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小児自閉スペクトラム症に対するリスペリドンとアリピプラゾール~システマティックレビュー

 アルゼンチン・Instituto Universitario Hospital Italiano de Buenos AiresのCecilia Fieiras氏らは、小児自閉スペクトラム症(ASD)に対するリスペリドンおよびアリピプラゾールの有効性と安全性を評価するため、システマティックレビューのオーバーレビューを実施した。その結果、アリピプラゾールおよびリスペリドンは、短期的なフォローアップにおいて、ASD症状の重症度を改善する可能性があるものの、有害事象に対して注意が必要であることが示された。BMJ Evidence-Based Medicine誌オンライン版2022年1月31日号の報告。 2021年10月までに公表された研究を、言語や発行日を制限することなくCochrane Central Register of Controlled Trials、MEDLINE、Embase、PsycInfo、Epistemonikosより検索した。対象研究は、12歳以下のASD患児を対象にリスペリドンおよびアリピプラゾールによる治療(投与量の制限なし)を検討した研究。含まれたシステマティックレビューはAMSTAR 2を用いて方法論的質を評価し、研究実施者が行った分析に従いGRADEシステムによるエビデンスの確実性を分析に含めた。専門家グループが合意した中核および非中核のASD症状に影響を及ぼす9つの重要なアウトカムについて評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・22件のシステマティックレビューが特定されたが、その内16件はAMSTAR 2による信頼性が非常に低く、分析対象から除外した。・アリピプラゾールおよびリスペリドンは、プラセボと比較し、症状重症度、反復行動、不適切な言葉遣い、社会的引きこもり、行動上の問題に対する有効性が認められた。・ほとんどのアウトカムに関するエビデンスの確実性は、中程度であった。・リスペリドンおよびアリピプラゾールは、代謝性および神経学的有害事象との関連が認められた。・フォローアップ期間は、短期的であった。

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うつ病とドライアイ症状との関係~DREAM研究

 うつ病患者は、ドライアイ症状を有する割合が高いといわれているが、ドライアイ症状の重症度とうつ病との関連はよくわかっていない。米国・ペンシルベニア大学のYi Zhou氏らは、うつ病とドライアイ症状の重症度、兆候、炎症マーカーとの関連を調査した。その結果、うつ病はドライアイ症状の重症度および全体的な兆候と関連しており、中等度~重度のドライアイ症状を有するうつ病患者では、ドライアイ症状がより重度である可能性が示唆された。JAMA Ophthalmology誌2022年4月1日号の報告。 2014年10月~2016年7月、ドライアイの中等度~重度の症状および兆候を有する患者を対象に実施されたランダム化比較試験「DREAM(Dry Eye Assessment and Management)研究」のデータに基づき、2020年4月~12月に2次的横断および縦断分析を行った。米国17州の眼科および検眼センター27ヵ所で登録された535例を1年間フォローアップした。SF-36の精神的側面サマリー(MCS)スコア42以下をうつ病と定義し、スクリーニングを実施した。ドライアイ症状は眼表面疾患指数(OSDI)およびBrief Ocular Discomfort Index(BODI)、ドライアイの兆候は、涙液層破壊時間(BUT)、Schirmer試験、フルオレセイン角結膜染色、涙液浸透圧、マイボーム腺機能不全(MGD)による評価を、ベースライン時、6ヵ月時点、12ヵ月時点で行った。すべての兆候より、複合ドライアイ兆候スコアを算出した。一部の対象患者に対して、炎症マーカー(涙液中のサイトカイン、結膜表面細胞によるHLA-DR発現)の測定を行った。ドライアイの特徴は、うつ病患者と非うつ病患者で評価し、年齢、性別、人種、受診、ベースライン時の併存疾患で調整を行った。 主な結果は以下のとおり。・対象患者535例の平均年齢は58±13.2歳、女性の割合は81%(434例)、白人の割合は74.4%(398例)であった。・スクリーニングでうつ病と診断された患者では、ドライアイ症状の悪化が認められた。 【OSDI】エフェクトサイズ:0.45、p<0.001 【BODI】同:0.46、p<0.001 【複合ドライアイ兆候スコア】同:0.21、p=0.006・MCSスコアが低い(うつ病重症度が高い)患者では、ベースライン時(Spearman ρ=-0.09、p=0.03)、6ヵ月時(同:-0.20、p<0.001)、12ヵ月時(同:-0.21、p<0.001)のOSDIスコアが高かった。・うつ病患者と非うつ病患者において、炎症マーカーの差は認められなかった。 著者らは「これらの結果は、ドライアイ症状を有する患者のマネジメントにおいて、併存疾患としてのうつ病を考慮すべきであることを示唆している。うつ病とドライアイ症状との関連を明らかにするためにも、さらなる研究が求められる」としている。

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日本人の身体活動と認知症リスク

 一日の身体活動(PA)や中等度以上の活発な身体活動(MVPA)と認知症との関連を明らかにするため、国立がん研究センターの井平 光氏らは、大規模長期フォローアップ・プロスペクティブ研究を実施した。その結果、とくに男性において休日のMVPAレベルの高さは、認知症リスクの低下に寄与する可能性が示唆された。JAMA Network Open誌2022年3月1日号の報告。 本プロスペクティブコホート研究は、2000~03年に国内8地域で行われた多目的コホート研究(JPHC Study)の認知障害プロスペクティブ研究(Prospective Disabling Dementia Study)で収集されたデータを用いて実施された。参加対象者は、認知障害に関する利用可能なフォローアップデータを有する成人50~79歳。毎日の総PA、総MVPA、休日のMVPAのデータを収集し、データ分析は2019年2月~2021年7月に行われた。主要アウトカムは、全国介護保険制度に基づく2006~16年(確認期間)の認知障害発生率とした。毎日の総PA、総MVPA、休日のMVPAに関連する認知症リスクは、多変量調整ハザード比(aHR)を用いて算出した。 主な結果は以下のとおり。・参加対象者4万3,896人(平均年齢:61.0±7.5歳、女性の割合:53.9%[2万3,659人])のうち、確認期間にケアを必要とする認知症と新たに診断された人は5,010人(発生までの期間:9.5±2.8年)であった。・総PA量の最も多い群は、最も少ない群と比較し、認知症リスクが男女ともに低かった。・総MVPAおよび休日のMVPAにおいても、同様の関連が認められた。 ●総PA 【男性】aHR:0.75、95%CI:0.66~0.85、P for trend<0.001 【女性】aHR:0.75、95%CI:0.67~0.84、P for trend<0.001 ●総MVPA 【男性】aHR:0.74、95%CI:0.65~0.84、P for trend<0.001 【女性】aHR:0.74、95%CI:0.66~0.83、P for trend<0.001 ●休日のMVPA 【男性】aHR:0.59、95%CI:0.53~0.67、P for trend<0.001 【女性】aHR:0.70、95%CI:0.63~0.78、P for trend<0.001・認知症診断までの期間が7年以内の男性、8年以内の女性を除くと、これらの関連は消失した。 【男性】aHR:0.93、95%CI:0.77~1.12 【女性】aHR:0.86、95%CI:0.71~1.04・認知症診断までの期間が9年以内の人を除外した後、休日のMVPA量の最も多い群における最も少ない群と比較した認知症リスクは、男性で有意に低いままであった(aHR:0.72、95%CI:0.56~0.92、P for trend=0.004)。

