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心不全への遠隔管理の併用で予後が改善/Lancet

 明確に定義された心不全患者(心不全による最近の入院歴あり、大うつ病なし)では、通常治療に加えて構造化された遠隔患者管理による介入を行うと、予定外の心血管系の原因によって病院で過ごす時間が短縮し、全死因死亡も低減することが、ドイツ・ベルリン大学附属シャリテ病院のFriedrich Koehler氏らが行った「TIM-HF2試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2018年8月25日号に掲載された。心不全患者の遠隔患者管理は、心代償不全の早期の臨床所見の検出に役立ち、それゆえ代償不全に陥った心不全が完全に出現する前に、適切な治療や処置を迅速に開始することが可能になるという。通常治療への追加による予後改善効果を評価 TIM-HF2試験は、ドイツで実施された非盲検(割り付け方法は隠蔽)の多施設共同無作為化並行群間比較試験であり、データの収集にプラグマティックな要素が導入され、病院および心臓病診療施設で患者登録が行われた(ドイツ連邦教育・研究省[BMBF]の助成による)。 対象は、NYHA心機能分類II/IIIの心不全で、無作為割り付け前の12ヵ月以内に心不全による入院歴があり、左室駆出率(LVEF)が45%以下(またはLVEF 45%以上で経口利尿薬が処方)の患者であった。大うつ病の患者は除外された。被験者は、遠隔患者管理+通常治療の群または通常治療のみを行う群に無作為に割り付けられ、最長393日のフォローアップが行われた。 遠隔患者管理のシステムや介入には、(1)遠隔医療センターに体重、血圧、心拍数、心調律、末梢毛細血管の酸素飽和度(SpO2)、自己評価による健康状態(1~5点)のデータを毎日送信、(2)患者教育、(3)遠隔医療センターと、患者のかかりつけ医、心臓専門医との連携などが含まれた。 主要評価項目は、予定外の心血管疾患による入院あるいは全死因死亡で喪失した日数の割合とし、解析は最大の解析対象集団(FAS)で行った。「予定外の心血管疾患による入院あるいは全死因死亡で喪失した日数の割合」とは、これらの理由で失われたフォローアップ期間の割合であり、喪失日数を目標フォローアップ期間で除した値とした。主な副次評価項目は、全死因死亡および心血管死であった。喪失日数が約6日減少 2013年8月13日~2017年5月12日の期間に1,571例が登録され、1,538例がFASに含まれた(遠隔患者管理群:765例、通常治療群:773例)。全体の平均年齢は70歳(SD 10)、70%を男性が占めた。 予定外の心血管疾患による入院あるいは全死因死亡で喪失した日数の割合の加重平均値は、遠隔患者管理群が4.88%(95%信頼区間[CI]:4.55~5.23)と、通常治療群の6.64%(6.19~7.13)に比べ有意に優れた(加重平均値の比:0.80、95%CI:0.65~1.00、p=0.0460)。失われた日数の加重平均値は、遠隔患者管理群が17.8日/年(95%CI:16.6~19.1)と、通常治療群の24.2日/年(22.6~26.0)よりも約6日減少した。 全死因死亡率は、100人年当たり、遠隔患者管理群は7.86(95%CI:6.14~10.10)であり、通常治療群の11.34(9.21~13.95)に比し、有意に良好であった(ハザード比[HR]:0.70、0.50~0.96、p=0.0280)。心血管死亡率の差は、統計学的に有意ではなかった(0.67、0.45~1.01、p=0.0560)。 12ヵ月時のミネソタ心不全質問表(MLHFQ)によるQOL評価では、ベースラインからの変化には両群間に差はなかった(平均差:-1.11、95%CI:-3.01~0.80、p=0.26)。 著者は、「この総体的な治療コンセプトの主要な要素は、遠隔医療センターが、1日24時間、毎日、個々の患者のリスクプロファイルに従って迅速に対応可能な医師および心不全専門看護師を擁していることである」とし、「本試験では、参加施設の所在地の違いによる影響はなかったことから、遠隔患者管理により、適切な心不全治療へのアクセスの地域差が低減する可能性がある」と指摘している。

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梅毒が昨年上回るペースで増加中、原因不明の発疹には疑いを

   梅毒の届け出数は、2014年頃から急激な増加傾向にあり、昨年は年間報告数が44年ぶりに5,000例を超えた。今年は昨年をさらに上回るペースで増加しており、国立感染症研究所の発表によると、梅毒の累積報告数は8月22日集計時点ですでに4,221例となっている1)。日本医師会は9月5日の定例記者会見で、梅毒の感染経路を含む発生動向について解説するとともに、感染拡大への注意を促した。都市部で圧倒的に多い梅毒の報告数、その原因は? 梅毒の年間報告数は長く1,000例以下で推移していたが、2011年頃から徐々に増加し、2014年頃からは男女ともに急激に増加している。2017年の梅毒の報告数を都道府県別にみると、東京都が1,777例と圧倒的に多く、次いで大阪府(840例)、愛知県(339例)、神奈川県(322例)と、都市部で多い。年齢別では、男性では20~40代、女性では20代の感染が目立っている2)。 梅毒の感染経路ごとの報告数をみると、2014年頃までは同性間性交渉で感染した男性の増加が目立っていたが、以降は異性間性交渉で感染した男女がともに大きく増加している3)。このことから、2014年以降の急激な梅毒の増加の原因には、異性間性交渉による感染があるとみられるという。また、2014年以降に梅毒の報告数が急増した岡山県岡山市での調査4)では、2017年に異性間性交渉で感染した男性のうち、過去数ヵ月以内に風俗店の利用のあった患者は71.2%を占めており、女性では25.9%がCSW(コマーシャルセックスワーカー)であった。 厚生労働省では、梅毒の発生動向をより詳細に把握することを目的として、来年を目途に届出基準を改正する見通し。新たに届出事項として、性風俗産業の従事歴・利用歴や梅毒既往歴、妊娠の有無などを加える予定としている。梅毒は診断が難しく、無症候期でも感染力あり このような状況から日本医師会では今年8月、日本性感染症学会と協力して「梅毒診療ガイド」のダイジェスト版5)を会員医師に配布している(下記リンクページから閲覧可能)。梅毒は感染後、典型的には3週間前後の潜伏期間を経て、まず侵入部位(外性器や口内など)に無痛性のしこり・潰瘍ができるが(第1期)、じきに消失するため、見逃されやすい。さらに、3ヵ月後頃には発疹(全身性だが、しばしば手のひらや足の裏に発現)がみられることが多いが(第2期)、こちらも自然に消失する。登壇した平川 俊夫常任理事は、「この症状があれば梅毒だと鑑別することは難しく、症状がない期間も感染力はある」と説明し、「全診療科の医師が、梅毒が増えているということを念頭において、非特異的な皮膚病変、あるいは皮膚以外でも説明がつかないような臓器病変を診たら、積極的に抗体検査を行って、梅毒の可能性を除外していくようにしてほしい」と呼びかけた。また陽性の場合には、パートナーの受診を医療従事者が積極的に推奨することも重要だという。

