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食道がん、食道胃接合部がんに対するニボルマブの術後補助療法(CheckMate-577)/ESMO2020

 米国・ベイラー大学のRonan J. Kelly氏は、術前補助化学放射線療法で病理学的完全奏効(pCR)が得られなかった切除可能な食道がん・食道胃接合部(GEJ)がんの切除後の術後補助療法でニボルマブ投与とプラセボ投与を比較した無作為化二重盲検第III相臨床試験であるCheckMate-577試験の結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO2020 Virual Congress 2020)で発表。ニボルマブによる術後補助療法は、プラセボと比較して統計学的に有意な無病生存期間(DFS)の延長を認めたと報告した。・対象:術前補助化学放射線療法でpCRが得られなかったStageII~III食道、GEJがん(PS 0~1)794例。・試験薬群:ニボルマブ240mg 2週間ごとに16週間投与後480mg 4週間ごと投与(ニボルマブ群、532例)・対照群:プラセボ(プラセボ群、262例)・評価項目:[主要評価項目]DFS[副次評価項目]全生存期間(OS)、1年OS率、2年OS率、3年OS率 主な結果は以下のとおり。・DFS中央値は、ニボルマブ群が22.4ヵ月、プラセボ群が11.0ヵ月で、ニボルマブ群で有意な延長を認めた(HR:0.69、96.4%CI:0.56~0.86、p=0.0003)。・全Gradeでの治療関連有害事象(TRAE)の発現率は、ニボルマブ群が71%、プラセボ群が46%であった。Grade3/4のTRAEにおよる治療中止はニボルマブ群が13%、プラセボ群が6%であった。・ニボルマブ群での主な免疫関連有害事象は内分泌関連や消化器症状で、Grade3/4のものはいずれも発現率が1%未満だった。・EQ-5D-3LによるQOL評価でニボルマブ群はプラセボ群とほぼ同程度だった。 Kelly氏は今回の結果を受けて「対象となった患者集団の治療としては過去数年で初めての前進であり、ニボルマブによる術後補助療法は新たな標準治療として確立される可能性がある」と強調した。

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アテゾリズマブ単剤、NSCLC1次治療でOS延長(IMpower110)/NEJM

 非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、アテゾリズマブ単剤はプラチナ製剤ベースの化学療法と比較して、組織型を問わず、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)の発現量が多い患者の全生存(OS)期間を延長させることが、米国・イェール大学医学大学院のRoy S. Herbst氏らが行った「IMpower110試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年10月1日号に掲載された。PD-L1発現NSCLCで転移のある患者の1次治療において、抗PD-L1モノクローナル抗体アテゾリズマブはプラチナベースの化学療法と比較して、有効性と安全性が優れるか否かは明らかにされていなかった。PD-L1発現量が多い集団のOS中間解析 研究グループは、EGFRとALKが野生型で転移のあるPD-L1陽性NSCLCにおけるアテゾリズマブの有用性を評価する国際非盲検無作為化第III相試験を実施した(F. Hoffmann-La RocheとGenentechの助成による)。今回は、PD-L1発現量が多い患者におけるOSの中間解析の結果が報告された。 対象は、年齢18歳以上、化学療法歴がなく、SP142による免疫組織化学法でPD-L1の発現が腫瘍細胞の1%以上または腫瘍浸潤免疫細胞の1%以上に認められ、転移のある非扁平上皮または扁平上皮NSCLCで、全身状態(ECOG PS)が0または1の患者であった。 被験者は、アテゾリズマブ(1,200mg、静脈内投与)またはプラチナ製剤ベースの化学療法(4または6サイクル)を3週ごとに投与する群に1対1の割合で割り付けられた。 主要評価項目はOS期間とした。OSの評価は、EGFR変異やALK転座がない野生型の腫瘍を有する患者のintention-to-treat集団において、PD-L1の発現量別に階層的に行った。