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免疫チェックポイント阻害薬の再投与は有効か?【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第1回

第1回 免疫チェックポイント阻害薬の再投与は有効か?免疫チェックポイント阻害剤(ICI)が標準治療の一部となり、今後プラチナ併用療法との3~4剤併用がPD-L1発現レベルにかかわらず検討されるようになる。一方で、根治に導かれる対象はまだまだ少なく、増悪後の治療戦略は今後の検討課題である。前治療で有効性の高い薬剤の再投与はre-challengeと称され、小細胞肺がんにおけるプラチナ併用療法のre-challenge(Inoue A, Lung Cancer 2015)や遺伝子変異陽性例に対するチロシンキナーゼ阻害剤の再投与(Asahina H, Oncology 2010)が第II相試験レベルで行われてきた。ICIについて、先行する悪性黒色腫では単群第II相試験が複数報告され、初回治療と遜色のない効果のみならず安全性も忍容可能であることが報告されているものの、肺がんを含んだ報告はこれまでcase report(Hakozaki T, BMC Cancer 2018)が散見される程度であった。しかしながら2018年に入って徐々に新規の報告が増えてきており、今回その中から2報を取り上げる。1)Fujita K, et al. Retreatment with pembrolizumab in advanced non-small cell lung cancer patients previously treated with nivolumab: emerging reports of 12 cases.Cancer Chemotherapy and Pharmacology.2018;81:1105-1109.2)Bernard-Tessier A, et al. Outcomes of long-term responders to anti-programmed death 1 and anti-programmed death ligand 1 when being rechallenged with the same anti-programmed death 1 and anti-programmed death ligand 1 at progression.Eur J Cancer.2018;101:160-1641)について本邦から、12例の後方視的ケースシリーズニボルマブ(Nivo)既治療例に対するペムブロリズマブ(Pembro)の効果:ORR 8.3%と、やや期待外れではあるものの、約4割で病勢制御が得られている。2例が12ヵ月以上の長期奏効を呈しており、1例は前治療NivoでもPRが得られている一方、2例目は前治療Nivoの最良効果はPDであった。2)についてフランスから、ICI(PD-1/L1阻害剤)の第I相試験に参加した13例に同じICIを再投与したもの(プロトコール規定による前向き研究)。ORRは25%、PFS中央値は12ヵ月。1)、2)いずれも少数例の研究であり、これらをすぐさま実臨床に援用はできない。悪性黒色腫の報告も含めて、現時点では「再投与の安全性は問題なさそう」というのが最も明らかなことと思われる。今後、標準的な細胞障害性化学療法との比較試験が必要になってくると思われるが、下記のようないくつかの議論が必要である。どのような対象で再投与が有効なのか。有効例を対象にした2)の方が再投与の有効性は高いようにもみえるが、1)では初回不応例に再投与が有効性を示している。同じICIがよいのか、もしくはPD-1→PD-L1阻害剤のように変更したほうがよいのか。免疫関連有害事象(以下、irAE)を生じていても再投与は可能なのか。この点については、1)、2)とも詳細が不明である。ICIの再投与については国内外で臨床試験が進行中である(たとえばWJOG9616L:試験事務局 寺岡 俊輔@和歌山県立医科大学)。今後の情報集積が期待される。

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同居家族と産後うつ発症リスクとの関連

 産後うつ病(postpartum depression:PPD)には、多くの心理社会学的および生物学的なリスク因子がある。しかし、同居家族とPPDリスクとの関連性については検討されていなかった。大阪医科大学の本庄 かおり氏らは、日本人女性における同居家族と出産1ヵ月後のPPDリスクとの関連性を調査し、この関連性が、家計収入やパートナーの育児への関与によって影響を受けるかについて検討を行った。Social Science & Medicine誌オンライン版2018年10月2日号の報告。 対象は、日本人女性8万6,490例。データは、2011年に開始された大規模全国コホート研究である「子どもの健康と環境に関する全国調査(Japan Environment and Children's Study:JECS)」より抽出した。主要予測因子は、妊娠第1三半期における同居家族(パートナー、実親[たち]、義親[たち]、子供[たち])とした。アウトカムは、出産1ヵ月後のPPDとし、エジンバラ産後うつ病尺度で評価を行った。家族およびPPD発生率に対する調整オッズ比(OR)は、多変量ロジスティック回帰分析を用いて算出した。サブグループ分析は、家計収入やパートナーの育児への関与により実施した。 主な結果は以下のとおり。・各家族と同居していなかった女性におけるPPDの調整ORは、同居していた女性と比較し、以下のとおりであった。 ●パートナー 1.21(95%CI:1.07~1.37) ●実親(たち)1.13(95%CI:1.03~1.24) ●義親(たち)0.91(95%CI:0.84~0.98) ●子供(たち)1.42(95%CI:1.31~1.53)・パートナーの育児への関与レベルは、家族とPPDとの関連性を変化させた。 著者らは「“妊娠中の女性が誰と同居しているか”が、出産1ヵ月後のPPDリスクに影響を及ぼし、パートナーの育児への積極的な関与は、PPD発生率に対する家族の悪影響を減少させ、好影響を増加させた。これらは、パートナーの育児支援を高めるための介入が、生活状況にかかわらず、PPD予防に有効であることを示唆している」としている。■関連記事産後うつ病になりやすい女性の特徴:高知大産後うつ病への抗うつ薬治療、その課題は父親の産後うつ病、日本での有病率は

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オピオイド治療がん患者の便秘、2週間で5割超(OIC-J)/ESMO2018