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冠動脈炎を非侵襲的に検出する新バイオマーカー/Lancet

 血管周囲の脂肪減衰指数(FAI)は、冠動脈の炎症を非侵襲的に検出する新たな画像バイオマーカーである。英国・オックスフォード大学のEvangelos K. Oikonomou氏らは、CRISP CT試験のアウトカムデータの事後解析を行い、血管周囲FAIは、冠動脈炎を定量的に測定することにより、冠動脈CT血管造影(CTA)における現行の最高水準の評価に加えて、心臓リスクの予測や再層別化の質の向上をもたらすことを示した。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2018年8月28日号に掲載された。冠動脈の炎症は、隣接する血管周囲の脂肪細胞における脂肪生成を阻害する。血管周囲FAIは、冠動脈CTA画像上で、血管周囲の脂肪減衰の変化を空間的にマッピングすることで冠動脈炎を捉えるが、その臨床アウトカムの予測能は不明であった。解析コホートと検証コホートで予後予測能を解析 研究グループは、CRISP-CT試験において、2つの独立したコホートで前向きに収集されたアウトカムデータを用いて事後解析を行った(英国心臓財団[BHF]などの助成による)。 エルランゲン大学病院(ドイツ)で冠動脈CTAを受けた患者を解析コホート、クリーブランドクリニック(米国)で冠動脈CTAを受けた患者を検証コホートとした。3つの主冠動脈(右冠動脈近位部、左前下行枝、左回旋枝)において、血管周囲の脂肪減衰をマッピングした。 Cox回帰モデル(年齢、性別、心血管リスク因子、管電圧、修正Duke冠動脈疾患指標、冠動脈CTAによる高リスクプラーク特性の数で補正)を用い、全死因死亡および心臓死に関して、予後予測における血管周囲脂肪減衰マッピングの意義を評価した。心臓死の1次、2次予防に有用となる可能性 2005~09年の期間に、解析コホートの1,872例(年齢中央値:62歳、範囲:17~89歳)が冠動脈CTAを受け、2008~16年の期間に、検証コホートの2,040例(53歳、19~87歳)が冠動脈CTAを受けた。フォローアップ期間中央値は、解析コホートが72ヵ月(51~109ヵ月)、検証コホートは54ヵ月(4~105ヵ月)だった。 両コホートとも、右冠動脈近位部および左前下行枝における血管周囲FAI高値は全死因死亡および心臓死を予測し、互いに強い相関を示した。一方、左回旋枝では、このような関連は認めなかった。そこで、統計学的な共線性の観点から、右冠動脈で測定した血管周囲FAIを、冠動脈全体の炎症の代替バイオマーカーとして使用した。 なお、右冠動脈の血管周囲FAIの、全死因死亡の予測における解析コホートのハザード比(HR)は1.49(95%信頼区間[CI]:1.20~1.85、p=0.0003)、検証コホートのHRは1.84(1.45~2.33、p<0.0001)であり、心臓死の予測における解析コホートのHRは2.15(1.33~3.48、p=0.0017)、検証コホートのHRは2.06(1.50~2.83、p<0.0001)であった。 解析コホートにおける血管周囲FAIの至適カットオフ値(これを上回ると心臓死が急増)は、-70.1HU以上とした(全死因死亡のHR:2.55、95%CI:1.65~3.92、p<0.0001、心臓死のHR:9.04、3.35~24.40、p<0.0001)。このカットオフ値は、検証コホートで確定された(全死因死亡のHR:3.69、2.26~6.02、p<0.0001、心臓死のHR:5.62、2.90~10.88、p<0.0001)。血管周囲FAIは、両コホートにおいてリスクの判別能を改善し、全死因死亡と心臓死に関する重要な再分類をもたらした。 著者は、「血管周囲FAI高値(カットオフ値:≧-70.1HU)は心臓死増加の指標であり、それゆえ早期の標的として1次予防に役立ち、至適治療にもかかわらず発症した冠動脈アテローム性硬化の不安定プラークの同定が可能であるため、2次予防にも有用となる可能性がある」としている。

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TRK阻害薬larotrectinib、NTRK遺伝子融合がん治療薬としてEUに申請/バイエル

 ドイツ・バイエル社は、2018年8月27日、欧州医薬品庁(EMA)にlarotrectinib(LOXO-101)の販売承認申請(MAA)を提出したと発表。 larotrectinibは、神経栄養因子チロシンキナーゼ受容体(NTRK)遺伝子融合を有する、局所進行性または転移性の固形がん患者(成人および小児)の治療薬として開発されたトロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬。NTRK遺伝子融合は、TRK融合タンパク質の産生が制御できなくなるゲノム変化であり、腫瘍増殖をもたらす。臨床試験では、larotrectinibの全奏効率(ORR)は、治験責任医師による評価では80%、中央判定では75%であった。larotrectinibは米国食品医薬品局(FDA)より優先審査品目に指定 TRK融合を有するがんは、NTRK遺伝子が、別の無関係の遺伝子と融合し、TRKタンパク質に変異が生じて起こる。最近の研究結果から、体内のさまざまな場所で固形がんを生じさせることが示唆されており、虫垂がん、乳がん、胆管がん、大腸がん、消化管間質腫瘍(GIST)、乳児型線維肉腫、肺がん、唾液腺の乳腺相似分泌がん、悪性黒色腫、膵臓がん、甲状腺がん、肉腫など成人や小児のさまざまながんに見られる。 larotrectinibは、バイエルと米国のロクソ・オンコロジー社(本社:米国コネティカット州スタンフォード)が共同開発し、2018年5月、米国食品医薬品局(FDA)よりNTRK遺伝子融合を有する、局所進行性または転移性の固形がん患者(成人および小児)の治療薬として優先審査品目に指定された。

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半数のヒトの口がクサい【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第122回

