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追加接種のタイミング、6ヵ月以上でより高い有効性か

 ワクチンの種類や2回目接種からの間隔の長さによって、オミクロン株に対する3回目接種の有効性は異なるのか? スペイン・公衆衛生研究所のSusana Monge氏らは、全国規模の住民登録データを用いて、オミクロン株が優勢な期間におけるワクチン有効率をいくつかのサブグループごとに推定。結果をThe Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2022年6月2日号で報告した。 本研究では、スペインの3つの全国的な人口登録(ワクチン接種登録、検査結果登録、および国民健康システム登録)からのデータをリンクさせて、ワクチン初回シリーズ(mRNAワクチンおよびアストラゼネカ製ワクチンは2回、ヤンセン製ワクチンは1回)をフォローアップ開始の3ヵ月前までに完了した40歳以上の個人を選択した。パンデミックの開始以降、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染したことがある者(検査陽性者)は含まない。 2022年1月3日から2月6日までの毎日、mRNAワクチンの追加接種者と対照者を、性別、年齢層、郵便番号、ワクチンの種類、2回目接種からの経過時間、および以前の検査回数でマッチさせた。Kaplan-Meier法を使用して、リスク比(RR)とリスク差による群間比較を行った。ワクチン有効率は、1からRRを引いたものとして計算された。 主な結果は以下の通り。・311万1,159人ずつのマッチさせたペアが解析対象。・初回シリーズのワクチンの種類は、ファイザー製が78.4%、モデルナ製が11.8%、アストラゼネカ製が7.6%、ヤンセン製が2.2%。追加接種は、ファイザー製が26.6%、モデルナ製が73.4%だった。・全体として、追加接種後7~34日目までの推定有効率は51.3%(95%信頼区間[CI]:50.2~52.4)だった。・追加接種の種類ごとにみた推定有効率は、モデルナ製が52.5%(51.3~53.7)、ファイザー製が46.2%(43.5~48.7)だった。・初回シリーズの種類ごとにみた推定有効率は、アストラゼネカ製が58.6%(55.5~61.6)、モデルナ製が55.3%(52.3~58.2)、ファイザー製が49.7%(48.3~51.1)、ヤンセン製が48.0%(42.5~53.7)だった。・初回シリーズ後151~180日に追加接種した場合の推定有効率は43.6%(40.0~47.1)、180日を超えて追加接種した場合は52.2%(51.0~53.3)だった。 著者らは、追加接種のオミクロン株に対する推定有効率はファイザー製と比較してモデルナ製で高く、また初回シリーズ完了後追加接種までの時間とともに推定有効率が増加したとまとめている。ただし一方で、推定有効率がより間隔を空けた場合と比べやや低いとしても、オミクロン株感染が拡大している中での接種は可能な限り早い段階で感染を減らすという側面から正当化されるかもしれないと考察している。

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ガイドライン無料化を医師の3割が希望/1,000人アンケート

 診療の標準・均てん化とエビデンスに根ざした診療を普及させるために、さまざまな診療ガイドラインや診療の手引き、取り扱い規約などが作成され、日々の診療に活用されている。今春の学術集会でも新しいガイドラインの発表や改訂などが行なわれた。 実際、日常診療でガイドラインはどの程度活用され、医療者が望むガイドラインとはどのようなものなのか、今回医師会員1,000人にアンケートを行なった。 アンケートは、5月26日にCareNet.comはWEBアンケートで会員医師1,000人にその現況を調査。アンケートでは、0~19床と20床以上に分け、6つの質問に対して回答を募集した。【回答者内訳】・年代:20代(7%)、30代(17%)、40代(23%)、50代(26%)、60代(22%)、70代以上(5%)・病床数:0床(46%)、1~19床(4%)、20~99床(9%)、100~199床(3%)、200床以上(38%)・診療科[回答数の多い10診療科]:内科(247人)、外科・乳腺外科(76人)、研修医・その他(71人)、循環器内科・心臓血管外科(63人)、精神科(56人)、消化器内科(55人)、整形外科(40人)、皮膚科(39人)、小児科(37人)、糖尿病・代謝・内分泌科(32人)ガイドライン「無料化」「ダイジェスト版の作成」の声が多かった 質問1で「専門領域における日常診療でガイドラインなどを活用しているか」(単数回答)を尋ねたところ、回答者全体の集計では「部分的に活用」が51%、「大いに活用している」が40%、「あまり活用していない」が8%、「まったく活用していない」が1%の順だった。とくに19床未満と20床以上の比較では、20床以上所属の回答者の46%が「大いに活用している」に対し、19床未満では35%と医療機関の規模でガイドラインなどの活用の度合いが分かれた。 質問2で「ガイドラインなどの新規発行や改訂などの情報はどのように入手しているか」(複数回答)を尋ねたところ、全体で「所属学会の案内」が64%、「CareNet.comなどのWEB媒体」が52%、「学術集会の場」が18%の順だった。とくに規模別で「CareNet.comなどのWEB媒体」について、19床未満所属では59%であるのに対し、20床以上は45%といわゆるクリニックなどの医師会員ほどWEBなどをガイドラインの情報源にしていることがうかがわれた。 質問3で「ガイドラインなどはどの程度の領域を用意/集めているか」(単数回答)を尋ねたところ、回答者全体の集計では「自分の専門領域とその周辺領域すべて」が31%、「必要なときに入手」が27%、「自分の専門領域の一部」が20%の順だった。規模別に大きな違いはなかったが、診療で必要な都度にガイドラインを用意していることがうかがえた。 質問4で「ガイドラインなどで参考する項目について」(回答3つまで)を尋ねたところ、「治療(治療薬などの図表なども含む)」が75%、「診断(診断チャート含む)」が66%、「疾患概要(病態・疫学など)」が31%の順だった。とくに規模別でガイドラインの「クリニカルクエッション(CQ)」について全体では23%だったが、20床以上所属では27%であるのに対し、19床未満では19%と大きく差がひらいた。 質問5では「ガイドラインなどで今後改善すべきと思う点について」(複数回答)を尋ねたところ、「非学会員への配布無料化」が32%、「PDF・アプリなどへの電子化」が31%、「図表や臨床画像の多用」と「非専門医、一般向けのダイジェスト版の作成」がともに30%の順だった。とくに規模別では、「PDF・アプリなどへの電子化」について20床以上が36%と回答していたのに対し、19床未満は27%とガイドラインのデジタル化への要望につき差がでていた。 質問6では自由記載として「ガイドラインなどに関するエピソード」について尋ねたところ、ガイドラインの活用では、「診療で迷った際の指針」だけでなく、「患者への説明」や「後輩への指導の教材」などでの使用も多かった。また、ガイドラインなどの改善点として「無料化」「ダイジェスト版の作成」の声が多かった。参考診療ガイドラインを活用していますか?/会員医師1,000人アンケート

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妊娠中のコロナワクチン2回接種、生後6ヵ月未満児の入院を半減/NEJM

