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シルデナフィル併用で特発性肺線維症のQOLは改善するか/NEJM

 特発性肺線維症(IPF)の治療において、ニンテダニブにシルデナフィルを併用しても、ニンテダニブ単剤に比べて健康関連QOLは改善されないことが、カナダ・マックマスター大学のMartin Kolb氏らが行ったINSTAGE試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2018年9月15日号に掲載された。チロシンキナーゼ阻害薬ニンテダニブは、IPFの治療薬として承認されている。また、既報の試験のサブグループ解析により、ホスホジエステラーゼ5阻害薬シルデナフィルは、IPF患者の酸素化能、ガス交換機能(一酸化炭素の肺拡散能[DLCO]で評価)、症状、QOLに便益をもたらし、重度に障害されたDLCOを改善する可能性が示唆されている。SGRQの変化を無作為化試験で評価 本研究は、13ヵ国が参加した二重盲検無作為化試験である(Boehringer Ingelheimの助成による)。対象は、年齢40歳以上、2011年版の国際ガイドラインでIPFと診断され、DLCOが予測値の35%以下の患者であった。 被験者は、ニンテダニブ(150mg、1日2回)+シルデナフィル(20mg、1日3回)またはニンテダニブ(150mg、1日2回)+プラセボを投与する群に、1対1の割合で無作為に割り付けられ、24週の治療が行われた。 主要エンドポイントは、ベースラインから12週時までの、St. George's Respiratory Questionnaire(SGRQ)の総スコア(50項目、0~100点、点数が高いほど健康関連QOLが不良)の変化とした。副次エンドポイントには呼吸困難(University of California, San Diego, Shortness of Breath Questionnaire[UCSD-SOBQ]、24項目、0~120点、点数が高いほど息切れが重度)および安全性などが含まれた。 2016年7月~2017年9月の期間に273例が登録された。このうち、137例が1回以上のニンテダニブ+シルデナフィルの投与を受け、136例が1回以上のニンテダニブ+プラセボの投与を受けた。12、24週時のSGRQ、UCSD-SOBQ、EQ-5D VASに差はない ベースラインの平均年齢は、ニンテダニブ+シルデナフィル群が70.3±8.6歳、ニンテダニブ群は70.0±7.9歳であり、男性がそれぞれ80.3%、77.9%を占めた。平均DLCOは、25.8±6.8%、25.6±7.0%、SGRQの平均総スコアは56.7±18.5点、54.0±17.9点だった。 SGRQ総スコアのベースラインから12週時までの変化は、ニンテダニブ+シルデナフィル群が-1.28点、ニンテダニブ群は-0.77点であり、両群間に有意差は認めなかった(群間差:-0.52点、95%信頼区間[CI]:-3.33~2.30、p=0.72)。また、24週時までの変化は、それぞれ0.23点、2.42点と、有意な差はなかった(-2.19点、-5.40~1.02)。 UCSD-SOBQの変化は、12週時(ニンテダニブ+シルデナフィル群:1.46点vs.ニンテダニブ群:4.40点、群間差:-2.94点、95%CI:-7.27~1.39)および24週時(4.44 vs.6.85点、-2.41点、-7.39~2.58)のいずれにも、意味のある差はみられなかった。また、全般的な健康状態の指標であるEQ-5Dの視覚アナログスケール(0~100点、点数が高いほど健康状態が良好)にも、12週時(1.31 vs.-2.22点、3.54点、-0.02~7.09)、24週時(-1.48 vs.-2.98点、1.50点、-2.86~5.86)ともに有意な差はなかった。 酸素飽和度およびDLCOの12、24週時の変化にも両群間に差はなかった。また、急性増悪(7.3 vs.7.4%)、全死因死亡(10.2 vs.11.0%)の割合もほぼ同等であった。 安全性に関しては、既報の試験と比べて、新たな兆候は認めなかった。最も頻度の高い有害事象は下痢であり、ニンテダニブ+シルデナフィル群の57.7%、ニンテダニブ群の48.5%にみられた。重篤な有害事象の頻度は、それぞれ27.0%、32.4%であった。 著者は、「努力肺活量(FVC)の予測値の5%以上の低下または死亡の複合エンドポイントの発生率は、ニンテダニブ+シルデナフィル群のほうが有意に低かったが、この知見が偶然によるものか、真の治療効果かは不明である」としている。

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出産、流産とアルツハイマー病リスク

 女性における出産および流産(incomplete pregnancy)が、高齢期の認知機能やアルツハイマー病(AD)リスクに影響を及ぼすかを、韓国・ソウル大学のHyesue Jang氏らが検討を行った。Neurology誌2018年8月14日号の報告。 対象は、2つの集団ベースのコホート研究のデータを統合した3,549例の女性。出産・流産と軽度認知障害、ADリスクとの関連は、ロジスティック回帰分析を用いて、レトロスペクティブに検討を行った。非認知症女性については、共分散分析を行い、出産・流産とミニメンタルステート検査(MMSE)スコアとの比較検討を行った。 主な結果は以下のとおり。・出産経験5回以上(多産)の女性は、1~4回の女性と比較し、ADリスクが約1.7倍高かった(オッズ比[OR]:1.68、95%信頼区間[CI]:1.04~2.72)。・流産を経験した女性は、未経験の女性と比較し、ADリスクが半分であった(1回の流産[OR:0.43、95%CI:0.24~0.76]、2回以上の流産[OR:0.56、95%CI:0.34~0.92])。・非認知症女性において、多産女性は、出産経験1~4回の女性と比較し、MMSEスコアが不良であった(p<0.001)。・また、流産を経験した女性では、未経験の女性と比較し、MMSEスコアが良好であった(p=0.008)。 著者らは「高齢期のADリスクは、出産経験5回以上の女性で高く、流産を経験した女性で低いことが示唆された」としている。■関連記事婚姻と認知症リスクに関するシステマティックレビュー産後うつ病になりやすい女性の特徴:高知大父親の産後うつ病、日本での有病率は

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MitraClipはfunctional MRのイベント抑制しない? する?→する!(解説:絹川弘一郎氏)-921

