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軽~中等度認知症への運動介入、進行遅延効果はなし?/BMJ

 軽度~中等度認知症に対する、中~高強度の有酸素運動と筋力トレーニングのプログラムの介入には、認知障害の進行を遅らせる効果はないことが、英国・オックスフォード大学のSarah E. Lamb氏らによる無作為化試験「Dementia And Physical Activity:DAPA試験」の結果で示された。筋トレのプログラムで体力の改善は認められたが、その他の臨床的アウトカムの明らかな改善は認められなかったという。認知症者の認知低下の遅延に果たす運動の役割について、これまで臨床に反映できる十分な規模と方法論に基づく無作為化試験は行われていなかった。BMJ誌2018年5月16日号掲載の報告。通常ケアと比較、12ヵ月時点の認知障害の進行について評価 研究グループは、研究者盲険下で多施設共同のプラグマティック無作為化対照試験で、中等度認知症者の認知障害およびその他のアウトカムに与える、中~高強度の有酸素運動と筋力トレーニングのプログラムの影響を調べた。被験者は、イングランドの15地域から集めた、NHSプライマリケアの患者、大学のコミュニティ&メモリサービス利用者、認知症研究登録者、ボランティアであった。 494例が集まり、2対1の割合で329例が運動介入群に、165例が通常ケア群に無作為に割り付けられた。運動介入群は、通常ケアに加えて監督下で行う運動を4ヵ月間、その後は継続的に運動に関するサポートを受けた。運動の介入は、地域のジム施設およびNHSの施設で行われた。 主要アウトカムは、アルツハイマー病評価スケール下位項目(ADAS-cog)の12ヵ月時点のスコアであった。副次アウトカムは、ADL、神経学的症状、健康関連QOL、要介護度などであった。運動介入群では介入期間中に体力測定(6分間歩行テストなど)が行われた。差は小さいが、運動介入群のほうが認知障害が進行、体力は改善 被験者494例は、平均年齢77歳(SD 7.9)、男性301/494例(61%)であった。 12ヵ月時点のADAS-cogスコアは、運動介入群25.2(SD 12.3)、通常ケア群23.8(SD 10.4)であった(補正後群間差:-1.4、95%信頼区間[CI]:-2.6~-0.2、p=0.03)。平均差は小さく、臨床的意義は不明であったが、運動介入群のほうが、認知障害が進んでいることが示唆された。 副次アウトカムや、認知症のタイプ(アルツハイマー病、その他)、認知障害の程度、性別、疾患別による事前に計画されたサブグループ解析について、有意差は認められなかった。 運動介入群のコンプライアンスは良好で、スケジュールセッションの4分の3以上に参加した被験者は65%(214/329例)を占めた。運動介入群の6分間歩行テストの結果は、6週間にわたって改善が認められた(平均変化:18.1m、95%CI:11.6~24.6)。

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鼻炎患者の半数以上が未治療のまま?

 アレルギー性鼻炎の患者数は近年増加しており、本疾患による労働者1人当たりの経済的損失額は19万1,783円/年になるという報告もある。鳥居薬品株式会社は、「通年性アレルギー性鼻炎・花粉症 全国意識・実態調査」を実施し、結果を公表した。 調査の結果、長年アレルギー性鼻炎の症状に悩まされている患者の割合が回答者全体の半分以上であるにもかかわらず、医療機関への定期受診率は20%未満であり、疾患の原因と治療法の認識不足が浮き彫りになった。他科受診などを機会に、鼻炎症状が見られた場合、症状の程度や治療の理解についての確認が必要かもしれない。 本研究は、全国の通年性アレルギー性鼻炎、花粉症いずれかの症状を申告した15~64歳の患者4,692例(各都道府県100例、山梨県のみ92例[調査結果の分析ではウェイトバック集計で補正])と、子供(5~15歳の小児)が両疾患のいずれかを持っていると申告した保護者1,600名(全国を8地域に分け、各地方200名)を対象に、2018年3月、インターネット調査として実施された。 主な結果は以下のとおり。・症状を自覚し、10年以上悩まされている患者は、通年性アレルギー性鼻炎で64.6%、花粉症で51.9%だった。また、症状が出てから3年以上症状に悩まされている小児は、通年性アレルギー性鼻炎で53.8%、花粉症で48.0%だった。・症状や対策で、最も不満に思っていることは「完治しない」が最多だった。 患 者/通年性アレルギー性鼻炎:47.3%、花粉症:41.0% 保護者/通年性アレルギー性鼻炎:49.4%、花粉症:43.0%・患者における医療機関への定期受診率は、通年性アレルギー性鼻炎で8.1%、花粉症で16.0%だった。未受診の理由は、通年性アレルギー性鼻炎では「体質だから仕方ない」が、花粉症では「市販薬で対応しているから」が上位を占めた。また、小児における定期受診率は、通年性アレルギー性鼻炎で19.8%、花粉症で36.1%だった。・「舌下免疫療法」による治療の意向がある保護者は、通年性アレルギー性鼻炎で45.0%、花粉症で48.4%だった。 調査の監修を担当した大久保 公裕氏(日本医科大学大学院医学研究科 頭頸部・感覚器科学分野 教授)は、「アレルギー治療において重要なことは、まず症状の原因を特定し、できる限りその原因を避けることにあります。とくに小児においては、幼少期のアレルギー疾患が起点となり他のアレルギー疾患に進展する傾向がみられること(アレルギーマーチ)が知られており、その重要性はなおさらです。今後はより多くの患者さんがアレルギー疾患、検査、治療に対して正しい情報を得ることができ、より適切な対処ができるよう、そしてわれわれ医療者はそれらに対応できるようになることが求められています」とコメントしている。■参考鳥居薬品株式会社 プレスリリース■関連記事診療よろず相談TV シーズンII 第17回「花粉症」

