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軽症脳梗塞急性期の治療効果はtPAとアスピリンで差がなかった(解説:内山真一郎氏)-897

 脳梗塞急性期患者の半数以上は軽症であるが、これまでに行われた血栓溶解療法の臨床試験には介助を要さない軽症例も含まれていた。PRISMS試験は、米国国立衛生研究所脳卒中尺度(NIHSS)が5点までの軽症例において、アルテプラーゼの有効性と安全性を評価する目的で行われた。PRISMSは米国の多施設共同、第III相無作為化二重盲検比較試験であり、NIHSSが0~5点で介助を要さず、発症後3時間以内の治療を開始された症例が対象となった。 対象症例は米国での標準用量(0.9mg/kg)のアルテプラーゼ投与群かアスピリン325mg投与群に振り分けられ、90日後の転帰が改変ランキン尺度スコア(mRS)で評価された。安全性は治療開始後36時間以内の症候性頭蓋内出血で評価された。試験は資金難のため途中で中止されてしまったことから症例数は目標に達していない313例のみであったが、転帰良好例はアルテプラーゼ群78.2%、アスピリン群81.5%であり、症候性頭蓋内出血はアルテプラーゼ群3.2%、アスピリン群0%であり、アスピリンを上回るアルテプラーゼの有用性は示されなかった。 ただし、試験が早期に中止されてしまったため最終結論を下すことはできず、さらなる研究が必要であるが、軽症例の血栓溶解療法の適用に一石を投じる試験結果であったとはいえる。逆に、脳梗塞発症直後からのアスピリン投与の転帰改善効果をもっと見直す必要があることを示唆しているのかもしれない。

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米国陸軍特殊部隊【Dr. 中島の 新・徒然草】(233)

二百三十三の段 米国陸軍特殊部隊朝の救急外来。当直担当の研修医によれば、まだ決着のついていない患者さんが3人残っているとのこと。でも、ベッドには2人しかいません。と思ったら、突然、扉が開いて金髪碧眼の場違いな兄ちゃんが入ってきました。患者さんにしては妙に調子いいというか何というか。そう思いながら兄ちゃんを眺めていたら、ふと目が合ってしまいました。そのままスタスタと私の方にやってきて握手を求めてきます。よく見ると顔の一部が切れていました。金髪「やあ、ドクター。君が治療してくれるのか? よろしく頼むよ」中島「誰が担当するかはまだ決まってへんのよ」研修医「この人、酔っぱらっているんです」金髪「なんだ、君が担当じゃないのか」研修医「難波で喧嘩してだいぶ殴られたらしいんです」中島「難波で飲む奴は全員怪我するんかいな。勘弁してくれよ」その時、ふとたまたま居合わせた形成外科のレジデントに気づきました。中島「おお、スペシャリストがおったがな、ここに!」形成「いえ、その」研修医「ホントだ。彼女こそスペシャリストですね」金髪「おお! 頼むよ、スペシャリスト」中島「今こそ先生の鍛えたワザを炸裂させる時やぞ」形成「わ、わかりました」せっかく気配を消していた形成のレジデントですが、見つかってしまった以上、金髪兄ちゃんの傷の縫合をせざるを得ません。中島「ところでどっから来たんでっか?」金髪「アメリカよ、アメリカ」中島「アメリカのどこなわけ?」金髪「マイアミ。その前はサウスカロライナだ」中島「なるほど」金髪「俺は陸軍なんだ」中島「へー」金髪「特殊部隊だぞ」ホントに特殊部隊だったらケンカでやられたりしないと思うんですけど。中島「とにかく縫合については彼女こそベストやからね。ついでに、もう少しハンサムにするよう言っとこか」金髪「そうか! じゃあ、この鼻をちょっとばかりカッコよくしてもらえるかな」中島「そいつは別料金いただきまっせ」金髪「あんた、ファニードクターだ!」英語でいうところのファニードクターがほめ言葉なのかどうか、もう一つよくわかりませんでした。でも、陽気なアメリカ人としゃべっていると、こっちまでつられて調子のいい大阪オヤジになり、ついギャグで張り合ってしまいます。何故かこの金髪アメリカ人青年、顔を縫われている最中もなんだかんだと女性レジデントに話しかけていました。研修医「この人、頭部CTは要らん、と言っているんですけど」中島「本人がそう言ってるんやったらエエやろ」研修医「わかりました」というわけで、1週間後に抜糸に来ることになりました。案外、シラフだと寡黙な青年だったりするのかもしれません。興味あるところですね。最後に1句笑いなら 特殊部隊に 負けません

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第5回 10年以上余命が延びる5つの健康習慣【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 服薬指導をしていると、生活習慣改善の効果に懐疑的、もしくは諦めている患者さんに出会うことがあるのではないでしょうか。そのような患者さんでも、ある5つの生活習慣を実践すると、それをまったく行わないときよりも10年以上余命が延びる、と言われたら試してみたくならないでしょうか。今回は、健康的な生活が余命に大きな影響を及ぼすことがわかった2つの大規模調査の結果を体系的にまとめた論文を紹介します。Impact of Healthy Lifestyle Factors on Life Expectancies in the US Population.Li Y, et al. Circulation. 2018 Apr 30. [Epub ahead of print]2つの大規模調査とは、女性看護師を対象に慢性疾患のリスクファクターを検証しているNurses’ Health Study(1980~2014年、n=7万8,865)と、栄養的要素が男性医療者の健康に与える影響を検討したHealth Professionals Follow-up Study(1986~2014年、n=4万4,354)です。両研究におけるアンケート調査はなんと現在も進行しています(参考1、2)。いずれも重要かつ知っておくべき研究でしょう。今回紹介する論文は、この2つの研究の合計約12万3,000例の30~75歳を分析しています。両研究は組み入れ対象者の面で相互補完的な関係にあり、それらをまとめて分析した本研究も貴重な結論を導き出しています。解析項目は、健康上低リスク生活習慣者と高リスク生活習慣者でどれだけ死亡率に差が出るかです。組み入れ対象が医療専門職であることと、そのうちの多くは白人であることから、外的妥当性の評価には注意が必要です。本研究では、健康リスクを低減させる要素として、下記の5つを定義しました。1.健康的な食事をしている「健康的な食事」の定義付けとして、AHEI(Alternate Healthy Eating Index)を用いた評価がなされています。これは野菜、果物、ナッツ、全粒穀物、多価不飽和脂肪酸および長鎖オメガ3系脂肪酸の摂取が多く、赤身肉、加工肉、甘味料入り飲料、トランス脂肪酸、精製粉の摂取が少ないとスコアが良くなる指標です。研究では、AHEIスコアが各研究の上位40%に入った参加者は、健康的な食事を取っていると定義されました。2.喫煙しない3.少なくとも1日当たり30分の中等度または活発な運動を行っている4.適度な量のアルコール摂取(女性で5~15g/日、男性で5~30g/日)5.BMIが18.5~24.9kg/m2、すなわち低体重または肥満ではない各項目に当てはまれば1点、当てはまらなければ0点とし、5項目の合計点によって、対象者は5段階にスコア分けされました。また、これらの習慣が米国人口にどれほど共通しているかを評価するために、NHANES(米国国民健康栄養調査)で2013~14年に収集された情報を利用しています。死亡原因については、国家記録と家族報告書を用いて確認され、米国疾病対策予防センター(CDC)のWONDERデータベースを用いて検討を行っています。それらを踏まえ、最終的には調査対象者の行動パターンがどのように寿命、がんや心血管疾患による死亡リスクに影響を与えるか分析されました。アンケート調査である以上、主観的であり、個々の習慣が余命に及ぼす影響を特定することも困難になるわけですが、研究開始時の年齢、性別、民族性、閉経有無、マルチビタミンや定期的なアスピリン摂取またはホルモン補充療法の有無、糖尿病心臓発作またはがんの家族歴などの変数を用いて多変量解析が行われています。重要な関連要因の影響を考慮に入れて適切な措置をとったこと、サンプルサイズの大きさ、フォローアップ期間の長さ、複数時点での生活習慣とBMI評価があることはこの研究の強みといえるでしょう。最低リスク群では最高リスク群よりも、女性14.0年、男性12.2年余命が長い研究期間中に、4万2,167例の参加者が死亡しています。そのうち、がん患者数は1万3,953例、心血管疾患患者数は1万689例でした。5つの習慣のいずれもが、単独で全死因死亡またはがんないし心血管死亡のリスクを低減させる傾向がありました。最も不健康なスコア0の参加者と比較して、最も健康的なスコア5の参加者を多変量調整した結果は、全死因死亡が74%減少(ハザード比:0.26、95%信頼区間:0.22~0.31)、がんによる死亡が65%減少(ハザード比:0.35、95%信頼区間:0.27~0.45)、心血管疾患死亡が82%減少(ハザード比:0.18、95%信頼区間:0.12~0.26)でした。また、スコア5以外の参加者と比較して、スコア5の参加者では、全死因死亡が60.7%(95%信頼区間:53.6~66.7)、がんによる死亡が51.7%(95%信頼区間:37.1~62.9)、心血管疾患による死亡が71.7%(95%信頼区間:58.1~81.0)減少しています。一般的な米国人口がこれら5つの習慣を取り入れた場合の50歳時点での平均余命は、女性で43.1年(95%信頼区間:41.3~44.9)、男性で37.6年(95%信頼区間:35.8~39.4)でした。これは、そのいずれも取り入れない場合と比較して、女性で14.0年(95%信頼区間:11.8~16.2)、男性で12.2年(95%信頼区間:10.1~14.2)余命が延びている計算になり、大きなインパクトです。現実的に健康リスクを低減させる要素の5つすべてを一度に取り入れることが難しいのであれば、それぞれの習慣がリスク低減に寄与しているため、どれか1つの習慣だけを提案するアプローチもよいでしょう。大きな結果がもたらされることがわかっていれば、小さな習慣から徐々に取り入れて維持していくモチベーションも湧くのではないでしょうか。1)Li Y, et al. Circulation. 2018 Apr 30. [Epub ahead of print]参考1)Nurses’ Health Study2)Health Professionals Follow-up Study

