サイト内検索|page:1113

検索結果 合計:35654件 表示位置:22241 - 22260

22241.

中国成人の約半数が高血圧、うち7割は服薬なし/Lancet

 35~75歳の中国成人において、ほぼ半数が高血圧症を有し、治療を受けているのは3分の1未満で、血圧コントロールが良好なのは12分の1未満であることが明らかになった。中国医学科学院・北京協和医学院のJiapeng Lu氏らが、約170万例の代表サンプル成人を対象に行った、住民ベースのスクリーニング試験の結果を報告した。Lancet誌オンライン版2017年10月25日号掲載の報告。サンプル対象170万例を26万4,475のサブグループに分け分析 研究グループは2014年9月15日~2017年6月20日の間に、中国本土31地域に住む35~75歳の成人約170万例を登録した、大規模な住民ベースの心イベントスクリーニングプロジェクト「China Patient-Centered Evaluative Assessment of Cardiac Events (PEACE) Million Persons Project」を行い、有病率や病識、治療やコントロール状況について調査した。 高血圧症の定義は、収縮期血圧140mmHg以上もしくは拡張期血圧90mmHg以上、または自己報告による直近2週間の降圧薬の服用とした。高血圧症に関する病識、治療、コントロールの定義は、それぞれ、高血圧症と診断されたことを自己申告、降圧薬を現在服用中、収縮期・拡張期血圧値が140/90mmHg未満とした。 年齢グループ(35~44、45~54、55~64、65~75歳)、男性/女性、中国西/中央/東部、都市部/地方、漢族/非漢族、農民/非農民、年収(<1万元、1~<5万元、≧5万元)、教育レベル(初等教育以下、中学、高校、大学以上)、心血管イベントの有無、喫煙の有無、糖尿病の有無など11の人口動態的および臨床的因子と、個人およびプライマリヘルスケア地域を可能な限り組み合わせた26万4,475のサブグループについて、高血圧症の病識、治療、コントロール率を分析した。コントロール不良の治療中患者、8割以上が降圧薬の服用は1種のみ サンプル調査対象として包含されたのは173万8,886例で、平均年齢は55.6歳(SD 9.7)、女性は59.5%で、高血圧症患者の割合は44.7%(95%信頼区間[CI]:44.6~44.8、77万7,637例)だった。 高血圧症患者のうち、高血圧症であることを自覚していたのは44.7%(同:44.6~44.8、34万7,755例)だった。また、高血圧症患者のうち、処方された降圧薬を服用していたのは30.1%(同:30.0~30.2)、血圧コントロールを達成していたのは7.2%(同:7.1~7.2)だった。 年齢・性別標準化後の高血圧症の有病率は37.2%(同:37.1~37.3)、病識率36.0%(同:35.8~36.2)、治療率22.9%(同:22.7~23.0)、コントロール率は5.7%(同:5.6~5.7)だった。 最も使用頻度の高かった降圧薬は、クラス分類でカルシウム拮抗薬だった(55.2%、95%CI:55.0~55.4)。また、降圧薬を服用しているがコントロール不良であった高血圧症患者のうち、81.5%が1種類の降圧薬しか服用していなかった。 高血圧症を自覚している患者の割合と、治療を受けていた患者の割合は、サブグループ間で顕著にばらつきが認められた。病識率および治療率が低い傾向との関連がみられたのは、男性、年齢が低い、低収入、心血管イベント既往、糖尿病、肥満、アルコール摂取だった(すべてp<0.01)。一方、血圧コントロール率はすべてのサブグループで30%未満と低かった。 これらの結果を踏まえて著者は、「中国人のすべてのサブグループで、血圧コントロール率が低い集団が認められた。幅広くグローバルな戦略、たとえば予防へのさらなる取り組みや、優れたスクリーニング、より効果的で手頃な治療が必要であることを支持する結果であった」とまとめている。

22242.

ロボット支援下腎摘の合併症頻度、コストは?/JAMA

 米国では2003~15年までに、根治的腎摘出術に占めるロボット支援下施術の割合が1.5%から27.0%へと大幅に増加したが、合併症の発生率増加との関連はみられなかったことが明らかになった。一方で、ロボット支援下根治的腎摘出術は腹腔鏡下根治的腎摘出術に比べ、手術時間が長く、いわゆるホスピタルフィーの病院コストの増大と関連していた。米国・スタンフォード大学のIn Gab Jeong氏らが、米国内416ヵ所の病院を対象に行ったコホート試験の結果で、JAMA誌2017年10月24日号で発表された。術後合併症の発生率や医療資源の使用を比較 研究グループは2003年1月~2015年9月にかけて、米国内416ヵ所の病院で行われた根治的腎摘出術について、Premier Healthcareデータベースを用いて後ろ向きコホート試験を行い、ロボット支援下根治的腎摘出術と腹腔鏡下根治的腎摘出術の実施率やアウトカムについて分析した。 主要アウトカムは、ロボット支援下根治的腎摘出術の実施傾向だった。副次アウトカムは、JCOG術後合併症規準(Clavien-Dindo分類)による周術期合併症の頻度、医療資源の使用(手術時間、輸血量、入院日数)、病院直接経費(direct hospital cost)だった。90日間の病院直接経費の平均値、ロボット支援下で約2,700ドル高額 被験者数は2万3,753例で、平均年齢は61.4歳、男性は58.1%だった。そのうち、腹腔鏡下根治的腎摘出術例は1万8,573例、ロボット支援下根治的腎摘出術例は5,180例だった。ロボット支援下根治的腎摘出術の割合は、2003年には2,676件中39件と1.5%だったのに対し、2015年には3,194件中862件と27.0%に増加した(傾向のp<0.001)。 重症度を問わないあらゆる術後合併症(Clavien-Dindo分類で1~5)の発生率は、加重補正分析において、ロボット支援下根治的腎摘出術22.2%、腹腔鏡下根治的腎摘出術23.4%と有意差はなかった(差:-1.2%、95%信頼区間[CI]:-5.4~3.0)。重度合併症(Clavien-Dindo分類で3~5)の発生率も、それぞれ3.5%と3.8%で有意差はなかった(同:-0.3%、-1.0~0.5)。 一方、手術時間が4時間超だった施術例の割合は、腹腔鏡下群25.8%に対し、ロボット支援下群は46.3%と有意に高率だった(リスク差:20.5%、95%CI:14.2~26.8)。 90日間の病院直接経費の平均値も、腹腔鏡下群1万6,851ドルに対し、ロボット支援下群は1万9,530ドルとより高額だった(差:2,678ドル、95%CI:838~4,519ドル)。その主な要因は、手術室経費(腹腔鏡下群:5,378ドル、ロボット支援下群:7,217ドル、差:1,839ドル、95%CI:1,050~2,628ドル)、手術用備品経費(それぞれ3,891ドル、4,876ドル、差:985ドル、95%CI:473~1,498ドル)にあった。室料・食事代、薬剤費は、ロボット支援下群が低額だったが有意差はなかった。

22243.