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男女の排尿時間はどちらが長いか?~日本抗加齢医学会総会

 「あなたは自分が何秒間おしっこしているか知っていますか?」 男女別の排尿時間という、これまで泌尿器科、婦人科の世界できちんと検証されてこなかったシンプルな疑問を明らかにしたのは、旭川医科大学病院臨床研究支援センターの松本 成史氏。5月25日~27日に大阪で開催された日本抗加齢医学会のシンポジウム中でその研究成果を発表した。男女とも排尿時間は加齢とともに有意に延長 ヒトの排尿に関する数値としては、1回20~30秒、1回200~400mL、1日1,000~1,500mL、1日5~7回などが標準とされている。しかし、「ヒトの本当の1回の排尿時間を実際に測定して分析した研究報告はこれまでなかった」(松本氏)。一方で、すべての哺乳類の平均排尿時間は、体の大きさに関係なく、21±13秒と結論付けられており、この研究論文は2015年のイグ・ノーベル賞を受賞している(Yang PJ, et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2014;111:11932-11937.)。 松本氏は、これら排尿に関する数値を日本人で実証すべく、本研究を行った。 排尿時間の調査対象は、NHKの番組企画に協力してくれた20歳以上の3,719人(男性2,373人、女性1,336人)。「通常の尿意」の際の排尿時間(尿が実際に出始め、出終わるまでの時間)を自己計測し、高血圧、糖尿病、腎機能障害の有無、過活動膀胱症状スコア、国際前立腺症状スコアとQOLスコア(男性のみ)などとともに自己申告で記載してもらった。 その結果、平均排尿時間は、男性(平均63.36±11.72歳)で29.00±20.62秒、女性(平均52.63±13.05歳)で18.05±12.48秒と、男性のほうが10秒以上上回った。排尿時間は、尿道が長い男性のほうが女性より長いと一般的に考えられており、それを裏付ける結果となった。 年齢との関係を見ると、男女とも排尿時間は加齢とともに有意に延長。自己申告に基づく高血圧、腎機能障害等の有病者と健常者の比較では、有病者グループのほうが男女とも有意に長かった。 排尿時間の哺乳類標準である「21秒」との乖離について松本氏は、「(排尿時間を延長させる)前立腺肥大の影響がないと考えられる20~50歳に限ると、男性の平均は21.98±17.87秒である」とし、先行研究と矛盾しない結果だと説明する。それも踏まえ、「排尿時間は自己測定が容易であり、アンチエイジング、疾病早期発見の1つの指標になりえる。とくに男性については、[21秒]はわかりやすい数値だ」と話している。

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医学部減員は2022年度以降、医師需給「第3次中間とりまとめ」了承:厚労省

 厚生労働省は「第6回医療従事者の需給に関する検討会」(座長=森田 朗・津田塾大学総合政策学部教授)および「第21回医師需給分科会」(座長=片峰 茂・長崎大学前学長)を5月28日に合同で開催し、検討会は2020年度以降の医師養成数の方向性を示した「第3次中間取りまとめ」の内容について了承した。 2020~21年度については、2019年度までの「新成長戦略」に基づく医学部定員の暫定増の方針をおおむね維持する、とした一方で、2022年度以降については「医師の働き方改革に関する検討会」で議論される時間外労働規制に関する意見等を踏まえ引き続き検討することとされた。今後、2019年度から議論を始め、2020年度には結論を出す見通し。 これまで分科会では、厚生労働省による将来の医師需給推計に基づき議論を進めてきた。性年齢階級別の詳細なデータを用いて仕事量を算出することで、医師の労働時間として3つのケースを仮定し、需給推計を算出している。これによると、労働時間の見込みを一番厳しい週55時間に制限する場合、2033年頃に約36万人で医師需給が均衡し、2040年には医師供給が約2万5,000人過剰となることが見込まれた。 また、取りまとめには「2022年度以降の医師養成数については全国レベルのマクロの医師需要推計だけでなく、ミクロの領域における医師偏在対策や、将来の都道府県毎の医師需給、診療科ごとの医師の必要数、長時間労働を行う医師の人数・割合の変化等についても適切に勘案した上で、人口構造の変化や医療技術の進展など医師を取り巻く環境がこれまでよりも短いスパンで変化していくことも踏まえ、定期的に検討をしていく必要がある」と明記されている。 しかし、日本医師会常任理事の釜萢 敏氏や日本精神科病院協会会長の山崎 學氏は、「地域かかりつけ医としての役割に対する認識や専門医制度が地域包括ケアの将来像と乖離している」と現行の新医師臨床研修制度について指摘。医師養成の現状に危惧する見解を示した。 最後に森田氏は「マクロの議論でありミクロの議論については不完全燃焼な思いの方もおられるだろう。この点は引き続き検討会や分科会で議論していきたい」と今後の方針を示した。■参考厚生労働省:医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会(第21回)

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durvalumab、切除不能StageIII NSCLCのOSを有意に改善(PACIFIC)

 AstraZenecaとMedImmuneは2018年5月25日、durvalumabの第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験PACIFICにおいて、化学放射線同時併用療法(CRT)後に進行していない切除不能StageIII非小細胞肺がん(NSCLC)患者の全生存期間(OS)の評価項目を達成したと発表。 独立データモニタリング委員会が実施した中間解析では、プラセボと比べ、durvalumab群で、臨床的に意味のある改善が認められ、統計的に有意なOSベネフィットを示した。これにより、durvalumabは、この試験において、無増悪生存期間(PFS)に続き、2つの主要評価項目を達成したことになる。durvalumabの安全性および耐容性プロファイルは、無増悪生存期間(PFS)分析の時点で報告されたものと一致していた。AstraZenecaは、このPACIFIC試験の結果を今後の医学会議で発表する予定。  PACIFIC試験は、化学放射線療法(CRT)後に進行していない切除不能StageIII NSCLC患者に対するdurvalumabの無作為化二重盲検プラセボ対照多施設試験。26ヵ国235施設から713例の患者が参加している。主要評価項目はPFSとOS、副次評価項目はランドマークPFSとOS、奏効率、奏効期間など。■参考AstraZeneca社プレスリリース■関連記事durvalumab維持療法、Stage III肺がんのPFSを有意に改善(PACIFIC)/ESMO2017

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認知症に対する運動介入の息の根が止められたのか?(解説:岡村毅氏)-859

