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アスピリン+リバーロキサバンで冠動脈疾患の死亡減少/Lancet

 安定冠動脈疾患患者の治療において、アスピリンに低用量リバーロキサバンを併用すると、主要血管イベントが減少し、大出血の頻度は増加するもののベネフィットは消失せず、死亡が有意に低減することが、カナダ・マックマスター大学のStuart J Connolly氏らが行ったCOMPASS試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2017年11月10日号に掲載された。冠動脈疾患は世界的に合併症や死亡の主要な原因で、急性の血栓イベントの結果として発症する。Xa因子阻害薬やアスピリンは血栓イベントを低減させるが、安定冠動脈疾患患者におけるこれらの併用や、個々の薬剤の比較検討は行われていないという。約2万5,000例が参加したプラセボ対照無作為化試験 COMPASS試験は、安定冠動脈疾患および末梢動脈疾患の外来患者において、アスピリンおよびリバーロキサバンのそれぞれ単剤療法と、これらの併用療法の有用性を評価する多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化試験(Bayer AG社の助成による)。本報告では、冠動脈疾患患者の結果が提示された。 対象は、過去20年の間に心筋梗塞の既往歴があり、冠動脈の多枝病変を有し、安定または不安定狭心症の既往歴があり、多枝病変に対する経皮的冠動脈インターベンション(PCI)または冠動脈バイパス移植術を受けた冠動脈疾患患者であった。 被験者は、30日間の導入期の後、低用量リバーロキサバン(2.5mg、1日2回、経口)+アスピリン(100mg、1日1回)、リバーロキサバン(5mg、1日2回、経口)、アスピリン(100mg、1日1回、経口)を投与する群に、1対1対1の割合でダブルダミー下に無作為に割り付けられた。患者、担当医、中央判定の医療スタッフには治療割り付け情報がマスクされた。 有効性の主要アウトカムは、心筋梗塞・脳卒中・心血管死の発現とした。 2013年3月12日~2016年5月10日の期間に、33ヵ国558施設で2万7,395例が登録され、2万4,824例(91%)がランダム化の対象となった。併用群が8,313例、リバーロキサバン単独群が8,250例、アスピリン単独群は8,261例であった。併用により主要アウトカム、死亡率が低減 平均フォローアップ期間は1.95年で、全体の平均年齢は68.3歳、男性が80%(1万9,792例)を占めた。 主要アウトカムの発生率は、併用群が4%(347/8,313例)と、アスピリン単独群の6%(460/8,261例)に比べ有意に低かった(ハザード比[HR]:0.74、95%信頼区間[CI]:0.65~0.86、p<0.0001)。これに対し、リバーロキサバン単独群の主要アウトカムの発生率は5%(411/8,250例)であり、アスピリン単独群の6%(460/8,261例)との間に有意差を認めなかった(HR:0.89、95%CI:0.78~1.02、p=0.094)。 大出血の発生率は併用群が3%(263/8,313例)と、アスピリン単独群の2%(158/8,261例)に比べ有意に高く(HR:1.66、95%CI:1.37~2.03、p<0.0001)、出血の発生率はリバーロキサバン単独群が3%(236/8,250例)であり、アスピリン単独群の2%(158/8,261例)に比し、有意に高かった(HR:1.51:95%CI:1.23~1.84、p<0.0001)。 最も頻度の高い大出血の発生部位は消化器で、併用群が2%(130例)、リバーロキサバン単独群が1%(84例)、アスピリン群は1%(61例)であった。死亡率は、併用群が3%(262/8,313例)であり、アスピリン単独群の4%(339/8,261例)と比較して有意に低かった(HR:0.77、95%CI:0.65~0.90、p=0.0012)。 著者は、「低用量リバーロキサバン+アスピリンの全体的なベネフィットは有意であり、アスピリン単独に比べ死亡が23%減少した。高リスク集団では、合併症や死亡が実質的に減少する可能性がある」と指摘している。

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競技スポーツ中の突然の心停止の頻度は?/NEJM

 競技スポーツ中における突然の心停止の発生率は、運動選手10万人年当たり0.76件であり、競技中の構造的心疾患による突然の心停止の頻度は低いことが、カナダ・トロント大学のCameron H. Landry氏らの調査で示された。研究の成果は、NEJM誌2017年11月16日号に掲載された。スポーツ活動中の突然の心停止の予防を目的とする事前スクリーニング・プログラムにより、リスクを有する運動選手の同定が可能と考えられるが、これらのプログラムの有効性に関しては議論が続いている。心停止データベースを用い、後ろ向きに検討 研究グループは、カナダの特定地域でスポーツ活動中に発生した突然の心停止をすべて同定し、その原因を調査した(米国国立心臓・肺・血液研究所[NHLBI]などの助成による)。 Rescu Epistry心停止データベース(ネットワーク地域内で、救急医療隊員が対処したすべての心停止の記録が含まれる)を用いて、2009~14年に12~45歳の集団でスポーツ中に発生したすべての院外心停止を後ろ向きに同定した。 患者に関する複数の情報源の記録(救急車の要請の報告、剖検報告、入院データ、患者・家族との直接面談の記録など)に基づき、突然の心停止(心原性)または非心原性の原因によるイベントの判定を行った。 2009~14年の推定総フォローアップ期間は1,850万人年であった。試験期間中に、院外心停止を起こした2,144例が解析の対象となった。スポーツ中の突然の心停止は74件で発生し、競技スポーツ中が16件、競技以外のスポーツ中が58件であった。事前スクリーニングで同定の可能性ありは16件中3件 競技スポーツ中の突然の心停止16件の競技別の内訳は、レース競技(マラソン、バイアスロン、トライアスロンなど)とサッカーが4件ずつ、バスケットボール、アイスホッケー、柔術が2件ずつ、野球、ラグビーが1件ずつであった。競技以外のスポーツ中では、ジム練習(12件)、ランニング(9件)が多かった。 競技スポーツ中の突然の心停止を年齢別でみると、12~17歳が4件、18~34歳が9件、35~45歳は3件で、全体の発生率は運動選手10万人年当たり0.76件であった。退院時の生存率は競技スポーツ中が43.8%、競技以外のスポーツ中は44.8%とほぼ同じだった。 競技スポーツ中の突然の心停止の原因は、35歳未満では原発性不整脈(6件)と構造的心疾患(肥大型心筋症、冠動脈奇形:5件)が多く、35~45歳では全例が冠動脈疾患であった。肥大型心筋症による死亡は2件で、不整脈原性右室心筋症による死亡は認めなかった。 競技スポーツ中の突然の心停止のうち3件は、事前スクリーニングを受けていれば同定が可能であったと考えられた。 著者は、「競技スポーツ参加中の突然の心停止はまれで、原因は多岐にわたり、体系的な臨床的事前スクリーニングや、これを心電図ベースの事前スクリーニングと併用しても、患者の80%以上は同定されない可能性がある」と指摘している。