SGLT2阻害薬と1型糖尿病治療(解説:住谷哲氏)-760

 1型糖尿病の病因はインスリン分泌不全であり、治療は生理的インスリン補充(physiological insulin replacement)である。これを達成するためにこれまでインスリンアナログの開発、頻回インスリン投与法(multiple daily injection:MDI)、インスリンポンプ、SAP(sensor-augmented pump)が臨床応用されてきた。さらにclosed-loop systemによる自動インスリン投与の臨床応用も目前に近づいてきている。しかし依然として1型糖尿病治療におけるunmet needsとして、低血糖、体重増加、血糖変動(glycemic instability)の問題を避けることはできない。さらに1型糖尿病治療においては厳格な血糖管理による細小血管障害の予防に注目しがちであるが、2型糖尿病と同様に動脈硬化性心血管病(ASCVD)の予防が予後を改善するために重要であることを忘れてはならない1)。 SGLT2阻害薬の血糖降下作用はインスリン非依存性であり、従って1型糖尿病患者においても有効であることが期待される。さらにEMPA-REG OUTCOME、CANVASの結果から、SGLT2阻害薬の投与はハイリスク2型糖尿病患者において総死亡を含めた予後を改善することが明らかになりつつある。本試験はこれらを前提として、SGLT1/2阻害薬であるsotagliflozinの1型糖尿病患者における有効性と安全性を検討したものである。 対象は年齢43歳、罹病期間20年、BMI 28kg/m2、HbA1c 8.2%の1型糖尿病患者であり、4割がインスリンポンプ使用中であった。主要評価項目は重症低血糖および糖尿病ケトアシドーシス(DKA)を伴わずにHbA1c<7.0%を達成した患者の割合とされた。24週後、主要評価項目の達成率はsotagliflozin群28.6%、プラセボ群15.2%であり、sotagliflozin群で有意に高かった(p<0.001)。一方、DKAはsotagliflozin群で21例(3.0%)、プラセボ群で4例(0.6%)であった(有意差は記載されていない)。 SGLT2阻害薬であるダパグリフロジンを用いた試験(DEPICT-1試験)がほぼ同時に報告された2)。有効性についてはsotagliflozinを用いた本試験と同様であり。CGMのデータからダパグリフロジンがglycemic instabilityを改善することも明らかにされた。しかし安全性については、ダパグリフロジン投与によりDKAの増加は認められなかった。ダパグリフロジン投与によりDKAが増加しなかったのは、SGLT2阻害薬とSGLT1/2阻害薬との違いによるものか、試験デザインによるものか、対象患者の相違によるものかは明らかではない。さらに両試験ともに24週の短期間の観察であり、長期的な有効性および安全性については不明である。 日常臨床において、インスリンを増量しても体重が増加する一方で血糖コントロールが改善しない1型糖尿病患者は少なくない。この点で、血糖コントロールの改善と体重減少が同時に期待できるSGLT2阻害薬は魅力的である。しかし一方でDKAや性器感染症のリスクの増加は避けては通れない。今後の長期的な有効性および安全性のデータの集積を期待したい。■「SGLT2阻害薬」関連記事SGLT2阻害薬、CV/腎アウトカムへのベースライン特性の影響は/Lancet

22244.

認知症予防、緑茶 vs.紅茶 vs.ルイボス茶

 チャノキ(茶の木[Camellia sinensis])の緑茶(green tea)成分は、アルツハイマー病における、記憶障害などのさまざまな神経変性状態に対し神経保護的に作用する。しかし、チャノキのほかの茶成分が、類似の神経保護的な効果を示すかは不明である。ブラジル・Universidade Federal do PampaのHelen L. Schimidt氏らは、アルツハイマー様疾患のラットモデルにおいて、緑茶、ルイボス茶(red tea)、紅茶(black tea)の補充が記憶および海馬の酸化状態に及ぼす影響を調査した。Food research international誌2017年10月号の報告。アルツハイマー様疾患ラットモデルの神経保護に緑茶が有効 wistar雄ラットに緑茶、ルイボス茶、紅茶を8週間補充した後、Aβ海馬内注射(2μL of Aβ-25-35、CA1領域)を行った。アルツハイマー様疾患およびshamラットの記憶検査を行った。安楽死後、両側海馬の酸化状態を定量化した。 アルツハイマー様疾患ラットに緑茶、ルイボス茶、紅茶が及ぼす影響を調査した主な結果は以下のとおり。・緑茶とルイボス茶はアルツハイマー様疾患ラットの記憶障害を防ぎ、緑茶のみが海馬の酸化ストレスや損傷を防いだ。・チャノキの緑茶は、アルツハイマー様疾患ラットモデルにおいて、ルイボス茶と紅茶よりも神経保護に有効であった。■関連記事毎日5杯の緑茶で認知症予防:東北大なぜ、フィンランドの認知症死亡率は世界一高いのか認知症になりにくい性格は

22245.

経口GLP-1受容体作動薬で良好な結果/JAMA

 2型糖尿病患者において、GLP-1受容体作動薬の経口semaglutideはプラセボとの比較で、26週にわたり良好な血糖コントロールを示したことが報告された。英国・レスター大学のMelanie Davies氏らによる第II相無作為化試験の結果で、著者は「長期間および臨床的アウトカム、ならびに安全性を評価する第III相試験の実施を支持するものであった」とまとめている。GLP-1受容体作動薬は2型糖尿病の有効な治療薬として、現在すべて注射剤での利用が可能となっている。研究グループは、開発中の経口semaglutideの有効性をプラセボと比較し(主要目的)、また非盲検下でsemaglutide皮下注と比較する(副次目的)検討を行った。JAMA誌2017年10月17日号掲載の報告。経口semaglutide各用量群、semaglutide皮下注群、プラセボ群に割り付け評価 検討は第II相の無作為化並行用量探索試験で、2013年12月~2014年12月に14ヵ国の100施設(病院クリニック、一般診療所、臨床研究センター)で行われた。試験期間は26週間+フォローアップ5週間であった。 1,106例がスクリーニングを受け、食事療法と運動療法または一定用量のメトホルミンで血糖コントロール不良な2型糖尿病患者632例が無作為化を受けた。無作為化ではメトホルミン使用による層別化も行われた。 被験者は、1日1回の経口semaglutide 2.5mg投与群(70例)、同5mg投与群(70例:当初4週は2.5mg)、同10mg投与群(70例:当初4週は5mg)、同20mg投与群(70例:当初4週は5mg、5~8週は10mg)、同40mgの4週漸増(標準漸増)投与群(71例:当初4週5mg、5~8週10mg、9~12週20mg)、同40mgの8週漸増(緩徐漸増)投与群(70例:当初8週5mg、9~16週10mg、17~24週20mg)、同40mgの2週漸増(急速漸増)投与群(70例:当初2週5mg、3~4週10mg、5~6週20mg)、プラセボ投与(経口)群(71例:二重盲検)、週1回のsemaglutide 1.0mg皮下注群(70例)に無作為化を受け、26週間の介入を受けた。 主要エンドポイントは、ベースラインから26週時点のHbA1c値の変化であった。経口群のHbA1c値、プラセボと比べて有意に低下 ベースラインの被験者の特性は、全投与群とも類似していた。632例は、平均年齢57.1歳(SD 10.6)、男性395例(62.7%)、平均糖尿病罹病期間6.3年(SD 5.2)、平均体重92.3kg(SD 16.8)、平均BMI値31.7(SD 4.3)であった。583例(92%)が試験を完遂した。 経口semaglutide投与群のベースラインから26週時点までのHbA1cの平均変化値は、プラセボ群と比べて有意な低下が認められた。経口semaglutide投与群は-0.7%~-1.9%(用量依存的範囲)、semaglutide皮下注群は-1.9%、プラセボ群は-0.3%であった。経口semaglutide群とプラセボを比較した、用量依存的推定治療差(ETD)範囲は-0.4%~-1.6%であった(2.5mg投与群のp=0.01、すべての用量群のp<0.001)。 体重は、経口semaglutide群でより低下が認められた(用量依存的範囲:-2.1kg~-6.9kg)。semaglutide皮下注群は-6.4kg、プラセボ群は-1.2kgで、10mg以上の経口semaglutide投与群ではプラセボとの比較において有意差が認められた(用量依存的ETD範囲:-0.9kg~-5.7kg、p<0.001)。 有害事象は、経口semaglutide群63~86%(371/490例)、semaglutide皮下注群81%(56/69例)、プラセボ群68%(48/71例)で報告された。軽度~中等度の消化管イベントの頻度が最も高かった。

22246.

