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第5回 人生を走り続けるために【ドクター クルマ専科】

原点僕が車好きになったのは、当時の男の子なら誰しも、おもちゃと言えばミニカーくらいで、今のような電子玩具がない幼少期に父親が与えてくれたコーギートーイというミニカーで、3歳上の兄とよく遊んだことが原点でしょうか。その頃、兄はアストンマーチンのDB5のミニカー、僕はポルシェの911のミニカーを持っていましたが、兄のアストンがうらやましくて仕方がなかったときに、父が911のことを、「これはとても良いクルマだよ。大人になれば、きっとこのクルマの良さがわかるよ」と言っていたのを思い出します。エンジニアであった祖父、決して貧しい家庭ではなかったとは思いますが、父には兄弟が多く、薬剤師となった長男が薬の開発で一山当てて、次男を医学部にやり、次男は医師として稼いだお金で三男を医学部に通わせるといった家庭環境ですから、父は若い頃から裕福な生活は送ってなかっただろうと思います。そんな父がインターンをしていた昭和30年頃、外車どころか、国産車でもぜいたく品だったのだと思いますが、その時代に、インターン先の病院でクライスラーなどに乗って来る先生方を見て、いつか自分も買えるようになってやると心に誓っていたそうです。母は開業医の一人娘でしたが、炭鉱主の娘だった祖母が車好きで、当時、プリンススカイライン、マツダコスモスポーツなどを乗り継いでいたようで、母もその影響で車好きになったようです。また大学時代は芦屋の祖母方の親戚の家にいたため、たくさんの外車を見て、うらやましいと思っていたそうです。そんな車好きな両親も、僕の車好きに影響を与えているのでしょう。僕が物心ついた頃には、父はTOYOTAの1600GTという、珍しい車に乗っていました。当時の2000GTの弟分として作られた車ですが、見た目は当時のコロナそっくりで、地味でした。しかし、この車を選んだ父は相当な車好きだったと思います。僕が小学生になる頃、スーパーカーブームが起きて、僕もその洗礼を受けました。むろん、九州では当時はスーパーカーなんて走っておらず、911を見かけることもまれな状況です。当時のお気に入りは、やはりカウンタックで、ポルシェの良さはわかりませんでした。兄は当時からポルシェがお気に入りで、いつの日か必ず手に入れるのだと言っていました。覚醒中学で寮生活となり、スーパーカーブームもずいぶん下火になった頃、夏休みの終わりに寮に車で送ってもらっていた時でした。当時のわが家の車、W123のメルセデスを黄色くて平べったい車があっという間もなく抜き去って行きました。フェラーリの365BBでした。その美しい姿が目に焼き付いて離れなくなった僕は、いつの日か、フェラーリを買うと心に誓いました。ページTOPへ若さゆえ画像を拡大する画像を拡大する三宮氏の現在の愛車医学部に入り、周りが当時の流行だったソアラなどに乗っていた頃、父は絶対に僕には車を買い与えませんでした。自分で稼いで買う物だというポリシーだったのです。兄には学校が雪国であることを理由にスバルの4WDセダンを買い与えてはいたのですが、僕は実家から数キロしか通学に要しなかったからです。最初の愛車は母と共用のシビックでした。今みたいなスポーティーなシビックではありません。でも、うれしくてその車で阿蘇や九州の海沿いを走り回りました。見かねた祖母が、僕のことを可愛そうと言って、当時人気だったプレリュードを買い与えてくれました。この車は軽くて、スポーティーで女の子受けが良くて、僕は有頂天になりました。でも、僕はバイト代をつぎ込み、この車にターボをつけてしまいます。メーカー表示の160PSが実馬力で270PSとなり、僕はこの車で毎晩のように峠に出かけて行くようになりました。無謀な速さはそれなりの代償を伴いました。みるみるやれていくボディ、夏場の渋滞では暖房を入れてオーバーヒートを回避、女子受けどころか、車も僕もそんな華やかな大学生活からどんどん離れていってしまいました。大学5年生に進級し、当時の臨床実習に入る頃、思いがけないことに、祖母が今度は、当時の最先端だったフェアレディのZ32のツインターボを買い与えてくれました。4年生時の席次がかなり良く、母が祖母に頼んでくれたようでした。父は念願のメルセデスのSLとポルシェの928を購入しており、息子に車を買おうなどという気はまったくなかったようです。僕はこのZもいじり倒してタービンブローさせてしまいます。ページTOPへ別れと新たな目覚め画像を拡大する三宮氏思い出のポルシェ911 Carrera3.2無事、国家試験もパスし、医師になった頃、ついに兄が夢を叶えます。中古ですが911 Carrera3.2を購入したのです。この車で兄とサーキットに出かけ、素晴らしいエンジンの吹け上がりや車の軽さに感動し、車はパワーだけではないことに気づきました。しかし、兄は夢を叶えて、わずか半年後に29歳の若さで突然死してしまいます。兄の死は僕に深厚なダメージを与えました。3ヵ月の間、家に閉じこもりとなり、うつ状態のようになりました。少しずつ仕事に復帰できた僕は、形見となった911に乗ることにして、残っていたローンも払うことにしました。それから、29歳の時に転機が訪れました。地元の中古車店にテーマ8.32というフェラーリのエンジンを積んだセダンが売りに出されていることを知ったのです。当時はバブル後時代でしたから、特殊な車は値下がりしていましたが、自分がフェラーリを買うなんてことは思いもしませんでした。しかし、現在、フェラーリの正規ディーラーにまで会社を成長させた社長は、当時僕に「こんな車を買ってはダメだよ、本当にフェラーリが欲しいなら買えるよ」と言いました。画像を拡大する最初のフェラーリ348目が覚めました。実はもうフェラーリ買えるじゃないか? って。当時僕は、ある山奥の総合病院でバイトをしていたのですが、前任者の時の一日外来数が10名以下だったのを200名以上に増やしたことを理由に、理事長より、バイト代を前任者の数倍にあげていただいたばかりだったのです。即決でした。僕の最初のフェラーリ348(中古)を買った瞬間でした。ページTOPへ走り続けるために72歳で父はATLの呼吸器障害でこの世を去りました。晩年、働けなくなった父の病院の借金は膨らみ、僕は大学病院を辞して、実家の病院に戻りました。当時乗っていた、フェラーリ355も売りました。病院は老朽化しており、建て替えの必要に迫られていました。銀行の融資は10ヵ月もおりませんでした。今は、頑張ってきたことや、周りの先輩方、スタッフのおかげで、病院は軌道に乗っています。フェラーリも兄の夢だったポルシェも買うことができました。夜9~10時に外来が終わり、最後の患者さんが帰る頃、父の最期の言葉「おまえが息子で良かった。人生は短い、そんなに頑張らなくていい、好きなこともしろ」…いつもその言葉を思い出します。画像を拡大するトライアスロンも楽しむ三宮氏ああ、親父、兄貴、好きなこともやっているから心配ないよ。車も買ったし、マラソンやトライアスロンも楽しんでいるから。仕事はキツイ、でも、車に乗るとすべてを忘れさせてくれる。トライアスロンのつらさも同様で、その後には爽快感、達成感も味わうことができる。たとえ、車が買えないようになっても、きっと僕の人生にはずっと、車輪の乗り物がそばにいるだろうな、そして、未来に向かって走って行くだろうと思います。