 妊娠中に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNAワクチンを2回接種することにより、生後6ヵ月未満の乳児におけるCOVID-19による入院および重症化のリスクが低減することが、米国・ヴァンダービルト大学医療センターのNatasha B. Halasa氏らが実施した検査陰性デザインによる症例対照研究の結果、示された。生後6ヵ月未満児はCOVID-19の合併症のリスクが高いが、ワクチン接種の対象とはならない。妊娠中の母親がCOVID-19ワクチンを接種することで新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する抗体が経胎盤移行し、乳児にCOVID-19に対する防御を与える可能性が示唆されていた。NEJM誌オンライン版2022年6月22日号掲載の報告。COVID-19で入院した乳児とCOVID-19以外で入院した乳児を比較 研究グループは、Overcoming COVID-19ネットワークに登録されている米国22州30の小児病院において、2021年7月1日~2022年3月8日の期間に、SARS-CoV-2のPCR検査陽性または抗原検査陽性でCOVID-19により入院した生後6ヵ月未満の乳児(症例群)、ならびに症例群とマッチさせた(入院日が症例児の入院日の前後4週以内)SARS-CoV-2陰性でCOVID-19以外により入院した乳児(対照群)を特定し、母親のワクチン接種の有効性を解析した。 母親のワクチン接種は、妊娠中にBNT162b2(ファイザー製)またはmRNA-1273(モデルナ製)ワクチンを2回接種していることとした(妊娠前に1回目を接種し妊娠中に2回目を接種した母親は解析対象に含む)。 試験期間全体、B.1.617.2(デルタ)変異株の流行期(2021年7月1日~12月18日)およびB.1.1.259(オミクロン)変異株の流行期(2021年12月19日~2022年3月8日)に分け、乳児のCOVID-19による入院に対する母親のワクチン接種の有効性について、母親のワクチン接種のオッズ比を症例群と対照群とで比較することにより推定した。妊娠中のワクチン2回接種完了、乳児のCOVID-19入院に対する有効率は試験期間全体で52% 解析対象は、症例群537例(デルタ期181例、オミクロン期356例)、対照群512例(両群とも月齢中央値は2ヵ月)。妊娠中にワクチン2回接種を完了した母親から生まれた乳児は、症例群で16%(87/537例)、対照群で29%(147/512例)であった。 症例群では、113例(21%)がICUで治療を受け、そのうち64例(12%)は人工呼吸器装着または血管作動薬の投与を受けた。2例がCOVID-19により死亡したが、2例とも母親は妊娠中にワクチン接種を受けていなかった。 乳児のCOVID-19による入院に対する母親のワクチン接種の有効性は、試験期間全体で52%(95%信頼区間[CI]:33~65)、デルタ期で80%(95%CI:60~90)、オミクロン期で38%(95%CI:8~58)であった。母親のワクチン接種が妊娠20週以降に行われた場合の有効性は69%(95%CI:50~80)、妊娠初期(20週以前)の場合は38%(95%CI:3~60)であった。

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思春期ADHDにおける物質使用障害の性差

 性差が精神疾患の病因および経過に重大な影響を及ぼすことは、脳解剖学、脳活動パターン研究、神経化学などのエビデンスで示されている。しかし、メンタルヘルス分野での性差に関する研究は十分ではない。スペイン・Universidad Cardenal Herrera-CEUのFrancisca Castellano-Garcia氏らは、物質使用障害(SUD)、有病率、薬物療法、メンタルヘルスの観点から、注意欠如多動症(ADHD)と診断された13~18歳の思春期患者における性差について検討を行った。その結果、思春期のADHDにおいて女性は男性よりも診断・治療が十分でない可能性があり、将来のさまざまな問題を予防するためにも、とくに思春期女性に対するADHDの早期診断は重要であることが示唆された。Brain Sciences誌2022年5月2日号の報告。 ADHDの診断にはDSM-IV、DSM-IV-TR、DSM-V基準を用いた。PubMed、Web of Science、Scopusより検索された21文献のナラティブレビューを行った。 主な結果は以下のとおり。・思春期のADHDにおいて、女性は男性よりも物質使用のリスクが高いが、併存疾患の有病率についてのコンセンサスは得られなかった。・ADHD女性は、不注意症状が多く秩序破壊的行動が少ないため、診断が十分ではなく治療頻度も低かった。・ADHD女性では、認知機能および実行機能の低下が悪化することにより、とくに自傷行為の観点から物質使用の増加および機能低下を来している可能性がある。・ADHDの早期診断は、とくに思春期女性において重要であり、物質使用、SUDの進展、自殺行動の早期予防に不可欠である。

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生後6ヵ月以上へのモデルナ製とファイザー製コロナワクチンを承認/FDA

 米国食品医薬品局(FDA)は2022年6月17日付のプレスリリースで、生後6ヵ月以上の小児に対して、モデルナ製とファイザー製の新型コロナワクチンについて緊急使用許可(EUA)したことを発表した。5歳未満への新型コロナワクチンの接種が許可されたのはこれが世界初となる。 モデルナ製ワクチン(商品名:スパイクバックス)は、米国でこれまで18歳以上の成人のみに使用が許可されていたが、今回の承認で、生後6ヵ月以上のすべての小児に対して使用が可能となり、それぞれの年齢層に合わせた用量を、初回シリーズとして1ヵ月間隔で2回投与する。年齢層別の1回の用量は、生後6ヵ月~5歳では25μg(0.25mL)、6~11歳では50μg(0.5mL)、12~17歳では100μg(0.5mL)となっている。また、免疫不全のある小児については、2回目の少なくとも1ヵ月後に3回目を投与することができる。 モデルナ製ワクチンについて、米国とカナダで実施された無作為化盲検プラセボ対照臨床試験によると、各年齢層で上記と同量のワクチンを2回接種した小児を、18~25歳のワクチンを2回接種した成人と比較したところ、成人と同等の免疫反応が確認された。また、COVID-19の既往がない6ヵ月~5歳約5,400例、および12~17歳340例において、2回目の接種から14日以降のCOVID-19に対する予防効果は、6~23ヵ月では50.6%、2~5歳では36.8%、12~17歳においては93.3%の有効性が示された。 すべての小児年齢層で安全性と忍容性が確認されており、死亡例や心筋炎・心膜炎を発症した例は報告されていない。ワクチンの副反応として、生後6ヵ月~5歳で最も多く報告された局所症状は、注射部位の痛み、発赤、腫脹、発熱、注射をした腕(または大腿部)のリンパ節の腫脹・圧痛だった。生後6~36ヵ月の年少児では、神経過敏/泣く、眠気、食欲不振、37ヵ月~5歳の年長児では、疲労、頭痛、筋肉痛、悪寒、吐き気・嘔吐、関節のこわばりなどが多く報告された。6~17歳では、注射部位の痛み、発赤、腫脹、疲労感、頭痛、筋肉痛、悪寒、関節痛、注射と同じ腕のリンパ節の腫れ、吐き気と嘔吐、発熱などの副反応が報告された。 一方、ファイザー製ワクチン(商品名:コミナティ)については、すでに5~17歳に対する3回の接種が承認されていた。今回承認された6ヵ月~4歳へのワクチン接種では、初回シリーズとして用量3μg(0.2mL)を3回行い、最初の2回の投与は3週間間隔で投与し、3回目は2回目の少なくとも8週間後に投与することとなっている。 Pfizer(米国)の同日付のプレスリリースによると、ファイザー製ワクチンについて、6ヵ月~4歳の小児4,526人を対象とした第II/III相無作為化比較試験結果において、オミクロン株流行期に、2回目の接種から少なくとも2ヵ月後に3回目の3μgの接種によって、ワクチンによる強い免疫反応が確認され、プラセボ群と同様の安全性も認められたという。本試験でのSARS-CoV-2に対する中和幾何平均抗体価(GMT)は、3回目の接種から1ヵ月後で、2~4歳では1,535.2(95%信頼区間[CI]:1,388.2~1,697.8)、6~23ヵ月では1,406.5(95%CI:1,211.3~1,633.1)であり、両年齢層で30μgを2回接種した16~25歳と同等の抗体反応が確認された。 本ワクチンの副反応については、6ヵ月~4歳の小児において3回目の投与後少なくとも2ヵ月間追跡し、神経過敏、食欲不振、発熱と痛み、圧痛、発赤、注射部位の腫脹が最も多く報告されたという。