眼科医が電子カルテに費やす時間と医業収益の関連は?

 電子カルテシステム(EHR)は医療(practice of medicine)を変えたとされる一方、医師からは、EHRに費やす時間が自分たちの生産性に負の影響を及ぼしていると、懸念する声が持ち上がるようになった。しかし、いわゆるドクターフィーの支払いに関するアプローチが進化し、ケアの質とコストを評価するための“付加的記録”が必要になっている。これまで、これらの問題について定量的な分析を行った研究はほとんどなかったが、米国・オレゴン健康科学大学のSarah Read-Brown氏らはコホート研究の結果、眼科医が診察室で患者と対面する時間には限りがあり、診察室でのかなりの時間をEHR使用に費やしていることを明らかにした。同時に、眼科医のEHR使用パターンにはばらつきがあることも示唆されたという。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年10月12日号掲載の報告。 研究グループは、眼科医のEHR使用に要する時間を調べる目的で、単施設でのコホート研究を2013年9月1日~2016年12月31日に行った。 対象は、当該施設に本研究の前後6ヵ月以上勤務し、眼科部門の一員として診療に当たった眼科医27人。標準的な診療を行わなかった、またはEHRを使用しなかった眼科医は除外した。 カルテとEHR監査ログのタイムスタンプを分析し、眼科医がEHR使用に要した時間量を測定。また、手動による時間動作観察で、「EHR使用」「会話」「診察・治療」の3つの行為に関する患者との対面時間量を測定した。 試験のアウトカムは、眼科医の患者との対面時間量(EHR使用、会話、診察・治療)、ならびに眼科医がEHR使用に要した時間の総計であった。 主な結果は以下のとおり。・27人の眼科医の背景は、女性10人、男性17人、平均年齢は47.3歳(SD 10.7)、年齢中央値44歳(範囲:34~73)であった。・眼科医が患者1人当たりに費やした時間は平均11.2分(SD 6.3)で、そのうち3.0分(SD1.8、1人当たりに費やした時間の27%)をEHR使用に、4.7分(SD 4.2、42%)を会話、3.5分(SD 2.3、31%)を診察・治療に費やしていた。・眼科医がEHR使用に要した総計時間の平均値は、1診療当たり10.8分(SD 5.0、範囲:5.8~28.6)であった。・標準的な眼科医についてみると、1日の勤務時間のうち3.7時間(2.1時間は診療時間中、1.6時間は診療外)をEHR使用に費やしていた。・線形混合効果モデルを用いた解析の結果、EHR使用とドクターフィー請求額の間には正の関連があり、1診療当たりのEHR使用時間量とクリニックの受診患者数との間には負の関連が認められた。・一方で、平均請求額が高い眼科医では、クリニックの受診患者が増えるごとに、1診療当たりのEHR使用時間が1.7分(95%信頼区間[CI]:-4.3~1.0)減少していた(補正後R2=0.42、p=0.01)。

22247.

ワルファリンの可能性(解説:後藤信哉氏)-756

 日本は、非弁膜症性心房細動などにいわゆるNOACsが多く使用されている国である。しかし、世界の抗凝固薬の標準治療は安価なワルファリンである。日本では2mg/日で開始すれば多くの場合、INR 2以下くらいにコントロールできる。 30年ワルファリンを使用している筆者には経験がないが、2mg/日でも過剰でINRが延長してしまう症例がいるらしい。まれに2mg/日ではINRが延長せず、漸増させて10mg/日程度が必要な症例は経験する。圧倒的多数の症例は2mg/日で問題なく、一部に過剰、過小の症例がいる原因にワルファリンの代謝が寄与するとされる。血漿蛋白に結合していないワルファリンが肝臓で活性型に転換する。その酵素はチトクロームP450のCYP2C9とされる。ビタミンK還元酵素複合体にも遺伝子型に応じた酵素活性の差異がある。 この2種の酵素の遺伝子型を事前に知っていれば、ワルファリンの初期投与量、維持量を個人ごとに予測できる、との仮説が過去に臨床的に検証された。2本のNEJM誌の論文の結果は相互に矛盾していた。 今回JAMA誌に発表された論文では対象を膝または腰の置換術にして症例を均質化した。その結果、予想どおり、遺伝子型を考慮に入れたワルファリン治療において重篤な出血が少なく、INR 4以上の過剰投与も避けられた。 疾病一般の予後が改善して、時代は「平均的症例の標準治療」、「One dose fit all」を目指すEBMの時代から、個別症例の最適治療を目指す「Precision Medicine」に転換しようとしている。主作用と副作用イベント発症率相関性のあるバイオマーカーとしてのPT-INRがあるワルファリンは、個別最適化に向いた薬剤である。抗凝固効果のポテンシャルは選択的抗トロンビン薬、抗Xa薬よりも大きく、薬剤の価格は安い。丁寧に使用すれば安全性も高い。安い薬を日本人医師の職人魂にて個別最適化して使用すれば、有効、安全、安価な医療を実現できる。 日本の圧倒的多数は2mg/日にて大きな問題はないと考えるが、遺伝子型により特殊な少数例を弁別できるので日本での応用性もあると考える。

22248.

治癒切除不能な進行胃がんや再発胃がんに対するニボルマブの有用性(解説:上村直実氏)-758

 話題となっている画期的な免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブ(商品名:オプジーボ)は、2014年に悪性黒色腫に対する保険適用を取得し、その後、非小細胞肺がん・腎細胞がん・ホジキンリンパ腫・頭頸部がんおよびこの9月には胃がんに対する適応を取得した。さらに、食道がん・小細胞肺がん・肝細胞がん・子宮がん・卵巣がんなどに対して臨床治験中であり、多くの切除不能がん患者に対して福音を与えてくれる薬剤である。 本論文は、オプジーボの胃がんに対する有用性を示した報告である。標準治療が不応または不耐の切除不能な進行または再発胃がん患者(日本人・韓国人・台湾人)を対象とした国際共同第III相臨床試験において、平均生存期間がプラセボ投与群4.14ヵ月と比較してオプジーボ群5.26ヵ月で平均1.12ヵ月長く生存することができ、1年後の生存率もオプジーボ群26.2%がプラセボ群10.9%より有意に高値であった。 結果は予想どおりであるが、対象の主な包含基準が、20歳以上、2つ以上の化学療法が奏効しなかった切除不能な進行または再発の胃がん症例であり、かつECOG PS:0~1、すなわち通常の事務作業などが可能な元気な患者群を対象とした臨床試験である。登録された601名のうち最終的に被験者として適合したのは53歳から69歳の493名(82%)であった。したがって、本研究結果は「50歳から60歳代の切除不能ないしは再発胃がんで2つ以上のレジメンが奏効しなかった患者でかつPS1以下の元気な患者を対象とした研究においてオプジーボの有用性が示された」とされるものである。 わが国のがん診療の現場で遭遇する切除不能胃がん患者は「70歳以上で合併症を有し、かつPSが2以上の状態になっている患者」が多く、本研究の対象となっている患者群は少数派かもしれない。実際、検証精度の高さが求められる抗がん剤の臨床治験の対象は、年齢(75歳以下)やPS(0ないしは1)の適合基準および厳格な除外基準に適合する必要があるが、保険適用後の診療現場で使用される患者の多くは治験では除外基準に抵触するものが多い。RCTなどの研究デザインによりエビデンス・レベルの高さが決定される昨今であるが、患者に向き合う臨床医は、臨床研究の対象と実臨床の現場で遭遇する患者との乖離を理解した対応が必要である。

22249.

