高圧処理後のブレンド玄米による認知症や2型糖尿病予防の可能性

提供元:ケアネット

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公開日:2022/04/19

 

 2型糖尿病は、アルツハイマー病のリスクを増加させることが報告されている。新潟薬科大学の中村 澄子氏らは、高圧処理米飯を用いた2型糖尿病および認知症の予防効果について、調査を行った。Foods (Basel, Switzerland) 誌2022年3月12日号の報告。

玄米群は認知機能評価で言語記憶の有意な改善が認められた

 参加者24人を対象に12週間のランダム化並行群間比較試験を行った。糖尿病予防に超硬質米、認知症予防にワックスフリーの黒米玄米を取り入れ、これらに通常の玄米を4:4:2の割合でブレンドし、超高圧処理後に嗜好性の改善のためワックス状黒米ぬか2.5%と米ぬか油0.3%を加えた。主要アウトカムである認知機能の評価には、コグニトラックス(Cognitrax)を用いた。副次的アウトカムとして、介入試験完了時点の食後血糖値とインスリン分泌を評価するため、単回投与テストを実施した。

 主な結果は以下のとおり。

・本ブレンド玄米には、食物繊維、アントシアニン、フェルラ酸、β-セクレターゼ阻害活性が豊富に含まれていた。
・12週間後、ブレンド玄米介入群は、白米を食した対照群と比較し、認知機能評価バッテリーによる言語記憶の有意な改善が認められた(p<0.05)。
・ブレンド玄米介入群は、対照群と比較し、インスリン分泌レベルが低かった(p<0.05)。

(鷹野 敦夫)