 オピオイド誘発性便秘 (OIC)はオピオイド鎮痛治療で頻繁にみられる副作用であるが、その発症頻度を前向きに評価した研究はない。そのような中、オピオイド鎮痛薬治療を行ったがん疼痛患者を対象に、わが国のOICの発症頻度を調査したOIC-J研究が行われ、その結果を群馬県立がんセンターの今井久雄氏らが、ドイツ・ミュンヘンにおける欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)で発表した。 OIC-J研究は、多施設共同前向き観察研究。対象は、強オピオイド鎮痛薬治療を受けた20歳以上のがん疼痛患者(登録前の7日間に3回以上の排便あり)である。オピオイド鎮痛薬治療開始時から14日間の登録患者の排便習慣を記録し、OIC発症割合を調査した。主要評価項目はROME IV診断基準によるOIC発症割合。副次評価項目は、Bowel Function Index (BFI、スコア>28.8)、自発的排便回数([spontaneous bowel movement、以下SBM]、<3/週)、および医師診断によるOIC発症割合である。観察期間中の便秘治療は許容されている。 主な結果は以下のとおり。・2017年1月5日~2018年1月31日に220例が登録され、そのうち212例(男性145例、女性67例、平均年齢69.1歳)が解析対象となった。・主要評価項目であるRome IV診断基準による累積OIC発症割合は56.1%で、1週目と2週目の発症率はそれぞれ47.6%、36.8%であった。・緩下剤などの予防的便秘治療を受けた患者の累積OIC発症割合(Rome IV診断基準)は、1週間で43.1%、2週間で47.7%、予防的便秘治療を受けていない患者では、1週間で52.4%、2週間で65.0%であった。・Rome IV以外の診断基準を用いた2週間累積OIC発症率は、BFIで59.1%、SBMで44.8%、医師診断で61.4%であった。 国際的な診断基準であるRome IVにおいて、半数以上のがん患者が、オピオイド治療開始後2週間以内にOICを発症した。また、OICは緩下剤などの便秘治療を予防投与された患者においても半数近くで発症していた。

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心房細動発症後のがん発症率高い、肺がんは8倍にも

 デンマークの約5万5千人のコホート研究で、心房細動(AF)発症がその後の高いがん発症率に関連し、とくにAF診断後90日以内のがん発症率が高かったことを、デンマーク・Silkeborg Regional HospitalのNicklas Vinter氏らが報告した。Journal of the American Heart Association誌2018年9月4日号に掲載。 本研究は、Danish Diet, Cancer and Health studyにおいてベースライン時にAFおよびがんに罹患していなかった、男性2万6,222人および女性2万8,879人における集団ベースのコホート研究。参加者のAFの発症(Danish National Patient Registry)およびその後のがんの発症(Danish Cancer Registry)を2013年まで追跡した。新規発症したAFを時間依存性曝露としてCox比例ハザードモデルを使用した。 主な結果は以下のとおり。・男性(年齢中央値:56歳)と女性(同:56歳)の追跡期間中央値は、それぞれ16.7年、19.6年であった。・AFはがん全体の高いリスクと関連していた(男性のハザード比[HR]:1.41、95%信頼区間[CI]:1.26~1.58、女性のHR:1.15、95%CI:1.02~1.32)。また男性において、肺がん(HR:1.66、95%CI:1.19~2.30)、大腸がん(HR:1.37、95%CI:1.02~1.85)の高いリスクと関連していた。・AF診断後90日以内のがんリスクはより高かった。HR(95%CI)は以下のとおり。がん全体 男性:2.89(2.10~3.98)  女性:3.72(2.49~5.56)肺がん  男性:7.70(4.34~13.68) 女性:7.98(3.96~16.09)大腸がん 男性:3.35(1.03~10.90) 女性:5.91(2.44~14.29)

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重症外傷性脳損傷への早期の低体温療法、有益性なし/JAMA

 重症外傷性脳損傷(traumatic brain injury:TBI)患者において、早期の予防的低体温療法は正常体温管理と比較し、6ヵ月時の神経学的予後を改善しなかった。オーストラリア・モナシュ大学のD. James Cooper氏らによる多施設共同無作為化試験「The Prophylactic Hypothermia Trial to Lessen Traumatic Brain Injury-Randomized Clinical Trial:POLAR-RCT」の結果で、著者は、「重度のTBI患者に対する早期の予防的低体温療法は支持されない」とまとめている。これまで、重度TBI後の低体温療法導入は、脳神経を保護し、長期的な神経学的転帰を改善することが示唆されていたが、唯一の大規模無作為化試験では導入の遅れや低体温療法期間の制限など方法論的な限界があり、有益性は確認されていなかった。JAMA誌オンライン版2018年10月24日号掲載の報告。低体温療法vs.正常体温管理、6ヵ月後の神経学的予後を評価 研究グループは、2010年12月5日~2017年11月10日の期間で、6ヵ国にて院外および救急診療部の重症TBI患者計511例を登録し、低体温療法群(266例)および正常体温群(245例)に無作為に割り付けた(追跡期間最終日2018年5月15日)。 低体温療法群では、頭蓋内圧が上昇する場合、早期に低体温(33~35℃)を導入し少なくとも72時間、最大で7日間維持し、その後徐々に復温した。正常体温群では、必要時にラップ法による水冷式体表冷却を使用し37℃を目標とした。体温管理は両群ともに7日間実施され、他のすべての治療は担当医師の自由裁量とした。 主要評価項目は、評価者盲検による外傷後6ヵ月時の良好な神経学的予後または生活自立(拡張グラスゴー転帰尺度[GOS-Eスコア、範囲1~8点]で5~8点)とした。低体温療法で6ヵ月後の神経学的予後良好の患者は増加せず 511例中500例(平均[±SD]年齢34.5±13.4歳、男性402例[80.2%])で同意が得られ、466例が主要評価項目の評価を完遂した。 低体温療法は外傷後すぐに導入され(中央値1.8時間、IQR:1.0~2.7)、復温は徐々に実施された(中央値22.5時間、IQR:16~27)。6ヵ月時の神経学的予後良好であった患者は、低体温療法群117例(48.8%)、正常体温群111例(49.1%)で確認された(リスク差:0.4%[95%信頼区間[CI]:-9.4~8.7]、相対リスク:0.99[95%CI:0.82~1.19]、p=0.94)。 有害事象の発現率は、低体温療法群と正常体温群でそれぞれ、肺炎55.0% vs.51.3%、頭蓋内出血の新規発症または増加18.1% vs.15.4%であった。 著者は、研究の限界として、低体温療法群の患者の相当数が目標とした33℃に達しなかったこと、医師および患者の家族は盲検化されていなかったことなどを挙げている。

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切除不能TN乳がん1次治療でのアテゾリズマブ+nab-パクリタキセル/NEJM