【GET!ザ・トレンド】服薬アプリとSNSの連動で、チーム医療に貢献する情報提供を目指す/中外製薬

中外製薬は自社製品カペシタビン(商品名:ゼローダ)の使用患者を対象に、患者と医療者のコミュニケーションの向上に、日本エンブレースと共に新たな取り組みを開始した。増える在宅治療がもたらす診療上の課題内服薬や自己注射などの開発が進み、在宅での患者自身による投薬が増加している。在宅治療の増加は、患者が医療者の手を離れる時間を増加させる。抗がん剤治療の場合、その投与期間が延びることで、治療を妨げる深刻な事象のリスクが増える。自己判断による服薬中断や有害事象(AE)の発生などである。この問題について中外製薬 安全性コミュニケーション部の竹本 信也氏は、“患者がAEに気づき医療者に知らせる”“医療者がAEの発現をいち早く認知し、評価し、対処する”といった、患者と医療者のコミュニケーションが重要だと述べる。実際に、最近の米国臨床腫瘍学会(ASCO)などでは、患者と医療者の良好なコミュニケーションが生命予後を改善するという研究結果が報告されている。そのような中、中外製薬は、患者と医療者のコミュニケーションの場を提供するプロジェクトを、カペシタビンの治療において限定的に開始した。アプリとSNSの連動で課題解決を図る新たな取り組み具体的には、自社で開発したカペシタビンの服薬適正化支援アプリを医療者専用SNSシステムと連動させ、患者とその患者を取り巻くすべての医療者で治療情報を共有するという取り組みである。当アプリに連動したのは、医療者専用SNSとして株式会社日本エンブレースが提供する「メディカルケアステーション」(以下、MCS)。MCSは、すでに全国201の医師会で正式採用され、2万6,000以上の医療関連施設で活用されている医療者専用の完全非公開SNS。患者ごとのグループを作り、タイムライン上で全員が情報を共有、交換することができる。このSNS基盤を服薬適正化支援アプリと連動することで、服薬やAEの情報を共有することが可能となった。ICTで患者が見守られる(サービスの実際)カペシタビン服薬適正化支援アプリは、オンラインのシステムであり、高齢者には難しいダウンロードが不要で利用できる。このアプリは、医師から招待された患者しかアクセスできない仕組みになっている。アプリの入力は簡単で、服薬の有無、服薬錠数、それと(バリデーション済の)QOLスケールから現在の体調を選び、送信ボタンを押すだけである。画像を拡大する一方、SNSのMCSでは、患者に対しては受診施設ごとに、医療者に対しては患者ごとに情報共有できる画面(タイムライン)が設けられている。医師が適切ログインの上、タイムラインを表示すると、医師、薬剤師、看護師、介護士、患者本人、家族というように、患者単位で必要なメンバーが参加した状態でアイコンが表示される。患者がアプリで入力した上記の情報は、瞬時にMCSのタイムラインに表示され、その患者のタイムライン参加メンバー全員に共有される。さらにAEに関するアラート機能も装備している。患者がアプリ上のAEの入力エリア「気になる症状」から、該当する症状とその程度を選択し送信すると、対応するCTCAEのGrade(予測)と共にアラートとして、タイムラインを通じて参加している医療者メンバーのみに入力結果を表示する仕組みである。左から中外製薬 オンコロジー製品政策部 大寺 昭雄氏、日本エンブレース 伊東 学氏、中外製薬 安全性コミュニケーション部 竹本 信也氏同社 オンコロジー製品政策部の大寺 昭雄氏は、臨床現場におけるカペシタビンの使用で見られる問題の多くは、患者が自己判断で服薬を中断してしまうこと、がんの進行を恐れるあまりAEが出ていても飲み続けてAEが重篤化してしまうことだという。このような事態も、患者とそれを取り巻くすべての医療者の間でコミュニケーションできることで、未然に防ぐことが期待される。また、患者は近年、基幹病院のみならず、薬局やかかりつけの診療所など多くの医療者と関わる。そのような背景からか、MCSでは20〜30名の医療者が一人の患者タイムラインのメンバーとして参加することも珍しくはないという。従来のFaxや電話といった手段で、この人数に迅速に情報共有することは容易ではない。しかし、SNSではそれが容易に実現できるため、幅広い医療者でのコミュニケーションが可能になっていると、日本エンブレース代表取締役社長の伊東 学氏は述べる。サービス検証して次のステップへ中外製薬は本年4月から安全性コミュニケーション部を設立。安全性の専任担当「セイフティエキスパート」を全国の統括支店に配置するなど安全性情報の提供に注力している。このプロジェクトも、そのアクションの一環である。今回の試行は、対象となる基幹病院で、倫理審査委員会の承認に基づき、利用者を限定して開始した。今後、第3者機関の検証を行い、その結果をもって、このプロジェクトの全国展開、さらに自己注射薬などがん以外での展開も検討する。このプロジェクトを通じ、チーム医療、地域連携医療に貢献していきたいと、前出の竹本氏は述べる。

22250.

統合失調症患者の脳活性、リスペリドン vs.アリピプラゾール

 前頭前野ネットワークの機能障害は、精神病性障害における陰性症状および神経認知の問題両方の原因となりうる。ほとんどの抗精神病薬は前頭前野の活性を低下させる可能性があるが、ドパミンD2パーシャルアゴニストであるアリピプラゾールは、前頭前野の機能を改善するといわれている。オランダ・フローニンゲン大学のEdith J. Liemburg氏らは、精神病性障害の患者を対象に、アリピプラゾールがリスペリドンと比較して、治療後の前頭前野および関連領域の活性を高めるかについて検討を行った。Progress in neuro-psychopharmacology & biological psychiatry誌2017年10月3日号の報告。 この探索的かつ薬理学的な神経イメージング研究では、対象である精神病性障害の患者24例を、アリピプラゾールまたはリスペリドンのいずれかに無作為に割り付けた。ベースライン時および治療9週間後に、面接およびMRIセッションを行った。 主な結果は以下のとおり。・今回は、Tower of London(ToL)およびWall of Faces(WoF)の2つのタスク実行中の脳活性化(ASL[arterial spin labeling]で測定)について報告を行った。・アリピプラゾール治療は、中前頭回、上前頭回、後頭葉回(ToL)、内側側頭葉回、下前頭回、被殻、楔部(WoF)の活性を減少させ、リスペリドン治療は活性を増加させた。・アリピプラゾール治療は、腹側前帯状、後部島(ToL)、上前頭回、上側頭回、中心前回(WoF)の活性を増加させ、リスペリドン治療は減少させた。・両治療群ともに、腹側島活性(ToL)、中側頭回(WoF)を増加させ、後頭皮質、楔前部、尾状頭葉(ToL)の活性を減少させた。 著者らは「アリピプラゾール治療は、遂行計画に必要な頭部リソースが少なくて済む可能性があり、感情刺激に対する前頭側頭および前頭前野の反応性を増加しうる。これらの予備的知見を裏付けるためには、より多くの研究が必要である」としている。■関連記事統合失調症に対する短期治療、アリピプラゾール vs.リスペリドン統合失調症患者の認知機能に対するアリピプラゾール vs.リスペリドン日本人自閉スペクトラム症に対するアリピプラゾールの長期効果は

22251.

呼吸器感染症の抗菌薬投与、プロカルシトニンガイドで生存率は?