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治療時間枠拡大への夜明け(解説:内山真一郎氏)-770

 これまでに行われた血管内血栓除去術の無作為化試験の結果によれば、脳卒中発症後6時間以内に施行されたときの有効性は示されていたが、6時間以後の効果については情報が限られていた。しかしながら、画像で梗塞巣容積が小さい割に脳卒中症状が重症な患者では、再灌流により転帰が改善する可能性が示唆されていた。 このDAWN試験により、主幹脳動脈閉塞があり、脳卒中発症後6~24時間経過していると考えられ、臨床症状と梗塞容積のミスマッチがある患者では、血栓回収術を行ったほうが標準的治療のみよりも、90日後の転帰が良好であることが示された。この転帰改善効果は2例治療すると1例の転帰が改善する計算になり、出血や死亡を増やすことなく、従来の治療可能時間枠を著しく拡大できる可能性を示した点において、本試験結果の臨床的意義はきわめて大きい。 ただし、本試験では梗塞容積の測定に特定のソフトウエア(RAPID)を用いているので、今後の日常診療への適用を考えた場合、CTやMRIのASPECTのように簡便な梗塞サイズの評価法を用いた場合でも、同様な結果が再現できるかどうかを検証する必要があるだろう。

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オシメルチニブ、CNS転移の進行リスク低減を確認:FLAURA

 AstraZeneca社(本社:英国ロンドン、CEO:Pascal Soriot)は2017年11月18日、シンガポールで開催されたESMOアジア2017で、中枢神経系(CNS)転移に対する有効性についての第III 相FLAURA 試験のサブグループ解析の結果を発表。EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、オシメルチニブ(同:タグリッソ)が、エルロチニブ(商品名:タルセバ)またはゲフィチニブ(同:イレッサ)による標準治療と比較して、CNS病勢進行リスクを低減させたことが明らかになった。 本解析の対象は、独立盲検中央判定によるベースラインスキャンで1つ以上の測定可能および/または測定不能のCNS病変の存在が認められた患者128例(FLAURA 試験全患者の23%、オシメルチニブ群:61例および標準治療群:67例)。CNS転移に対する有効性を両群で比較した結果、CNS 無増悪生存期間(PFS)はオシメルチニブ群で統計学的に有意な改善を示し、CNS病勢進行もしくは死亡のリスクについても50%以上低減した(ハザード比:0.48、95%信頼性区間[CI]:0.26~0.86、名目上のp値:0.014)。また、新たな CNS 病変によって病勢が進行した患者は、オシメルチニブ群でより少なかった(オシメルチニブ群vs.標準治療群:12% vs.30%)。CNS客観的奏効率(腫瘍縮小測定値)もオシメルチニブ群で66%と高く、標準治療群では43%だった(オッズ比:2.5、95%CI:1.2~5.2、p値:0.011)。 なお、同日FLAURA 試験の詳細結果がNew England Journal of Medicine(NEJM)オンライン版に掲出された。■参考AstraZeneca社プレスリリースFLAURA試験(Clinical Trials.gov)■関連記事NCSLC1次治療における血漿サンプルEGFR変異検査の評価:FLAURA/WCLC2017オシメルチニブ、FLAURA試験の日本人サブグループ解析/日本肺学会2017HR0.46、オシメルチニブが1次治療で標準治療を上回る(FLAURA)/ESMO2017

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第11回 先輩の背中見てコミュニケーション学ぶ時代は終わった!?【患者コミュニケーション塾】

先輩の背中見てコミュニケーション学ぶ時代は終わった!?COMLの活動の1つに、模擬患者(Simulated Patient・Standardized Patient)の派遣があります。これは1960年代に米国で始まった医学教育の一環で、医学生のコミュニケーショントレーニングの相手役になるというものです。日本では医学部と歯学部で2001年からのトライアルを経て2005年度から共用試験が本格的に導入されました。共用試験というのはCBTという知識を問う試験と、OSCE(オスキー)という実技試験(客観的臨床能力試験)です。OSCEの中には医療面接の試験があり、そこに模擬患者が相手役として参加しています。医学生は共用試験に合格することで、臨床実習に出るための仮免許を得ることになります。とくに2014年度からは、共用試験に合格すると、医学生は「スチューデントドクター」という称号を全国医学部長病院長会議から与えられることになりました。それによって、大学では「スチューデントドクター授与式」という式典まで開かれているところがあります。ある大学のスチューデントドクター授与式で、白衣のプレゼンターと記念講演をしたことがある私は、その様子を目の当たりにし、「これから臨床実習に出て患者と向き合うんだ」という自覚を医学生に持ってもらうためのイベントなんだと感じました。数年前から医学教育界では「2023年問題」がホットな話題になっていました。これは、米国以外の医学部を卒業した医師が、米国で医師として働く際の試験を受ける資格として、2023年以降は国際基準の認定を受けた医学部を卒業していることが条件になったことを受けての問題です。そこで、2015年12月に日本医学教育機構(JACME)が設立され、私は理事を務めているので、医学教育の最前線の動きを知る立場にあります。2017年3月にJACME自体が医学部のカリキュラムを評価する資格があるという国際認証を受け、現在、JACMEでは全国の医学部の教育の評価を始めています。これによって臨床実習に求められるレベルがより高まり、見学型臨床実習から診療参加型臨床実習に移行すると聞いています。また、カナダや米国、韓国、台湾では医師国家試験にOSCEが導入されていて、日本でも再三導入について議論されてきました。数年前の厚生労働省医道審議会に設置された医師国家試験改善検討会でも、再びこの問題が俎上に上りました。その結果、医師国家試験に導入するのではなく、臨床実習終了後に更にレベルの高いOSCEを実施して、准国試扱いとすることが決まりました。現在、2020年度の一斉スタートに向けて、今年度からトライアルが始まっています。私たちCOMLが1992年に模擬患者の活動を始めた当時、医学部の教授たちは「コミュニケーションなんて先輩の背中を見て学ぶものであり、教えてどうする?」と冷ややかな反応でした。しかし偏差値が高いというだけで医学部に入学してくる学生が増え、異なる世代の人と話したことがない若者すらいます。そのような中で、やはりコミュニケーションのスキルを向上させるためには訓練が必要だと時代が変化してきたのです。これからきっと、医療界にもAI(人工知能)が台頭してくることでしょう。画像の読影や病理診断をはじめ、病気の診断などはAIがかなりの部分をカバーすることになるかもしれません。となれば、医師に求められるものは、病気を理解したうえで一人ひとりの患者に応じた説明やサポートというコミュニケーションの部分が多くなるかもしれません。私たちCOMLが模擬患者活動を始めた理由は、「患者は一人ひとり背景の異なる個別的な存在。そのことを、コミュニケーションを通して理解し、患者と向き合ってほしい」という思いからでした。もしかすると、そこにようやくスポットライトが当たる時代になったのかもしれないと感じています。