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【勤務医のアルバイト収入 2018】第2回 アルバイト時給編

ケアネットでは、会員の先生方から寄せられた「ほかの医師たちのアルバイト(非常勤)収入について知りたい」という声にお応えし、アンケートのご協力をお願いしました。今回は、アルバイト時給の集計結果をご報告いたします。時給1万~1万2,000円が平均相場「最も回数が多いアルバイト先の時給」について、1,000人の回答結果からアルバイトを週1回以上行っている医師408人を抽出した。その結果、1万~1万2,000円未満が全体の35%と最も多くを占めた。次いで8,000~1万円未満が17%、その次は最も高額の1万6,000円以上で14%だった。画像を拡大するちなみに、「アルバイトの時給は、業務内容に見合っているとお考えですか?」という問いに対しては、59%が「見合っている」との回答だった。アルバイトの時給には、おおむね満足している医師が半数以上のようだ。■Q .《最も回数が多いアルバイト先について》アルバイトの時給をお教えください。1) 8,000円未満2) 8,000円以上1万円未満3) 1万円以上1万2,000円未満4) 1万2,000円以上1万4,000円未満5) 1万4,000円以上1万6,000円未満6) 1万6,000円以上時給が安いアルバイト先は若手に?週1回以上アルバイトを行っている医師408人を経験年数で分けて比較したところ、10年未満の若手医師では、時給1万円未満が40%を占める一方、1万4,000円以上は19%と、経験が10年以上の中堅・ベテラン医師と比較して低時給が多く、高時給が少ない傾向にあった。画像を拡大する最も時給が高いのはクリニック外来と産業医? 医師1,000人の回答から、アルバイトの種類による時給について解析を行った。その結果、クリニック外来では1万円以上の割合が77%を占め、ほかと大きな差をつけて最も時給が高かった。また、産業医は1万6,000円以上の高額層が27%と最も大きな割合を占めた。画像を拡大するその他の回答には、「(手術)麻酔」、「(看護学校などの)講師」、「講演会」、「手術」、「(レントゲンなどの)読影」などがあった。■Q . 《最も回数が多いアルバイト先について》アルバイト先の医療機関タイプをお教えください。1) 病院の外来2) 病院の当直3) 病院の病棟4) クリニックの外来5) 学校健診6) 施設健診7) 企業検診8) 産業医9) その他(自由記述欄)医師はアルバイトに高時給を求めている「アルバイト先を選ぶときに重視する条件」に対する回答は、「時給が高い」と答えた医師が圧倒的に多かった。2番目に多く選ばれた条件は、「自宅または勤務先から近い」、3番目は「専門性が活かせる」だった。その他の回答では、「負担が少ない」、「医局・病院からの紹介や指定」、「先輩・友人からの紹介」などが挙げられた。画像を拡大する■Q . アルバイト先を選ぶときに重視する条件をお教えください。※ 該当するものすべてをご回答ください。(複数可)1) インセンティブがつく2) 自宅から近い3) 専門性が活かせる4) 特殊技術が活かせる5) 時間が短い6) 交通費が出る7) 勤務先から近い8) 時給が高い9) エージェント利用10) 勤務先による紹介11) その他(自由記述欄)第3回では、詳細なデータと寄せられたコメントなどをご紹介いたします。

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セクキヌマブは乾癬性関節炎の痛みも改善?

 セクキヌマブは乾癬性関節炎患者の痛みを2年にわたって改善させ、さらにその痛みはTNF阻害薬を使用しているかにかかわらず改善させる可能性があることが英国・グラスゴー大学のIain B. McInnes氏らの研究によって明らかになった。Arthritis Research & Therapy誌2018年6月号に掲載。 乾癬性関節炎の痛みは、患者の健康関連QOLに最も強く影響する要素の1つである。乾癬性関節炎患者に対して、セクキヌマブは健康関連QOLを含め、徴候や症状を迅速かつ持続的に改善させることが示されている。本研究では、乾癬性関節炎患者の痛みに与えるセクキヌマブの効果を評価するために、セクキヌマブの投与開始から104週目の間における患者の痛みのスコアを解析した。 著者らは治療開始から104週までの間にかけて、以下の3つの尺度で痛みを臨床的に測定した。・痛みのビジュアルアナログスケール(VAS)とSF-36の体の痛みのスコアのベースラインからの変化・上記2項目について臨床における最小重要差以上の改善が認められた患者の割合・EQ-5D-3 Lの「痛み/不快感」の項目におけるno、moderate、extremeに該当する患者の割合 痛みの測定の相関はピアソンの相関係数により解析された。TNFナイーブ患者と、TNF阻害薬の不十分な応答や安全性/忍容性により投与を中止した(TNF-IR)患者に対する項目の設定を事前に行った解析は、観測データを用いて行われた。 主な結果は以下のとおり。・投与開始3週目におけるベースラインから改善した痛みのVASスコアの平均値はプラセボ群と比較してより大きく改善し、セクキヌマブ300mg投与群では-16.9(p<0.0001)、セクキヌマブ150mg投与群では-12.6(p<0.05)で、スコアの改善は104週まで続いた。・投与開始4週目におけるSF-36の体の痛みのスコアはプラセボ群と比較して有意に改善し、セクキヌマブ300mg投与群では16.2(p<0.0001)、セクキヌマブ150mg投与群では16.3(p<0.0001)で、スコアの改善は104週まで続いた。・プラセボと比較してセクキヌマブ300mg投与群と150mg投与群では、3週目と4週目における痛みのVASスコアとSF-36の体の痛みのスコアについて、臨床における最小重要差以上の改善が有意に大きかった。・投与開始4週目時点でのEQ-5D-3 Lの「痛み/不快感」の項目において、セクキヌマブ300mg投与群の15%、150mg投与群の9%、プラセボ群の5%がno pain/discomfortに分類され、さらにセクキヌマブ投与群ではこの割合が104週まで上昇した。・TNFナイーブあるいはTNF-IR患者においても、痛みのスコアがセクキヌマブ投与により有意に改善した。

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高齢者の疼痛管理に必要なものとは?