 米国食品医薬品局(FDA)は2017年2月、急性呼吸器感染症患者への抗菌薬投与を判断するための血中マーカーとしてプロカルシトニンを承認した。今回、スイス・アーラウ州立病院/バーゼル大学のPhilipp Schuetz氏らの研究グループによるメタアナリシスの結果、急性呼吸器感染症の抗菌薬治療のマーカーとしてのプロカルシトニンの使用が、抗菌薬の曝露や副作用を減少させ、生存率を改善することが示された。著者らは、「急性呼吸器感染症におけるプロカルシトニン・プロトコールの普及は、抗菌薬マネジメントを改善し、臨床転帰および多剤耐性菌増加の脅威に対してプラスの効果をもたらす可能性がある」としている。Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2017年10月13日号に掲載。 著者らは、コクランのプロトコールに基づき、Cochrane Central Register of Controlled Trials、MEDLINE、Embaseで系統的に文献検索を行い、呼吸器感染症患者による試験からプールされた個々の患者データを、プロカルシトニン濃度に基づいた抗菌薬投与群(プロカルシトニンガイド群)と対照群に無作為に割り付けた。主要評価項目は30日死亡率およびセッティングごとの治療失敗、副次評価項目は抗菌薬の使用、入院日数、抗菌薬の副作用。 主な結果は以下のとおり。・文献検索から特定した990報から919報を除外後、71報の適格性を評価した。適格基準を満たした12ヵ国の26試験から6,708例のデータを収集した。・30日死亡率は、プロカルシトニンガイド群では対照群よりも有意に低かった(プロカルシトニンガイド群3,336例中286例[9%]、対照群3,372例中336例[10%]、調整オッズ比[OR]0.83 [95%CI:0.70~0.99]、p=0.037)。・死亡率におけるベネフィットは、感染のセッティングおよびタイプによって差はなかった(相互作用のp>0.05)が、プライマリケアおよび急性気管支炎患者では死亡率は非常に低かった。・プロカルシトニンガイドにより、抗菌薬への曝露も2.4日減少し(5.7 vs.8.1日[95%CI:-2.71~-2.15]、p<0.0001)、抗菌薬による副作用も減少した(16% vs.22%、調整OR:0.68[95%CI:0.57~0.82]、p<0.0001)。

22252.

精液でわかるのは妊孕性だけではない!?

 不妊治療において男性が受ける精液検査では、精子の数や運動率など形態的な検査が中心で、精液中の微量成分の分析はほとんど行われていない。精液には精子の運動性や持久性に関わる成分が含まれ、さらに脂肪酸やアミノ酸なども含まれることから、妊孕性に加えて健康状態のチェックにも、精液の成分検査が使える可能性があるという。2017年10月6日、精液検査の確立を目指して設立されたベンチャー企業の株式会社ダンテが、都内で記者発表会を開催。同社が実施した精液のバイオマーカーとしての有用性や生活習慣の影響を調べた調査結果とともに、精液の郵送検査プロジェクトの開始を発表した。「食生活が肉中心」と答えた人で精液中の亜鉛濃度高 同社では、23~58歳の健康な男性80例を対象とした精液成分の調査を行い、精液中亜鉛、テストステロン、8-OHdG、精液量、精子濃度を測定。同時に生活習慣についてのアンケート調査を実施した。 その結果、精液中のテストステロン濃度は、20代をピークに30代で急激に減少し、40代、50代と指数関数的に減少。逆にDNAの酸化ストレスマーカーである8-OHdGは40代、50代で増加する傾向がみられた。また従来から関連が指摘されている、精液中の亜鉛濃度と精子数の関係については、亜鉛濃度が高いほど総精子数が多い傾向が確認された。 普段の食生活との関連をみると、「魚の方が多い」と答えた人と比べて、「肉の方が多い」と答えた人の方が精液中の亜鉛濃度が高く、「肉中心」と答えた人はさらに多い傾向がみられた。また睡眠時間については、「7~9時間」と答えた人に比べて「3~5時間」と答えた人で8-OHdG濃度が高かった。同社の取締役を務める堀江 重郎氏(順天堂大学医学部泌尿器科学講座 教授)は「これまでほとんど行われてこなかった精液中の成分を分析していくことで、妊孕性だけでなく、男性の健康状態を反映するバイオマーカーとして精液の活用が可能なのではないかと考えている」と語った。精子の運動率を精液の成分が左右する 同じく取締役を務める島田 昌之氏(広島大学 大学院生物圏科学研究科 教授)が続いて登壇し、畜産分野での精液研究について紹介。人工授精の成功率を上げるために、ウシやブタなどでは精液成分と授精の関係について、ヒトよりも研究が進んでいるという。「ブタ精液の研究では、精子が卵子にたどり着くための精子の運動率は、精子自身の能力だけでなく、精液の液成分の性質によって大きく左右されることがわかっている」と島田氏。すでに技術応用されており、現在市場に出ている国産ブタの1/3程度が、これらの研究結果を活用した人工授精用精液を使って生産されているという。堀江氏は、「これまで獣医学と人間の医学の間での情報交換はほとんど行われてこなかった。知見を共有していきたい」と連携に期待を寄せた。クラウドファンディングをスタートし検体を収集 最後に、代表取締役を務める瀧本 陽介氏が、精液検査手法の確立にむけて、クラウドファンディングによる資金調達と精液検体の収集プロジェクトを開始することを発表。このプロジェクトでは、支援者に精液の郵送検査キットを送付し、亜鉛/テストステロン/スペルミン/クレアチンの4項目の検査結果と、生活習慣についてのアンケート結果を組み合わせた分析結果をフィードバックするという。瀧本氏は、「まずは多くのデータを収集し、正常範囲や生活習慣との関連、妊孕性や疾病リスクとの関連を明らかにしていく。精液検査データベースの確立を目指したい」と語った。■参考株式会社ダンテホームページ

22253.

先天性ジカウイルス症候群、石灰化は診断指標にならず/BMJ

 新生児の先天性ジカウイルス症候群の診断では、「脳石灰化の検出を主要な基準とみなすべきではなく、石灰化の非検出を診断の除外基準として用いるべきではない」とする所見を、ブラジル・Barao de Lucena病院のNatacha Calheiros de Lima Petribu氏らが示した。先天性ジカウイルス症候群の小児について、出生直後と1年時点に受けた脳CT所見を比較した症例シリーズ研究の結果で、BMJ誌2017年10月13日号で発表した。37例の出生直後と1年時点の脳CT所見を比較 先天性ジカウイルス症候群でみられる水頭症の病態生理は、十分に解明されておらず、同症候群児の多くは水頭症のリスクのため、フォローアップ脳CTを受ける。勧告では、生後10~12ヵ月で少なくとも1回の脳スキャンを受けることとされているが、一方でそのような小児の脳画像所見の変化を報告したフォローアップ研究はなく、研究グループは、脳石灰化にフォーカスして初回脳CTとフォローアップ脳CTの所見を比較(石灰化パターンの違いを評価)した。 対象はBarao de Lucena病院で、2015年の小頭症アウトブレーク中に先天性ジカウイルス症候群の可能性例(probable)/確定例(confirmed)と診断され、出生直後と1年時点で脳CTを受けていた37例であった。 37例のうち、22例(59%)が男児。先天性ジカウイルス症候群の確定例は29例、8例は可能性例であった。フォローアップ脳CTでは、15例(41%、95%信頼区間[CI]:26~57%)が水頭症と診断されている。 初回脳CTが行われた対象児の年齢範囲は、生後1~138日(中央値11.5日)であり、フォローアップ脳CTは105~509日(中央値415日)で行われた。 37例中28例は、初回およびフォローアップ脳CTを同一の病院で受けていた。画像取得パラメータはすべての対象児で同一であり、9例は初回およびフォローアップ脳CTを同一の機器で受けていた。34例で石灰化が減退 初回脳CTでは、全37例で脳の石灰化が認められた。大部分が皮質-白質の境界面でみられた。 しかしフォローアップ脳CTでは、34例(92%、95%CI:79~97%)において石灰化の数、サイズ、密度、またはそれら複合の減少が認められた。1例では石灰化が視認できなくなっていた。一方、変化が認められなかったのは2例であった。石灰化の増加例はなかった。 フォローアップ時に視認ができなくなっていたのは、主に頭頂葉と後頭葉の皮質-白質境界面の石灰化であった。 これら画像所見は、臨床的改善とあらゆる面で関連していなかった。

22254.