また、EGFRとALKが野生型の腫瘍を持つ集団の血液中の腫瘍遺伝子変異量に基づくサブグループで、OS期間と無増悪生存(PFS)期間を前向きに評価した。OS期間が7.1ヵ月、PFS期間が3.1ヵ月延長 2015年7月~2018年2月の期間に、日本を含む19ヵ国144施設で、無作為割り付けが行われた。572例が登録され、アテゾリズマブ群に285例、化学療法群には287例が割り付けられた。 EGFRとALKが野生型の腫瘍で、PD-L1発現量が最も多かったサブグループ(205例)では、フォローアップ期間中央値15.7ヵ月の時点におけるOS期間中央値は、アテゾリズマブ群が化学療法群よりも7.1ヵ月長かった(20.2ヵ月vs.13.1ヵ月、ハザード比[HR]:0.59、95%信頼区間[CI]:0.40~0.89、p=0.01)。1年OS率は、アテゾリズマブ群が64.9%、化学療法群は50.6%だった。 EGFRとALKが野生型の腫瘍で、PD-L1発現量が最も多かったサブグループでは、PFS期間もアテゾリズマブ群で良好であった(8.1ヵ月vs.5.0ヵ月、層別HR:0.63、95%CI:0.45~0.88)。この集団における担当医判定による奏効率は、アテゾリズマブ群が38.3%、化学療法群は28.6%であり、このうちデータカットオフ日に、それぞれ68.3%および35.7%で奏効が持続していた。 血液中の腫瘍遺伝子変異量が多いサブグループ(PD-L1発現量は問わない)では、OS期間中央値はアテゾリズマブ群で良好な傾向が認められ(13.9ヵ月 vs.8.5ヵ月、非層別HR:0.75、95%CI:0.41~1.35)、PFS期間中央値はアテゾリズマブ群で優れた(6.8ヵ月vs.4.4ヵ月、0.55、0.33~0.92)。 有害事象は、アテゾリズマブ群が90.2%、化学療法群は94.7%で発現し、Grade3/4の有害事象はそれぞれ30.1%および52.5%で認められた。重篤な有害事象の発現率は、それぞれ28.3%および28.5%で、Grade5の有害事象が11例(3.8%)および11例(4.2%)にみられた。免疫関連有害事象は、それぞれ40.2%および16.7%で発現し、Grade3/4は6.6%および1.5%であった。 著者は、「アテゾリズマブ単剤の安全性プロファイルは、以前の研究で観察されたものと一致していた。転移のあるNSCLC患者におけるがん免疫療法への治療応答性を検出するバイオマーカーとしての腫瘍遺伝子変異量(血液、組織)の役割は不明である」としている。

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ESMO2020レポート 消化器がん(上部下部消化管)

レポーター紹介本年度の欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)は、昨今の新型コロナウイルス感染症の社会情勢を鑑み、完全バーチャル化して2020年9月19日~21日まで開催された。消化管がん領域における注目演題についてレポートする。CheckMate-649試験本邦の実臨床が大きく変わるであろう臨床試験結果の演題として、未治療のHER2陰性進行胃・食道胃接合部がん・食道腺がんにおける化学療法+ニボルマブ併用療法の化学療法に対する優越性が検証されたCheckMate-649試験を報告する。HER2陰性進行胃・食道胃接合部がん・食道腺がんでは、フッ化ピリミジン系薬剤とプラチナ系薬剤の併用療法を行うことが標準治療として位置付けられている。また、本邦では後方ラインの治療としてすでにニボルマブが実地臨床でも使用されている。そこで、HER2陰性進行胃・食道胃接合部がん・食道腺がんを対象に化学療法群(カペシタビン+オキサリプラチン併用療法または、FOLFOX療法)に対して、化学療法+ニボルマブ併用療法群、またはイピリムマブ+ニボルマブ併用療法群のそれぞれの優越性を検証したCheckMate-649試験が行われた。今回のESMOでの報告では、化学療法+ニボルマブ併用療法群および、化学療法群を比較した結果が公表された。主要評価項目は化学療法+ニボルマブ併用療法群の化学療法群に対する、CPS5以上のPD-L1陽性例でのOSとPFSだった。副次評価項目は、CPS1以上のPD-L1陽性例でのOS、ランダム化された症例でのOSなどであった。ランダム化1,581例のうちCPS5以上のPD-L1陽性例は955例(60%)であった。