半数のヒトの口がクサい いらすとやより使用 他人に向かって「ハーッ」と息を吹きかけられる自信がある人、いますか。歯磨きした直後ならまだしも、寝起きでそんなことを他人にできる人はいませんよね。 Aimetti M, et al.Prevalence estimation of halitosis and its association with oral health-related parameters in an adult population of a city in North Italy.J Clin Periodontol. 2015;42:1105-1114.さてさて、これまでヒトにおける口臭の頻度というのはあまりよくわかっていませんでした。積極的に調べようという研究グループもほとんどありませんし、調べても何のトクにもなりません。研究者本人の口がクサいものなら、もう自虐ネタにしかなりません。このイタリアからの報告は、機械による検査と官能検査によって口臭が客観的にあるかないか判断したものです。官能検査というのは決していやらしい意味じゃなくて、機械では表現できない味覚や嗅覚を第三者の人間が判断しましょう、という検査のことを意味します。要は、ハーっと息を吹きかけてもらってクンクン嗅ぐわけです。この研究に参加したのは20~75歳のボランティアで、744人が検査を受けました。口臭だけでなく、歯周病の存在についても評価されました。また、舌苔スコアというものも参考にされました。皆さんも鏡に向かって舌をベーっと出してください。舌苔が多いか少ないかわかるでしょう。これが真っ白けの人はスコアが高いということです。舌苔スコアと口臭には相関性があることがすでに知られています1)。解析の結果、口臭は全体の53%にみられました。いいですか、半分以上のヒトは口がクサいってことですよ! そして、舌苔スコアが高い被験者の間では、口臭と歯周病には有意な相関関係がありました。すなわち、口腔内の衛生環境が口臭と関係しているということです。よし、皆さん今から歯を磨きましょう!1)森谷俊樹ほか. 口腔衛生学会雑誌. 2002:52;12-21.

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双極性うつ病に対するコエンザイムQ10の二重盲検臨床試験

 双極性障害(BPD)は、躁病、軽躁病、大うつ病性障害エピソードによって特徴付けられる慢性的かつ再発性の気分障害である。利用可能なエビデンスでは、BPDの病態生理においてミトコンドリア機能不全、酸化ストレス、炎症が、重要な役割を担っていることが示唆されている。それは、ミトコンドリアモジュレーターであるコエンザイムQ10(CoQ10)、抗酸化薬、抗炎症薬が、BPDの病態生理の経路を調節するために有用であることを意味している。イラン・Hamadan University of Medical SciencesのMaryam Mehrpooya氏らは、BPD患者のうつ症状に対し、補助的なCoQ10治療がプラセボと比較し、どの程度有用であるかについて調査を行った。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2018年8月14日号の報告。 抑うつ症状を伴うBPD患者69例を対象に、補助的CoQ10(200mg/日)群またはプラセボ群にランダムに割り付けた。気分安定薬および抗うつ薬による標準的な薬物治療は、本試験の2ヵ月前および試験中に一貫して行われた。ベースライン時、4週目、8週目の各患者のうつ病重症度は、Montgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)を用いて評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・両群において、うつ症状が時間とともに減少した。・補助的CoQ10群は、プラセボ群と比較し、8週目のうつ症状の改善が認められた。・補助的CoQ10群は、プラセボ群と比較し、試験終了時の治療反応者がより多く観察された。・CoQ10は、副作用が少なく、忍容性が良好であった。 著者らは「BPD患者に対する補助的CoQ10治療は、プラセボと比較し、8週間にわたるうつ症状改善効果が認められた。これは、CoQ10の抗酸化・抗炎症作用によるものであると考えられる」としている。■関連記事双極性うつ病に対するドパミン作動薬の効果は双極性うつ病に対する抗うつ薬補助療法による再入院率に関するコホート研究双極性障害のうつ症状改善へ、グルタミン酸受容体モジュレータの有用性は

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オシメルチニブ1次治療、CNS病変の病勢進行を52%抑制(FLAURA)/JCO

 未治療の進行EGFR変異非小細胞肺がん(NSCLC)におけるオシメルチニブの第III相FLAURA試験の事前に予定された探索的研究において、オシメルチニブのCNS病変に対する有効性が報告された。この結果は昨年(2017年)のESMO-ASIAで発表されたのち、Journal of Clinical Oncology誌2018年8月28日号に掲載された。・対象:独立盲検中央判定によるベースラインスキャンでCNS病変(1つ以上の測定可能または/および測定不能)が認められたEGFR変異NSCLC患者・試験薬:オシメルチニブ 80mg/日・対照薬:標準的なEGFR-TKI(ゲフィチニブ250mg/日またはエルロチニブ150mg/日)・主要評価項目:ベースラインスキャンでCNS病変が認められた患者におけるCNS無増悪生存期間(CNS PFS) 主な結果は以下のとおり。・FLAURA試験(556例)のなかで、ベースラインの脳スキャンデータを有する200例のうち、128例の患者がCNS病変を有していた。・上記の128例の内訳は、オシメルチニブ群61例、標準的EGFR-TKI群67例であった。・測定可能なCNS病変患者は41例(オシメルチニブ22例、標準的EGFR-TKI群19例)、測定不能なCNS病変患者は87例(オシメルチニブ39例、標準的EGFR-TKI群48例)であった。・CNS病変患者全体のCNS PFS中央値は、オシメルチニブ群は未到達(95%CI:16.5ヵ月~NC)、標準的EGFR-TKI群では13.9ヵ月(95%CI:8.3~NC)と、オシメルチニブ群で有意に良好であった(HR:0.48、95%CI:0.26~0.86、p=0.014)。・CNS病変患者全体のCNS客観的奏効率(CNS ORR)は、オシメルチニブ群66%、標準的EGFR-TKI群43%であった(OR:2.5、95%CI:1.2~5.2、p=0.011)、測定可能なCNS病変患者のCNS ORRは、オシメルチニブ群91%、標準的EGFR-TKI群68%であった(OR:4.6、95%CI:0.9〜34.9、p=0.066)。・CNS病勢進行イベントは、標準的EGFR-TKI群に比べ、オシメルチニブ群で一貫して低かった。 未治療のEGFR変異NSCLCにおいて、オシメルチニブは標準的なEGFR-TKIに対してCNSへの有効性、CNS病変の進行リスクの低下を示した。※医師限定肺がん最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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チカグレロル併用DAPT1ヵ月+単剤23ヵ月を標準DAPTと比較/Lancet