One dose fit all!の限界(解説:後藤信哉氏)-757

 いわゆるNOACs、DOACsの臨床開発に当たって、選択的抗トロンビン薬では有効性、安全性は薬剤の用量依存性と予測していた。開発試験の結果が出るまで、Xa阻害薬では出血合併症には用量依存性が少ないとの期待があった。急性冠症候群を対象とした第II相試験の結果を見て、抗Xa薬でも用量依存性に重篤な出血合併症が増加することを知って失望した。 それでも抗Xa薬は競争相手のワルファリンの自由度を縛ることによって、見かけ上安全な薬剤として開発、上梓された。論理の緻密な英語では「PT-INR 2~3を標的としたワルファリン治療より安全」と必ず述べるが、あいまいな日本語では「ワルファリン治療より安全」との誤解も広まった。目の前の自分の患者の予後を最重視する臨床医にはメーカー、メーカーの教育を受けた医師の「ワルファリン治療より安全」が、現場では「?」であることをすぐに実感する。 本論文は台湾の医療データベースの解析である。重篤な出血合併症の発症率は1%程度で第III相試験より著しく少ない。報告されていない出血もあると想定されるが、実臨床では添付文書に規定された用量よりも少量を使用していることが、出血イベントの実態が少ない原因と想定される。 「One dose fit all」と喧伝されたNOACsであるが、アミオダロン、フルコナゾールなどの併用性では出血合併症が多い。いわゆるNOACs、DOACsであっても薬剤との相互作用は重篤な出血イベントを倍増させるほどのインパクトがある。ワルファリンと異なり、個別最適化のためのバイオマーカーはない。INRの延長に相当する黄色信号なしに、いきなり出血の赤信号となるNOACs、DOACsを、実態を知りながら服用したいと思うヒトはきわめて少ないと私は思うが、いかがだろうか?

22255.

脳卒中予防の重要性とアスピリンのインパクト!(解説:後藤信哉氏)-755

 冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患は全身の動脈硬化と血栓性が局所臓器にて症状を発現した疾病である。世界から外来通院中の安定した各種動脈硬化、血栓性疾患6万8千例を登録、観察したREACH registry研究では、冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患ともに年間の脳卒中の発症が最大の問題であることを示した。脳卒中の発症率が最も低い冠動脈疾患でも脳卒中発症率は年間1.6%であり、実臨床における新規に診断された心房細動症例の脳卒中発症率と同程度であった。価格の高い新薬を特許期間内に売り切ろうとするのか、年間3%程度に重篤な出血イベントを惹起することが第III相試験にて確認されている経口抗トロンビン薬、抗Xa薬がNOACs、DOACsなど非科学的なネーミングにより非弁膜症性心房細動に広く使用されているのは筆者の驚くところである。非弁膜症性であっても心房細動を合併すれば近未来の脳卒中リスクは増える。しかし、すでに脳卒中を発症した症例の再発率ほど発症リスクが高くなるわけではない。年間3%という重篤な出血合併症というコストに見合う効果を、非弁膜症性心房細動の脳卒中1次予防にて示した臨床研究は過去に施行されていない。同じく年間3%以上の重篤な出血性合併症を惹起する、INR 2~3を標的とした、現実の医療とは乖離した過去の「仮の標準治療」より出血が少ないといっても、年間3%以上の重篤な出血合併症は1次予防にて受け入れられる水準ではない。 心房細動になれば左房内の血流がうっ滞するように「思える」。血流がうっ滞すると左房内に血栓ができる「気」がする。このような「思い」「気」は、科学的に証明されていない。さらに、血流うっ滞部位の血栓には凝固系の寄与が大きい「雰囲気」がある。この「雰囲気」も科学的には証明されていない。むしろ、体内の血栓は血流条件にかかわらず血小板と凝固系の混合血栓であることが科学的事実である。 生体には連続性がある。加齢とともに心房細動の有病率が増加するのは事実であるが、心房細動の発症とともにヒトが激変するわけではない。心筋梗塞後の症例であってもCHADS2スコアが高ければ脳卒中リスクは高い。脳卒中の発症に対するCHADS2スコアと心房細動の寄与を比較して後者が大きいわけではない。さらに、心房細動の症例の脳卒中の多くが心原性脳塞栓であるわけでもない。高齢でCHADS2スコアの高い症例は心房細動の有無にかかわらず脳卒中予防が重要である。 COMPASS試験では冠動脈疾患、末梢血管疾患を対象に1)2.5mg×2/日の極微量のリバーロキサバンとアスピリンの併用、2)5mg×2/日の微量のリバーロキサバン、3)アスピリン単独の3群の比較を行った。2.5mg×2/日の極微量のリバーロキサバンは過去にアスピリン・クロピドグレルとの併用により急性冠症候群の心血管イベントとステント血栓症を低減させた用量である。アスピリンを抜いてクロピドグレル、チカグレロルと併用したときには抗血小板薬に比較した有効性を第II相試験において示せなかった。動脈系における極微量のリバーロキサバン開発試験を素直にみると、極微量のリバーロキサバンは心血管イベント発症予防に有効であるが、出血は増加させる。有効性はアスピリンとの併用時に明確になる。出血合併症は増加するが20mg×1/日に比較すれば少ない。今まで世界では20mg/日、日本では15mg/日を標準用量として心房細動の2次予防中心に販売攻勢をかけた開発企業には方向転換になるが、COMPASS試験はアスピリンとの併用における2.5mg×2/日にリバーロキサバンの有効性を再確認させるインパクトがあった。脳卒中予防効果も確認された。重篤な出血合併症は増加するが、20mg(15mg)×1/日よりは少ない。心血管病の2次予防でもあるため出血イベントリスクも受け入れやすい。出血リスクとの釣り合いが取れなかった非弁膜症性心房細動から、心血管病の再発予防の極微量投与に販売方針を転換してくれれば、わけのわからないうちに重篤な出血リスクに曝露される非弁膜症性心房細動の症例を減らせるかもしれない。重要なことは低リスクにおける脳卒中予防である。COMPASS試験ならば実臨床に投影できる可能性があると筆者は期待している。

22256.