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脊髄性筋萎縮症、治療の進歩と新生児スクリーニング

 2022年6月20日、「マススクリーニングが変える脊髄性筋萎縮症(SMA)の未来」と題して、都医学研都民講座が開催され、齋藤 加代子氏(東京女子医科大学 ゲノム診療科 特任教授)から、SMAの概要と治療の進歩、新生児スクリーニングの必要性について、水野 朋子氏(東京医科歯科大学 小児科 助教)から、新生児スクリーニングの現状・課題について講演が行われた。小児科に求められる役割 SMAは、脊髄の運動神経細胞の変性により、全身の筋肉が萎縮し、筋力低下、嚥下障害、呼吸障害などを来す進行性の疾患である。病型は、胎児期に発症する0型、6ヵ月ごろまでに発症するI型、18ヵ月ごろまでに発症するII型、それ以降に発症するIII型、成人期に発症するIV型に分類される(0型とIV型はまれ)。I型は、最重症で進行が速く、気管切開と人工呼吸器なしでは2歳までに90%以上が死亡するとされている。II型は、成長に伴い脊柱変形や関節拘縮がみられるようになり、やがて車いすでの生活を余儀なくされる。比較的軽症なIII型であっても、X脚や外反足などの症状がみられ、転びやすくなり、多くの患者さんで車いすが必要となるケースが多いという。発症年齢は、大部分が小児期であり、生後2ヵ月前後までに20%、2歳未満までに82.7%、16歳未満までに97%が発症することが全国調査の結果から明らかになっており、齋藤氏は、「SMAでは、小児科が診断において重要な役割を担う」と述べた。進歩した治療、開始のタイミングがカギ SMAは、SMN1遺伝子の変異によって引き起こされることがわかっている。このSMNを標的とした薬剤の有効性が相次いで報告され、現在日本国内では3剤(ヌシネルセン、オナセムノゲン、リスジプラム)が使用可能となっている。ヌシネルセンは、アンチセンス核酸医薬(SMN1とよく似た構造を持つ遺伝子であるSMN2をスプライシング修飾)であり、全年齢に対して髄腔内投与が可能である。オナセムノゲンは、遺伝子治療薬(アデノ随伴ウイルスを利用してSMN遺伝子を導入)であり、2歳未満に対して静脈点滴、リスジプラムは、低分子薬(SMN2をスプライシング修飾)であり、生後2ヵ月以上に対して経口投与が可能な薬剤である。このうち、ヌシネルセンとオナセムノゲンは、未発症の投与が可能となっている。 SMAに対する治療効果は、治療を開始した時期と患者さんに残されている運動ニューロンの割合に依存するといわれており、治療は早ければ早いほど効果が高く、発症前における有効性も報告されている。一方で、症状が進んだ状態で投与しても効果が限定的ともいわれている。こういったことから「可能な限り早期に診断し、早期に治療を開始することが極めて重要、“Time is Neuron”だ」と齋藤氏は訴えた。早期発見、早期治療のため、新生児スクリーニングを SMAのI型は、発症後神経の変性が急激に進行するため、本来であれば、生後1週間以内に治療を開始することがベストだが、一般診療では、生後6ヵ月ごろ(運動ニューロンが急速に消失し、ほぼ残されていない状態)に診断されることが多いという。これは、SMAが希少疾患であるために、医療者であっても認識が低いことや、病初期は症状がわかりにくく、とくにII型やIII型は、呼吸障害がなく緩徐に進行するため経過観察になりやすいことなどが理由として挙げられる。こうしたことからも、「新生児スクリーニングを行い、早期発見を目指すことが重要である」と、水野氏は強調した。 新生児スクリーニングは、先天性の疾患を早期に発見し、早期管理・治療することで発症を防ぎ、正常な成長発達を獲得することを目的としている。現在、米国では新生児の95%がSMAの新生児スクリーニングを受け、治療が受けられるようになっているが、日本ではまだ一部の自治体しか実施できていないのが現状であるという。SMAの新生児スクリーニングを普及させるためには、現行のスクリーニング検査に組み込む必要があるため、各自治体や検査機関などへの協力依頼や、分娩施設への協力依頼、産科医、小児科医への周知と理解、検査費用の公費負担化、診断後のフォロー体制などの課題が挙げられている。これに対し、日本小児神経学会では、SMAの新生児スクリーニング検討ワーキンググループを立ち上げ、対策を講じている。 水野氏は、「SMAは、適切なスクリーニング検査や確定診断方法、目覚ましい進歩を遂げた治療法により、早期発見、早期治療が可能な環境が整いつつある。だからこそ、診断後の疾患・治療説明や遺伝カウンセリング、新生児スクリーニングの普及といった課題を各団体と協力して解決していくことが重要だ」と述べ、講演を締めくくった。

