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鎮静目的のハロペリドール単独使用のエビデンスは蓄積されたのか?

 ハロペリドール単独での精神疾患による攻撃性や興奮症状に対する鎮静効果に関するレビューの結果、他のあらゆる選択肢がない場合に筋注投与は救命手段になりうるが、副作用を相殺する併用薬が入手可能であるにもかかわらず単独投与する場合は、極限の非常事態であっても非倫理的とみなされる可能性があることなどが明らかにされた。英国・マンチェスター大学のMelanie J Powney氏らにより報告された。Cochrane Library 2012年11月14日の発表報告。 精神疾患による攻撃性や興奮状態に対してはハロペリドールの単独投与が推奨されている。同薬は入手がしやすく、同時にリソースが限られる地域では唯一利用可能な抗精神病薬だが、研究グループは、その治療効果のエビデンスについて調査を行った。Cochrane Schizophrenia Group Trials Register(2011年6月1日)により文献検索を行い、興奮あるいは攻撃性(または両方、いずれも精神疾患によると思われるもの)を呈する人が関与し、ハロペリドール単独急速投与(経口、筋注、静注)と他の治療を比較していた無作為化試験(RCT)を選択した。アウトカムには、鎮静あるいは30分以内睡眠、24時間以内の急速鎮静のための再投与、特異的行動(他者/自身に対する脅威や傷害行為)、副作用を含んだ。レビュワーが独立的に、試験の方法論的質と抽出データを選択し評価した。「所見サマリー」部分からエビデンス等級と、可能な限り適正な絶対効果を割り出した。 主な内容は以下のとおり。・レビューには、32試験(ハロペリドールと他の治療18とを比較)を組み込んだが、ほとんどの研究は臨床を反映したものではなく著しい例外を内包しており、また大半は小規模な試験で、かなりのバイアスリスクを含むと思われた。・そのうえで、プラセボとの比較の結果、ハロペリドール群のほうが、2時間後に眠りに就いていた人がより多かった[2試験、220例、リスク比(RR):0.88、95%信頼区間(CI):0.82~0.95]。また、ジストニアの頻度が高かった(2試験、207例、7.49、0.93~60.21)。・アリピプラゾールとの比較で、ハロペリドール群のほうが、注射剤を要した人は少なかった(2試験、473例、0.78、0.62~0.99)。ジストニアの頻度はハロペリドール群のほうが高かった(2試験、477例、6.63、1.52~28.86)。・ジプラシドンとの試験は大規模試験が3件あったが、試験デザインと報告の不備が大きくデータが散在している状態のままであった。・ズクロペンチキソール酢酸塩との比較は、ハロペリドール群のほうが3回以上注射投与を受けた人がより多かった(1試験、70例、2.54、1.19~5.46)。・ハロペリドールとロラゼパムとの比較試験は3試験であった(205例)。・投与後1時間時点で眠りに就いていた被験者数に関する有意な群間差は認められなかった(1試験、60例、1.05、0.76~1.44)。しかし、3時間時点までの比較では、ロラゼパム群のほうが有意に多いことが示された(1試験、66例、1.93、1.14~3.27)。・複数回の注射投与を要したかについての差異はみられなかった(1試験、66例、1.14、0.91~1.43)。・ハロペリドールの副作用はロラゼパムの追加投与によって相殺されなかった(たとえばジストニア:1試験、67例、8.25、0.46~147.45、抗パーキンソン病薬を要する:2.74、0.81~9.25)。・プロメタジンの追加投与については、大規模かつ質の良好な1試験が行われていた(316例)。・ハロペリドール群の多くが、20分時点までに安穏あるいは睡眠に就くことはなかった(RR:1.60、95%CI:1.18~2.16)。・ハロペリドール群のほうが有意に多く1回以上の副作用を経験した(RR:11.28、95%CI:1.47~86.35)。・ハロペリドール単独投与に割り付けられた被験者は急性ジストニアの頻度が高く、中間解析以降にも認められた(RR:19.48、95%CI:1.14~331.92)。・他のいずれの選択肢もなければ、ハロペリドールの単独投与が救命になりうる。・副作用を相殺する追加薬が入手可能であるにもかかわらず、ハロペリドールを単独投与することは、たとえ極限の非常事態場面で強制投与が求められているような場面であっても、非倫理的であるとみなされるであろう。・プロメタジンの追加による鎮静は、無作為化試験からエビデンスが良好であることが支持された。・選択的抗精神病薬の投与は、断片的で不良なエビデンスしかなく部分的な支持にとどまった。・新世代抗精神病薬の投与のエビデンスは、旧タイプのものと比べて強力ではなかった。・ハロペリドールへのベンゾジアゼピン系薬の追加投与は、有効性および追加によって生じるリスクに関する強力なエビデンスはなかった。・急速な鎮静のための緊急投与がなされるようになって60年を経ているが、臨床に役立つ良質で独立した試験が依然として必要とされている。関連医療ニュース ・破壊的行動障害に対する非定型抗精神病薬使用 ・統合失調症に対するベンゾジアゼピン、最新レビュー知見 ・アルツハイマー病の興奮、抗精神病薬をどう使う?