 2018年7月19日より3日間開催された日本ペインクリニック学会 第52回大会(学会長:井関 雅子/テーマ「あなたの想いが未来のペインクリニックを創る」)のジョイント基調講演で「高齢者の疼痛管理に必要なものとは何か?」をテーマに、川井 康嗣氏(仙台ペインクリニック石巻分院 院長)が講演を行った。本稿ではこの講演の概要をお届けする。被災地特有の運動器障害と疼痛 川井氏は、東日本大震災の被災地である石巻・東松島地区で、約4年前からペインクリニックに従事し、主に高齢者の非がん性の痛みのマネジメントを行っている。 高齢者の「痛み」の多くは、加齢によるロコモティブシンドロームなどから起こる運動器障害の痛みであり、腰痛、関節痛および骨粗鬆症・脊椎椎体骨折などの整形外科疾患の痛みが多い。とくに石巻では、現在も狭小な仮設住宅に住む高齢者も多く、不良な生活環境が運動器の痛みの原因になっていることが推察される。また、震災で地域コミュニティが崩壊したこともあり、「生きがいを感じる場所の喪失は日常生活の不活発化~不動化をもたらし、患者に与えている影響は震災後7年を経過した現在でも大きい」と同氏は被災地の現状を語った。こうした高齢患者には良質の鎮痛とともに、不動化を予防するマネジメントが求められる。 不動化が生じている高齢患者の診療では、痛みが改善しても不動化が改善しない場合があり、その中には単なる運動不足ではない、いわゆる「生活不活発病」の症例があるという。これは、生活環境や人間関係の激変・喪失を契機に心身の機能が低下する状態であり、全国の他の被災地でも同様なことが生じているのではないかと危惧している。こうした症例では、「運動器の器質的なアプローチでは不十分であり、心理・社会的アセスメントと地域コミュニティ対策が求められる」と同氏は指摘する。老化の痛みのマネジメント 高齢者の運動アドヒアランスを維持するためには、1~2種類の体操に限定して指示することや、寝たきりが予防できる歩数として1日最低2,000歩以上は歩行するような提案(理想は速歩き20分を含む8,000歩/日:青柳幸利 The Nakanojo Studyより)、積極的な介護保険の申請と利用の推奨などを行う必要がある。また同時に、「医療者からは高齢患者に社会的な関わりを持たせるための工夫(男性ではスポーツ、ゲームなど競争要素のあるもの、女性では人間交流の点で利点の多い運動や趣味を中心に)を来院時に持ち掛けることも運動機能の維持に有益ではないか」と同氏は提案する。今後、こうした運動へのモチーベーションの提供のため、「同世代のサークル募集の張り紙や運動仲間のお誘いポスターを院内に掲示するなどの工夫をしたい」とも話す。 そのほか、高齢者では、退行変性(老化)の痛みを老化ではなく疾患と捉え、治癒を目指して闘っている姿がしばしば見られる。このような症例では、自己の老化を受け入れ、それをマネジメントしていくため、医療者からの丁寧な説明が必要だという。同氏は「医療者は、こうした患者に安易に鎮痛薬を処方するのではなく、薬物療法と同時に、投薬の意義についての教育も重要」と語る。高齢者の薬物療法はチームプレイで当たる 疼痛の薬物治療について、高齢者では出来る限りNSAIDsは慎重に使用し、アセトアミノフェンから使用することが望ましい。最近では、神経障害性疼痛に対する治療薬やオピオイド鎮痛薬が発売され、患者の選択肢は飛躍的に拡大した。しかし、忍容性の低い高齢者では、「細心の薬剤選択と用量調整(マルチモーダル鎮痛法や“start low, go slow”など)や副作用対策が必要となる。そのほか、薬物療法に神経ブロック療法を組み合わせることで、さらに良質な鎮痛が期待できる」と語る。 また、「高齢者では服薬アドヒアランスを維持することが重要で、看護師や薬剤師などを中心としたチームアプローチによって、患者に治療薬の説明や薬物療法の意義についての教育や副作用の相談や対処、残薬の確認などを行う必要がある。そのためにも日ごろから薬剤について学習会などを通じて、医療チーム全体で知識のアップデートを行うことが大事だ」と同氏は提案する。 最後に、「高齢者の疼痛管理では、鎮痛や不動化予防などの目標に加え、生きる自信を与えながら、人生のゴールに向かって苦痛や不安に寄り添う姿勢が求められる。今後も、高齢者が困ったときに、気軽に立ち寄れるようなクリニックを目指し診療を行っていく」と思いを語り、講演を終えた。■参考日本ペインクリニック学会 第52回大会■関連記事診療よろず相談TV シーズンII第21回「腰痛」回答者:福島県立医科大学 医学部 整形外科学講座 教授 紺野 愼一氏

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SNRI中止後の離脱症状に関するシステマティックレビュー

 セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)は広く用いられており、SNRIの中止は幅広い症状との関連が認められている。イタリア・ボローニャ大学のGiovanni A. Fava氏らは、SNRI中止後の離脱症状の発生、頻度、特徴について検討を行った。Psychotherapy and Psychosomatics誌オンライン版2018年7月17日号の報告。 PRISMAガイドラインに沿って、システマティックレビューを実施した。PubMed、コクラン・ライブラリ、Web of Science、MEDLINEを用いて、それぞれのデータベースの初めから2017年6月までの文献を検索した。検索キーワードは、デュロキセチン、ベンラファキシン、desvenlafaxine、ミルナシプラン、levomilnacipran、SNRI、第2世代抗うつ薬、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬、および中断、離脱、リバウンドを組み合わせた。英語で公表された試験のみ抽出した。 主な結果は以下のとおり。・包括基準を満たした研究は、61件であった。・その内訳は、二重盲検ランダム化比較試験22件、オープンフェーズと二重盲検ランダム化フェーズを用いた試験6件、オープントライアル8件、自然主義的研究1件、レトロスペクティブ研究1件、ケースレポート23件であった。・各種SNRI中止後に、離脱症状が認められた。・離脱症状の発生率は、各報告で変化していたが、ベンラファキシンではより高率であると思われる。・典型的に、症状発現は中止後数日以内に認められ、徐々に漸減しながら数週間継続していた。・遅発性の障害や長期間の持続も同様に認められた。 著者らは「臨床医は、投与中止後に離脱症状を誘発する可能性のある薬剤リストに、他の向精神薬と共にSNRIを追加する必要がある」としている。■関連記事SSRI中止は離脱症状に注意をSSRI/SNRIへの増強療法、コストパフォーマンスが良いのはSSRIなどで効果不十分なうつ病患者、新規抗うつ薬切り替えを検証

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減塩したい患者さん向け、単身者でもできる作り置きレシピ発表