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008)クリスマスキャロル【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第8回 クリスマスキャロル本日の漫画は、研修医時代のお話。当時、デルぽんが研修していた病院では、クリスマスイブの日に職員が聖歌を歌いながら、病棟を練り歩く、というイベントがありました。イブの日も当然勤務がある研修医の身。仕事の合間にちょうど出くわし、目撃することができました。照明を落とし、手にロウソクを持ちながら行進するその姿は、おごそかな雰囲気で、いつもの病棟が、ちょっとちがって見えたのをよく覚えています。さてこのイベント、入院患者さんにとっても楽しみな行事であるらしく。わざわざこのために、入院を希望する患者さんが、いるのだとか、いないのだとか…?!その場合、主訴は「クリスマスキャロル目的」になるのでしょうか…!クリスマスが近づいてくると毎年思い出す、クリスマスキャロルの思い出でした☆

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破裂性腹部大動脈瘤への血管内修復術、3年時評価で生存延長/BMJ

 破裂性腹部大動脈瘤が疑われる患者の治療戦略について、血管内治療と開腹手術では、どちらが臨床的効果および費用対効果に優れるのか。無作為化試験「IMPROVE試験」にて検討された同評価の3年時点の結果を、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのJanet T. Powell氏ら同研究グループが発表した。結果は、血管内治療が開腹手術よりも生存期間を延長し、質調整生存年(QALY)の獲得が大きく、再手術率は同程度であり、コストは低く、費用対効果に優れることが示された。研究グループは、「今回の結果は、緊急血管内修復がより広く行われるよう、血管内治療の実施を増やすことを支持するものであった」とまとめている。BMJ誌2017年11月14日号掲載の報告。IMPROVE試験の3年時アウトカムを評価 IMPROVE試験は、2009~16年に、30ヵ所(英国29、カナダ1)の血管センターで、破裂性腹部大動脈瘤が疑われる患者に対する血管内治療(大動脈の形態が安定している場合。そうでなければ開腹とする)の臨床的アウトカムおよび費用対効果を、開腹手術との比較で評価することを目的に実施された。30日時点(BMJ. 2014 Jan 13;348:f7661.)、1年時点(Eur Heart J. 2015 Aug 14;36:2061-2069.)のアウトカムについては、既報されている。今回発表の3年時点のアウトカム評価は、2013年8月にプロトコールが修正され追加されていた。 試験は、上級病院臨床医が破裂性大動脈瘤と診断した50歳超の患者を任意抽出して行われた。被験者は無作為に、血管内治療(即時CTを受け形態的に安定していれば緊急ステントグラフト挿入術[EVAR]を施行)、緊急開腹手術のいずれかを受ける群に割り付けられた。無作為化は通常、CT検査および麻酔科評価の前に緊急救命室で行われた。そのため、開腹手術はEVAR不適の患者の特異的治療であった。開腹手術群ではCT検査は義務付けられていなかったが、割り付け患者の90%で行われた。 主要アウトカムは総死亡率、副次アウトカムは3年時点の動脈瘤修復後の再手術、QOL、病院経費などであった。術後3ヵ月~3年の間に、血管内治療群に生存アドバンテージ 破裂性大動脈瘤と診断された試験適格患者は613例(男性480例)で、316例が血管内治療群(破裂性大動脈瘤と確認したのは275例)に、297例が開腹手術群(同261例)に無作為に割り付けられた。613例のうち502例が緊急修復手術を受けた。 死亡に関する最長フォローアップは7.1年。3年のフォローアップができなかった被験者は各群2例であった。 死亡率は、90日時点では両群で同等であったが(ハザード比[HR]:0.98、95%信頼区間[CI]:0.76~1.26、p=0.88)、中間期(3ヵ月~3年)において血管内治療群の死亡が開腹手術群よりも有意に少なく(HR:0.57、95%CI:0.36~0.90、p=0.015)、3年時点では血管内治療群の死亡率が有意に低かった(48% vs.56%)。ただし、7年時点では、死亡率は両群とも約60%(179/316例 vs.183/297例)となっている(HR:0.92、95%CI:0.75~1.13、p=0.41)。 緊急修復手術を受けた502例では、3年死亡率は血管内治療群が低かったが(42% vs.54%、オッズ比[OR]:0.62、95%CI:0.43~0.88)、7年時点では両群の差は明確ではなくなっていた(HR:0.86、95%CI:0.68~1.08)。3年時点の再手術率は、両群間で有意差はみられなかった(HR:1.02、95%CI:0.79~1.32、p=0.88)。また両群で、初回再手術は早期に多発し、中間期の発生は散発的であったことが認められた。 平均QOLは、初年度は血管内治療群が高かったが、3年時点では同程度であった。しかし早期にQOLが高かったことと、3年時点の死亡率の低さが組み合わさって、血管内治療群の3年時点の平均QALY獲得は0.17(95%CI:0.00~0.33)となった。 血管内治療群は、入院期間も短く、平均病院経費も開腹手術群より少なかった(−2,605ポンド[95%CI:−5,966~702][約2,813ユーロ、3,439ドル])。また、QALY獲得の支払い意思額レベルで検討した結果、すべてのレベルで、血管内治療の費用対効果が優れる確率は90%を超えていた。