 最近、カテーテルによる心不全治療デバイスがImpella、MitraClipと立て続けに認可された。Impellaは少なくともわが国の適応である心原性ショックにおいてIABPに対する優越性をランダム化比較試験で立証できていないのであるが、わが国における治験なしで承認された。MitraClipも開心術にハイリスクのdegenerative MRについては明らかな有効性があり、米国でもすでに承認済みであるが、わが国の適応は米国で未承認であるfunctional MRを含んでいる。デバイスラグを糾弾されまいとするPMDAのご意向でもないとは思うが、どちらのデバイスの審査にも携わった1人としてわが国のデバイス承認の流れが以前とは若干変化してきていることは事実である。ことの良しあしは今後の市販後調査の結果に委ねられている。 その中で、MitraClipのfunctional MRに対するRCT、MITRA-FR試験がはじめて発表された。先日のミュンヘンでのESC late breakingで発表されようとしているさなか、私の携帯にNEJM.orgからこの論文が送られてきて、発表より10分ほど早く結果を知ることとなり、残念ではあった。残念だったのはタイミングだけではなく、その結論であり、まったく心不全の再入院を抑制しないというのは大変な驚きである。functional MRを単なる心不全のサロゲートマーカーと考え、介入の対象でないとするこの論文のdiscussionにはいささか疑念を提示ざるをえない。 と、ここまで書いたところが9月22日であったが、9月23日のTCT late breakingでCOAPT試験の結果が発表されることが決まっており、その結果を見ずに軽々しいことは言えないと思って一旦筆を置いた。さてCOAPT試験の結果である。これまた再度の驚きで、全死亡、心不全再入院などほぼすべてのエンドポイントでMitraClip群が優れていた。圧勝である。どこをどうすればこんなに違う結果が生まれるのか、また1ヵ月のうちにNEJMにまったく異なる結果が掲載されることも滅多にない(私の経験では見たことがない)。 少し、詳細に見ても両者の背景はほぼ同等である(どちらもAbbott社の第III相試験なので当然と言えば当然である)。COAPT試験でややEROが大きめ、BNPが高めであるが、コントロール群のイベント発生率は両試験でほとんど同じである。COAPT試験においてMitraClip群のNYHA分類がやや軽め、RAS阻害薬の使用がやや多め、ではあるが、ここまでコントロール群に差をつける原因とは考えにくい。絶対的に違うのはMITRA-FR試験でコントロール群のNYHAクラスがMitraClip群のそれと12ヵ月後も同じ程度に改善していることである。COAPT試験ではコントロール群のNYHAクラスの改善はMitraClip群より明らかに劣る。ここから推察されることは、MITRA-FR試験にエントリーされた患者のその後の薬物治療が良く奏効したということであり、裏を返せば、薬物治療の余地がまだ十分あった患者をエントリーしてしまったことになる。フォローアップ期間中の薬剤の変化はCOAPT試験ではデータがあり、ごくわずかしか変動せずまた2群間で差はないが、MITRA-FR試験のデータは見当たらないので、そのあたりも検討が必要であろう。可能ならばエントリー時の標準的薬物治療の用量なども示してもらうと良いかもしれない。 エビデンス、というものは作るものである、というのは正しく、その道程にそった標準的治療の中にデバイス治療が存在すべきであるという教訓になるのかもしれない。いずれにせよ、今後functional MRに対する経皮的僧帽弁形成術デバイスは続々と上梓されてくるであろうし、標準的薬物治療抵抗性の心不全のunmet needsに答えるものとして私自身は大いに期待している。MITRA-FR試験はおそらく今後引用されることなく、忘れ去られることになると思っている。

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第6回 意識障害 その5 敗血症ってなんだ?【救急診療の基礎知識】