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6~17歳におけるAZ製ワクチンの安全性と免疫原性/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンChAdOx1 nCoV-19(AZD1222、アストラゼネカ製)は、6~17歳の小児において忍容性と免疫原性が高く、成人を対象とした第III相試験で示された高い有効性と関連する抗体濃度と同程度の抗体を誘導することができ、安全性に関する懸念は認められなかった。英国・チャーチル病院のGrace Li氏らが、英国の4施設で実施した第II相単盲検無作為化比較試験「COV006試験」の結果を報告した。COVID-19ワクチンについては、小児および若年者への接種を推奨している国もあるが、18歳未満におけるCOVID-19ワクチンの免疫反応に関するデータは成人と比較して十分ではなかった。Lancet誌オンライン版2022年6月11日号掲載の報告。2回目接種4週後と12週後(実際は16週後)の2群を設定 研究グループは、慢性呼吸器疾患および検査で確認されたCOVID-19の既往がなく、莢膜B群髄膜炎菌ワクチン(対照)未接種の6~17歳の健康小児を、AZD1222(ウイルス粒子量5×1010)を28日間隔、対照ワクチンを28日間隔、AZD1222を84日間隔、対照ワクチンを84日間隔でそれぞれ2回接種する群に、4対1対4対1の割合で無作為に割り付け筋肉内投与した。 参加者は年齢で層別化され、12~17歳群が6~11歳群より先に登録された。試験期間中に30歳未満へのAZD1222接種制限が導入されたため、28日間隔群に割り付けられた12~17歳の参加者のみが、計画された間隔(28日目)でAZD1222接種を受けた。残りの参加者は112日目に2回目の接種を受けた。 主要評価項目は、安全性解析対象集団(試験薬を少なくとも1回投与されたすべての参加者)における安全性と忍容性であった。副次評価項目は免疫原性で、ベースラインでSARS-CoV-2(ヌクレオカプシドタンパク質)血清陰性者およびワクチン2回接種者を対象に評価した。 2021年2月15日~4月2日の間に、262例がAZD1222群(211例[28日間隔群105例、84日間隔群106例])または対照群(51例[26例、25例])に割り付けられた(12~17歳150例[57%]、6~11歳112例[43%]、英国のワクチン接種方針の変更により予定人数に達する前に低年齢層の募集を終了)。AZD1222の若年層28日間隔群の1例が、初回接種前に同意を取り下げた。2回目接種後抗体価、6~11歳16週後>12~17歳16週後>12~17歳4週後の順で高い AZD1222群において、局所性および全身性の特定有害事象(solicited adverse event)は、初回接種後7日目までで210例中169例(80%)に、2回目接種後で193例中146例(76%)に認められた。 AZD1222接種に関連する重篤な有害事象は、データカットオフ日(2021年10月28日)までに報告されなかった。また、いずれかの接種後28日までの非特定有害事象の発現頻度は40%(83/210例、計128件)であった。 AZD1222の6~11歳群で、初回接種後1日目のGrade4の発熱(40.2℃)が1例報告されたが、24時間以内に消失した。AZD1222接種あるいは対照ワクチン接種でよくみられた有害事象は、疼痛および圧痛であった。 全参加者262例中20例(8%)は血清データを入手できず、血清データのある242例中14例(6%)はベースライン時に血清陽性であった。AZD1222群のベースライン時血清陰性者において、2回目接種後28日目の抗SARS-CoV-2 IgG抗体濃度および中和抗体濃度(IC50)(いずれも幾何平均値)は、投与間隔が長い(112日)12~17歳群ではそれぞれ73,371 AU/mL[95%CI:58,685~91,733]および299[95%CI:230~390])であり、投与間隔が短い(28日)12~17歳群(それぞれ4万3,280 AU/mL[95%CI:3万5,852~5万2,246]および150[95%CI:116~194])と比較して高かった。 2回目接種後の液性免疫応答は同じ投与間隔が長い(112日)群でも、6~11歳群が12~17歳群より高かった(幾何平均比:抗SARS-CoV-2 IgG抗体1.48[95%CI:1.07~2.07]、中和抗体2.96[95%CI:1.89~4.62])。また、細胞性免疫応答(IFN-γ ELISpot法)は、すべての年齢群および間隔群においてAZD1222の1回目接種後にピークに達し、2回目接種後もベースラインより高く維持された。

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脳腫瘍診療ガイドライン 小児脳腫瘍編 2022年版

小児脳腫瘍編として代表的な6腫瘍型を収載!2019年版に収載されたSEGAを含め、代表的な6腫瘍型を収載した。小児がん領域では、脳腫瘍は白血病に次いで2番目に発症頻度が高く、最も予後不良である。また、腫瘍型によって生物学的悪性度や好発年齢・好発部位、治療反応性に大きく異なることから、小児脳腫瘍の適切な治療法に関する情報提供を目的として作成された。関連学会、患者団体にもご協力いただき、脳腫瘍診療に臨む医療者に役立つ内容となっている。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    脳腫瘍診療ガイドライン 小児脳腫瘍編 2022年版定価4,400円(税込)判型B5判頁数272頁・図数:10枚・カラー図数:1枚発行2022年5月編集日本脳腫瘍学会監修日本脳神経外科学会電子版でご購入の場合はこちら

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思春期女性の食事行動とうつ病との関連

 うつ病の増加は、公衆衛生上の重大な問題となっている。うつ病と食事行動との関連が示唆されているものの、そのエビデンスは限られている。イラン・Shahid Sadoughi University of Medical SciencesのAbbas Ali Sangouni氏らは、食事行動とうつ病スコアとの関連を評価するため、横断的研究を実施した。その結果、いくつかの摂食行動とうつ病スコアとの有意な関連が認められたことを報告した。BMC Public Health誌2022年6月11日号の報告。 対象は、12~18歳のイラン人の思春期女性933人。うつ病重症度スコアにはベックうつ病評価尺度のペルシャ語版を用いて評価した。食事行動は事前に定義し、10項目の標準的な質問票を用いて評価した。食事行動とうつ病スコアとの関連を評価するため、租分および調整済みモデル線形回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・軽度~重度のうつ症状が認められた女性は32.3%、うつ症状がないまたは非常に軽度であった女性は67.7%であった。・うつ病スコアとの有意な逆相関が認められた因子は、以下のとおりであった。 ●メインディッシュの消費量:β=-0.141(95%CI:-3.644~-1.000)、p=0.001 ●スナック菓子の消費量:β=-0.100(95%CI:-2.400~-0.317)、p=0.002 ●通常の食事摂取量:β=0.23(95%CI:0.13~0.42)、p=0.001 ●咀嚼:β=-0.152(95%CI:-2.279~-0.753)、p=0.03これらの関連は、交絡因子で調整した後でも有意なままであった。・租分モデルにおいて、うつ病スコアとの直接的な関連が認められた因子は、以下のとおりであった。 ●食事内水分摂取の頻度:β=0.096(95%CI:0.288~1.535)、p=0.004 ●辛い食品の消費量:β=0.076(95%CI:0.098~1.508)、p=0.02これらの関連は、完全に調整されたモデルでは消失した。・朝食の摂取量、揚げ物の摂取量、咀嚼能力、歯の喪失は、うつ病スコアとの有意な関連は認められなかった(p>0.05)。

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第117回 英国の小児の原因不明の急な肝炎は減少傾向 / 血中のアミノ酸・プロリンとうつ症状が関連