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長時間労働やシフト作業は認知症発症に影響するか

 中年期のシフト作業や長時間労働が、その後の認知症リスクに及ぼす影響について、デンマーク・コペンハーゲン大学のKirsten Nabe-Nielsen氏らが、調査を行った。Scandinavian journal of work誌2017年11月1日号の報告。 対象は、コペンハーゲン男性研究(Copenhagen Male Study)より抽出された4,766例。評価に用いた情報は、シフト作業(1970~71年および1985~86年に収集)、45時間超/週の長時間労働(1970~71年に収集)、社会経済的状況、睡眠、ストレス、心血管リスク因子であった。認知症診断に関する情報は、診療記録より得た。対象者を2014年まで追跡した(平均追跡期間:17.8年)。生存分析、推定発症率比(IRR)、95%信頼区間(CI)の算出にポアソン回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・認知症とシフト作業(IRR:0.86、95%CI:0.70~1.05)または長時間労働(IRR:0.97、95%CI:0.79~1.19)との間に、統計学的に有意な関連は認められなかった。・潜在的な交絡因子やメディエーターで調整した後でも、推定値に変化は認められなかった。・曝露評価の両時点でのシフト作業は、両時点での非シフト作業者と比較し、認知症発症率の高さと関連が認められなかった(IRR:0.99、95%CI:0.69~1.42)。・1つの時点でシフト作業が報告されていた対象者において、認知症発症率が最も低かった(1985~86年のみ[IRR:0.44、95%CI:0.16~1.23]、1970~71年のみ[IRR:0.58、95%CI:0.31~1.11])。 著者らは「シフト作業や長時間労働と認知症発症率との関連を示す肯定的なエビデンスは見いだせなかったが、シフト作業や長時間労働の評価がきちんと行われていない可能性があり、これが本研究の主要な限界である」としている。■関連記事認知症になりやすい職業はなぜ、フィンランドの認知症死亡率は世界一高いのか認知症になりにくい性格は

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PAD患者の歩行能改善にGM-CSF製剤は寄与せず/JAMA

 米国・ノースウェスタン大学のMary M. McDermott氏らによる無作為化試験「PROPEL試験」の結果、末梢動脈疾患(PAD)患者において、トレッドミルを利用して定期的に行う運動療法は、定期的にレクチャーを行い注意喚起を促す介入と比べて、6分間歩行距離でみた歩行能を有意に改善することが示された。また、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)製剤は、単独投与または運動療法と組み合わせて投与した場合も、歩行能を有意に改善しないことが示された。これまでPAD患者の歩行能改善におけるGM-CSF製剤のベネフィットは不明であったが、研究グループは、「今回の結果で、PAD患者の歩行障害の治療に対する運動療法のベネフィットが確認され、GM-CSF製剤の使用は支持されなかった」とまとめている。JAMA誌オンライン版2017年11月15日号掲載の報告。4群に割り付けて12週時の6分間歩行距離の変化を評価 PROPEL試験は、GM-CSF製剤投与+運動療法が、運動療法単独/GM-CSF製剤投与単独と比べて、6分間歩行距離を延長するか、またGM-CSF製剤投与単独が、プラセボよりも6分間歩行距離を延長するか、さらには注意喚起の介入よりも同距離を延長するかを明らかにすることが目的であった。2012年1月6日~2016年12月22日に、シカゴ都市圏で参加者を登録。被験者を2×2要因デザインにて、(1)運動療法+GM-CSF製剤投与(運動+GM-CSF)、(2)運動療法+プラセボ(運動単独)、(3)注意喚起+GM-CSF製剤投与(GM-CSF単独)、(4)注意喚起+プラセボ(注意喚起単独)の4つの介入のうち、いずれか1つを受けるよう無作為に割り付けた。 運動療法は週3回のトレッドミルエクササイズを6ヵ月間、注意喚起は臨床医による週1回の教育的なレクチャーを6ヵ月間提供した。GM-CSF製剤またはプラセボの投与は、二重盲検下で、週3回250μg/m2/日を介入開始当初の2週間皮下投与した。 無作為化前と、無作為化後6週、12週、6ヵ月時点でフォローアップを行いアウトカムを評価。最終フォローアップは2017年8月15日であった。 主要アウトカムは、12週フォローアップ時の6分間歩行距離の変化(臨床的意味のある最小変化値は20m)。p値はHochberg step-up法で補正を行い評価した。運動療法単独群が最も改善、GM-CSF単独群は注意喚起単独群よりも改善せず PAD患者827例が評価を受け、210例が無作為化を受けた(平均年齢67.0[SD 8.6]、黒人141例[67%]、女性82例[39%])。運動+GM-CSF群53例、運動単独群53例、GM-CSF単独群53例、注意喚起単独群51例。12週フォローアップを完了したのは195例(93%)であった。 12週フォローアップ時の6分間歩行距離の変化(平均値)は、運動+GM-CSF群22.2m、運動単独群28.5mで、運動+GM-CSF群の有意な改善は示されなかった(平均差:-6.3m[95%信頼区間[CI]:-30.2~17.6]、p=0.61)。一方、運動+GM-CSF群は、GM-CSF単独群(同変化の平均値:-6.4m)よりも改善は認められた(平均差:28.7m[95%CI:5.1~52.3]、p=0.052)。 GM-CSF単独群は、注意喚起単独群(同変化の平均値:-5.0m)と比べると改善は認められなかった(平均差:-1.4m[95%CI:-25.2~22.4]、p=0.91)。運動単独群は、注意喚起単独群と比べてより大きく有意な改善が示された(平均差:33.6m[95%CI:9.4~57.7]、p=0.02)。