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マージャンは認知力の低下に有効【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第209回

マージャンは認知力の低下に有効photo-ACより使用麻雀(マージャン)は認知症の予防になるということで、健康麻雀と称して高齢者施設でプレイしている映像を何度か見たことがあります。しかし、「本当に医学的な根拠があるのだろうか?」という疑問をずっと持っていました。そうこうしているうちに新型コロナが流行し、接触感染の重要経路となりうる麻雀から、多くの人が離れてしまいました。さびしい限りです。Ding M, et al.Mahjong Playing and Leisure Physical Activity Alleviate Cognitive Symptoms in Older Community Residents.J Aging Phys Act. 2022 Feb 1;30(1):89-97.麻雀に限らず、頭を使う趣味というのは、認知機能の低下をある程度予防することができます。たとえば、数独やパズルなどがそうで、入院中の患者さんが、よくパズル雑誌を解いている光景を目にします。この研究は、麻雀をすることで、軽度認知障害(MCI)が予防できるかどうかを検討した論文です。MCIは、健康と病的な認知症の間にある症状のことで、「認知症の前段階」として理解されています。日本におけるMCIの有病率は、10%を超えていると考えられます。MCIを持つ高齢者187人と、持たない高齢者489人を登録しました。解析の結果、麻雀を続けている年数は、複数の共変数を補正したMCIの有病率低下と関連していることが明らかになりました(オッズ比:0.595、95%信頼区間[CI]:0.376~0.961、p=0.032)。とくに、身体的活動と麻雀は、MCIの有病率低下に複合的な効果をもたらすことがわかりました。そのため、ほどよい運動・ほどよい麻雀は、かなり認知力低下に有効だと考えられます。よぉし、明日から麻雀だ!……とはいえ、麻雀のやりすぎは痙攣のリスクになるかもしれないので1)、ほどほどに。1)An D, et al. Clinical characteristics and prognosis of mah-jong-induced epilepsy: A cohort review of 56 patients. Epilepsy Behav. 2015 Dec;53:117-9.

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日本人精神疾患患者における第2世代抗精神病薬治療後のHbA1cの閾値下変化

 第2世代抗精神病薬(SGA)の種類により糖尿病発症リスクが異なることは、いくつかの研究で報告されている。しかし、HbA1cの閾値下の変化に焦点を当てた研究は、ほとんどない。北海道大学の澤頭 亮氏らは、6種類のSGAのうち、いずれかを使用している日本人患者を対象に、HbA1cの閾値下およびBMIの変化について調査を行った。その結果、糖尿病リスクの高い患者に対しては、ブロナンセリン治療が最も有用な治療法である可能性が示唆された。The Journal of Clinical Psychiatry誌2022年3月30日号の報告。 本研究は、統合失調症患者に対し、日本の血糖モニタリングガイドラインに基づいてフォローアップ調査を実施したプロスペクティブコホート研究である。2013年4月~2015年3月の期間に、ベースライン時およびSGA治療開始3ヵ月後の時点で、患者の人口統計学的データ、薬歴、血液検査値、体重測定値を収集した。対象は、ICD-10に基づく統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害の患者378例。抗精神病薬による治療開始から3ヵ月後のHbA1cの閾値下およびBMIの変化を比較するため、多変量回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・ブロナンセリン開始3ヵ月後のHbA1cの閾値下の変化は、オランザピンと比較し、有意に低かった(B=-0.17、95%CI:-0.31~-0.04)。・ブロナンセリン(B=-0.93、95%CI:-1.74~-0.12)およびアリピプラゾール(B=-0.71、95%CI:-1.30~-0.12)開始3ヵ月後のBMIの変化は、オランザピンと比較し、それぞれ有意に低かった。

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アルツハイマー病およびMCI患者におけるCOVID-19の臨床アウトカム

 アルツハイマー病や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、高血圧などの共通のリスク因子を有しているといわれる。高血圧の治療においては、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)やアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)が頻繁に使用される。米国・ベントリー大学のYing Wang氏らは、アルツハイマー病または軽度認知障害(MCI)の患者おけるCOVID-19に対する、ACEI/ARB使用の影響について調査した。その結果、ARB使用はアルツハイマー病およびMCIの患者におけるCOVID-19発症リスクの低下に有意な影響を及ぼしていることが報告された。Alzheimer's & Dementia誌オンライン版2022年4月4日号の報告。 対象は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染の検査を行った退役軍人。アルツハイマー病またはMCIを有する場合と認知障害を有さない場合におけるCOVID-19アウトカムを比較するため、古典的スコアと傾向スコアの加重ロジスティック回帰分析を実施し、ACEI/ARB使用の影響を評価した。 主な結果は以下のとおり。・アルツハイマー病と感染率および死亡率の増加との間に、統計学的に有意な関連が認められた。・MCIは、感染のリスク因子であるとは認められなかった。・MCIを有する患者は、臨床アウトカムが不良であった。・ARBの使用により、アルツハイマー病およびMCIの患者におけるCOVID-19発症リスクの有意な低下が認められたが、ACEIでは認められなかった。 著者らは「アルツハイマー病またはMCIの患者においてCOVID-19の影響を減少させるためには、既存薬による効果を調査することが非常に重要である」としている。

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コロナ禍の運動不足や孤独対策、どうするか【コロナ時代の認知症診療】第14回