英国の小児の原因不明の急な肝炎は減少傾向今年に入ってから6月13日までに英国ではA~E型以外の原因不明の急な肝炎が260人の小児に認められており、死亡例はありませんが12人(4.6%)が肝臓移植を必要としました1)。新たな発生は続いているものの一週間当たりの数はおおむね減っています。いまだはっきりしない病原の検査ではアデノウイルスの検出が引き続き最も多く、検査した241例中156例(約65%)からアデノウイルスが見つかりました。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は入院の際の検査結果がある196人のうち34人(約17%)から検出されています。ほとんどはSARS-CoV-2ワクチン接種の対象年齢ではない5歳までの乳幼児に発生しており、SARS-CoV-2ワクチンとの関連は認められていません。英国の状況報告と時を同じくして米国からも報告があり、小児の肝炎と関連した救急科治療/入院や肝臓移植はSARS-CoV-2感染(COVID-19)流行前に比べて増えてはおらず2017年以降一定でした2)。たとえば0~4歳の小児の1ヵ月当たりの肝炎関連入院数はより最近の2021年10月~2022年3月までは22件、COVID-19流行前は19.5件であり、有意な変化はありませんでした。それに、原因不明の肝炎小児からアデノウイルス41型が検出されていますが、米国での調査ではアデノウイルス40/41型陽性の小児の割合の増加も認められませんでした(40と41型が一括りになっているのは市販の検査のほとんどがそれらを区別できないため)。だからといって小児の原因不明の肝炎はもはや心配する必要がないというわけではないと米国カリフォルニアの小児病院のリーダーRohit Kohli氏はMedscapeに話しています3)。小児肝炎の増加が認められている英国などの他の国のデータと違いがあるからです。血中のアミノ酸・プロリンが多いこととうつ症状が関連軽度~かなりのうつ病やうつでない人あわせて116人を調べたところ腸内細菌の組成に依存して血中(血漿)のアミノ酸・プロリン濃度が高いこととより重度のうつ症状の関連が認められました4-6)。プロリンはどうやらうつ発症の引き金となるらしく、マウスにプロリンを余分に与えたところうつを示す振る舞いが増えました。また、うつ症状と血漿プロリン濃度の関連が強い被験者20人の糞、つまり腸内微生物をマウスに移植したところ、血中のプロリンが多くてより重症のうつ患者の微生物が移植されたマウスほどプロリンを余分に与えた場合と同様にうつを示す振る舞いをより示しました。さらに遺伝子発現を調べたところ、微生物が移植されてよりうつになったマウスの脳ではプロリン輸送体遺伝子Slc6a20などの発現がより増えていました。そこで、プロリン輸送体のうつ症状への寄与がハエ(ショウジョウバエ)を使って調べられました。Slc6a20のショウジョウバエ同等遺伝子CG43066を抑制したショウジョウバエ、すなわち脳がプロリンを受け付けないショウジョウバエはうつを示す振る舞いを示し難くなりました。また、マウスでうつになり難いことと関連し、GABAを大量に生成する乳酸菌(ラクトバチルス プランタルム)を移植したショウジョウバエもうつ様になり難いことが確認されています。GABAやグルタミン酸はプロリンの分解で最終的に生み出されうる神経伝達物質であり、プロリンの蓄積はGABA生成やグルタミン酸放出を妨げてシナプス伝達を害しうることが先立つ研究で示されています7,8)。そういった先立つ研究と同様に今回の研究でもプロリンがGABA/グルタミン酸分泌シナプスのいくつかの経路と強く関連することが示されています。どうやら共生微生物はプロリン代謝に手出ししてグルタミン酸やGABA放出の均衡を妨害してうつに寄与しうるようであり、グルタミン酸やGABAの使われ方へのプロリンの寄与に共生微生物がどう関わるかを調べることがうつ病によく効く新しい治療の開発に必要でしょう4)。そういう今後の課題はさておき、今回の新たな研究によるとプロリンが控えめな食事をすることでうつ症状は大いに緩和できる可能性があります。参考1)Investigation into acute hepatitis of unknown aetiology in children in England: case update / gov.uk2)Kambhampati AK,et al. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Jun 17;71:797-802.3)Pediatric Hepatitis Has Not Increased During Pandemic: CDC / Medscape4)Mayneris-Perxachs J, et al.Cell Metab. 2022 May 3;34:681-701.5)Study Links Depression with High Levels of an Amino Acid / TheScientist6)A study confirms the relationship between an amino acid present in diet and depression / Eurekalert7)Crabtree GW, et al. Cell Rep. 2016 Oct 4;17(2):570-582.8)Wyse AT, et al. Metab Brain Dis. 2011 Sep;26:159-72.

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デュピクセント、日本人小児アトピー性皮膚炎患者に対し主要評価項目達成/サノフィ

 サノフィは2022年6月14日付のプレスリリースで、同社のデュピクセント(一般名:デュピルマブ)について、生後6ヵ月から18歳未満の日本人アトピー性皮膚炎患者を対象とした第III相試験の結果を発表した。本試験における主要評価項目EASI-75の達成割合は、プラセボ投与群と比較してデュピクセント投与群で有意に高く、小児アトピー性皮膚炎の症状軽減に対する同製剤の有効性が示された。安全性データは、これまでのデュピクセントの安全性プロファイルと一致していた。デュピクセントの小児患者のEASI-75達成割合は43%でプラセボ群は19% 中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者は、ステロイド外用剤(TCS)やタクロリムス外用剤による適切な治療を一定期間実施しても十分な効果が得られず、高頻度かつ長期間の再燃が認められる場合がある。しかし、若年層では治療選択肢が限られており、アンメットニーズが存在している。 デュピクセントは既に、既存治療で効果不十分な、成人のアトピー性皮膚炎患者に対して薬事承認されている。今回発表された試験は、多施設共同、ランダム化、プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験で、中等症から重症のアトピー性皮膚炎と診断され既存療法で効果不十分な、生後6ヵ月から18歳未満の日本人小児患者62名を対象としている。TCSを標準治療薬とし、デュピクセントを併用した群とプラセボ投与群との比較により、小児アトピー性皮膚炎に対するデュピクセントの有効性と安全性を評価した。 小児アトピー性皮膚炎に対するデュピクセントの有効性と安全性を評価した主な結果は以下の通り。・主要評価項目である、投与16週時点のベースラインからのEASI-75達成割合は、デュピクセント投与群で43%、プラセボ投与群で19%だった(p=0.0304)。・安全性データは、デュピクセントで確立している安全性プロファイルと一致するもので、新たな有害事象は報告されなかった。 本試験で確認されたデュピクセントの有効性と安全性の詳細は、今後学会で公表される見通し。現在、国内における小児アトピー性皮膚炎へのデュピクセントの使用は臨床開発中であり、今後、本試験の結果をもとに生後6ヵ月以上18歳未満の小児を対象とした、製造販売承認事項一部変更申請を国内で実施する予定としている。

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12~18歳の新型コロナワクチン有害事象、女子に高リスク傾向/日本化学療法学会

 現在、12~18歳の約75%が新型コロナウイルスワクチンの2回接種を終えているという。この年齢層での新型コロナウイルスワクチンの有害事象の調査結果について、大阪医科薬科大学の小川 拓氏が、2022年6月3日~5日に開催された第70回日本化学療法学会総会にて発表した。ワクチン接種による有害事象は12~18歳も成人データと大きく変わらない 本研究では、中学校・高等学校の生徒のうち、新型コロナウイルスワクチンの接種を、希望者469人に対して、2021年9月25日~10月28日に職域接種として行った。1回目はすべてモデルナ製ワクチン(0.1mg)であったが、若年男性に心筋炎・心膜炎のリスクがあることが厚生労働省から発表されたことを受け、2回目は男子に限りモデルナ製に加え、ファイザー製ワクチン(0.225mg)も選択可能とした。男子108人(うち2回目ファイザー製72人)、女子44人の計152人が研究に参加した。被験者に、新型コロナウイルスワクチンの有害事象でよく見られる症状を記載したアンケート形式の健康観察票に、2週間分を記録してもらった。 1回目接種後の新型コロナウイルスワクチンの有害事象の主な調査結果は以下のとおり。・男女ともに、接種部の局所反応と全身反応ともに、症状の持続期間の中央値3日であった。接種部疼痛や腫脹などの局所反応は、長くても10日程度で治まっていた。・新型コロナウイルスワクチンの有害事象の頻度として多いものは、接種部疼痛(男子89.8%、女子97.7%)、接種部腫脹(男子39.8%、女子50.0%)、37.1℃以上の発熱(男子38.9%、女子50.0%)、倦怠感(男子41.7%、女子40.9%)、頭痛(男子24.1%、女子40.9%)であった。・男女で統計学的に有意な差が見られた新型コロナウイルスワクチンの有害事象は、38.1℃以上の発熱(男子3.7%、女子18.2%)、頭痛(男子24.1%、女子40.9%)であり、女子のほうに多く見られた。・1回目接種の3日後に、14歳男子1例が虫垂炎のために入院した。・接種後の待機時間中に男子1例が腕のしびれを発症したが、速やかに改善した。 2回目接種後の新型コロナウイルスワクチンの有害事象の主な調査結果は以下のとおり。・新型コロナウイルスワクチンの有害事象の頻度として多いものは、接種部疼痛(男子・ファイザー製80.6%、男子・モデルナ製78.3%、女子100.0%)、37.1℃以上の発熱(男子・ファイザー製77.8%、男子・モデルナ製82.6%、女子92.1%)、38.1℃以上の発熱(男子・ファイザー製38.9%、男子・モデルナ製52.2%、女子89.5%)、頭痛(男子・ファイザー製52.8%、男子・モデルナ製60.9%、女子89.5%)、悪寒(男子・ファイザー製20.8%、男子・モデルナ製21.7%、女子44.7%)であり、1回目よりも2回目接種後のほうが各項目の新型コロナウイルスワクチンの有害事象の発生頻度が高く、男子よりも女子のほうが発生頻度が高かった。・ファイザー製を接種した男子4例が、遷延する咳嗽(2例)、めまい(1例)、嘔吐(1例)のため通院したが、いずれも速やかに回復した。・接種後の待機時間中に男子1例が指のしびれを発症したが、12時間以内に消失した。 小川氏は本結果について「12~18歳のワクチン接種による有害事象について、日本における成人のデータと傾向は大きく変わらず、症状の持続期間の中央値はいずれも3日程度で、すべての有害事象が10日目までに消失している。頭痛は月経のある世代では、男性よりも女性に多く報告されており、交絡因子の可能性がある」と述べている。また、本研究では、接種者469人のうち約3割の152人しか研究に参加しなかったこともあり、サンプルサイズが小さいため、モデルナ製ワクチンの若年男性に発生頻度が高いとされる心筋炎や心膜炎については評価できなかったという。

