、山﨑氏によると「国立がん研究センターにおける今年の新規患者は月に1人くらい」だという。 MCCは悪性度の高い皮膚がんの1つで、遠隔転移症例では1~2年以内に死亡する。進行期における標準治療は確立されておらず、従来の化学療法(プラチナ製剤±エトポシド)による1次治療の奏効率は55%である。しかし、いったん小さくなってもすぐに無効となるため、奏効期間(DOR)中央値は約3ヵ月で非常に短かったと山﨑氏は説明した。一方、アベルマブによる臨床試験成績は、転移MCCに対する1次治療のコホートの中間解析時の奏効率が62.5%、2次治療以降のコホートでは、奏効率31.8%、6ヵ月奏効持続率93%、12ヵ月奏効持続率74%と、効果が持続することを強調した。 山﨑氏はアベルマブを「進行が速く予後不良ながんでありながら承認薬剤がなかったMCCに初めて標準治療薬が承認され、その効果も高い」と評価し、さらに今後、術後再発予防として使用できる可能性についても期待を示した。

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高齢者の敵【Dr. 中島の 新・徒然草】(195)

百九十五の段 高齢者の敵先日のこと。高齢の女性患者さんが診察室に入ってくるなり御主人の愚痴を言い始めました。患者「主人は全然私の言う事を聞かずに、すぐ怒鳴るのよ!」中島「そうなんですか」患者「タバコなんか1日100本ぐらい吸うし」中島「困った人ですね、それは」この辺までは適当な相槌を打っていました。患者「でもね、すぐに色々なものを買ってね」中島「それ、ちょっとマズイんじゃないですか?」患者「通販で何でも買うし。この前なんかクーリングオフで何とか送り返したんやけどね」中島「あらら」よく聞く話です。亡くなった高齢者の家には通販で買った健康器具とか、封も開けていない健康食品とか、そんなものが一杯だったとか。中島「奥さんにガミガミ言われた後で通販の担当者に優しく商品を薦められたら、つい買ってしまうのかもしれませんね」患者「私が言ったら怒り出すのよ!」中島「奥さんの言うことこそよくきいて、セールスマンには騙されないようにしないと」患者「そうよ。この前も店の人に薦められて漬物を3キロも買って帰ってきて」中島「そんな! 漬物3キロなんか食べられへんがな」患者「すぐに返品したわよ、そんなもの」中島「主婦はたくましい!」そういや私も親戚の叔母さんが亡くなったときに、袖を通していない洋服が山ほど出てきたのを思い出しました。もちろん遺族が速攻で捨ててしまいましたけど。もしかすると、高齢者にはオレオレ詐欺よりも通販の方が危ないのかもしれません。そういや私もアマゾンでの買い物が大好きです。まず自分が注意した方が良さそうですね。最後に1句お年寄り 敵は優しい 語り口

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米国のうつ病、どのような患者で増加しているか

 うつ病は、重大な疾患、有病率、死亡率に関連している。米国・イェシーバー大学のA. H. Weinberger氏らは、2005~15年までの米国におけるうつ病の有病率を推定し、人口統計学的サブグループにより分析を行った。Psychological medicine誌オンライン版2017年10月12日号の報告。 12歳以上の米国人(全分析サンプル:60万7,520例)を対象とした、年1回の横断研究であるNSDUH(National Survey on Drug Use and Health)のデータを用いた。過去のうつ病有病率は、2005~15年の回答者の中から毎年調査した。調査年別に層別化されたうつ病の有病率における時間傾向は、ロジスティック回帰を用いて調べた。年齢、性別、人種や民族、所得、教育によりデータを層別化し、再分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・2005~15年にかけて、米国におけるうつ病の有病率は、人口統計学的に調整した前と後で有意に増加していた。・最年少群、最年長群、男性、女性、非ヒスパニック系白人、最低所得群、最高教育群、最高所得群において、うつ病の有意な増加が認められた。・年と人口統計との間の有意な相互作用は、年齢において発見された。・若者のうつ病の増加率は、すべての高齢者群と比べて有意に急速であった。 著者らは「米国におけるうつ病の有病率は、2005~15年にかけて有意に増加していた。若者のうつ病増加率は、高齢者群と比べて有意に急速であった。人口統計学的サブグループに特有の要因を含む、マクロレベル、ミクロレベルおよびうつ病の増加に起因する個々の要因を理解するためのさらなる研究は、公衆衛生予防および介入方法を明らかにするうえで役立つであろう」としている。■関連記事たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能なぜ、フィンランドの認知症死亡率は世界一高いのか米国の認知症有病率が低下、その要因は