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てんかん患者のうつ病有病率は高い

 てんかんはうつ病と有意に関連しており、うつ病はてんかんを持つ人(PWE)において高頻度に認められることが、カナダ・カルガリー大学のKirsten M Fiest氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果、示された。著者は、「この所見は、PWEでのうつ病の適切な診断と治療の重要性を強調するものである」と結論している。Neurology誌オンライン版2012年11月21日号の掲載報告。てんかんを持つ人のうつ病有病率は23.1% 研究グループは、MEDLINE(1948~2012年)、EMBASE(1980~2012年)、PsycINFO(1806~2012年)をデータソースに、てんかんとうつ病について報告した住民ベースのオリジナル研究を包含基準としたシステマティックレビューを行った。関連論文の文献リスト、カンファレンスアブストラクトも検索対象とし、その他に専門家への聞き取りも行った。要約の検索とデータ抽出は2人の独立したレビュワーにより行われ、PWEにおけるうつ病の有病率と、てんかんとうつ病の関連を推定した[報告された推定オッズ比(OR)]。 てんかんとうつ病の関連を解析した主な内容は以下のとおり。・7,106件のアブストラクトがスクリーニングされ、14の特色あるデータソースにおいて23件の論文が報告されていた。・9試験・PWE 2万9,891例の報告において、アクティブなうつ病(現在あるいは昨年)有病率は23.1%(95%CI:20.6~28.31)であった。・14試験・121万7,024例のうち5試験で報告されていたPWEにおけるアクティブなうつ病のオッズ比は、2.77(95%CI:2.09~3.67)であった。・生涯うつ病について、4試験・PWE 5,454例の報告では有病率13.0%(95%CI:5.1~33.1)であり、3試験・被験者4,195例で報告されたPWEの生涯うつ病オッズ比は2.20(95%CI:1.07~4.51)であった。

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統合失調症に対するベンゾジアゼピン、最新レビュー知見

 統合失調症に対するベンゾジアゼピンの有効性と安全性について、システマティックレビューの結果、単独療法あるいは併用療法ともに投与に関する確実なエビデンスは現時点では確認できなかったことが、ドイツ・ミュンヘン工科大学付属病院Rechts der Isar ClinicのMarkus Dold氏らにより報告された。ベンゾジアゼピンの超短時間の鎮静効果、および急性期の興奮状態の統合失調症患者に対し鎮静のための投与を考慮すべきであるというエビデンスの質は低かったことが示されたという。Cochrane Library 2012年11月14日の発表報告。 研究グループは2011年2月に、以前に行った文献調査(2005年3月)のアップデートを行った。文献検索はCochrane Schizophrenia Groupの試験レジスターを対象とし(言語の規制なし)、関連研究の参考文献調査や、不明データを入手するため論文著者への連絡なども行った。選択適格基準は、統合失調症や統合失調症様精神病(両方またはどちらか)の薬物療法として、ベンゾジアゼピン(単独、併用含む)と抗精神病薬またはプラセボを比較した全無作為化試験とした。解析はMDとCLのレビュワーが独立的に行った。二分変数アウトカムについてリスク比(RR)と95%信頼区間(CI)を算出し、連続データを平均差(MD)と95%CIを用いて解析し、組み込んだ試験(バイアスリスクツール適用)からの事前選択アウトカムをそれぞれ評価した。 主な内容は以下のとおり。・レビューには、34試験(2005年解析より3試験増)、2,657例が組み込まれた。大半の試験は、サンプル数が少なく、短期試験で、アウトカムデータが不完全であった。・プラセボと比較したベンゾジアゼピン単独療法に関する試験は8試験であった。・重大臨床的効果がみられなかった被験者の割合は、ベンゾジアゼピン群とプラセボ群で有意な差はみられなかった(382例、6試験、RR:0.67、95%CI:0.44~1.02)。評価結果は、全身・精神状態のさまざまな評価スケールが用いられており整合性がなかった。・抗精神病薬単独療法とベンゾジアゼピン単独療法とを比較した試験は14試験であった。・重大臨床的効果の評価において、統計的に有意な差がみられた試験グループはなかった[(30分)44例、1試験、RR:0.91、95%CI:0.58~1.43、(60分)44例、1試験、0.61、0.20~1.86、(12時間)66例、1試験、0.75、0.44~1.30、(プール短時間試験)112例、2試験、1.48、0.64~3.46]。・抗精神病薬群と比べてベンゾジアゼピン群のほうが、20分、40分時点で至適な鎮静を得られた被験者が有意に多かった。全身・精神状態や副作用の発生について、有意な群間差は確認できなかった。・抗精神病薬+ベンゾジアゼピンを併用した増強療法と抗精神病薬単独療法とを比較した試験は20試験であった。重大臨床的効果があり統計的に有意な改善が示される可能性があったのは、併用療法での最初の30分だけであった[(30分)45例、1試験、RR:0.38、95%CI:0.18~0.80、(60分)45例、1試験、0.07、0.00~1.03、(12時間)67例、1試験、0.85、0.51~1.41、(プール短時間試験)511例、6試験、0.87、0.49~1.54]。・全身・精神状態の解析は、30分、60分時点での至適な鎮静を除いて、群間差は示されなかった[(30分)45例、1試験、RR:2.25、95%CI:1.18~4.30、(60分)45例、1試験、1.39、1.06~1.83]。・ベンゾジアゼピン治療に対する忍容性は、全体に漸減率が測定されたことで問題はないようであった。副作用は概してあまり報告がなかった。統合失調症でのベンゾジアゼピン治療(とくに長期的な併用戦略)のエビデンスを明らかにするために、さらなる質の高い規模の大規模な研究プロジェクトが求められる。関連医療ニュース ・ベンゾジアゼピン系薬剤の使用で抗精神病薬多剤併用率が上昇?! ・アルツハイマー病の興奮、抗精神病薬をどう使う? ・ベンゾジアゼピンと認知症リスクの関連

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カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]