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高画質・低線量の次世代型CT、東海大学がアジア1号機を導入

次世代型CTであるフォトンカウンティングCT(シーメンスヘルスケア製)が2022年1月に保険承認を受け、アジア地域の1号機が東海大学医学部附属病院に導入された。フォトンカウンティングCT「NAEOTOM Alpha(ネオトム アルファ)」画像を拡大する従来型CTは身体を透過したX線を検出器に当てて可視光に変え、それを電気信号に変換して画像化する。この2段階の変換によってX線の光子エネルギーに関する情報が失われ、コントラストや画像の鮮明さも損なわれていた。これに対し、フォトンカウンティングCTは一つひとつの光子(Photon)をそのまま計測(Counting)する。 X線を直接電気信号に変換することでエネルギー情報の損失がなくなり、精度の高い画像が実現した。これにより従来型CTと比較して大幅な被ばく線量の低減従来型CTでは困難であった微細な構造の鮮明な描出・エネルギー情報によって物質を判別し、特定の物質を強調したり除去したりできるといった利点がもたらされる。導入した東海大学医学部画像診断学・教授の橋本 順氏は、フォトンカウンティングCTの臨床応用にあたっての期待を以下のように述べる。【高画質】中耳や内耳などの頭頚部領域の細かい構造をより鮮明に観察できる→耳鼻科冠動脈ステント内の血栓形成状況(内腔)まで確認できる→循環器内科/心臓血管外科【低線量】放射線感受性が高い小児に使いやすい→小児科【物質選択的な画像解析】画像のカルシウム部分を除去することで、骨のなかの軟部組織を精密に確認できる→整形外科冠動脈の画像では内腔の造影剤と壁の石灰化との判別が困難な場合があるが、石灰化部分だけ除去できる→循環器内科/心臓血管外科造影剤と石灰化が判別しづらい冠動脈の画像(左)を、石灰化部分を選択して除去(右)造影剤と石灰化が判別しづらい冠動脈の画像(上)を、石灰化部分を選択して除去(下) 画像を拡大する 画像を拡大する新型コロナ患者の肺野CT左/従来型CT中/フォトンカウンティングCT右/フォトンカウンティングCTで血流部分を選択して色付け画像を拡大する橋本氏はさらに「現在使われているヨードの造影剤は腎毒性がある。フォトンカウンティングCTはヨード部分を強調することで造影剤の使用量を減らせるほか、ヨード以外の物質を用いた新しい造影剤の開発に期待している。今後は臨床で使いながら適した症例を見つけ、新たな用途を探したい。今後10年ほどでCTはこのタイプに置き換わっていくだろう」とする。シーメンスヘルスケアによると、国内では東海大学のほか、大学病院や研究機関などを中心に導入を図っていく予定で、海外においても欧米の主要大学や病院にプロトタイプを20台ほど導入済みだという。

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10~18歳2型DMにデュラグルチド週1回投与は有効か/NEJM

 10~18歳の2型糖尿病において、GLP-1受容体作動薬デュラグルチドの週1回投与(0.75mgまたは1.5mg)は、メトホルミン服用や基礎インスリンの使用を問わず、26週にわたる血糖コントロールの改善においてプラセボよりも優れることが、米国・ピッツバーグ大学のSilva A. Arslanian氏らによる検討で示された。BMIへの影響は認められなかった。NEJM誌オンライン版2022年6月4日号掲載の報告。デュラグルチド0.75mg、1.5mgを週1回投与 研究グループは、10歳以上18歳未満の2型糖尿病で、BMIが85パーセンタイル超、生活習慣の改善のみ、もしくはメトホルミン治療(基礎インスリン併用または非併用)を受ける154例を対象に、26週にわたる二重盲検プラセボ対照無作為化試験を行った。 被験者を無作為に1対1対1の割合で3群に割り付け、それぞれプラセボ、デュラグルチド0.75mg、デュラグルチド1.5mgを週1回皮下注射で投与した。被験者はその後26週の非盲検の延長試験に組み込まれ、プラセボ群だった被験者に対し、デュラグルチド(0.75mg、週1回)を26週間皮下注射で投与した。 主要エンドポイントは、ベースラインから26週までの糖化ヘモグロビン値の変化だった。副次エンドポイントは、糖化ヘモグロビン値7.0%未満達成、および空腹時血糖値とBMIのベースラインからの変化など。安全性についても評価が行われた。糖化ヘモグロビン値7.0%未満、プラセボ群14%に対しデュラグルチド群51% 計154例が無作為化を受けた。26週時点の平均糖化ヘモグロビン値は、プラセボ群が0.6ポイント上昇したのに対し、デュラグルチド群では、0.75mg群で0.6ポイント、1.5mg群で0.9ポイント、いずれも低下した(対プラセボ群のp<0.001)。  また26週時点で、糖化ヘモグロビン値7.0%未満を達成した患者の割合は、プラセボ群14%に対しデュラグルチド群では51%と有意に高率だった(p<0.001)。 空腹時血糖値も、プラセボ群で上昇(17.1mg/dL)したのに対し、デュラグルチド群では低下が認められた(-18.9mg/dL、p<0.001)。一方でBMIについては、両群間で差は認められなかった(プラセボ群0.0、デュラグルチド統合群-0.1、p=0.55)。 有害事象は、胃腸有害イベントの発生頻度が最も多く、26週にわたってデュラグルチド群でプラセボ群よりも高率に認められた。 デュラグルチドに関する安全性プロファイルは、成人で報告されたものと一致していた。