 未治療の転移を有する/切除不能な局所進行トリプルネガティブ乳がん患者に対し、アテゾリズマブ+アルブミン懸濁型パクリタキセル(nab-パクリタキセル)併用療法は、intention-to-treat(ITT)集団およびPD-L1陽性サブグループのいずれにおいても無増悪生存期間(PFS)を延長することが認められた。有害事象は、各薬剤の既知の安全性プロファイルと一致していた。英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のPeter Schmid氏らが、第III相の国際多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験「IMpassion130試験」の結果を報告した。エストロゲン受容体陰性、プロゲステロン受容体陰性およびHER2陰性のトリプルネガティブ乳がん(TNBC)は予後不良の悪性疾患だが、nab-パクリタキセルはアテゾリズマブの抗腫瘍活性を高める可能性が示されていた。NEJM誌オンライン版2018年10月20日号掲載の報告。41ヵ国246施設902例について、プラセボ対照試験 IMpassion130試験は、41ヵ国246施設で実施された。2015年6月~2017年5月までに、転移を有する/切除不能な局所進行TNBCと診断され化学療法または全身療法歴のない患者902例を、アテゾリズマブ+nab-パクリタキセル(アテゾリズマブ)群と、プラセボ+nab-パクリタキセル(プラセボ)群に1対1の割合で無作為に割り付け(層別化因子:タキサン系薬剤投与歴、ベースライン時の肝転移の有無およびPD-L1発現状態)、疾患増悪または許容できない有害事象が発現するまで投与を継続した。 主要評価項目は2つで、ITT集団およびPD-L1陽性サブグループにおけるPFSならびに全生存期間(OS)であった。アテゾリズマブ+nab-パクリタキセルでPFSが有意に延長 追跡期間中央値12.9ヵ月において、PFS中央値はITT集団でアテゾリズマブ群7.2ヵ月、プラセボ群5.5ヵ月(病勢進行または死亡のハザード比[HR]:0.80、95%信頼区間[CI]:0.69~0.92、p=0.002)、PD-L1陽性サブグループでそれぞれ7.5ヵ月、5.0ヵ月(同HR:0.62、95%CI:0.49~0.78、p<0.001)であった。 OS中央値は、ITT集団でアテゾリズマブ群21.3ヵ月、プラセボ群17.6ヵ月(死亡のHR:0.84、95%CI:0.69~1.02、p=0.08)、PD-L1陽性サブグループでそれぞれ25.0ヵ月、15.5ヵ月(同HR:0.62、95%CI:0.45~0.86)であった。 新規の有害事象は確認されず、投与中止に至った有害事象の発現率はアテゾリズマブ群15.9%、プラセボ群8.2%であった。

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ニボルマブ・イピリムマブ併用、MSI-H/dMMR大腸がん1LでORR60%(CheckMate-142)/ESMO2018

 MSI-H/dMMの転移を有する大腸がん(mCRC)患者の1次治療として、抗PD-1抗体ニボルマブと抗CTLA-4抗体イピリムマブの併用療法が持続的な治療効果を示したことが明らかになった。ドイツ・ミュンヘンで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)で、米国・USC Norris Comprehensive Cancer CenterのHeinz-Josef Lenz氏により第II相CheckMate-142試験の新たな解析結果が発表された。 なお、米国では同試験別コホートからのデータに基づき、化学療法歴のある上記患者対象にニボルマブ単剤療法が2017年8月、ニボルマブとイピリムマブの併用療法が2018年7月に、米国食品医薬品局(FDA)からそれぞれ承認されている。 今回結果が発表されたコホートでは、治療歴のないMSI-H/dMMのmCRC患者において、病勢進行、死亡、または忍容できない毒性が認められるまで、ニボルマブ(3mg/kgを2週間間隔)とイピリムマブ(1mg/kgを6週間間隔)が投与された。主要評価項目は治験担当医評価による奏効率(ORR)で、副次評価項目は盲検独立中央委員会(BICR)評価によるORR、病勢コントロール率(DCR)、奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性などであった。 主な結果は以下のとおり。・45例の患者が組み入れられ、51%が男性、年齢中央値は66歳であった。ECOG PSは0(56%)/1(44%)、診断時の臨床病期はI~III期(62%)/IV期(38%)、リンチ症候群の患者が18%含まれ、PD-L1発現率は≧1%(27%)/<1%(58%)/不明(16%)。変異の有無についてはBRAF/KRAS野生型が29%、BRAF変異型が38%、KRAS変異型が22%、その他は不明であった。・追跡期間中央値13.8ヵ月(9~19ヵ月)で、治験担当医評価によるORRは60%、DCRは84%であり、3例(7%)で完全奏功(CR)、24例(53%)で部分奏功(PR)が確認された。PD-L1発現状態やBRAF/KRAS変異、リンチ症候群の有無によらず、奏功が得られていた。・データカットオフ時点で、DOR中央値は未達であった。奏効が得られた患者の82%で効果が持続中であり、74%で6ヵ月以上奏功が持続していた。 ・PFS中央値、OS中央値はともに未達であり、12ヵ月PFS率は77%(95%信頼区間[CI]: 62.0~87.2)、12ヵ月OS率は83%(95%CI:67.6~91.7)であった。・全Gradeの治療関連有害事象(TRAE)は78%の患者で発現し、多くみられた項目は、そう痒症(24%)、甲状腺機能低下症(18%)、無力症(16%)、関節痛(13%)であった。Grade3/4のTRAEは16%の患者で発現したが、治療中止に至ったのは7%と低く、忍容可能と考えられた。■参考CheckMate142試験(Clinical Trials.gov)■関連記事ニボルマブ・イピリムマブ併用、MSI-H/dMMR大腸がんに迅速承認/BMSニボルマブ・イピリムマブ併用、MSI-H大腸がんで有効性/ASCO-GI2018ニボルマブ、MSI-H転移性大腸がんに承認/FDA※医師限定肺がん最新情報ピックアップDoctors’Picksはこちら

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韓国映画「ザ・キング」【Dr. 中島の 新・徒然草】(245)