うつ病と双極性障害、自殺企図リスクが高いのは

 自殺企図は主な気分障害と関連しており、成人における自殺企図のリスクは、うつ病よりも双極性障害で高いといわれている。この関係は、若者でも同様かもしれないが、システマティックかつ定量的に検討したエビデンスはない。イタリア・Catholic University of the Sacred HeartのFranco De Crescenzo氏らは、小児または青年の双極性障害およびうつ病患者の自殺企図について、ランダム効果メタ解析を実施した。Journal of the American Academy of Child and Adolescent Psychiatry誌2017年10月号の報告。 双極性障害またはうつ病と診断された小児または青年における、自殺企図の割合を比較した研究報告を検索し、ランダム効果メタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・1995~2017年までの研究報告は6件であった。・対象は、米国および韓国の気分障害と診断された2,303例(3~18歳)。・自殺企図の割合は診断により有意に異なっており、双極性障害(31.5%)>うつ病(20.5%)>軽躁または躁病のみ(8.49%)であった。・メタ解析では、双極性障害>うつ病で自殺企図のリスクは有意に異なっており(OR:1.71、CI:1.33~2.20、p<0.0001)、自殺企図と自殺念慮を有する研究を除外した場合でも同様であった(OR:1.64、CI:1.26~2.15、p<0.0001)。 著者らは「若年気分障害患者における自殺企図のリスクは、双極性障害>うつ病>>軽躁または躁病のみ>>一般の若年集団であった」としている。■関連記事双極性障害患者の自殺、治療パターンを分析双極性障害の自殺企図、“だれ”よりも“いつ”がポイント双極性障害に対する抗けいれん薬の使用は、自殺リスク要因か

22257.

NSCLC1次治療におけるペムブロリズマブ単独治療のOS結果(KEYNOTE-024)/WCLC2017

 KEYNOTE-024試験は、未治療のPD-L1高発現(TPS≧50%)の転移性NSCLC患者305例を対象にペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)単独投与群(n=154)と標準治療のプラチナベース化学療法群(n=151)を比較した、国際無作為化オープンラベル第III相臨床試験。本年(2017年)9月の欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017 Congress)では、追跡期間11.2ヵ月の中間解析が発表され、ペムブロリズマブ群の有意なPFSの改善が報告されたが、全生存期間(OS)は未到達であった。10月に横浜で開催された第18回世界肺学会(WCLC2017)では、アップデートされたOSの結果が米国・The Sidney Kimmel Comprehensive Cancer CenterのJulie R Brahmer氏により発表された。 今回の報告は、追跡期間中央値25.2ヵ月の解析結果。OS中央値はペムブロリズマブ群30.0ヵ月(18.3~未到達)、化学療法群は14.2ヵ月(9.8~19.0)と、ペムブロリズマブ群で有意に死亡リスクが減少した(HR:0.63、95% CI:0.47~0.86、p=0.002)。奏効率はペムブロリズマブ群で45.5%(37.4~53.7)、化学療法群で29.8%(22.6~37.8)であった。奏効期間はペムブロリズマブ群では未到達(1.8+ヵ月~20.6+ヵ月)、化学療法群では7.1ヵ月(2.1+ヵ月~18.1+ヵ月)であった。 ペムブロリズマブの安全性は、転移性NSCLCのこれまでの試験と一貫していた。治療関連有害事象発生率はペムブロリズマブ群76.6%、化学療法群90.0%であった。ペムブロリズマブ群の免疫関連有害事象(irAE)発生率は33.8%、うちGrade3以上発生率は13.6%であった。irAEで多くみられるものは、甲状腺機能低下症、肺臓炎、甲状腺機能亢進症、重篤な皮膚毒性、infusion reactionであった。■参考KEYNOTE-024試験(Clinical Trials.gov)MSD株式会社ニュースリリース■関連記事PD-L1高発現NSCLC1次治療、ペムブロリズマブKEYNOTE-024試験の日本人データ/日本臨床腫瘍学会PD-L1高発現NSCLCの初回治療はペムブロリズマブ?KEYNOTE-024のPFS2データ/ASCO2017

22258.

国内初の慢性便秘症診療ガイドライン発刊―便秘の定義や治療推奨明確に

 日本消化器病学会関連研究会 慢性便秘の診断・治療研究会は、今月『慢性便秘症診療ガイドライン』を発刊した。高齢者を中心に有症状者は増え続け、その数は1,000万人超といわれる慢性便秘だが、これまで本邦においては診断や治療に関する明瞭な指針がなかった。本ガイドラインでは、診療に当たる医師らのコンセンサスを図るべく、「便秘」を定義。治療についてはClinical Question(CQ)を設定し、ステートメントとともにエビデンスレベルと推奨度を示した。以下でその概略を紹介する。「状態名」としての便秘を改めて定義 排便習慣には個人差が大きく、患者が「便秘」という言葉で意味する内容もさまざまだが、本ガイドラインでは、「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状況」を便秘と定義。また、便秘症については、「便秘による症状が現れ、検査や治療を必要とする場合であり、その症状として排便回数減少によるもの(腹痛、腹部膨満感など)、硬便によるもの(排便困難、過度の怒責など)と便排出障害によるもの(軟便でも排便困難、過度の怒責、残便感とそのための頻回便など)がある」としている。 一方、何らかの理由で経口摂取量が不十分な場合は排便回数が減少するのは当然であり、この理由で排便の回数や量が少ないのは真の便秘ではない。また、残便感を訴える患者の中には強迫観念のために、「本来体外に排出すべき糞便」が直腸内に存在しないにもかかわらず、残便感(偽の便意)を訴え、過度に怒責したり、頻回にトイレに行ったりする排便強迫神経症も少なからず存在し、そのような患者も真の便秘症とはいえない、としている。治療法をエビデンスレベルと推奨度で評価 治療については、生活習慣の改善や薬物療法などの保存的治療に関するCQを11項目、順行性洗腸法や大腸切除術などの外科的治療に関するCQを3項目設定。それぞれにステートメントと、関連する文献エビデンスを評価したエビデンスレベル(A~D)と、推奨度(1:強い推奨、2:弱い推奨)を表記している。 このうち、浸透圧性下剤の使用については「慢性便秘症に対して有用であり使用することを推奨」している(推奨度1、エビデンスレベルA)。ただし高齢者については、腎機能が正常な場合も含めて、マグネシウムを含む塩類下剤は「慎重投与」とし、定期的に血清マグネシウム濃度を測定するよう注意を呼び掛けている。 上皮機能変容薬についても、本ガイドラインでは「有用であり、使用することを推奨する」としている(推奨度1、エビデンスレベルA)。ただし、ルビプロストンについては「妊婦には投与禁忌であり、若年女性に生じやすい悪心の副作用にも十分に注意する必要がある」としている。 一方、便秘型過敏性腸症候群の治療薬として本年、保険適応を取得したリナクロチドについては、「副作用として下痢がもっとも多く報告されており、腹痛、鼓腸なども報告されているが、深刻な副作用はこれまでに報告されていない」としたうえで、「日本では市販後間もないため、内服後の症状に注意して用いる必要がある」としている。■関連記事もはや「秘め事」ではない!? 患者1,000万人超の慢性便秘の考え方

22259.