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後2年の全死因死亡あるいは新規Q波心筋梗塞の抑制という点で、チカグレロルとアスピリンによる抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)1ヵ月→チカグレロル単剤療法23ヵ月は、標準的DAPT 12ヵ月→アスピリン単剤療法12ヵ月と比較し優越性は認められなかった。ベルギー・ハッセルト大学のPascal Vranckx氏らが、18ヵ国130施設で実施した無作為化非盲検優越性試験「GLOBAL LEADERS」の結果を報告した。アスピリンとの併用において、チカグレロルはクロピドグレルより主要有害心イベントと全死亡率を有意に低下するが、アスピリン150mg/日以上がチカグレロルの治療効果を弱めることが示唆されていた。Lancet誌オンライン版2018年8月24日号掲載の報告。DES留置患者約1万6千例で検討したGLOBAL LEADERS試験 GLOBAL LEADERS試験の対象は、PCIを施行しバイオリムスA9薬剤溶出性ステント(DES)を留置する安定冠動脈疾患(安定CAD)/急性冠症候群(ACS)患者。アスピリン(75~100mg/日)+チカグレロル(1日2回90mg)を1ヵ月間、その後チカグレロル単剤療法を23ヵ月間行う介入群と、標準的DAPT(アスピリン75~100mg/日+クロピドグレル75mg/日[安定CAD患者]またはチカグレロル1日2回90mg[ACS患者])を12ヵ月間、その後アスピリン単剤療法を12ヵ月間行う対照群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要評価項目は、2年時点の全死因死亡または中央評価による新規の非致死性Q波心筋梗塞の複合(評価者盲検)。主な副次安全性評価項目は、施設報告によるBARC出血基準Grade3または5の出血で、intention-to-treat解析で評価した。 2013年7月1日~2015年11月9日に、1万5,968例が介入群7,980例と対照群7,988例に無作為に割り付けられた。全死因死亡および非致死性心筋梗塞の発生に有意差なし 2年時点における死亡または非致死性新規Q波心筋梗塞の発生は、介入群で304例(3.81%)、対照群で349例(4.37%)に認められた(率比:0.87、95%信頼区間[CI]:0.75~1.01、p=0.073)。事前に定義したACSと安定CADのサブグループ解析においても、主要評価項目に関する治療効果に差はなかった(p=0.93)。 Grade3または5の出血は、介入群163例ならびに対照群169例で確認された(2.04% vs.2.12%、率比:0.97、95%CI:0.78~1.20、p=0.77)。 著者は、今回の試験は非盲検で行われており、全死因死亡と2年時点の複合エンドポイントに関して検出力不足であったことなどを研究の限界として挙げている。

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3mm未満の冠動脈病変へのDCBvs.DES/Lancet

 小径の固有冠動脈疾患において、12ヵ月までの主要有害心イベント(MACE)の発生率は、薬剤コーティングバルーン(DCB)と薬剤溶出性ステント(DES)で類似しており、DESに対するDCBの非劣性が認められた。スイス・バーゼル大学のRaban V. Jeger氏らが、多施設共同非盲検無作為化非劣性試験「BASKET-SMALL 2」の結果を報告した。DCBは小径の固有冠動脈疾患に対する新たな治療法であるが、DESと比較した場合の安全性と有効性は明らかではなかった。結果を踏まえて著者は、「前拡張に成功した小径の固有冠動脈疾患は、DCBで安全に治療できる可能性がある」とまとめている。Lancet誌オンライン版2018年8月28日号掲載の報告。DCBとDESのMACE発生率を前拡張に成功した758例で比較 研究グループは、直径<3mmの新規冠動脈病変を有し経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の適応となる患者を、前拡張成功後に、DCBによる血管形成術を行うDCB群と、第2世代DESを留置するDES群に、WEB登録システムを介して1対1の割合で無作為に割り付けた。抗血小板薬2剤併用療法は、現行ガイドラインに基づいて実施された。 主要評価項目は、12ヵ月後のMACE(心臓死、非致死性心筋梗塞、標的血管の血行再建術の複合)で、DESに対するDCBの非劣性を検証した(非劣性マージンは、MACEとの絶対リスク差の両側95%信頼区間[CI]上限値4%)。 2012年4月10日~2017年2月1日に、前拡張に成功した758例がDCB群(382例)とDES群(376例)に無作為に割り付けられた。DCB群7.5%、DES群7.3% per-protocol集団において、MACEの絶対差の95%CI上限値が非劣性マージンを下回り(95%CI:-3.83~3.93、p=0.0217)、DESに対するDCBの非劣性が示された。 最大解析対象集団(FAS)における12ヵ月後のMACE発生率は、DCB群7.5%、DES群7.3%であり、両群間で類似していた(ハザード比[HR]:0.97、95%CI:0.58~1.64、p=0.9180)。心臓関連死は、DES群で5例(1.3%)、DCB群では12例(3.1%)が確認された(FASにおいて)。 Academic Research Consortium(ARC)の定義に基づくprobable/definiteのステント血栓症(DCB群3例[0.8%]、DES群4例[1.1%]、HR:0.73[95%CI:0.16~3.26])と、BARC出血基準3~5の大出血(DCB群4例[1.1%]、DES群9例[2.4%]、HR:0.45[95%CI:0.14~1.46])が、最も多い有害事象であった。 なお、著者は、DCB群とDES群の両群で男性が多かったこと(70~77%)、定期的な血管造影による追跡調査が実施されておらず、イベント発生率が過小評価されている可能性があること、などを研究の限界として挙げている。

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Dr.小松のとことん病歴ゼミ

第1回 肩こりで帰してはいけない頸部痛 第2回 パニック障害の再発?それとも… 第3回 その「だるい」本当はいつから?第4回 ちょっと尻もちをついただけで骨折? 第5回 えっ?25歳男性が母親と受診 第6回 「風邪ひいちゃったみたい」の訴えの危うさ “病歴聴取のみで約8割の診断がつく”と言われます。しかし実際は、検査値や画像所見を重視して病歴聴取を漠然と行っている人も多いのではないでしょうか。同じ患者、同じ時間内でも、医師の問診技術によって引き出せる情報の量は大いに変わってきます。そこで得られた病歴から適格に診断を絞り込むことは、その後の患者のスムーズな治療につながります。臨床医に欠かせない問診技術を鍛える病歴ゼミ。番組では、講師である小松孝行先生が自らさまざまな患者に扮し、研修医から問診を受け、その良し悪しをフィードバック。「自分ならばこう聞く!」とぜひツッコミながらご覧ください。第1回 肩こりで帰してはいけない頸部痛 診断に直結する病歴聴取のスキルを鍛える新番組スタート!診断に際して、検査値や画像所見を重視して病歴聴取を軽視してはいませんか。病歴こそがもっとも重要な診断材料であり、それだけで8割方の診断はつくといわれます。しかし、Onsetの時期や発症様式などの重要な情報を得られるかは、医師の問診技術にかかっています。この番組では講師である小松孝行先生が自らさまざまな患者に扮し、研修医から問診を受け、その良し悪しをフィードバックしながら問診の進め方、見逃してはいけないポイントを解説します。第2回 パニック障害の再発?それとも… 診断に直結する病歴の聴取スキルを鍛える病歴ゼミ。今回Dr.小松はパニック障害の既往のある女性に扮します。患者が解釈モデルを持っている場合、そのバイアスに引っ張られずに、冷静に情報を引き出していくことが重要です。以前の症状とどこが似ていて、どこが違うのか、会話の流れのなかで巧みに探っていきましょう。臨床で“差がつく”問診力をアップするヒントが満載です!第3回 その「だるい」本当はいつから?今回Dr.小松は2ヵ月前から倦怠感のある65歳男性に扮します。主訴は倦怠感。このようなぼんやりした訴えの裏にある疾患を、普段の問診でどこまで追求できていますか?病歴聴取の鍵は本当のOnsetがいつなのかを明白にすること。「夏に風邪をひいたような…」そんな季節ワードも患者がいつまで健康だったかを示す重要なヒントです!第4回 ちょっと尻もちをついただけで骨折? 今回Dr.小松が扮するのは圧迫骨折らしい症状の60歳男性。ちょっと尻もちをついたのがきっかけと言うが…。病歴聴取では患者の病態がエピソードと合わないとき、違和感を抱けるかというのも重要なポイントです。Onsetは本当に尻もちなのか、骨折の裏に隠された真の原因を問診で突き止められるか!?臨床で“差がつく”問診力をアップするヒントが満載です!第5回 えっ?25歳男性が母親と受診母親の前では言えないこと、誰にでもありますよね?今回Dr.小松は母親と一緒に受診する25歳男性を熱演。問診に積極的ではない彼にはどうやら秘密がありそうです。同伴者がいる場合にうまくセパレートする方法、そして性交歴などのデリケートな質問に患者が答えやすくなるコツを伝授します!第6回 「風邪ひいちゃったみたい」の訴えの危うさ 診断に直結する病歴の聴取スキルを鍛える病歴ゼミ。最終回ではDr.小松が風邪症状を訴える80歳女性に扮します。患者の「風邪ひいちゃったみたい」は決して鵜呑みにしてよいものではありません。とくに高齢者の場合は、自覚症状が少なかったり、自発的に話してくれなかったりするため注意が必要です。普段の元気な姿を想像しながら聴く!高齢者からの聴取のコツを伝授します!