“couch potato”な生活スタイルが高齢者にも?わが国ではCOVID-19(コロナ)が流行り始めた2020年の春頃から、自粛が進んだ。当初から高齢者では運動不足や活動範囲の制限による心身機能低下のへの注意が喚起されてきた。そして世界中での遷延化とともに、高齢者における活動量や身体機能をコロナ前後で比較し、その低下を報告した研究が相次いでいる。そして最近では、こうした研究のレビュー報告もでてきている。それらのレビューは当然ながら、いずれも運動量、活動範囲、消費エネルギーの低下などを報告している。このような低下が、下肢筋力の減少や、運動能力あるいは心肺機能さらにはバランスにまで影響することは、言うまでもない。新しい観点として、座りがちな生活(sedentary lifestyle)が指摘されている。数十年前から有名になったcouch potatoという英語俗語があった。これはカウチ(寝椅子)にくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごす自分の殻にこもった生活スタイルを意味する。このような状態は本来、青年や中年層のライフスタイルと思われたが、最近ではこれが高齢者でもみられるようだ(というよりカウチ青・中年が老年に至ったのか?)。実際、私の外来に来られる高齢患者のご家族がそうした指摘をされる。意外にローテクな方法が効果的な場合も?高齢者の運動不足解消また、階段の昇降段数も減っている。階段の上りの重要性はともかく、下りも大切だ。降ろした足が下のステップに着く際に、踵に重力がかかることで骨粗鬆症防御の役割も果たすのだそうだ。運動量や身体機能が下がっているのは当然としても、知的機能低下や社会交流の減少も同時に進行している。それだけに、この時代において、いかにして運動量やその関連要因の低下がもたらす弊害に対処するかの策が問題になる。多くの医学関連雑誌や行政から、コロナ禍で身体活動量を増やすことだけでなく、メンタルヘルスや社会交流の促しも視野に入れて具体的な提言などもなされている。現実的には、高齢者のITリテラシーを考慮するならローテクであろうか? たとえば週1回の電話利用、あるいは家庭訪問である。運動の分野ではこうした活動によって運動の実践を促し、転倒の危険性を少なくするように推奨されている。またハイテクならWeb利用だが、ノルウェーから自治体主催の包括的ITサービスの実例なども報告されている1,2)。PCやタブレットを用いて双方向性にコミュニケーションができるシステムである。実はこうしたサービスをわが国でもコロナ以前から実践してきた自治体もある3)。この実装のポイントは、面倒な契約などなく、クラウドや通信をひっくるめたインフラ込みの提供にあると思う。具体的には民生委員が関わるような事柄、たとえば見守りとか緊急連絡などに代表される高齢者への包括的なサービスを行ってきたようだ。世界初「孤独担当大臣」を置く英国での孤独対策コロナ禍により、飛沫感染を避けるためディスタンスは当たり前になった。そしてマスク、フェイスシールドを介してのコミュニケーションとなり、会話しながらの食事はもってのほかとなった。筆者は、見知らぬもの同士がすぐに仲良くなれる秘訣は、飲食を共にすることだと思う。その逆で、「孤食の害」はわかっていてもそうならざるを得ないのが現状である。諸悪の根源は「孤独」にあるとも言える。つまり老年心理学の観点に立つなら、「孤独」とは自分が他者から必要とされているとは思えない状態だと筆者は考えるからである。ところで英国は2018年「孤独担当大臣」を世界で初めて設けた。孤独は、肥満や1日15本の喫煙以上に体に悪く、孤独な人は、そうでない人に比べ、天寿を全うできないリスクが1.5倍に上がるとされる。そして孤独で生じる経済的損失は、約4.8兆円(日本の年間予算100兆円強)に達するとされている。そこで全国各地には、孤独対策に取り組む無数の草の根活動的な慈善団体があって、読書、音楽、スポーツなどのグループを作っている。男性の孤独解消に効果が高いと注目されるものに、mens’shed(メンズ・シェッド:男たちの集い処)がある。ここでは主に定年退職した男性が定期的に集まって、大工仕事などを一緒に行う。たとえばテーブルやベンチを作って公園に置いたり、学校に手作りの遊具を寄付したりする。皆で一緒にものを作ることで一体感が生まれ、そこからコミュニティとの絆が生まれる。さらに感謝の言葉もかけられれば、他者から自分は必要とされていると思え、生き甲斐に通じるのだそうだ。それなら確かに孤独解消につながるだろうと思われる。孤独を和らげ、身体活動や社会交流を促すためのポイントとして、屋内は駄目でも、屋外ならいいのではと考えている。というのは、コロナ禍の今でも大勢の人が集まる場所としてはゴルフ場がある。最近は市場空前の大盛況だと聞く。広々としたグリーンなら、少々喋っても構わないということである。地域でのゲートボールやグランドゴルフはこれに準ずるだろう。古典的ながら根強いのが、ラジオ体操である。基本は朝の6時頃に一定の公園など戸外に集い短時間の運動をしてあいさつ程度の言葉を交わすだけだ。けれども往復のウォーキングも加えると、コロナの時代に最低限の運動量は確保される。太極拳や自彊術であっても同様。小規模ながら、注目すべきものに老人会が主催するような公園等の清掃や環境整備が、また小学生の集団登校の見守り等もある。いずれも戸外で、マスクはしても比較的遠慮なくしゃべれる。また社会的な交流ができる。さらには自分のした仕事に対して、感謝や労いの言葉が向けられるところが重要である。お金ではない、こうした報酬が運動量を促すかもしれない。参考1)Sogstad M, et al.Health Serv Insights. 2020 Jun 8;13:1178632920922221.2)Rostad HM,et al.J Med Internet Res. 2021 Aug 16;23:e22316.3)アイラ株式会社プレスリリース

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睡眠、不安、ビタミンDと周産期うつ病リスク

 周産期うつ病の頻度は高く、死亡率に影響を及ぼす疾患である。米国・サウスカロライナ医科大学のCourtney E. King氏らは、周産期うつ病リスクに影響を及ぼす修正可能な心理学的および生物学的因子を特定するため、検討を行った。その結果、妊娠初期の睡眠、不安および潜在的なビタミンD不足は、周産期うつ病リスクの増加と関連していることが示唆された。Reproductive Sciences誌オンライン版2022年3月29日号の報告。睡眠障害や不安症状、ビタミンD不足とうつ症状スコア 対象は、妊娠中の女性105人。妊娠8~12週および24~28週、産後6~8週および10~12週に、うつ症状、不安症状、睡眠障害の評価と血液検査を実施した。評価尺度として、うつ症状にはエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)、不安症状には全般不安症スコア(GAD)、睡眠障害にはピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)を用いた。 妊娠中の女性105人にうつ症状、不安症状、睡眠障害の評価と血液検査を実施した主な結果は以下のとおり。・研究期間中にうつ病基準を満たした女性は、105例中35例(33.3%)であった。・妊娠8~12週にPSQIスコア(OR:1.17、95%CI:1.04~1.33)またはGADスコア(OR:1.33、95%CI:1.18~1.48)の上昇が認められた女性は、その後の評価でうつ症状スコアが上昇する可能性が高かった。・ビタミンDレベルが20ng/L以下の女性は、フォローアップ期間中にうつ症状スコアが上昇する可能性が高かったが、統計学的な有意差は認められなかった(OR:2.40、95%CI:0.92~6.27)。・産後の評価への参加率は低かった。・本研究の限界として、うつ症状、不安症状、睡眠障害の評価には、自己報告尺度を用いた点が挙げられる。 著者らは「妊娠中の睡眠や不安の問題を軽減させ、適切なビタミンDレベルを確保することを目的とした介入は、周産期うつ病リスクを減少させるために重要である」としている。

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長生きをしたい人、とりわけ認知症がない状態で長生きをしたい人へ(解説:岡村毅氏)