●今回のPoint1)バイタルサインを総合的に判断し、敗血症を見逃すな!2)“No Culture,No Therapy!”、治療の根拠を必ず残そう!3)敗血症の初療は1時間以内に確実に! やるべきことを整理し遂行しよう!【症例】82歳女性の意識障害:これまたよく出会う原因82歳女性。来院前日から活気がなく、就寝前に熱っぽさを自覚し、普段と比較し早めに寝た。来院当日起床時から38℃台の発熱を認め、体動困難となり、同居している娘さんが救急要請。救急隊接触時のバイタルサインは以下のとおり。どのようにアプローチするべきだろうか?●搬送時のバイタルサイン意識:10/JCS、E3V4M6/GCS血圧:102/48mmHg 脈拍:118回/分(整) 呼吸:24回/分 SpO2:97%(RA)体温:37.9℃ 瞳孔:3/3mm +/+前回までの症例が一段落ついたため、今回は新たな症例です。高齢女性の意識障害です。誰もが経験したことのあるような症例ではないでしょうか。救急外来で多くの患者さんを診ている先生ならば、原因はわかりますよね?!前回までの復習をしながらアプローチしていきましょう。Dr.Sakamotoの10’s Ruleの1~6)を確認(表1)病歴やバイタルサインに重きを置き、患者背景から「○○らしい」ということを意識しながら救急車到着を待ちます。来院時も大きく変わらぬバイタルサインであれば、意識消失ではなく意識障害であり、まず鑑別すべきは低血糖です。低血糖が否定されれば、頭部CTを考慮しますが…。画像を拡大する原因は感染症か否か?病歴やバイタルサインから、なんらかの感染症が原因の意識障害を疑うことは難しくありません。それでは、今回の症例において体温が36.0℃であったらどうでしょうか? 発熱を認めた場合には細菌やウイルスの感染を考えやすいですが、ない場合に疑えるか否か、ここが初療におけるポイントです。この症例は、疫学的にも、そしてバイタルサイン的にも敗血症による意識障害が最も考えやすいですが、その理由は説明できるでしょうか。●Rule7 菌血症・敗血症が疑われたらfever work up!高齢者の感染症は意識障害を伴うことが多い救急外来や一般の外来で出会う感染症のフォーカスの多くは、肺炎や尿路感染症、その他、皮膚軟部組織感染症や腹腔内感染症です。とくに肺炎、尿路感染症の頻度が高く、さらに高齢女性となれば尿路感染症は非常に多く、常に考慮する必要があります。また、肺炎や腎盂腎炎は、意識障害を認めることが珍しくないことを忘れてはいけません。「発熱のため」、「認知症の影響で普段から」などと、目の前の患者の意識状態を勝手に根拠なく評価してはいけません。意識障害のアプローチの最初で述べたように、まずは「意識障害であることを認識!」しなければ、正しい評価はできません。感染症らしいバイタルサイン:qSOFAとSIRS*感染症らしいバイタルサインとは、どのようなものでしょうか。急性に発熱を認める場合にはもちろん、なんらかの感染症の関与を考えますが、臨床の現場で悩むのは、その感染症がウイルス感染症なのか細菌感染症なのか、さらには細菌感染症の中でも抗菌薬を使用すべき病態なのか否かです。救急外来など初療時にはフォーカスがわからないことも少なくなく、病歴や臓器特異的所見(肺炎であれば、酸素化や聴診所見、腎盂腎炎であれば叩打痛や頻尿、残尿感など)をきちんと評価してもわからないこともあります。そのような場合にはバイタルサインに注目して対応しましょう。そのためにまず、現在の敗血症の定義について歴史的な流れを知っておきましょう。現在の敗血症の定義は、「感染による制御不能な宿主反応によって引き起こされる生命を脅かす臓器障害1)」です(図1、2)。一昔前までは「感染症によるSIRS」でしたが、2016年に敗血症性ショックの定義とともに変わりました。そして、敗血症と診断するために、ベッドサイドで用いる術として、SIRS(表2)に代わりqSOFA (quickSOFA)(表3)が導入されました。その理由として、以下の2点が挙げられます。1)なんでもかんでも敗血症になってしまうSIRSの4項目を見ればわかるとおり、2項目以上は簡単に満たしてしまいます。皆さんが階段を駆け上がっただけでも満たしますよね(笑)。実際に感染症以外に、膵炎、外傷、熱傷などSIRSを満たす症候や疾患は多々存在し、さらに、インフルエンザなどウイルスに伴う発熱であっても、それに見合う体温の上昇を認めればSIRSは簡単に満たすため、SIRS+感染症を敗血症と定義した場合には、多くの発熱患者が敗血症と判断される実情がありました。2)SIRSを満たさない重篤な感染症を見逃してしまうSIRSを満たさないからといって敗血症でないといえるのでしょうか。実際にSIRSは満たさないものの、臓器障害を呈した状態が以前の定義(SIRS+感染症=敗血症)では12%程度認められました。つまり、SIRSでは拾いあげられない重篤な病態が存在したということです。これは問題であり、敗血症患者の初療が遅れ予後の悪化に直結します。画像を拡大する画像を拡大する画像を拡大する画像を拡大するそこで登場したのがqSOFAです。qSOFAは、(1)呼吸数≧22/分、(2)意識障害、(3)収縮期血圧≦100mmHgの3項目で構成され、2項目以上満たす場合に陽性と判断します。項目数がSIRSと比較し少なくなり、どれもバイタルサインで構成されていることが特徴ですが、その中でも呼吸数と意識障害の2項目が取り上げられているのが超・超・重要です。敗血症に限らず重症患者を見逃さないために評価すべきバイタルサインとして、この2項目は非常に重要であり、逆にこれら2項目に問題なければ、たとえ血圧が低めであっても焦る必要は通常ありません。心停止のアルゴリズムでもまず評価すべきは意識、そして、その次に評価するのは呼吸ですよね。また、これら2項目は医療者自身で測定しなければ正確な判断はできません。普段と比較した意識の変化、代謝性アシドーシスの代償を示唆する頻呼吸を見逃さないように、患者さんに接触後速やかに評価しましょう。*qSOFA:quick Sequential[Sepsis- Related] Organ Failure Assessment ScoreSIRS:Systemic Inflammatory Response Syndrome“No Culture,No Therapy!”:適切な治療のために根拠を残そう!“Fever work up”という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 感染症かなと思ったら、必ずフォーカス検索を行う必要があります。熱があるから抗菌薬、酸素化が悪いから肺炎、尿が濁っているから尿路感染症というのは、上手くいくこともありますが、しばしば裏切られて後々痛い目に遭います。高齢者や好中球減少などの免疫不全患者では、とくに症状が乏しいことがあり悩まされます。フォーカスがわからないならば、抗菌薬を投与せずに経過を診るというのも1つの選択肢ですが、重症度が高い場合にはそうも言っていられません。また、前医から抗菌薬がすでに投与されている場合には、さらにその判断を難しくさせます。そのため、われわれが行うべきことは「(1)グラム染色を行いその場で関与している菌の有無を判断する、(2)培養を採取し根拠を残す」の2つです。(1)は施設によっては困難かもしれませんが、施行可能な施設では行わない理由がありません。喀痰、尿、髄液、胸水、腹水など、フォーカスと考えられる場所はきちんと評価し、その目でちゃんと評価しましょう。自信がない人はまずは細菌検査室の技師さんと仲良くなりましょう。いろいろ教えてくださいます。(2)は誰でもできますね。しかし、意外とやってしまうのが、痰が出ないから喀痰のグラム染色、培養を提出しない、髄膜炎を考慮しながらも腰椎穿刺を施行しないなんてことはないでしょうか。肺炎の起因菌を同定する機会があるのならば、痰を出さなければできません。血液培養は10%程度しか陽性になりません、肺炎球菌尿中抗原は混合感染の評価は困難、一度陽性となると数ヵ月陽性になるなど、目の前の患者の肺炎の起因菌を同定できるとは限りません。とにかく痰を頑張って採取するのです。喀出困難であれば、誘発喀痰、吸引なども考慮しましょう。肺炎患者の多くは数日前から食事摂取量が低下しており、脱水を伴うことが多く、外液投与後に喀痰がでやすくなることもしばしば経験します。とにかく採取し検査室へ走り、起因菌を同定しましょう。髄液も同様です。フォーカスがわからず、本症例のように意識障害を認め、その原因に悩むようであれば、腰椎穿刺を行う判断をした方がよいでしょう。不用意に行う必要はありませんが、限られた時間で対応する必要がある場合には、踏ん切りをつけるのも重要です。敗血症の1時間バンドルを遂行しよう!敗血症かなと思ったら表4にある5項目を遂行しましょう。ここではポイントのみ追記しておきます。敗血症性ショックの診断基準にも入りましたが、乳酸値は敗血症を疑ったら測定し、上昇している場合には、治療効果判定目的に低下を入れ、確認するようにしましょう。血圧は収縮期血圧だけでなく、平均動脈圧を評価し管理しましょう。十分な輸液でも目標血圧に至らない場合には、昇圧剤を使用しますが、まず使用するのはノルアドレナリンです。施設毎にシリンジの組成は異なるかもしれませんが、きちんと処方できるようになりましょう。ノルアドレナリンを使用することは頭に入っていても、実際にオーダーできなければ救命できません。バンドルに含まれていませんが重要な治療が1つ存在します。それがドレナージや手術などの抗菌薬以外の外科的介入(5D:drug、drainage、debridement、device removal、definitive controlの選択を適切に行う)です。急性閉塞性腎盂腎炎に対する尿管ステントや腎瘻、総胆管結石に伴う胆管炎に対するERCPなどが代表的です。バンドルの5項目に優先されるものではありませんが、同時並行でマネジメントしなければ一気に敗血症性ショックへと陥ります。どのタイミングでコンサルトするか、明確な基準はありませんが、院内で事前に話し合って決めておくとよいでしょう。画像を拡大する今回の症例を振り返る今回の症例は、高齢女性がqSOFAならびにSIRSを満たしている状態です。疫学的に腎盂腎炎に伴う敗血症の可能性を考えながら、バンドルにのっとり対応しました。もちろん低血糖の否定や頭部CTなども行いますが、以前の症例のように積極的に頭蓋内疾患を疑って撮影しているわけではありません。この場合には、脳卒中以上に明らかな外傷歴はなくても、慢性硬膜下血腫など外傷性変化も考慮する必要があるため施行するものです。尿のグラム染色では大腸菌様のグラム陰性桿菌を認め、腎叩打痛ははっきりしませんでしたが、エコーで左水腎症を認めました。抗菌薬を投与しつつ、バイタルサインが安定したところで腹部CTを施行すると左尿管結石を認め、意識状態は外液投与とともに普段と同様の状態へ改善したため、急性閉塞性腎盂腎炎による敗血症が原因と考え、泌尿器科医と連携をとりつつ対応することになりました。翌日、血液培養からグラム陰性桿菌が2セット4本から検出され、尿培養所見とも合致していたため確定診断に至りました。いかがだったでしょうか。よくある疾患ですが、系統だったアプローチを行わなければ忙しい、そして時間の限られた状況での対応は意外と難しいものです。多くの患者さんの対応をしていれば、原因疾患の検査前確率を正しく見積もることができるようになり、ショートカットで原因の同定に至ることもできると思いますが、それまではコツコツと一つひとつ考えながら対応していきましょう。次回はアルコールや薬剤による意識障害の対応に関して考えていきましょう。1)Singer M, et al. JAMA. 2016;315:801-810.2)Levy MM, et al. Crit Care Med. 2018;46:997-1000

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喫煙が日本人労働者の死亡率に及ぼす影響

 わが国の職域多施設研究(Japan Epidemiology Collaboration on Occupational Health Study:J-ECOHスタディ)で、労働人口における喫煙・禁煙の死亡率への影響を調べたところ、喫煙が全死亡・心血管疾患(CVD)死亡・タバコ関連がん死亡のリスク増加と関連していた。また、この死亡リスクは禁煙後5年で減少していた。Circulation Journal誌オンライン版2018年9月12日号に掲載。 本調査の対象は、J-ECOHスタディに参加した20~85歳の日本人労働者7万9,114人で、死亡診断書や病気休暇書類などから、死亡および死亡原因を同定した。ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)はCox比例ハザード回帰により推定した。 主な結果は以下のとおり。・最大6年間の追跡期間中、252人が死亡した。・現在喫煙者の非喫煙者に対する全死亡・CVD死亡・タバコ関連がん死亡の多変量補正HR(95%CI)は順に、1.49(1.10~2.01)、1.79(0.99~3.24)、1.80(1.02~3.19)であった。・現在喫煙者では、全死亡・CVD死亡・タバコ関連がん死亡のリスクは、タバコ消費量の増加に伴って増加した(傾向のp<0.05)。・過去喫煙者の非喫煙者に対する全死亡のHR(95%CI)は、ベースラインまでの禁煙期間が5年未満で1.80(1.00~3.25)、5年以上で1.02(0.57~1.82)であった。