二百四十五の段 韓国映画「ザ・キング」今回も医療から離れたお話です。先日、阪急梅田駅に行くことがあり、ふと思いついて何年ぶりかに紀伊國屋に寄ってみました。アマゾンで本を買うことが多くなった今日この頃ではありますが、リアル書店というのも色々触発されることが多くて楽しいものです。その一角がCD/DVDコーナーとなっており、ズラリと並んでいるDVDの中に、韓国映画「ザ・キング」を見つけました。昨年夏に、カナダ行きの航空機の中で人助けをしたことは前にも述べましたが、実はその人助けの合間に見ていたのがこの映画だったのです。セリフが韓国語、字幕が英語という苦しい状況ではありましたが、あまりの面白さについつい最初から最後まで2時間余りを見てしまいました。ストーリーは以下の通り、簡単に紹介しましょう。主人公のパク・テスは1960年頃の生まれだという設定です。父子家庭に育ち、高校時代はケンカに明け暮れていました。ある日、乱暴者の父親が検事にペコペコしているのを見かけて、「俺は検事になるしかない!」と猛勉強してソウル大学に合格し、さらに勉強して司法試験にも1発で合格しました。憧れの検事になったのはいいけれども、1日に30件もの事件処理に忙殺され、2年間で5キロも痩せてしまいます。そんな時、先輩検事から「お前は選ばれた1%になりたいのか、それとも残り99%のありふれた検事になりたいのか?」と勧誘され、ハン・ガンシク率いる戦略部に引き抜かれます。そこからが裏社会、政財界を巻き込む一大派閥抗争の始まりです。これ以上はネタバレになるので、ここでは述べません。この映画の何がそんなに面白かったのか? まずはアホらしさです。リアルさを追求する日本映画に対して、リアルを突き抜けてしまい、見ている方がアホらしくなるほど大袈裟な描写の韓国映画。思わず画面に向かって「おいおいおい、それは無いやろ! 無茶苦茶や」と叫んでしまいます。次にスピード感。日本映画独特の「間」がどこにも見当たらず、場面がどんどん入れ替わっていきます。そして歴代韓国大統領の実写映像が時々挿入されているところ。もちろん事件のたびに隣国の日本も何らかの影響を受けてきたわけで、「あの時はそんなこともあったなあ」といささかの感慨にふけることもできます。あと、韓国語のセリフと画面に出てくるハングル文字がなかったら、日本の光景と見間違うくらいのパラレルワールドぶりも面白かった一要素です。実はこのDVD、「無茶苦茶面白いから一緒に見ようぜ」と女房に言ったのですが、「アンタが買って来た映画が面白かったためしがない!」と拒否されてしまいました。「そんな事いわずに15分だけ」と説得して再生を開始したのですが、女房は画面の前からピクリとも動かず。途中、「トイレに行くから一旦停止や!」と言ったのが1回だけ。全部見終って女房の口から出たセリフ。「この映画、ぜひともケアネットで紹介するべきやな」見る前と後とでは大違いでした。ハラハラと大笑いを交互に味わいながら2時間過ごしたい時に是非どうぞ。最後に1句そりゃねーよ! 韓流映画 やりすぎだ

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初期および慢性期の統合失調症を識別するマーカー

 初期および慢性期の統合失調症を識別する精神病理、認知機能、機能面、身体的健康、炎症マーカーを特定するため、スペイン・オビエド大学のL. Garcia-Alvarez氏らが検討を行った。The World Journal of Biological Psychiatry誌オンライン版2018年10月8日号の報告。 本研究は、統合失調症患者104例を対象とした横断的・自然主義的研究。対象患者は、罹病期間7年以下の初期統合失調症(ESSCH)群35例と罹病期間が10年超の慢性期統合失調症(LSSCH)群69例に分けられた。統計分析では、年齢、性別、BMI、1日当たりの喫煙本数でコントロールし、カイ二乗検定、スチューデントのt検定、ANCOVAまたはクェード検定を行った。最後に、二項ロジスティック回帰を実施した。 主な結果は以下のとおり。・ESSCH群は、より重症な陰性症状(t=2.465、p=0.015)、低IκBαレベル(F=7.644、p=0.007)が認められ、LSSCH群と比較し、正常体重の割合が高かった(40% vs.18.8%、p=0.032)。・二項ロジスティック回帰では、両群間の年齢(B=0.127、p=0.001)、IκBα(B=0.025、p=0.002)において差が認められ、分散の38.9%を占めていた(model df:7、カイ二乗:41.841、p<0.0001)。 著者らは「年齢およびIκBαは、ESSCHとLSSCHを識別する特異なマーカーである。これらの結果は、エピソードの有害性の仮説を支持しており、新規エピソード予防の重要性を強調するものだ」としている。■関連記事統合失調症患者の性格で予後を予測統合失調症の発症は予測できるか、ポイントは下垂体:富山大学統合失調症の新たなバイオマーカー:順天堂大学

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非心臓手術後の心房細動患者の血栓塞栓症リスクは?【Dr.河田pick up】

 循環器内科医は非心臓手術後に生じた心房細動に関するコンサルトを受けることが多い。心房細動は術後のストレスで生じただけなのか、また、術後ということもあり、抗凝固薬を継続すべきなのかの判断が難しいことが多い。今回は、非心臓手術後に発症した心房細動患者における血栓塞栓症リスクについてデンマークのグループが評価した論文を紹介したい。 非心臓手術後に発症した心房細動に対する長期の血栓塞栓症リスクはよくわかっておらず、脳梗塞の予防に関しての十分なデータがない。コペンハーゲン大学病院のJawad H. Butt氏らは、非心臓手術後に新たに発症・診断された心房細動患者における血栓塞栓症リスクを、非外科手術、非弁膜性心房細動患者と比較した。Journal of American College of Cardiology誌オンライン版2018年10月23日号に掲載の報告。 著者らはデンマークのナショナルレジストリを用いて、1996~2015年の間に非心臓手術後に心房細動を発症したすべての患者を同定した。これらの患者を、年齢、性別、心不全/高血圧/糖尿病/血栓塞栓症、虚血性心疾患の既往、診断年をマッチさせた、外科手術と関連しない非弁膜症性心房細動患者と1対4の割合で比較した。長期の血栓塞栓症リスクについては、多変量Cox回帰モデルを用いて解析された。 非心臓手術を受けた患者のうち、6,048例(0.4%)が術後の入院中に心房細動を発症した。頻度が多かったのは胸部・肺、血管、腹部手術であった。合計3,830例の術後心房細動患者を15,320例の非弁膜症性心房細動患者とマッチさせた。経口抗凝固薬は、退院後30日の時点で24.3%と41.3%の患者でそれぞれ投与されていた(p<0.001)。血栓塞栓症の長期リスクは両群で同様であった(千人年当たり、31.7イベントと29.9イベント、ハザード比[HR]:0.95、95%信頼区間[CI]:0.85~1.07)。フォローアップ期間中の抗凝固療法は、術後心房細動群(HR:0.52、95%CI:0.40~0.67)と非弁膜症性心房細動群(HR:0.56、95%CI:0.51~0.62)のいずれにおいても血栓塞栓症イベントリスクを同様に低下させていた。 著者らは非心臓手術後新規に診断された心房細動は、非弁膜症性心房細動と同様に血栓塞栓症の長期リスクがあると結論づけている。 術後の心房細動は一過性であり、予後は良いと考えられがちだが、今回の結果から、術後の心房細動に対しても非弁膜症性心房細動と同じようにリスクに応じた抗凝固療法を行う必要があると考えられる。術後のストレスに伴う心房細動か一過性か、そうでないのかを判断するのは非常に難しい問題だといえる。(Oregon Heart and Vascular Institute 河田 宏)関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