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第17回 医師の働き方改革へ、患者側の視点【患者コミュニケーション塾】

“労基”の対応に違和感国の働き方改革が医療現場でも問われるようになり、厚生労働省では「医師の働き方改革に関する検討会」を設置し、議論が行われています。検討会は今年2月27日に中間的な論点整理をまとめ、同時に「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」が発表されました。これは国による規制が行われる前に、各医療機関の自主的な取り組みを促すもので、(1)医師の労働時間の実態の把握、(2)36(サブロク)協定の自己点検、(3)既存の衛生委員会や産業医などの活用、(4)医師の業務負担軽減のため多職種へのタスク・シフティング(業務の移管)の推進、(5)女性医師への柔軟な働き方支援、(6)医療機関の状況に応じた医師の労働時間短縮に向けた取り組みについて、行政や各関係団体にも支援を求めています。同時に、医師の勤務負担の軽減や労働時間の短縮に向けて、国民の理解は欠かせず、一方で医療を必要とした人が受診しづらい、受診を控えざるを得ないといった事態を招かないようにすることが不可欠とされています。そのため、国民の理解を適切に求めていく周知のあり方についても、早急に検討するよう厚生労働省に求めています。このような緊急取組が発表された背景には、大きな医療機関が労働基準監督署の調査により、次々と是正勧告を受けている現状があります。私は、かつて医療不信が高まっていたころに、医療のことをあまり理解していない警察がズカズカと医療現場に入ったときと同じような違和感を、労働基準監督署の一連の対応に感じました。単純に働き方改革を当てはめられない難しさ私はこの検討会の構成員ではありませんが、社会保障審議会医療部会という“親会”に中間報告などが上がってくるので、そこで発言する機会があります。過度な長時間勤務や当直明けの外来・手術などは、患者から見ても危険であり、確かに見直しが必要だと思います。睡眠不足や疲れきった医師に診てもらいたくないというのが、多くの患者の共通した思いでしょう。しかし同時に、政府が進めようとしている働き方改革を、そのまま医療に当てはめることには無理があるのではないかと思っています。実効性のある医師の地域偏在対策が講じられず、明らかに医師が不足している地域があります。私はそのような地域を講演で訪れることが多く、医師不足地域の大変さを目の当たりにしています。その地域で踏みとどまり、犠牲的精神ともいえる状況で医療を提供している医師たちに、一律の時間外労働の上限を一般の労働者と同じように課したら、たちまちそれらの地域における医療は崩壊してしまうでしょう。医師の地域偏在の問題は、厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会(医師需給分科会)」で構成員として議論に参加していますが、長年議論されながら、なかなか解決していない問題です。偏在により医師不足が起きている地域の住民は、同じ日本に住んでいながらも、十分な医療が提供されないことを強いられているわけです。これは単純に医師の全体数を増やせばいいという問題ではありません。数で言えば、年々医師の数は確実に増えてきました。問題は、偏在が起きている地域に、いかに医師を確実に配置するか、その方策が問われているのです。地域偏在と共に、診療科による医師の偏在問題もあります。長時間労働になりやすい診療科もあれば、なり手が少なくて1人の医師に負担が掛かりがちな診療科もあるだけに、一律の対応は不可能だと思います。また、たとえば長時間に及ぶ手術を行っているときに、「既定の時間になったので交代してください」と言うことができるような単純労働ではないところに、医師の働き方改革の難しさがあるのではないでしょうか。さらには、自主的な研修や勉強まで“労働時間”と見なしてしまうと、知識や技術が十分に身に付かない、ということも懸念されます。医師の長時間労働の原因の1つとして、“応召義務”がよく取り上げられます。医師法第19条で「診療に従事する医師は、診察治療の求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」と定められていることから、これを廃止すべきという議論もあります。しかし私は、この応召義務の中には、医師を単なる労働者とするのではなく、患者の命を守る使命が込められた、ある種の医師の矜持のような要素があるのではないかと思うのです。そのような気概は大切にしてもらいたいというのが、患者としての正直な気持ちです。それだけに、できるだけ医師でなくてもできる業務は、他職種と分担することを進めるべきだと思っています。おそらく近い将来、AI(人工知能)が医療現場でも活用されれば、医師の業務内容にも大きな変革をもたらすことでしょう。患者側の理解を進めるために上記の緊急取組でも触れられていますが、この問題には私たち患者側の理解が不可欠でしょう。COMLに届く電話相談にも、「なぜ急変したのに、主治医が病室に駆けつけてこないのか」「こんな重篤な患者を抱えているのに夏休みを取るなんてけしからん」と言ってくる方がいます。しかし、私はもう、1人の主治医にすべてを託す時代ではないのではないかと感じています。チーム主治医制の必要性を患者側も理解し、チームがしっかりと患者の情報を共有したうえで患者に対応することを、受け入れていく必要があると思うのです。また、患者の家族が、「仕事が忙しい」と夜や土日に病状や治療の説明を求めることも、医師の長時間勤務を助長しています。「家族が病気で医師から説明を受けるので、昼間少し仕事を抜けさせてください」と職場で言えて、それを受け入れる社会にしていかなくてはいけないのではないでしょうか。今、労働時間の短縮ばかりが議論されていますが、多様な働き方が認められ、医療現場が、心身ともに厳しい状態になっている医師を見極めて対応できるようになることのほうが大事だと思っています。そのために患者が協力できることは、やはり節度を持った行動だと思うのです。そして、医師だけに期待を一極集中させるのではなく、他の医療職の役割も理解し、「医療チーム」をうまく活用していくことも、今、患者側に求められているのだと思います。