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統合失調症の重症度や認知機能に対する抗精神病薬のドパミン受容体占有率の影響

 病識の障害(impaired illness awareness:IIA)とドパミンD2受容体(D2R)占有率との関係は、よくわかっていない。IIAは、疾患重症度や認知機能障害と関連が認められる。統合失調症の主な治療に用いられる抗精神病薬は、IIAを間接的に改善するが、同時に治療用量において、認知機能障害を引き起こす可能性がある。カナダ・トロント大学のMiracle Ozzoude氏らは、抗精神病薬による推定D2R占有率が、IIAと疾患重症度および認知機能との関係に及ぼす影響について調査を行った。Progress in Neuro-Psychopharmacology & Biological Psychiatry誌オンライン版2018年8月30日号の報告。 CATIEデータを用いて、18~62歳の統合失調症患者373例を対象に、IIAの評価を行った。IIAは、PANSSのG12項目(判断力と病識の欠如)を用いて測定した。D2R占有レベルは、リスペリドン、オランザピン、ziprasidoneの血中濃度から推定した。IIAと疾患重症度、認知機能、推定D2R占有率との関係についての分析には、相関分析、回帰分析、経路分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・疾患重症度は、IIAの予測因子であった。・しかし、病前IQ、認知機能、推定D2R占有率は、IIAを予測しなかった。・推定D2R占有率は、回帰分析、経路分析のいずれにおいても、中間変数および調整変数ではなかった。 著者らは「これまでの研究結果と同様に、成人統合失調症患者の疾患重症度は、IIAと関連していることが示唆された。今後の研究において、認知機能、IIA、抗精神病薬の感受性に対する加齢の影響を考慮すると、60歳以上の高齢統合失調症患者におけるD2R占有率が、IIAと疾患重症度および認知機能障害に影響を及ぼすかを検討すべきである」としている。■関連記事ドパミンD2受容体占有率が服薬に影響?:慶應義塾大学遅発性ジスキネジアが発現するD2受容体占有率は:慶應義塾大学維持期統合失調症でどの程度のD2ブロックが必要か

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デュルバルマブ、StageIII 肺がんCCRT患者のOSを改善/WCLC2018

 切除不能なStageIII 非小細胞肺がん(NSCLC)の化学放射線療法(CRT)の維持療法において、デュルバルマブはプラセボと比較して、全生存期間(OS)を統計学的かつ臨床的に有意に改善。この結果を、米国・H. Lee MoffittがんセンターのScott J. Antoni氏が、第19回世界肺会議(WCLC2018)で発表した。 PACIFIC試験は26ヵ国235の試験施設による無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、713例が登録された。2018年3月のデータカットオフ時点で、追跡期間の中央値は25.2ヵ月(0.2〜43.1)である。 2番目の主要評価項目であるOSは、デュルバルマブ群では未達、プラセボ群は28.7ヵ月であった。事前に設定されたサブグループにおいても、デュルバルマブは、副次評価項目である死亡または遠隔転移までの時間(TTDM)、第2進行までの時間(PFS2)、最初の後治療または死亡までの時間(TFST)、2回目の後治療または死亡までの時間(TSST)を改善した。 PACIFIC試験では既に、無増悪生存期間(PFS)におけるデュルバルマブ群の有意な改善が報告されていたが、PFSの更新結果でも、デュルバルマブ群17.2ヵ月、プラセボ群5.6ヵ月、と既報と同様にデュルバルマブ群が優れていた。■参考PACIFIC試験(Clinical Trials.gov)■関連記事durvalumab維持療法、Stage III肺がんのPFSを有意に改善(PACIFIC)/ESMO2017

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妊娠糖尿病の母親は糖代謝疾患リスク増、子への影響は?/JAMA

 国際糖尿病・妊娠学会(IADPSG)の診断基準に基づき妊娠糖尿病(GDM)と診断された母親は、非GDMの母親と比較し妊娠後の長期的な糖代謝疾患のリスクが有意に高い。一方、GDMの母親から生まれた子供と、非GDMの母親から生まれた子供で、小児期の過体重/肥満症に統計学的な有意差はなかった。米国・ノースウェスタン大学フェインバーグ医学院のWilliam L. Lowe Jr氏らが、大規模コホート研究の解析結果を報告した。現在のIADPSG基準が用いられるようになってから、従来のCarpenter-Coustan基準の約2倍もの女性がGDMと診断されているが、IADPSG基準を満たすGDMの母親とその子供に関する長期的なアウトカムについては不明であった。JAMA誌2018年9月11日号掲載の報告。HAPO研究とHAPO Follow-up研究に参加した母親と子供各約5千人について評価 研究グループは、妊娠期間中の血糖値と周産期転帰の関連性を検討したHyperglycemia and Adverse Pregnancy Outcome(HAPO)研究と、その後の長期転帰を評価したHAPO Follow-up研究のデータを解析した。IADPSGの基準を用い、75g経口ブドウ糖負荷試験で空腹時血糖値≧92mg/dL、1時間値≧180mg/dL、2時間値≧153mg/dLのうち1つ以上を満たした場合に、GDMと事後診断した。 主要評価項目は、母親の糖代謝疾患(2型糖尿病または前糖尿病)と、生まれた子供の過体重/肥満症、副次評価項目は、肥満症、体脂肪率、胴囲、皮下脂肪厚。 解析コホートには、2013年2月13日~2016年12月13日の期間に研究に参加した母親4,697例(平均年齢41.7±5.7歳)と、子供4,832例(平均11.4±1.2歳、男児51.0%)が組み込まれた。追跡調査期間は平均11.4年であった。GDMの母親は糖代謝疾患のリスクが約3倍、子供の過体重/肥満症には有意差なし 解析対象の母親は14.3%(672/4,697例)、解析に組み込まれた子供の母親は14.1%(683/4,832例)がGDMであった。糖代謝疾患を発症したのは、GDMの母親で52.2%(346/663例)、非GDMの母親で20.1%(791/3,946例)であった(オッズ比[OR]:3.44、95%信頼区間[CI]:2.85~4.14、リスク差:25.7%、95%CI:21.7~29.7)。 GDMの母親の子供のうち39.5%(269/681例)が過体重/肥満症、19.1%(130/681例)が小児肥満症であったのに対し、非GDMの母親の子供ではそれぞれ28.6%(1,172/4,094例)および9.9%(405/4,094例)であった。母親の妊娠中のBMIで調整すると、子供の過体重/肥満症のORは1.21(95%CI:1.00~1.46)、リスク差は3.7%(95%CI:-0.16~7.5)で、小児肥満症はそれぞれ1.58(95%CI:1.24~2.01)および5.0%(95%CI:2.0~8.0)、体脂肪率は1.35(95%CI:1.08~1.68)および4.2%(95%CI:0.9~7.4)、腹囲が1.34(95%CI:1.08~1.67)および4.1%(95%CI:0.8~7.3)、皮下脂肪厚が1.57(95%CI:1.27~1.95)および6.5%(95%CI:3.1~9.9)であった。

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急性脳梗塞、rt-PA後の転帰を予測する臨床・画像所見は/JAMA