 2018年8月1日、都内にて心血管疾患予防のための「ハートレシピ」発表会が開かれた(日本心臓財団/エドワーズライフサイエンス共催)。4回目となる今回の「ハートレシピ」は、栄養バランスが偏りやすく料理をする習慣のない、高齢の単身者が増加している点に着目し、「簡単で作り置きしやすいこと」をテーマに考案。発表会ではレシピ解説のほか、渡辺 弘之氏(東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター長)による講演や、渡辺氏とファッションデザイナーのドン小西氏による対談、一般募集のシニア男性が参加した料理教室などが行われた。ドン小西氏は2012 年に心臓弁膜症と診断され、心臓手術を受けている。 以下に、主に患者指導にかかわる内容を抜粋し、紹介する。高齢期のQOL維持に、減塩は重要なファクター 高齢化が進むなか、男女ともに平均寿命と健康寿命には、約10年の開きがある(2016年のデータで、男性:平均寿命が80.98歳/健康寿命が72.14歳、女性:平均寿命が87.14歳/健康寿命が74.79歳)1)。この「健康ではなく過ごす期間」を少しでも短くするために、心不全や心筋梗塞、弁膜症といった心血管疾患の予防、重症化の防止が重要になる。 心血管疾患の大きなリスク因子である高血圧への影響のほか、心血管疾患そのものにも、食塩摂取量が影響する。本邦では1日当たりの食塩摂取量について、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では男性8g未満/女性7g未満2)、「高血圧治療ガイドライン(2014)」では男女ともに6g未満3)とすることが推奨されている。塩分がどこに含まれているか、“見方”を理解してもらう 渡辺氏は講演の中で、パンやうどんなどに入っている塩分についての認識に欠ける患者さんが多いことを指摘。「6枚切りの食パン1枚にバターを塗ると、それだけで食塩量は約1g」「麺類は製造過程で塩が入っている。うどんよりはそばの方が少ない」などの言葉がけで、自身の食生活を見直してもらえるように促しているという。 また、スポーツ飲料やカップ麺などの成分表示が、ナトリウム表示となっているものがいまだに多くあることも問題だという。「食塩量(g)=ナトリウム量(g)×2.5」であることを伝えて、思わぬところに入っている塩分に気づいてもらうことが重要だと話した。塩分6g未満、野菜350g/日以上がコンセプトの全9レシピ 今回のハートレシピでは、作り置きできる3つの「おかずのタネ(肉だんご、ドライカレー、ゆで鶏)」と、それを活用した朝昼夜各3種類ずつの計9レシピを提案。タネに簡単なアレンジを加えることで野菜の分量を増やすレシピが提案されており、料理初心者でもレパートリーを増やすことができる。レシピはこちら。 各レシピには、ケチャップは減塩におすすめの調味料、生野菜は味が薄くならないように洗ったらしっかり水気を切る、ドレッシングに粒マスタードを加えると塩分控えめでも味のアクセントになる、などの「減塩のポイント」と、ゆでた青菜は油でコーティング、鶏むね肉はゆでた後冷めるまでゆで湯につけておく、などの「作り置きのポイント」がそれぞれ記載されている。 会場では実際に、ドライカレーやラタトゥイユ、酒かすみそ汁などの試食が行われた。パーティーなどで味の濃い食べ物を食べる機会が多いというドン小西氏も、「美味しいし、物足りない感じは全くしない」と話し、「仕事や付き合い上、仕方のない部分は割り切り、家での食事を中心にできるところからはじめていきたい」と話していた。■参考1)「平成30年版高齢社会白書」.内閣府;2018.2) 厚生労働省健康局がん対策・健康増進課栄養指導室.「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書. 厚生労働省;2014.3)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会.「高血圧治療ガイドライン(2014)」. 日本高血圧学会;2014.

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プライマリケアでの喘息管理、ICS/LABAでの比較

 喘息は、世界中で3億人以上が罹患する一般的な疾患である。これまでに、英国のプライマリケアでの喘息患者を対象に実施されたAsthma Salford Lung Study(喘息SLS)で、吸入ステロイド薬+長時間作用性吸入β2刺激薬(ICS/LABA配合薬)を含む標準治療の継続に比較し、1日1回のフルチカゾンフランカルボン酸エステル/ビランテロール(商品名:レルベア、以下FF/VI)を開始する治療が喘息コントロールをより改善することが示されている1)。 今回、喘息SLSの副次的解析として、ベースラインでフルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロール(商品名:アドエア、以下FP/Salm)を継続していたサブセットを対象に、FF/VI開始群とFP/Salm群の相対的有効性を検討した。その結果、プライマリケア環境下にある喘息患者において、FF/VIを開始するほうが、FP/Salmを継続するよりも、喘息のコントロールおよび健康関連QOLの改善、喘息増悪の軽減において、有意に優れていることが示唆された。なお、重篤な有害事象(SAE)に顕著な差はなかった。The Journal of Asthma誌オンライン版2018年7月4日号に掲載。 本試験では、喘息SLSの対象となった18歳以上の喘息患者4,233例のうち、試験以前からFP/Salmを継続している1,264例について、FF/VI(100[200]/25μg)開始群646例と、FP/Salm継続群618例に無作為に割り付けられた。このうち978例は、喘息コントロールテスト(ACT)スコアのベースラインが20未満であり、主要有効性解析(PEA)集団に組み込まれた。ACT、喘息QOL質問票(AQLQ)、職業生産性および活動障害に関する喘息質問票(WPAI)、重症度の増悪、サルブタモール吸入器の処方数、およびSAEを、12ヵ月間の治療期間を通して記録した。 主な結果は以下のとおり。・主要な有効性解析では、24週目のPEA集団において、ACT総スコアが20以上かつ/またはベースラインから3以上改善した患者の割合は、FP/Salm群の56%(n=253)に対し、FF/VI群では71%(n=323)と有意に高かった(オッズ比[OR]:2.03、95%信頼区間[CI]:1.53~2.68、p<0.001)。このベネフィットは、PEA集団の全測定時点にわたって一貫していた。・同様の結果が全集団において24週目に観察され、FP/Salm群の59%(n=335)に対し、FF/VI群で73%(n=431)であった(OR:1.94、95%CI:1.51~2.50、p<0.001)。このベネフィットは、全母集団の全測定時点にわたって一貫していた。・52週目の全集団において、AQLQ総スコアがベースラインから0.5ポイント以上変化した患者の割合は、FF/VI群では56%(n=325)、FP/Salm群では46%(n=258)と、FF/VI群のほうが有意に高かった(OR:1.70、95%CI:1.32~2.19、p<0.001)。・WPAIによって評価された喘息による活動性障害、年間喘息増悪率、サルブタモール吸入器の処方数においても、FP/Salm群に比べてFF/VI群で有意なベネフィットが示された。・SAEの評価では、肺炎が各治療群で6例、死亡は4例(FF/VI群:2例、FP/Salm群:2例)であった。これらの死亡と治験薬との因果関係は否定された。■参考1)Woodcock A, et al. Lancet. 2017;390:2247-2255.

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尿崩症診断、コペプチン測定が従来法を上回る精度/NEJM

 尿崩症の診断について、間接水制限試験と比べて高張食塩水負荷試験による血漿コペプチン値測定のほうが診断精度は高いことが、ドイツ・ライプチヒ大学のWiebke Fenske氏らによる検討の結果、示された。間接水制限試験は、現行参照すべき基準とされているが、技術的に扱いが難しく、結果が不正確である頻度が高い。研究グループは、尿崩症にアルギニンバソプレシンが関与していることから、アルギニンバソプレシン前駆体由来の代替マーカーである血漿コペプチンを測定する方法の有用性を検討するため、間接水制限試験と比較した。NEJM誌2018年8月2日号掲載の報告。水制限試験vs.高張食塩水負荷試験の診断精度を検証 試験は2013~17年に、スイス、ドイツ、ブラジルの11施設で、低張多尿であった16歳以上の患者156例を集めて行われた。被験者には水制限試験と高張食塩水負荷試験の両方を受けてもらい3ヵ月間のフォローアップ受診を行った。高張食塩水負荷試験では、高張食塩水を静注後、血漿ナトリウム値が150mmol/L以上となった時点で血漿コペプチン値を測定した。 主要アウトカムは、最終参照診断と比較した各試験の全体的な診断精度であった。参照診断は、コペプチン値をマスキングし、病歴、試験結果、治療効果に基づき確定した。コペプチンカットオフ値>4.9pmol/Lの診断精度96.5% 両試験が行われたのは144例で、最終診断は、原発性多飲症82例(57%)、中枢性尿崩症59例(41%)、腎性尿崩症3例(2%)であった。 解析には141例(女性66%)が包含された。そのうち、間接水制限試験で正しく診断が下されたのは108例(診断精度76.6%、95%信頼区間[CI]:68.9~83.2)であったのに対し、高張食塩水負荷試験(コペプチンカットオフ値>4.9pmol/L)では136例(96.5%、92.1~98.6)で正しい診断が下された(p<0.001)。 また、間接水制限試験で、原発性多飲症と部分型中枢性尿崩症を正しく鑑別できたのは77/105例(73.3%、63.9~81.2)であったが、高張食塩水負荷試験では99/104例(95.2%、89.4~98.1)であった(補正後p<0.001)。 重篤な有害事象は、間接水制限試験で入院に至ったデスモプレシン誘発性低ナトリウム血症1例が報告された。