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アジア人でより有効、進行肺がんへのプラチナ+ペメトレキセド+アテゾリズマブ(IMpower132)/ESMO 2018

 Stage IV非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療におけるペメトレキセドとプラチナ製剤の併用療法、およびペメトレキセドによる維持療法へのPD-L1阻害薬アテゾリズマブの上乗せ効果を検討した第III相IMpower132試験では、アテゾリズマブ併用群で無増悪生存期間(PFS)を有意に延長したことがすでに発表されている(5.2ヵ月 vs.7.6ヵ月、ハザード比[HR]:0.60、95%信頼区間[CI]:0.49~0.72、p<0.0001)。ドイツ・ミュンヘンで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)では、本試験のサブグループ解析結果が、フランス・エクス=マルセイユ大学のFabrice Barlesi氏により発表された。IMpower132試験を年齢・人種・喫煙歴・肝転移の有無でサブグループ解析 IMpower132試験は、化学療法未治療の進行非扁平上皮NSCLC患者(EGFR/ALK陰性)を対象とし、カルボプラチンまたはシスプラチンとペメトレキセド併用→ペメトレキセド維持療法群(PP群)と、カルボプラチンまたはシスプラチンとペメトレキセド併用+アテゾリズマブ→ペメトレキセド+アテゾリズマブ維持療法群(APP群)を比較したオープンラベル多施設共同無作為化第III相試験。 今回のIMpower132試験のサブグループ解析では、年齢(<65歳/≧65歳)、人種(アジア人/非アジア人)、喫煙歴(非喫煙者/現在あるいは過去の喫煙者)、およびベースライン時点での肝転移の有無の4項目についてPFSおよび中間解析時点での全生存期間(OS)が評価された。 IMpower132試験のサブグループ解析の主な結果は以下のとおり。・データカットオフ(2018年5月22日)時点で、追跡期間中央値は14.8ヵ月であった。・年齢別(PFS中央値)<65歳(PP群167例 vs.APP群153例):4.4ヵ月 vs.6.9ヵ月(HR:0.63、95%CI:0.49~0.80)≧65歳(PP群119例 vs.APP群139例):5.6ヵ月 vs.8.4ヵ月(HR:0.55、95%CI:0.42~0.73)。・年齢別(OS中央値)<65歳:14.2ヵ月 vs.18.8ヵ月(HR:0.89、95%CI:0.62~1.21)。≧65歳:12.8ヵ月 vs.18.1ヵ月(HR:0.71、95%CI:0.50~1.01)。・人種別(PFS中央値)アジア人(PP群65例 vs.APP群71例):5.3ヵ月 vs.10.2ヵ月(HR:0.42、95%CI:0.028~0.63)。非アジア人(PP群221例 vs. APP群221例):5.0ヵ月 vs.6.9ヵ月(HR:0.65、95%CI:0.53~0.81)。・人種別(OS中央値)アジア人:NE vs.NE(HR:0.68、95%CI:0.37~1.24)。非アジア人:11.0ヵ月 vs.13.0ヵ月(HR:0.82、95%CI:0.64~1.06)。・喫煙歴別(PFS中央値)非喫煙者(PP群30例 vs.APP群37例):5.5ヵ月 vs.8.6ヵ月(HR:0.49、95%CI:0.28~0.87)。現在・あるいは過去の喫煙者(PP群256例 vs.APP群255例):5.1ヵ月 vs.7.5ヵ月(HR:0.61、95%CI:0.50~0.74)。・喫煙歴別(OS中央値)非喫煙者:13.3ヵ月 vs.18.1ヵ月(HR:0.65、95%CI:0.32~1.30)。現在・あるいは過去の喫煙者:13.6ヵ月 vs.18.8ヵ月(HR:0.83、95%CI:0.65~1.06)。・肝転移有無(PFS中央値)肝転移有(PP群36例 vs.APP群37例):4.0ヵ月 vs.4.4ヵ月(HR:0.77、95%CI:0.47~1.25)。肝転移無(PP群250例 vs.APP群255例):5.5ヵ月 vs.8.4ヵ月(HR:0.56、95%CI:0.46~0.69)。・肝転移有無(OS中央値)肝転移有:6.9ヵ月 vs.10.1ヵ月(HR:0.99、95%CI:0.57~1.70)。肝転移無:14.2ヵ月 vs.19.9ヵ月(HR:0.76、95%CI:0.59~0.98)。※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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進行乳がんへのパルボシクリブ+フルベストラント、OSの結果/NEJM