 老若男女が知りたいことにはっきりと答えてくれる優等生的な論文である。遺伝子は変えようがないが生活習慣は変えられる。どう変えると、認知症がない状態で長生きができるかを調べ、驚きの結果を報告している。 変えうる生活習慣とは、(1)食べ物、(2)知的活動、(3)身体活動、(4)喫煙、(5)飲酒である。単純化して見てみよう。 食べ物は当然マインド食である。MIND(Mediterranean-DASH Intervention for Neurodegenerative Delay)食とは、この論文のラストオーサーのラッシュ大学の博士らがシカゴで開発した有名な食事法であるからここでも使われている。野菜や果実や豆腐が推奨される。上位40%が○(丸)となる。 知的活動は読書、美術館、カードゲーム、ボードゲーム、クロスワード、パズル等のことである。こちらも上位40%が○となる。 身体活動はウォーキング、ガーデニング、体操、自転車、水泳である。週150分以上で○となる。1日30分弱でよいのである。 喫煙については、今吸っていなければ○だ。 飲酒は、1日当たり男性は30g以下、女性は15g以下が○だ。缶ビールなら2本あるいは1本である。 男性の場合、65歳の時に○が4個以上つくと、1個以下の人よりも5.7年長生きできる。さらにアルツハイマー型認知症を持っている期間は、○が4個以上だと1.4年、1個以下だと2.1年というわけだ。 女性の場合、65歳の時に○が4個以上つくと、1個以下の人よりも3.1年長生きできる。さらにアルツハイマー型認知症を持っている期間は、○が4個以上だと2.6年、1個以下だと4.1年である。 野菜を食べ、頭を適度に使い、運動を適度にし、酒は控え、タバコは吸わないと、なんと5年前後長生きできるのである。またアルツハイマー型認知症を持たずに1~2年くらい過ごせる。 どうであろうか? 驚いた人はいましたか? まず「そんなこと知ってるよ」「もうやってるよ」という反応が多そうだが、こういう当たり前のことを科学的に検証する論文は、良い論文である。私たちは思い込みや先入観に支配されているのだから、エビデンスをきちんと出すことは理性的になるための第一歩だ。 次にこの論文においても、長生きによって結局認知症になっていることにも注目しよう。人間は(身体疾患で死なずに)長生きすればいつか必ず認知症になる。それはわれわれがいつか死ぬことと同じくらい自明である。認知症になっても失敗だとか思わないこと。認知症の専門家として言わせてもらうと、なることを推奨しているわけでもないし、なったら絶望する必要もない。人生は続く、それだけだ。 マルチステージライフなどといわれて久しい。職業も20年ごとに変わる時代が来るのかもしれない。であれば、生活習慣も変えてもいいのかもしれない。別にいつ変えてもよいのだろうが、保守的にみると20歳ごろに社会人になるとすると、40歳ごろ、そして60~65歳ごろはひとつの区切りかもしれない。これを読んでいる40歳以上の皆さんの多くは、20歳ごろに確立した生活習慣をおそらく続けているのだと思うが、そろそろ変えてはいかがか(もちろん○を増やす方向で)。40歳未満の皆さんは、40歳ごろに変えることを今から計画してはどうだろうか? 人々がそんなふうに考えることができたら、この論文のもくろみは十分に果たされている。

2110.

不眠症治療に対するプライマリケア患者の好み

 睡眠障害は、プライマリケアにおいて一般的に認められる。主な治療オプションには、不眠症に対する薬物療法および認知行動療法が挙げられる。そして、ベストプラクティス・ガイドラインでは、治療に対する協調的意思決定アプローチが推奨されている。米国・バージニア・コモンウェルス大学のElliottnell Perez氏らは、プライマリケア患者の人口統計学的および臨床的特徴に基づいた不眠症治療に対する好みの違いについて、検討を行った。Clinical Therapeutics誌オンライン版2022年3月28日号の報告。重度の不眠症患者では認知行動療法を好んだ割合が有意に高かった 大学医療センターおよび地域のクリニックより抽出された200例(平均年齢:54.92±12.48歳)を対象に、不眠症、うつ病、不安症、不眠症治療に対する好みについて、簡易アンケートを実施した。不眠症は不眠症重症度質問票、うつ病はPHQ-2、不安症はGAD-2を用いて評価した。群間の不眠症治療に対する好みの有意差を検出するためχ2分析を用いた。 不眠症治療に対する好みについて簡易アンケートを実施した主な結果は以下のとおり。・薬物療法を好んだ患者は46.5%、認知行動療法を好んだ患者は56.0%であった(評価は排他的ではない)。・重度の不眠症患者では、認知行動療法を好んだ割合が有意に高かった(好ましい:15.2%、好ましくない:4.5%、p=0.002)。・不安症状が強い患者では、薬物療法を好んだ割合が高かった(57.3% vs.42.7%、p=0.017)。・うつ病患者の中で、うつ症状の強い患者では、認知行動療法(66.7% vs.33.3%、p=0.012)および薬物療法(56.8% vs.43.2%、p=0.016)を好んだ割合が最も高かった。・治療に対する好みの違いは、認知行動療法において年齢のみで認められた(p=0.008)。・治療を好む割合は、51歳以下の患者で最も高かった(67.2% vs.32.8%)。 著者らは「プライマリケア患者は、不眠症治療に対する認知行動療法および薬物療法を好むことがわかった。また、メンタルヘルスや睡眠の状態が悪化するほど、患者は認知行動療法を好む傾向が示唆された。患者の治療に対する好みを理解することは、意思決定の共有の促進につながり、治療満足度や治療への関与の向上に寄与すると考えられる」としている。

2111.

抗精神病薬の治療歴とその後の代謝関連副作用との関係

 抗精神病薬治療によるさまざまな有害事象が報告されているが、重篤な副作用が頻繁に認められるわけではない。中国・Second Xiangya Hospital of Central South UniversityのYe Yang氏らは、抗精神病薬の治療歴が現在の抗精神病薬誘発性代謝関連副作用と関連しているかを確認するため、検討を行った。BMC Psychiatry誌2022年3月21日号の報告。 抗精神病薬未治療患者115例、代謝関連副作用リスクの低い抗精神病薬による治療歴を有する患者65例、同リスクの高い抗精神病薬による治療歴を有する患者88例を対象に、ケースコントロール研究を実施した。すべての患者に対し、オランザピン治療を実施した。体重、BMI、血糖値、脂質パラメータ、ベースラインより7%以上の体重増加が認められた患者の割合、脂質異常症の割合を評価した。すべての評価は、ベースライン時、治療開始4週目および6週目に実施した。 主な結果は以下のとおり。・オランザピン治療により、抗精神病薬未治療患者は他の2群と比較し、体重とBMIの有意な増加が観察された(それぞれp<0.05)。・代謝関連副作用リスクの高い抗精神病薬による治療歴を有する患者では、他の2群と比較し、脂質レベルが有意に高かった(それぞれp<0.05)。・抗精神病薬の治療歴と体重増加との間に有意な関連は認められなかった(すべてのp>0.05)。・抗精神病薬による治療歴を有さない患者と比較し、同治療歴を有する患者では、3.37mmol/L-1以上の高LDLコレステロール値が観察された(aOR:1.75、95%CI:1.07~3.52)。・とくに、代謝関連副作用リスクの高い抗精神病薬による治療歴を有する患者では、他の2群と比較し、3.37mmol/L-1以上の高LDLコレステロール値リスクが高かった(aOR:2.18、95%CI:1.03~3.32)。 著者らは「抗精神病薬治療歴、とくに代謝関連副作用リスクの高い抗精神病薬による治療歴を有する患者では、現在使用している抗精神病薬により誘発される代謝関連副作用との関連が示唆された」としている。

