検証!非定型抗精神病薬の神経保護作用 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/11/22 Cedo Miljević氏らは、非定型抗精神病薬(アリピプラゾール、クロザピン、ジプラシドン、オランザピン、クエチアピン、セルチンドール、アミスルピリド)の神経保護に及ぼす影響を、in vitroにおけるヒト赤血球中の抗酸化防御酵素活性測定にて検討した。その結果、アリピプラゾールとクエチアピンは神経保護作用を有する可能性が示唆された。Human psychopharmacology誌オンライン版2012年11月5日号の報告。 23~39歳の非喫煙者健康男性15名の血液を使用した。採取された血液と薬剤は1時間、37℃にてインキュベーションした後、還元酵素であるCu/Zn-スーパーオキシドディスムターゼ(SOD1)、カタラーゼ(CAT)、セレン依存性グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン還元酵素活性を測定した。 主な結果は以下のとおり。 ・SOD1活性は、対照群と比較し、アリピプラゾール群(p<0.01)およびクエチアピン群(p<0.05)で統計学的に有意な増加が認められた。 ・ネイティブポリアクリルアミドゲル電気泳動後のSOD1活性プロファイルによると、アリピプラゾールとクエチアピンは過酸化水素による阻害から酵素活性を守る働きが認められた。 ・セルチンドールは、対照群と比較し、CATの活性を低下させることが示唆された。 ・セルチンドール群では、SOD1とグルタチオンペルオキシダーゼの間に負の相関が認められた。 ・そのような状況では、過酸化水素の増加は赤血球を保護することができ、抗酸化から酸化促進へ役割を変換すると考えられる。 関連医療ニュース ・検証!向精神薬とワルファリンの相互作用 ・ドネペジル「新たな抗血管新生治療」の選択肢となりうるか? ・新たな選択肢か?!「抗精神病薬+COX-2阻害薬」自閉症の治療 (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Miljević C, et al. Hum Psychopharmacol. 2012 Nov 5. doi: 10.1002/hup.2272. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 低リスク急性心筋梗塞、PCI後1ヵ月でアスピリンは中止可能か/NEJM(2025/09/17) LVEF軽度低下の心筋梗塞、β遮断薬の有用性は?/Lancet(2025/09/17) アルドステロンの心血管系に対する直接作用は?(解説:浦信行氏)(2025/09/17) 小型NSCLC、STAS陽性は術式にかかわらず予後不良(JCOG0802/WJOG4607L)/WCLC2025(2025/09/17) 中等症以上の潰瘍性大腸炎へ新たな経口治療薬が登場/ファイザー(2025/09/17) 食事の頻度とうつ病との関係(2025/09/17) 慢性流涎治療にA型ボツリヌス毒素が登場/帝人ファーマ(2025/09/17) 20歳以降の体重10kg増加が脂肪肝リスクを2倍に/京都医療センター(2025/09/17)