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失明や視力障害が世界的に増加の見込み、原因は?

 世界的な失明/視力障害の主たる原因は、白内障および屈折異常であり、これらの患者数は世界人口の増加と高齢化により著しく増加していることが、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのSeth R. Flaxman氏らによるメタ解析で明らかとなった。白内障は手術で、屈折異常は矯正用眼鏡で回復可能である。著者は、「アイケアの提供を拡大して患者の増加に対処し、回避可能な失明に対して取り組む必要がある」とまとめている。Lancet Global Health誌オンライン版2017年10月10日号掲載の報告。世界の失明者3,600万人の主な原因は白内障で1,260万人 研究グループは、公衆衛生の政策を策定するうえで重要となる失明/視力障害の原因について明らかにし、2020年までの予測を立てるため、視力障害および失明の原因に関する世界の地域住民ベースの研究(1980~2014年における発表/未発表)データのシステマティックレビューとメタ解析を行った。MEDLINE、Embase、WHO Library Databaseにて、2014年7月8日以前に発表された地域住民ベースの研究を、言語を問わず検索し特定した。 回帰モデルを用い、中等度~重度視力障害(視力0.05以上0.3未満と定義)および失明(視力0.05未満)の割合を、原因、年齢、地域および年別に推定した。 世界的な失明/視力障害の原因を解析した主な結果は以下のとおり。・世界98ヵ国からのデータが集約された288件の研究(参加者398万3,541例)が組み込まれた。・2015年の推定中等度~重度視力障害者数は世界で2億1,660万人(80%不確定性区間[UI]:9,850万~3億5,910万)で、その主な原因は、未矯正の屈折異常1億1,630万人(80%UI:4,940万~2億210万)、白内障5,260万人(1,820万~1億960万)、加齢黄斑変性840万人(90万~2,950万)、緑内障400万人(60万~1,330万)、糖尿病性網膜症260万人(20万~990万)であった。・2015年の推定失明者数は世界で3,600万人(80%UI:1,290万~6,540万)で、その主な原因は、白内障1,260万人(80%UI:340万~2,870万)、未矯正の屈折異常740万人(240万~1,480万)、緑内障290万人(40万~990万)であった。・2020年には、中等度~重度視力障害者数が世界で2億3,710万人(80%UI:1億150万~3億9,900万)、このうち未矯正の屈折異常が1億2,770万人(5,100万~2億2,530万)、白内障5,710万人(1,790万~1億2,410万)、加齢黄斑変性880万人(80万~3,210万)、緑内障450万人(50万~1,540万)、糖尿病性網膜症320万人(20万~1,290万)に増加すると予想された。・同様に失明者数は2020年には世界で3,850万人(80%UI:1,320万~7,090万)、そのうち白内障が1,340万人(330万~3,160万)、未矯正の屈折異常800万人(250万~1,630万)、緑内障320万人(40万~1,100万)に増加すると予想された。・白内障と未矯正の屈折異常で、2015年の50歳以上における失明者の55%を、また中等度~重度視力障害者の77%を占めていた。・50歳以上の失明/視力障害者の原因は、世界の国/地域によって大きく異なっており、高所得地域では白内障は失明の22%未満、視力障害の14.1~15.9%と低く、加齢黄斑変性が失明の14%超と高かった。・2015年の全年齢層で、糖尿病性網膜症(オッズ比[OR]:2.52、80%UI:1.48~3.73)および白内障(OR:1.21、80%UI:1.17~1.25)による失明/視力障害は男性より女性に多く、一方、緑内障(OR:0.71、80%UI:0.57~0.86)および角膜混濁(OR:0.54、80%UI:0.43~0.66)による失明/視力障害は女性より男性で多く、加齢黄斑変性については男女で差はなかった(OR:0.91、80%UI:0.70~1.14)。