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最短8週間治療が可能なC型肝炎治療薬が登場

 アッヴィ合同会社は、すべての主要なジェノタイプ(GT1~6型)のC型肝炎ウイルス(HCV)に感染した成人患者に対して1日1回投与、リバビリンフリーの治療薬であるマヴィレット配合錠(一般名:グレカプレビル/ピブレンタスビル、以下マヴィレット)を11月27日に発売した。マヴィレットは肝硬変を有さない、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)未治療のジェノタイプ1型(GT1)および2型(GT2)のC型慢性肝炎(HCV)感染患者にとって、最初で唯一の最短8週間治療となる。薬価は1錠24,210.40円。 日本は先進国の中でC型肝炎ウイルスの感染率が最も高い国の1つで、感染患者のうちGT1型およびGT2型が97%を占める。また日本は、C型慢性肝炎とその合併症が主な原因となり発症する肝臓がんの罹患率が先進国の中で最も高い。 虎の門病院分院長の熊田 博光氏は、「今回のマヴィレットの発売により、DAA治療は第3世代へと移行し日本のC型肝炎治療は最終章を迎えると考えている。これまでのDAA療法は、ジェノタイプ、ウイルス耐性の有無、過去のDAA治療歴、または透析など、患者さんの状態によりDAA療法を使い分けていたが、マヴィレットの登場により1つの治療レジメンでそのほとんどがカバーされることになる」と述べている。 マヴィレットは今年2月に製造販売承認申請後、3月に優先審査品目に指定され、9月27日に承認された。 マヴィレットは、「肝硬変を有さない、DAA未治療のGT1型およびGT2型のHCVに感染した日本人患者」を対象とした第III相試験(CERTAIN試験)において、8週間の治療で99%(226例/229例)のウイルス学的著効率(SVR12)を達成した。また、他剤DAAで治癒しなかった患者において93.9%(31例/33例)のSVR12の達成となり、患者背景によらず、いずれも高い著効率を示した。副作用(臨床検査異常を含む)は、国内第III相試験において332例中80例(24.1%)に認められ、主な副作用は、そう痒症16例(4.8%)、頭痛14例(4.2%)、倦怠感10例(3.0%)および血中ビリルビン増加8例(2.4%)であった。 <効能・効果>C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善<用法・用量>○セログループ1(ジェノタイプ1)又はセログループ2(ジェノタイプ2)のC型慢性肝炎の場合 通常、成人には1回3錠(グレカプレビルとして300mg及びピブレンタスビルとして120mg)を1日1回、食後に経口投与する。 投与期間は8週間とする。なお、C型慢性肝炎に対する前治療歴に応じて投与期間は12週間とすることができる。○セログループ1(ジェノタイプ1)又はセログループ2(ジェノタイプ2)のC型代償性肝硬変の場合○セログループ1(ジェノタイプ1)又はセログループ2(ジェノタイプ2)のいずれにも該当しないC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変の場合 通常、成人には1回3錠(グレカプレビルとして300mg及びピブレンタスビルとして120mg)を1日1回、食後に経口投与する。投与期間は12週間とする。

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中国における高血圧管理の現状から学ぶべきこと(解説:有馬久富氏)-771

 中国における高血圧管理の現状について、北京協和医科大学のグループよりLancetに報告された。本研究では、中国全土の31省において35~75歳の一般住民170万人の横断調査が実施された。その結果、収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上、あるいは降圧薬服用で定義した高血圧の有病率は約45%であった。そのうち、高血圧であることを知らなかった者が約半数、治療していなかった者が約3分の2いた。治療を受けている高血圧者においても、ほとんどが1種類の降圧薬しか服用しておらず、140/90mmHg未満の降圧目標を達成できている者は4分の1以下であった。 中国における未治療あるいはコントロールされていない高血圧者の数はあまりにも多く、循環器疾患、とくに脳卒中の多くが高血圧により引き起こされているものと推測される。このような現状を打破するためには、健康教育による高血圧の1次予防、定期的な健康診断による高血圧の早期発見と早期治療、医療保険の整備など未治療者が受診しやすい環境の整備、費用対効果の高い降圧薬の併用など積極的降圧療法の普及等を実施していくことが急務である。 わが国において平成27年に実施された国民健康・栄養調査の成績をみると、20歳以上の成人における高血圧の有病率は46.9%であった。年齢の範囲や構成が中国のそれとは異なるため単純な比較はできないが、日本と中国の高血圧有病率はそれほど変わらないのかもしれない。一方、高血圧者のうち治療を受けている者の頻度をみると、今回の中国における報告では30.1%であったのに対して、わが国の国民健康・栄養調査(平成27年)では59.4%と高かった。しかし、日本においても未治療の高血圧者は、全体の約4割に及ぶことがわかる。 わが国において高齢化とともに今後増加すると推測される循環器疾患を減らしていくためには、未治療者の受診勧奨・治療者の血圧コントロール徹底等の高リスク戦略と、国民全体の血圧分布を低い方向にシフトさせるポピュレーション戦略を組み合わせていく必要がある。

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腫瘍変異負荷は小細胞がん免疫治療のバイオマーカーとなるか(CheckMate-032)/WCLC

 再発小細胞肺がん(SCLC)の治療選択肢は限られており、生命予後も不良である。固形がんにおけるニボルマブ±イピリムマブの第I相試験CheckMate-032の初回報告では、ニボルマブ・イピリムマブの併用はSCLCに対し、良好かつ持続的な効果を示し、この結果をもって、NCCNガイドラインに推奨されている。しかし、非小細胞肺がん(NSCLC)のバイオマーカーであるPD-L1は、この試験において治療効果との関連性は示しておらず、SCLCにおける免疫治療の明らかな効果予測バイオマーカーは明らかでない。SCLC免疫治療のバイオマーカーとしての腫瘍変異負荷(tumor mutation burden:TMB)の可能性 TMBは、ニボルマブによるNSCLCの1次治療試験であるCheckMate026試験において、ニボルマブの効果予測因子としての可能性を示しており、SCLCにおいてもバイオマーカーとして期待される。そのような中、SCLCのバイオマーカーを検討するために行われたCheckMate032試験の探索的研究の結果が、第18回世界肺会議(WCLC)で発表された。 この研究では、腫瘍および血液サンプルで全エクソンシークエンス(WES)を行い、TMBを高、中、低の3段階のコホートに分け評価した。TMB評価可能な患者は、合計211例でニボルマブ単独群133例、ニボルマブ・イピリムマブ併用群79例であった。ニボルマブ単独、イピリムマブ併用ともに高TMB患者で良好な予後示す ニボルマブ単独群全体の奏効率(ORR)は11.3%、低・中・高TMB患者ではそれぞれ、4.8%、6.8%、21.3%であった。ニボルマブ・イピリムマブ併用群のORRは全体で28.2%、低・中・高TMB患者ではそれぞれ、22.2%、16.0%、46.2%であった。 ニボルマブ単独群における1年無増悪生存(PFS)率の結果は、低・中・高TMB患者でそれぞれ、3.1%、NC、21.2%(PFSは1.3ヵ月、1.3ヵ月、1.4ヵ月)であった。ニボルマブ・イピリムマブ併用群における1年PFS率は低・中・高TMB患者ではそれぞれ、6.2%、8.0%、30.0%(PFSは1.5ヵ月、1.3ヵ月、7.8ヵ月)であった。 ニボルマブ単独群おける1年全生存(OS)率の結果は、低・中・高TMB患者でそれぞれ、22.1%、26.0%、35.2%(OSは3.1ヵ月、3.9ヵ月、5.4ヵ月)であった。ニボルマブ・イピリムマブ併用群における1年OS率は低・中・高TMB患者でそれぞれ、19.6%、23.4%、62.4%(OSは3.4ヵ月、3.6ヵ月、22.0ヵ月)であった。 低・中TMBコホートに比べ、高TMBコホートでは、ニボルマブ単独群、ニボルマブ・イピリムマブ併用群ともに、ORR、PFS、OSが改善した。高TMBコホートにおける効果の増加は、ニボルマブ・イピリムマブ併用患者で顕著に見られた。また、いずれのTMBコホートにおいても、ニボルマブ・イピリムマブ併用群が優れていた。この試験結果は、高TMBはSCLC患者におけるニボルマブ±イピリムマブの効果予測バイオマーカーとなる可能性を示唆しており、カットオフ値の設定など今後の研究が必要となるであろう。■参考CHECKMATE032試験(Clinical Trials.gov)■関連記事ニボルマブの恩恵を受けるのは腫瘍変異が高い症例?:CheckMate026探索的研究