 非常に大規模に、そしてほかの要因が交絡しないように厳密に、運動介入が認知症の人の認知機能に及ぼす効果を調べたら、なんと効果がないどころか通常のケアに負けたという報告である。通常のケアより優位であったのは「一定時間内に歩く距離」というのも微妙だ。1年も激しく運動すれば足は鍛えられるだろう。 とはいえ、動機は美しい。個人的には、本研究のクリニカルクエスチョンは優しい、楽観的な臨床観察に基づくと思う。私の患者さんでも認知症と診断されてから運動を始め、とても楽しく活動し、友人も多く、認知機能の低下も目立たない人が何人かいる。尊敬すべき人々であり、常識人としての私は「運動は効果があるのだろう」と思う。一方で「もともと活動的で尊敬すべき人々が運動し、たまたま進行がゆっくりなだけだ」という解釈も成り立つ。nが1桁では何も言えないし、そもそも際立ったケースだけを述べても仕方ないと科学者としての私は思う。 本件は、ケースシリーズ研究が、大規模のRCTで否定された格好であろう。これは○○を食べると良い、○○を拝むと良い、というような言説にも当てはまるかもしれない。 一方で本研究から「運動は無意味だ」と結論してはならない。今言えるのは、 ・認知症の進行予防になると思って運動をする/させられる根拠はない(→認知症予防ファシズムは否定されたわけだ) ・運動をしたい人、楽しみたい人はどうぞしてください ・肥満や引きこもりは避けるべきで、やはり運動はしないよりはしたほうが良い あたりではないだろうか。 以下、本論文の主旨とは関係ないところで一言述べさせて頂きたい。この研究に異議を唱えているのではなく、一般論です。本研究では、専門家が本人の研究に対する理解度を評価し、理解しているなら本人同意、理解していないようなら代諾者が当人の過去の考え方などを勘案して同意するとされていた。高齢者を対象とした研究ではいつも課題になるのが同意能力の問題であるが、代諾者がいない人はどうなるのだろうか? あるいは貧困状態にある人や、孤立している人や、事情があって家族がいない人は、代諾者が立てられない可能性が高いであろう。特定の土俵・文脈で、方法と結果と解釈が妥当であれば1つの真実である。しかし研究なるもの、とりわけ疫学研究が、社会をあまねく記述し照らしていると思ったら大間違いだぞ! などと言うと私はアカデミアでは消されるだろうか(もちろん冗談です)。 科学を否定しているのではない。臨床医としては光の当たらない部分を見せられるので、もっと広く、深く、そして優しく照らすような研究をせねばと思う次第である。

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ミルクチョコ vs.ダークチョコ、視力に良いのは?

 ダークチョコレートは、短期間の血流改善や、気分および認知機能を改善するが、視機能に対する影響はほとんど知られていない。米国・University of the Incarnate Word Rosenberg School of OptometryのJeff C. Rabin氏らは、無作為化クロスオーバー単盲検試験の結果、ダークチョコレートはミルクチョコレートと比較し、摂取2時間後のコントラスト感度と視力を有意に改善したことを報告した。著者は「これらの効果の持続期間や日常臨床での影響については、さらなる検討が待たれる」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2018年4月26日号掲載の報告。 研究グループは、視力ならびに大きい文字と小さい文字のコントラスト感度に対する短期効果をダークチョコレートとミルクチョコレートの摂取で比較する目的で、2017年6月25日~8月15日に、Rosenberg School of Optometryにて無作為化クロスオーバー単盲検試験を行った。 病理学的な眼疾患のない30例(男性9例、女性21例、年齢[平均±SD]26±5歳)に、ダークチョコレートとミルクチョコレートを別個に食べてもらい、1.75時間後に視力および大きい文字と小さい文字のコントラスト感度をそれぞれ測定し、比較した。 主な結果は以下のとおり。・小さい文字のコントラスト感度(平均±SE, logCS)は、ダークチョコレート摂取後1.45±0.04、ミルクチョコレート摂取後1.30±0.05で、ダークチョコレート摂取後のほうが有意に高かった(平均差:0.15、95%信頼区間[CI]:0.08~0.22、p<0.001)。・大きい文字のコントラスト感度(同上)は、ダークチョコレート摂取後2.05±0.02、ミルクチョコレート摂取後2.00±0.02で、ダークチョコレート摂取後のほうがわずかに高かった(平均差:0.05、95%CI:0.00~0.10、p=0.07)。・視力(平均±SE, logMAR)も、ダークチョコレート摂取後-0.22±0.01(約20/12)、ミルクチョコレート摂取後-0.18±0.01(約20/15)で、ダークチョコレート摂取後わずかに改善した(平均差:0.04、95%CI:0.02~0.06、p=0.05)。・すべての検査結果を合わせた複合スコア(logU)は、ダークチョコレート摂取後のほうが、ミルクチョコレート摂取後より有意な改善を示した(平均差:0.20、95%CI:0.10~0.30、p<0.001)。

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認知症発症リスクと身体測定値との関連

 これまで、認知症と特定の身体測定値との関連を調査した研究は、あまり行われていなかった。台湾・亜東技術学院のPei-Ju Liao氏らは、認知症発症リスクと身体測定値との関連について調査を行った。International journal of geriatric psychiatry誌オンライン版2018年5月4日号の報告。 2000~08年における台湾の医療センター健康診断部のデータより、6,831例の人体3D計測によるスキャニングデータ(38の身体測定値を含む)を収集した。そのうち236例が、10年のフォローアップ期間中に認知症を発症した。データ解析には、多重Cox回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・胸幅(ハザード比:0.90、95%CI:0.83~0.98)、右大腿中央囲(ハザード比:0.93、95%CI:0.90~0.96)は、認知症発症予防の予測因子であった。・腹囲(ハザード比:1.03、95%CI:1.02~1.05)は、認知症発症のリスク因子であった。・これらの組み合わせにおいて、腹囲の値が大きく、右大腿中央囲の値が小さい人の認知症発症リスクが最も高かった(ハザード比:2.49、95%CI:1.54~4.03)。 著者らは「身体測定は、臨床医学と予防医学の両方において、将来の応用や科学的なメリットの糸口となる」としている。■関連記事アルツハイマー病へ進行しやすい人の特徴は認知症リスクとBMIとの関連歯の残存数と認知症リスクに関するメタ解析

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リアルワールドエビデンスを活用したSGLT2阻害薬の治療ゴールとは