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米医学誌の編集委員医師、半数が企業から金銭/BMJ

 米国で影響力の大きい医学雑誌52誌の編集委員医師のうち、2014年に製薬企業などから何らかの金銭を受け取った委員は約半数を占め、また研究費を受け取った委員は約2割いたことなどが明らかにされた。カナダ・トロント大学のJessica J. Liu氏らが、米国メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)が公表している、製薬企業などから医師への支払いに関するデータベースUS Open Paymentsを基に、後ろ向き観察試験を行って明らかにしたもので、BMJ誌2017年10月26日号で発表された。713人の編集委員について調査 研究グループは、26の医学専門領域で影響力が大きい米国で発行の52誌において、発行人欄に名前のある編集委員以上の医師713人を対象に、製薬企業などとの金銭授受について調査を行った。 金銭の提供を受けた医師の割合や、その金額について、個々の医学誌、また専門領域ごとに分析・比較した。一般費の平均は約2万8,000ドル、研究費の平均は約3万8,000ドル 調査対象となった編集委員医師713人中、2014年に製薬企業などからコンサルティング料や講演料、食費、旅費などの一般費(general payments)の提供を受けたのは、約半数の361人(50.6%)だった。また、患者の臨床試験への参加コーディネート料などとして研究費(research payment)の提供を受けた編集委員医師は139人(19.5%)だった。 一般費の1人当たり中央値は、11ドル(四分位範囲:0~2,923)で、研究費の1人当たり中央値は0ドル(同:0~0)だった。また、一般費の1人当たり平均値は、2万8,136ドル(SD:41万5,045)で、研究費の1人当たり平均値は3万7,963ドル(SD:17万5,239)だった。 一般費の提供を最も多く受けていたのは、内分泌学の編集委員医師で、その中央値は7,207ドル(四分位範囲:0~8万5,816)、次いで心臓病学が2,664ドル(同:0~1万2,912)、消化器病学696ドル(同:0~2万2)、リウマチ病学515ドル(同:0~1万4,280)、泌尿器学480ドル(同:90~669)と続いた。総合医科学で影響力の大きい医学誌の編集委員医師が企業から受け取った金額の中央値は、0ドル(同:0~14)だった。 また、52誌のウェブサイトを調べたところ、編集委員の利害の対立に関する方針の記載へ速やかに(たとえば5分以内に)アクセス可能だったのは、17誌(32.7%)にとどまった。 研究グループは、「医学誌編集委員医師へ製薬企業などが金銭を支払うことは一般的に行われており、とくに特定の専門領域については多額の支払いがしばしば認められる」と述べ、「医学誌はそうした金銭の授受が、発表論文に対する読者の信頼へ及ぼす、潜在的影響について熟慮すべきだ」と指摘している。