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わかる統計教室 第4回 ギモンを解決!一問一答 質問20

インデックスページへ戻る第4回 ギモンを解決!一問一答質問20 ロジスティック回帰分析のオッズ比とは?前回は、ロジスティック回帰分析の判別スコアと判別精度について、ご説明しました。今回は、ロジスティック回帰分析のオッズ比について、ご説明いたします。■ロジスティック回帰分析のオッズ比ロジスティック回帰分析のオッズ比は、関係式の回帰係数から算出されます(表1)。、を「オッズ比」といいます。表1 事例のオッズ比【計算例】e0.3079 Excel関数 =EXP (0.3079)  Enterキー → 1.36オッズ比は値が大きいほど、息切れ症状あり群になるリスクが高いといえます。ただし、オッズ比から倍率の解釈はできません。喫煙本数が1日に1本増えると、息切れ症状あり群になる確率が1.36倍になるという解釈はできません。オッズ比からは値が大きいとか、小さいといったことがわかるだけなのです。また、オッズ比が1を下回ることがあります。たとえば、説明変数にウオーキング習慣の有無があり、オッズ比が0.8だとします。「息切れ症状あり群」になるオッズ比は0.8ですので、逆数(1÷0.8=1.25)を計算し、ウオーキングの「息切れ症状なし群」になるオッズ比は1.25という解釈もできます。※オッズ比については、「質問5 リスク比(相対危険度)とオッズ比の違いは?(その1)」を参照してください。例題の喫煙本数を0、1にデータ変換し、喫煙分類のデータを表2に作成します。0;14本以下1;15本以上表2 事例のデータ変換表3で息切れ症状の有無を目的変数、喫煙分類を説明変数とするロジスティック回帰を行います。オッズ比は12でした。表3 事例のロジスティック回帰の結果表4のデータで、リスク比とオッズ比を計算します。表4 事例のリスク比とオッズ比説明変数が1つの場合、ロジスティック回帰のオッズ比とクロス集計から算出されるオッズ比は一致します。ロジスティック回帰の説明変数が2つ以上のオッズ比を「調整したオッズ比」、1つだけの場合を単に「オッズ比」といいます。次回は、ロジスティック回帰分析の説明変数の選び方について、ご説明いたします。今回のポイント1)ロジスティック回帰分析のオッズ比は、値が大きいほど息切れ症状あり群になるリスクが高いといえるが、オッズ比からはその倍率は解釈できない!2)説明変数が1つの場合、ロジスティック回帰のオッズ比とクロス集計から算出されるオッズ比は一致する!3)ロジスティック回帰の説明変数が2つ以上のオッズ比を「調整したオッズ比」、1つの場合を単に「オッズ比」という!インデックスページへ戻る

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ACS疑い患者のイベント指標は高感度心筋トロポニンI値5ng/L/JAMA

 急性冠症候群(ACS)疑い患者で高感度心筋トロポニンI値が5ng/L未満の場合は、30日以内の心筋梗塞や心臓死のリスクが低いことが示された。英国・エディンバラ大学のAndrew R. Chapman氏らが、ACS疑い患者におけるリスク層別化ツールとして、受診時の心筋トロポニンIの閾値5ng/Lの性能を評価したシステマティックレビューとメタ解析の結果を報告した。高感度心筋トロポニンI検査はACS疑い患者の評価に広く使用されており、5ng/L未満は低リスクとみなされているが、至適閾値であるかは明らかになっていない。JAMA誌2017年11月11日号掲載の報告。約2万2,500例のACS疑い患者についてメタ解析 研究グループは、2006年1月1日~2017年3月18日の期間で、MEDLINE、EMBASE、Cochrane、Web of Scienceのデータベースを用い、心筋梗塞の一般的な定義によって診断されたACS疑い患者において、高感度心筋トロポニンI値を測定した前向き研究を検索した。 1万1,845報が特定され、このうち104報について全文を調査し、9ヵ国からの19件のコホートがシステマティックレビューに組み込まれた。個々の患者のデータは、17件については筆頭著者から入手して他の2件のデータと統合し、計2万2,457例(平均年齢62[SD 15.5]歳、女性9,329例[41.5%])がメタ解析に組み込まれた。 主要アウトカムは、30日時点の心筋梗塞/心臓死であった。リスク層別化は、個々の患者データを用い、サブグループおよびトロポニン値の範囲で実施された。心筋トロポニンI値5ng/L未満は、30日時点の心筋梗塞/心臓死の陰性適中率99.5% 計2万2,457例のうち、主要アウトカムである30日時点の心筋梗塞/心臓死は2,786例(12.4%)に発生した。受診時の心筋トロポニンI値が5ng/L未満であった患者は1万1,012例(49%)、このうち60例で登録時イベントまたは30日イベントを見逃していた(59例が登録時の心筋梗塞、1例が30日時点の心筋梗塞、心臓死の見逃しはなし)。 主要アウトカムの陰性適中率は99.5%(95%信頼区間[CI]:99.3~99.6)であった。心臓死の陰性適中率は99.9%(95%CI:99.7~99.9)で、30日心臓死の発生はなく、1年心臓死は7例(0.1%)であった。 著者は、すべてのコホートが同じプロトコールを使用しているわけではないこと、発症後すぐに受診した患者の割合が10%と低いことなどを研究の課題として挙げたうえで、「今回のリスク層別化法の臨床的有用性や費用対効果を理解するために、さらなる研究が必要である」と述べている。