 急性虚血性脳卒中患者において、血栓部位がより末梢で、残存血流量が多く、再開通評価までの時間が長いほうが、アルテプラーゼ(rt-PA)静脈投与後の動脈閉塞再開通と関連することが確認された。rt-PAの投与を受けていない患者では、動脈再開通率は低値であった。カナダ・カルガリー大学のBijoy K. Menon氏らによる、多施設共同前向きコホート研究「INTERRSeCT研究」の結果で、著者は「これらの結果は、急性虚血性脳卒中患者の治療とトリアージの際に役立つ可能性がある」と述べている。脳血栓の再開通は急性虚血性脳卒中患者の臨床転帰の改善と関連しており、rt-PA静注療法と血栓特性、再開通時間との関連は脳卒中トリアージと今後の研究デザインにとって重要であるが、rt-PA静注療法による再開通率を検証したこれまでの研究は、症例数や試験デザイン、評価法などに限界があった。JAMA誌2018年9月11日号掲載の報告。急性虚血性脳卒中患者575例で、CTAまたは血管造影所見と再開通率を評価 INTERRSeCT研究では、2010年3月~2016年3月にカナダ、スペイン、韓国、チェコ、トルコの12施設において、急性虚血性脳卒中患者を対象に、頭蓋内血栓閉塞部位、臨床・画像所見と経時的な再開通率との関連が調べられた。コンピューター断層撮影血管造影(CTA)で頭蓋内動脈閉塞を呈した脳梗塞患者575例を対象に、人口統計学的特性、臨床所見、rt-PA投与から再開通までの時間、CTAで確認された頭蓋内血栓特性(部位と血管透過性)について評価した。 主要評価項目は、ベースラインのCTA撮影後6時間以内に得られた、再CTA画像または患部である頭蓋内閉塞の初回血管造影画像上で、改訂動脈閉塞スケール(rAOL:スコア0[主要閉塞病変が同じ]~3[主要閉塞部位の完全再開通])を用いて確認された再開通とした。 計575例(平均年齢72歳[IQR:63~80]、男性51.5%、発症からベースラインCTAまでの平均時間114分[IQR:74~180])のうち、275例(47.8%)がrt-PA静注療法単独、195例(33.9%)がrt-PA静注療法+血管内血栓除去術、48例(8.3%)が血管内血栓除去術単独、57例(9.9%)が保存療法を受けた。rt-PA静注療法による再開通は画像所見で予測可能 ベースラインCTAから再開通評価までの時間中央値は158分(IQR:79~268)、rt-PA静注開始から再開通評価までの時間中央値は132.5分(IQR:62~238)であった。 再開通の成功率は、全体で27.3%(157/575)、rt-PA静注療法群で30.4%(143/470)、非rt-PA静注療法群で13.3%(14/105)であった(群間差:17.1%、95%信頼区間[CI]:10.2~25.8%)。 rt-PA静注療法群では、治療開始から再開通評価までの時間(30分経過ごとのオッズ比[OR]:1.28、95%CI:1.18~1.38)、遠位血栓(たとえば末梢M1中大脳動脈[39/84例、46.4%]vs.内頸動脈[10/92例、10.9%]、OR:5.61、95%CI:2.38~13.26)、残存血流量大(たとえばhairline streakあり[30/45例、66.7%]vs.なし[91/377例、24.1%]、OR:7.03、95%CI:3.32~14.87)で、再開通との関連が確認された。

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肩腰膝の痛みをとる Dr.究のあなたもできるトリガーポイント注射

CareNet DVD「肩腰膝の痛みをとる Dr.究のあなたもできるトリガーポイント注射」をお買い上げいただき誠にありがとうございます。第3回~7回では、関連する筋肉の超音波画像をご用意しております。本編と合わせてご利用ください。※予告なく資料配布を終了する場合がありますので、あらかじめご了承下さい。ダウンロード【第3回 肩痛】棘上筋・棘下筋・肩甲挙筋・上腕二頭筋PDFを表示こちらからダウンロード【第4回 腰痛】脊柱起立筋群・殿筋群PDFを表示こちらからダウンロード【第5回 膝痛】外側広筋・内側広筋・大腿二頭筋腓腹筋・膝窩筋・ヒラメ筋PDFを表示こちらからダウンロード【第6回 頭痛】胸鎖乳突筋・頭板状筋・僧帽筋頸板状筋・咬筋・側頭筋PDFを表示こちらからダウンロード【第7回 胸痛・腹痛】大胸筋・小胸筋・前鋸筋・肋間筋僧帽筋・中斜角筋・前斜角筋・腹直筋腹斜筋・腸腰筋・下後鋸筋・脊柱起立筋群PDFを表示こちらからダウンロード【一括ダウンロード】肩痛・腰痛・膝痛・頭痛・胸痛・腰痛こちらからダウンロード関連番組のご紹介(CareNeTV)プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!(整形外科編)(全14回)シリーズ解説:プライマリ・ケア医が日頃の診療で感じる疑問や悩みに、その分野の専門医が一問一答で答えるQ&A番組。今回は整形外科がテーマです。肩痛や腰痛、膝痛の診断方法や治療といった前野哲博先生が厳選した疑問に、スペシャリスト斉藤究先生がズバリお答えします。CareNeTVはこちら斉藤究氏の番組ページはこちら

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中心命題はまた持ち越し(解説:今中和人氏)-922

 開心術における輸血に関する観察研究はさまざまあるが、多くの論文の結論は「輸血をした症例の予後は短期・長期ともに悪い」というものである。恐るべき輸血合併症(具体的確率はきわめて低いが)もあるので、心臓外科医は無輸血にこだわってきた。 しかしこの結論は「さもありなん」であって、多くの観察研究で輸血群は年齢、貧血、心不全、併存疾患、再手術などにハンディがあり、これら術前要因を調整したらしたで、臨床研究の限界として、要するに術中・術後経過が思わしくない症例に輸血することが多くなるため、輸血と予後不良との相関関係はわかるが、因果関係は不明である。これら論文のlimitationの欄には、必ずと言って良いほど、「多数症例でのランダム化試験が待望される」と記されてきた。 本論文は、昨年publishされた、その待望されてきた国際多施設共同ランダム化試験の続報で、前回が1ヵ月時点、今回は6ヵ月追跡のアウトカム報告である。 この試験は74施設(今回、なぜか1つ増えているが御愛嬌)が参加し、対象患者5,243人を2群にランダム化しているのだが、 (1)輸血の有無ではなく、輸血に踏み切るHb値の設定(制限群7.5g/dL、自由群9.5g/dL)でランダム化しただけなので、制限輸血群でも52%が輸血をしており、自由輸血群でも27%は無輸血だった。 (2)「輸血」は赤血球限定で、両群ともFFPは25%前後、血小板は30%弱に投与された。 (3)エンドポイントに輸血合併症が含まれていない。 前報の結論は、どちらのHb設定でもとくに差はなかったのだが、これまた「さもありなん」。納得はできるが、輸血の是非を知りたい心臓外科医にとっては肩すかしの感が強かった。 今回の追跡(追跡率96%)では、当初の評価項目である死亡、心筋梗塞、脳卒中に、6ヵ月以内の再入院、救急受診、冠動脈再血行再建を追加して検討したが、やはりほぼ同等だった。つまり、待望されたランダム化試験ではあったが、Hb=7.5ぐらいまでは無輸血で粘れという考え方も、Hb=9.5ぐらいに低下したらさっさと輸血してしまえという考え方も、施設や医師団次第で成り立つわけなので、今日の心臓外科の診療指針にはあまり影響しない気がする。小田原評定と評するのは容易だが、この分野の臨床研究の難しさを痛感せずにはおれない。制限輸血群は無輸血「目標」群と読み替えることができようが、Hb=7.5を基準にすると何と半数がintention から外れてしまったわけである。もしカットオフを、たとえばHb=6.0にすれば、これほど脱落はないかわり、こんなに多くの施設や患者さんをenrollすることは不可能だっただろうし、輸血に強いこだわりのある外科医、というbiasがかかる。ともあれ、中心命題である輸血の是非や危険水準に関する結論は持ち越しである。