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腹部大動脈瘤スクリーニング、男女で異なるべき/Lancet

 英国において、女性に対する腹部大動脈瘤(AAA)スクリーニングプログラムは、男性と同様のデザインでは、費用対効果が得られそうもないという。英国・ケンブリッジ大学のMichael J. Sweeting氏らによる解析結果で、Lancet誌オンライン版2018年7月26日号で発表された。英国においてAAA死亡に占める女性の割合は3分の1。男性については、国家的スクリーニングプログラムで死亡が減少し、費用対効果が認められているが、女性に同様のプログラムを提供した場合の有益性、有害性、および費用対効果については、公式な評価は行われていなかった。スクリーニングの増分費用対効果比などを検証 研究グループは、女性へのAAAスクリーニングの臨床的有益性、有害性、費用対効果を解析するために、決定モデルを開発し、女性集団(AAAスクリーニング参加群vs.非参加群)のあらかじめ定義されたアウトカムとして、AAA起因の死亡、生存年、質調整生存年、コスト、増分費用対効果比を評価した。 AAAスクリーニング、サーベイランス、介入について個別のイベントシミュレーションモデルも設定。女性特有の関連パラメータを、系統的な論文レビュー、ナショナルレジストリ、公的データベース、主要なAAA手術試験、英国国民保健サービス(NHS:National Health Service)の参照コストなどから入手し検討した。実施年齢、判定指標などの適切なオプション開発が必要 英国女性に対するAAAスクリーニングは現在、英国男性に提供されているもの(65歳時、大動脈径≧3.0cmでAAAと診断、≧5.5cmで待機的手術を検討)と同様であり、30年以上実施されている。その推定増分費用対効果比は、3万ポンド(95%信頼区間[CI]:1万2,000~8万7,000)/質調整生存年獲得であった。スクリーニング参加者3,900人につきAAA関連死1例を予防可能であり、過剰診断の割合は33%と推算された。 女性のための修正オプション(70歳時にスクリーニング、AAA診断は大動脈径2.5cm、手術検討は同5.0cmとする)では、推定増分費用対効果比は、2万3,000ポンド(9,500~7万1,000)/質調整生存年獲得で、AAA関連死1例の予防に必要なスクリーニング参加者は1,800人であったが、過剰診断の割合は55%と推算された。 AAA有病率についての不確かさ、異なる年齢での女性の大動脈径分布、スクリーニングのQOLへの効果などが大きく影響して、費用対効果比にはかなりの不確実性があった。 これらを踏まえて著者は、「女性における大動脈径分布、スクリーニングに関連したQOL低下の可能性についてさらなる研究を行い、修正オプションの完全な有益性と有害性を評価する必要がある」とまとめている。

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医師こそ起業を考えよう!【医師のためのお金の話】第11回

医師こそ起業を考えよう!こんにちは、自由気ままな整形外科医です。前回まで、資産形成の総論、金融投資、および不動産投資を詳述してきました。そして、ここまで実践できている方には、ぜひ挑戦してほしいことがあります。それは、新規ビジネスでの起業です。株式・通貨などの金融投資や不動産投資は、既存の仕組みに対する投資です。市場への流動性の供給や快適で便利なスペースの提供などは、社会的に意義のあることでしょう。その一方で、新規ビジネスの立ち上げは、今までこの世に存在しなかった仕組みを創り上げる作業です。社会の発展のためには、新しいサービスの創造が欠かせません。もちろん、自分にできることは、本当に小さなことかもしれません。しかし、その小さな創造の積み重ねが、社会の健全な発展に資するのです。金融投資や不動産投資で培ってきたマネジメント能力があれば、新規ビジネスを立ち上げる際にも有利です。あなたも、今まで世界に存在しなかったモノを創ってみませんか?たしかに起業は難しい起業という言葉に対して、どのようなイメージをお持ちでしょうか? 何となく「かっこいい!」や「裕福そう!」などといったポジティブなイメージがあるかもしれません。しかし、いざ自分で新規ビジネスを立ち上げるとなると話は別です。「失敗したらどうしよう」「そもそも何をどうすればよいのかわからない」という方が大半なのではないでしょうか?多くの人が、起業は「難しい」「怖い」というネガティブなイメージを持つことは当然のことです。実際に新規ビジネスを立ち上げても、最初から順風満帆に事業が拡大できることは「まれ」です。なぜならば起業には、「タイミング」「アイデア」「コミュニケーション能力」「人材のマネジメント能力」「資金調達能力」などの総合力が必要とされているからです。これだけ広い範囲の能力を、ひとりの人間が網羅することは容易ではありません。そして、おそらくこれらの能力の1つでも欠けていれば、ビジネスが成功する可能性は著しく低下します。このように言うと、新規ビジネスの立ち上げなんか自分には無理だと思ってしまいそうです。医師が起業に向く3つの理由確かに、この世に存在しない仕組みを創り上げる作業が難しいことは事実です。しかし、起業するうえで、医師はかなり有利なポジションにあることをお伝えしたいと思います。その理由として、下記の3つが挙げられます。1.医師免許というセーフティネットがある2.医師免許という高い参入障壁を利用して戦うことができる3.同業の人脈を利用できるやはり、医師が起業するうえで医師免許の強みを語らずにはおれません。私たちは、医師免許の存在を普段あまり感じません。自分たちが身に付けている高度な医学的知識や技術こそが、報酬を得る源泉であると思っている方が大半ではないでしょうか。もちろん、そのとおりなのですが、実際には医師免許がなければ医療行為は認められません。そして、業務独占資格として供給が絞られているため、医師免許さえあれば経済的に困ることはありません。つまり、起業に失敗しても、医師免許さえあれば食うに困る状態にはならないのです。このアドバンテージはきわめて大きいと思います。失敗しても経済的にはさほど困らないので、思い切って起業に挑むことができるからです。また、前述のように医師免許は業務独占資格なので、一般の人は医療行為を行うことができません。このことはきわめて高い参入障壁となります。普通のビジネスでは海千山千の強者と同じ土俵で戦わなければならないのですが、医師免許の範囲内に留まる限り、彼らが脅威になることはありません。競争相手が少なく、レベルも高くないので、温室のような環境でビジネスを構築することが可能になります。人脈に関しても医師は有利です。医師をはじめとする各種医療系資格保有者と接触できるため、一般人と比較してもビジネスの横展開が容易になります。実は私が、現在注力しているスタートアップにおいても、医師として人脈を最大限利用しています。医療業界以外の人では、決して真似のできないアドバンテージなのです。リスクが低いなら躊躇しない!ここまで詳述してきたように、医師と起業は親和性が高いと思います。実際、医療は進歩が目覚ましい領域なので、起業のネタには事欠きません。最近では、AIや再生医療での起業事例が多いようですが、それ以外にもたくさんの起業家医師が登場しています。失敗しても失うものがほとんどないので、チャンスがあれば起業にチャレンジすることは理にかなっています。自分には無理だと自らブレーキをかける前に、キャリア選択の1つとして、起業も考えてみてはいかがでしょうか。

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第13回 【最終回】薬剤師ってなんでしょうか。私の答えは。【はらこしなみの在宅訪問日誌】