 2018年5月15日、アストラゼネカ株式会社は、「リアルワールドデータから見えるSGLT2阻害剤による糖尿病治療の新たなステージ~日本人を含むCVD‐REAL2研究の結果によって示唆される日本人糖尿病患者さんのベネフィットや真の治療ゴールとは~」をテーマとしたプレスセミナーを開催した。香坂 俊氏(慶應義塾大学医学部 循環器内科 講師)と門脇 孝氏(東京大学医学部付属病院 特任研究員・帝京大学医学部 常勤客員教授)の2名が講師として招かれ、リアルワールドエビデンス(RWE)の未来と糖尿病治療のエビデンスへの活用についてそれぞれ解説した。安全性確立の時代からランダム比較化試験(RCT)へ 香坂氏によると、1960~70年代に世界を震撼させたサリドマイド事件をきっかけに臨床試験の重要性やそれに基づく認可システムに警鐘が鳴らされ、比較対照試験が一般的となった。さらに、この事件を踏まえ、1990年代からランダム化比較試験(RCT)が一般化されるようになるが、 「基礎研究が安全性の検証のみ」「比較対照がプラセボ」 「効果の実証」についての問題点が議論されるようになり、根拠に基づく医療(EBM)、客観的な医療的介入が治療方針として提唱されるようになった。RCTの限界 さらに、2000年代になるとRCT中心の医療から薬剤間の比較研究へと変わったが、患者の予後に差がつく薬剤に淘汰されていく。その中で、「副作用検出に症例数が少ない(Too Few)」「適応疾患が限定(Too Narrow)」「高齢者が除外(Too Median-Aged)」のような、いわゆる「RCTの5Toos」の問題が指摘されるようになった。なぜRWEなのか? これらの問題を踏まえ、登場したのが「リアルワールドエビデンス(RWE)」である。コホートあるいはデータベース研究、症例対照研究を利活用するため、相対的に「早く」「広く」「安く」結論が得られることが最大のメリットであり、臨床データで選ばれないような特定集団に着目することができる(ビッグデータの活用)点も大きな特徴である。 一方で、「『バイアスを完全に除くことができない』『登録されている情報が限定的』『コントロール(比較対照群)を設定できない』ため、データの信憑性に欠ける点が今後の解決すべき課題である」と同氏は語る。CVD-REAL2:RCTとRWEの方向性が合致した研究 ここで、事例としてRWEを使ったCVD-REAL2が示された。この研究は、世界主要3地域の2型糖尿病患者を対象に、SGLT2阻害薬もしくは他の血糖降下薬による治療において、全死亡、心不全による入院、全死亡または入院の複合解析、心筋梗塞、そして脳卒中との関係性を比較した試験である。そして、SGLT2阻害薬の大規模なRWEの中でも、同薬がより良好な心血管ベネフィットを示したと注目を浴びている。 このほかにRWEが活用された例として、『急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)』の事例を紹介し、同氏は「これは非常にRWEの特性が活かせた事例」と述べ、「データ活用の発展に伴い、RCTの結果のみを鵜呑みにして医療を行うのではなく、その場面や領域に即したRWEを活用しながら診断の方針を確定させることが必要」と強調した。SGLT2阻害薬に対する意識変化 続いて、門脇氏が糖尿病専門医の視点からSGLT2阻害薬でのRWEの活用を説明した。SGLT2阻害薬は発売直後、「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」が策定され、服用により通常体液量が減少するので脱水、脳梗塞への注意喚起が行われた治療薬である。 ところが2015年9月にEMPA-REG OUTCOME試験での非致死的脳卒中の減少が報告されたことから、SGLT2阻害薬は糖尿病専門医だけでなく循環器科専門医の間でも、その可能性に期待が高まるようになった。DECLARE-TIMI58のもたらす結果とは 今回、門脇氏が講演で紹介したDECLARE-TIMI58試験は、2型糖尿病(6.5%≦HbA1c<12%)かつ、心血管疾患既往のある40歳以上、または1つ以上の心血管リスク因子を保有する男性(55歳以上)あるいは女性(60歳以上)の患者、約1万7,000例が登録され、試験期間が中央値4.5年の研究である。同試験では、心不全の抑制を評価するために、これまでの試験では副次評価項目としてしか評価されてこなかった、心血管死または心不全による入院の複合や心血管死、心筋梗塞、虚血性脳卒中の複合が主要評価項目となっている。同氏は「この研究でRWEを活用し、糖尿病治療の最終目標をより多くの医師が意識し達成することを期待したい」と伝えている。また、「この研究結果は2018年の後半に発表される予定で、重要な役割を果たす可能性があるのでぜひ注目してほしい」とも述べている。■参考アストラゼネカ株式会社 プレスリリースDECLARE-TIMI 58試験スキーム■関連記事SGLT2阻害薬で心血管リスク低下~40万例超のCVD-REAL2試験SGLT2阻害薬、CV/腎アウトカムへのベースライン特性の影響は/Lancet

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発症時間不明の脳梗塞、rt-PAで転帰改善か/NEJM

 発症時間不明の急性脳卒中患者において、脳虚血領域のMRI拡散強調画像とFLAIR画像のミスマッチを根拠に行ったアルテプラーゼ静脈内投与は、プラセボ投与と比べて、90日時点の機能的アウトカムは有意に良好であることが示された。ただし、頭蓋内出血は数的には多く認められている。ドイツ・ハンブルク・エッペンドルフ大学医療センターのGotz Thomalla氏らによる多施設共同無作為化二重盲険プラセボ対照試験「WAKE-UP試験」の結果で、NEJM誌オンライン版2018年5月16日号で発表された。現行ガイドラインの下では、静脈内血栓溶解療法は、発症から4.5時間未満であることが確認された急性脳卒中だけに施行されている。研究グループは、発症時間が不明だが、MRI画像の特色として発症が直近の脳梗塞と示唆された患者について、静脈血栓溶解療法はベネフィットがあるかを検討した。MRI画像を基に介入、90日時点の対プラセボの機能的アウトカムを評価 研究グループは、ヨーロッパの8ヵ国で発症時間が不明の脳卒中患者を集め、アルテプラーゼ静脈内投与群またはプラセボ群に無作為に割り付けた。すべての患者について、MRI拡散強調画像で虚血病変が認められるが、FLAIR像では明らかな高信号域(hyperintensity)が認められず、脳卒中発症がおそらく4.5時間未満と示唆された。なお、被験者のうち、血栓除去術が予定されていた患者は除外した。 主要評価項目は、修正Rankinスケールによる90日時点の神経学的障害スコア(スコア範囲:0[障害なし]~6[死亡])が良好なアウトカム(同スコアが0または1で定義)とした。副次アウトカムは、シフト解析による、アルテプラーゼ静脈内投与がプラセボよりも、修正Rankinスケールのスコアを低下する尤度とした。アウトカムは有意に改善、一方で死亡・頭蓋内出血例が有意ではないが上昇 試験は、2012年9月24日~2017年6月30日に、61施設で1,362例がスクリーニングを受けた時点で、試験継続の資金調達が困難と予想され早期に中止となった。当初計画では800例を見込んでいたが、無作為化を受けたのは503例であった(アルテプラーゼ群254例、プラセボ群249例)。 90日時点でアウトカム良好であった患者は、アルテプラーゼ群131/246例(53.3%)、プラセボ群102/244例(41.8%)であった(補正後オッズ比:1.61、95%信頼区[CI]:1.09~2.36、p=0.02)。90日時点の修正Rankinスケールスコアの中央値は、アルテプラーゼ群1、プラセボ群2であった(補正後共通オッズ比:1.62、95%CI:1.17~2.23、p=0.003)。 一方で死亡は、アルテプラーゼ群10例(4.1%)、プラセボ群3例(1.2%)が報告された(オッズ比:3.38、95%CI:0.92~12.52、p=0.07)。また症候性頭蓋内出血は、アルテプラーゼ群2.0%、プラセボ群0.4%で認められた(オッズ比:4.95、95%CI:0.57~42.87、p=0.15)。