両群の患者背景に差はなかった。アジア人は化学療法+ニボルマブ併用療法群が25%、化学療法群が24%、MSSは化学療法+ニボルマブ併用療法群が89%、化学療法群が88%であった。後治療移行割合は、全体で39%、化学療法+ニボルマブ併用療法群で38%、化学療法群で41%であった。後治療として免疫療法を受けたのは、化学療法+ニボルマブ併用療法群が2%、化学療法群が8%であった。主要評価項目であるCPS5以上のPD-L1陽性例におけるOS中央値は、化学療法+ニボルマブ併用療法群で14.4ヵ月(95%CI:13.1~16.2)、化学療法群で11.1ヵ月(95%CI:10.0~12.1)、HR 0.71(98.4%CI:0.59~0.86)、p<0.0001と化学療法+ニボルマブ併用療法群が有意に良好であった。CPS1以上のPD-L1陽性例においても同様に、化学療法+ニボルマブ併用療法群で化学療法群よりもOSが良好であった。さらに、全ランダム化症例におけるOS中央値も、化学療法+ニボルマブ併用療法群が化学療法群よりも有意に良好であった(OS中央値:13.8ヵ月vs.11.6ヵ月、HR:0.80、p=0.0002)。CPS5以上のPD-L1陽性例の奏効割合は、化学療法+ニボルマブ併用療法群で60%、化学療法群で45%と、化学療法群+ニボルマブ併用療法群で有意に高かった(p<0.0001)。完全奏効は化学療法+ニボルマブ併用療法群で12%、化学療法群で7%に認められた。化学療法+ニボルマブ併用療法群で安全性に関する新たな情報はなかった。以上の結果から、演者らは、HER2陰性進行胃・食道胃接合部がん・食道腺がんにおける化学療法+ニボルマブ併用療法は標準治療の1つと考えられると結論付けた。ATTRACTION-4試験現在、本邦では胃がん領域において免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブが実地臨床で用いられている。本試験は、HER2陰性の切除不能進行再発胃がん/食道胃接合部がんにおける1次化学療法として、化学療法+ニボルマブ併用療法と化学療法をHead-to-Headで比較した第III相試験として日本・韓国・台湾で実施された。主要評価項目は、PFSとOSに設定され、副次評価項目は奏効割合、安全性などであった。統計学的に、最終解析においてPFS、OSでそれぞれ両側α=0.01、0.04として設定された。化学療法(SOXまたはCapOX)+ニボルマブ併用療法、化学療法にそれぞれ1:1に割り付けられた。2017年3月から2018年5月までに724例が登録され、化学療法+ニボルマブ併用療法群に362例、化学療法群に362例が割り付けられた。患者背景に両群で差は認めなかった。後治療移行割合は、化学療法+ニボルマブ併用療法群で64%、化学療法群で68%であった。後治療としてニボルマブあるいはペムブロリズマブを受けたのは、化学療法+ニボルマブ併用療法群が10%、1%、化学療法群が25%、2%であった。主要評価項目であるPFS中央値は、化学療法+ニボルマブ併用療法群で10.45ヵ月(95%CI:8.44~14.75)、化学療法群で8.34ヵ月(95%CI:6.97~9.40)、HR 0.68(98.51%CI:0.51~0.90)、p=0.0007と有意に化学療法+ニボルマブ併用療法群で良好な成績であった。OSについては、OS中央値が化学療法+ニボルマブ併用療法群で17.45ヵ月(95%CI:15.67~20.83)、化学療法群で17.15ヵ月(95%CI:15.18~19.65)、HR 0.90(95%CI:0.75~1.08)、p=0.257と統計学的有意差は示せない結果となった。カプランマイヤー曲線をみると、全体としてわずかに化学療法+ニボルマブ併用療法群が上回っていた。奏効割合は、化学療法+ニボルマブ併用療法群で57.5%、化学療法群で47.8%と化学療法+ニボルマブ併用療法群で有意に高かった(p=0.0088)。完全奏効は、化学療法+ニボルマブ併用療法群で19.3%、化学療法群で13.3%であった。安全性に関しては、化学療法+ニボルマブ併用療法群で新たな情報はなかった。CheckMate-649試験の結果を受けて、日本の実地臨床でも近い将来、初回化学療法から免疫チェックポイント阻害薬を併用する治療が標準治療となっていくものと考えられる。