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健康的な生活習慣で平均余命延長、認知症期間も増えず/BMJ

 健康的な生活習慣は男女とも平均余命の延長と関連しており、65歳以降の人生でアルツハイマー型認知症のない期間の割合が高いことが、米国・ラッシュ大学医療センターのKlodian Dhana氏らによる住民を対象としたコホート研究の結果、示された。健康的な生活習慣がアルツハイマー型認知症のリスク低下ならびに平均余命の延長に関連していることはこれまでも知られていたが、平均余命が延びればそれだけ高齢者が増加し、加齢とともに認知症のリスクは高まるため、むしろ全体の認知症は増加する可能性がある。そのため、生活習慣の改善による平均余命の延長が、アルツハイマー型認知症を有する期間に与える影響について理解する必要があった。著者は、「今回の解析による平均余命の推定は、医療専門家、政策立案者、その他ステークホルダーが将来の医療サービス等を計画するのに役立つだろう」とまとめている。BMJ誌2022年4月13日号掲載の報告。食事、認知活動、身体活動、禁煙、飲酒について健康度を評価 研究グループは、一般住民を対象としたアルツハイマー型認知症のリスク因子を検討する前向きコホート研究「Chicago Health and Aging Project:CHAP」(1993~2012年)のデータを用いて解析した。CHAP研究では、6期にわたり65歳以上の男女計1万802例が登録され、質問票を用いた生活習慣等に関する調査と神経認知機能検査が実施された。 本解析は、詳細な臨床評価を行うため、1万802例から年齢、性別、人種、認知機能カテゴリーを層別因子として無作為抽出した男女2,449例(ベースラインにおいてアルツハイマー型認知症有病者は339例、非有病者は2,110例)を解析対象とした。 主要評価項目は、女性および男性におけるアルツハイマー型認知症を有する場合と有していない場合の平均余命で、次の5つの生活習慣に基づいた健康因子スコア別に解析した。(1)脳の健康のための食事(Mediterranean-DASH Diet Intervention for Neurodegenerative Delay[MIND]食事スコア)、(2)後期の認知活動(読書、博物館・美術館訪問、カードゲーム、クロスワード、パズルなど)、(3)中~強度の身体活動(150分/週以上)、(4)禁煙、(5)中程度以下の飲酒(女性1~15g/日、男性1~30g/日)。 各因子について、基準を満たした場合は1、満たさない場合は0として合計した(範囲0~5、スコアが高いほど健康的な生活習慣であることを示す)。健康因子スコアが高いほど、平均余命延長、アルツハイマー型認知症リスク低下 65歳女性の平均余命は、健康因子スコアが4~5で24.2年(95%信頼区間[CI]:22.8~25.5)、健康因子スコアが0~1で21.1年(19.5~22.4)であり、前者で3.1年延長した。65歳時での平均余命のうちアルツハイマー型認知症を有する期間の割合は、健康因子4~5の女性で10.8%(2.6年、95%CI:2.0~3.3)、健康因子0~1の女性で19.3%(4.1年、95%CI:3.2~5.1)であった。また、65歳時点でアルツハイマー型認知症を有しておらず、健康因子4~5の女性の平均余命は21.5年(20.0~22.7)、健康因子0~1の女性の平均余命は17.0年(15.5~18.3)であった。 65歳男性の平均余命は、健康因子4~5で23.1年(95%CI:21.4~25.6)、健康因子0~1で17.4年(15.8~20.1)であり、前者で5.7年延長した。65歳時での平均余命のうちアルツハイマー型認知症を有する期間の割合は、健康因子4~5の男性で6.1%(1.4年、95%CI:0.3~2.0)、健康要因0~1の男性で12.0%(2.1年、95%CI:0.2~3.0)であった。65歳時点でアルツハイマー型認知症を有しておらず、健康因子が4~5の男性の平均余命は21.7年(19.7~24.9)、健康因子が0~1の男性の平均余命は15.3年(13.4~19.1)であった。

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片頭痛予防に対する抗CGRP抗体中断3ヵ月後の治療再開効果

 抗CGRP(受容体)モノクローナル抗体(mAb)による片頭痛の予防的治療に成功し治療を中断すると、その後、片頭痛の頻度は増加することが報告されている。ドイツ・シャリテー-ベルリン医科大学のBianca Raffaelli氏らは、片頭痛治療を再開した場合の症状の経過を評価するため、検討を行った。The Journal of Headache and Pain誌2022年3月30日号の報告。 対象は、3ヵ月の休薬期間後に同じ抗CGRP mAbで治療を再開した片頭痛患者。頭痛に関するデータを、以下の4回の受診時に収集した。(1)最初のmAb治療を開始する前の4週間(ベースライン)、(2)最初のmAb治療を中断する前の4週間、(3)休薬期間の13~16週目、(4)治療再開後の9~12週目。アウトカムは、観察期間全体における1ヵ月当たりの片頭痛日数(MMD)、1ヵ月当たりの頭痛日数(MHD)、1ヵ月当たりの急性頭痛薬の使用日数(AMD)、頭痛による日常生活への支障度尺度(HIT-6)スコア、それぞれの変化とした。 主な結果は以下のとおり。・対象患者数は39例(エレヌマブ:16例、ガルカネズマブまたはフレマネズマブ:23例)。・MMDは、休薬期間終了時の12.3±6.3から治療再開3ヵ月後の7.8±5.5への減少が認められた(p=0.001)。・この治療再開後の改善は、最初の治療期間での反応と同様であった(ベースライン時のMMD:12.3±6.3、治療中断前のMMD:7.5±5.2)。・MHDとAMDは、治療再開後に有意な改善が認められた。・HIT-6スコアの低下が認められ、頭痛による日常生活への影響の減少が確認された。 著者らは「休薬期間後に抗CGRP mAbによる治療を再開すると、片頭痛の頻度や急性頭痛薬の使用が有意に減少し、QOLが向上することが明らかとなった」としている。