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会員医師の投資希望は「安全で、低利」

 ケアネットでは、「医師のためのお金の話」の評価と会員医師の「資産形成」についてのアンケートを実施した。今回、その結果がまとまったので、概要をお伝えする。 調査は、2018年5月11日にCareNet.comの医師会員を対象に、インターネット上で実施。回答者総数は324名。その内訳は、20~30代:18%、40代:30%、50代:35%、60代:15%、70代以上:2%、所属別では勤務医師:77%、開業医師:23%だった。聞きたい情報は「国内株式投資」 設問1で「『医師のためのお金の話』で今後取り上げてほしい資産形成の内容」(複数回答)について質問したところ、「国内株式投資」「円建て預貯金」「生命保険」の順で多く、低リスクの金融商品への関心が高く、「FX(外国為替保証金取引)」「不動産」「ビットコイン(仮想通貨)」など比較的リスクの高い商品、資金を大量に必要とする商品への関心は低かった。多くの会員医師は金融商品の情報に興味がない 設問2で「資産形成のため実行している情報収集法」(複数回答)について質問したところ、「とくに情報は集めていない」が一番多く、金融資産への関心の低さをうかがわせた。次いで「専門WEBサイトやブログの閲覧」「新聞、雑誌などの紙媒体」の順となり、情報収集法では新聞、雑誌、専門書などの紙媒体よりもWEBからのほうが多く、簡単に集めて閲覧・視聴できる媒体に人気が集まった。 最後に設問3で「資産形成に関する話題で、今後取り上げてほしいテーマ」について自由記入方式で質問したところ、「株式」「不動産」「税金」の順でコメントが多く、「株式」では株式投資の基礎や投資信託、株主優待などに関するコメントのほか、「不動産」ではタワーマンションへの投資、国内の不動産動向などへのコメントが寄せられた。 今回の調査の詳細と、寄せられた具体的なコメントは、CareNet.comに掲載中。

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きっちり飲める降圧薬は2剤まで?

 高血圧症治療に対する医師の満足度は、2014年度時点で98.9%1)と高いにもかかわらず、降圧目標達成率は、2013年の研究によると男性30%、女性40%と低いことが報告されている2)。日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は「医師および高血圧患者の高血圧治療に対する意識の実態調査」を実施し、その結果は医学雑誌「血圧」に調査研究として掲載された3)。 調査の結果、医師と患者の間で、治療説明の認識にずれが存在する可能性が示唆された。また、約半数の患者は薬剤を減らしたいと考えており、およそ70%の患者は、正しく服用できる降圧薬は多くても2剤までと答えている。患者は、よりシンプルでわかりやすい治療を求めている。 本研究は、1~3すべての条件を満たす医師321名(1.掲げる診療科名が循環器内科、代謝・内分泌科あるいは一般内科、2.1ヵ月間の高血圧症診察患者数が100例以上、3.30歳以上)と、1~3すべての条件を満たす高血圧症患者1,000例(1.高血圧症のため医療機関に2回以上通院したことがあり、現在も定期的に通院している、2.高血圧症治療の目的で薬物治療中、3.40歳以上)を対象とした、インターネットによる全国調査。なお、患者の抽出に際しては、事前の高血圧患者の調査分布に基づき、降圧薬配合剤服用中の患者200例、降圧薬単剤服用中の患者300例および降圧薬2剤以上を併用している患者500例となるように調整した。 主な結果は以下のとおり。≪診断や治療に関して≫・初診時に「治療の目的」を説明したと86%の医師が回答したのに対し、説明されたと答えた患者は39%だった。説明を受けていない、あるいは覚えていないと答えた患者は23%存在した。・処方決定前に治療選択肢を説明したと49%の医師が回答したが、患者での認識は18%だった。全体で54%の患者が、処方決定前に治療選択肢の説明を望んでいた。・「降圧目標値について説明した」と95%の医師が回答したのに対し、44%の患者は説明を受けていない、あるいは覚えていないと回答した。≪残薬と服薬アドヒアランスに関して≫・服薬アドヒアランスを重視する割合は、医師が78%であったのに対し、患者は48%と両者の間に乖離がみられた。・薬剤数を減らしたいと考えている患者は48%存在し、とくに3種類以上服用している患者でその傾向が強いという結果だった。・良好な服薬アドヒアランスで服用できる薬剤数について、医師は43%が「2種類まで」、36%が「3種類まで」と回答したのに対し、患者は33%が「1種類まで」、34%が「2種類まで」と、患者が考える薬剤数は、医師が考えているより少ないという結果だった。 本調査研究の筆者である檜垣 實男氏(愛媛大学名誉教授/医療法人 仁友会 南松山病院 病院長)は、「高血圧患者さんと医師のコミュニケーションギャップを改善し、患者さんが高血圧治療の目的や治療選択肢について理解し、医師と共に治療に向き合える体制を作ることが大切です。患者さんの服薬アドヒアランス向上のためには、配合剤という選択肢も有効であると考えられ、今後高齢化が進む中で、残薬を減らし血圧をしっかりと管理していくことが、心血管イベント抑制や、医療経済的な貢献にもつながると期待しています」とコメントしている。■参考文献1)平成27年度(2015年度)国内基盤技術調査報告書「60疾患の医療ニーズ調査と新たな医療ニーズII」【分析編】. 公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団. 2016.2)Miura K, et al. Circ J. 2013;77:2226-2231.3)西村誠一郎ほか. 血圧. 2018;25:364-376.■参考日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 プレスリリース

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複合型ADHD児における運動能力がADHD症状と睡眠問題に及ぼす影響