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患者安全「東京宣言」【Dr. 中島の 新・徒然草】(217)

二百十七の段 患者安全「東京宣言」先日、4月13日、14日と東京で行われた第3回閣僚級世界患者安全サミットに出席してきました。とはいえ、自分が何かしゃべったわけではなく、女房が発表するので、その応援兼カバン持ちとしての参加です。このサミットは患者安全を推進しようという世界中の国が一堂に会して議論を行うもので、第1回と第2回はそれぞれ言いだしっぺのイギリスとドイツで行われ、第3回となる今年は東京が開催地となりました。参加したのは40ヵ国以上からの閣僚や医療安全の専門家と、10いくつかの国際機関、国際組織の代表です。初日の4月13日は専門家の会合で、高齢者医療やICT(information and communication technology)など、いくつかのテーマに沿って各国からの発表と討議が行われました。キーワードとしては、UHCとLMICがしきりに使われていました。UHCというのは Universal Health Coverage、つまり皆保険のことです。日本は1961年にこれを達成しており、われわれは当然のことと感じていますが、世界のほとんどの国が皆保険にはほど遠いのが現状です。もう1つのLMICというのは Low and Middle Income Countries の略で、低中所得国家の意味です。国民皆保険の実現には、そもそも国自体の経済的余裕が必要ですが、低中所得国家だからといって達成の努力を怠ってはならないのは当然です。討論は5つのセッションに分かれて行われましたが、結論としては、(1)国民皆保険を達成しようとする最初の段階から患者安全をシステムに組み込むべし(2)プライマリ・ケアから高度先進医療に至るまで、いかなる場においても患者安全を目指すべし(3)患者自身も患者安全達成に参加すべし(4)ICTを患者安全の実現に活用すべしといった所です。興味深く感じたのは、先進国であるか否か、資本主義か共産主義かにかかわらず、そしておそらくは宗教の違いにも関係なく、患者安全というのは世界中の国がなかなか達成できない巨大な問題だということです。医療従事者の汗と涙はどこでも同じだな、と思わされました。2日目の4月14日は会場のセッティングが一変し、前方のテーブルの上に各国の国旗が飾られて華やかな雰囲気でした。各国代表の後ろ側に国際機関の代表の席が用意され、われわれ観客はそのまた後ろでした。会場の前方では各国の閣僚や高官などが親しげに談笑しており、「この人たちが世の中を動かしているのか!」と圧倒される思いでした。まずは専門家たちからの各国閣僚への報告です。ところが、ここで大きく時間がとられてしまい、その後の進行に影響してしまったのです。「厳密に3分以内にお願いします」と司会が念を押したにもかかわらず、後に続く各国閣僚からの挨拶やメッセージの出来はさまざまでした。7分以上もしゃべっている人もいれば、きれいに3分で終えて「これこそ医療安全の原点です!」と司会を感激させた人もいました。大臣や高官とはいえ、スピーチの上手い下手はそれぞれです。必ずしも英語の能力だけの問題ではなく、言いたいことが明瞭か、観客に分かりやすくシンプルに話しているか、などで大きく差がついていました。「さすが!」と思わされたのは写真撮影です。50人ほどの要人たちがビシッと笑顔で整列し、数分間微動だにしませんでした。にもかかわらず観客たちが前に詰めかけてそれぞれに素人写真を撮ろうとするものだから大混乱。マイクが「前の人は場所をあけて下さい。公式写真が撮れません!」と繰り返してアナウンスしていたのは笑いました。という私もスマホで撮影していた1人です。どうもすみません。途中休憩を挟んで、後半は国際機関や国際組織の代表からのメッセージで、今度は1人2分に制限されてしまいました。こちらは普段から医療の分野に携わっているだけあってしゃべりが上手い! なかにはものすごくシャープな英語で1分59秒にまとめた人もいて、しかも日本人だったので仰天しました。世の中には名人達人がいるものです。最後に加藤勝信厚生労働大臣が2日間の討論をまとめた「東京宣言」のドラフトを発表しました。中身は先に述べた(1)~(4)に相当するものでしたが、それに加えて「9月17日を『世界患者安全の日』としたい」ということと、「現場の医療従事者の労働環境の改善も宣言の中に盛り込みたい」といった意味のことを述べられ、会場全体が感動に包まれつつ閉幕を迎えました。私にとっては「〇〇宣言というのはこうやって作られるのか」と、これまで知らなかった世界をカイマ見ることのできた2日間でした。読者の皆さまも、これからこの「東京宣言」を目にする機会があるかと思いますが、「へえ、このような事があったのか!」と感じていただければ幸いです。最後に1句安全は みんなの願い いつの日も

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てんかんおよび抗てんかん薬と重大な交通事故に関するコホート研究

 てんかんや抗てんかん薬と、救急医療を必要とする重大な交通事故または死亡事故との関連性について、スウェーデン・リンショーピング大学病院のHelene E. K. Sundelin氏らが調査を行った。Neurology誌2018年3月27日号の報告。 スウェーデンレジストリを用いて、脳性麻痺または知的障害のない18歳以上のてんかん患者2万9,220例と、マッチした対照群26万7,637例を抽出した。本コホート研究では、重大な交通事故に関して、2006~13年までフォローアップを行った。てんかん患者と対照群の重大な交通事故リスクを分析するため、Cox回帰分析を用いた。てんかん患者の薬剤服用期間と非服用期間のリスクを比較するため、層別Cox回帰分析を用いた。調整は、世間的な地位、雇用、教育、居住エリア、フォローアップ開始前の精神疾患、向精神薬で行った。 主な結果は以下のとおり。・てんかん患者は、対照群と比較して、重大な交通事故リスクが高かった(ハザード比[HR]:1.37、95%CI:1.29~1.46)。・歩行者事故(HR:2.24、95%CI:1.69~2.97)、自転車事故(HR:1.68、95%CI:1.49~1.89)、自動車事故(HR:1.31、95%CI:1.19~1.44)のリスクが増加していた。・てんかん患者の間での分析で、抗てんかん薬の使用は、集団レベルの比較(HR:0.97、95%CI:0.85~1.11)または各個人内での比較(HR:0.99、95%CI:0.69~1.42)において、重大な交通事故リスクに影響しなかった。 著者らは「重大な交通事故は、てんかん患者においてより一般的に認められたが、このリスクは抗てんかん薬の使用とは無関係であった」としている。■関連記事てんかんドライバーの事故率は本当に高いのか自動車事故リスク、うつ病や抗うつ薬ではどうかてんかん診断後の自動車運転再開に関する研究