こんにちは。在宅訪問専任の薬剤師・はらこしなみです。薬剤師ってなんでしょうか。薬を扱うだけでなく、人と向き合う職業。人として...の部分も成長させなければ、と思いつつ、薬剤師業務も幅広く、健康サポート、禁煙、セルフメディケーションなどからTDM、処方解析、感染予防、がん専門、認知症専門...など専門薬剤師も多々あり。自分が何を目指していくのか、悩む反面、様々な可能性があると感じています。医療と介護を繋いだり、患者さんと医療者を繋いだり。健康な時から関わることができる薬局(薬剤師)は人生全般に寄り添うことが可能で、アドバンスケアプランニング※にも大きく影響してくる...。これは凄いことでは?※将来の意思決定能力の低下に備えて、患者さまやそのご家族とケア全体の目標や具体的な治療・療養について話し合うプロセス。もしバナのすすめ(アドバンス・ケア・プランニングって何ですか?)よりhttp://www.kameda.com/patient/topic/acp/index.html 薬局の外に出るまで「薬剤師がいなくちゃ!」な時に巡り会うことがあまりなく特に調剤薬局では、病名も分からないまま、処方箋調剤し、主治医と処方について話せるわけでもなく、効率よく患者さんをさばき...しかし、外に出て、医師や看護師と話して、世界が広がりました。医療者として、頼られたり認められたりしながら、主治医から意見を求められることも増えてきました。処方提案し、症状が悪化して、薬剤が原因だろう、と言われて落ち込み、責任の重さを痛感しています。薬剤師法第1条・・・国民の健康な生活を確保する今になって、その重みを感じています。そう、原点はここ。時代が変わっても。薬剤師業務が拡がっても。 そして、チーム。私は在宅チームに参画して、薬剤師として、だけでなく、対人援助者としても存在意義がある、と思えるようになりました。患者さんの前で、薬剤師だけではどうにもならないとき...。それでも私を必要としてくれる人がいることを学びました。事例検討、難病対策や意思決定支援、エンディングノートを書いたり、栄養や薬剤の勉強をしたり、保険点数のテストを一緒に解いたり、日々の悩みを共有し、笑って、泣いて、いつしかチームが私の癒しに。メンバーがチームとしてまとまると1人ではないと感じます。訪問時は1人(孤独)ですが、相談できる仲間がいる安心感。 薬局の外に出て、命を前にした時の怖さ、緊張...命を考える時間は、私の死生観を深いものにしてくれました。逃げられない責任は、喜びと使命感に変わりました。「今、私は何ができるのか?」「今、私がすべきことは?」いつまでも探して、そうやって進むしかない。在宅訪問専任の薬剤師として思い悩む日々が、今の私を作ってくれました。「多くのすべきことがある」今は、そう考えています。悩みはつきないけれど、私のことを待っている患者さんがいます。必要としてくれるメンバーもいます。 なぜか、在宅は大変・・・のように言われますが(暑くても、台風でも、拒否されても、怒鳴られても・・・行かねばなりませんが)、大変なだけではない面白さや魅力がこの連載を通じて伝わったらよいなと思っています。私の思い、読者のみなさんに届くといいなーーー!!さ、今日も在宅に行ってきます。

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第2回 重症低血糖を防ぐために【高齢者糖尿病診療のコツ】

第2回 重症低血糖を防ぐためにQ1 低血糖により高まるリスクにはどのようなものがありますか?高齢者の低血糖はさまざまな悪影響を及ぼします(表1)。軽症の低血糖でも認知機能障害を及ぼすことがあるため注意が必要です。また、低血糖の頻度が多くなるとうつ症状や糖尿病負担感の増加をもたらし、QOL低下を招きます。低血糖があると転倒や骨折が起こりやすくなり、重症化すると心血管疾患、うつ、認知症、および死亡のリスク因子ともなります。さらに重症低血糖と認知症、うつ、フレイルは相互に悪循環をもたらします。画像を拡大するQ2 高齢者で低血糖が起こりやすくなる理由、若年者とは違う“非典型的な”症状とは?高齢者(とくに75歳以上)で重症低血糖を起こしやすくなる原因は、(1)腎機能障害による経口血糖降下薬の蓄積、(2)加齢による低血糖症状の変化、(3)急な食事摂取量の低下、(4)低血糖の対処能力の低下、(5)薬剤の誤用などがあります(図1)。画像を拡大するとくに80歳以上では、腎機能障害(eGFR 45mL/分/1.73 m2未満)の頻度が多くなり、腎排泄の経口血糖降下薬(とくにSU薬)の蓄積をもたらします。持続時間が長いSU薬では、重症低血糖だけでなく、ブドウ糖投与で一時回復後も低血糖が持続する「遷延性低血糖」もきたしやすい点に注意が必要です。低血糖の典型的な自律神経症状である発汗、動悸、手のふるえなどが60歳以上では出にくくなり、無自覚性低血糖が起こりやすくなります。高齢者の低血糖では、頭がくらくらする、体がふらふらする、めまい、脱力感といった非典型的な症状であらわれることが多いので、見逃さないように注意が必要です。そのほか、目が見にくい、ろれつ不良、動作がぎこちない、片麻痺、物事の段取りがうまくいかない、意欲低下、せん妄などの神経・精神症状が起こる場合もあります。高齢者では肺炎などの急性疾患によって、急激に食事摂取量が低下することが多くなり、嘔吐、下痢などの消化器症状をきたすこともあります。こうしたシックデイ時に、SU薬やインスリンを通常量で服用・投与してしまうと、重症低血糖をきたす恐れがあるので、SU薬の減量・中止やインスリンの減量を適切に行うことが重要です。また、欠食などの食生活の乱れが低血糖の誘因になる場合もあります。認知症を合併した糖尿病患者では、低血糖への対処ができないために、さらに重症低血糖のリスクが高まります。普段は認知機能が正常な高齢者であっても、血糖値が47~54mg/dLになると認知機能障害を起こすことが知られています(図2)。軽度の低血糖であっても、実行機能障害、注意力低下、判断力低下などの認知機能障害を起こし、ブドウ糖をとるといった低血糖の対処ができなくなる事態が起こり得ます。この低血糖による認知機能障害は、認知症と異なり血糖値の正常化により回復することが多いので、ブドウ糖投与で症状が改善するかどうかを確認します。画像を拡大するQ3 どのような患者が低血糖を起こしやすいのでしょうか?表2に重症低血糖を起こしやすい患者の特徴を示します。加齢と関連する特徴としては、とくに認知機能障害の重症度が進むにつれて、低血糖リスクも高くなることに注意が必要です(図3)。画像を拡大する画像を拡大する Q4 低血糖を何とか未然に防ぐ“コツ”はあるでしょうか?1)低血糖の予測経口血糖降下薬を使用している場合、HbA1c 7.0%未満(または空腹時血糖110mg/dL未満)で低血糖リスクが加速度的に高まるので9)、低血糖とみられる症状がないか問診を行います。またインスリン使用者ではHbA1c高値でも、低血糖が起こる可能性を考える必要があります。2)SU薬の減量・中止SU薬はeGFRで腎機能を評価しながら、できるだけ少量で用います。eGFR 45mL/分/1.73m2未満で減量、eGFR30mL/分/1.73m2未満で原則中止とされています。高齢者ではグリベンクラミドの使用を控え、グリメピリドは0.5mg/日でも低血糖が起こりうることに注意が必要です。グリクラジドが最も低血糖のリスクが小さく、10~20mg/日の少量で使用します。HbA1c6.5%未満または何らかの低血糖の症状がみられた場合には、SU薬をさらに減量すべきでしょう。最終的には、グリクラジド10~20mg/日かグリニド薬に変更します。3)血糖自己測定の活用とインスリンの減量インスリン治療中、HbA1cが高くても低血糖リスクが高まるのは、日内または日差の血糖変動が大きいために、血糖値やHbA1cの値だけでインスリンを増量すると低血糖を起こしやすいことが原因と考えられます。したがって、血糖測定を毎食前と眠前の1日4回行い、血糖変動をみながらインスリン量を慎重に調節することが重要になります。同じ時間帯に血糖100mg/dL未満が連続する場合には、責任インスリン(その時間の血糖値に最も影響を及ぼしているインスリン)を1~2単位減量できないか検討するとよいでしょう。SU薬でもインスリン治療でも、低血糖は午前5時、6時台の発生が最も多くなります。したがって、早朝5時の血糖測定を行うことができれば理想的です。午前5時の血糖値100mg/dL未満が連続する場合も、インスリンの減量を検討します。4)柔軟な血糖コントロール目標日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同委員会による「高齢者の血糖コントロール目標 (HbA1c値)」では、重症低血糖が危惧される薬剤(インスリンやSU薬、グリニド薬など)の使用がある場合は、重症低血糖を防ぐために目標値を甘めに設定しており、さらに目標下限値も設定しています。もし目標下限値を下回ったら、問診、またはSMBG、CGM、FGMなどを活用して低血糖の評価を行うべきでしょう。低血糖がなければ現在の治療を継続しますが、無自覚性低血糖がある場合は、それらの薬剤を減量します。例えばHbA1c6.0%未満など、下限値を大きく下回る場合は、その時点でSU薬やインスリンの減量を考慮したほうがよいでしょう。5)低血糖教育高齢者では重症低血糖のリスクが高い患者に対して、患者のみならず介護者を含めて、低血糖教育を行うことが大切になります。(1)高齢者の低血糖の非典型的な症状とその対処法、(2)毎食炭水化物を摂取し、欠食や極端な炭水化物制限をしないこと、(3)運動時の低血糖に注意すること、(4)食事摂取量が低下した場合や下痢、嘔吐の場合にはSU薬を減量・中止、またはインスリンを減量すること、を理解してもらうことが必要です。 1)Warren RE, Frier BM. Diabetes Obes Metab. 2005;5:493-503.2)Araki A, et al. J Am Geriatr Soc. 2004;52:205-10.3)Laiteerapong N, et al. Diabetes Care. 2011;34:1749-53.4)Johnston SS, et al. Diabetes Obes Metab. 2012;14:634-43.5)Chiba Y, et al. J Diabetes Complications. 2015;29:898-902.6)Pilotto A, et al. Biomed Res Int. 2014 Feb 13.[Epub ahead of print]7)Whitmer RA, et al. JAMA. 2009;301:1565-72.8)Goto A, et al. BMJ. 2013 Jul 29;347:f4533.9)Bramlage P, et al. Cardiovasc Diabetol. 2012;11:122. 10)Feil DG, et al. J Am Geriatr Soc. 2011;59:2263-72.