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重度のストレスやうつ病からの復職に効果的なリハビリは

 うつ病やストレスに関連する精神疾患による世界的な負担は大きく、効果的なリハビリテーションが必要とされている。自然療法のリハビリテーションは、精神疾患患者の復職への手助けとなる可能性がある。スウェーデン農業科学大学のPatrik Grahn氏らは、長期的な重度のストレスやうつ病を有する患者群を対象に、自然療法のリハビリテーションプログラムの期間が、プログラム開始1年後のアウトカムに対し、どのような影響を及ぼすかについて調査した。International journal of environmental research and public health誌オンライン版2017年10月27日号の報告。 8、12、24週のリハビリテーションの結果を比較するため、プロスペクティブ準実験的研究を行った。参加者106例を対象に、特別に設計されたリハビリガーデンにおいて多様式なチームによるリハビリテーションを実施した。復職に関するデータは、介入前および開始1年後に収集した。また、自己評価による職業能力、個人管理、連帯感についてのデータを収集した。 主な結果は以下のとおり。・介入1年後にフルタイムまたはパートタイムの復職または職業訓練などに参加した患者は、68%であった。・リハビリテーション期間の長かった参加者では、職業能力に関してより良い結果が得られ、介入1年後のフルタイムまたはパートタイムの賃金労働をこなせる可能性が高かった。 著者らは「リハビリガーデンにおけるより長いリハビリテーション期間は、賃金労働へ復職する可能性を高める」としている。■関連記事職場ストレイン、うつ病発症と本当に関連しているのか職業性ストレス対策、自身の気質認識がポイント:大阪市立大たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

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非喫煙女性の肺がんに飲酒が関連か

 生涯非喫煙者における肺がんの病因はほとんどわかっていない。スペイン・コルーニャ大学病院のJose A. Garcia Lavandeira氏らが、ケースコントロール研究のプール解析で、生涯非喫煙者における肺がんリスクにおける飲酒の影響を検討したところ、ワインと蒸留酒の摂取が、とくに女性で、肺がんリスクを増加させる可能性が示唆された。ただし、本研究の限界を考慮すると本結果を慎重にとらえるべき、と著者らは述べている。European journal of public health誌オンライン版2017年11月13日号に掲載。 本研究は、スペイン北西部で行われた6件の多施設ケースコントロール研究を統合した。ケース群、コントロール群とも、生涯非喫煙者であった。解剖病理学的に肺がんを確認した症例を選択し、参加者すべてに個別にインタビューした。2つの統計モデルグループについて、一般化加法モデルを用いた無条件ロジスティック回帰を適用した。1つはアルコール飲料の種類の影響を検討し、もう1つは各アルコール飲料の摂取量を検討した。 主な結果は以下のとおり。・ケース群が438人、コントロール群が863人であり、年齢中央値はそれぞれ71歳と66歳であった。組織型は腺がんが多く、全症例の66%を占めていた。・アルコール飲料の種類別のオッズ比(OR)は、ワインが2.20(95%CI:1.12~4.35)、蒸留酒が1.90(同:1.13~3.23)、ビールが1.33(95%CI 0.82~2.14)であった。・女性では上記の結果と同様であったが、男性ではどのアルコール飲料でも明らかなリスクは認められなかった。・アルコール飲料別の用量反応分析では、明確なパターンが示されなかった。

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多発性骨髄腫に新たな治療の選択肢

 11月8日、ヤンセンファーマ株式会社は、多発性骨髄腫治療薬のヒト抗CD38モノクロナール抗体ダラツムマブ(商品名:ダラザレックス点滴静注)が9月27日に製造販売の承認を取得したことを期し、多発性骨髄腫に関するメディアセミナーを都内で開催した。 ダラザレックスは、再発または難治性の多発性骨髄腫(以下「MM」と略す)の治療薬で、現在の適応条件では併用療法で使用される予定である。※本剤は11月22日に薬価収載(100mg5mL1瓶 5万1,312円、400mg20mL1瓶 18万4,552円)され、発売された。寛解と再発を繰り返す多発性骨髄腫 はじめに伊藤 博夫氏(同社オンコロジー事業本部 事業本部長)が、「ダラツムマブは、米国食品医薬品局(FDA)から画期的治療薬指定をもらった治療薬で、早いスピードで承認・発売された。日本でも使用できるようになったことで、今後も、迅速に患者さんに治療薬を届け、安全に使用できるよう副作用情報なども提供していきたい」と挨拶した。 続いて鈴木 憲史氏(日本赤十字社医療センター 血液内科・骨髄腫アミロイドーシスセンター長)を講師に迎え「多発性骨髄腫」をテーマに疾患の概要とダラツムマブの効果について説明が行われた。 MMは、骨髄の形質細胞ががん化し、正常な免疫グロブリンを作らず、異常な免疫グロブリンを過剰産生するために、貧血、腎障害、骨病変、高カルシウム血症などのさまざまな症状を引き起こす。2012年の推定罹患患者数は人口10万人あたり男性5.7人、女性5.1人(男女計5.4人)で、現在も年間7千人前後の患者が推定され、年々増加傾向にあるという。 主な症状としては、造血抑制を原因とする貧血、白血球・血小板減少、骨破壊を原因とする高カルシウム血症、病的・圧迫骨折、脊髄圧迫症状、M蛋白を原因とする免疫グロブリンの低下、腎障害などがみられる。外来診療の場で、「腰痛を訴え、こうした症状も同時に訴える患者がいたら本症を疑うべき」と同氏は言う。 MMの治療では、自家造血幹細胞移植のほか、初期治療として、ボルテゾミブ、レナリドミド、デキサメタゾンの3剤併用、レナリドミド、デキサメタゾンの2剤併用療法が行われている。治療薬もプロテアソーム阻害薬、免疫調整薬と増え、治療薬の増加に比例して患者の生存期間も延長している。しかし、MMでは、いったん寛解するものの、腫瘍細胞を完全になくすことは困難であり、再発することも多く、予後もよいとは言えないのが現在の状況であるという。多発性骨髄腫の治療に新戦力 MMの治療戦略として、いかに微小残存病変(MRD)を陰性にさせ、“Therapy off”にするかがポイントとなる。そのため、体内で多発する遺伝子転座の発生をいかに抑制するかが治療のカギとなる。 MMでは、CD38が免疫細胞の形質細胞に高発現し、有用な治療標的とされている。開発されたダラツムマブは、ヒトCD38に結合し、補体依存性細胞傷害活性、抗体依存性細胞傷害活性などの作用で腫瘍の増殖を抑制すると考えられ、CD8陽性細胞傷害性T細胞・CD4陽性ヘルパーT細胞、免疫抑制細胞に影響を及ぼすとされている。 「腫瘍をしっかりと減らし、免疫をつけることができるのがダラツムマブの特徴」と同氏は言う。また、免疫機構が働くことで、「予後の改善にも期待が持てる」と語る。 ダラツムマブでは、2つの臨床試験が行われ、POLLUX試験では、再発または難治性のMM患者(n=569)をDRd(ダラツムマブ、レナリドミド、デキサメタゾン)群とRd(レナリドミド、デキサメタゾン)に分け、無増悪生存期間を評価した。その結果、DRd群はRd群に比べ細胞増殖および死亡のリスクを59%低下させたほか、24ヵ月時点でMRD陰性もDRd群はRd群に比べ大幅に高かったことが示された。また、CASTOR試験では、再発または難治性のMM患者(n=498)をDVd(ダラツムマブ、ボルテゾミブ、デキサメタゾン)群とVd(ボルテゾミブ、デキサメタゾン)に分け、無増悪生存期間を評価した。その結果、DVd群はVd群に比べ細胞増殖リスクを69%低下させたほか、約19ヵ月時点でMRD陰性も先の試験同様にDVd群はVd群に比べ大幅に高かったことが示された。 副作用については、好中球減少症、貧血、血小板減少症、下痢、上気道感染症などが報告されたが重篤なものはなかったという。ただ、ダラツムマブ(ダラザレックス)が点滴薬のために「鼻水、せき、寒気などのアレルギー様の症状が現れる“インフュージョン・リアクション”と呼ばれる症状が現れることもあり、症状によっては注意が必要」と同氏は指摘する。 今後の治療の展望では、ダラツムマブの出現で臨床症状の改善、通院の利便性、服薬への安全性が改善され、患者ニーズをさらに満たしていくと説明するとともに同氏は、「生存期間の延長を現在の段階とすれば、次の段階では早期の新薬適応で治療を、次の段階でMMの寛解を、そして予防まで進めることを期待したい」と抱負を語り、セミナーを終えた。