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高齢者への抗がん剤治療は有効か

 4月4日(水)、都内で日本肺学会主催の第19回 肺がん医療向上委員会が開催された。「高齢者肺がんへの抗がん剤治療は有効か? 無効か?」をテーマに津端 由佳里氏(島根大学医学部 内科学講座)が登壇し、全国に先んじて高齢化が進む島根県での診療の現状を踏まえ、高齢肺がん患者における抗がん剤治療について講演した。「肺がん診療ガイドライン」での推奨は? 初めに津端氏は、本講演では高齢者の定義を後期高齢者に当たる75歳以上として進めることを説明したうえで、「EBMの手法による肺診療ガイドライン2017年版」(日本肺学会編)で“75歳以上”との記載がある2つのクリニカルクエスチョン(CQ)を紹介した。 まず遺伝子変異陽性例については、75歳以上においてもEGFR、ALK、ROS1、BRAFといったそれぞれの遺伝子を標的とした分子標的治療薬が「GRADE 1」として強く推奨されている(CQ20)。同氏はゲフィチニブ1)やエルロチニブ2)の臨床試験結果も踏まえ、「分子標的薬の有効性・安全性は高齢者であっても期待できる」と述べた。 次に遺伝子変異陰性例(PD-L1<50%、もしくは不明)で全身状態が良好(PS 0-1)な場合については、ガイドラインでは細胞障害性抗がん剤単剤が、年齢によらず「GRADE 1」として推奨されている(CQ38)。ただし、カルボプラチン併用療法については「GRADE 2」と弱い推奨(提案)レベルに留まっており、「細胞障害性抗がん剤も高齢者に対してある程度効果は期待できるが、カルボプラチン併用療法については治療関連死が4.4%と高かったという報告3)があり、治療内容と副作用に十分注意しながら進める必要がある」と話した。 また、免疫チェックポイント阻害薬については、ガイドラインでは現状言及されていない。サブグループ解析を除き、結果が発表されている大規模臨床試験はCheckMate 1714)のみで、この試験では高齢者(70歳以上)に対するニボルマブ投与の安全性・有効性が70歳未満と比較して同等であることが確認されている。しかし、「エビデンスが蓄積されていないこと、欧米と日本における高齢者の定義(年齢)が異なることから、今後も国内でのデータを蓄積し、有効性について検討していく必要がある」とまとめた。治療し過ぎ、手控え過ぎをいかに避けるか 続いて同氏は、身体・生理機能の差が必ずしも年齢に依存しない高齢者では、治療法の選択は個々に行う必要があり、一律には判断できないことに言及。NCCNガイドラインでは高齢がん患者における治療方針決定フローが示されており、病状理解・治療目標の設定・化学療法のリスク評価という各段階において、高齢者機能評価(GA)実施の重要性が述べられていることを紹介した。しかし実際には、GAの実施には時間を要するほか、複数の手法が提案されているため、どのGAをどのタイミングで使用するかが決まっていない、という問題点を指摘。「とはいえ、何らかの形で機能評価を実施していかなくてはいけない」と話し、島根大学医学部附属病院での実践例として、電子カルテにGAを組み込んだ独自のシステムを紹介した。本システムは、決められた項目に沿って入力していくと評価できるもので、メディカルスタッフでも慣れれば3分、慣れなくても10分ほどで評価ができ、同院では75歳以上の肺がん患者にいずれかのタイミングで必ず実施するようにしているという。 最後に津端氏は医療費の問題にも言及。2018年3月の米国大統領諮問委員会によるがん治療薬の「経済的毒性」についての報告書5)によると、米国でのがん患者1人当たりの薬剤費が、1995年の5万4,100ドルから2013年には20万7,000ドルと約4倍に増加しているという。一方で同報告書では、がんによる死亡率がこの間に25%減少し、3人中2人は5年生存が可能になったというデータも報告されていることを紹介した。 同氏は、「価値に基づく価格設定の推進など、医療費の問題には医療者だけでなく社会全体で取り組んでいく必要がある。医師としては、目の前の患者一人ひとりにとって最善の医療を提供するために、患者ごとに異なる状況を適切に評価することはもちろん、希望に沿った治療選択のための十分な説明と情報提供を行う力を、日々高めていかなければならないと考えている」とまとめた。■参考1)Maemondo M, et al. J Thorac Oncol.2012;7(9);1417-1422.2)Goto K, et al.Lung Cancer.2013;82(1):109-114.3)Quoix E, et al.Lancet.2011;378(9796);1079-1088.4)Checkmate 171試験(Clinical Trials.gov)5)Promoting Value, Affordability, and Innovation in Cancer Drug Treatment (A Report to the President of the United States from the President’s Cancer Panel),2018

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固形燃料での料理や暖房、心血管死リスク2~3割増/JAMA

 中国農村部では、料理や暖房に使用している石炭などの固形燃料が、心血管系疾患死や全死因死亡リスクを増大していることが明らかにされた。そうしたリスクは、クリーン燃料へ切り替えたり、換気付き料理用コンロを使用している人では低い可能性も示唆された。中国・華中科技大学同済医学院のKuai Yu氏らが、5つの農村部の住民約27万例を平均7.2年間追跡した前向きコホート試験の結果で、JAMA誌2018年4月3日号で発表した。屋内での固形燃料の燃焼は、大量の微細粒子状の汚染物質を生成することが知られている。固形燃料の料理・暖房への使用を自己申告で調査 研究グループは2004年6月~2008年7月にかけて、中国の5つの農村部に住む30~79歳を対象に試験を開始し、2014年1月まで追跡を行った。被験者のうち、ベースライン時に自己申告で心血管疾患の医師による診断歴のない27万1,217例を対象に、自己申告による料理と暖房に使う主要燃料の種類や、ベースラインの前の燃料の切り替えや、換気付き料理用コンロ使用の有無を調べた。 燃料の種類は、固形燃料は石炭、木、木炭で、クリーン燃料はガス、電気、セントラルヒーティングだった。また被験者のうち無作為抽出した1万892例について、ベースラインから平均2.7年後に、ベースライン時と同様の質問を行った。 主要評価項目は、死亡レジストリを基にした心血管系疾患死と全死因死亡だった。心血管系疾患死リスク、固形燃料の料理への使用で1.2倍、暖房では1.3倍 被験者の平均年齢は51.0歳(SD 10.2)で、59%が女性だった。定期的に料理をする人(少なくとも週1回)の割合は66%、冬期に暖房を使う人は60%で、そのうち固形燃料を使う人の割合は、それぞれ84%(15万992例)と90%(14万7,272例)だった。 平均7.2年(SD 1.4)の追跡期間中に1万5,468例が死亡し、そのうち5,519例が心血管系疾患によるものだった。 固形燃料の料理への使用により、心血管系疾患死のリスクは1.20倍(10万人年当たりの絶対リスク差[ARD]:135[95%信頼区間[CI]:77~193]、ハザード比[HR]:1.20[95%CI:1.02~1.41])、全死因死亡リスクは1.11倍(338[249~427]、1.11[1.03~1.20])に、それぞれ増大した。 固形燃料の暖房への使用も、心血管系疾患死リスクを1.29倍(175[118~231]、1.29[1.06~1.55])、全死因死亡リスクを1.14倍(392[297~487]、1.14[1.03~1.26])に増大した。 一方で、ベースライン時は固形燃料を使用していたが、その後にクリーン燃料に切り替えた人は、固形燃料を使用し続けていた人に比べて心血管系疾患死リスク、全死因死亡リスクともに低下した。料理の燃料切り替えに関する心血管系疾患死に関するARDは138(95%CI:71~205)、HRは0.83(95%CI:0.69~0.99)で、全死因死亡に関するARDは407(317~497)、HRは0.87(0.79~0.95)だった。暖房への使用に関しては、それぞれ心血管系疾患死に関するARDは193(128~258)、HRは0.57(0.42~0.77)、全死因死亡に関するARDは492(383~601)、HRは0.67(0.57~0.79)だった。 固形燃料を料理に使用した人のうち、換気付き料理用コンロの使用者は、心血管系疾患死・全死因死亡リスクともに低かった。心血管系疾患死に関するARDは33(95%CI:-9~75)、HRは0.89(95%CI:0.80~0.99)で、全死因死亡に関するARDは87(20~153)、HRは0.91(0.85~0.96)だった。