しかしながら、これまで進行胃がんの1次治療における化学療法+免疫チェックポイント阻害薬併用療法の有用性を検証した臨床試験として、KEYNOTE-062試験、CheckMate-649試験、ATTRACTION-04試験の3つの大規模試験が示されているが、全体集団のOSにおいて、化学療法+免疫チェックポイント阻害薬の有効性を示したのはCheckMate-649試験のみとなっている。なぜこのような結果となったのか。異なる臨床試験間の比較をすることは御法度だが、ATTRACTION-04試験はアジアで行われた試験であること(標準治療群のOSが17ヵ月というのは驚異的な成績である)、後治療の移行割合(免疫チェックポイント阻害薬を含む)の違い、併用backboneレジメンの違い、CPSの評価方法の違い、あるいは胃がん特有のheterogeneityなのか、検討すべき点は多々あると思われる。昨今は胃がんにおいても次々と新規薬剤が承認される時代に突入したが、予後不良の胃がん患者において実際に「薬の使い切り」を行える症例は少ないのが現状である。より効果の高い治療をより効果の高い患者へ最適に届けることが今後の課題といえよう。KEYNOTE-590試験進行食道がんの初回化学療法は、フルオロピリミジン+プラチナ系薬剤併用(FP)療法が標準治療として用いられている。ペムブロリズマブ単独療法は、KEYNOTE-181試験において、CPS10以上のPD-L1陽性の既治療食道扁平上皮がん症例で化学療法との比較が行われ、奏効割合22% vs.7%、OS中央値10.3ヵ月 vs.6.7ヵ月と報告されている。本試験は、腺がんを含む進行食道がんの初回化学療法における化学療法+ペムブロリズマブ併用療法の化学療法に対する優越性を検証した、無作為化二重盲検第III相試験である。治療は、化学療法+ペムブロリズマブ併用療法群は5-FU+CDDP+ペムブロリズマブを3週ごと、化学療法+プラセボ群は5-FU+CDDP+プラセボを3週ごとに投与された。主要評価項目は、OS(扁平上皮がん患者、扁平上皮がんかつCPS10以上のPD-L1陽性、CPS10以上のPD-L1陽性、全登録患者)とPFS(扁平上皮がん患者、CPS10以上のPD-L1陽性、全登録患者)であった。副次評価項目は、奏効割合、安全性などであった。2017年7月から2019年6月までに749例が登録され、化学療法+ペムブロリズマブ併用療法群に373例、化学療法+プラセボ群に376例が無作為に割り付けられた。患者背景に両群で差はなかった。アジア人は化学療法+ペムブロリズマブ併用療法群が53%、化学療法+プラセボ群が52%、扁平上皮がんは化学療法+ペムブロリズマブ併用療法群が74%、化学療法+プラセボ群が73%、CPS10以上のPD-L1陽性例は化学療法+ペムブロリズマブ併用療法群が50%、化学療法+プラセボ群が52%であった。 扁平上皮がん患者におけるOS中央値は、化学療法+ペムブロリズマブ併用療法群が12.8ヵ月(95%CI:10.2~14.3)、化学療法+プラセボ群が9.8ヵ月(95%CI:8.6~11.1)、HR 0.72(95%CI:0.60~0.88)、p<0.0001と化学療法+ペムブロリズマブ併用療法群で有意に良好だった。CPS10以上のPD-L1陽性患者におけるOS中央値は、化学療法+ペムブロリズマブ併用療法群が13.5ヵ月(95%CI:11.1~15.6)、化学療法+プラセボ群が9.4ヵ月(95%CI:8.0~10.7)、HR 0.62(95%CI:0.49~0.78)、p<0.0001と化学療法+ペムブロリズマブ併用療法群で有意に良好だった。全登録患者におけるOS中央値は、化学療法+ペムブロリズマブ併用療法群が12.4ヵ月(95%CI:10.5~14.0)、プラセボ群が9.8ヵ月(95%CI:8.8~10.8)で、HR 0.73(95%CI:0.62~0.86)、p<0.0001と化学療法+ペムブロリズマブ併用療法群で有意に良好だった。PFS中央値も、扁平上皮がん患者、CPS10以上のPD-L1陽性患者、全登録患者において、それぞれで化学療法+ペムブロリズマブ併用療法群が化学療法+プラセボ群と比較して有意に良好であった。奏効割合は、全登録患者において、化学療法+ペムブロリズマブ併用療法群が45.0%、化学療法+プラセボ群が29.3%と化学療法+ペムブロリズマブ併用療法群で有意に高かった(p<0.0001)。安全性に関しては新たな問題は認められなかった。以上の結果から、演者らは食道胃接合部腺がんを含む進行食道がんに対する初回化学療法として、化学療法とペムブロリズマブ併用療法を第1選択に考慮すべきと結論付けている。