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ギャンブルがアルコール消費に及ぼす影響

 アルコールとギャンブルとの関連を調査した実験的研究では、主にアルコールのギャンブル行動への影響に焦点が当てられている。逆に、ギャンブルがその後のアルコール消費に及ぼす影響については、ほとんど論じられていなかった。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のJuliette Tobias-Webb氏らは、ギャンブルとその成果が、後のアルコール消費に及ぼす影響について、2つの実験を行い評価した。Journal of Gambling Studies誌オンライン版2018年7月11日号の報告。 実験1では、参加者53例には、アルコールを含む飲料を30分間要求することができる自由摂取試験(ad libitum consumption test)を実施した。実験2では、参加者29例には、ビールのテイスティング検査手順(beer taste test procedure)に従い、ビールの種類の評価を課した。両実験において、日常的にギャンブルを行う男性は、アルコールが提供される前に、30分間テレビを見る群かスロットマシーンを行う群に割り付けられた。 主な結果は以下のとおり。・実験1において、ギャンブルは、アルコール飲料の注文数、消費量、飲酒ペース、飲酒意向を有意に増加させた。・実験2では、これらの影響は確認されなかった。・両実験において、ギャンブルの成果とアルコール消費との関連は認められなかった。 著者らは「これまでの研究と関連し、特定の条件下でのギャンブルがアルコール消費を促進する点は、ギャンブルとアルコールが互いに増強する可能性のあるフィードバックループを形成していることを意味する。しかし、両実験における結果の相違は、影響の境界条件を示唆しており、今後の研究を行ううえで、ギャンブルとアルコール消費との関連を測定するためには、方法論的考察の検討が必要である」としている。■関連記事ギャンブル依存とADHD症状との関連アルコール依存症に対するバクロフェン治療に関するメタ解析アルコール依存症治療に期待される抗てんかん薬

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地中海食は乾癬の重症化を遅らせる?

 乾癬は、慢性炎症性疾患である。地中海食(MEDI-LITE)は慢性炎症を軽減し、メタボリックシンドロームおよび心血管イベントのリスクに対し有益である。これに伴い、フランス・パリ・エスト・クレテイユ大学のCeline Phan氏らは、乾癬の発症や重症度にMEDI-LITEが強く影響することを仮説立てた。その検証の結果、重症乾癬患者では地中海食に対する順守度が低いことが明らかになった。著者は、「今回の結果は、地中海食が乾癬の進行を遅らせる可能性があるという仮説を支持するものである。この知見が確認されれば、中等症~重症乾癬の日常管理にMEDI-LITEの順守を組み込むべきである」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年7月25日号掲載の報告。 研究グループは、2009年5月にフランスで開始されたウェブでのアンケートによる観察コホート研究NutriNet-Santeプログラム(現在も進行中)を利用した。また、本究は、NutriNet-Santeプログラムの枠組み内で行われ、2017年4~6月の間に収集・分析されたデータを使用した。 検証済みのオンライン自己記入アンケートにより乾癬患者を特定し、「重症乾癬」「非重症乾癬」「乾癬なし(非乾癬)」と、病態を重症度別に分類した。プログラムへの参加から最初の2年間の食事摂取量(アルコールを含む)に関するデータを収集して、MEDI-LITEスコア(まったく順守していない[0]~最大限順守[18])を算出した。潜在的な交絡因子(年齢、性別、身体活動、BMI、喫煙、心疾患罹病歴)についても記録された。 多項ロジスティック回帰分析を用い、非乾癬者と比較した重症乾癬または非重症乾癬患者のリスクを推定した。 主な結果は以下のとおり。・NutriNet-Santeプログラムの参加者15万8,361例中、乾癬に関するアンケートの回答が得られたのは3万5,735例(23%)であった。・回答者の平均年齢±SDは47.5±14.0歳で、2万7,220例(76%)が女性であった。・回答者のうち、3,557例(10%)が乾癬に罹患していると回答した。・そのうち、重症乾癬は878例(24.7%)だった。また、299例(8.4%)はコホートに参加し2年以上経過の後に発症した。・交絡因子補正後に、MEDI-LITEスコアと重症乾癬への罹患の間に有意な逆相関が認められた。 ●MEDI-LITEスコアの第2三分位群(スコア8~9)のオッズ比(OR):0.71(95%信頼区間[CI]:0.55~0.92) ●同スコアの第3三分位群(スコア10~18)のOR:0.78(95%CI:0.59~1.01)

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肩インピンジメント症候群への鏡視下肩峰下除圧術は有効か/BMJ