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ジカウイルス、症候性男性精液の3割から検出/NEJM

 蚊媒介性のジカウイルス(ZIKV)は、症候性の男性約3割の精液中に、また約4%の尿中に存在していたことが明らかにされた。6ヵ月以上残存する男性もいたという。一方で、感染性ZIKVが検出されたのはごくわずかで、そのすべてが発症後30日以内に検体が採取された男性だった。米国疾病管理予防センター(CDC)のPaul S. Mead氏らが、185例の男性患者を対象に行った前向き試験の結果で、NEJM誌2018年4月12日号で発表した。ZIKVは蚊媒介性の新出現フラビウイルスで、有害な出生アウトカムとの関連が報告されている。症候性ZIKV感染の男性185例の精液と尿を検査 研究グループは、症候性ZIKV感染の男性185例を対象に試験を行い、ZIKVの精液や尿への排出頻度とその期間について検証した。排出期間の長期化についても、そのリスク因子を特定する検討を行った。 発症後6ヵ月間に検体を月2回採取し、ZIKV RNAについてはRT-PCR法で、感染性ZIKVについてはベロ細胞培養とプラークアッセイで検出した。感染性ZIKVは発症後30日以内でのみ検出 発症後14~304日の間に、精液は184例から1,327検体、尿は183例から1,038検体、それぞれ採取された。そのうちZIKV RNAが検出されたのは、精液検体では60例(33%)、尿検体では7例(4%)で、発症後30日以内に精液採取を行った人のうちZIKV RNAが検出されたのは、36例中22例(61%)だった。 精液中へのZIKV RNA排出は、発症後3ヵ月間に大幅に減少したが、1例(1%)では281日後に検出された。 ZIKV RNA排出長期化に関する独立リスク因子は、高年齢、射精回数の低頻度、発症時での特定の症状だった。 また、感染性ZIKVが分離されたのは、ZIKV RNAが検出された精液78検体のうち3検体と少なく、そのすべてが発症後30日以内に採取されたもので、精液中ZIKV RNA量は7.0 log10コピー/mL以上だった。

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ラッサ熱に気を付けろッ! その2【新興再興感染症に気を付けろッ!】

ケアネットをご覧の皆さま、こんにちは。国立国際医療研究センター 国際感染症センターの忽那です。本連載「新興再興感染症に気を付けろッ!」、通称「気を付けろッ」は「新興再興感染症の気を付け方」についてまったりと、そして時にまったりと、つまり一貫してまったりと学んでいくコーナーです。ラッサ熱を疑ったら、次の対応は?前回は私のリハビリも兼ねてラッサ熱の疫学、臨床症状などについて、いつにも増してまったりとご紹介させていただきました。今回は国内における診断、治療、そして日本での報告、さらには現在のナイジェリアでのアウトブレイクについてご紹介いたします。まず、国内での診断についてです。前回も触れましたように、ラッサ熱は一類感染症に指定されていますので、ラッサ熱が疑われる事例では日本全国約50施設ある特定感染症指定医療機関または第一種感染症指定医療機関で診療することになっております。だいたい各都道府県に1施設はあります。東京なんか、わが国立国際医療研究センター以外にも、都立墨東病院、都立駒込病院、荏原病院、自衛隊病院と5つもの施設がひしめく激戦区です(まあ別に戦ってないんですが)。ではどのような場合に、こうした病院に搬送することになるのでしょうか。名著といわれている『輸入感染症A to Z』に記載のあるとおり、輸入感染症の診断の基本は「渡航地・潜伏期・曝露歴」の3つが重要です。渡航地:ラッサ熱の流行地域(リベリア、ギニア、シエラレオネ、ナイジェリア    など)に渡航後潜伏期:渡航後3週間以内に発症した曝露歴:マストミスとの接触歴のある症例このような症例を診た場合に、ただちに管轄の保健所に連絡して指示を仰いでください。このうち必ずしもすべてが該当しない場合も、疑わしければ保健所に相談するのが無難です。さて、これらの感染症指定医療機関で行われる診療についてです。診断は血清を用いたPCRまたは抗体検査です。検査自体は普通ですね。しかし、これらは当然ながら普通に院内の検査室ではできませんので、国立感染症研究所(村山庁舎)などで検査を行うことになります。ラッサ熱の治療薬リバビリン一般的にウイルス性出血熱の治療として有効な薬剤はほぼなく、対症療法を行うというのが原則なのですが、ラッサ熱に関してはリバビリン(商品名:レベトール、コペガス)の有効性が証明されています。リバビリンですよ、リバビリン。C型肝炎の治療薬で一世を風靡した(かどうかは知りませんが)あのリバビリンです。眉唾かと思われるかもしれませんが、実際にラッサ熱にリバビリンが有効であるとする報告は数十年前から存在します。抗RNA ウイルス薬の1つであるリバビリンは、in vitroでラッサウイルスの増殖を抑制し、発症早期に投与されれば治療効果が期待できるとされます。絶対に覚えなくてもいいと思いますが、一応書いておきますとリバビリンの静注投与は、初めに32mg/kg/doseで投与し、次いで16mg/kg/doseを6時間毎に4日間、さらに8mg/kg/doseを8時間毎に6日間投与します。ラッサ熱なんて診ることはないから、知らなくてもいいだろうと思われる読者諸氏も多いことと思います。実際そのとおりかもしれませんが、他のウイルス性出血熱に比べるとラッサ熱を診る可能性の方は少し高いかもしれません。ラッサ熱の輸入例(流行地域で感染し非流行地域で診断された事例)は約30例もあり、これはウイルス性出血熱の中では圧倒的に多い症例数です。大半がヨーロッパでの報告ですが、アメリカでも報告があります。そして…なんと日本でも報告例があるのですッ!! いや、マジで。冗談ではなく。国内例、あるんですよ、ラッサ熱。意外と知られていない事実ですが、過去に日本はウイルス性出血熱を実は経験しているのですッ!31年前に日本でラッサ熱!?そう、あれは1987年のこと…(といっても僕が小学生の頃ですのでまったく知りませんが)。シエラレオネに水道関係の仕事で訪れていた40代の男性が、帰国後に発熱、筋肉痛、頭痛などの症状で東京大学医科学研究所附属病院を受診しました。来院時の血液検査では、白血球・血小板の減少と肝機能異常がみられ、マラリアが疑われましたが末梢血ギムザ染色は陰性。しばらく様子が見られていましたが、激しい下痢などの症状を経て、入院1ヵ月後に自然軽快したとのことです。原因がわからずいろんな検査が行われた結果、最終的にラッサ熱の抗体が陽性となり本症と診断された、とのことです。この事例から約30年が経っていますが、ウイルス性出血熱はけっして対岸の火事ではないということがわかる教訓的な一例です、はい。詳しく知りたい方は、倉田 毅先生(元 国立感染症研究所所長)の興味深いお話が過去の『週刊 医学界新聞』に掲載されておりますのでご参照ください。 ナイジェリアの現在の様子最後にアウトブレイク情報ですが、前回も触れたように現在ナイジェリアでは、ラッサ熱が大流行しています。ちょっと最近なかったレベルの大流行です。2018年1月から現在までに1,000例を超える疑い例と、90例を超える死亡者が報告されています。図1がナイジェリア国内での流行状況ですが、とくにEdo州、 Ondo州、 Ebonyi州といった地域で症例が多く報告されています。画像を拡大するまた、図2はラッサ熱の流行曲線ですが、2018年2月下旬~3月上旬くらいが症例数のピークとなっています。一見すると流行は終息に向かっているようにも見えますが、まだまだダラダラ報告が続いており予断を許さない状況です。ナイジェリア帰国後の発熱では頭の片隅にラッサ熱を置いておきましょう!画像を拡大するというわけで、前回から2回にわたってラッサ熱についてご紹介いたしました。ウイルス性出血熱の中では、日本に入ってくる可能性が比較的高い感染症ですので、概要は知っておいてもよろしいかと思います。さて、次回こそはようやくホントに「バベシア症」についてご紹介したいと思いますッ!1)国際感染症センター 国際感染症対策室 Resource内「ウイルス性出血熱診療の手引き2017」2)Nigeria CDC. An update of Lassa fever outbreak in Nigeria.