 ホルモン受容体陽性、HER2陰性の進行乳がんで、内分泌療法に感受性の認められた患者に対し、CDK4/6阻害薬パルボシクリブ+フルベストラント投与は、フルベストラント投与のみに比べ、全生存期間(OS)を延長することが示された。ただし、群間の有意差は示されなかった。英国・Institute of Cancer ResearchのNicholas C. Turner氏らが、521例を対象に行った第III相無作為化比較試験の結果で、NEJM誌オンライン版2018年10月20日号で発表された。今回の報告は、同試験の事前規定の副次評価項目OSについての解析結果で、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は延長したことがすでに報告されている(palbociclib、内分泌療法後に進行した乳がんのPFS延長/NEJM)。内分泌療法への感受性や閉経前・後などの層別因子によるパルボシクリブの効果を検証 試験は、ホルモン受容体陽性、HER2陰性の進行乳がん患者で、既治療の内分泌療法中に再発または進行が認められた患者521例を対象に行われた。 被験者を無作為に2対1の2群に分け、一方にはパルボシクリブ+フルベストラントを、もう一方にはプラセボ+フルベストラントをそれぞれ投与した。 OSについて解析し、事前に規定した層別因子である内分泌療法への感受性の有無、転移を有する内臓疾患の有無、閉経前・後に対するパルボシクリブの有効性、進行後の後続治療の有効性、および安全性について検証した。パルボシクリブ群の内分泌療法に感受性ある患者のOS中央値は39.7ヵ月 OS中央値は、パルボシクリブ群34.9ヵ月(95%信頼区間[CI]:28.8~40.0)、プラセボ群28.0ヵ月(同:23.6~34.6)だった(ハザード比[HR]:0.81、95%CI:0.64~1.03、p=0.09、絶対差:6.9ヵ月)。 試験レジメン終了後のCDK4/6阻害薬治療は、プラセボ群の患者16%に対して行われた。 既治療の内分泌療法に感受性の認められた410例において、OS中央値はパルボシクリブ群39.7ヵ月(95%CI:34.8~45.7)、プラセボ群29.7ヵ月(同:23.8~37.9)だった(HR:0.72、95%CI:0.55~0.94、絶対差:10.0ヵ月)。 後続治療の期間中央値は、両群で同等だった。化学療法を受けるまでの期間中央値は、パルボシクリブ群17.6ヵ月、プラセボ群8.8ヵ月だった(HR:0.58、同:0.47~0.73、p<0.001)。 パルボシクリブの新たな安全性に関する兆候は、追跡期間44.8ヵ月において観察されなかった。

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ICU患者のせん妄に、抗精神病薬は効果なし/NEJM

 急性呼吸不全またはショックでICUに入室する、低活動型あるいは過活動型せん妄が認められる患者に対し、ハロペリドールまたはziprasidoneを投与しても、せん妄の発症期間を短縮する効果はないことが示された。米国・ピッツバーグ大学のTimothy D. Girard氏らが、約570例を対象に行った、無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果で、これまで、せん妄が認められるICU入室患者に対する抗精神病薬の効果について、一貫したデータは存在していなかった。NEJM誌オンライン版2018年10月22日号掲載の報告。ハロペリドールvs.ziprasidone vs.プラセボ、投与量は12時間ごとに調整 研究グループは、急性呼吸不全またはショックでICUに入室した1,183例のうち、低活動型あるいは過活動型せん妄が認められた患者566例を対象に試験を行った。 患者を無作為に3群に分け、ハロペリドール(192例、最大投与量:20mg/日)、ziprasidone(190例、同:40mg/日)またはプラセボ(184例)を、それぞれ急速静脈内投与した。試験薬とプラセボの投与量については、ICUにおけるせん妄評価法(CAM-ICU)によるせん妄の程度や、投与による副作用を基に、12時間ごとに半減、または倍量に調整した。 主要評価項目は、14日間の介入期間中のせん妄または昏睡のない生存日数だった。副次評価項目は、30日および90日生存率、人工呼吸器離脱までの期間、ICU退室までの期間、病院退院までの期間などだった。介入期間中のせん妄・昏睡のない生存日数は3群で同等 被験者566例のうち、低活動型せん妄は89%、過活動型せん妄は11%だった。試験薬・プラセボの投与日数中央値は4日(四分位範囲:3~7)だった。 14日間の介入期間中のせん妄または昏睡のない生存日数は、ハロペリドール群7.9日(95%信頼区間[CI]:4.4~9.6)、ziprasidone群8.7日(同:5.9~10.0)で、プラセボ群8.5日(同:5.6~9.9)と、3群間で有意差はなかった(試験群間全体の効果に関するp=0.26)。 ハロペリドールまたはziprasidoneとプラセボを比較した場合も、主要評価項目の発生について有意差はなかった。それぞれのオッズ比は0.88(95%CI:0.64~1.21)、1.04(同:0.73~1.48)だった。 副次評価項目および錐体外路症状の発現頻度についても、群間で有意差は認められなかった。

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第12回 内科からのホスホマイシンの処方【適正使用に貢献したい  抗菌薬の処方解析】