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I型SMAに対するエブリスディ:3年間の新たな成績

 第63回日本神経学会学術大会にて、症候性I型脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy:SMA)の乳児を対象にエブリスディの有効性および安全性を検討した、FIREFIS試験の3年間の新たな成績が発表された。 SMAは、脊髄の運動神経細胞が選択的に障害されることによって、体幹や手足の近位部優位の筋力低下や筋萎縮などの症状が現れる。新生児~乳児期(生後0~6ヵ月)に発症するI型は重症型で、一人で坐位を保つことができず、無治療の場合は、1歳までに呼吸筋の筋力低下による呼吸不全の症状をきたす。また、治療をせず、人工呼吸器の管理を行わない状態では、90%以上が2歳までに死亡する。 今回発表されたFIREFISH試験は、I型SMAの乳児(登録時点で月齢1~7ヵ月)を対象にエブリスディの有効性と安全性を評価している。試験は用量設定パートと用量設定パートで選択された用量の安全性有効性評価パートの2パートで構成されている。プールされた母集団には承認用量を3年以上投与した乳児が含まれている。今回の長期成績は、非盲検継続投与期間1年間の成績を含む、3年間の成績である。エブリスディを投与した乳児のうち推定91%が3年後に生存していた。また、BSID-III(Bayley Scales of Infant and Toddler Development - Third Edition)の粗大運動スケールの評価で、エブリスディを投与した評価可能な乳児48名のうち32名で、24ヵ月目以降、支えなしで座位を少なくとも5秒間保持する能力を乳児が維持していた。さらに、4名が新たにその能力を獲得した。嚥下能力に関しても、エブリスディを投与した乳児のほとんどが、36ヵ月目まで経口摂取と嚥下の能力を維持していた。 主な有害事象は、発熱(60%)、上気道感染(57%)、肺炎(43%)、便秘(26%)、鼻咽頭炎(24%)、下痢(21%)、鼻炎(19%)、嘔吐(19%)および咳嗽(17%)。主な重篤な有害事象は、肺炎(36%)、呼吸窮迫(10%)、ウイルス性肺炎(9%)、急性呼吸不全(5%)および呼吸不全(5%)であった。肺炎を含む有害事象の発現および重篤な有害事象の発現は経時的に低下し、12ヵ月の投与期間毎に約50%ずつ減少し、投与開始1年目から3年目の間に78%減少していた。全体として、有害事象および重篤な有害事象は基礎疾患を反映したものであり、休薬や投与中止に至った薬剤関連の有害事象は認められなかった。 今後の展開について、FIREFISH試験の5年間の追跡と並行して、リアルワールドデータを集める臨床研究も立ち上がっている。

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皮膚科医デルぽんのデルマ医は見た!!

連載でおなじみのデルぽん先生がまたまた放つ、笑撃的コミックエッセイ!!CareNet.comの「Dr.デルぽんの診察室観察日記」で連載が続く現役の皮膚科医、デルぽん先生。4コマ漫画という手法で皮膚科の日常を面白おかしく綴ったデビュー作『皮膚科医デルぽんのデルマな日常』から2年、待望の第2弾が発売されました!!『デルマな日常』が皮膚科の仕事内容を伝える〈基礎編〉だったのに比べ、本書では、もう少し込みいった内容の〈事件編〉といったところでしょうか。とはいえ皮膚科の特性で、命に関わるような大事件はめったに起こりません。ただ、老若男女が押しかける皮膚科ならではの小事件、小ネタは尽きることがありません。たとえば「カミソリでヒゲを剃ったら腫れてきて…」と訪れた患者さんのケースでは切開したところ、中に結構な大きさの小石が入っていたとか、「先週からアゴが腫れてきて…」と訴えた患者さんの様子を見て大きな病院を紹介したら「外歯瘻」という厄介な病気だったとか。私たちが皮膚科に抱くイメージは水虫やイボ、ウオノメといったところですが、こんな珍しい症例もあるのだと驚かされます。たわいない、命がどうのこうのという深刻な事件ではないけれど、日常に潜む危険はいろいろある。皮膚科のお医者さんはそんな現場を知っている唯一の存在、と改めて気付かせてくれる一冊です。著者・デルぽんより発刊のご挨拶前作から2年。新たに描き下ろした研修医時代の思い出エピソードも加えて、ブログやメディアに掲載していた漫画たちを続編として一冊の本にまとめました!前作同様、ゆるい医療あるある漫画や皮膚科あるある、皮膚科女医(一応)の日常と妄想をつめ込んでいます☆笑いあり、時にためになる実用ネタあり?!外来の待合室や医局に、はたまた当直室のお供に、一冊いかがでしょうか?画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    皮膚科医デルぽんのデルマ医は見た!!定価1,430円(税込)判型A5判頁数128頁発行2022年6月著者デルぽん

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小児の中等症~重症尋常性乾癬、イキセキズマブは長期で有効・安全

 世界中の小児・青少年の約1%が尋常性乾癬にさらされているというが、また1つ朗報がもたらされた。中等症~重症の尋常性乾癬を有する小児に対し、生物学的製剤イキセキズマブの投与について、108週の長期的な有効性と安全性が確認されたことを、米国・ノースウェスタン大学フェインバーグ校のAmy S Paller氏らが報告した。 患者報告に基づくアウトカム改善と客観的測定による完全な皮膚クリアランスが示され、得られた奏効率は試験期間中維持されていた。また安全性は、同一集団において以前に報告された所見と一致しており、イキセキズマブ治療の既知の安全性プロファイルと一致していたという。JAMA Dermatology誌2022年5月号掲載の報告。 研究グループは、中等症~重症の尋常性乾癬を有する小児におけるイキセキズマブの有効性と安全性を評価する多施設共同無作為化試験「IXORA-PEDS試験」を行った。 被験者は、6~18歳未満、中等症~重症の尋常性乾癬を有し、スクリーニング時およびベースラインにおいてPsoriasis Area and Severity Index(PASI)スコア12以上、static Physician's Global Assessment(sPGA)スコア3以上、乾癬の影響を受ける体表面積(BSA)が10%以上で、光線療法または全身療法の対象患者であり、局所療法ではコントロール不良の乾癬を有している患者を適格とした。 被験者は、体重ベース用量のイキセキズマブを4週ごとに投与する群またはプラセボ投与群に、2対1の割合で無作為に割り付けられた。12週間のプラセボとの比較検討後に、患者は48週間の非盲検下でのイキセキズマブ維持療法を受けた(12~60週)。その後に最終的に108週まで試験は延長された。またサブ試験として、60週以降のイキセキズマブ無作為化中止試験の評価が行われた。 108週時点の有効性のアウトカムは、ベースラインからの75%(PASI 75)、90%(PASI 90)、100%(PASI 100)改善の達成患者の割合、sPGAスコア0~1または0達成患者の割合、およびItch Numeric Rating Scaleスコアがベースラインから4ポイント以上の改善であった(いずれも対レスポンダーで算出)。安全性アウトカムは、有害事象(AE)の評価(治療関連の緊急的AE、重篤AE、とくに注目すべきAEなどを含む)、および症状を認める身体領域のベースラインからの改善などであった(いずれも対レスポンダーで算出)。 カテゴリーアウトカムに関する紛失データは、修正nonresponder imputation(NRI)法を用いて補完が行われた。データ解析はintention-to-treatを原則とし、2021年5月~10月に行った。 主な結果は以下のとおり。・総計171例(平均年齢13.5歳[SD 3.04]、女児99例[57.9%])が、イキセキズマブ群(115例)またはプラセボ群(56例)に無作為に割り付けられた。・166例が維持療法期に組み込まれ、うち139例(83.7%)が108週の試験を完了した。・主要および副次エンドポイントは108週まで維持された。PASI 75を達成した患者割合は91.7%(86/94例)、PASI 90は79.0%(74/94例)、PASI 100は55.1%(52/94例)、sPGA0または1達成割合は78.3%(74/94例)およびsPGA0達成割合は52.4%(49/94例)であった。Itch Numeric Rating Scaleスコア4ポイント以上改善を報告した患者は55/70例(78.5%)であった。・108週時点で、爪乾癬の消失を報告した患者割合は68.1%(19/28例)、掌蹠乾癬の消失は90.0%(9/10例)、頭皮乾癬の消失は76.2%(63/83例)、性器乾癬の消失は87.5%(21/24例)であった。・試験期間の48週~108週の間に、炎症性腸疾患やカンジダ感染症の新規症例などは報告されず、新しい安全性に関する所見は認められなかった。