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自閉スペクトラム症とADHDを有する小児における不安障害と気分障害

 自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如多動症(ADHD)は、頻繁に併発する。ASDとADHDを併発する小児のエンドフェノタイプを理解することは、臨床的な管理に影響を及ぼす可能性がある。米国・ジョンズ・ホプキンズ大学のEliza Gordon-Lipkin氏らは、ASD児の不安障害や気分障害の併発について、ADHDの有無別に比較を行った。Pediatrics誌4月号の報告。 インタラクティブ自閉症ネットワーク(インターネット経由による親からの報告、自閉症研究レジストリ)に登録されたASD児の横断的研究を行った。対象は、親からの報告、専門家、アンケートにより確認された6~17歳のASD診断児。親から報告されたADHD、不安障害、気分障害の診断や治療に関するデータを抽出した。ASDの重症度は、対人応答性尺度(Social Responsiveness Scale)総スコアを用いて測定した。主な結果は以下のとおり。・基準を満たした小児は、3,319例であった。・このうち、1,503例(45.3%)がADHDを併発していた。・ADHDの併発は年齢とともに増加し(p<0.001)、ASD重症化と関連が認められた(p<0.001)。・一般化線形モデルでは、ASDとADHDが併発した小児は、ASDのみの小児と比較し、不安障害(調整相対リスク:2.20、95%CI:1.97~2.46)や気分障害(調整相対リスク:2.72、95%CI:2.28~3.24)のリスクが高いことが明らかとなった。・不安障害や気分障害の罹患に対する最も重要な要因は、加齢であった。 著者らは「ASD児において、ADHDの併発は一般的であった。ASDとADHDが併発した小児では、不安障害や気分障害のリスクが高くなる。ASD児をケアする医師は、治療可能な状態が併発していることを認識する必要がある」としている。■関連記事自閉症とADHD症状併発患者に対する非定型抗精神病薬の比較母親の体格がADHD、自閉症リスクと関連か自閉スペクトラム症小児のうつ病や発達障害併発と兄弟姉妹の関連

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女性の顔のしわ、食習慣と関連

 顔のしわに対するさまざまな食習慣の影響についてはほとんど知られていない。オランダ・エラスムス大学医療センターのSelma Mekic氏らは、地域の高齢者を対象とした集団ベースコホート研究において、食習慣が女性の顔のしわに影響していることを明らかにした。横断研究のため因果関係を証明することはできず、健康志向の行動が結果に影響した可能性はあるものの、著者は、「健康的な食事が顔のしわを減らすと強調すれば、世界的な疾患予防戦略は恩恵にあずかるかもしれない」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年3月27日号掲載の報告。 研究グループは、地域の高齢者を対象としたRotterdam Studyの参加者2,753例を対象に、食事と顔のしわとの関連を調査した。 しわは、顔写真から顔の皮膚全体に占める割合としてデジタル的に定量化した。食事の評価には食物摂取頻度調査票(Food Frequency Questionnaire)を用い、Dutch Healthy Diet Index(DHDI)のアドヒアランスを算出するとともに、主成分分析(PCA)を用いて男女別に関連する摂取食品を抽出した。 すべての摂取食品ならびにDHDIとしわの重症度との関連について、多変量線形回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・オランダのガイドラインの高い遵守度は、女性の顔のしわの少なさと相関していた。・男性では、同様の相関はみられなかった。・PCAの結果、女性は赤身の肉やスナック類の摂取が多い人にしわが多かった。一方で、果物の摂取が多い人は、しわが少なかった。

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1型糖尿病患者、うつ病が認知症リスクに

 1型糖尿病(T1D)患者の14%がうつ病である。うつ病は認知症の強力な危険因子であるが、近年、認知症リスクのある年齢まで生きるようになったT1D患者に、それが当てはまるかどうかは不明である。今回、米国・Kaiser Permanente Division of ResearchのPaola Gilsanz氏らの調査により、高齢のT1D患者において、うつ病が認知症リスクを有意に増加させることが示された。Aging & mental health誌オンライン版2018年4月10日号に掲載。 本研究では、50 歳以上のT1D患者3,742例について、1996年1月1日から2015年9月30日の間、認知症について追跡した。うつ病、認知症、併存疾患は電子カルテから抽出した。人口統計、糖化ヘモグロビン、重度の高血糖エピソード、脳卒中、心疾患、腎症、末期腎疾患について調整した、うつ病と認知症の関連を、Cox比例ハザードモデルで推定した。うつ病による認知症の累積発症率については、55歳までは認知症を発症していないとの条件で推定された。 主な結果は以下のとおり。・5%(182例)が認知症と診断され、20%はベースライン時にうつ病であった。・うつ病患者において認知症発症が72%増加した(完全調整ハザード比:1.72、95%信頼区間:1.12~2.65)。・うつ病患者の25年間の認知症累積発症率は、うつ病でない患者の2倍以上(27% vs.12%)であった。

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小児期の過体重、何歳まで続くと2型糖尿病リスクが高まるか/NEJM