Q1 予想される原因菌は?Salmonella enterica(サルモネラ)・・・10名Campylobacter(カンピロバクター)・・・9名Escherichia coli(大腸菌)・・・8名ノロウイルス、サポウイルス、ロタウイルスなどのウイルス・・・4名大腸菌へのホスホマイシン投与 奥村雪男さん(薬局)ひどい下痢・腹痛、食事内容から、細菌性腸炎の可能性があります。起因菌は疫学的にはカンピロバクター、サルモネラ、下痢原性大腸菌の場合が多いですが、ユッケは通常生の牛肉を使用していること、ホスホマイシンが選択されていることから、大腸菌が最も疑われている、もしくは警戒しているかも知れません。「JAID/JSC 感染症治療ガイドライン 2015─腸管感染症─」では、成人の細菌性腸炎のエンピリックセラピーとして、第一選択にはレボフロキサシン、シプロフロキサシンといったキノロン系抗菌薬、アレルギーがある場合の第二選択としてアジスロマイシンやセフトリアキソンが挙げられています。O157 などの腸管出血性大腸菌(enterohemorrhagic Escherichia coli ; EHEC)の場合、溶血性尿毒症症候群(hemolytic uremic syndrome ;HUS)※発症が問題となりますが、「発症から2日以内のホスホマイシンの使用はHUSの発症リスク低下と関連していた(補正後オッズ比0.15, 95%CI 0.03~0.78)」という報告1)があり、処方の際、それを意識されたのかも知れません。※ベロ(志賀)毒素を産生するO157などのEHEC感染をきっかけに、下痢症状を伴った溶血性貧血、血小板減少、急性腎不全を主な症状とする可能性は低いがノロウイルスかも JITHURYOUさん(病院)O111、O157などのEHEC、カンピロバクター、サルモネラ、貝類等を食している可能性を否定できないので、可能性は低いですがノロウイルス、ロタウイルスも考えられます。大腸菌がもっとも疑わしい 荒川隆之さん(病院)生肉による食中毒と思われるので、大腸菌やカンピロバクター、サルモネラなどが原因菌として考えられます。ただ、サルモネラの場合はニューキノロン系抗菌薬、カンピロバクターの場合はマクロライド系抗菌薬が第一選択となります。今回の症例はホスホマイシンを使用していることから、大腸菌が最も疑わしいかと思います。Q2 患者さんに確認することは?副作用歴、併用薬、採便をしたか 中堅薬剤師さん(薬局)抗菌薬関連の副作用歴、併用薬と、採便をしたかどうかを確認します。基礎疾患の有無 奥村雪男さん(薬局)薬(特にキノロン系抗菌薬)のアレルギーがあるか確認します。重症化のリスク因子となる免疫不全などの基礎疾患の有無も確認します。経過をもう一度確認 キャンプ人さん(病院)単なる胃腸炎の可能性もあるかもしれないので症状発現までの時間を確認します。便の培養結果はどうだったか。ノロウイルスの迅速結果はどうだったか(自費なので行わない施設もあるかもしれません)。便の色 柏木紀久さん(薬局)併用薬、便の色や状態(血が混じっているかどうか)、尿は出ているか、また尿の色などの状態はどうか、嘔吐や発熱はあるか、水分は摂取できているか。食事は摂れるか 中西剛明さん(薬局)食事の摂取が可能かどうか聞きます。用法に関連するからです。家族の情報も聞き出す わらび餅さん(病院)妻と子供の症状を尋ねます。患者と同じか、いつからか、血便や腹痛の場所、発熱の有無など患者や家族の症状詳細を聞き、家族としての原因菌や重症度の評価をします。また、妻や子供は現在、何の点滴をしているか、家族に処方箋は出たのかも確認したいです。脱水状態 JITHURYOUさん(病院)利尿薬やSGLT2阻害薬の併用確認をすることは重要だと思います。感染性胃腸炎では脱水により急性腎障害リスクが高くなり、これらの薬剤はもともとの薬理作用からそのリスクを助長する可能性があります。もしこれらの薬剤を使用していたら、一時休薬する必要性があると思います。他にも休薬すべき糖尿病治療薬はありますが、とりわけ脱水という視点で言うとこれらの薬剤になります。本症例では、現在意識清明で、脱水としても重症感はないのですが、ツルゴール反応※や尿量など確認したいと思います。※ ツルゴールとは皮膚の緊張のことで、前腕あるいは胸骨上の皮膚をつまみ上げて放し、2秒以内に皮膚が元の状態に戻れば正常と判断し、2秒以上かかるようであれば脱水症の可能性がある。Q3 疑義照会する?する・・・6人ホスホマイシンの使用量 荒川隆之さん(病院)ホスホマイシンの使用量が少ないので疑義照会します。ただEHECの場合、抗菌薬使用により菌の毒素放出が亢進されHUS発症の危険性が増すとの報告もあるので、使用量を加減しているのかもしれません。海外においては、EHECの場合に抗菌薬の使用を推奨しないことが多いのですが、国内ではホスホマイシンが有効であったとの報告1)もあり、議論の残るところです。腎障害を考慮しての減量の場合もあるかもしれませんが、もともと経口では血中濃度が上がりにくい抗菌薬ですので、ある程度ならば通常用量でよいと考えています。医師の処方意図、真意を探ることも意識して疑義照会を行います。用法の提案も 中西剛明さん(薬局)抗菌薬が必要か確認します。うっかり投与すると菌の破壊で毒素放出量が増加し、HUSを発症するかもしれないからです。個人的には、ホスホマイシンは使用しない方が安心できます。ホスホマイシンを投与するなら、食事を取れない可能性を考慮して、用法は食後ではなく、8時間ごとを提案します。抗菌薬は必要? JITHURYOUさんホスホマイシン投与量1.5g/日と投与期間について疑義照会します。仮にEHECとしても、抗菌薬治療に対しては要・不要双方の見解があります。本症例は、救急外来で点滴後に朝一番の来局ということもあり、重症感があまり感じられないこと、ホスホマイシン投与量が絶対的に少ないことなどを勘案すると、抗菌薬自体不要ではないのでしょうか。仮に必要だとして、このままホスホマイシンを続けるのか、JAID/JSC 感染症治療ガイドライン2015では1日2gとなっていること、第一選択薬であるニューキノロン系抗菌薬にしないのかを確認したいです。抗菌作用以外の効果(HUS予防や炎症性サイトカイン抑制)を狙っているのかも併せて確認したいです。しない・・・4人EHECの可能性の場合もあるので現状で様子見 清水直明さん(病院)疑義照会はしません。入院はしていないようなので、症状は軽症~中等症だと想定すると、カンピロバクター属菌、サルモネラ属菌やノロウイルス・サポウイルスなどのウイルス性の場合、抗菌薬投与は不要であると思います。しかしながら、万が一、O157を代表とするEHECの可能性がある場合には、HUSや脳炎などを併発して重篤化することが多いので、ホスホマイシンの投与で様子を見てもいいと思います。ただし、EHECに対する抗菌薬投与の是非については、専門家の間でも意見が分かれているようです。投与量はやや少なめですが、腸管内での作用を期待しており、ホスホマイシンのバイオアベイラビリティは比較的低く(吸収率は12%)、腸管内に高濃度でとどまるのでそのままとします。用量で迷うが・・・ ふな3さん(薬局)ホスホマイシンの量が少ない(2~3g/日が適当)と思います。微妙な量なので、疑義照会をするか非常に悩ましいところです。ホスホマイシンの有効性については議論があるところなので、疑義照会はしないと思います。Q4 抗菌薬について、患者さんに説明することは?抗菌薬の服用タイミング、抗菌薬を飲みきる 中堅薬剤師さん(薬局)抗菌薬は食後である必要はなく、食事できない場合でも、普段の食事の時間に合わせて服用してよいことを伝えます。採便をしたことが分かれば、ホスホマイシンはつなぎの治療であることを説明します。もし採便しておらず、再受診指示もないのであれば、自ら再受診した方がよいと助言します。再受診の目安 柏木紀久さん(薬局)注意してもらうのは脱水と二次感染、EHECだった場合はHUSへの移行が心配です。また、「血尿、浮腫、貧血、痙攣などが出たら再度受診してください」とも伝えます。下痢止めは使用しないこと 清水直明さん(病院)「指示された通りに正しく最後まで服用してください。ただし、服用の途中であっても、便に血が混じってきたり、意識障害など普段と違った様子が見られた場合は、すぐに救急外来を受診してください。市販の下痢止めは症状を悪化させることがあるので、使用しないでください。」水分補給と二次感染予防 ふな3さん(薬局)「食欲がなく食事が取れなくても、1日3回5日分、しっかり飲みきってください。下痢によって脱水症状が心配されますので、経口補水液などで、しっかり水分補給をしてください。(外出先での排便により感染を広げる可能性があるので)下痢が治まるまでは、自宅で過ごすようにしてください。自宅に他の同居家族がいる場合には、ドアノブ・便器の消毒やタオルの共用を避けるなど注意してください。」Q5 その他、気付いたことは?検査結果までのつなぎ 中堅薬剤師さん(薬局)経験上ですが、開業医は便検査結果が出るまでの「つなぎ」として、ホスホマイシンを数日分処方することがあります。本症例でも、夜間救急で対応した医師も専門ではなく、便検査もできないため、同じような意図で対応したのではないか、と推測します。重篤化のリスクと再受診について 荒川隆之さん(病院)小児ではないので可能性は低いと思うのですが、EHECでは、5~10%の患者さんでHUSを起こし重篤化することが知られているため、元気がない、尿量が少ない、浮腫、出血斑、頭痛、傾眠傾向などの症状が見られた場合にはすぐに受診するように伝えます。時間経過の重要性 キャンプ人さん(病院)菌やウイルスにより潜伏期間が異なるため、丁寧に時間経過を聞くことが大切だと思います。原因菌や経過は分からないことが多い わらび餅さん(病院)実際、このような腸管感染の原因菌は培養提出しないとはっきりせず、ほとんどの場合分からないままです。すぐに元気になってほしいと願うばかりで、正しい選択だったのか経過の確認も難しいです。とりあえず抗菌薬? JITHURYOUさん(病院)本症例は軽症である可能性があり、前述したように抗菌薬投与が必須ではないと考えることもできます。水分を取っても吐くような状況であれば、点滴が必要となります。対症的に五苓散(柴苓湯)などの併用の提案も考慮したいです。ひどい下痢ということから、整腸剤も最大投与量を提案したいです。また考えたくないのですが、夜間診療ということで「とりあえず抗菌薬を処方しておけばなんとかなる」という考えもあったかもしれません。後日談(担当した薬剤師から)用量について疑義照会をしましたが、処方医が外部の非常勤の医師で、既に当直を終えて帰宅しており、回答が得られませんでした。本来は、疑義が解決していないのでこのまま調剤してはいけないのですが、カルテを確認してもらい、特に不自然な点もないことから、急性疾患の患者を待たせることはできないという状況もあり、やむなくそのまま調剤しました。1回きりの来局で、その後の経過は不明です。1)Clin Nephrol 1999; 52(6): 357-362. PMID:10604643