今回の試験の結果をもって、本邦でも進行食道がんの初回化学療法として免疫チェックポイント阻害薬を併用する治療が標準治療となるだろう。本邦で最も頻度の高い組織型である食道扁平上皮がんに対する初回化学療法として、FP療法、FP+ニボルマブ併用療法、イピリムマブ+ニボルマブ併用療法を比較するCheckMate648試験の結果も今後報告されてくる。また、最近では、FOLFOX療法が食道がんに対して実施が認められており、オキサリプラチンと免疫チェックポイント阻害薬の併用療法なども開発が進んでいくものと思われる。現在はまさに食道がん化学療法の転換期に当たるといわれ、今後の展開に期待したい。

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ニボルマブ+化学療法の非小細胞肺がん術前補助療法がpCRを向上(CheckMate-816)/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2020年10月7日、切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)を対象とした第III相CheckMate-816試験において、ニボルマブと化学療法の併用療法が主要評価項目である病理学的完全奏効(pCR)を達成したと発表。 同試験において、術前にニボルマブと化学療法の併用療法を受けた患者群では、化学療法を受けた患者群と比較して、切除組織にがん細胞を認めない患者数が有意に多かった。 CheckMate-816試験は、非進行NSCLCの術前補助療法で、免疫チェックポイント阻害薬と化学療法の併用療法がベネフィットを示した初めてかつ唯一の第III相試験となる。 CheckMate-816試験では、現在、もう一つの主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)の評価のため盲検下で維持し、主要な副次評価項目も評価するため進行中である。

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ESMO2020レポート 肺がん

レポーター紹介今年はCOVID-19の影響で、ASCOをはじめ多くの学会がvirtual meeting開催となり、ESMO2020も例にもれずvirtual meetingとして、2020年9月16日~21日に開催された。肺がん領域においては注目の演題が多数存在し、Presidential SymposiumにおいてはADAURA試験およびCROWN試験の報告がされた。日本人演者においては、先ほどのADAURA試験において坪井先生、@Be試験の瀬戸先生、WJOG8715L試験の戸井先生がOral Presentationに選出されている。重要な試験のフォローアップの報告を含め、いくつか注目の演題を紹介したい。ADAURA試験ASCO2020で大幅な無病生存期間(DFS)の改善を示したADAURA試験であるが、ESMO2020においては中枢神経系(CNS)を含む再発パターンについて国立がん研究センター東病院の坪井 正博先生によって報告された。ADAURA試験は、StageIB~IIIA期の切除可能な上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異(Del-19/L858R)を有する非小細胞肺がん(NSCLC)を対象に、術後補助療法として第三世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)オシメルチニブとプラセボを比較した第III相試験である。Stage(IB/II/IIIA)、EGFR遺伝子変異(Del-19/L858R)および人種(アジア人/非アジア人)によって層別化され、オシメルチニブ群およびプラセボ群には1:1で割付された。オシメルチニブの投与は3年間または再発まで行われた。今回の報告では、CNSを含む再発パターンについての内容であった。CNS転移再発はEGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者において比較的高頻度に認められる遠隔転移の再発形式の1つであり、予後不良因子である。オシメルチニブは既存のEGFR-TKIに比べ血液脳関門通過性が高いことが報告されており、脳転移への効果が期待された。