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大動脈弁置換術、午後のほうが成績よい?/Lancet

 大動脈弁置換術を受ける患者について調べたところ、手術を午後に行った患者のほうが午前に行った患者に比べ、心血管死や心筋梗塞などの主要有害心血管イベントの発生リスクが低かった。この現象には時計遺伝子発現の日内変動が関与しており、核内受容体Rev-Erbαアンタゴニストが、心保護の薬理学的戦略となりえることが示唆されたという。フランス・リール大学のDavid Montaigne氏らが、観察試験と無作為化比較試験、および生体外心筋モデルなどを用いた前臨床試験の結果、明らかにした。on-pump心臓手術が、周術期心筋虚血-再灌流傷害を引き起こすことはあらかじめわかっているが、臨床的アウトカムとの関連性についてはほとんどわかっていない。研究グループは、大動脈弁置換術を受ける患者の周術期心筋障害の発生について日内変動があるのか、またその分子機構を明らかにする検討を行った。Lancet誌オンライン版2017年10月26日号掲載の報告。観察試験と無作為化試験、心筋モデル試験で評価 研究グループは2009年1月1日~2015年12月31日にかけて、重度大動脈弁狭窄があり左室駆出率(LVEF)が50%超に保持され、リール大学に紹介されて大動脈弁置換術を受けた連続患者を対象に、前向き観察試験を行った。被験者は、傾向スコアでマッチングを行った596例(午前に手術298例、午後に手術298例)だった。 また、2016年1月1日~2017年2月28日にかけて、大動脈弁狭窄で大動脈弁置換術を実施予定の患者88例を対象に無作為化試験を行った。手術を午前に行う群(44例)と午後に行う群(44例)に無作為に割り付け、周術期心筋障害の検査と心筋サンプル採取を行い評価した。 さらに、生体外(ex vivo)低酸素・再酸素化モデルでヒトおよびマウス心筋を評価し、無作為化試験被験者の心筋サンプルについてトランスクリプトーム解析を行い、関連するシグナル経路の特定を試みた。 試験の主要目的は、大動脈弁置換術を受けた時間(午前または午後)による、虚血-再灌流の心筋耐性が異なるのか、主要有害心血管イベント(心血管死、心筋梗塞、急性心不全による入院)の発生により評価することだった。周術期心筋トロポニンT放出幾何平均値、午後群は午前群の8割 前向き観察試験において、術後500日の追跡期間中、主要有害心血管イベントの発生率は、午後群が午前群に比べ有意に低かった(ハザード比:0.50、95%信頼区間[CI]:0.32~0.77、p=0.0021)。 無作為化試験では、周術期心筋トロポニンT放出幾何平均値は、午後群が午前群に比べ有意に低かった(午後群の午前群に対する推定幾何平均値比:0.79、95%CI:0.68~0.93、p=0.0045)。 ヒト心筋ex vivo解析では、低酸素・再酸素化耐性が午前と午後で変動すること、および核内受容体Rev-Erbαの時計遺伝子発現の転写が午前中に最大になることが示された。 また、低酸素・再酸素化により心筋障害を起こしたランゲンドルフ・マウスモデルの検討で、Rev-Erbα遺伝子欠失またはアンタゴニストによる治療により、虚血・再灌流修復因子CDKN1a/p21の発現が増加し、睡眠・覚醒移行期の損傷が減ることが示された。

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腸チフスにおける蛋白結合型ワクチンの有効性-細菌摂取による感染モデルでの検討(解説:板倉泰朋氏)-761