 複合型注意欠如多動症(ADHD-Combined Type:ADHD-CT)の小児は、睡眠や運動に関する問題を有する割合が高いといわれている。オーストラリア・ディーキン大学のNicole Papadopoulos氏らは、小児においてADHD-CTの有無にかかわらず、運動能力がADHD症状と睡眠問題との関係を緩和するか、この緩和によりADHD診断に違いがあるかについて検討を行った。Behavioral sleep medicine誌オンライン版2018年3月12日号の報告。 対象は、8~15歳の初等教育男児70例。その内訳は、ADHD-CT群38例(平均年齢:10歳2ヵ月[SD:1歳6ヵ月])、対照(典型的な発達)群32例(平均年齢:9歳6ヵ月[1歳5ヵ月])。運動能力の評価はMovement Assessment Battery for Children第2版(MABC-2)、ADHD症状の評価はConners' Parent Rating Scale(CPRS)、親より報告された睡眠問題の評価はChildren's Sleep Habits Questionnaire(CSHQ)を用いて、それぞれ測定した。 主な結果は以下のとおり。・ADHD症状スコアが高く、運動能力スコアが低い小児において、睡眠問題がより多く報告された。・緩和効果は、ADHD-CT群で認められたが、対照群では認められなかった。 著者らは「本知見は、運動能力の低下したADHD症状がより重症な小児では、睡眠問題リスクが高くなる可能性があることを示唆している。睡眠介入を含むADHD-CT児の睡眠問題のリスクファクターを検討する際には、運動能力を考慮することの重要性も示唆している」としている。■関連記事ADHD発症しやすい家庭の傾向日本でのADHDスクリーニング精度の評価:弘前大学ADHDの小児および青年における意図しない怪我のリスクとADHD薬の影響

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TIA/脳梗塞患者、長期の心血管リスクは?/NEJM

 一過性脳虚血発作(TIA)および軽度虚血性脳卒中を発症後の心血管イベントの長期的なリスクは知られていない。フランス・パリ第7大学のPierre Amarenco氏らは、21ヵ国のレジストリデータを解析し、TIA/軽度虚血性脳卒中の発症から1年後の心血管イベントのリスクが、5年後も持続していることを示した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2018年5月16日号に掲載された。脳卒中後の新たなイベントのリスクは、発症後10日間は増大し、その後は発症後1年まで比較的安定するとされるが、1年以降の脳卒中のリスクを評価した研究は少なく、再発リスクを検討した試験の多くは単施設で行われたものだという。5年フォローアップした3,847例のデータを解析 本研究(TIAregistry.orgプロジェクト)では、2009~11年にTIAおよび軽度虚血性脳卒中患者4,789例を登録した21ヵ国のレジストリデータを解析し、2016年に1年時のアウトカムの結果を報告しており、今回は5年時の長期的なアウトカムの報告が行われた(AstraZeneca社など3社の助成による)。 レジストリへの登録前7日以内にTIA/軽度虚血性脳卒中を発症した患者を対象とした。1年時のアウトカム研究に参加した61施設のうち、5年時に登録患者の50%以上のフォローアップデータを有していた42施設を選出した。 主要アウトカムは、非致死的脳卒中、非致死的急性冠症候群、心血管死のうち最初に発生したイベントの複合であった。 5年フォローアップには3,847例(80.3%)が含まれた。各施設の5年フォローアップ患者の割合の中央値は92.3%(IQR:83.4~97.8)だった。心血管イベント発生率、1年時が6.4%、2〜5年時も6.4% 対象の平均年齢は66.4±13.2歳で、59.8%が男性であった。1年コホートのうち5年解析に含まれなかった患者は、5年解析に含まれた患者に比べ、高血圧、脂質異常症、喫煙者が少なく、修正Rankinスケール、NIH脳卒中スケール、ABCD2のスコアが低かった。 5年時の主要アウトカムのイベント発生は469例(心血管死:96例、非致死的脳卒中:297例、非致死的急性冠症候群:76例)に認められ、推定累積イベント発生率は12.9%(95%信頼区間[CI]:11.8~14.1)であった。このうち、235例(50.1%)は2~5年の期間に発症した。絶対イベント発生率は、1年時が6.4%であり、2~5年の期間でも6.4%だった。 5年時までに、脳卒中は345例が発症し、推定累積イベント発生率は9.5%(95%CI:8.5~10.5)であった。このうち、149例(43.2%)が2~5年の期間に発症した。心筋梗塞は、5年時までに39例が発症した。 全死因死亡は373例(推定5年累積イベント発生率:10.6%)、心血管死は96例(2.7%)、脳卒中またはTIAの再発は621例(16.8%)、急性冠症候群は84例(2.4%)に認められ、大出血は53例(1.5%)、頭蓋内出血は39例(1.1%)にみられた。 多変量解析では、同側大動脈のアテローム性動脈硬化(p=0.001)、心原性脳塞栓症(p=0.007)、ベースラインのABCD2スコア(0~7点、点数が高いほど脳卒中のリスクが高い)≧4点(4〜5点:p=0.01、6〜7点:p=0.04)が、2~5年の期間の脳卒中再発リスクの独立した予測因子であったが、神経画像上の脳病変はリスクの上昇とは関連しなかった。 著者は、「TIAおよび軽度虚血性脳卒中の患者では、心血管イベントのリスクが5年にわたり持続しており、イベントの半数は2〜5年の期間に発生していた」とまとめ、「継続的な2次予防策が、脳卒中の再発を抑制する可能性がある」と指摘している。

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ESUS後の脳卒中再発予防、リバーロキサバン vs.アスピリン/NEJM

