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角膜可塑性は緑内障のリスク因子

 緑内障発症のリスク因子として角膜可塑性(CH)の役割が注目されている。米国・デューク大学のCarolina N. Susanna氏らは、前向き観察コホート研究において、CH低値が緑内障の視野欠損発症リスクの増加と有意に関連していることを明らかにした。著者は、「本研究は前向きの縦断研究であり、緑内障発症のリスク因子としてのCHの役割を支持する結果である」とまとめている。American Journal of Ophthalmology誌オンライン版2018年1月2日号掲載の報告。 研究グループは、緑内障疑いの199例287眼(ベースライン時の視野は正常)を、平均3.9±1.8年間、観察した。観察期間中、標準的な自動視野検査で3回連続して異常を認め、パターン標準偏差(PSD)が5%未満または緑内障半視野テスト(Glaucoma Hemifield Test)が正常範囲外(いずれか一方、もしくは両方)を、緑内障発症と定義した。 ベースライン時のCH値測定には、Ocular Response Analyzer(ORA)を用いた。 経時的な視野欠損の発症と関連するベースライン時の因子について、単変量および多変量Cox回帰モデルを用いて解析した。 主な結果は以下のとおり。・観察期間中、54眼(19%)が再現性のある視野欠損を発症した。・緑内障を発症した患者は、発症しなかった患者と比較し、ベースライン時のCH値が有意に低かった(9.5±1.5mmHg vs.10.2±2.0mmHg、p=0.012)。・CH値が1mmHg低下するごとに、緑内障発症リスクが21%上昇した(95%信頼区間[CI]:1.04~1.41、p=0.013)。・多変量解析の結果、CH値は、年齢、眼圧、中心角膜厚、PSDおよび治療に関して補正した場合でもなお、緑内障発症の予測因子であることが認められた(ハザード比:1.20、95%CI:1.01~1.42、p=0.040)。

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ウイルス抑制HIVの維持療法、ドルテグラビル+リルピビリンが有望/Lancet

 ウイルスが抑制されているHIV-1感染患者の維持療法において、ドルテグラビル+リルピビリン療法は、現在の抗レトロウイルス療法(ART)レジメン(current ART regimen:CAR)に対し非劣性であることが、スペイン・Germans Trias大学病院のJosep M. Llibre氏らが行ったSWORD-1とSWORD-2試験のプール解析で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2018年1月5日号に掲載された。HIV-1感染の1次および2次治療では、3剤によるARTが標準とされるが、投与は生涯にわたることから、累積的な薬剤の曝露や毒性を最小化するために、2剤併用レジメンへの関心が高まっている。ドルテグラビル(インテグラーゼ鎖転移阻害薬)とリルピビリン(非核酸系逆転写酵素阻害薬)の安全性、忍容性、有効性は、この2剤に併用レジメンとしての適合性があり、実質的に有効である可能性を示唆していた。12ヵ国、1,000例以上で、2剤レジメンの非劣性を検討 SWORD-1とSWORD-2は、ドルテグラビル(50mg)+リルピビリン(25mg)の1日1回投与とCAR継続投与の有効性および安全性の評価を目的に、12ヵ国の参加の下、同じ試験デザイン(多施設共同、非盲検、無作為化、並行群間比較、非劣性)で行われた第III相試験である(ViiV HealthcareとJanssen Pharmaceutica NVの助成による)。 対象は、年齢18歳以上で、スクリーニング時に3剤を用いた1次または2次ARTにより、血漿HIV-1 RNA量が6ヵ月以上安定(ウイルス量<50コピー/mL)している患者であった。 主要エンドポイントは、試験薬の投与を1回以上受けた患者における、48週時のウイルス量<50コピー/mLの患者の割合であった。非劣性マージンは-8%とした。 患者のスクリーニングは、SWORD-1試験が2015年4月14日~10月15日に、SWORD-2試験が2015年4月21日~9月25日にそれぞれ行われた。ドルテグラビル+リルピビリン群に516例、CAR継続群に512例が割り付けられた。主要エンドポイントは両群とも95% ベースラインの全体の年齢中央値は43歳(範囲:21~79)で、約7割が50歳未満であり、女性は22%、白人が80%であった。最も多く使用されていたARTは、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(ドルテグラビル+リルピビリン群:73%、CAR継続群:70%)およびエムトリシタビン(69%、67%)であった。 48週時のintention-to-treat集団のプール解析では、ウイルス量<50コピー/mLの患者の割合は、両群とも95%(ドルテグラビル+リルピビリン群:486/513例、CAR継続群:485/511例)であった。補正後の治療群間の差は-0.2%(95%信頼区間[CI]:-3.0~2.5)であり、ドルテグラビル+リルピビリン群のCAR継続群に対する非劣性が確認された。 有害事象は、ドルテグラビル+リルピビリン群で77%(395/513例)、CAR継続群で71%(364/511例)発現した。最も頻度の高い有害事象は、鼻咽頭炎(ドルテグラビル+リルピビリン群:10%[49例]vs.CAR継続群:10%[50例])および頭痛(8%[41例]vs.5%[23例])であった。治療中止の原因となった有害事象の割合は、ドルテグラビル+リルピビリン群のほうが高かった(3%[17例]vs.<1%[3例])。 著者は、「これらの結果は、ウイルスが抑制されたHIV患者の維持療法において、この2剤併用レジメンの使用を支持するもの」としている。