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日本の小児および青少年に対する抗精神病薬の処方傾向

 日本における小児および青少年に対する抗精神病薬の処方パターンについては、とくに外来患者において、ほとんど知られていない。京都大学のSayuri Nakane氏らは、2006~12年に初めて抗精神病薬の処方を受けた17歳以下の外来患者における抗精神病薬の処方パターンおよび傾向を明らかにするため、大規模な調剤データセットを用いて調査を行った。Child Psychiatry and Human Development誌オンライン版2022年2月24日号の報告。 年齢、性別、診療科、処方薬の種類(単剤療法または多剤併用療法)、抗精神病薬の投与量、向精神薬の併用を調査した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者数は1万511例(13~17歳の割合:65.1%、男性の割合:52.9%)。・第2世代抗精神病薬の単剤療法の割合は、2006年の53.8%から2012年には78.3%に増加していた。・最も処方の頻度が高かった抗精神病薬はリスペリドンであり、次いでアリピプラゾール、オランザピンであった。・抗精神病薬の初回投与量が推奨用量よりも少なかった患者の割合は、約25.0%であった。 著者らは「現在、初めて抗精神病薬の処方を受けた17歳以下の外来患者では、第2世代抗精神病薬の単剤療法が最も一般的に行われている処方パターンであることが確認された」としている。

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初発統合失調症の再発予防に対する抗精神病薬の用量とその効果

 初発統合失調症患者の再発予防に対する抗精神病薬の投与量として、成功の可能性が最も高い用量は、明らかになっていない。東フィンランド大学のHeidi Taipale氏らは、抗精神病薬の使用および特定用量と精神科再入院リスクについての調査を行い、抗精神病薬の投与量の変化と重度の再発リスクとの関連について、検討を行った。The Lancet. Psychiatry誌2022年4月号の報告。初発統合失調症を5年間/5回の再発エピソードまでをフォローアップ フィンランドにおいて全国レジストリベースコホート研究を実施した。すべての入院患者の情報が記録されているnationwide Hospital Discharge registerより、対象患者を特定した。初発統合失調症と診断された45歳以下の入院患者を、5年間または5回の再発エピソードまでフォローアップした。主に精神科再入院を再発のマーカーとして評価し、退院時診断として記録されたICD-10コード(F20-29)を用いて入院治療を定義した。次の再発と見なす期間の定義は30日以上とした。抗精神病薬の使用に関するデータは、処方レジストリより抽出した。用量は、使用したすべての抗精神病薬の合計とした。再入院予防に対する抗精神病薬の有効性は、個別分析を用いて検討し、選択バイアスを除外し、2回目の再発前と再発後の時間で層別化した。初発統合失調症の再発予防に対する抗精神病薬の有効性は2回目再発後に大幅減 初発統合失調症の再発に対する抗精神病薬の有効性を検討した主な結果は以下のとおり。・対象患者は5,367例(男性:3,444例[64.2%]、女性:1,923例[35.8%])、フォローアップ開始時の平均年齢は29.5±7.8歳であった。・民族性に関するデータは、収集できなかった。・5,367例中3,058例(57.0%)が入院治療を必要とした。・抗精神病薬の平均用量は、最初の再発前で1.22 DDD(defined daily doses)/日(95%CI:1.18~1.26)であり、再発ごとに増加が認められ、5回目の再発前では1.56 DDD/日(95%CI:1.48~1.64)であった。・抗精神病薬の使用を未使用と比較した再入院の調整済みハザード比(aHR)は、2回目の再発前の0.42(95%CI:0.35~0.51)から2回目の再発後には0.78(95%CI:0.62~0.99)に増加しており(p<0.0001)、再発予防効果の著しい低下が認められた。・特定用量のカテゴリ分析では、U字型曲線関係が認められ、標準用量の使用中において入院リスクが最低を示した(0.9~1.1 DDD/日)。これは、2回目の再発前で認められたが、2回目の再発後では認められなかった。・低用量(0.6 DDD未満/日)は、2回目の再発前の標準用量と比較し、実質的に高い再入院リスクと関連が認められたが(aHR:1.54、95%CI:1.06~2.24)、2回目の再発後ではこの関連は認められなかった(aHR:1.11、95%CI:0.76~1.62)。これは、2回目の再発後には、すべての用量において有効性が低下するためであると考えられる。 著者らは「再発予防に対する抗精神病薬の有効性は、2回目の再発後、大幅に減少した。そのため、2回目の再発予防は不可欠であり、最初の再発後には十分な投与量の抗精神病薬の使用と再発予防強化策を治療に組み込む必要がある」としている。

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各抗うつ薬に対する患者の主観的満足度の比較

 現在、異なる作用機序を有するさまざまな抗うつ薬が利用可能であるが、その有効性および安全性に有意な差があるかは、よくわかっていない。また、各抗うつ薬に対する主観的な経験に関するデータを組み込んだ検討は、ほとんど行われていなかった。アルゼンチン・AREA(Assistance and Research in Affective Disorders)のSebastian Camino氏らは、各抗うつ薬に対する患者の主観的満足度について、比較検討を行った。Psychological Medicine誌オンライン版2022年3月29日号の報告。使用されている抗うつ薬で満足度が高かった薬剤 薬剤に関する患者評価のWebサイト(www.askapatient.com)から、さまざまな抗うつ薬についての投稿を定性的および定量的に分析した。1,000件の投稿をランダムサンプルとして確認した。 さまざまな抗うつ薬の評価を定性的および定量的に分析した主な結果は以下のとおり。・包含基準および除外基準を適用し、450件の投稿が分析サンプルに含まれた。・450件には、最も使用されている抗うつ薬(セルトラリン、citalopram、パロキセチン、エスシタロプラム、fluoxetine、ベンラファキシン、デュロキセチン、ミルタザピン、bupropion)それぞれの投稿50件が含まれた。・全体的な満足度が高かった薬剤は、bupropion、citalopram、ベンラファキシンであった。・セルトラリン、パロキセチン、fluoxetineでは感情鈍麻の報告が多く、bupropionでは少なかった。・抗うつ薬治療に対する全体的な満足度は、自殺傾向、過敏性、感情鈍麻、認知機能障害、禁断症状などの有害事象との逆相関が認められた。・交絡因子で調整した後、セロトニン作動性薬を使用した患者では、非セロトニン作動性薬と比較し、感情鈍麻のみ報告頻度が高かった。 著者らは「抗うつ薬は薬剤間に違いがあることから、選択する際には、治療中の患者の主観的な経験を考慮すべきであることが示唆された。感情鈍麻を引き起こす可能性の低い薬剤である非セロトニン作動性薬の選択は、患者の満足度の向上につながる可能性がある」としている。