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レールダル本社訪問記(その3)【Dr. 中島の 新・徒然草】(240)

二百四十の段 レールダル本社訪問記(その3)8月半ばにノルウェーのスタヴァンゲルにあるレールダル本社を日本人医師4人で訪問したことについては前々々々回に「その1」、前回に「その2」として報告いたしました。今回は「その3」を述べたいと思います。おさらいになりますが、レールダル社というのは心肺蘇生トレーニング用のマネキンを製作・販売している会社です。このたび訪問したのは日本人医師4名(内科2名、救急科1名、脳外科1名)で、それぞれがプレゼンテーションをいたしました。内容は医療安全および心肺蘇生トレーニングに関する事です。日本側からのプレゼンテーションは、偶然にもレールダル社の主張と似たような内容になってしまいました。私自身は、いわゆる心肺蘇生において、「正しく行うことも大切であるが、色々な状況において何とかやっていくことも同じように大切だ」という事を自らのプレゼンテーションで述べました。たとえば、国際会議の場で演者が突然倒れたとしましょう。たちまち大混乱。とりあえず近くにいる人が救命処置を始める必要があります。たまたま医師がいたとしても言葉が通じるとは限りません。救急車を呼ぶ番号は何番でしょうか。倒れた人のご家族にも連絡する必要があります。救急隊が到着したら到着したで、玄関から蘇生処置の場まで誰かが案内しなくてはなりません。こういった悪条件の中で行うべきこととしては、とりあえず誰かが何かを始め、次第に適材適所の形にしていくという現実的解決法です。最初から理想の形で対応することはできません。そのためには、時々刻々と変化する状況の中で即時対応を続けていく、ということに尽きます。実はレールダル社も同じような事を考えていたようで、社内を案内してもらったときに、応接間を模した部屋を見せてもらいました。医療機関ではなく、普通の家屋の中という悪条件の中で、どのようにうまく心肺蘇生を行うのか、というのも1つのテーマだということだそうです。期せずしてお互いの主張が一致したところで、大いに議論が弾みました。その内容は救急で大量の患者を受ける時のスタッフの配置・評価・再配置・再評価の繰り返し、訪問看護における患者評価の共通ツール、いかにBLS(Basic Life Support:一次救命処置)やACLS(Advanced Cardiac Life Support:二次救命処置)などの教育時間を確保していくかなど、色々です。特に耳が痛かったのは、教育時間の確保で、日本側が「土曜や日曜に人を集めてやることが多い」と言ったときに、レールダル社側からの「教育も業務の一環だろ。どうして勤務時間内にやらないんだ。自分の家族も仕事と同じように大切じゃないか」というコメントでした。「長時間労働は決して美徳ではない。時間内に仕事を終わらせる努力をしない奴は、単に無能なだけだ」と言いたげな様子に、返す言葉もありませんでした。真面目な話はこのくらいにしておき、せっかく大阪から行ったので、どうやってノルウェーの人たちにウケる努力をしたのか、というお話もしておきましょう。私は自分のプレゼンの冒頭で、実際にレールダル社の蘇生トレーニング用マネキンを使ってBLS講習会をしている写真を見せました。そして「皆さんの作ったマネキンくん達は我々の病院で一生懸命働いてくれています。どうもありがとう!」と言ったところ、社長さん以下、大喜びで拍手喝采。自分たちの製品を誉められて嬉しくない人はいませんからね。もし機会があったら、ぜひ読者の皆さんもこの方法を試してみてください。ということで、収穫の多かったノルウェー訪問の後に1句ギャグ仕込み 夏の北欧 盛り上がる

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第8回 アセトアミノフェンもワルファリン併用で用量依存的にINR上昇【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 ワルファリンはさまざまな食品や薬剤と相互作用があり、併用注意に当たる飲み合わせが多いことはよく知られています。私も以前、脳梗塞の既往があり、ワルファリンを服用している患者さんに、市販の解熱鎮痛薬を一緒に服用してよいか質問され、薬剤の種類や使用目的について少し回答に悩んだことがあります。ワルファリンの添付文書にも記載があるように、NSAIDsには血小板凝集抑制作用があり、互いに出血傾向を助長するおそれがあるため、アセトアミノフェンが優先して使用されることも多くあります。しかし、アセトアミノフェンも機序は不明ですが、ワルファリンの併用注意欄に作用増強の記載があり、疑義照会の判断に迷うところです。そこで、今回はワルファリンとアセトアミノフェンを併用したいくつかの研究を紹介します。まずは、1998年にJAMA誌に掲載された症例対照研究です(Hylek EM, et al. JAMA. 1998;279:657-662.)。症例対照研究はまれな疾患や症状を検証するのに適した研究デザインで、すでにある事象が発生している「症例群」と、その事象が発生しておらず条件をマッチさせた「対照群」を選び、過去にさかのぼって事象が生じた要因を特定しようとする研究です。研究開始時点ですでに事象が発生しているものを調べる後ろ向き研究であるという点で、コホート研究と趣が異なります。この研究では1995年4月~1996年3月に、ワルファリンを1ヵ月以上服用しており、目標INR 2.0~3.0の外来患者を対象としました。INRが6.0以上の症例群(93例)と1.7~3.3の対照群(196例)の比較から得られた結果の多変量解析により、INR 6.0以上になる要因としてアセトアミノフェンが独立して関連している可能性が示唆されました。とくにアセトアミノフェン服用量が9.1g/週(1.3g/日)以上のときのオッズ比は10倍以上(95%信頼区間:2.6~37.9)でした。次に、2006年に発表された二重盲検クロスオーバー試験です(Mahe I, et al. Haematologica. 2006;91:1621-1627.)。こちらもワルファリンを1ヵ月以上服用している患者(20例)が参加しています。アセトアミノフェン1gまたはプラセボを1日4回に分けて14日間服用し、2週間のウォッシュアウト期間を設けた後に試験薬と対照薬を入れ替えて経過を調査しました。4日目で脱落しINR値を測定できなかった患者1例とプロトコール違反1例が最終解析から除かれています。平均INRはアセトアミノフェンを服用開始後急速に上昇し、1週間以内にプラセボよりも有意に増加しました。INRの平均最大値はアセトアミノフェンで3.45±0.78、プラセボで2.66±0.73で、ベースラインからの上昇幅はアセトアミノフェンで1.20±0.62、プラセボで0.37±0.48でした。なお、プロトコールから逸脱する数値の上昇がある場合は中止され、出血イベントはいずれの群においてもみられませんでした。さらに、プラセボ対照のランダム化比較試験の報告もあります(Zhang Q, et al. Eur J Clin Pharmacol. 2011;67:309-314.)。ワルファリン継続中の患者(45例)をアセトアミノフェン2g/日群、アセトアミノフェン3g/日群、またはプラセボ群に2:2:1の比率で割り付けて比較した研究です。2g群、3g群、プラセボ群のINRの平均最大増加率はそれぞれ0.70±0.49、0.67±0.62、0.14±0.42で、INRの上昇はアセトアミノフェン開始3日目で有意となりました。なお、INRが3.5を超えた場合には治療は中止されています。同様に、メタ解析の論文(Caldeira D, et al. Thromb Res. 2015;135:58-61.)や観察研究の系統的文献レビュー(Roberts E, et al. Ann Rheum Dis. 2016;75:552-559.)でも、その相互作用の可能性について警鐘が鳴らされています。アセトアミノフェン1.3g/日以上を3日以上連用なら注意が必要実践に落とし込むとすると、INRのモニタリングについて、アセトアミノフェン1.3g~2g/日を超える用量を連続3日以上服用している場合は、一定の注意を払ってもよいと思います。時にはその服用状況をワルファリンの処方医に報告することも必要でしょう。一方で、急性疾患による数日間の短期治療でアセトアミノフェンが1g/日を超えない程度であれば影響は少なそうです。この相互作用の機序については不明とされていますが、いくつかの説はありますので、最後にそのうちの1つであるNAPQI(N-acetyl-p-benzoquinone-imine)の影響だとする仮説を紹介しましょう。アセトアミノフェンは代謝を受けると毒性代謝産物であるNAPQIを生成します。通常は肝臓中のグルタチオン抱合を受けて速やかに無毒化されて除去されますが、アセトアミノフェンの服用量過多や糖尿病の合併などでNAPQIが蓄積しやすくなることがあります。これは、アセトアミノフェンによる肝障害の原因としても知られています。このNAPQIがビタミンK依存性カルボキシラーゼおよびビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)を阻害するため、複数のポイントでビタミンKサイクルを阻害し、ワルファリンの効果に影響を及ぼしているのではないかというものです(Thijssen HH, et al. Thromb Haemost. 2004;92:797-802.)。あくまでも仮説ですが、説得力はありますね。ワルファリンとアセトアミノフェンの併用はよくある飲み合わせですが、つい見落としがちな相互作用ですので意識してみてはいかがでしょうか。 1.Hylek EM, et al. JAMA. 1998;279:657-662. 2.Mahe I, et al. Haematologica. 2006;91:1621-1627.(先行研究はMahe I, et al. Br J Clin Pharmacol. 2005;59:371-374.) 3.Zhang Q, et al. Eur J Clin Pharmacol. 2011;67:309-314. 4.Caldeira D, et al. Thromb Res. 2015;135:58-61. 5.Roberts E, et al. Ann Rheum Dis. 2016;75:552-559. 6.Thijssen HH, et al. Thromb Haemost. 2004;92:797-802. 7.ワーファリン錠 添付文書 2018年4月改訂(第26版)