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FDA、乳がんのための定位性放射線療法システムを承認

 米国食品医薬品局(FDA)は2017年12月22日、乳房組織腫瘍の治療のための新たな非侵襲的定位放射線治療装置、GammaPodシステムを承認した。 GammaPodシステムは、乳がんのために設計された非侵襲的な定位固定放射線治療装置で、乳房温存療法に用いる。より正確に放射線を照射するために、乳房を固定する2層の真空補助カップを用い、36の放射性コバルト60線源から数千の放射線集束ビームを照射する。 FDAは今回の承認にあたり、正常組織への被ばくを最小限に抑え、乳房腫瘍に正確に放射線を送達できるかを評価した臨床研究を検討。これらのエビデンスから皮膚発赤または紅斑などの放射線誘発副作用を最小限に抑えつつ、乳房腫瘍に処方用量を送達できうることを確認した。■参考FDAプレスアナウンスメント

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08)タービュヘイラー(シムビコート、オーキシス)/吸入方法【手順編】【吸入薬使い方ガイド】

※上の画像をクリックすると別のウィンドウにて「環境再生保全機構」の動画ページが開きます。■今回の内容今回は、タービュヘイラー(シムビコート、オーキシス)の吸入の手順を説明します。手順としては、下部を固定し、上のクリップを時計周りと反対の方向に回す→次に時計周りに回して「カチッ」という音がしたら吸入準備完了→空気口を塞がないように、下の回転グリップを持つ→呼吸を整え、ゆっくり十分に息を吐く→吸入口をしっかりくわえる→下を向かず、勢いよくしっかりと吸う(そのとき舌を下げて喉の奥を広げる)→吸入器をはずし、口を閉じ3~5秒間息を止める→鼻からゆっくり息を吐く(2回目の指示あれば吸入を繰り返す)→うがいをする(口中3回、喉の奥3回)。●主な製剤(2015年3月時点のデータ)タービュヘイラー(シムビコート、オーキシス)など。

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自撮り写真でのにきびの遠隔診断、対面診断とほぼ一致

 テレダーマトロジー(遠隔皮膚診断)は過去20年で急激に成長し、特定の皮膚科アプリケーションについて多くの技術革新が、必ずしも検証研究を受けることなく利用できるようになっている。米国・コロンビア大学のHannah M. Singer氏らは、予備的な臨床試験を行い、Network Oriented Research Assistant(NORA)による自己撮影写真を用いたざ瘡(にきび)の評価と、対面診断の結果が一致することを明らかにした。著者は、「NORAは信頼性が高い遠隔診療技術であり、皮膚科学研究のための遠隔皮膚診断プラットフォームとして使用することができ、皮膚科診療へのアクセスを増やすことができるものである」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2017年12月20日号掲載の報告。 研究グループは、NORAを使用し患者自身が撮影したざ瘡の写真を使った医師による総合的な重症度評価(Investigator's Global Assessment:IGA)所見が、対面診断した所見と一致するかどうかを検討する目的で、予備的な信頼性試験を行った。 2016年1月1日~3月31日に、カリフォルニア州ロサンゼルス市の皮膚科診療所1施設において、iPhone 6でNORAを使用することが可能なざ瘡患者を連続して登録した。すべての参加者は、iPhone 6でNORAを使用して自分の顔の写真を撮る方法について訓練を受けた。同じ皮膚科医が、写真のデジタル評価とざ瘡の対面診断を、1週間以上の間隔を空けて行った。 評価項目は、ざ瘡の病変数(合計、炎症性病変、非炎症性病変および嚢胞性病変数)とざ瘡重症度に関するIGAで、NORAによるざ瘡評価のための自己撮影写真の信頼性を、対面診断所見と比較した。 主な結果は以下のとおり。・計69例(男性37例[54%]、女性32例[46%]、平均年齢[±SD]22.7±7.7歳)が登録された。・ざ瘡の対面診断と写真のデジタル評価の級内相関係数は、強い一致性を示した。・級内相関係数は、合計病変数(0.81)、IGA(0.75)、炎症性病変数(0.72)、非炎症性病変数(0.72)、嚢胞性病変数(0.82)であった。

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米国成人におけるウイルスとうつ病との関連

 うつ病などの気分障害は、一般的な精神疾患である。うつ病に関連する因子には、C型肝炎、インフルエンザ、水痘帯状疱疹、ヘルペスなどのウイルスを含む感染症への曝露がある。米国・ブリガムヤング大学のShawn D. Gale氏らは、ウイルス曝露とうつ病とのさらなる関連を評価するため検討を行った。Psychiatry research誌オンライン版2017年12月20日号の報告。 米国疾病管理予防センターと米国国民健康栄養調査より、うつ状態や抗うつ薬の使用、A型肝炎、B型肝炎、単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型、ヒト免疫不全ウイルス、サイトメガロウイルスへの曝露、および社会人口統計学的変数に関するデータを収集し、調整された多変量モデルにおけるうつ病とウイルス曝露との関連性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・単純ヘルペスウイルス2型は、うつ病のリスク上昇と関連が認められたが、A型肝炎、B型肝炎、単純ヘルペスウイルス1型では認められなかった。・サイトメガロウイルスの血清反応陽性の患者において、より高いサイトメガロウイルス抗体レベルは、うつ病との関連が認められた。 著者らは「米国成人においては、単純ヘルペスウイルス2型への曝露および、おそらくはサイトメガロウイルスへの曝露が、うつ病と関連している」としている。■関連記事うつ病既往で感染症リスク増加うつ病と性行為感染症リスク、その関連を検証うつ病になりやすい性格