 腸チフスは南アジアやサハラ以南アフリカなど、上下水道の設備が不十分な途上国を中心に流行を認めている疾患である。世界では小児を中心に年間2,000万人以上が罹患し、死亡者は20万人に及んでいる。日本においてここ数年は年間40~60例ほどの届け出がなされ、輸入例が多くを占めている。 現在、米国などで承認されている腸チフスワクチンとしては、経口弱毒生ワクチンであるTy21aとVi抗原に対する莢膜多糖体ワクチンの2つがある。ただし、いずれのワクチンも疾患感受性の高い2歳未満の小児への利用ができないことが問題だった。その理由は、生ワクチンはカプセル状で5歳未満の小児は内服が難しいためであり、莢膜多糖体ワクチンは2歳以下の小児での免疫原性が十分でなく、推奨できないためである。 2歳未満の小児への免疫原性を高めた蛋白結合型ワクチンとして、2001年にVi-rEPA(Vi-recombinant Pseudomonas aeruginosa exotoxin)の報告がなされ、2~5歳の小児に89%の有効性を示した。その後、蛋白結合型ワクチンの大規模試験がWHOの承認を得るべく計画されたものの、報告がない状況であった。 本研究は、英国在住の健常成人において、腸チフスに対する蛋白結合型ワクチンの安全性と有効性を調査した第IIb相のランダム化比較試験である。T細胞依存性の蛋白結合型ワクチン(Vi-tetanus toxoid:Vi-TT)群、莢膜多糖体ワクチン(Vi-polysaccharide:Vi-PS)群、コントロール群の3群に分け、ワクチン接種後、腸チフス菌の経口摂取を行い、ワクチンの予防効果を発症群と非発症群で比較した。 結果として、腸チフスの発症を菌血症または12時間以上の遷延する発熱と定義した場合、コントロール群での発症率は77%であった。Vi-TT群、Vi-PS群の発症率はともに35%であり、効果はVi-TT群54.6%(95%CI:26.8~71.8)、Vi-PS群52.0%(95%CI:23.2~70.0)とほぼ同等であった。SeroconversionはVi-TT群で100%、Vi-PS群で88.6%であり、抗体価もVi-TT群で高く、臨床的にもVi-TT群でより軽症となる傾向がみられた。重大な有害事象とワクチン接種との関連はなく、Vi-TTは今までのワクチンと同程度で安全に使用できると考えられた。 薬剤耐性への取り組みは世界的な課題となっているが、市販で抗菌薬を入手できる国々での過剰使用が、耐性菌発生の重要な要因となっている。実際、腸チフスでも、フルオロキノロン系抗菌薬への耐性が進んでいる。ワクチンによる予防で抗菌薬使用量を削減することは、薬剤耐性への取り組みの一環としても期待が大きい。 国内では、腸チフスワクチンの接種は流行地への渡航に際し推奨されているが、認可されたワクチン製剤はないため、輸入ワクチンを用いている。国内での使用機会は限られているが、世界的な普及に伴い流行地での罹患率の減少、ひいては薬剤耐性菌減少につながる。回りまわってその恩恵は国境を越えて全世界で享受されるだろう。さらなる蛋白結合型ワクチンに関する大規模試験での報告と今後の実地での利用拡大に期待したい。■参考「IASR(病原微生物検出情報)」 国立感染症研究所ホームページ

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EGFR-TKI耐性のNSCLCにおけるオシメルチニブ+savolitinibの成績:TATTON/WCLC2017

 EGFR-TKI治療で進行するNSCLC患者の約22%は、MET増幅または他のMETベースの耐性機構を有するとされる。MET増幅はまた、オシメルチニブの耐性獲得後にも多くみられる。METおよびEGFR阻害薬の組み合わせは有効な治療アプローチになると期待される。 MET陽性のEGFR変異陽性NSCLC患者における、オシルチニブとMET-TKI savolitinibの併用を評価した第I相b試験TATTONの用量漸増コホートでは、この併用が許容可能な安全性プロファイルと有効性を有していることを示した。横浜市で開催された第18回世界肺会議(WCLC)では、TATTONの拡張コホートにおけるオシメルチニブとsavolitinib併用の安全性および抗腫瘍活性の中間解析が、韓国・Samsung Medical CenterのMyung-Ju Ahn氏により発表された。 対象患者は、1回以上のEGFR-TKI治療を受けてPDとなった局所進行または転移性のEGFR変異陽性NSCLCで、MET陽性(蛍光in-situハイブリダイゼーション、MET geneコピー5以上またはMET/CEP7比2以上)の患者(18歳以上、WHO PS0~1)。主要評価項目は安全性と忍容性、副次評価項目は抗腫瘍活性(奏効率、奏効期間、腫瘍縮小サイズ)および薬物動態である。 データカットオフ時(2017年4月15日)、T790M陽性で第3世代EGFR-TKIの治療を受けた患者30例、T790M陽性で第3世代EGFR-TKI以外の前治療を受けた患者12例、T790M陰性で第3世代EGFR-TKI以外の前治療を受けた患者24例が登録され、オシメルチニブ80mg/日とsavolitinib 600mg/日の投与受けた。ベースラインでの患者の年齢中央値は58歳、女性が58%、アジア人が86%であった。 全Gradeの有害事象(AE)は92%に発現した(Grade2以下41%、3以上50%)。頻度の高い項目は、悪心44%、嘔吐35%、食欲不振30%、疲労30%、皮疹23%などであった。 中央評価でMET陽性の47例の中間解析の奏効率(ORR)は、全体で40%(19/47例)、T790M陽性で第3世代EGFR-TKI前治療群のORRは28%(7例/25例)、T790M陽性で第3世代EGFR-TKI以外の前治療群のORRは57%(4/7例)、T790M陰性で第3世代EGFR-TKI以外の前治療群のORRは57%(8/15例)であった。施設評価も含めた全MET陽性の64例のORRは、全体で47%(30/67例)、T790M陽性で第3世代EGFR-TKI前治療群のORRは33%(10/30例)、T790M陽性で第3世代EGFR-TKI以外の前治療群のORRは55%(6/11例)、T790M陰性で第3世代EGFR-TKI以外の前治療群のORRは61%(14/23例)であった。 savolitinibとオシメルチニブ併用の安全性プロファイルは以前の報告と一致していた。また、この併用は前治療における第3世代TKIの使用、および耐性後のT790M変異の状況を問わず、期待できる抗腫瘍効果をMET陽性患者で示した。