全体の再発割合はオシメルチニブ群において11%、プラセボ群において46%であり、そのうち遠隔転移再発はオシメルチニブ群で38%、プラセボ群で61%であった。主な再発部位は、オシメルチニブ群では肺が6%、リンパ節が3%、CNSが1%、プラセボ群では肺が18%、リンパ節が14%、続いてCNSが10%となっており、期待されていたとおりオシメルチニブ群におけるCNS再発は低かった。CNS DFS中央値は、プラセボ群の48.2ヵ月(95%CI:NC~NC)に対し、オシメルチニブ群では未到達(NR)(95%CI:39~NC)、ハザード比(HR)0.18(95%CI:0.10~0.33)、p<0.0001と有意な延長が示された。1年/2年/3年CNS DFS率はプラセボ群ではそれぞれ97%/85%/82%と低下傾向を示したのに対し、オシメルチニブ群では100%/98%/98%とほぼ低下は認めなかった。また、試験開始後18ヵ月時のCNS再発率はオシメルチニブ群で1%未満(95%CI:0.2~2.5%)、プラセボ群で9%(95%CI:5.9~12.5%)と、CNS再発率もオシメルチニブ群において低かった。今回の報告より、術後補助療法としてのオシメルチニブを投与することにより、局所および遠隔転移の再発リスクが減少することが示された。術後補助療法の再発予防としてオシメルチニブを使うべきか、術後再発としてオシメルチニブを使用すべきか、今後の全生存期間のさらなるフォローアップの報告が期待される。WJOG8715L試験現在初回治療でオシメルチニブを選択する機会も増えており、2次治療で使用する機会が少なくなってきたが、そもそものオシメルチニブの適応であるEGFR-TKI不応となったT790M陽性NSCLCに対して、オシメルチニブ・ベバシズマブ併用療法とオシメルチニブを比較した第II相試験がWJOG8715L試験である。未治療のEGFR遺伝子変異陽性NSCLCにおいてはエルロチニブ+VEGF阻害薬によりPFSの延長効果が示されており、今回の結果も期待された。主要評価項目はPFS、副次評価項目はORR、治療成功期間(TTF)、OS、安全性であり、当院の戸井 之裕先生によって発表された。PFSは、ベバシズマブ併用群が9.4ヵ月、単剤群が13.5ヵ月、HR 1.44(95%CI:1.00~2.08)、p=0.20でベバシズマブ併用群のほうがむしろ短い結果となった。前治療でVEGF阻害薬の治療歴有無別でのPFSの解析も行われており、VEGF(-)-オシメルチニブ(37例)13.7ヵ月、VEGF(+)-オシメルチニブ(4例)15.1ヵ月、VEGF(-)-ベバシズマブ併用(32例)11.1ヵ月、VEGF(+)-ベバシズマブ併用(8例)4.6ヵ月、とVEGF阻害薬の治療歴のある併用群の成績がとくに短かった。併用群で多く認められたGrade3以上の副作用は蛋白尿および高血圧であり、間質性肺炎は両群で10%程度に認められた。今回の報告では、残念ながらベバシズマブを併用することの意義は示せなかった。PFSが延びなかった理由として、VEGF阻害薬の治療歴のある症例に対する併用群の成績が良くなかったのが影響している可能性があるが、VEGF阻害薬の治療歴のない症例の比較においてもベバシズマブを上乗せする効果はみられていない。オシメルチニブとベバシズマブとの相性の問題か、EGFR-TKI既治療という腫瘍周囲環境がある程度整った状況によるものなのか、議論に尽きない結果となった。未治療EGFR遺伝子変異陽性肺がんを対象にオシメルチニブ・ベバシズマブ併用療法の有効性を検討するWJOG9717L試験、またオシメルチニブ・ラムシルマブ併用療法の有効性を検討するTORG1833試験がそれぞれ登録終了しており、それらの結果と合わせ、オシメルチニブにVEGF阻害薬を併用することの意義が結論付けられることとなるだろう。CROWN試験CROWN試験は未治療のALK転座陽性進行NSCLCを対象に、初回治療としてロルラチニブとクリゾチニブを比較した第III相試験である。EGFR遺伝子変異陽性NSCLCに対しオシメルチニブが初回治療として承認されたように、ALK転座陽性NSCLCに対しての初回治療になるかが期待される。本試験は多くの試験において脳転移症例が除外される中、治療済または症状のない未治療の脳転移を有する患者の登録が認められていた。しかしながら、クロスオーバーは認められていなかった。今回は中間解析の結果が報告された。