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台風21号(チェービー)通過!【Dr. 中島の 新・徒然草】(237)

二百三十七の段 台風21号(チェービー)通過!今回はレールダル訪問記(その2)を書く予定でしたが、急遽、台風21号通過の経験について述べます。各医療機関や読者の皆さまの参考になれば幸いです。数ある災害の中でもやって来るのが分かるのは台風くらいでしょうか。平成30年9月4日の朝、大阪には日がさしており、数時間後に台風が直撃すると言われても信じられないほどの良い天気でした。とはいえ、台風が来るのは分かっているので、当院で予定されている研修会とか近所の医師会での打ち合わせとか、そのような会合はすべて前日までに中止が決定されました。また、大阪市内の百貨店は軒並み休業、大阪モノレールやJR・私鉄も午前中に運行中止となることが、あらかじめアナウンスされていました。ということは、公共交通機関を使う病院職員は出勤できても帰宅できないことになります。そこで、自動車での通勤に切り替えるか、早退するかした職員もかなりいました。午前中に外来予約のあった患者さんで、本当に来院されたのは半分くらいでした。台風が来る前に帰宅できるよう、文字通りの3分診療です。中にはこんなことを言っておられた患者さんもいました。患者「外来診察があるのかどうか確認しようと思ってね」中島「ええ」患者「昨日、予約変更センターに電話したんですけど、話し中で全然通じないんですよ」中島「そうなんですか!」患者「30回はかけたかな」中島「すみません」患者「31回目にかけたら『時間内におかけ下さい』ってアナウンスが流れてきよって、『時間内にかけても通じへんやないか!』って思わず怒鳴ってしまいましたよ」中島「あらら」患者「何とかして下さいよ、先生(泣)」中島「お気持ちはよ~く分かります。担当者に言っておきましょう」おそらく予約変更センターの職員も汗だく対応だったのでしょう。各診療科の外来看護師さんたちも問い合わせや予約変更への電話対応で大変だったと聞きました。とはいえ、問い合わせや予約変更への対応がスムーズにいっていないことは、以前から院内でも問題になっているので、この機会に改善を図るべきかと思います。ちなみに百貨店の休業、公共交通機関の運行中止予定はホームページ、ツイッター、フェイスブックなど、あらゆる媒体が活用されていました。このような文明の利器を用いていれば、外来診療の有無についての電話問い合わせは半分くらいで済んだのではないでしょうか。教訓1:外来診療の有無は、色々な方法で告知すべしふと気づいたら、外は強風と大雨です。台風は正午頃に徳島に上陸し、午後2時頃に神戸市に再上陸したとのニュースが流れてきました。病院の窓から眺めていると、紙やら葉っぱやら色々なものがゴオオオオという風に吹き飛ばされて空中を舞っています。その窓も風が当たってガタガタいっており、どこからか「カンカラカンカンカン。ドタン、ガーン!」という音まで聞こえてきました。屋上にあるものが壊れたのかも。後で知ったところによると、最大瞬間風速が関西空港で58メートル、大阪市内で47メートルだったそうです。風速50メートルを超えるとトラックが横転するそうなので、大変な風だということが分かります。もはや外を歩いている人は全くおらず、走っている車もごく僅か。阪神高速の入り口はすべて閉鎖されました。時折、サイレンを鳴らした緊急車両が走って行きます。心なしか病院の建物も揺れているような気がしました。午後から病棟回診をしたのですが、あちこちで窓のスキマから雨風が吹き込んで水浸しです。「〇階の個室の窓が割れてしまった」と言う声も聞こえてきました。何か飛んできたものが窓ガラスに当たったのかもしれません。教訓2:窓ガラスは割れる、かもしれない入院診療は手術も含めて淡々と行われていますが、回診の方は通り一遍で終えました。早く終えて早く手を空けるにかぎります。中島「みんな、気をつけて帰ってね」一同「はい」中島「大切なことは自分が怪我をしないこと、無理をしないこと」一同「はい」中島「絶対に田んぼや用水路を見回ったりしないように」一同「ウチには田んぼがありません」中島「なら良し!」そうこうしているうちにも救急室には駅の階段から転げ落ちた人やら車にはねられた歩行者やらが担ぎ込まれてきます。「建物の外に出ると危険です。外に出ないで下さい」という院内放送が繰り返し行われていました。教訓3:外に出ると必ず怪我をする夕方になってようやく雨も風もやみました。道路の上は木の枝やら看板やらが散乱しています。病院を後にしたのは午後7時頃ですが、市内のあちこちで渋滞が起こっています。街路樹が折れて倒れていたり、数十メートルにわたって仮設ガードレールが倒れて1車線塞いだり、なかなか前に進みません。通れないところを車のナビゲーターで確認しようとしたのですが、閉鎖されている高速道路がすべて白く表示されており、その異様さに目を奪われてしまいました。信号機にも曲がっているものがあり、中には90度回旋しているものまであります。そうなると、こちらを向いている複数の信号機に青と赤がそれぞれ表示され、どちらが本来のものなのかよく分からないままでした。何やかやで結局、いつもの倍の時間をかけて家に到着です。幸い、自宅の被害はありませんでした。教訓4:台風が去った後の道路はボロボロ、渋滞は必発気の毒なのは9月5日から夏休みをとっていて、関西空港から出発予定だった若い先生です。滑走路が冠水し、タンカーが衝突して連絡橋も破損したため、乗るはずだった飛行機が欠航してしまいました。「とりあえず働きますので、あらためて夏休みを取ってもいいでしょうか?」という笑える連絡がありました。教訓5:若者は…めげない今回の台風は、その強さと進路から、昭和36年の第二室戸台風(死者・行方不明者200名以上、家屋全壊1万5,000棟以上)にたとえられます。当時に比べると今回の被害がはるかに少なかったことから、この半世紀で台風対策も進んだのでしょう。とはいえ、医療機関の対応についてはまだまだ改善すべきところが残っているようですね。最後に1句台風に 逆らうなかれ やりすごせ

