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本研究は欧米の3つのコンソーシアムに登録されているBRCA1/2変異保有者における前向き観察研究であり、遺伝カウンセリングを行ううえで非常に参考になるものである。今まではメタ分析(Chen S, et al. J Clin Oncol. 2007;25:1329-1333.)あるいは英国の前向き研究(Mavaddat N, et al. J Natl Cancer Inst. 2013;105:812-822.)の結果を用いていたが、今後はより規模が大きく精度の高い本研究の結果を活用したい。 乳がん、卵巣がん、対側乳がんの発症リスクを長期間にわたって前向きに検討しており、リスク低減手術などの影響をできるだけ排除している。また、年齢によるがん発症リスクの違いを示しているが、むしろ年齢によってそれほど異ならないことに驚いた。さらに変異部位ごとのがん発症率の違いだが、あるとはいってもその差は小さい。家族歴の有無によっても、がん発症リスクに違いはあるがやはりわずかであり、家族歴の正確性が低い場合にはまったくあてにならない。したがって家族歴も、方針の決定には大きな影響を及ぼさないのではないか。