 7歳時に過体重の男児は、思春期以降まで過体重が持続した場合に限り、成人2型糖尿病のリスクが増大することが、デンマーク・Bispebjerg and Frederiksberg HospitalのLise G. Bjerregaard氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2018年4月5日号に掲載された。小児期の過体重により、成人期の2型糖尿病リスクが増加する。世界の小児の23%以上が過体重または肥満であることから、小児期の過体重が2型糖尿病のリスクに及ぼす有害な影響は、成人期に至る前に正常体重に回復した場合は減少に転じるか、またインスリン感受性が著明に低下する思春期の体重増加が、後年の2型糖尿病の発症に主要な役割を担うかを検証することが重要とされる。7、13、17~26歳の過体重と、30歳以降の罹患リスクの関連を評価 研究グループは、過体重の男児は、成人早期までに過体重を解消することで、2型糖尿病のリスクが低下するかを検討した(欧州連合[EU]の助成による)。 1930~89年の期間に出生し、コペンハーゲン市の公立または私立の学校に入学したほぼすべての小児の情報を蓄積したデータベース(Copenhagen School Health Record Register[CSHRR])を用いて、7歳、13歳、成人早期(17~26歳)に体重と身長が測定され、過体重または肥満と判定されたデンマーク人男性6万2,565例が解析の対象となった。 過体重と肥満の定義は、米国疾病管理予防センター(CDC)の年齢別、性別の基準に則った(過体重は、BMIが7歳時は≧17.38、13歳時は≧21.82、成人早期は≧25、肥満は、それぞれ≧19.12、≧25.14、≧28.31)。国の保健登録(National Patient Register)から、2型糖尿病の状態に関するデータを取得し、30歳以降に2型糖尿病の診断を受けた6,710例(10.7%、フォローアップ期間:196万9,165人年)を同定した。思春期を含む期間の過体重が、リスクを高める可能性 過体重児の割合は、7歳時の5.4%(3,373/6万2,565例)から、13歳時は5.5%(3,418/6万2,565例)へ、成人早期は8.2%(5,108/6万2,565例)へと増加し、どの年齢の過体重も2型糖尿病リスクと正の関連が認められた。過体重と2型糖尿病リスクの関連は、過体重の年齢が高いほど、また2型糖尿病の診断時年齢が低いほど強かった。 7歳時に過体重であったが13歳になる前に過体重が解消した男性が、30~60歳時に2型糖尿病と診断されるリスクは、過体重を経験していない男性とほぼ同様であった(ハザード比[HR]:0.96、95%信頼区間[CI]:0.75~1.21)。 7歳時、13歳時に過体重だったが成人早期には過体重でなかった男性は、過体重を経験していない男性に比べ、2型糖尿病リスクが高かった(HR:1.47、95%CI:1.10~1.98)が、過体重が持続した男性に比べると低かった(過体重を経験していない男性と比較した過体重が持続した男性のHR:4.14、95%CI:3.57~4.79)。 7歳から成人早期の期間におけるBMIの上昇は、7歳時に標準体重であった男性でも、2型糖尿病リスクの増加と関連した。成人早期の肥満は、7歳時のBMIにかかわらず、2型糖尿病のリスクが著明に高かった。 著者は、「7歳時に過体重の小児が、成人2型糖尿病に罹患するリスクは、思春期に至る前に過体重を解消して成人早期まで正常体重を維持することで低下した。思春期にわたる、13歳から成人早期までの過体重は、7歳時のみ、13歳時のみ、7歳時と13歳時のみ、成人早期のみ、および7歳時と成人早期にのみ過体重であった場合に比べ、2型糖尿病のリスクが高かった」とまとめている。

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EGFR-TKIで進行した日本人肺がん、遺伝子変異と治療選択の実態(REMEDY)/ELCC2018

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム)は、4月11日~14日にスイス・ジュネーブで開催されたELCC(欧州肺学会)において、多施設共同前向き観察研究REMEDY試験の結果を発表した。本試験は実地臨床下でEGFR-TKI治療中に増悪を来した日本人症例における、一連の検査および薬剤選択の状況を明らかにしたもの。日本人患者のオシメルチニブへのアクセスの実態を把握する最初のリアルワールドエビデンスとしても注目される。 REMEDY試験は国内49施設において、2017年1月~8月に、EGFR-TKI投与中に病勢増悪を認めた236例を対象に行われた前向き観察研究。 本試験では、T790M変異検査のための検体採取率、T790M変異検査実施率、T790M変異陽性率、T790M変異ステータスごとの薬剤選択状況を前向き観察により確認した。その結果、実地臨床下では増悪部位の腫瘍検体採取が困難な場合があるなどの理由により、EGFR-TKI投与中に病勢増悪が認められた患者のうち、オシメルチニブによる治療対象となるT790M変異陽性が確認できた患者の割合は約26%にとどまることが判明した。 REMEDY試験の研究代表者である、九州がんセンター 呼吸器腫瘍科の瀬戸貴司氏は、アストラゼネカ株式会社のプレスリリースの中で、現在T790Mの検出には組織検体や血漿検体が用いられるが、実地臨床においてこれまで、検体採取からT790M変異検査の状況とT790M変異ステータス別の治療実態を包括的に検証した報告はなく、実態は不明であった。今回、T790M変異を確認できたEGFR変異陽性NSCLC患者は全体の約4分の1との結果であったが、適切な腫瘍検体を用いて検査の精度を上げることで、より多くの患者に新たな治療機会を提供できる可能性がある、と述べている。 主な結果は以下とおり。・T790M変異検査のための検体採取率は86.9%(205例)、T790M検査実施率は84.3%(199例)、T790M変異陽性率は25.8%(61例)・T790M変異陽性でオシメルチニブが使用された割合は23.7%(56例)であった。・組織・細胞検体を用いたT790M変異検査は68例に、血漿検体を用いたT790M変異検査は137例行われ、組織・細胞検体を用いて実施したT790M変異検査の22例および血漿検体を用いたT790M変異検査の27例が陽性であった。・初回の検査で陰性または不明と診断された一部の症例においてはT790M検査が再度ないし再再度実施され、新たに12例がT790M変異陽性と同定された。・血漿検体を用いたT790M変異検査の主な実施理由は、腫瘍検体採取が患者に及ぼす侵襲性負担であった。

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14)ディスカス(アドエア、フルタイド、セレベント)【手順編】【吸入薬使い方ガイド】

※上の画像をクリックすると別のウィンドウにて「環境再生保全機構」の動画ページが開きます。■今回の内容今回は、ディスカス(アドエア、フルタイド、セレベント)の吸入手順を確認します。手順としては、「カチッ」と音がするまでカバーをスライドさせて、開ける→レバーをグリップの方向に、「カチッ」と音がするまで押し付ける→小窓の数字を確認し、吸入口が開いていることを確認→呼吸を整え、ゆっくり十分に息を吐く→吸入口をしっかりくわえる→顔を上げて、勢いよく、深く吸う(そのとき舌を下げて喉の奥を広げる)→吸入器をはずし、口を閉じ3~5秒間息を止め、薬剤の定着をはかる→鼻からゆっくり息を吐く(2回目の指示あれば同様に吸入を繰り返す)→うがいをする(口中3回、喉の奥3回)。●主な製剤(2015年3月時点のデータ)ディスカス(アドエア、フルタイド、セレベント)。

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ROCK阻害薬と培養細胞の注入で、角膜内皮細胞が再生/NEJM