第1回「困った人たちとの遭遇」第2回「うつ病に関する必要最小限の知識」 第1回「困った人たちとの遭遇」精神科非専門医であっても決して避けては通れない、さまざまなメンタル関連の諸問題を、カリスマ精神科医・春日武彦先生が切れ味鋭く解説していきます。第1回は「(境界性)人格障害」への対応について。医師に対して理不尽な怒りをぶつけたり、クレームをつけたり、脅したりという「困った患者さん」に悩まされた経験はありませんか?彼らは意識が清明で幻覚妄想はなく、責任能力が十全であるにも関わらず、理性的な対応を受け付けられずにトラブルを繰り返してばかりいます。 そんな患者と折り合いをつけて付き合っていくためのポイントを詳しく解説します。第2回「うつ病に関する必要最小限の知識」精神科の医師ではなくても、うつ病を併発した(あるいは、その疑いがある)患者を診る機会は少なくないでしょう。そこで、現代の流行病ともいうべき「うつ病」に関して、必ず知っておかなければならない「必要最小限の知識」を凝縮してお届けします。ひとくちにうつ病といっても様々なタイプがあり、例えば身体的な訴えが強くて精神症状を隠蔽してしまうタイプは、非常に多く、早期発見と適切な治療の妨げとなっています。一通りの知識がある方でも、春日先生の含蓄のある解説を聞けば、難解なうつ病をより深く理解できるはずです。

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カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]

第3回「自殺患者が運ばれてきたら」第4回「精神疾患を併せ持つ患者を診るとき」 第3回「自殺患者が運ばれてきたら」自殺未遂患者が担ぎ込まれて対応を余儀なくされるというケースは決して稀ではないでしょう。ひとくちに「自殺未遂」と言っても、患者さんの背景が多岐に渡ることは言うまでもありません。そして、もし対応を間違えれば、退院後すぐに再自殺されてしまうリスクもあります。かといって「再自殺の危険があるから入院」とは、なかなか簡単にいかないケースがほとんどでしょう。自殺患者を前にしたときに取るべき方策は実は限られているのですが、やはり実践的な知識がなければ適切かつ迅速な対応は出来ません。今回は様々なタイプの患者に対応するコツと取るべき手順について詳しく解説します。第4回「精神疾患を併せ持つ患者を診るとき」そもそも「精神を病む」とはどのような状態かというと、物事の優先順位に常識から逸脱した入れ替わりが生じている状態であると考えられます。そのような状態にある患者は、著しく奇異に映ることがありますが、精神が「崩壊」してしまっているわけではありません。たとえ話が通じにくいように思えても、必ずしも理解力を欠いているのではないのです。最終回では、精神科医以外のドクターが自分の診療分野だけでなく、精神疾患を併せ持った患者を診る際に知っておきたい、留意するべき点を解説します。

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これならデキル!内科医のための精神科的対応“自由自在”

第4回「MAPSOとは?その②『不安障害』と『精神病症状』」第5回「治療編 その①『うつと診断したら・・・』」第6回「治療編 その②『自殺を防ぐには・・・』」 第4回「MAPSOとは?その②『不安障害』と『精神病症状』」MAPSOとは、患者さんの心理コンディション(M:うつ・躁エピソードチェック、A:不安5種、P:精神病症状、S:アルコール、O:器質的)の聴取方法のことです。MAPSOをマスターすることにより、まず用語と疾患概念が内科臨床の中で使えるように整理できます。そしてパターン認識により素早く疾患の存在に気づけるようにもなります。第4回では、「M」の後のAnxiety、Psychoses、Substances、Organicについて一気に解説します。内科一般診療で診る精神科疾患を理解するために必要な精神科用語解説もあります。第5回「治療編 その①『うつと診断したら・・・』」前回までのMAPSOによって、患者さんの心理コンディションを把握できるようになったところで、いよいよ治療について解説します。 うつと診断された場合の具体的な指導の仕方や非精神科医にとって最も苦手とされる精神科系の薬物治療などに関して詳細に説明します。翌日からの診療に自信を持って望めるように、パターンをしっかりアタマに入れておきましょう。 今回は、主にうつ病に対する投薬のポイントを解説。内科医にもできる心理療法を、井出先生の実体験に基づいて伝授します。第6回「治療編 その②『自殺を防ぐには・・・』」「自殺を止める責務はプライマリ・ケア医にあります」という井出先生の信念の下に、いかに自殺をブロックするか、有効な説得法を井出先生が自ら体験したリアルな教訓とともに解説します。 その他、「躁転した!」と判断するためのチェックポイントや有効な対処法、“不安の治療”において、その安直な薬剤投与でごまかさないようにするための留意点などについて触れます。特に、井出先生と模擬患者さんによる“自殺をさせないための”ロールプレイング演習は必見です。

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プライマリケアでよく見る精神症状の診方と対応のコツ

第1回「これで安心!パニック障害と過換気症候群」第2回「そうだったのか!うつ病治療の最新エビデンス」第3回「現代型うつ病大流行!?プライマリ・ケア医の心得」 第1回「これで安心 ! パニック障害と過換気症候群」心の病に関する最新の知見を、わかりやすく噛み砕いてお送りします。「1億総うつ病化時代」とも呼ばれる現代。「うつ病」をはじめとする精神症状の正しい理解、患者や家族に対するアプローチ方法など、豊富な臨床経験から導き出された診断方法と対応のコツを紹介します。「うつ病」に対する様々な偏見や誤解を見事に覆し、プライマリ・ケア医としていかにうつ病を診断するか、そのポイントと専門医への紹介までをお届けします。パニック障害の診断基準と疫学、さらに、パニック障害と間違われやすい「過換気症候群」についても取り上げ、この二つの症例の見極め方も紹介します。第2回「そうだったのか ! うつ病治療の最新エビデンス」うつ病の具体的な症状を取り上げ、診断につなげるまでの手順について紹介します。さらに治療で第一に用いられる薬剤の薬理効果と並行して、世間に蔓延する抗うつ薬に対する偏見を撥ね退けてわかりやすく解説します。第3回「現代型うつ病大流行 ! ? プライマリ・ケア医の心得」近年増加を続ける「現代型うつ病」を取り上げます。従来のうつ病とは症状の異なる現代型うつ病の特徴を紹介し、「うつ病セレブ」と「うつ病難民」といった患者層の広がりについて、鋭く警鐘を鳴らします。また、自院でうつ病の患者に出会った際の精神科への依頼指針を示し、見落としがちな「双極性障害」への理解も促します。さらに、医師の側でもうつ病を発症するケースが増えていることから、医師が自らリラックスできる方法も考案します。プライマリ・ケア医必見です。