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日本人研修医のうつ病とストレス対処能力の関係

 研修医にとって、うつ病は重大な問題となりうる。うつ病の早期発見と適切なケアを提供することは、臨床研修中の健康状態を維持するために必要である。筑波大学附属病院 総合診療グループの伊藤 慎氏らは、ストレス対処能力の指標であるSense of Coherence(SOC:首尾一貫感覚)が、臨床研修開始2年後のうつ病を予測する因子であるかを調査するため、全国縦断研究を実施した。Journal of Clinical Medicine Research誌2018年9月号の報告。 臨床研修開始直前に、臨床研修病院251件の研修医に自己報告アンケートを配布した。アンケートには、うつ病スクリーニングツールであるCES-D(うつ病自己評価尺度)、SOC、人口統計的要因が含まれた。事前調査の回答者に対し、2年後にアンケートを配布した。フォローアップ調査には、CES-Dおよび労働状態に関する質問が含まれた。SOCスコアに基づき回答者を3群(低、中、高)に分類し、フォローアップ調査にて各SOC群とうつ症状との関連を分析した。 主な結果は以下のとおり。・事前調査に対し、2,935人中1,738人(59.2%)が回答を行った。・このうち、1,169人(67.3%)がフォローアップ調査に回答した。・事前調査において、うつ症状が陽性となった169人は除外された。・フォローアップ調査では、新規うつ病発症者数は187人(19.5%)であった。各群における割合は、低SOC群33.3%、中SOC群18.2%、高SOC群11.4%であった(p<0.01)。・高SOC群と比較し、低SOC群におけるうつ症状の新規発症のオッズ比は、2.04(95%CI:1.02~4.05)であった(人口統計的要因、ベースライン時のCES-Dスコア、平均就労時間で調整後)。 著者らは「臨床研修2年後における研修医のうつ症状は、SOCスコアと有意な関連が認められた。低SOC群は、高SOC群と比較し、将来のうつ症状リスクが2倍高かった。SOCスケールは、将来のうつ病を予測するうえで有用であり、研修医に対する適切な支援提供を可能とする」としている。■関連記事職業性ストレス対策、自身の気質認識がポイント:大阪市立大仕事のストレスが大きいほど、うつ病発症リスクは高い:獨協医科大学重度のストレスやうつ病からの復職に効果的なリハビリは

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第3世代ALK-TKIロルラチニブ国内承認、世界初/ファイザー

 ファイザー株式会社は、2018年9月21日、「ALKチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性又は不耐容のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺」の効能・効果で、抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤「ローブレナ錠25mg、同100mg」(一般名:ロルラチニブ)の製造販売承認を取得した。この承認は日本が世界に先駆けての取得となる。 ロルラチニブは、既存のALK阻害剤で効果が得られなくなった患者の耐性メカニズムに注目し創製された第3世代のALK阻害剤で、耐性変異がみられる変異型ALKにも効果が期待される。日本も参加した国際共同第I/II相試験において、既存のALK阻害剤に抵抗性または不耐容のALK陽性非小細胞肺がんに対する臨床的に意義のある抗腫瘍効果と忍容性が示されたことから、これらの結果を取りまとめ、2018年1月に国内における製造販売承認申請を行った。 ロルラチニブは、昨年(2017年)10月に導入された「医薬品の条件付き早期承認制度」が適用され、優先審査の対象として、約8ヵ月間の審査期間を経て承認となった。承認条件は、医薬品リスク管理計画を策定し実施すること、全症例を対象に使用成績調査を実施し適正使用のためのデータ収集をすること、肺がん治療に精通した医師によって処方されるとともに本剤のリスク等について十分に管理・説明できる医療機関および薬局においてのみ取り扱われるよう必要な措置を講じること、の3点。 ローブレナの概要・製品名:ローブレナ錠25mg/100mg(LORBRENA Tablets 25mg/100mg)・一般名:ロルラチニブ(Lorlatinib)・効能・効果:ALKチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性又は不耐容のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺・用法・用量:通常、成人にはロルラチニブとして1日1回100mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。・製造販売承認取得日:2018年9月21日・製造販売元:ファイザー株式会社■参考NCT 01970865(Clinical Trials.gov)■関連記事第3世代ALK阻害薬lorlatnib、ALK陽性肺がんに国内申請ALK/ROS1肺がんにおけるlorlatinibの国際第I相試験の結果/Lancet Oncol

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血流感染、ピペラシリン・タゾバクタムvs.メロペネム/JAMA