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強迫症患者における統合失調症への診断変更の可能性

 いくつかのエビデンスにおいて、強迫症と統合失調症との関係が報告されている。しかし、強迫症から統合失調症への診断変更を予測する可能性のある因子は、明らかになっていない。この予測因子を特定するため、台湾・国立陽明交通大学のMu-Hong Chen氏らが、検討を行った。European Archives of Psychiatry and Clinical Neuroscience誌オンライン版2022年3月24日号の報告。強迫症から統合失調症への粗累積進行率は6%、推定進行率は7.80% 2001~10年に強迫症(ICD-9-CM:300.3)と診断された青少年および成人3万5,255例を対象とし、2011年末まで、新たに統合失調症(同:295)と診断されているかを特定するフォローアップ調査を行った。発生率の推定にはカプランマイヤー法を用い、予測因子の有意性を評価するためCox回帰を用いた。 強迫症から統合失調症への進行の予測因子を検討した主な結果は以下のとおり。・11年間のフォローアップ期間中における、強迫症から統合失調症への粗累積進行率は6%、推定進行率は7.80%であった。・強迫症から統合失調症への診断変更の可能性を上昇させる因子は、以下のとおりであった。 ●男性(ハザード比:1.23) ●肥満(同:1.77) ●自閉スペクトラム症(同:1.69) ●双極性障害(同:1.69) ●心的外傷後ストレス障害(同:1.65) ●クラスターAパーソナリティ障害(同:2.50) ●統合失調症の家族歴(同:2.57) 著者らは「強迫症から統合失調症への診断変更の根底にある病態メカニズムを解明するためには、さらなる研究が求められる」としている。

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女性の頻尿、どう尋ねるべき?【Dr.山中の攻める!問診3step】第13回

第13回 女性の頻尿、どう尋ねるべき?―Key Point―1日3L以上の排尿と強い口渇があるかを確認する2回以上の夜間頻尿があると生活に支障をきたす医師が質問をしないと女性は尿失禁を訴えないことが多い症例:76歳 女性主訴)頻尿現病歴)2週間前から頻尿と排尿時痛がある。近くの診療所で抗菌薬の処方を受けたが、症状の改善はない。尿の排出時、下腹部に痛みを生じる。3日前からトイレに間に合わず尿を漏らすことが増えてきたため紙パンツを使用するようになった。夜間の排尿回数は5回。熟眠できない。既往歴)変形性関節症薬剤歴)なし生活歴)機会飲酒、喫煙:5本/日(20歳~)身体所見)体温36.8℃、血圧132/80mmHg、心拍数86回/分、呼吸回数18回/分意識:清明腹部:軟。膨隆なし。下腹部に軽度の圧痛あり経過)尿意切迫感と頻尿、切迫性尿失禁の症状から過活動膀胱を疑い牛車腎気丸を処方した。尿意切迫感は改善を認めた。その後、ナースに「最近、子宮脱が気になっている」との訴えがあった。子宮脱も夜間多尿の原因となっていた可能性がある。◆今回おさえておくべき臨床背景はコチラ!年をとると過活動膀胱に罹患する割合が増加する(70代で20%、80歳以上で35%)1)カルシウム拮抗薬は夜間頻尿を起こす成人女性の25%に尿失禁がある【STEP1】患者の症状に関する理解不足を解消させよう【STEP2】多尿(>3L/日)か確認する2)問診:口渇の程度、飲水量、塩分摂取量、利尿薬、アルコールやカフェイン摂取心因性多飲症では1日3~5Lの飲水により低ナトリウム血症を起こすスポット尿のナトリウム濃度(mmol/L)を17で割ると、尿1LあたりのNaCl量(g)が推定できる。この数値に尿量(L)をかければ1日あたりの推定食塩摂取量となる多尿があれば、尿浸透圧を測定する。250mOsm/kg以下ならば水利尿、300mOsm/kg以上ならば浸透圧利尿である水利尿の原因:尿崩症(中枢性、腎性)、心因性多尿浸透圧利尿の原因:糖尿病、薬剤(マンニトール)、ナトリウム負荷、利尿薬、腎不全【STEP3-1】夜間は何度トイレに起きるか就寝後に2回以上、排尿のため起きなければならない症状を夜間頻尿と呼ぶ健常者では抗利尿ホルモン(バソプレシン)は夜間に多く分泌されるため、夜間尿は少なくなる。<夜間頻尿の原因>夜間のみ尿量が多くなる夜間多尿、膀胱容量の減少(過活動性膀胱、前立腺肥大症、間質性膀胱炎、骨盤臓器脱)、睡眠障害<夜間多尿の原因>高血圧、心不全、腎不全、睡眠時無呼吸症候群、寝る前の水分過剰摂取【STEP3-2】尿失禁はあるか2)3)4)◆新たに出現した尿失禁の鑑別診断(DIAPERS)Drug(薬剤)Atrophic vaginitis(萎縮性膣炎)Endocrine(高血糖、高カルシウム血症)Stool impaction(宿便)Infection(感染症:とくに尿路感染症)Psychological(うつ、認知症、せん妄)Restricted mobility(運動制限)(表)尿失禁のタイプ画像を拡大する<参考文献・資料>1)日本泌尿器科学会:頻尿(ひんにょう)とは2)Harrison’s Principles of Internal Medicine. 2018. p294-295,p3432-3436.3)MKSAP19 General Internal Medicine1. 2021. p95-98.4)山中克郎ほか. UCSFに学ぶ できる内科医への近道. 改訂4版. 2012. p343.

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高圧処理後のブレンド玄米による認知症や2型糖尿病予防の可能性

 2型糖尿病は、アルツハイマー病のリスクを増加させることが報告されている。新潟薬科大学の中村 澄子氏らは、高圧処理米飯を用いた2型糖尿病および認知症の予防効果について、調査を行った。Foods (Basel, Switzerland) 誌2022年3月12日号の報告。玄米群は認知機能評価で言語記憶の有意な改善が認められた 参加者24人を対象に12週間のランダム化並行群間比較試験を行った。糖尿病予防に超硬質米、認知症予防にワックスフリーの黒米玄米を取り入れ、これらに通常の玄米を4:4:2の割合でブレンドし、超高圧処理後に嗜好性の改善のためワックス状黒米ぬか2.5%と米ぬか油0.3%を加えた。主要アウトカムである認知機能の評価には、コグニトラックス(Cognitrax)を用いた。副次的アウトカムとして、介入試験完了時点の食後血糖値とインスリン分泌を評価するため、単回投与テストを実施した。 主な結果は以下のとおり。・本ブレンド玄米には、食物繊維、アントシアニン、フェルラ酸、β-セクレターゼ阻害活性が豊富に含まれていた。・12週間後、ブレンド玄米介入群は、白米を食した対照群と比較し、認知機能評価バッテリーによる言語記憶の有意な改善が認められた(p<0.05)。・ブレンド玄米介入群は、対照群と比較し、インスリン分泌レベルが低かった(p<0.05)。

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第97回 巨額のコロナ補助金による公立病院の収益改善を問題視/財務省