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治療抵抗性うつ病を予測する臨床的因子~欧州多施設共同研究

 欧州リサーチコンソーシアムの治療抵抗性うつ病研究グループ(GSRD)による治療抵抗性うつ病(TRD)の早期発見と、TRDにおける治療アウトカムのクロスサンプルを予測するため、欧州各地より募集されたTRD-IIIサンプルにおける臨床的変数を、オーストリア・ウィーン医科大学のA. Kautzky氏らが調査した。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2018年10月5日号の報告。 TRDの定義は、2つ以上の抗うつ薬試験後にMontgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)スコアが22点以上とした。治療反応の定義は、MADRSスコア50%以上の低下および閾値が22点未満とした。TRDの予測因子は、916例の患者を対象に、16の臨床的変数について、ロジスティック回帰を用いて分析を行った。治療アウトカムの予測は、Elastic net回帰分析を用いて分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・TRDリスク増加の予測因子は、以下のとおりであった。 ●症状重症度(OR:3.31) ●精神症状(OR:2.52) ●自殺リスク(OR:1.74) ●全般性不安障害(OR:1.68) ●入院患者の状況(OR:1.65) ●過去に投与された抗うつ薬数の多さ(OR:1.23) ●生涯うつ病エピソード(OR:1.15) ●現在のエピソード期間の長さ(OR:1.022)・TRDの予測精度は、独立した検証セットであるTRD-Iにおいて、0.86であった。 著者らは「TRDの最も顕著なリスク因子は、症状重症度、自殺リスク、生涯うつ病エピソード数の多さ、不安障害の併発であった。TRD-IIIにおける有意な予測因子は、以前の研究であるTRD-Iにおける治療アウトカムの予測を許容していた」としている。■関連記事治療抵抗性うつ病の予測因子に関するコホート研究治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのかSSRI治療抵抗性うつ病、治療前に識別可能か:大分大

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重症アトピー性皮膚炎、全身療法で有効な薬剤は?

 全身療法は、局所療法では手に負えないほどの重症アトピー性皮膚炎(AD)に対してたびたび行われる。近年、この領域では生物学的製剤の進歩に伴い、従来の全身療法と比較しても有益とされる。この治療に関し、デュピルマブおよびシクロスポリンによる重症度改善において最も強力なエビデンスの存在が、米国・Wake Forest School of MedicineのEdward W. Seger氏らによって報告された。ただし、十分に比較された研究が不足し、治療間の直接比較が難しいため、著者は「生物学的製剤の長期安全性および有効性に関するさらなる研究が必要である」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年10月5日号掲載の報告。 研究グループは、ADに対する全身療法の有効性を比較する目的で、Medline、OvidおよびEmbaseを用い、成人および小児のAD患者を対象とした無作為化比較試験についてシステマティックレビューを行った。 主な結果は以下のとおり。・合計41件の研究が基準を満たし、解析に組み込まれた。・湿疹面積・重症度指数(EASI)およびScoring Atopic Dermatitis(SCORAD)におけるスコアの一貫した改善が、デュピルマブおよびシクロスポリンで報告された。・lebrikizumabおよびtralokinumabは、第II相臨床試験で有効性が示されており、第III相臨床試験の成績が期待される。・小児患者における生物学的製剤の有効性は報告されていないが、シクロスポリンは最大用量で重症度を改善した。

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