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聖路加GENERAL 【心療内科

PART1 「プライマリケアで診る不眠症」PART2 「難しくない ! うつ病の診断」PART3 「今日からできるうつ病治療」 PART1「プライマリケアで診る不眠症」ジェネラリストの疑問にエキスパートが答える「聖路加GENERAL」シリーズ、心療内科編です。例えば高血圧や高脂血症で診ている患者さんから「先生、最近眠れないんです」と言われることもよくあると思います。簡単な不眠であれば、心療内科に紹介する前に何とかしてあげたいと思うのが人情ですが、では具体的にどうすればいいのかというと、悩みどころでしょう。今回は心療内科の「黒帯Doctor」山田宇以先生を迎えて、簡単にできる不眠への対応、そしてお勧めの睡眠薬の処方を紹介していただきます。「ただ睡眠薬を出せばいいのか?」「睡眠障害ってどんなタイプがあるの?」「生活指導はどうしたらいい?」「睡眠薬への依存は大丈夫?」などの疑問に明解にお答えします。PART2「難しくない ! うつ病の診断」 PART3「今日からできるうつ病治療」プライマリ・ケアを訪れる患者が心因性の疾患であることは少なくありません。その中でも特に多いのがうつ病です。しかし、診断や治療に自信のないという先生方が多いのも事実です。うつ病の診断基準を使いこなすのは一般診療では少々難しいのではないでしょうか。今回は、「疑わしい患者には何をどう聞いたらいいのか?」「治療を始めるときも、うつ病に抵抗感を持つ患者をどう治療に導入したらいいのか?」「薬物療法はどういった処方がいいのか?」などの疑問に分かりやすくお答えします。患者さんへの具体的な言葉や薬剤の処方など、今日から使えるコツが満載です !

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抗精神病薬の高用量投与で心血管イベントリスク上昇:横浜市立大

 抗精神病薬は、自律神経失調症を引き起こす要因と考えられており、統合失調症患者の潜在的な致死的不整脈を予測すると報告されている。しかしながら、抗精神病薬や他の向精神薬の用量依存的な効果が自律神経系(ANS)の活動に及ぼす影響に関しては、依然として不明なままである。横浜市立大学 岩本 洋子氏らは、統合失調症患者における抗精神病薬と他の臨床的因子の用量依存効果がANSの活性に及ぼす影響について検討した。その結果、著者らは「統合失調症患者の心血管系に関連する有害事象を避けるためには、抗精神病薬の投与量を最適化する必要がある」としている。BMC psychiatry誌オンライン版2012年11月14日号の報告。 対象は、日本人統合失調症患者211例および健常者44例。各々における抗精神病薬による治療や、さまざまな臨床的要因を調査した。ANS活性は心拍変動(HRV)パワースペクトル解析を用いて評価した。患者群は抗精神病薬の投与量により3つのサブグループに分けて評価し、サブグループ間のHRVを比較した。主な結果は以下のとおり。・患者群では、対照群と比較し、HRVの低域と高域成分の有意な減少が認められた。・抗精神病薬の高用量投与群では、中用量投与群よりも有意に低いHRVが認められ、低用量投与群と比較するとさらに低いHRVが認められた。・HRVと抗精神病薬の投与量との有意な関連が認められた(重回帰分析)。・HRVは、年齢、性別、BMI、罹病期間、他の向精神薬の投与量との関連は認められなかった。関連医療ニュース ・100年前と比べ統合失調症患者の死亡は4倍増! ・統合失調症における長期転帰の予測因子は? ・検証!向精神薬とワルファリンの相互作用

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認知症の原因疾患のひとつ「シェーグレン症候群」その関連は?

 認知症の原因疾患のひとつであるシェーグレン症候群(SS)は、外分泌腺が関与する自己免疫疾患で、目が乾く、口が乾燥するなどといった症状が認められる。高齢者の1.9~3.0%が発症すると言われており、20%の患者で認知症などの中枢神経系疾患を合併する。星ヶ丘厚生年金病院 吉川 健治氏らは、メモリークリニックを受診している患者におけるSSの有病率と影響を明らかにしようと試みた。Journal of the neurological sciences誌オンライン版2012年11月15日号の報告。 対象は2007~2010年にメモリークリニックを受診した認知機能障害を有する症例。認知症の検査に加え、抗SSA抗体および抗SSB抗体レベルを測定した。また、必要に応じてシルマーテストや口唇生検(両方またはどちらか)を追加した。SSの診断は米欧のコンセンサス基準に基づき実施した。 主な結果は以下のとおり。・試験を完了した276例のうち、265例は認知機能の低下が確認されなかった(男性97例、女性168例、平均年齢:77.9歳、MMSEスコアの中央値:23)。・抗SSA陽性は16例(6.3%)、抗SSB陽性は7例(2.7%)であった。・20例は一次性シェーグレン症候群と診断された(平均年齢:77.2歳、MMSEスコアの中央値:21)。そのうち、以前MCIと診断された症例は7例(VCIND:5、aMCI:2)、認知症と診断された症例は13例であった。・すべての症例においてSPECTで非対称の局所的な低灌流が認められ、18例はMRIで皮質下の病変が認められた。・認知症治療中の症例12例(治療期間中央値:2.1年)は、MMSEスコアが有意に改善していた(MMSEスコアの中央値:26、p=0.0019)。また、SSでない症例のMMSEスコアは減少していた(126例、MMSEスコアの中央値:22)。・シェーグレン症候群の有病率は、メモリークリニックを受診する認知機能低下症例の7.5%を占めており、皮質下白質病変と非対称の血流低下の特徴を有する。関連医療ニュース ・認知症の前駆症状は?うつ病との関係 ・アルツハイマー病の興奮、抗精神病薬をどう使う? ・せん妄はアルツハイマー病悪化の危険因子!