 鏡視下肩峰下除圧術(arthroscopic subacromial decompression:ASD)は、最も一般的に行われている肩関節手術であり、肩インピンジメント症候群の治療にも用いられる。フィンランド・ヘルシンキ大学病院のMika Paavola氏らは、肩インピンジメント症候群へのASDは、プラセボとしての外科的介入を上回るベネフィットはもたらさないことを無作為化試験(FIMPACT試験)で示し、BMJ誌2018年7月19日号で報告した。最近の3つの系統的レビューでは、肩峰下除圧術の効果は運動療法を凌駕しないと報告されているが、ASDの有効性の評価には、適切な盲検化のために、手術をプラセボとした比較が求められるという。2年後の肩痛の改善度を3群で比較 本研究は、ASDの有用性を、プラセボとしての外科的介入および非手術的選択肢としての運動療法と比較する多施設共同二重盲検無作為化試験である(Sigrid Juselius Foundationなどの助成による)。 2005年2月1日~2015年6月25日の期間に、フィンランドの3つの公立病院に肩インピンジメント症候群の症状がみられる患者(35~65歳)が登録された。被験者(210例)は、手術を行う群(139例)または運動療法を行う群(71例)に無作為に割り付けられた。次いで、手術群は、診断的関節鏡検査(DA)を受けた後、さらにASDを施行する群(59例)またはそれ以上の外科的介入は行わない群(プラセボ群:63例)に無作為に割り付けられた。2年間のフォローアップが行われた。 運動療法群では、標準化されたプロトコールを用いた運動療法が、無作為化から2週間以内に開始された。DA群では、全身麻酔下で、肩甲上腕関節と肩峰下腔の関節鏡検査が行われた。ASD群では、DAを施行後に、肩峰下滑液包切除と、肩峰の骨棘および肩峰下面前外側の突出の切除が行われた。 主要アウトカムは、24ヵ月時の安静時および上肢挙上動作時の肩痛(視覚アナログスケール[VAS]:0[痛みなし]~100[極度の痛み]点)。肩痛VASの、臨床的に意義のある最小変化量の閾値は15点とした。2つの手術群で著明な効果、バイアスの可能性も ベースラインの平均年齢は、ASD群(59例)が50.5歳、DA群(63例)が50.8歳、運動療法群(71例)は50.4歳で、女性がそれぞれ71%、73%、66%を占めた。安静時VASの平均スコアは、41.3点、41.6点、41.7点、上肢動作時VASの平均スコアは、71.2点、72.3点、72.4点だった。 intention to treat解析では、ベースラインから24ヵ月時までに、ASD群、DA群ともに2つの主要アウトカムが著明に改善した(ASD群は安静時の肩痛VASが36.0点、上肢動作時の肩痛VASが55.4点に低下、DA群はそれぞれ31.4点、47.5点に低下)。肩痛VASの群間差(ASD群-DA群)は、安静時が-4.6点(95%信頼区間[CI]:-11.3~2.1、p=0.18)、上肢動作時は-9.0点(-18.1~0.2、p=0.054)と、いずれも有意差を認めなかった。 副次評価項目(Constant-Murleyスコア、Simple shoulder testスコア、15Dスコアなど)は、いずれもASD群とDA群に有意な差はみられなかった。 ASD群と運動療法群の比較では、ベースラインから24ヵ月時までに、両群とも2つの主要アウトカムが著明に改善し、肩痛VASの群間差(ASD群-運動療法群)は、安静時が-7.5点(95%CI:-14.0~-1.0、p=0.023)、上肢動作時は-12.0(-20.9~-3.2、p=0.008)であり、いずれもASD群の効果が有意に優れたが、両群間の平均差は事前に規定された臨床的に意義のある最小変化量を上回らなかった。 注意すべき点として、ASD群と運動療法群の比較では、非盲検による交絡だけでなく、2回目の無作為化の前にDAの結果などに基づき、手術群から予後不良の可能性が高い患者17例(12%)が除外されたが、運動療法群ではこれに相当する除外は行われておらず、結果としてASD群に有利となるバイアスが生じた可能性がある。 著者は、「ASDとDAは、いずれも痛みおよび機能的アウトカムを著明に改善し、有害事象の発生にも差はなかったが、ASDにはDAを超える効果を認めなかった」とまとめ、「これらの知見は、実臨床における肩インピンジメント症候群への肩峰下除圧術の施行を支持しない」と結論している。

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TAVR vs.SAVR、術後の右室機能低下と予後への影響【Dr.河田pick up】

 開心術後の右室機能の低下はこれまでにも報告されており、心肺バイパスに伴う虚血や心筋機能低下が関連すると考えられている。経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)と外科的大動脈弁置換術(SAVR)の治療成績を比較したPARTNER 2A試験の患者群において、SAVRが右室機能の低化と関連するか、右室機能の低化が死亡率と関連するかが検討された。米国クリーブランド・クリニックのPaul C. Cremer氏らによるEuropean Heart Journal誌オンライン版2018年7月21日号掲載の報告。PARTNER 2A試験から1,376例を抽出 PARTNER 2A試験は、重症の大動脈弁狭窄症患者2,032例をTAVR(Edwards Sapien XT valve)群とSAVR群に無作為に割り付けて行われ、STSスコアで予想される30日後の死亡率が、すべての患者で少なくとも4.0%であった。今回の研究では、PARTNER 2A試験からベースラインと30日後に心エコーが行われた1,376例が抽出され、また、右室機能の低下は30日後の心エコーでベースラインから1段階以上低化した場合と定義された。右室機能の低化はSAVR群で有意に多い 主要評価項目は30日後から2年までの全死亡率。TAVR群での744例中62例(8.3%)に対し、SAVR群では632例中156例(24.7%)で右室機能が低化していた(p

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パンクレリパーゼは膵がん患者の生存期間を延長する可能性

 パンクレリパーゼの投与により膵がん患者の生存期間が延長したことが、東京大学の斎藤 友隆氏らの研究によって明らかになった。Pancreas誌2018年8月号に掲載。 膵外分泌不全は膵がん患者の栄養状態を悪化させる疾患であるが、それに対する膵酵素補充療法の役割については評価が十分にされていない。そこで、膵がん患者への膵酵素補充療法の役割を評価するために、著者らは多施設非盲検ランダム化比較試験を実施した。 本研究では、化学療法を受けている切除不能な膵がん患者を、パンクレリパーゼ群と非パンクレリパーゼ群にランダムに割り当てた。パンクレリパーゼ群には、酵素活性が4万8,000ユニットのパンクレリパーゼを毎回の食事で投与した。ベースラインでは、NBT-PABA試験が行われた。主要評価項目は8週時点でのBMI変化、副次評価項目は全生存期間と8週時点での栄養状態変化とした。 主な結果は以下のとおり。・2014年5月~2016年5月の間で、88人の膵がん患者に対してNBT-PABA試験が行われ、患者の膵機能は通常の90%に低下していた。・8週時点でのBMI変化は、パンクレリパーゼ群で0.975、非パンクレリパーゼ群で0.980であり、両者に有意差は認められなかった。・栄養状態に関しても、両者で有意差は認められなかった。・全生存期間中央値は、パンクレリパーゼ群で19.0ヵ月、非パンクレリパーゼ群で12.0ヵ月であった。(p=0.070)

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弊社ウェブサイトのセキュリティ強化(TLS1.0/TLS1.1の停止)について

弊社ウェブサイトのセキュリティ強化(TLS1.0/TLS1.1の停止)についてこのたび、ケアネットではセキュリティ強化のために、2018年9月1日以降、暗号化通信方式「TLS1.0」「TLS1.1」のサポートを順次終了し、今後は、より安全な方式である「TLS 1.2」以降での接続のみをサポートすることとなります。※TLSとは、ご利用者がウェブサイトを閲覧する際の通信を暗号化することで、第三者による通信の盗聴や改ざんを防ぐための仕組みです。この変更により、一部のバージョンの古いOSやWebブラウザーからは弊社ウェブサービスがご利用いただけなくなります。何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。影響を受ける可能性のある主なWebブラウザーやOSは以下の通りです。該当するWebブラウザー、OSを利用している場合、新しいバージョンへの更新をご検討いただくようお願いいたします。WebブラウザーInternet Explorer 10 以前Chrome 29以前Firefox 26以前Safari 6以前OSWindows XP 以前Mac OS X 10.8(Mountain Lion)以前Android OS 4.4 以前iOS 4以前また、最新のWebブラウザーを利用している場合でも、「TLS 1.2」を有効にしていない場合、正しくアクセスできない場合があります。各Webブラウザーの設定画面等で、「TLS 1.2」を有効にするように設定変更をお願いいたします。ご不便をおかけいたしますが、なにとぞご理解を賜りますよう、お願いいたします。

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