 大腸菌(E.coli)または肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)に感染し、抗菌薬セフトリアキソンが無効な患者において、definitive治療としてのピペラシリン・タゾバクタムはメロペネムと比較して、30日死亡率に関する非劣性を示さなかった。オーストラリア・クイーンズランド大学のPatrick N. A. Harris氏らによる無作為化試験の結果で、JAMA誌2018年9月11日号で発表された。大腸菌や肺炎桿菌では拡張型β-ラクタマーゼが、第3世代のセファロスポリン系薬(セフトリアキソンなど)に対する耐性を媒介する。これらの菌株に起因する重大な感染症では、通常、カルバペネムによる治療が行われるが、カルバペネム耐性を選択する可能性があることから、研究グループは、ピペラシリン・タゾバクタムが、拡張型β-ラクタマーゼの産生を抑制する、有効な“カルバペネム温存”オプションとなりうる可能性があるとして検討を行った。ピペラシリン・タゾバクタムのメロペネムに対する非劣性を無作為化後30日時点の全死因死亡で評価 セフトリアキソン非感受性で大腸菌または肺炎桿菌に起因する血流感染症の患者において、definitive治療としてピペラシリン・タゾバクタムのメロペネム(カルバペネム)に対する非劣性を調べる検討は、2014年2月~2017年7月に、9ヵ国26施設で入院患者を登録して行われた(非劣性並行群間比較無作為化試験)。 被験者は、大腸菌または肺炎桿菌の血液培養検査で最低限いずれかの陽性が認められ、セフトリアキソンに非感受性だが、ピペラシリン・タゾバクタムに感受性が認められる成人患者を適格とした。 スクリーニングを受けたのは1,646例。試験には391例が包含され、1対1の割合で2群に無作為化された。1群(188例)はピペラシリン・タゾバクタム4.5gを6時間ごとに、もう1群(191例)はメロペネム1gを8時間ごとに投与された。治療期間は最短4日間、最長14日間として、治療担当医が総治療期間を決定した。 主要評価項目は、無作為化後30日時点の全死因死亡であった。非劣性マージンは5%とした。ピペラシリン・タゾバクタムのメロペネムに対する非劣性は示されず 主要解析集団には、無作為化が適切で、試験薬を少なくとも1回投与された被験者379例(平均年齢66.5歳、女性47.8%)が包含された。このうち378例(99.7%)が試験を完了し、主要評価項目について評価を受けた。 30日時点の全死因死亡率は、ピペラシリン・タゾバクタム群12.3%(23/187例)であったのに対し、メロペネム群3.7%(7/191例)であった。両群間のリスク差は8.6%(片側97.5%信頼区間[CI]:-∞~14.5)で、ピペラシリン・タゾバクタムのメロペネムに対する非劣性は示されなかった(p=0.90)。有効性は、per-protocol集団で一貫して認められた。 非致死的な重大有害事象の発生の報告は、ピペラシリン・タゾバクタム群2.7%(5/188例)、メロペネム群1.6%(3/191例)であった。 結果を踏まえて著者は「所見は、今回の設定集団においてはピペラシリン・タゾバクタムの使用を支持しないものであった」とまとめている。

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乳製品摂取増加が死亡・心血管リスク低下と関連/Lancet

 低・中所得国21ヵ国を対象とした多様な多国籍コホート研究において、乳製品の摂取が、死亡および主要心血管疾患イベントの低下と関連することが明らかにされた。カナダ・マックマスター大学のMahshid Dehghan氏らが、Lancet誌オンライン版2018年9月11日号で発表した。全脂肪乳製品は飽和脂肪の源であり、血液脂質に悪影響を与え、心血管疾患や死亡を増大すると思われているが、この懸念に関するエビデンスは弱く、また、これまで低所得国および中所得国の健康への乳製品消費の影響に関するデータはほとんど入手できていなかったという。21ヵ国13万6,384例について関連を評価 研究グループは、乳製品全体および特定の乳製品と、死亡および重大心血管疾患との関連を調べる「Prospective Urban Rural Epidemiology(PURE)試験」を行った。試験は5大陸・21ヵ国(アルゼンチン、バングラデシュ、ブラジル、カナダ、チリ、中国、コロンビア、インド、イラン、マレーシア、パレスチナ自治区、パキスタン、フィリピン、ポーランド、南アフリカ共和国、サウジアラビア、スウェーデン、タンザニア、トルコ、アラブ首長国連邦、ジンバブエ)から35~70歳の13万6,384例が参加した大規模多国籍コホート試験であった。 参加者の乳製品摂取量を、検証済みの国別の食事摂取頻度調査票を用いて記録した。乳製品は、牛乳、ヨーグルト、チーズとし、これらを全脂肪と低脂肪の乳製品に分類した。 主要評価項目は、死亡または主要心血管疾患イベントの複合(心血管系が原因の死亡、非致死的心筋梗塞、脳卒中または心不全と定義)とした。参加者の中央クラスター形成を説明するためにランダム切片・多変量Cox frailtyモデルを用いて、ハザード比(HR)を算出して評価した。摂取総量が多いほど複合イベント発生リスクは低い 2003年1月1日~2018年7月14日のフォローアップ9.1年間で、1万567件の複合イベントが記録された(死亡6,796件、主要心血管疾患5,855件)。 乳製品摂取総量が多いほど複合イベントの発生リスクは低かった(非摂取を参照とした場合の>2サービング[SV]/日のHR:0.84、95%信頼区間[CI]:0.75~0.94、傾向のp=0.0004)。 イベント別にみると、総死亡(0.83、0.72~0.96、傾向のp=0.0052)、非心血管死(0.86、0.72~1.02、傾向のp=0.046)、心血管死(0.77、0.58~1.01、傾向のp=0.029)、主要心血管疾患(0.78、0.67~0.90、傾向のp=0.0001)、脳卒中(0.66、0.53~0.82、傾向のp=0.0003)についてはリスクの低下がみられたが、心筋梗塞については有意な低下が観察されなかった(0.89、0.71~1.11、傾向のp=0.163)。 乳製品別にみると、牛乳(>1SV vs.非摂取のHR:0.90、95%CI:0.82~0.99、傾向のp=0.0529)およびヨーグルト(0.86、0.75~0.99、傾向のp=0.0051)は、摂取量が多いほど複合イベントの発生は低い関連が認められた。チーズについては複合イベント発生について有意な関連が認められなかった(0.88、0.76~1.02、傾向のp=0.1399)。 なお、バターの摂取量は少なく、臨床アウトカムとの有意な関連はみられなかった(HR:1.09、95%CI:0.90~1.33、傾向のp=0.4113)。

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プラチナ+ペメトレキセドへのアテゾリズマブ併用、進行肺がん1次治療でPFS延長(IMpower132)/WCLC2018

 Stage IV非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療におけるペメトレキセドとプラチナ製剤の併用療法、およびペメトレキセドによる維持療法へのPD-L1阻害薬アテゾリズマブの上乗せ効果を検討した第III相IMpower132試験の結果が、カナダ・トロントで開催された第19回世界肺会議(WCLC2018)で、MDアンダーソンがんセンターのVassiliki A. Papadimitrakopoulou氏により発表された。 IMpower132試験は、化学療法未治療の進行非扁平上皮NSCLC患者(EGFR/ALK陰性)を対象とし、カルボプラチンまたはシスプラチンとペメトレキセド併用→ペメトレキセド維持療法群(PP群)と、カルボプラチンまたはシスプラチンとペメトレキセド併用+アテゾリズマブ→ペメトレキセド+アテゾリズマブ維持療法群(APP群)を比較したオープンラベル多施設共同無作為化第III相試験である。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)。探索的評価項目はPD-L1発現状態による有効性であった。今回は、RECIST v1.1評価に基づくPFSとOS(中間解析)ならびに安全性データが発表された。 主な結果は以下のとおり。・APP群に292例、PP群に286例の患者が組み入れられた。・全身状態は、APP群の43%、PP群の40%で良好(ECOG PS 0)であった。・データカットオフ(2018年5月22日)の追跡期間中央値は14.8ヵ月であった。・PFS中央値は、PP群5.2ヵ月に対し、APP群7.6ヵ月とAPP群で統計学的に有意に延長した(ハザード比[HR]:0.60、95%信頼区間[CI]:0.49~0.72、p

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