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夢遊病にビペリデンは有望!?

 青年および成人の夢遊病は重大外傷に結びつく可能性があり治療が必要とされる。クロアチア・University Psychiatric Clinic VrapceのDanilo Hodoba氏らは、青年・成人の夢遊病(てんかんの有無を含む)に対するビペリデンの有効性と安全性に関する臨床観察研究を行った。著者らは、「確信を得ることはできなかったが、必要に応じて使用を考慮する価値はありそうだ」と結論し、さらなる無作為化試験の実施の必要性を提言した。事例に基づき推奨されている治療薬は、ベンゾジアゼピン系薬(鑑別診断として重要である前頭葉の焦点性発作に作用する)、イミプラミン、アミトリプチリンなどがある。Progress in Neuro-Psychopharmacology & Biological Psychiatry誌オンライン版2012年11月12日号の掲載報告。 研究グループは、抗コリン薬ビペリデンの夢遊病に対する有用性を評価するフォローアップ研究を行った。ビペリデンは、ムスカリンM1型レセプターに高親和性のアセチルコリン拮抗薬である。対象は4例の青年および成人の連続症例で、てんかんの有無にかかわりなく、夢遊病やせん妄を伴う覚醒障害を有し、ジアゼパム、クロナゼパム、アミトリプチリンによる治療には反応を示さなかった症例である。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間は、中央値4年間(範囲:2~7年)であった。・ビペリデンの補助的療法により、4例ともに夢遊病エピソードが減少あるいは寛解した。・一方でビペリデンは、レム睡眠時の行動障害には効果を示さなかった。・本研究でビペリデンの有効性あるいは安全性を確立できなかったが、必要に応じ夢遊病治療としてビペリデンを考慮することは有用となる可能性がある。・夢遊病を含む覚醒障害で示唆されているコリン作動性メカニズムは、抗コリン薬ビペリデンが効果をもたらす可能性があるという仮説の根拠となる。今回の予備的研究の知見を確認するために無作為化試験による有効性と安全性のエビデンス検証が必要である。関連医療ニュース ・がん患者の悪夢に有効な治療法は? ・がん患者のせん妄治療に有効な抗精神病薬は… ・せん妄を有する高齢入院患者の死亡リスクは高い!

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日本人女性の統合失調症発症に関連する遺伝子が明らかに

 日本人女性の統合失調症発症に、ITGA8遺伝子ミスセンス突然変異が関与している可能性があることが明らかにされた。神戸大学大学院のIrwan Supriyanto氏らが、京都の遺伝子データベース「KEGG」で報告された情報と統合失調症患者との関連を調べ報告した。Progress in Neuro-Psychopharmacology and Biological Psychiatry誌オンライン版2012年11月12日号の掲載報告。ITGA8遺伝子は中枢神経系の発達に重要な役割を果たし統合失調症の病態生理での関与が認められる細胞接着分子(CAMs)であり、CAMs遺伝子のミスセンス突然変異は統合失調症を発症しやすくする可能性が示唆されていた。 研究グループは、KEGG(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)の報告から中枢神経系のCAMs遺伝子の15の突然変異を選択し、これら遺伝子と統合失調症患者(278例)および対照被験者(284例)との関連を調べた(第1検討群)。また、患者567例と対照被験者710例の陽性SNP遺伝子型についても調べ(第2検討群)、患者635例と対照被験者639例による再検証試験も行った(複製標本群)。 主な内容は以下のとおり。・統合失調症患者と対照群では、ITGA8遺伝子におけるrs2298033の遺伝子型分布および対立遺伝子分布が有意に異なることが示された(それぞれp=0.005、p=0.007)。・性差に基づいた解析の結果、ITGA8遺伝子におけるrs2298033の対立遺伝子および遺伝子型の分布は、第1および第2検討群の女性において患者群と対照群とでは有意差がみられた(それぞれp=0.010、p=0.011とp=0.0086、p=0.010)。しかし男性の被験者群では有意差はみられなかった。・複製標本群のrs2298033の複合解析では、より有意な差がみられた(全被験者群ではp=0.0032、p=0.0035、女性被験者群ではp=0.0024、p=0.0025)。・NFASC遺伝子のrs2802808は、第1検討群の女性被験者群でのみ有意差がみられた。・上記の結果は、ITGA8遺伝子は、女性においてのみ統合失調症発症に関与する可能性があることを示す。さらなる再検証試験や機能的研究により、今回得られた知見を確認することが求められる。関連医療ニュース ・統合失調症患者の脳組織喪失に関わる脂肪酸、薬剤間でも違いが ・初回エピソード統合失調症患者におけるGABA機能への影響 ・精神科学会レポート

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片頭痛と脳病変進行、女性の深部白質病変を除き有意な関連みられず/JAMA