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「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第40回

第40回 「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??漫画・イラスト:かたぎりもとこ「知人の医師に売ることにしたので、御社に依頼する必要がなくなりました」私たちが医業承継サービスを提供していると、一定の頻度で、こうした一言を売り手側の先生から言われます。しかし一方で、少し時間が経つと、「知人との話が破談したので、相手探しを再開してほしい」という展開になることも、また多くあります。この連載でも繰り返しお伝えしているように、医業承継は専門性が高く、難易度の高い取り組みです。多くの方は「相手探しだけが難しく、これをクリアすれば後は引き継ぐだけ」と考えていますが、実際には相手探しに加え、「引き継ぐまでに要するタスク」が膨大にあり、豊富な知識を要するため、ここにも多くの壁があるのです。具体的には、下記のようなものが「壁」となります。「譲渡額の根拠」を買い手に説明する「譲渡する資産」について買い手と合意する「引き継ぎ期間」を買い手と合意する「スタッフに譲渡を告知するタイミング」を決める「不動産オーナー」に承継について説明し、合意を得る「最終契約書」を作成し、買い手と合意を得るたとえば、スタッフに告知するタイミングを間違えると、スタッフ側の不安が募り、最終契約書の締結前に多くのスタッフが退職意向を示した結果、スタッフの雇用継続を前提としていた買い手側が辞退する、ということにつながります。医業承継は相手探しだけが難しいわけでなく、引き継ぎ完了までには多くの壁があり、それらを専門家不在で進めることは高いリスクが伴います。

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RSウイルスによる死亡率、生後6ヵ月未満で高い/Lancet

 2019年に、5歳未満(生後0~60ヵ月)の小児における呼吸器合胞体(RS)ウイルス(RSV)への罹患とこれによる死亡の負担は、とくに生後6ヵ月未満の乳幼児および低~中所得国の小児において世界的に大きく、生後0~60ヵ月の小児では50件の死亡のうち1件が、28日~6ヵ月の乳幼児では28件の死亡のうち1件がRSVに起因しており、RSV関連の急性下気道感染症による院内死亡1件につき、市中では約3件のRSV関連死が発生していると推定されることが、英国・エディンバラ大学のYou Li氏らが実施したRESCEU研究で示された。研究の成果は、Lancet誌2022年5月28日号に掲載された。最新データを加え、系統的な解析で罹患率と死亡率を更新 研究グループは、生後0~60ヵ月の小児におけるRSV関連の急性下気道感染症の罹患率と死亡率を、2019年の時点での世界、地域、国のレベルで更新することを目的に、最新のデータを加えて系統的に解析を行った(欧州連合革新的医薬品イニシアチブの欧州RSウイルスコンソーシアム[RESCEU]による助成を受けた)。 医学データベース(MEDLINE、Embase、Global Health、CINAHL、Web of Science、LILACS、OpenGrey、CNKI、Wanfang、ChongqingVIP)を用いて、2017年1月1日~2020年12月31日に発表された論文をあらためて検索して新たなデータを収集し、これまでの世界的なRSV疾病負担のデータセットを拡張した。また、このデータセットには、Respiratory Virus Global Epidemiology Network(RSV GEN)の共同研究者による未発表データも含まれた。 対象は、次の3つのデータを報告している研究とした。(1)1次感染としてRSVによる市中の急性下気道感染症または入院を要する急性下気道感染症に罹患した生後0~60ヵ月の小児のデータ、(2)院内の症例死亡率(CFR)を除き少なくとも連続12ヵ月間のデータ、またはRSVの季節性が明確に定義されている地域(温暖な地域など)のデータ、(3)急性下気道感染症の発生率、入院率、急性下気道感染症による入院者におけるRSV陽性割合、または院内CFRのデータ。 リスク因子に基づくモデルを用いて、国レベルでのRSV関連の急性下気道感染症の罹患率が推定された。また、RSVによる総死亡数を推定するために、RSVによる市中死亡率の最新データを組み込んだ新たなモデルが開発された。新データ164件を加えた解析、院内死亡の97%以上が低~中所得国 以前のレビューに含まれた317件の研究に、新たに適格基準を満たした113件と未発表51件の研究の164件を加えた合計481件のデータが解析に含まれた。 RSV関連の急性下気道感染症の罹患率が最も高い年齢は、低所得国~低中所得国が生後0~3ヵ月であったのに対し、高中所得国~高所得国は生後3~6ヵ月であった。 2019年の生後0~60ヵ月の小児における世界的な推定値として、RSV関連の急性下気道感染症のエピソードが3,300万件(不確実性範囲[UR]:2,540万~4,460万)、RSV関連の急性下気道感染症による入院が360万件(290万~460万)、RSV関連の急性下気道感染症による院内死亡が2万6,300件(1万5,100~4万9,100)、RSVに起因する全死亡は10万1,400件(8万4,500~12万5,200)との結果が得られた。 生後0~6ヵ月の乳幼児では、RSV関連の急性下気道感染症エピソードが660万件(UR:460万~970万)、RSV関連の急性下気道感染症による入院が140万件(100万~200万)、RSV関連の急性下気道感染症による院内死亡が1万3,300件(6,800~2万8,100)、RSVに起因する全死亡は4万5,700件(3万8,400~5万5,900)と推定された。 生後0~60ヵ月の小児の死亡の2.0%(UR:1.6~2.4)(50件に1件)、生後28日~6ヵ月の乳幼児の死亡の3.6%(3.0~4.4)(28件に1件)が、RSVに起因していた。また、いずれの年齢層の小児における、RSV関連の急性下気道感染症エピソードの95%以上、およびRSVに起因する院内死亡の97%以上が、低~中所得国で発生していた。 著者は、「RSVによる院内死亡と全死亡の推定値に基づくと、生後0~60ヵ月の小児のRSV関連の院内死亡率は26%にすぎず、したがって、RSV関連の急性下気道感染症による院内死亡1件につき、市中では3件の死亡が発生していると推定される」とし、「多くのRSV予防薬の開発が予定されている現状において、これらの年齢層を絞った推定値は、製品の導入、優先順位の決定、評価に重要な基本的情報をもたらす。生後6ヵ月未満の乳幼児にRSV予防薬を投与すると、RSV負担の頂値が、より高い年齢に移行する可能性があるが、この意味を理解するにはさらなるエビデンスが必要とされる」と指摘している。

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