 フックス角膜内皮変性症などの角膜内皮障害は、角膜の含水量に異常を来し、水疱性角膜症として角膜の混濁と視力低下を引き起こす。京都府立医科大学の木下 茂氏らは、水疱性角膜症患者において、Rhoキナーゼ(ROCK)阻害薬とともに、培養したヒト角膜内皮細胞(CEC)を前房内に注入することにより、24週間後にCEC密度が増加し、視力が改善したことを明らかにした。NEJM誌2018年3月15日号掲載の報告。 検討は、単一群の非比較試験にて行われた。対象は、水疱性角膜症と診断され、CEC検出不可の11例。ドナーの角膜から得て継代培養したヒトCEC株計1×106個を、ROCK阻害薬(最終量300μL)とともに治療眼の前房内に注入し、その後3時間、患者を腹臥位とした。 主要評価項目は、注入後24週における、角膜中央部のCEC密度500個/mm2以上増加を伴う角膜透明度の回復。副次評価項目は、注入後24週における、角膜厚630μm未満、視力検査(ランドルト環)で最高矯正視力の2段階以上改善とした。 主な結果は以下のとおり。・注入後24週において、11眼中11眼(100%、95%信頼区間[CI]:72~100)でCEC密度500個/mm2以上の増加を認めた(範囲:947~2,833)。・10眼は、1,000個/mm2を超えていた。・11眼中10眼(91%、95%CI:59~100)で、角膜厚630μm未満(範囲:489~640)への回復が認められた。・11眼中9眼(82%、95%CI:48~98)で、最高矯正視力の改善が2段階以上認められた。

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日本人統合失調症患者におけるブレクスピプラゾールの長期安全性・有効性に関する52週オープンラベル試験

 CNS薬理研究所の石郷岡 純氏らは、日本人統合失調症患者における、ブレクスピプラゾールの長期安全性、忍容性、治療効果の維持に関して評価を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2018年3月26日号の報告。 本研究は、52週間のオープンラベルフレキシブルドーズ(1~4mg/日)研究である。対象は、短期ランダム化プラセボ対照固定用量(1,2,4mg/日)試験および他の抗精神病薬から切り替えを行った新規患者を含む統合失調症患者。 主な結果は以下のとおり。・対象患者282例(短期試験98例、新規患者184例)に対し、52週間のブレクスピプラゾール治療を開始し、150例(53.2%)が評価を完了した。・治療中に発現した有害事象(TEAE)は281例中235例(83.6%)で認められた。全患者の10%以上で報告されたTEAEは、鼻咽頭炎(23.1%)、統合失調症症状の悪化(22.4%)であった。・試験中に認められたTEAEの多くは、軽度~中等度であり、死亡例はなかった。臨床検査値、バイタルサイン、心電図パラメータにおける臨床的に有意な平均変化も認められなかった。・PANSS(陽性・陰性症状評価尺度)およびCGI-S(臨床全般印象・重症度尺度)平均スコアは、52週目まで安定したままであった。 著者らは「ブレクスピプラゾールは、日本人統合失調症患者の長期治療において、一般的に安全であり、忍容性が高く、治療効果が維持された」としている。■関連記事統合失調症の維持治療に対するブレクスピプラゾールの長期安全性評価研究新しいドパミン受容体パーシャルアゴニスト、ブレクスピプラゾール開発中のブレクスピプラゾール、その実力は

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RAS変異大腸がんに対するFOLFOXIRI+ベバシズマブの1次治療(JACCRO CC-11)/Oncotarget

 FOLFOXIRI+ベバシズマブは、転移のある大腸がん(mCRC)の1次治療標準レジメンの1つである。しかし、RAS変異mCRC患者において、同レジメンの前向き試験はほとんどない。 また、本邦におけるこのトリプレット+ベバシズマブレジメンの用量についても議論が残る。イタリアの研究グループGONO(Gruppo Oncologico Nord Ovest)の用量を用いたFOLFOXIRIによる、本邦のmCRC1次治療の試験では、好中球減少や発熱性好中球減少症が高頻度に出現した。一方、修正用量を用いたFOLFOXIRI(mFOLFOXIRI)による、本邦のmCRC 1次治療の試験では、抗腫瘍効果を損なうことなく、実用可能な結果となった。 JACCRO CC-11試験は、本邦のRAS変異mCRCの1次治療におけるmFOLFOXIRI+ベバシズマブの有効性と安全性を評価する第II相試験である。Oncotarget誌2018年第9巻に結果が発表された。・調査対象:20~75歳のKRAS、NRAS変異を有する切除不能な転移のある大腸がん患者・治療 ・導入相:mFOLFOXILI(イリノテカン150mg/m2、オキサリプラチン85mg/m2、レボホリナート200mg/m2、フルオロウラシル2,400mg/m2 46時間持続注day1、2週ごと)およびベバシズマブ(5mg/kg、day1、2週間ごと)。最大12サイクル。 ・維持相:レボホリナート200mg/m2、フルオロウラシル2,400mg/m2 day1、2週ごと)PDとなるまで継続・主要評価項目:外部レビュー委員会評価による客観的奏効率(ORR)・副次評価項目:無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、早期腫瘍縮小(ETS)、奏効の深さ(DpR)、安全性 主な結果は以下のとおり。・2014年10月~2016年8月に64例の患者が登録された(有効性評価は62例、安全性評価は63例)。・患者の平均年齢は62.5歳、右側腫瘍が27%を占めた。・mFOLFOXIRI+ベバシズマブのORRは75.8%(95%CI:65.1~86.5)、病勢コントロール率は、96.8%(95%CI:92.4~100)であった。・PFS中央値は11.5ヵ月(95%CI:9.5~14.0)、ETSは73.8%、DpRは49.2%であった。・Grade3/4の有害事象は、好中球減少(54%)、高血圧(32%)、下痢(13%)、食欲不振(11%)、末梢神経障害(2%)、発熱性好中球減少症(5%)であった。 この第II相試験試験の結果から、FOLFOXIRI+ベバシズマブは、RAS変異mCRC患者の1次治療に有効なレジメンであることが初めて示された。さらに、用量修正したmFOLFOXIRIは本邦におけるトリプレットレジメンとして有用であることが提案された。■参考Satake H, et al. Oncotarget. 2018; 9:18811-18820■関連記事大腸がんの最新薬物療法

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オーソライズド・ジェネリックで逆戻りが約3割低下/BMJ