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睡眠薬の長期使用に関する10年間のフォローアップ調査

 催眠鎮静薬の長期使用は、非常によく行われているが、ガイドラインでは推奨されていない。新規睡眠薬使用患者における長期使用への移行率は、十分に研究されているわけではなく、現時点では、有益だと考えられる推奨薬は不明である。イスラエル・テルアビブ大学のYochai Schonmann氏らは、新規睡眠薬使用患者における長期使用リスクを定量化し、睡眠薬の選択とその後の使用パターンとの関連性を検討した。European Journal of Clinical Pharmacology誌オンライン版2018年8月8日号の報告。 イスラエル最大のヘルスケアプロバイダーのデータベースを用い、検討を行った。2000~05年に催眠鎮静薬を新たに使用した患者23万6,597例を対象に、10年間フォローアップを行った。2年目、5年目、10年目の処方箋が記録された。初回の睡眠薬選択(ベンゾジアゼピン/Z薬[非ベンゾジアゼピン系])と長期使用との関連は、多変量ロジスティック回帰モデルを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・新規睡眠薬使用患者の平均年齢は、63.7歳(SD±16.4歳)であった。・女性の割合は、58.6%であった。・ベンゾジアゼピンは、15万4,929例(65.5%)に使用されていた。・ベンゾジアゼピン使用患者は、Z薬使用患者と比較し、より高齢であり、社会経済的状態もより低かった(p<0.001)。・10年目において、新規ベンゾジアゼピン使用患者の66.8%(10万3,912例)が30DDD(defined daily dose:規定1日用量)以下、20.4%(3万1,724例)が長期使用(180DDD/年以上)、0.5%(828例)が過量投与(720DDD/年以上)であった。・Z薬の使用は、長期使用リスクの増加と関連していた(p<0.0001)。 2年目:17.3% vs.12.4%、RR=1.40(1.37~1.43) 5年目:21.9% vs.13.9%、RR=1.58(1.55~1.61) 10年目:25. 1% vs.17.7%、RR=1.42(1.39~1.45)・Z薬使用患者における日常的投与および過量投与についても、同様の結果が観察された(p<0.001)。 著者らは「新規催眠鎮静薬使用患者のうち約20%が長期使用となっていた。また、過量投与は、0.5%に認められた。そして、Z薬の使用は、長期使用リスク増加と関連が認められた」としている。■関連記事ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は高齢者へのZ薬と転倒・骨折リスクに関するメタ解析ベンゾジアゼピン依存に対するラメルテオンの影響

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入浴中の熱中症が溺水を引き起こす?

 わが国では入浴に関連する突然の心停止がしばしば起こる。今回、慶應義塾大学/東京歯科大学市川総合病院の鈴木 昌氏らの前向き横断観察研究から、非致死的イベントを含む事故が頻繁に発生していること、また体温上昇を伴う、機能障害による意識障害と昏睡が、キーとなる症状であることがわかった。本研究の結果から、お湯に浸水中の熱中症が溺水を引き起こすことが示唆されるという。Internal Medicine誌オンライン版2018年8月24日号に掲載。 著者らは、東京都、佐賀県、山形県において、2012年10月~2013年3月に前向き横断観察研究を実施した。緊急医療システムの起動が入浴関連であると救急隊員が認識した場合にイベントを本研究に登録し、救急隊員および担当医から交付されたサーベイランスカードを収集した。 主な結果は以下のとおり。・本研究で計4,593イベントが登録された(心停止1,528例、救助が必要な生存者935例、急性疾患1,553例、外傷577例)。・救助が必要および急性疾患の生存者の主症状として、器質的疾患のない意識障害および昏睡が認められた。・急性冠症候群および脳卒中の診断はまれであった。・生存者の30%は体温が38℃を超えていた。・意識レベルは体温と有意に相関していた。・救急隊員の報告では、顔が浴槽の湯に浸漬していた例は、突然の心停止で79%、生存者で18%であった。

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NLRにより異なる大腸がんセツキシマブ・化学療法レジメンの生存期間/Clin Colorectal Cancer

 好中球・リンパ球比(NLR)は炎症マーカーであると共に、その上昇は腫瘍浸潤リンパ球の減少など抗腫瘍免疫の低下と関連している。4万例以上のさまざまな固形がんのシステマティックレビューとメタ解析において、NLRはすべてのがん種や、病期で予後不良と関連していることが報告されている。大腸がん(CRC)においても、NRL高値はCRCの予後不良の予測因子であることが、メタ解析で示されている。 転移を有するCRC(mCRC)に対するベバシズマブ・化学療法併用レジメンについては、NLRと臨床結果との関係が後ろ向き研究で報告されている。しかし、mCRCにおけるNLRとセツキシマブ・化学療法併用レジメンとの関連を調べた臨床研究はほとんどない。聖マリアンナ医科大学の砂川優氏らは、セツキシマブ・化学療法併用レジメンの1次治療における、NLRと同レジメンの臨床結果の関連と共に、NLRに影響する免疫関連遺伝子を評価するバイオマーカー研究を実施した。NLRは大腸がん患者の生存期間と有意に関連 セツキシマブ・化学療法併用レジメンによる1次化学療法の前向き臨床試験におけるKRAS野生型mCRC患者77例の組織サンプルからHTG EdgeSeq Oncologyバイオマーカーパネルで、354種の免疫関連遺伝子の発現レベルを測定した。NLRと臨床転帰との関連性は、スピアマンの順位相関係数を用いて評価した。さらに、生存と相関する上位100の遺伝子のなかで、低NLRと高NLR群間で、発現レベルが異なるものを調べるために、2サンプルt検定を行った。 NLRとセツキシマブ・化学療法併用レジメンとの関連を調べた主な結果は以下のとおり。・NLRデータは71例の患者から入手できた。・NLRは、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)に関連していた(それぞれr=-0.24、p=0.040およびr=-0.29、p=0.010)。・NLRの中央値は2.68(0.78~9.95)であった。・PFS中央値は低NLR(2.68未満)で11.8ヵ月、高NLR(2.68以上)で9.1ヵ月と、低NRL群で有意に良好であった(p=0.036)・OS中央値は低NLR で42.8ヵ月、高NLR 26.7ヵ月と、低NRL群で有意に良好であった(p=0.029)。・低NLRと高NLR群間で発現レベルが有意に異なっていた遺伝子はLYZ、TYMP、CD68であった(t-test p<0.005、FDR p<0.15)。 セツキシマブ・化学療法レジメンによる1次治療において、NLRはmCRC患者の生存期間と有意に関連しており、マクロファージの活性に関連した遺伝子がNLRの高値とが関係することが明らかになった。※医師限定消化器がん最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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中等度CVDリスクへのアスピリン1次予防効果は?/Lancet