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)はロルラチニブ群でNE(95%CI:NE~NE)、クリゾチニブ群で9.3ヵ月(95%CI:7.6~11.1)、HR 0.28(95%CI:0.19~0.41)、p<0.001と有意な延長が示された。1年PFS率はロルラチニブ群が78%(95%CI:70~84)、クリゾチニブ群が39%(95%CI:30~48)と大きな開きをみせている。PFSは、脳転移の有無も含めてすべてのサブグループで有意にロルラチニブ群が良かった。奏効率はロルラチニブ群で76%、クリゾチニブ群で58%であった。ロルラチニブは頭蓋内移行性が高く、今回の報告では脳転移に対する効果も検討されている。頭蓋内奏効率は、ベースラインで測定可能または測定不能な脳転移があった患者で、ロルラチニブ群(38例)が66%(95%CI:49~80)、クリゾチニブ群(40例)が20%(95%CI:9~36)とロルラチニブ群での高い奏効が示された。脳転移の増悪までの期間は、ロルラチニブ群(149例)がNE(95%CI:NE~NE)、クリゾチニブ群(147例)が16.6ヵ月(95%CI:11.1~NE)、HR 0.07(95%CI:0.03~0.17)、p<0.001で有意にロルラチニブ群が良かった。OSはインマチュアであり、両群ともに中央値はNEであった。副作用はロルラチニブ群において高脂血症、高TG血症、浮腫、体重減少、末梢神経障害を高頻度に認めている。中間解析の結果ではあるが、PFSは有意な改善が期待できる。ALK肺がんは現時点でも長期のOSが示されているが、ロルラチニブを初回に使うことによってさらなるOSの改善が期待できるのか、今後の報告が気になるところである。WJOG10718L/@Be試験@Be studyはEGFR/ALK/ROS1陰性、PD-L1強陽性(Daco 22C3)の未治療非扁平上皮非小細胞肺がんに対して、アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法の有効性を検証する単群第II相試験である。免疫チェックポイント阻害薬に血管新生阻害薬を上乗せする試験は近年いくつか報告されており、本試験は肺がんにおいてベバシズマブを上乗せする初めての試験である。主要評価項目は奏効率(ORR)、副次的評価項目はPFS、DoR、OS、安全性であり、試験事務局である九州がんセンターの瀬戸 貴司先生により結果が報告された。登録された40例中、39例が適格であり、TPS 50~75%が13例(33.3%)、75~100%が26例(66.7%)であった。主要評価項目であるORRは64.1%(90%CI:49.69~76.83)と統計学的にメットしており、9割以上の症例において腫瘍縮小が認められた。PFSは15.9ヵ月(95%CI:5.65~15.93)、1年PFS率は54.9%(95%CI:35.65~70.60)であり、これまでのPD-L1強陽性に対する報告を上回る結果となり、今後が期待される。副作用は、23件/12例においてGrade3の副作用を認め、Grade4以上は認めなかった。副作用中止は2例に認め、硬化性胆管炎と脳症によるものだった。今後、PD-L1強陽性に対して免疫チェックポイント単剤(IMpower110 or KEYNOTE-024)か免疫チェックポイントに血管新生阻害薬を上乗せする(@Be)か、さらには殺細胞性抗がん剤も併用する(IMpower150)か、第III相試験が興味深いところである。KEYNOTE-024試験KEYNOTE-024試験は、PD-L1強陽性(TPS≧50%)の未治療進行NSCLCに対する初回治療におけるペムブロリズマブ単剤治療と化学療法(プラチナ併用療法)を比較した第III相試験である。化学療法群ではPDを認めた場合にペムブロリズマブ群へのクロスオーバーが認められていた。これまでPFS、OSにおいて有意な延長効果が示されてきたが、今回は5年フォローアップのデータの報告となった。2020年6月1日にデータカットオフされ、追跡期間中央値は59.9ヵ月であった。化学療法群のペムブロリズマブへのクロスオーバーは66.0%であった。OSはペムブロリズマブ群で26.3ヵ月(95%CI:18.3~40.4)、化学療法群で13.4ヵ月(95%CI:9.4~18.3ヵ月)、HR 0.62(95%CI:0.48~0.81)と既報と大きな変わりは認めなかった。