 片頭痛を有する男女のMRI所見を9年前のものと比べて比較した結果、女性では深部白質病変の発生が高率にみられたが、その他のMRIで確認されていた脳病変の進行は有意にはみられなかったことが、また男性ではあらゆるMRI既往脳病変の進行との関連がみられなかったことが報告された。オランダ・ライデン大学医療センターのInge H. Palm-Meinders氏らが、先行研究で片頭痛とMRI脳虚血病変との関連が示されていたことを踏まえて行った検討で、結果について著者は、「脳血管の構造的変化に果たす片頭痛の役割について疑問を呈する所見となった」と述べている。JAMA誌2012年11月14日号掲載報告より。片頭痛のある平均年齢57歳男女を対象にMRI所見を9年前のものと比較 研究グループは、片頭痛を有する(前兆ありなし含む)男女のMRI所見を9年前のものと比べて、新規病変発生が高率にみられるか、病変部位の進行はみられるか、また認知低下との関連を調べた。対象は、オランダで行われている住民ベースの前向き観察研究CAMERA(Cerebral Abnormalities in Migraine, an Epidemiological Risk Analysis)-1スタディの参加者で、片頭痛群[ベースライン平均年齢57歳(範囲:44~71歳)、女性69%]と、対照群(片頭痛・年齢・性で適合)について追跡した。両群被験者は全員、2000年にMRI検査を受け、2009年にも全員に脳病変の進行を確認するためのMRI検査の紹介が行われた。 2回の検査を完了したのは、片頭痛群203/295例、対照群83/140例であり、年齢、性、高血圧、糖尿病、教育レベルで補正後に両群の比較が行われた。 主要評価項目は、MRIで認められた深部脳白質病変、テント下腫瘍病変、後側循環系梗塞様病変であった。認知機能の変化も評価した。テント下腫瘍病変や後側循環系梗塞様病変の進行、認知機能の変化との関連は認められず 片頭痛群の女性145例のうち122例(77%)が、対照群は55例のうち33例(60%)が、深部脳白質病変の進行がみられた[補正後オッズ比(OR):2.1、95%信頼区間(CI):1.0~4.1、p=0.04]。 片頭痛とテント下腫瘍病変進行との有意な関連はみられなかった。片頭痛群では21例(15%)、対照群では57例中1例(2%)で進行がみられた(同:7.7、1.0~59.5、p=0.05)。 新たな後側循環系梗塞様病変の発生は、片頭痛群203例中10例(5%)、対照群は83例中0例(0%)だった(p=0.07)。 片頭痛の回数や頻度と病変進行との関連も認められなかった。 深部脳白質病変がある群での認知機能スコアの変化についても有意な差はみられなかった(片頭痛群-3.7vs. 対照群1.4、95%CI:-4.4~0.2、補正後p=0.07)。

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認知症の進行予防にビタミンEは有効か?

 アルツハイマー型認知症(AD)および軽度認知障害(MCI)進行予防としてのビタミンEについて、ベネフィットがあるという確実なエビデンスはみつからなかったと、英国・サセックス大学のNicolas Farina氏らが報告した。結果を受けて著者は、「今後の試験では、ADにおけるビタミンEの評価をα‐トコフェロールに限定しないで行うべきかもしれない」と提言している。本研究は、ビタミンEにはフリーラジカルを消失する抗酸化作用があり、一方でフリーラジカルがADなど病理学的な認知障害プロセスに寄与するとのエビデンスがあることを踏まえて行われた。Cochrane database of systematic reviews 2012年11月14日掲載の報告。認知症進行予防としてビタミンEとプラセボを比較 Cochrane Dementia and Cognitive Improvement Group(ALOIS)、The Cochrane Library、MEDLINEなどSpecialized Register(2012年6月25日時点)で、「Vitamin E」「vitamin-E」「alpha-tocopherol」の単語を用いて文献検索を行い、非交絡で二重盲検の無作為化試験(ADまたはMCI患者を対象に、あらゆる投与量でのビタミンE投与とプラセボを比較した試験)を同定した。レビュワー2名が個別に選択基準を適用して試験の質を評価し、データの抽出と解析を行った。各転帰尺度は無作為化された患者ごとに調べ、データ抽出をできる患者がいなくなった時点で解析を行った。プール解析は試験間で比較可能な転帰尺度が不足していたため行われなかった。 主な内容は以下のとおり。・認知症進行予防のためのビタミンE投与の選定基準を満たしたのは3試験だけであった(AD集団について2試験、MCI集団について1試験)。・1つ目のAD試験(佐野、1996)では著者は、ビタミンE投与(2,000 IU/日)は若干のベネフィットがあったこと[2年以内の、死亡・施設収容・CDR(Clinical Dementia Rating)スコア3のエンドポイントに達成した患者がより少なく、基本日常生活動作の低下も少なかった]を報告していた。・投与を完了した患者において、エンドポイント達成について、ビタミンE群58%(45/77)に対しプラセボ群は74%(58/78)であった[オッズ比(OR):0.49、信頼区間(CI):0.25~0.96]。・2つ目のAD試験(Lloret、2009)は、酸化ストレスとの関連でビタミンE(800 IU/日)投与の認知障害の進行に対する効果を検討したものであった。結果、ビタミンE投与で患者は酸化ストレスマーカーが低下したが、MMSEスコア変化率(ベースラインから6ヵ月間、対プラセボ)の有意差は認められなかった。・MCI試験(Petersen、2005)の主要な目的は、MCIからのADを含む認知症の変化・進行までの時間についてビタミンE投与(2,000 IU/日)の効果を検討したものであった。結果、被験者総計769例のうち214例が認知症へと進行し、そのうち212例はADがほぼ確実もしくはその可能性が高いと分類された。・MCIからADへの進行の可能性についてビタミンE群とプラセボ群で有意差はみられなかった(ハザード比:1.02、95%CI:0.74~1.41、p=0.91)。

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抗精神病薬による性機能障害、改善の可能があるのは?