 心血管疾患リスクが中等度の55~60歳以上の患者に対し、アスピリン100mgを毎日投与しても、プラセボと比較して心血管イベントの発生率に有意差は認められなかったという。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のJ. Michael Gaziano氏らが、7ヵ国の約1万3,000例を対象に5年間追跡したプラセボ対照無作為化比較試験「ARRIVE試験」の結果を、Lancet誌オンライン版2018年8月26日号で発表した。心血管イベント1次予防におけるアスピリン投与については、なお議論の的となっている。ARRIVE試験では、中等度リスクを有する患者におけるアスピリンの有効性と安全性の評価が行われた。55歳以上の男性、60歳以上の女性を対象に 試験は2007年7月5日~2016年11月15日にかけて、7ヵ国、501ヵ所の医療機関を通じ、心血管疾患リスクが中等度(特定リスクの因子数で規定)の55歳以上の男性、または60歳以上の女性、合わせて1万2,546例を対象に行われた。消化管出血やその他の出血リスクが高い患者、および糖尿病患者は除外された。 被験者をコンピュータ生成無作為化コードにより1対1の割合で2群に分け、一方にはアスピリン腸溶錠(100mg)を、もう一方にはプラセボをそれぞれ1日1回投与した。患者、研究者、その他の治療・データ解析者は、割付治療についてマスキングされた。 主要有効性エンドポイントは、心血管死、心筋梗塞、不安定狭心症、脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)の複合アウトカム。安全性エンドポイントは、出血イベントおよびその他の有害イベント発生だった。解析はいずれもintention-to-treat集団にて行った。アスピリンよりもリスクマネジメント戦略の効果が勝る? 追跡期間中央値は、60ヵ月だった。有効性のエンドポイント発生率は、アスピリン群4.29%(269/6,270例)、プラセボ群4.48%(281/6,276例)で、有意な差はみられなかった(ハザード比[HR]:0.96、95%信頼区間[CI]:0.81~1.13、p=0.6038)。 一方、消化管出血の発生は、プラセボ群0.46%(29例)に対し、アスピリン群は0.97%(61例)と2倍強認められた(HR:2.11、95%CI:1.36~3.28、p=0.0007)。 重篤な有害事象発生率については両群とも20%程度(アスピリン群20.19%、プラセボ群20.89%)、有害事象全般の発生率はともに80%強(82.01%、81.72%)と、いずれも同程度だった。治療関連の有害事象については、プラセボ群13.54%に対しアスピリン群16.75%と、より高率に認められた(p<0.0001)。 死亡の報告は、アスピリン群2.55%(160/6,270例)、プラセボ群2.57%(161/6,276例)で有意差はなかった(HR:0.99、95%CI:0.80~1.24、p=0.9459)。 これらの結果について著者は、「イベント発生率が予想よりも大幅に低かった。おそらく、近年のリスクマネジメント戦略が功を奏しており、試験対象が実質的に低リスク集団になっていたと思われる」と指摘し、中等度リスク患者におけるアスピリンの1次予防を検証する試験にはならなかったとしている。そのうえで、「先行研究で公表されている低リスク集団に観察されたアスピリン効果の所見が、今回の試験でもみられた」とまとめている。

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溶出ステント、シロリムスとエベロリムスの5年の評価/Lancet

 超薄型ストラット生分解性ポリマー・シロリムス溶出ステント(Orsiro)は、薄型ストラット耐久性ポリマー・エベロリムス溶出ステント(Xience)と比べ、5年時点の標的病変不全発生リスクは同等であることが、スイス・ベルン大学のThomas Pilgrim氏らによる多施設共同無作為化非劣性単盲検試験「BIOSCIENCE」の結果、示された。一方で、OrsiroはXienceに比べ全死因死亡および非心血管死が有意に高かったことから、著者は「試験を継続し、注意深く観察する必要がある」と述べている。同試験では、1年時点の安全性・有効性アウトカムについて、OrsiroはXienceに対し非劣性であることが示されていた。Lancet誌オンライン版2018年8月28日号掲載の報告。標的血管起因MI、臨床的症状による標的病変再血行再建術を比較 BIOSCIENCEは、慢性安定冠動脈疾患または急性冠症候群の患者における、生分解性ポリマー・シロリムス溶出ステントと耐久性ポリマー・エベロリムス溶出ステントの安全性と有効性を比較した試験。 今回、研究グループは、同試験の主要臨床アウトカムであった標的病変不全(心臓死、標的血管起因の心筋梗塞、臨床的症状による標的病変再血行再建術の複合)の、最終5年時評価(intention-to-treat解析)を行った。主要評価は同等だったが、全死因死亡率に有意差 2012年3月1日~2013年5月31日に登録された2,119例のうち、2,008例(95%)が5年間の追跡を完了した。 標的病変不全が認められたのは、シロリムス溶出ステント群198例(累積発生率:20.2%)、エベロリムス溶出ステント群189例(同:18.8%)だった(率比[RR]:1.07、95%信頼区間[CI]:0.88~1.31、p=0.487)。 一方、全死因死亡率については、シロリムス溶出ステント群14.1%に対し、エベロリムス溶出ステント群10.3%と、シロリムス溶出ステント群が有意に高率だった(RR:1.36、95%CI:1.06~1.75、p=0.017)。同リスク増加の主な要因は、非心血管死の増加だった(2.7 vs.1.3%、RR:2.03、95%CI:1.04~3.95、p=0.037)。 なお、5年時点における確認された血栓症の累積発生率は、両群ともに1.6%と同等だった(RR:1.02、95%CI:0.51~2.05、p=0.950)。

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Dr.平島のフィジカル教育回診 第7回

第7回 聴診が楽しくなる心音の第一歩今回の「Dr.平島のフィジカル教育回診」は、「心音の聴診」をお届けします。心音の聴診は、手技の基本中の基本ですが、その役割、聞こえた心音の評価など、きちんとできていますでしょうか。コンテンツでは、解剖を意識した心音の聞こえ方、聴診の手順を丁寧に解説するとともに、I音、II音の診断についても、詳しく説明します。講師は、全国津々浦々を飛び回り身体診察の大切さ、楽しさを教えるフィジカルの伝道師、平島 修氏。そして、今回のゲストは、心臓の「しんちゃん」です。具体的な内容として、「診察編」では、3つのパートに分け、心臓の解剖からみた心音のメカニズム、聴診の手順、I音聴診のポイント、II音聴診のポイント、分裂のときの評価など、「回診編」では、2つの症例をもとに、とくにII音の聴診について、を実践的に学んでいきます。視聴後、診察ですぐ役立つ知識を満載してお届けします。

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