 塞栓源不明の脳塞栓症(embolic stroke of undetermined source:ESUS)の初発後の、脳卒中の再発予防において、リバーロキサバンにはアスピリンを上回るベネフィットはないことが、カナダ・マックマスター大学のRobert G. Hart氏らが実施した「NAVIGATE ESUS試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2018年5月16日号に掲載された。塞栓源不明の脳塞栓症は、虚血性脳卒中の20%を占め、高い再発率と関連する。抗凝固薬は、心房細動患者の脳塞栓症の予防に有効であることから、塞栓源不明の脳塞栓症後の脳卒中の再発予防において、抗血小板薬よりも高い効果が得られる可能性があるとの仮説が提唱されている。NAVIGATE ESUS試験は31ヵ国459施設に7,213例を登録 NAVIGATE ESUS試験は、日本を含む31ヵ国459施設が参加した国際的な無作為化第III相試験である(BayerとJanssen Research and Developmentの助成による)。 NAVIGATE ESUS試験の対象は、脳塞栓に起因すると推定されるが、動脈の狭窄やラクナ梗塞はなく、心内塞栓源が同定されない虚血性脳卒中の患者であった。被験者は、リバーロキサバン(15mg、1日1回)またはアスピリン(100mg、1日1回)を投与する群に無作為に割り付けられた。 有効性の主要アウトカムは、time-to-event解析における脳卒中(虚血性、出血性、未定義の脳卒中)の初回再発または全身性塞栓症の発症であった。安全性の主要アウトカムは、大出血の発生率とした。 2014年12月~2017年9月の期間に、7,213例が登録され、リバーロキサバン群に3,609例が、アスピリン群には3,604例が割り付けられた。 2017年10月5日の2回目の中間解析で、再発抑制に関してベネフィットが得られる可能性がほとんどなく、リバーロキサバン群は出血リスクが高いと判定され、データ・安全性監視委員会の勧告により、本試験は早期に終了した。年間再発率:5.1 vs.4.8%、年間大出血発生率:1.8 vs.0.7% ベースラインの全体の平均年齢は67歳、62%が男性であった。高血圧が77%、糖尿病が25%、脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)の既往は18%に認められた。また、卵円孔開存が7%(リバーロキサバン群:259例、アスピリン群:275例)にみられた。 NAVIGATE ESUS試験の早期終了まで、中央値で11ヵ月の追跡が行われた。有効性の主要アウトカムは、リバーロキサバン群172例(年間発生率:5.1%)、アスピリン群160例(4.8%)に認められ、ハザード比(HR)は1.07(95%信頼区間[CI]:0.87~1.33)と、両群間に有意な差はみられなかった(p=0.52)。 虚血性脳卒中の再発は、リバーロキサバン群158例(年間発生率:4.7%)、アスピリン群156例(4.7%)(HR:1.01、95%CI:0.81~1.26)であり、出血性脳卒中の再発はそれぞれ13例(0.4%)、2例(0.1%)(6.50、1.47~28.8)、全身性塞栓症は1例(<0.1%)、2例(0.1%)(0.50、0.05~5.51)であった。 事前に規定された探索的サブグループ解析では、東アジア人(中国、日本、韓国)および推定糸球体濾過量>80mL/分の患者は、アスピリン群のほうが、有効性の主要アウトカムの年間発生率が有意に低かったが、イベント数が少なく十分な検出力はなかった。 大出血は、リバーロキサバン群62例(年間発生率:1.8%)、アスピリン群23例(0.7%)に認められ、HRは2.72(1.68~4.39)と、リバーロキサバン群で有意に高頻度であった(p<0.001)。また、生命を脅かす出血/致死的出血(p=0.004)、臨床的に重要な非大出血(p=0.004)、症候性頭蓋内出血(p=0.003)は、いずれもリバーロキサバン群で有意に頻度が高かった。 現在、NAVIGATE ESUS試験と同様の患者を対象に、他の抗凝固薬とアスピリンを比較する無作為化試験が進行中だという。

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ドクターXを探せ?(解説:今中和人氏)-858

 この論文はさまざまな科の20術式について、非待期的(入院後3日以内)に手術が行われた症例の手術死亡率(在院死亡+30日以内の死亡)と術者の年齢・性別との関連を検討している。対象は4年間の全米のMedicare受給者の89万例で、49%が整形外科手術、38%が一般外科手術、12%が心臓血管外科手術、1%がその他の手術だった。 世の中には、脳外科・形成外科などの顕微鏡下手術、泌尿器科の経尿道手術、大動脈ステントグラフトなど、もっぱら術者1人で行う術式もあるが、多くの手術はチームで行われ、術者だけでなく誰が助手かが非常に重要である。思い返せば私も駆け出しの頃、術者を務めれば自分が手術したつもりでいたが、実際には助手に回って下さったメンター頼みだったし、勘所だけは彼らが処置してくれたこともあった。独り立ち早々の時期、心得不足の助手と厳しい症例を手術したことはまれであった。丁寧に縫合しても、助手が糸をたるませればひどい出血に見舞われるのだ。手術は個人力以上にチーム力である。このことはどんなに強調しても、し足りない。だから管理職は組み合わせを考えて担当を指名するし、当番表にも一定の配慮を求める。チーム力を最大にするため、私は夜中に出ていって緊急手術の助手に回ることはザラにあり、結果に対しては自分が責任を負う。さらに各人のモチベーションやとくに欧米では報酬も大きな要因だ。高リスク手術の術者指名は、そんな甘い話や単純な話でないと知れば、本論文の20の術式にもっぱら1人で行う手術は1つもないのに、術者のみのプロファイルで成績を論じるのは見識不足であることは自明であろう(類似論文も同じ)。 さらに再認識すべきなのは、アウトカム=術前状態+手術+術後管理 の公式。術前状態は手術に負けず劣らず重要で、事実、本論文の腹部大動脈瘤手術は、たぶんほとんどが破裂なので死亡率12%、大腸直腸切除も多くは穿孔なので11%と、術者の年齢なんてどこ吹く風の高さだ。そして状態が悪い症例ほど待てないので、夜間や休日は厳しい症例が多くなるが、40歳以下の外科医も60歳以上の外科医も平等にオンコールを割り振られるわけがなく、重症例はオンコールが多い若めの外科医に偏るのだ。また、たとえば冠動脈3枝バイパスは、ICDコードが同じでも非待期手術でも、electrical stormやショック状態の症例と、「明日やりましょうか」という不安定狭心症の症例ではおよそ別もの。そして非待期例ほどバリエーションだらけで、リスク補正と言うは易いが行うは難く、「同じICDコードだから」と死亡率を直接比較するのはかなり無理がある。 なお、一部の例外を除き、外科医も夜間や休日に働きたいわけではなく、嬉々としているように見えるのは前向きに取り組むべく士気を高めているだけなので、是非、麻酔科や内科系の先生の温かいご理解をお願いしたい。 4万5,000人もの執刀医について詳細に検討されたこの論文で興味深かった知見は、平均年齢が50.5歳と意外に高いこと。女性外科医は全体の10%を占めるが、残念ながら心臓血管外科手術の執刀は2%、整形外科は3%とひどく不人気な一方、一般外科は10%超、婦人科(子宮切除)は30%と、専門科選択の格差が国際的であること。さらに、40歳未満の外科医の手術件数のうち女性の執刀は20%だが、60歳以上では3%にまで低下し、年齢が高いと女医の人数が少ないのは時代背景の反映だろうだが、1人あたりの執刀数も6割に減る。一方、男性外科医の手術件数はあまり減っていない。つまり、いくつになっても非待期的な手術も手掛けているのは圧倒的に男性で、後期高齢者もチラホラ。良く言えば、男性外科医は現役への情熱を持ち続けている、リスクと職責を担い続けている、とも言えるが、悪く言えば老害。うがった見方をすれば、高額な養育費や若い夫人との生活費やローンが見え隠れするし、「引退しても家庭に居場所がない」なんて話も、日本では大声でささやかれている。 本論文は多数の手術症例と外科医についてさまざまに解析した労作ではあるが、しばしば執刀医しか見えていない一般人に向けて、現場から乖離した認識で、「若い外科医は成績がイマイチだ」という、芳しからぬ波紋を発信してしまった。失礼ながら予想どおり、主要著者らの所属は内科と公衆衛生で、筆頭著者は(ドクターXのファンかどうかはともかく)日本人のようだ。少数の共著者の外科医は何をどの程度commitしたのか不明だが、「事件は会議室じゃない、現場で起こってるんだ!」という古の名ゼリフを思い出す。繰り返すが、手術はチーム力。机上を離れてしばらく現場に在籍なさるとよろしいように思われる。