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資産形成、目標や目的を明確に【医師のためのお金の話】第2回

資産形成、目標や目的を明確にこんにちは、自由気ままな整形外科医です。前回は、資産形成の第一歩はタネ銭から始まることを説明しました。すでに、本多 静六博士を見習って「給与天引き貯金」を始めた方もいるかもしれませんね。さて、「給与天引き貯金」を始めてみたものの、ただ盲目的に行っているだけでは挫折する可能性が高いです。やはり長期にわたって継続していくには、目標を設定することや、何を目的に資産を作るのかを考えておく必要があります。タネ銭の目標金額は1,000万円繰り返しますが、資産形成の第一歩は「タネ銭を貯める」ことです。そして、まずクリアするべき金額は「1,000万円」だと考えています。一般的に1,000万円は高い壁ですが、物理的に乗り越えることが不可能なほど高い金額ではありません。多くの医師の年収は、1,000万円を超えています。もちろん、実際に貯蓄することのできる可処分所得は、額面の年収よりもかなり低いです。しかし、意識の持ち方次第で、乗り越えることは十分に可能な金額だと考えています。医師としての目標は?夢を持って医学を志したものの、実際の医療現場に身を置くと、当初の夢や目標は変化していくものです。あなたの医師としての目標は何でしょうか? 医師のキャリアプランを考えるうえで、卒後7~10年目は1つの節目になると思います。65歳まで働くと仮定しても、第一線でがんばれるのは50代半ばまでであることが多いです。そこから逆算すると、30代半ばには医師としての目標を掲げておく必要があります。勤務医として臨床で腕を振るうのか、開業して地域医療に貢献するのか、それとも大学に残って研究者を目指すのか…。資産形成と医師のキャリアプランは一見、無関係にみえますが、実は密接に絡み合っています。研究者や大学教員としてやっていくには、経済的な基盤が必要なのです。自分の置かれている状況を客観的に観察したうえで、本当に実現可能なキャリアプランなのかを冷静に判断する必要があります。目的は有意義な人生医師としての目標を実現するためには、経済的な安定が必要です。しかし、医師のキャリアプランにも濃淡があり、全身全霊で取り組む必要があるものから、ワーク・ライフ・バランスを考えながら、自分のペースでやれば良いものまでさまざまあります。たとえば、あなたが大学教授を目指すのであれば、資産形成にかける労力は最小限にするべきでしょう。一方、自分や家族の人生の幅を広げるため、資産形成に本腰で取り組むという選択肢もあります。私の場合は後者ですが、志向するキャリアプランによって、タネ銭を貯めた後に、どのような資産形成手法を選択するのかが大きく異なってきます。ただ1点いえることは、医師としての目標も、究極的には有意義な人生を送るための1つの要素にすぎないということです。このように目的から目標設定を行い、それに適した資産形成を行うという逆算思考が重要だと思います。

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