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睡眠時間長いと糖尿病リスク高、日系人で強い関連

 米国・ハワイ大学がんセンターのGertraud Maskarinec氏らが、日系アメリカ人を含む約15万人の多民族コホートにおいて2型糖尿病発症と睡眠時間の関連を調査したところ、睡眠時間が長い(9時間以上)と2型糖尿病リスクが12%高く、これは、炎症・脂質プロファイルの悪化・アディポネクチンの低下が介在する可能性が示唆された。Sleep health誌2018年2月号に掲載。 本研究は、ハワイおよびカリフォルニアにおける多民族コホートでの前向き研究で、1993~96年に参加者を募集した。参加者は、白人、アフリカ系アメリカ人、日系アメリカ人、ハワイ先住民、ラテン系の15万1,691人で、9,695人はバイオマーカーが測定された。睡眠持続時間はコホート参加時に自己申告され、糖尿病の状況は3種類のアンケートで入手、3種類の管理データで確認した。バイオマーカーは、参加後9.6±2.1年間、標準測定法により測定した。時変アウトカムとしての糖尿病リスクをCox回帰により推定した。 主な結果は以下のとおり。・7.9±3.5年の追跡期間中、8,487例が糖尿病の新規発症と診断された。・7~8時間の睡眠時間と比較して、9時間以上では高い発症率(ハザード比:1.12、95%CI:1.04〜2.11)と有意に関連した。6時間以下では発症率が4%高かったが有意ではなかった(95%CI:0.99~1.09)。他の民族より日系アメリカ人において、また併存疾患のない参加者において関連が強かった。・睡眠時間は、CRPおよびトリグリライドと正相関し、HDLコレステロールおよびアディポネクチンと逆相関したが、レプチンレベルおよびインスリン抵抗性指数とは関連しなかった。

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経済的インセンティブで、医療の質は改善しない/BMJ

 OECD加盟国では医療の質改善に経済的インセンティブを用いており、低・中所得国でその傾向が増大している。ただ、先頭を走っているのは米国と英国であり、他国は両国の施策をモニタリングし導入を決定している状況にある。米国ではここ10年で、病院医療の質改善にインセンティブを与えることは一般的になっているが、先行研究で「P4P(Pay for Performance)プログラムは、臨床的プロセスへの影響は限定的で、患者アウトカム改善や医療費削減に影響を及ぼさない」ことが示されている。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のIgna Bonfrer氏らは、これまで行われていなかった、米国における時期の異なる2つのプログラム(HQID[2003~09年]、HVBP[2011年~])参加病院の、インセンティブの影響について比較する検討を行った。その結果、HQIDから参加し10年以上インセンティブを受けている病院が、HVBPからの参加病院と比べて、医療の質が優れているというエビデンスは認められなかったという。BMJ誌2018年1月3日号掲載の報告。P4P初期採択病院と後期採択病院の臨床的プロセススコアと30日死亡率を比較  HQID(Premier Hospital Quality Incentive Demonstration)は、2003~09年にメディケア・メディケイドサービスセンターによって実行された任意参加のプログラムで、それをモデルに開発され、Affordable Care Act(ACA、通称オバマケア)でナショナルプログラムとして採択されたのがHVBP(Hospital Value- Based Purchasing)である。 研究グループは、HQIDに任意参加した病院(初期採択病院)と、HVBPの施策導入によってインセンティブを受けるようになった病院(後期採択病院、規模・地域などで適合)について、臨床的プロセススコアと30日死亡率を比較する観察研究を行った。30日死亡率については、3つの疾患(急性心筋梗塞・うっ血性心不全・肺炎:標的疾患)とそれ以外の疾患(非標的疾患)について評価した。 対象は、1,189病院(初期採択病院214、適合後期採択病院975)で、2003~13年のHospital Compare(米国政府下で消費者のために開設されている病院比較サイト)のデータを用いた。解析に含まれた患者は65歳以上の137万1,364例。全例がメディケア被保険者であった。インセンティブがあってもなくても10年経ったら同レベルに ベースライン(2004年)時の臨床的プロセススコア(平均値)は、初期採択病院91.5点、後期採択病院89.9点で、初期採択病院のほうがわずかだが高かった(スコア差:-1.59、95%信頼区間[CI]:-1.98~-1.20)。しかし、初期採択病院のHQID期間中の改善は小さく(年間変化:2.44点 vs.2.65点、スコア差:-0.21、95%信頼区間[CI]:-0.31~-0.11)、それでもHVBP導入前は後期採択病院よりもわずかだが高いスコアを維持していたが(スコア差:-0.55、95%CI:-1.01~-0.10)、ベースラインから10年後(2014年)のHVBP導入後では、両群とも同レベルの上限値(98.5点 vs.98.2点)に達しており、差は認められなくなっていた。 30日死亡率についても、ベースライン時の標的疾患の同値は12.2% vs.12.5%で、HQID期間中は両群ともに同様に低下し、HVBP期間中の同値は9.4% vs.9.7%で差はみられなかった(HVBP導入前 vs.導入後の傾向の%差:0.05%、95%CI:-0.03~0.13、p=0.25)。非標的疾患の30日死亡率についても同様に差は認められなかった(同%差:-0.02%、95%CI:-0.07~0.03)、p=0.48)。 結果を踏まえて著者は、「P4Pプログラムと、米国の不明瞭な医療政策アジェンダに世界中の関心が高まっている中で、政策立案者は意味のある効果を得ようと時間を費やすのならば、プログラムはインセンティブを増大するが、医業を変える手段としては不十分なこと、患者にとって最も重要な測定値(死亡率、患者の経験、機能状態)を絞り込むことを、考えるべきである」と提言している。

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肥満合併2型糖尿病における体重コントロールの効果(解説:小川 大輔 氏)-801