 向精神薬服用と性機能障害の関連について、ドイツ・フライブルグ大学医学部のHannah M Schmidt氏らは、抗精神病薬の投与戦略の違い(投与量減少、休薬期間を設ける、補助薬、他剤への切り替えなど)による性機能障害への影響について評価を行った。2012年11月14日Cochrane Library発表より。 研究グループは、統合失調症と性機能障害を有する患者が関与している無作為化対照試験を、Cochrane Schizophrenia Group's Trials Register(2012年5月3日時点)とその参考文献などを検索し選定した。独立レビュワーがデータを抽出し、2値データについてランダム効果リスク比(RR)を95%信頼区間(CI)ととともに算出し、クロスオーバー試験についてはオッズ比(OR)と95%CIを算出した。また連続データについて、ランダム効果モデルに基づく平均格差(MD)を算出し、クロスオーバー試験については対応尺度の相関を検討し解析した。 主な結果は以下のとおり。・レビューには、4つの先駆的研究(総被験者138例、介入2週間~4ヵ月間)を組み込んだ。そのうち2つはクロスオーバー試験であった。・1試験の報告において、シルデナフィルの投与がプラセボと比較して、性行為に十分な勃起について有意であり(被験者数32例、MD:3.20、95%CI:1.83~4.57)、勃起持続時間も有意に長く(同:32例、1.18、0.52~1.84)、良好な性交渉の頻度も有意に高かった(同:32例、2.84、1.61~4.07)。・投与戦略の違いを検討した試験では、抗精神病薬による性機能障害について、対症療法としてのセレギリンとプラセボを比較したエビデンスはみつからなかった(被験者数10例、Aizenbergの性機能障害スケールの変化についてのMD:-0.40、95%CI:-3.95~3.15)。・リスペリドンからクエチアピンへの切り替えによる性機能障害改善のエビデンスはみつからなかった(被験者数36例、MD:-2.02、95%CI:-5.79~1.75)。・1試験の報告において、リスペリドンまたは定型抗精神病薬からオランザピンへと切り替えた時に性機能障害の改善が有意であった(同54例、MD:-0.80、-1.55~-0.05)。・本検討は、クロスオーバー試験の被験者群がベストな状態で安定していたか、介入は精神的および身体的なキャリーオーバーがなく適切に行われたか、不確かであった。また、シルデナフィルは統合失調症の男性における抗精神病による性機能障害の治療に有用な選択肢といえるかもしれないが、この報告は小規模短かつ期間の1試験のみをベースとした結論である。オランザピンへの切り替えは、男性および女性の性機能を改善するとの結果が得られたが、この試験についても小規模のオープンラベル試験の評価であった。よりよくデザインされた無作為化試験(盲検、適切な管理と報告、抗精神病薬による性機能障害を有した人における投与量減少・休薬・対症療法・切り替えによる効果の検討)の速やかな実施が必要である。関連医療ニュース ・性的強迫観念は、統合失調症患者で頻度が高く、自殺行動と独立して関連 ・早漏治療にはSSRI、トラマドールが有効?! ・抗精神病薬の効果をどのタイミングで見極めるべきか?

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検証!非定型抗精神病薬の神経保護作用

 Cedo Miljević氏らは、非定型抗精神病薬(アリピプラゾール、クロザピン、ジプラシドン、オランザピン、クエチアピン、セルチンドール、アミスルピリド)の神経保護に及ぼす影響を、in vitroにおけるヒト赤血球中の抗酸化防御酵素活性測定にて検討した。その結果、アリピプラゾールとクエチアピンは神経保護作用を有する可能性が示唆された。Human psychopharmacology誌オンライン版2012年11月5日号の報告。 23~39歳の非喫煙者健康男性15名の血液を使用した。採取された血液と薬剤は1時間、37℃にてインキュベーションした後、還元酵素であるCu/Zn-スーパーオキシドディスムターゼ(SOD1)、カタラーゼ(CAT)、セレン依存性グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン還元酵素活性を測定した。主な結果は以下のとおり。・SOD1活性は、対照群と比較し、アリピプラゾール群(p

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疼痛治療「プラセボでも一定の効果が」臨床試験に課題も

 線維筋痛症(FMS)の症状軽減に対しプラセボ以上の治療効果が期待できる薬物療法は少なく、有害事象による脱落率が増加するといわれてきた。最近のシステマティックレビューによると、慢性疼痛の試験において、治療薬の有用性や副作用のかなりの割合は、プラセボに起因することが実証された。Winfried Häuser氏らはプラセボおよびノセボ反応(プラセボにより副作用が発現すること)の大きさを測定し、FMS適応承認のための医薬品の臨床試験においてそれらが薬の有用性に及ぼす影響を評価した。Clinical and experimental rheumatology誌オンライン版2012年11月8日号の報告。 FMS患者を対象とした、デュロキセチン、ミルナシプラン、プレガバリン、ナトリウムオキシベートを用いた無作為化二重盲検プラセボ対照試験のうち、2012年6月30日までに報告された試験を、CENTRAL、MEDLINE、clinicaltrials.govより検索した。プラセボへの反応は、プラセボにより痛みが50%軽減する推定値を評価した。ノセボ反応は、プラセボ群における有害事象による推定脱落値を評価した。 主な結果は以下のとおり。・プラセボ群3,546例を含む18試験が抽出された。・プラセボにより痛みが50%軽減する推定値は18.6%であった(95%CI:17.4~19.9)。・プラセボ群における有害事象による推定脱落値は10.9%であった(95%CI:9.9~11.9)。・臨床ではプラセボ効果を期待する場合もあるが、治験医師はプラセボ効果を低下させることを目指している。また、臨床試験においてはノセボ反応を減らすことが重要である。関連医療ニュース ・とくにうつ病患者は要注意?慢性疼痛時のオピオイド使用 ・検証!デュロキセチンvs.他の抗うつ薬:システマティックレビュー ・「片頭痛の慢性化」と「うつ」の関係

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ドパミンD3受容体拮抗薬、統合失調症治療薬としての可能性は?