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「医師のためのお金の話」の評価と先生の「資産形成」についてのアンケート結果

CareNet.comでは、過日、会員医師の方々に、連載中のコンテンツ「医師のためのお金の話」と金融資産への認識に関するアンケートへのご協力をお願いしました。今回、その結果がまとまりましたので、報告いたします。2018年5月11日にCareNet.comの会員医師を対象にインターネット上でアンケートを実施、回答者総数は324名でした。結果概要設問1で「『医師のためのお金の話』で今後取り上げてほしい資産形成の内容」(複数回答)について質問したところ、「国内株式投資」「円建て預貯金」「生命保険」の順で多く、リターンは低いものの、リスクも低い金融商品への人気がうかがわれました。設問2で「資産形成のため実行している情報収集法」(複数回答)について質問したところ、「とくに情報は集めていない」が一番多く、会員医師の多数が積極的に金融・投資情報などを集めていないことがわかりました。次いで「専門WEBサイトやブログの閲覧」「新聞、雑誌などの紙媒体」の順となり、参考としている情報はネット上のほうが多く、手軽に参考にできる媒体から集めていることが推測されました。設問3で「資産形成に関する話題で、今後取り上げてほしいテーマ」について自由記入方式で質問したところ、「株式」「不動産」「税金」「相続」「FX/仮想通貨」の順でコメントが多く寄せられ、現在の投資トレンドや各年代特有の悩みに関するものが多数を占めました。なお、今後、新たな試みとして会員の資産形成診断を「医師のためのお金の話」上で掲載する予定です。どうぞご期待ください。■設問1 今後「医師のためのお金の話」で取り上げてほしい資産形成内容についてご教示ください。(複数回答)1) 円建て預貯金2) 外貨建て預貯金3) FX4) 国内株式投資5) 海外株式投資6) 国債/債権投資7) 投資信託8) 生命保険9) 金などの実物資産への投資10) ビットコインなどの仮想通貨への投資11) 不動産投資12) その他画像を拡大する■設問2 資産形成のため実行されている情報収集法は何ですか。ご教示ください。(複数回答)1) 専門書籍の購入2) 専門WEBサイトやブログの閲覧3) 金融機関、証券会社への相談、  セミナーへの出席4) 身近なファイナンシャルプランナー、  税理士に相談関5) 新聞、雑誌などの紙媒体6) テレビなどの媒体の視聴7) 口コミ8) とくに情報は集めていない9) その他画像を拡大する■設問3 救資産形成に関する話題で、今後取り上げてほしいテーマについてお寄せください。(自由記入)コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承ください)税・節税関係節税の方法について固有資産税などの税金について控除の賢い方法について節税対策について相続関係遺産相続について親からの相続の処理方法について相続の話について相続税対策について年金関係個人年金の将来性について年金の問題について年金の基本的な内容について老後の資金対策について不動産関係タワーマンションへの投資の可能性について国内不動産の資産動向について不動産投資、国内株式投資、医師の副業全般について不動産投資のメリット・デメリット、レバレッジを効かせた場合などについて貯金、貯蓄関係安全な外貨の選択法について円建て預金でいいのかどうかについて外貨の獲得について外貨預金のリスク最も安全で金利の高い預貯金について昔ながらの預貯金について積立投資について貯金の利息と分散法について資産形成の全般AIによる信託投資の可能性についてローリターンで原本割れしない資産形成法について金融機関の選択法についてリスク管理・分散の方法についてリタイア後を見据えた資産形成の方法について資産のリバランスの方法について安全な資産形成と運用の方法について海外投資の方法について開業医のための資産運用のやり方について勤務医に適した資産形成について資産形成の方法/実例/必要度について出口戦略について詳しく知りたい初期の投資入門、素人が始めるに当たって勉強すべきこと誰にでもわかる資産形成について低リスクで始めやすい資産形成についてクリニックの法人化について有望な金融商品について アンケート概要内容「医師のためのお金の話」の評価と会員医師の「資産形成」について実施日2018年5月11日調査方法インターネット対象ケアネット会員医師324名属性アンケート調査にご協力いただき、ありがとうございました。

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中高生時代の部活が心血管死リスクに影響か~日本人7万人調査

 日本人の中高生時代における運動部への参加と成人期の運動習慣が心血管疾患(CVD)死亡率にどのように関連するのかを、米国・Harvard T.H. Chan School of Public Healthのゲロ クリスティーナ氏らが調査した。その結果、成人期に運動している男性において、中高生時に運動部に参加していた人の冠動脈疾患(CHD)死亡リスクはより低いことが示唆された。Preventive Medicine誌オンライン版2018年5月10日号に掲載。 本研究では、1988~90年に40~79歳の男性2万9,526人と女性4万1,043人にアンケートを実施し、ベースライン時の運動頻度と中高生時の運動部参加について質問した。2009年末まで実施した追跡調査で、CVD死亡4,230例(冠動脈疾患870例、脳卒中1,859例)を同定した。Cox比例ハザード回帰モデルを用いてハザード比(HR)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・追跡調査開始から3分の2(比例ハザード性が成立)の期間において、ベースライン時に週1~2時間運動していた人に対して週5時間以上運動していた人では、全CVD死亡率の多変量調整後HR(95%信頼区間)が、男性で0.77(0.61~0.98)、女性で0.82(0.61~1.10)であった。また、CHD死亡率のHRは、男性で0.65(0.39~1.07)、女性で0.40(0.17~0.91)であった。・成人期と中高生時の運動の複合的な関連性を検討したところ、ベースライン時に5時間以上運動していた男性のうち、中高生時での運動部参加者における非参加者に対する多変量調整後HRは、全CVD死亡率で0.89(0.61~1.30)、CHD死亡率で0.24(0.08~0.71)であった。女性では、運動部参加者と非参加者の間に統計学的有意差は認められなかった。

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