 欧米人では2型糖尿病に肥満を合併することが多く、糖尿病を発症すると年余にわたり血糖および体重のコントロールが必要となる。肥満症に対する治療として、欧米では外科治療が行われているが、すべての肥満症が適応となるわけではなく、減量手術を施行される割合は決して多くない。今回Lancet誌に掲載されたDiRECT試験は、英国のプライマリケアでの集中的な食事療法による減量の効果を検証した、非盲検クラスター無作為化試験である。 肥満合併2型糖尿病患者を体重管理プログラム実施群(介入群)とガイドラインに沿った治療を行う群(対照群)に1対1の割合で割り付けし、主要評価項目はベースラインから12ヵ月までの減量(15kg以上の体重減少)と糖尿病の寛解(HbA1c 6.5%未満)の2項目であった。その結果、介入群では平均約10kgの体重減少を認め、約4分の1の症例は15kg以上の減量を達成した。また約半数の症例でHbA1c 6.5%以下の寛解を達成した。興味深いことに、12ヵ月時点の体重減少が多いほど糖尿病の寛解率が高く、10~15kgの減量では約57%、15kg以上の減量では約86%が寛解を達成した。 糖尿病の罹病期間が長くなるほど治療が困難となることは日常よく経験する。DiRECT試験の結果から、発症後6年未満の肥満合併2型糖尿病患者に約850kcal/日の集中的な食事療法を実施したら、15kg以上減量した症例においては糖尿病治療薬を中止しても高率に糖尿病が寛解することが示された。ただ、この試験の対象はおおよそ体重100kg、BMI35の欧米人であり、日本人のように高度の肥満を伴わない糖尿病症例で同じ結果になるかどうかはわからない。また、プライマリケアでこのような食事療法を12ヵ月間継続できたことは驚きであり、減量に対するモチベーションが非常に高い症例が多く参加したと考えられる(実際、介入群と対照群を1対1に割り付けるため、対照群には50ポンドのアマゾンのバウチャーが提供されている)。この試験は、肥満糖尿病患者および医療従事者の両者が、診断早期から積極的に食事療法に取り組むことの重要性を示唆している。

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脳梗塞急性期患者に抗血小板薬の3剤併用療法は、有効性と安全性の両面から推奨できない(解説:内山真一郎氏)-803

 TARDIS試験は、発症後48時間以内の脳梗塞または一過性脳虚血発作(TIA)において、アスピリン、クロピドグレル、ジピリダモールの3剤併用療法の有効性と安全性を、英国のガイドラインに基づくクロピドグレル単独療法かアスピリンとジピリダモールの2剤併用療法と比較する、国際共同研究による非盲検の無作為化比較試験であった。結果として、3剤併用療法は脳卒中やTIAの頻度や重症度を減少させず、重大な出血を増加させてしまった。 発症後24時間以内のTIAと軽症脳梗塞を対象にしたCHANCE試験では、アスピリンとクロピドグレルの併用療法はアスピリン単独療法に比べて、出血を増加させることなく脳卒中の再発を抑制した。TARDISでは中等症や重症の脳梗塞患者も含まれており、このような患者に対して3剤併用療法は出血を助長して危険なのかもしれない。また、TARDISでは24~48時間後の患者も含まれたため、血栓溶解療法施行患者が多く含まれた。CHANCEやSOCRATES試験では、血栓溶解療法施行例は除外された。実際、TARDISでは、血栓溶解療法が終了してから24時間以後に抗血小板療法が開始されたにもかかわらず、血栓溶解療法との相互作用は存在した。 今回用いられた3剤のうち、日本ではジピリダモールではなくシロスタゾールが用いられているが、発症後48時間以内のすべての脳梗塞・TIA患者に対する3剤併用療法は、有効性と安全性の両面から推奨できないという結論になる。脳梗塞の重症度、発症からの時間、血栓溶解療法施行例以外に脳梗塞の病型も重要であり、急性期の強力な抗血小板療法はラクナ梗塞には危険であり、アテローム血栓性脳梗塞に限定すべきかもしれない。

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FDA、HR+/HER2-閉経前乳がんのribociclibにブレークスルーセラピー

 Novartis社は2018年1月3日、米国食品医薬品局(FDA)が、ホルモン受容体陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)の進行または転移を有する閉経前乳がんに対するCDK4/6阻害薬ribociclibとタモキシフェンまたはアロマターゼ阻害薬との併用による初回内分泌療法をブレークスルーセラピー指定にしたと発表。 今回のブレークスルーセラピー指定は、初回内分泌系療法として、ribociclibとタモキシフェンまたはアロマターゼ阻害薬の併用を検証する第III相MONALEESA-7試験の結果に基づくもの。 MONALEESA-7では、672例の上記患者が試験に登録され、ribociclibと経口内分泌療法(タモキシフェンまたはアロマターゼ阻害剤)およびゴセレリンとの併用群と、経口内分泌療法およびゴセレリン群に無作為に割り付けられた。結果、ribociclibと経口内分泌療法およびゴセレリンとの併用群の無増悪生存期間(PFS)は23.8ヵ月で、経口内分泌療法およびゴセレリンとの併用群の13.0ヵ月から有意に延長した(HR:0.553、95%CI:0.441~0.694、p<0.0001)。  また、MONALEESA-7試験において、新たな安全性シグナルは確認されなかった。有害事象はMONALEESA-2で観察されたものとほぼ一致しており、早期に同定され、ほとんどは減量または休薬によって管理可能であった。ribociclibとの併用療法は忍容性良好で、有害事象による中断率は3.6%(内分泌療法のみでは3.0%)であった。よくみられた(5%以上)Grade3/4の有害事象は、好中球減少症60.6%(内分泌療法のみでは3.6%)、白血球減少症14.3%(内分泌療法のみでは1.2%)であった。■参考Novartis社メディアリリース

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PARP阻害剤オラパリブ卵巣がんに国内承認~BRCA変異問わず~