<先週の動き>1.巨額のコロナ補助金による公立病院の収益改善を問題視/財務省2.GW中も新型コロナ患者に対応できる体制確保を求める通知/厚労省3.コロナ禍で自殺者数が増加、自殺総合対策大綱の見直しへ/政府4.「かかりつけ医」以外の受診に定額負担、フリーアクセス抑制5.精神科の医療保護入院、「廃止」の文言を撤回/厚労省6.岸田首相、リフィル処方箋の推進を/経済財政諮問会議1.巨額のコロナ補助金による公立病院の収益改善を問題視/財務省13日に開催された財政制度等審議会の分科会において、財務省が新型コロナウイルス対策に投じられた巨額の補助金をめぐって医療機関経営実態の「見える化」を提言した。感染拡大中の病床確保支援、医療従事者への慰労金、院内感染対策、ワクチン接種体制確保などのために、緊急包括支援交付金として6兆円、病床確保のための緊急支援金0.3兆円などと、低く見積もっても約8兆円が使われた。病床確保料を受け取りながらも新型コロナ患者の受入れをしなかった病院が問題視されたこともあり、医療機関などへの財政支援の効果の検証が求められる。2020年度決算では、新型コロナ関連の補助金に支えられた形で、国公立病院の収益が急改善している。853病院ともっとも数が多い公立病院の合計収益は、2019年度における980億円の赤字から2020年度には1,251億円の黒字になるなど、国立病院機構傘下の140病院、地域医療機能推進機構の57病院を含む国公立病院の決算の分析結果を示した。費用対効果の面で補助金額が適切だったかどうか、問題提起する狙いがある。(参考)国公立病院の収益が急改善 20年度、コロナ巨額補助金で(東京新聞)コロナ対応に国費16兆円、4割が医療体制強化に…財務省幹部「検証が必要」財務省(読売新聞)コロナ対策、病院に8兆円 無駄排除へ実態検証欠かせず(日経新聞)2.GW中も新型コロナ患者に対応できる体制確保を求める通知/厚労省厚生労働省は、今年のゴールデンウィークを前に、各医療機関や自治体に対して、連休中に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者や疑い患者の増加が想定されるとして、引き続き診療・検査体制や入院体制を維持・確保することが重要とする通知を13日に発出した。とくに高齢者施設等における医療支援の更なる強化を始めとした流行再拡大への対応が求められる。連休時における発熱患者等の診療・検査医療機関やコロナ患者の受入れ医療機関など、十分な医療提供体制の事前調整や、COVID-19疑い例の相談窓口など、連休時においてもその体制を引き続き確保することなどが全9項目にまとめられている。(参考)ゴールデンウィーク等の連休時の保健・医療提供体制の確保について(厚労省)連休時も確保病床など即座に稼働できる準備を 厚労省、診療・検査・入院体制確保を要請(CBnews)ゴールデンウィーク中も十分な医療提供が行える体制を地域関係者で協議し、準備・周知を―厚労省(Gem Med)3.コロナ禍で自殺者数が増加、自殺総合対策大綱の見直しへ/政府厚労省「自殺総合対策の推進に関する有識者会議」は15日に報告書をとりまとめ、公表した。わが国では1998年以降、14年連続して年間自殺者数が3万人を超えていたものの、2006年に制定された自殺対策基本法や政府の自殺総合対策大綱に基づく取り組みの結果、2万人台に減少するなど、成果を挙げていた。しかし、2021年は女性や小中高生の自殺者が増え、総数は11年ぶりに前年を上回った。このため、女性や子供への支援強化として相談窓口の拡充や、若者の自殺対策のさらなる推進、報道等への対応を含め、今年の夏に政府は、現在の自殺総合対策大綱を見直す方針。(参考)女性、子ども「深刻な状況」 自殺対策の指針、見直しに向け報告書(朝日新聞)自殺対策、精神科医療につなぐ連携体制強化を 厚労省が有識者会議の報告書を公表自殺総合対策の推進に関する有識者会議報告書(厚労省)4.「かかりつけ医」以外の受診に定額負担、フリーアクセス抑制13日に開催された財務省財政制度等審議会の分科会において、「かかりつけ医」以外を受診した場合に、患者に対して新たな定額負担を求める意見が出された。これは2015年にも政府内で検討されていたが、「かかりつけ医」の定義が曖昧なため見送られた経緯がある。2025年には団塊世代が75歳以上となるため医療費の抑制が課題となっており、これに対して「量重視」のフリーアクセスを、必要な時に必要な医療にアクセスできる「質重視」に切り替えていく必要があるとし、財務省はこれを今年の夏の「骨太方針2022」に盛り込みたいとしている。なお、今年の夏には参議院選挙もあり、どこまで具体化するか注目したい。(参考)外来受診時の定額負担、再び俎上に「かかりつけ医」制度とセットで財務省提案(CBnews)「かかりつけ医」と医療の今後(読売新聞)5.精神科の医療保護入院、「廃止」の文言を撤回/厚労省厚労省は、14日に開催された「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」において、精神科病院に強制的に入院させる「医療保護入院」について、将来的な「廃止」という文言を削除した。民間団体「精神医療人権センター」によると、日本の精神科の強制入院率は欧州の3~4倍、人口100万人当たりで比較すると約15倍と世界的に見ても大きい。前回の検討会では、将来的な廃止も視野に入れ縮小する考えを示していたが、日本精神科病院協会(日精協)の委員が反発したため、表現を後退させた形。今後も、医療保護入院の見直しについては、できる限り入院治療に頼らない治療を行うことを原則として、それでも入院治療が必要な場合、できる限り本人の意思を尊重する形で任意入院を行うことが重要であるとした。入院医療を必要最小限にするための予防的取り組みの充実や、医療保護入院から任意入院への移行、退院促進に向けた制度・支援など、より一層の権利擁護策の充実を求めている。(参考)医療保護入院、廃止も視野に縮小へ 「任意」や退院促す(福祉新聞)医療保護入院、「廃止」を削除 精神科、厚労省が表現後退(東京新聞)第9回「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」6.岸田首相、リフィル処方箋の推進を/経済財政諮問会議今年の診療報酬改定で導入されたリフィル処方だが、現場では再診料が減ることを懸念した医療機関などによりあまり活用されていない。この現状に対して、岸田総理は13日に開催された経済財政諮問会議で、リフィル処方の使用促進を含む医療・介護サービス改革の継続・強化に取り組むことを明らかにした。民間議員からは、コロナの感染拡大を機に外来の受診回数が減少したデータを提示し、薬のみの診療は患者にとって過度な通院負担であった可能性があると指摘。患者の希望を確認、尊重する必要性があると求めた。(参考)岸田首相 諮問会議でリフィル処方の使用促進求める コロナ禍の経験踏まえた医療改革の継続・強化を(ミクスオンライン)「リフィル処方箋」医師及び腰「薬剤師が管理」抵抗 患者ニーズ置き去り(日経新聞)

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