 先発医薬品(branded drug products)からオーソライズド・ジェネリック医薬品(authorized generic drug products)へ切り替えた患者は、先発医薬品からジェネリック医薬品(generic drug products)への切り替え例に比べ、先発医薬品への再切り替えの割合が低いことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のRishi J. Desai氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2018年4月3日号に掲載された。ジェネリック医薬品は、先発医薬品と有効成分は同じだが、外観や賦形剤が異なる後発薬であり、オーソライズド・ジェネリック医薬品は、先発医薬品を開発した製薬企業が製造したジェネリック医薬品であるため、両者は有効成分、外観、賦形剤が同じである。先発医薬品とジェネリック医薬品の外観、賦形剤の違いは、ジェネリック医薬品への否定的な見方に寄与する可能性があり、先発医薬品への逆戻りは医療費の増大を招くという。オーソライズド・ジェネリック医薬品切り替え患者の先発薬への再切り替え状況 研究グループは、先発医薬品から、オーソライズド・ジェネリック医薬品に変更した患者またはジェネリック医薬品に変更した患者が、再び先発医薬品に変更する割合を比較する観察的コホート研究を行った(米国食品医薬品局[FDA]の助成による)。 解析には、2004~13年の米国の民間保険(大規模な商業医療保険)の加入者(プライマリ・コホート)と、2000~10年の公的保険(メディケイド)の加入者(再現コホート)のデータを用いた。 8つの試験薬(アレンドロン酸錠、アムロジピン錠、アムロジピン/ベナゼプリル・カプセル、サケカルシトニン点鼻スプレー、エスシタロプラム錠、glipizide徐放錠、キナプリル錠、セルトラリン錠)のうち1つの先発医薬品投与を受け、ジェネリック医薬品の上市以降にオーソライズド・ジェネリック医薬品またはジェネリック医薬品に切り替えた患者を同定した。これらの患者を追跡し、先発医薬品への再切り替え状況を評価した。 Cox比例ハザードモデルを用いて、年齢、性別、暦年で調整したハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推算した。逆分散法によるメタ解析を行い、全医薬品の補正後HRを統合した。オーソライズド・ジェネリック医薬品は再切り替え発生率が28%低下 サケカルシトニン点鼻スプレーについてはサンプルサイズが不十分であったため、再切り替えの解析からは除外した。先発医薬品から、9万4,909例がオーソライズド・ジェネリック医薬品に、11万6,017例がジェネリック医薬品に切り替えていた。 再切り替えの補正前発生率は、医薬品によってばらつきがみられ、100人年当たりアレンドロン酸錠の3.8から、アムロジピン/ベナゼプリル・カプセルの17.8までの幅が認められた。全医薬品における再切り替え発生率は100人年当たり8.2(発生の率比:0.83、95%CI:0.80~0.87)だった。 プライマリ・コホートにおける補正後再切り替え発生率は、先発医薬品からオーソライズド・ジェネリック医薬品に切り替えた患者が、ジェネリック医薬品への切り替え例に比べ28%低かった(統合HR:0.72、95%CI:0.64~0.81)。再現コホートでも、ほぼ同様の結果が観察された(0.75、0.62~0.91)。 著者は、「先発医薬品への逆戻りを防ぐには、患者-医療者間のコミュニケーションを改善する介入を行って、質、安全性、有効性に関する先発医薬品とジェネリック医薬品の同等性の認知度を上げることが、きわめて重要と考えられる」とし、「先発医薬品とジェネリック医薬品の外観を一致させることも、先発医薬品への逆戻りを防ぐ手立てとなる可能性がある」と指摘している。

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減塩によるポピュレーション予防戦略の推進を!(解説:有馬久富氏)-840

 食塩摂取は高血圧の確立された危険因子であり、減塩により血圧は有意に低下することが示されている1)。そのため、2012年に発表されたWHO(世界保健機関)のナトリウム摂取量に関するガイドラインでは、一般成人の食塩摂取量を5g/日未満にすべきとしている2)。 今回、米国NHANES(国民健康栄養調査)の対象者から無作為抽出された827名を対象に24時間蓄尿検査を実施した成績がJAMAに報告された3)。その結果、20~69歳の米国人における食塩摂取量推定値は、平均9.2g(男性10.7g、女性7.7g)であった。本研究は、米国人を代表するサンプルにおいて、24時間蓄尿法を用いて厳格に食塩摂取量を推定した、非常に重要な研究であるといえる。 一方、日本人の一般住民において24時間蓄尿を用いて厳密に塩分摂取量を推定した研究は少ないが、1996~99年に実施されたINTERMAP研究における日本国内4地域の40~59歳の男女における食塩摂取量推定値は、男性で平均12.3g、女性で10.9gであった4)。2016年の国民健康・栄養調査結果では、国民1人1日当たりの食塩摂取量は平均9.9g(男性10.8g、女性9.2g)であり、低下傾向にある5)。対象・推定方法が異なるため厳密な比較はできないが、今回発表された米国の成績と比べると、とくに女性において日本人の食塩摂取量が多いようにみえる。 前述したように、WHOは、一般成人の食塩摂取量を5g/日未満にすべきと推奨している2)。日本では、食事摂取基準(2015年版)6)が食塩摂取量男性8g未満・女性7g未満を、健康日本21(第2次)7)が平均食塩摂取量8gを目標としている。本邦の食塩摂取量は低下傾向にあるが、これらの目標値には到達していない。今後、高齢化とともに絶対数が増加すると見込まれる循環器疾患を予防していくうえで、高血圧者を対象とするハイリスク戦略に加えて、国民全体の血圧分布を低い方向にシフトさせるポピュレーション戦略は必要不可欠である。国をあげての減塩対策をさらに推進し、目標まで食塩摂取量を減らしていく必要がある。■参考1)Graudal NA, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2017;11:CD004022.2)World Health Organization. Sodium intake for adults and children ;2012.3)Cogswell ME, et al. JAMA. 2018 Mar 7. [Epub ahead of print]4)Stamler J, et al. J Hum Hypertens. 2003;17:655-775.5)厚生労働省健康局健康課栄養指導室. 平成28年国民健康・栄養調査結果報告. 厚生労働省;2017.6)厚生労働省健康局がん対策・健康増進課栄養指導室.「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書. 厚生労働省;2014.7)厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会 次期国民健康づくり運動プラン策定専門委員会. 健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料. 厚生労働省;2012.

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ニューキノロンの使用は、動脈瘤や動脈解離のリスクを高める(解説:佐田政隆氏)-839

 スウェーデンでは、nationwideの国民の医療に関するビッグデータが登録されており、薬の副作用など各種のコホート研究を行うことができる。本研究では、2006年7月から2013年12月に、ニューキノロンを服用した36万88人と、傾向スコアでマッチングしたアモキシシリンを服用した36万88人で、服用60日以内の大動脈瘤、大動脈解離の発症を比較検討した。結果として、ニューキノロン群がアモキシシリン群に比較して、大動脈瘤、大動脈解離の発症が、ハザード比1.66と多かったという。 ニューキノロンは以前からアキレス腱などの腱障害を増加させると報告されている。その機序としては、抗菌以外の薬理作用として、マトリックスメタロプロテアーゼを活性化してコラーゲンなどの細胞外基質の変性を促進するとか、コラーゲンの産生を抑制するとか、酸化ストレスを亢進させるためといわれている。今回、動脈瘤や大動脈解離の発生頻度を増やしたのも同様の機序が働いたものと思われる。 そうすると、動脈硬化プラークの被膜の菲薄化も促進して、急性冠症候群の発症を増加させるかもしれない。このnationwideのregistryの次の解析に興味が持たれる。ニューキノロンは、ほかにも、心電図のQT時間を延長させ、致死性不整脈を誘発することがよく知られている。ウイルス性の感冒などに、ニューキノロンが安易に処方されることをよく見かけるが、不要な抗生物質の処方は慎むべきであろう。

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