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム)は2018年1月19日、「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣における維持療法」を効能・効果とした本邦初のPARP阻害剤オラパリブ(商品名:リムパーザ錠)の国内における製造販売承認を取得したと発表。オラパリブは世界初のPARP阻害剤 オラパリブは、DNA損傷応答(DDR)機能を活用した新規の作用機序を持つ世界初のPARP阻害薬。DNAの相同組換え修復機構が機能していないがん細胞に特異的に細胞死を誘導する画期的な作用機序を有する。 再発卵巣がんは根治が困難なことから、延命やQOLの改善を目的とした治療が行われるが、オラパリブはがん細胞に特異的にはたらく分子標的薬であるため、良好な安全性プロファイルを保ちながら、病勢進行や死亡のリスクを下げることが期待される。 同剤は、米国食品医薬品局(FDA)から、プラチナ製剤感受性再発卵巣がんの維持療法、3回以上の化学療法の治療歴がある病的変異または病的変異疑いに分類される生殖細胞系列BRCA(gBRCA)遺伝子変異陽性進行卵巣がん、さらにgBRCA遺伝子変異陽性転移乳がんの承認を取得。欧州連合(EC)からは、BRCA遺伝子変異陽性のプラチナ製剤感受性再発卵巣がんの維持療法の承認を受けている。また日本では、BRCA遺伝子変異陽性の手術不能または再発乳がんに承認申請中である。PARP阻害剤オラパリブの無償提供 アストラゼネカは、再発卵巣がん患者の緊急の要望に応えるために、厚生労働省の定める「保険外併用療養費制度」のもとで、PARP阻害剤オラパリブの無償提供を実施する。 本剤の提供は、適正使用の観点より、本剤開発治験実施施設等の限定された施設において、承認された適応、用法・用量に従ってのみ使用すること、無償提供期間中に弊社が実施する市販直後調査に準じた活動を含む適正使用推進等の各種安全対策にご協力することを理解・合意し、無償提供を希望する施設でのみ実施する。また、本剤提供は製造販売承認取得日以降、各施設での準備が整った時点から開始し薬価収載前日に終了する。

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わかる統計教室 第4回 ギモンを解決!一問一答 質問24

インデックスページへ戻る第4回 ギモンを解決!一問一答質問24 カイ2乗検定とは?質問12~22では、重回帰分析とロジスティック回帰分析をご説明してきました。今回は、カイ2乗分布による検定、すなわち「カイ2乗検定」についてご説明します。■クラメール連関係数(カイ2乗検定、独立性の検定)質問10(その3)でクロス集計とクラメール連関係数について学びました。カイ2乗検定は、母集団におけるクラメール連関係数が、無相関であるかないかを調べる検定方法です。その方法を説明します。2つの母集団があり、両者のクラメール連関係数は0(無相関)とします。この母集団にサンプルサイズnの標本調査を行い、次に示す検定統計量Tを求めます。現実的にはありえませんが、無相関である母集団について、標本調査を無限回繰り返し行い、無限個のT値を得たとします。T値の度数分布を作成し、度数分布に近似曲線を当てはめます。近似曲線は統計学が定めた理論的分布(カイ2乗分布)になることが、理論的にも実験的にもわかっています。医学的なデータだと難しくなりがちですので一般的な事例で説明していきます。【例題】下のクロス集計表は有権者の所得水準と支持政党の関係を調べたものです。このクロス集計表からクラメール連関係数を求めてみましょう。また、所得水準と政党支持率は関連性があるかを調べてみましょう。T値がカイ2乗分布になることを実験によって確認できます。カイ2乗分布による検定を「カイ2乗検定(χ2検定)」といいます。■検定統計量T検定統計量T値の求め方を説明します。表1のクロス集計表は、有権者の所得水準と支持政党との関係を調べたものです。表1 例題のクロス集計表上記のクロス集計表で所得水準と支持政党に関連がないのは、どの所得層も計(全体)と同じ割合を示したときです(表2)。表2 所得別、支持政党の割合このような比率となる人数は、表3の計算によって求められることがわかっています。表3 例題の期待度数と実測度数求められた値を「期待度数」、元の人数を「実測度数」といいます。期待度数=縦計×横計÷総人数表4の期待度数の横%表では、政党の割合はどの所得層も同じです。同じく期待度数の縦%表では、所得層の割合はどの政党も同じです。表4 例題の期待度数と実測度集の集計表表5のように実測度数が期待度数に近い値であれば関連性が弱く、かけ離れていれば関連性が強いと判断します。表5 例題の期待度数と実測度数の関連度の強弱一致度を調べるために、個々のセルごとに表6のように次の計算をします。表6 具体的な一致度の計算でてきた合計の値13.2がカイ2乗値です。下記のようにギリシャ文字で表記することがあります。■自由度自由度は表7のように表頭項目、表側項目のカテゴリー数によって定められます。自由度=(表頭項目カテゴリー数-1)×(表側項目カテゴリー数-1)=(2-1)×(3-1)=2表7 例題の自由度のカテゴリー数■クラメール連関係数クラメール連関係数はT値、サンプルサイズn、カテゴリー数k(2つのうち小さいほう)から求められます。●公式【クラメール無相関の検定】χ2検定検定統計量自由度=(a-1)×(b-1) a、bはクロス集計表のカテゴリー数棄却限界値 → カイ2乗分布の棄却限界値はExcel関数で求めることができます帰無仮説:母相関係数は0である対立仮説:母相関係数は0でない有意差判定には2つの方法があります。1)T値による方法T値>棄却限界値帰無仮説を棄却し対立仮説を採択 → 母相関係数は0でない0でない相関があるということで、相関の強弱までわかりませんT値≦棄却限界値帰無仮説を棄却できず対立仮説を採択できない → 母相関係数は0であるとはいえない2)p値による方法カイ2乗分布におけるT値に対応する確率p値を求めるp値<有意水準帰無仮説を棄却し対立仮説を採択 → 母相関係数は0でないp値≧有意水準帰無仮説を棄却できず対立仮説を採択できない → 母相関係数は0であるとはいえない次回は、相関比「F検定」についてご説明いたします。今回のポイント1)カイ2乗検定は、母集団におけるクラメール連関係数が無相関であるかないかを調べる検定方法!2)関連性判定1)T値による方法T値>棄却限界値である場合、帰無仮説を棄却し対立仮説を採択し、母相関係数は0でないといえる!3)関連性判定2)p値による方法カイ2乗分布におけるT値に対応する確率p値を求める。p値<有意水準である場合、帰無仮説を棄却し対立仮説を採択し、母相関係数は0でないといえる!インデックスページへ戻る