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カナキヌマブの心血管イベント予防効果、CRP低下がカギ?/Lancet

 米国・ブリガム&ウィメンズ病院のPaul M Ridker氏らは、CANTOS試験の2次解析の結果、「カナキヌマブ投与3ヵ月後の高感度C反応性蛋白(hsCRP)値低下の大きさは、治療継続により最も恩恵が得られそうな患者を特定する簡単な臨床的手段(clinical method)といえるかもしれない」との見解を示すとともに、「カナキヌマブ投与後の炎症反応が低いほど予後良好であることが示唆された」ことを報告した。ヒト型抗ヒトIL-1βモノクローナル抗体のカナキヌマブは、心筋梗塞既往患者を対象としたCANTOS試験において、脂質に影響せず炎症と心血管イベントを抑制することが示されている。しかし、どの患者集団で最も有益なのか、またhsCRP値の低下が個々の患者で臨床的有益性と関連するかどうかは不明であった。Lancet誌オンライン版2017年11月13日号掲載の報告。CANTOS試験の2次解析で検討 CANTOS試験は、心筋梗塞の既往歴があるhsCRP値2mg/L以上の患者1万61例を対象に、カナキヌマブ(50mg、150mg、300mg)またはプラセボの4群に割り付け、標準治療に加えそれぞれを3ヵ月に1回皮下投与した時の、心血管イベント抑制効果を検討した無作為化二重盲検比較試験である。 研究グループは、事前に規定されていた2次解析として、心血管イベント減少とhsCRP低下との関連性を検証した。具体的に、治療中のhsCRP値からみた、カナキヌマブの主要有害心血管イベント(MACE)発生率、心血管死亡率および全死因死亡率に対する影響を、hsCRP値達成と関連するベースライン要因を調整した多変量モデルを用いて評価した。また、残余交絡因子に対処するため複数の感度解析も行った。 追跡期間中央値は3.7年であった。hsCRP値2mg/L未満達成で主要有害心血管イベントが25%減少 ベースラインの臨床的特徴からは、カナキヌマブ治療が心血管系のベネフィットをもたらすのか否かがうかがわれる患者集団は特定されなかった。しかしながら、カナキヌマブ投与群において、初回投与後3ヵ月時にhsCRP値が2mg/L未満を達成した患者は、プラセボ群と比較しMACEの発生が25%減少し(多変量補正後ハザード比[HRadj]:0.75、95%信頼区間[CI]:0.66~0.85、p<0.0001)、一方、hsCRP値が2mg/L以上の患者では有意な減少は確認されなかった(HRadj:0.90、95%CI:0.79~1.02、p=0.11)。 また、hsCRP値2mg/L未満を達成したカナキヌマブ群の患者は、心血管死亡率(HRadj:0.69、95%CI:0.56~0.85、p=0.0004)および全死因死亡率(HRadj:0.69、95%CI:0.58~0.81、p<0.0001)がいずれも31%減少したが、hsCRP値2mg/L以上の患者では有意な減少は認められなかった。 事前に規定された副次心血管エンドポイント(不安定狭心症のための緊急血行再建術による入院を追加)の解析、hsCRP値低下の中央値・hsCRP値50%以上低下・hsCRP値低下率の中央値に基づいた感度解析、投与量別解析、hsCRP目標値に達した患者における治療効果を算出する因果推論法を用いた解析においても、同様の結果が確認された。

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まだBMSを使う理由があるか?(解説:上田恭敬氏)-769

 本試験では、安定狭心症も急性冠症候群も含めた75歳以上のPCI施行患者を対象として、まずDAPTの期間を1〜6ヵ月の間(short DAPT)で臨床的必要性に応じて決めた後に、PCIに使用するステントをDES(Synergy、Boston Scientific)またはBMS(Omega or Rebel、Boston Scientific)に無作為に割り付けた。患者に対しては、「SENIOR stent」の表記で統一することによって、いずれに割り付けられたかわからないようにした(single-blind)。 その結果、複合主要評価項目である1年間のMACCE(全死亡、心筋梗塞、血行再建術、脳卒中)は、12%対16%(p=0.02)とDES群で有意に低値であった。血行再建術(Ischaemia-driven target lesion revascularisation)の差(2%対6%、p=0.0002)が、複合主要評価項目の差につながったと考えられ、出血性イベントも含めて、他のイベント項目に明らかな群間差を認めなかった。 DAPT期間を短縮するためにBMSを使用するという言い訳がよく聞かれるが、今回の試験の結果では、臨床的必要性に応じて短期間のDAPTを施行する高齢者においても、1年の短期成績で判断する限り、BMSを選択する必要はなく、むしろDESのほうが優れていることが示された。「DESでは新生内膜による被覆が不良なためDAPT期間を短くするとステント血栓症のリスクが高くなる」という固定観念は、そろそろ払拭されてもよいのかもしれない。ただし、10年以上の長期成績においてBMSとDESのいずれが優れているかはまた別の問題であり、別に議論されるべきだろう。

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