 ドパミンD3受容体拮抗作用に着目した統合失調症の陽性および陰性症状や認知症状治療の可能性は、前臨床試験や予備的臨床試験のデータに基づき再検討されている。ドイツ・Abbott Neuroscience ResearchのGerhard Gross氏らは、D3受容体拮抗作用が錐体外路症状を阻害可能であるといった事実に基づけば、依然として治療オプションとなりうるとの見解を報告している。Naunyn-Schmiedeberg's Archives of Pharmacology誌オンライン版2012年11月6日号の報告。 下記の考察から、新たなD3受容体拮抗薬の開発および臨床試験の実施は十分正当であると報告した。主な内容は以下のとおり。・ドパミンD3受容体は、中脳、辺縁系および皮質領域に発現し、統合失調症の発症や認知症状に関連する。・選択的D33受容体拮抗薬は、精神疾患モデルマウスにおいて、D2受容体拮抗作用が示すような効果が示されていない。・しかし、選択的D3受容体拮抗薬は脳内微小透析法において、非定型抗精神病薬と同程度の、中脳腹側被蓋野におけるドパミンニューロンの電気的活性に影響を与え、NMDA受容体阻害作用によってもたらされる影響を相殺し、皮質のドパミンおよびアセチルコリンを亢進する。・ドパミンD2受容体拮抗薬と対照的に、D3受容体拮抗薬は齧歯動物試験によって、さまざまな社会的行動や認知行動(統合失調症患者では障害がみられる柔軟な認知や実行力について)に影響を与えることは明らかである。・D3受容体拮抗薬に対する高い親和性にもかかわらず、第2世代抗精神病薬のクロザピン、リスペリドン、オランザピンが統合失調症患者に投与されるとき、D3受容体との結合は不十分でD3受容体がもたらす治療的なメリットが認められないようにみえる。・初の選択的D3受容体拮抗薬であるABT-925は最近、統合失調症患者において試験が行われた。その結果、認知シグナルは認められたが、十分なD3受容体占有率(統合失調症の治療薬として価値ある数値)は達成されなかった。・それでも機構的、実験的考察と、D3受容体拮抗作用が錐体外路症状を阻害可能であり快感消失および代謝的な有害反応のいずれももたらす可能性がないという事実から、強力なD3受容体拮抗作用を有する新たなD3受容体拮抗薬の開発および臨床試験の実施は十分に正当であると考えられる。関連医療ニュース ・統合失調症のドパミンD2/3レセプター占有率治療域、高齢患者は若年患者よりも低値 ・統合失調症患者の認知機能や副作用に影響を及ぼす?「遊離トリヨードサイロニン」 ・統合失調症の遂行機能改善に有望!グルタミン酸を介した「L-カルノシン」

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認知症の前駆症状は?うつ病との関係

 うつ病はアルツハイマー型認知症(AD)の前駆症状であるが、超高齢者におけるうつ病発症は他の病因による認知症の前駆症状ではない可能性が示された。高齢期でのうつ病は年齢とともに低下した認知機能への懸念が積み重なって出現したもので、予測可能であるという。これまで高齢期うつ病が認知症のリスクとなるのか、あるいは認知症の前駆症状については不明なままであった。ドイツ・ボン大学のHeser K氏らがAgeCoDe研究の参加者(平均年齢81.2歳)を対象に調査した結果、報告した。著者は「うつ病の徴候と主観的記憶障害は、客観的な認識とは独立したADの予測因子である。臨床家はその点を考慮しなくてはならない」と結論している。Psychological Medicine誌オンライン版2012年11月9日号の報告。 研究グループは、ドイツで行われたAgeCoDe研究(German Study on Ageing, cognition, and dementia in Primary Care Patients)に参加した一般開業医の受け持つ高齢患者(2,663例、平均年齢81.2歳)を対象に、抑うつ傾向ならびに、うつ病の早期発症vs.高齢での発症によるその後の認知症への影響について調べた。被験者のフォローアップ(各病歴18ヵ月ずつ)をもとに、うつ病の病歴(とくに、うつ病発症年齢と現在の抑うつ傾向)による認知症リスク、比例ハザードモデルを用いて推定した。また、認知障害を除くうつ病の、認知症発症に関する付加的予測についても調べた。 主な結果は以下のとおり。・高齢で発症したうつ病は、年齢カットオフ値が高いほど認知症リスクの増加がみられた。・年齢、性、学歴、アポリポ蛋白E4遺伝子型について調節した解析において、70歳以上でのうつ病発症と現在の抑うつ傾向は、それぞれ独立して、全要因の認知症を予測することが認められた。・現在の抑うつ傾向を伴う非常に高齢でのうつ病発症は、その後のADを特異的に予測した(補正後ハザード比:5.48、95%CI:2.41~12.46、p<0.001)。・この関連性は、認知機能尺度で調整後も有意なままであった。しかし、さらなる解析で、被験者の主観的な記憶障害によって変動することが示された。関連医療ニュース ・認知症患者が車で徘徊、発見方法は? ・てんかんを持つ人のうつ病発症を理解することが急務 ・双極性障害では短期間の強いうつ症状が高頻度に出現

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