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血漿中脂質過酸化反応に対する抗精神病薬の影響

 ポーランド・ウッチ医科大学のAnna Dietrich-Muszalska氏らは、ユニークな作用機序を有する新規抗精神病薬であるアリピプラゾールに関して、酸化ストレスのマーカーであるTBARS(チオバルビツール酸反応性物質)レベルで測定したヒト血漿中脂質過酸化に及ぼす影響について、クエチアピン、オランザピン、クロザピン、リスペリドン、ziprasidoneなどの他の抗精神病薬と比較し、評価を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2017年12月27日号の報告。 各抗精神病薬の比較に際しては、急性期統合失調症治療に用いられる臨床有効用量に対する最終濃度において評価を行った。TBARSレベルは、分光光度法により測定した。 主な結果は以下のとおり。・急性期統合失調症治療に推奨される用量の抗精神病薬は、血漿中の脂質過酸化生成物(TBARS)レベルの明らかな変化を誘発する可能性があることが示唆された。・アリピプラゾールは、血漿中の脂質過酸化マーカーのレベルに影響を及ぼさなかったが、より低用量で使用された場合、クロザピン同様にわずかな酸化促進特性を示した。・クエチアピンは、リスペリドン、ziprasidone、ハロペリドール、クロザピンの低用量での酸化促進作用とは対照的に、最も強い抗酸化特性を示した。・オランザピンは、低用量でのみTBARSレベルを低下させた。 著者らは「急性期統合失調症治療に推奨される用量の抗精神病薬は、血漿脂質過酸化の明らかな変化を誘発する。アリピプラゾールは、血漿脂質過酸化の有意な変化を誘発しなかった。統合失調症患者の臨床症状および抗精神病薬の使用に伴う酸化ストレスの役割を考慮するため、さらなる研究が必要である」としている。■関連記事アリピプラゾール vs.その他の非定型抗精神病薬:システマティックレビュー非定型抗精神病薬による体重増加・脂質異常のメカニズム解明かカルボニルストレス、統合失調症との関連を解析:都医学研

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健康的な食事の順守、肥満遺伝リスクの高い人ほど有効/BMJ

 健康的な食事パターンの順守は、体重増加との遺伝的関連性を弱める可能性が示された。米国・テュレーン大学のTiange Wang氏らによる、遺伝的素因と食事の相互作用解析の結果で、その有益な影響は、とくに肥満の遺伝的リスクの高い人々で明確にみられたことも示された。多くの先行試験で、健康的な食事パターンの順守が体重減と関連することは明らかになっていたが、そうした食事の質のスコアと肥満の遺伝的素因(BMIや体重の長期的な変化に関連するもの)との関連性については、これまで検討されていなかったという。BMJ誌2018年1月10日号掲載の報告。米国NHSとHPFS参加者のデータを解析 研究グループは、米国で行われた2つの前向きコホート研究である「看護師健康調査」(Nurses' Health Study:NHS)と「医療従事者追跡調査」(Health Professionals Follow-up Study:HPFS)のデータを用いて、健康的な食事パターンの順守と遺伝的リスク、および長期体重増加との関連性について解析した。 NHS参加者8,828例、HPFS参加者5,218例について、BMIと関連した77個の変異遺伝子に基づき遺伝的素因スコアを算出。また、代替健康食指数2010(Alternate Healthy Eating Index:AHEI 2010)、高血圧予防食(Dietary Approach to Stop Hypertension:DASH)、代替地中海食(Alternate Mediterranean Diet:AMED)のスコアで食事パターンを評価した。 主要評価項目は、追跡期間中(1986~2006年)の4年ごとに5回にわたって行った、BMIと体重の変化とした。健康的な食事パターンの順守と遺伝的リスク、BMI・体重との関連が明らかに 20年間の追跡期間中、BMIの変化と関連する遺伝的素因は、AHEI 2010の順守率が高いほど、有意な減弱が認められた(NHS群の相互作用のp=0.001、HPFS群の同p=0.005)。 両コホートの統合解析の結果、4年単位のBMI値の変化(10リスク対立遺伝子増分につき)は、AHEI 2010スコア低下群では0.07(SE 0.02)に対し、同スコア上昇群では-0.01(0.02)であった。体重変化はそれぞれ0.16(0.05)kgに対し、-0.02(0.05)kgであった(相互作用のp<0.001)。 見方を変えると、BMI値の変化は、AHEI 2010スコアの1SD増加につき、遺伝的リスクが低い群では-0.12(0.01)、中等度群は-0.14(0.01)、高い群は-0.18(0.01)であることが示された。体重変化はそれぞれ、-0.35(0.03)kg、-0.36(0.04)kg、-0.50(0.04)kgであった。 同様の相互作用は、DASHスコアに関してもみられたが、AMEDスコアについてはみられなかった。