経口JAK阻害薬、乾癬性関節炎の症状を改善/NEJM

 経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬トファシチニブは、コントロール不良の乾癬性関節炎患者の症状をプラセボに比べ有意に改善するが、有害事象の頻度は高いことが、米国・ワシントン大学のPhilip Mease氏らが行ったOPAL Broaden試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2017年10月19日号に掲載された。トファシチニブは、共通γ鎖含有サイトカイン、インターフェロン-γ、インターロイキン(IL)-12などの乾癬性関節炎の発症に関与する多くのサイトカインのシグナル伝達に影響を及ぼす。JAKの阻害により、関節や関節外部位の炎症細胞の活性化や増殖、および乾癬性関節炎患者の関節破壊や乾癬性の皮膚の変化に関連する細胞の活性化や増殖に関与する、複数のシグナル伝達経路の調節が可能とされる。実薬対照、プラセボと比較する無作為化試験 OPAL Broaden試験は、従来の合成疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)の効果が不十分であるコントロール不良の乾癬性関節炎患者の治療における、トファシチニブの有用性を評価する二重盲検実薬対照プラセボ対照無作為化第III相試験である(Pfizer社の助成による)。 患者登録は、2014年1月~2015年12月に欧米を中心とする126施設で行われ、422例が登録された(373例が試験を完遂)。被験者は、2対2対2対1対1の割合で、トファシチニブ5mg(1日2回)を経口投与する群(107例)、トファシチニブ10mg(1日2回)を経口投与する群(104例)、アダリムマブ40mg(2週ごと)を皮下投与する群(106例)、プラセボを投与し3ヵ月時に盲検下でトファシチニブ5mgに切り替える群(52例)、プラセボを投与し3ヵ月時に盲検下でトファシチニブ10mgに切り替える群(53例)にランダムに割り付けられ、12ヵ月間の追跡が行われた。3ヵ月時の評価では、2つのプラセボ投与群(合計105例)を統合して解析を行った。 主要エンドポイントは、3ヵ月時に米国リウマチ学会(ACR)基準による20%以上の改善(ACR20)が得られた患者の割合、および3ヵ月時の健康評価質問票の機能障害指数(HAQ-DI)のスコア(0~3点、点数が高いほど障害が重度)のベースラインからの変化であった。 ACR20は、68関節中の圧痛関節と66関節中の腫脹関節の数、および5つのドメイン(患者による関節炎の活動性の総合評価、担当医による関節炎の活動性の総合評価、患者による関節炎痛の総合評価[3項目とも視覚アナログ尺度の0~100mmで評価]、HAQ-DIによる障害度、急性期反応物質の値[高感度C反応性蛋白])のうち3つ以上のベースラインから20%以上の改善と定義した。HAQ-DIスコアは、ベースラインからの0.35点の低下を、乾癬性関節の臨床的に重要な改善の最小値とした。2つの用量とも、2つの主要エンドポイントを達成 ベースラインの4群の平均年齢は46.9±12.4~49.4±12.6歳、女性が47~60%含まれた。乾癬性関節炎の平均罹病期間は5.3±5.3~7.3±8.2年、HAQ-DIスコアは1.1±0.6~1.2±0.6点であった。付着部炎(Leeds Enthesitis Indexスコア)、腫脹関節数、メトトレキサート使用率(いずれもアダリムマブ群で低い)、グルココルチコイド使用率(トファシチニブ10mg群で低い)を除き、治療群間の背景因子はバランスが取れていた。 3ヵ月時のACR20達成率は、トファシチニブ5mg群が50%、トファシチニブ10mg群が61%と、プラセボ群の33%と比較して有意に改善し(5mgとプラセボの比較:p=0.01、10mgとプラセボの比較:p<0.001)、アダリムマブ群は52%であった。3ヵ月時にプラセボをトファシチニブに切り替えたため、12ヵ月時の評価では有意差を認めなかった。 HAQ-DIスコアの平均変化は、トファシチニブ5mg群が-0.35点、トファシチニブ10mg群が-0.40点と、プラセボ群の-0.18点に比べ有意に改善し(5mgとプラセボの比較:p=0.006、10mgとプラセボの比較:p<0.001)、アダリムマブ群は-0.38点であった。12ヵ月時の評価では有意な差はなかった。 3ヵ月時までの有害事象の発現率は、トファシチニブ5mg群が39%、トファシチニブ10mg群が45%、アダリムマブ群が46%、プラセボ群は35%で、12ヵ月時までの発現率は、5mg群が66%、10mg群が71%、アダリムマブ群が72%、プラセボからトファシチニブ5mgに切り替えた群は69%、プラセボからトファシチニブ10mgに切り替えた群は64%であり、プラセボ群のほうが低い傾向がみられた。試験期間中に、トファシチニブ投与例でがんが4件、重篤な感染症が3件、帯状疱疹が4件認められた。 著者は、「長期的な有効性や安全性を評価するために、さらなる検討を要する」としている。

22260.

クローン病と潰瘍性大腸炎の罹患率と有病率、世界的な傾向は?/Lancet

 炎症性腸疾患(IBD)は、21世紀において世界的な疾病となっている。中国・香港中文大学のSiew C. Ng氏らが各国のIBDの罹患率と有病率の変化を調べた結果、IBDは今世紀に入り、社会の西洋化が進む新興工業国で罹患者が急増し世界的な疾病になったこと、西洋諸国では罹患率は安定しているが有病率は0.3%を上回っており、疾病負荷は高いままであることを明らかにした。著者は、「示されたデータは、この複雑でコストのかかる疾病をマネジメントするために、IBDの予防およびヘルスケアシステムの革新に関する研究が必要であることを強調するものであった」とまとめている。Lancet誌オンライン版2017年10月13日号掲載の報告。クローン病と潰瘍性大腸炎の有病率などを報告した試験をレビュー 検討は、2016年12月31日時点でMEDLINEとEmbaseを検索し、クローン病または潰瘍性大腸炎の罹患率もしくは有病率を報告していた1990年以降の試験論文を特定し、観察的な住民ベース試験を対象としてシステマティックレビューにより行われた。住民ベース試験は、特定地域の居住者全員を対象としており、患者がその地域を代表している場合とみなした。また、レビューには、潰瘍性大腸炎とクローン病の報告が分かれていた試験を包含した。オリジナルデータを報告していない試験、小児のIBD(診断時の年齢が16歳未満)の罹患率または有病率のみを報告している試験は除外した。 最終的にシステマティックレビューの包含基準を満たしたのは147試験。そのうち、クローン病または潰瘍性大腸炎の罹患率を報告していたのは119試験、有病率を報告していたのは69試験であった。 研究グループは、クローン病と潰瘍性大腸炎の罹患率および有病率についてコロプレスマップを作成(区分地域は北米、東ヨーロッパ、北ヨーロッパ、南ヨーロッパ、西ヨーロッパ、東アジア、東南アジア、南アジア、西アジア、南米、オセアニア、アフリカ)。時間的傾向分析を用いて年率変化(annual percentage change:APC)を95%信頼区間(CI)値とともに算出し、変化について評価した。クローン病と潰瘍性大腸炎の有病率、ヨーロッパで最も高値 クローン病と潰瘍性大腸炎の有病率が最も高値であったのはヨーロッパで、潰瘍性大腸炎はノルウェー(北ヨーロッパ)で505例/10万人年、クローン病はドイツ(西ヨーロッパ)で322例/10万人年であった。また、北米も高値で、潰瘍性大腸炎は米国で286例/10万人年、クローン病はカナダで319例/10万人年であった。 北米(米国、カナダ)、オセアニア(オーストラリア、ニュージーランド)、ヨーロッパの多数の国(デンマーク、ドイツ、ハンガリー、スウェーデン、英国)で、IBDの有病率が0.3%を超えていた。 全体的には、クローン病の16/22試験(72.7%)および潰瘍性大腸炎の15/18試験(83.3%)が、北米およびヨーロッパのIBDの罹患率が安定または低下していることを報告していた。一方、1990年以降、罹患率が上昇していたのは、アフリカ、アジア、南米の新興工業国で、たとえばブラジル(1988~2012年のAPC、クローン病+11.1%[95%CI:4.8~17.8]、潰瘍性大腸炎+14.9%[10.4~19.6])、台湾(1998~2008年、+4.0%[1.0~7.1]、+4.8%[1.8~8.0])などで上昇が認められた。韓国では、1991~2005年の間は上昇が認められたが(クローン病+13.8%[8.7~19.0]、潰瘍性大腸炎+9.5%[2.7~16.7])、2006~12年は安定していた(-2.4%[-4.7~0.0]、-2.2%[-4.6~0.2])。

検索結果 合計:35654件 表示位置:22241 - 22260