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術中の麻酔医交代で、術後の有害転帰が増大/JAMA

 大手術を受ける成人患者では、術中に麻酔科医の引き継ぎが行われた場合、引き継ぎがない場合に比べ、術後の有害な転帰のリスクが増加することが、カナダ・ウェスタンオンタリオ大学のPhilip M. Jones氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2018年1月9日号に掲載された。個人的または職業的な義務、体調不良や疲労により、術中に麻酔科医が別の麻酔科医に交代することがある(一時的引き継ぎ[引き継いで、後で戻る場合]と完全な引き継ぎがある)。多忙な環境で安全な麻酔診療の全情報を医師間で伝達する必要があるため、引き継ぎ中は患者にとって危険な時間となる可能性があるという。完全な引き継ぎの有無で、転帰を後ろ向きに検討 研究グループは、術中に麻酔科医が別の麻酔科医に引き継ぐことが、死亡や重大な合併症の増加をもたらすかをレトロスペクティブに評価する、地域住民ベースのコホート研究を実施した(ウェスタンオンタリオ大学麻酔科・周術期医療科の助成による)。 2009年4月1日~2015年3月31日に、手術時間が2時間以上で1泊以上の入院を要したと推測される大手術を受け、年齢が18歳以上の患者を同定した。術中に、麻酔診療が別の麻酔科医に完全に引き継がれた患者と、引き継ぎが行われなかった患者の転帰を比較した。 主要評価項目は、術後30日以内の全死因死亡、再入院、重大な術後合併症の複合とした。副次評価項目は、主要評価項目の個々の項目などであった。傾向スコアに基づく曝露重み付けの逆確率(inverse probability of exposure weighting)を用いて、調整済み曝露効果を推定した。麻酔引き継ぎ手術は年々増加 31万3,066例が解析の対象となった。女性56%、平均年齢60歳(SD 16)であった。手術の49%が大学病院で行われ、72%は待機的手術であり、手術時間中央値は182分(四分位範囲[IQR]:124~255)だった。 このうち5,941例(1.9%)で、術中に麻酔科医の完全な引き継ぎが行われた。麻酔科医の引き継ぎ手術を受けた患者の割合は年々増加し、2015年には2.9%に達した。 未調整のサンプルでの主要評価項目の発生率は、引き継ぎ群が44%(2,583例)、非引き継ぎ群は29%(9万306例)であり、リスク差(RD)は14.1%(95%信頼区間[CI]:12.8~15.3、p<0.001)であった。 調整を行うと、主要評価項目の発生率は、引き継ぎ群が36%、非引き継ぎ群は29%であり、調整後RD(aRD)は6.8%(95%CI:4.5~9.1、p<0.001)と、引き継ぎ群で有意に高かった。 また、調整後の術後30日以内の全死因死亡(4 vs.3%、aRD:1.2%、95%CI:0.5~2.0、p=0.002)および重大な合併症(29 vs.23%、aRD:5.8%、95%CI:3.6~7.9、p<0.001)の発生率はいずれも引き継ぎ群で有意に高かったが、再入院(8 vs.7%、aRD:1.2%、95%CI:-0.3~2.7、p=0.11)には有意な差がなかった。 著者は、「これらの知見は、麻酔診療の完全な引き継ぎの制限を支持するものと考えられる」としている。

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ORBITA試験:冷静な判断を求む(解説:野間重孝氏、下地顕一郎氏)-800

 COURAGE試験において安定狭心症に対するPCIは、薬物療法に比してMIや死亡を減らすことができないことが示され、現在では症状の改善を主目的として施行されている。そこで狭心症状という主観的なアウトカムが、PCIのプラセボ効果による修飾を受けているのではないかとの設問を立て、PCIのプラセボ手術(sham operationといった方が一般的か)を用いてこれを検証したところ、PCIは症状の改善すら薬物療法に対しての優位性を示せなかったというのが本論文の結論であった。倫理的な問題は後述するとして、手法としては完全であった点では評価されなければならないと思われる。 しかし、一方で懸念されるのは、この結果が拡大解釈されることである。Lancet同号のeditorialでは「安定狭心症に対するPCIの息の根をとめるか?」という激しいタイトルで、「薬物療法に対して不応な症例ですらPCIは無益」で「すべてのguidelineでPCIを格下げすべきである」と感情的とさえいえる論評が加えられているが、本試験の筆頭著者であるAl-Lameeさえもこれには異論を唱えている。注意しなければならないのは以下の2点であると考える。 まず挙げられなければならない点は、RCTの常としてリアルワールドを反映していないということである。本論文ではmedical therapyとして週1~3の電話相談、しかも家庭血圧と家庭心拍を密にモニターしているが、実臨床では実現不可能であろう。この点は筆者も十分理解しており、「労作性狭心症に対するPCIを絶対にするなという意味ではない。すべての患者が何剤もの抗狭心症薬を永遠に内服することをよしとするわけではない」、「リスクの低いPCI手技をして薬剤を減らすことを望む」患者にはPCIが治療選択となることを述べている点は看過されてはならないと思う。 もう1点は、重症虚血の症例にまでこの結果を適用してはならないということである。COURAGE試験のサブ解析でも、SPECT上のischemic burdenを5%以上減じればMIや死亡を減らすことができることと、PCI群でischemic burdenの有意な減少が得られたことを報告している。先行研究において、血行再建によってもたらされる利益が薬物療法を上回る閾値は10%以上の重症虚血であったこと、さらにLMT含む重症虚血が除外されているCOURAGE試験での治療前値が8%台であったことを考慮すると、COURAGE試験の結果を重症虚血に安易に拡大解釈することは危険なのは明らかであろう。同様に重症虚血を除外している本試験の結果は、もちろん重症虚血例に対して拡大解釈することはできない。現に本試験では、約1/3の症例でFFR/iFRで虚血が証明されていない。ちなみに本試験でも、FFR/iFRやドブタミン負荷心エコーではPCI群で虚血の改善をみている。すなわち現時点で“軽症の虚血においては”、血行再建は生命予後にも症状の緩和にも明らかな優位性を見いだせないということ以上の解釈はできず、すべての安定狭心症に対して血行再建を行うことが無益だという解釈は誤りである。 さらに、論文評として議論しておかなければならないのが、プラセボ手術の問題であろう。このような研究法(観血的な偽治療)が初めて試されたのは、腎動脈焼灼術による血圧変化を検討したrandomized studyにおいてだった。この時は、シースは挿入するがそれ以降の積極的な操作は何も行わないというものだったのだが、賛否両論が沸き起こったのを記憶している。今回はpressure wireを挿入するなど本格的手技に準ずる手技が行われており、しかも4例で合併症が、3例で大出血がみられたのである。安全性に問題のあるプラセボ治療は、プラセボ治療とはいえない。関係者の再考を促したいとともに、このような対照の取り方が、どのような目的であれ、無制限に拡大していくことを憂慮するものである。 ただし、本試験から虚心に学ぶべきことも多い。当然だが術前の虚血評価と薬物の最適化は重要であること、ましてangiographicにも中等度狭窄に対してのPCIは厳に非難されるべきものであること(実際、業績が欲しくて不必要なPCIが行われているケースが多々みられることは、残念ながら事実)、PCIのリスクがあまりに高い軽症の虚血の患者には厳重な薬物療法の選択肢も十分ありうることなどである。一方で、重症虚血の患者に対してひとたびPCIによる血行再建の選択をした際には、虚血を残すことなく解除することが絶対の前提であることは確認しておきたい。そのためにはCTOを含めた複雑病変に対する治療技術、angioguideのみでは見落としがちな病変をimaging device、FFR/iFRを駆使して完全血行再建を行うstrategyの構築が重要で、これが不可能なのであればCABGを選択して完全血行再建を目指すべきである。

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FDA、変異転移性乳がんにオラパリブ承認

 米国食品医薬品局(FDA)は2018年1月12日、過去に術後補助療法あるいは転移がんへの治療として化学療法を受けた病的変異または病的変異が疑われる生殖細胞系列BRCA(gBRCA)遺伝子変異陽性/HER2陰性(HER2-)の転移を有する乳がん治療に対するPARP阻害薬オラパリブを本承認した。 今回の承認は、オープンラベル多施設試験OlympiADの結果に基づくもの。この試験では、上記患者302例をオラパリブ群と医師選択の化学療法(カペシタビン、ビノレルビンまたはエリブリン)群に2対1で無作為割り付けし、比較した。主要有効性評価項目は、盲検独立中央評価(BICR)評価による無増悪生存(PFS)。結果、推定PFS中央値はオラパリブ群7.0ヵ月、化学療法群4.2ヵ月と、有意にオラパリブ群で延長した(HR:0.58、95%CI:0.43~0.80、p=0.0009)。オラパリブ群でよくみられた(20%以上)有害事象は、貧血、悪心、疲労(無力症含む)、嘔吐、好中球減少症、白血球減少症、気道感染、下痢、敗血症、関節痛/筋肉痛、頭痛などであった。 FDAはまた、オラパリブの適応となgBRCA変異乳がん患者を特定するため、BRACAnalysis CDx検査(Myriad Genetic Laboratories、Inc.)に販売許可を付与した。■参考FDAアナウンスメントOlympiAD試験(Cinical Trials.gov)Robson M, et al. N Engl J Med. 2017. June 4. [Epub ahead of print]■関連記事PARP阻害薬olaparib、BRCA変異乳がんの生存を42%改善/ASCO2017OlympiAD試験(解説:矢形 寛氏)

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ニボルマブ・イピリムマブ併用、腎細胞がんに国内申請

 小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は2018年1月15日、抗PD-1抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)および抗CTLA-4抗体イピリムマブ(商品名:ヤーボイ)について、根治切除不能又は転移性の腎細胞がんに対する両剤の併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。 今回の申請は、未治療の進行性又は転移性の腎細胞がん患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用療法の国際(日本を含む)共同試験(ONO-4538-16/CA209214/CheckMate-214試験)の結果に基づいている。 CheckMate-214試験は、未治療の進行または転移性腎細胞がん患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用群をスニチニブ単独群と比較評価した第Ⅲ相無作為化オープンラベル試験。本試験において、併用療法群はスニチニブ単独群と比較して、Co-Primary Endpointである中~高リスク患者における全生存期間および奏効率の改善を達成した。同じくCo-Primary Endpointである無増悪生存期間については、併用療法群で改善を示したものの、統計学的な有意差は認められなかった。 投与中止につながる副作用は、併用療法群(547例)の22%、スニチニブ単独群(535例)の12%で報告された。併用療法群で多く報告されたGrade3/4の副作用は、疲労(4%)、下痢(4%)、発疹(2%)、悪心(2%)であり、1%未満ではそう痒症、甲状腺機能低下症、嘔吐および高血圧が発現した。スニチニブ単独群で多く報告されたGrade3/4の副作用は、高血圧(16%)、疲労(9%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群(9%)、口内炎(3%)、粘膜炎(3%)、嘔吐(2%)、悪心(1%)、食欲減退(1%)、甲状腺機能低下症(1%未満)および味覚異常(1%未満)であった。治療関連死は、併用療法群で7例、スニチニブ単独群で4例報告された。■参考CheckMate-214試験(Clinical Trials.gov)

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