3年OS率はペムブロリズマブ群で43.7%、化学療法群で19.8%、5年OS率はペムブロリズマブ群で31.9%、化学療法群で16.3%と、3年以上の症例ではtail-plateauの傾向もみられ、5年たった時点でも生存率は約2倍維持されている。化学療法群において高いクロスオーバーがあったにもかかわらず、ペムブロリズマブ群は5年OS率においても有意な延長効果が示され、初回治療で投与することは重要と考える。さらには、35サイクル(2年間)ペムブロリズマブを投与できた症例(39例)の奏効率は82%と高率であった。多くは治療早期に奏効が得られており、免疫チェックポイント阻害薬においても、縮小効果がある症例においては長期の治療効果が期待できることが示された。現在、PD-L1強陽性に対しては単剤で十分ではないかという議論がされるが、今回の長期フォローアップのデータはそれを裏付ける結果の1つであるといえる。PD-L1強陽性に対する単剤とコンビネーションの比較試験も進行中であり、その結果にも注目したい。CheckMate-9LA試験EGFR/ALK陰性の未治療進行NSCLCを対象に初回治療としてニボルマブ(Nivo)+イピリムマブ(Ipi)に化学療法2サイクルを併用するNivo+Ipi+化学療法群と化学療法群を比較する第III相試験である。ASCO2020において有効性が公表され、すでに米国・オーストラリア・シンガポール・カナダでは承認されており、日本でも承認間近と伺っている。今回は、アジア人サブグループの結果が報告された。9LA登録例のうち、アジア人は日本人患者(50例)と中国人患者(8例)であった。Nivo+Ipi+化学療法群が28例、化学療法群が30例であった。OSは、アジア人サブグループでも全集団と同様の傾向がみられ、Nivo+Ipi+化学療法群でNR(15.4ヵ月~NR)、化学療法群で13.3ヵ月(8.2ヵ月~NR)、HR 0.33(95%CI:0.14~0.80)と併用群で良好な結果が示された。組織型(Sq/non-Sq)、PD-L1発現(≧1%/<1%)でみた解析においても、少数ながらNivo+Ipi+化学療法群において改善傾向が認められた。気になる副作用であるが、アジア人における全体およびGrade3/4の頻度、そして副作用中止の頻度が高い傾向があるが、とくにアジア人集団で新たに認められたものはなかった。今回の報告でもあるように9LAレジメンは副作用が懸念点であり、今後実臨床においてどのように評価されていくのかが気になるところである。さいごに今回のESMO2020もvirtualではあったものの、肺がん領域においてはいくつもの重要な報告があった。日本においてはいくらかCOVID-19の蔓延が落ち着きつつあり、現地とwebのハイブリッド開催が行われるようにもなってきたが、世界的には落ち着いておらず国際学会に行くのはまだまだ先になるだろう。国際学会の刺激は現地でないと味わえないところもあり、一刻も早い現状の改善を期待している。

466.

ニボルマブとイピリムマブの併用療法、MSI-High大腸がんへの国内適応拡大/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル マイヤーズ スクイブは、2020年9月25日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)との併用療法について、「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High:microsatellite instability-High)を有する結腸・直腸がん」への適応拡大に係る国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得したと発表。 今回の承認は、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法による治療中または治療後に病勢進行した、もしくは同治療法に忍容性がなかった進行・再発のMSI-Highまたはミスマッチ修復欠損(dMMR)を有する大腸がん患者を対象に、ブリストル マイヤーズ スクイブが実施した多施設共同非盲検第II相臨床試験(CheckMate-142試験)のニボルマブとイピリムマブの併用療法コホートによる結果に基づいている。同試験では、ニボルマブとイピリムマブの併用療法は、主要評価項目である治験担当医師の評価による奏効率(ORR)において有効性を示した。本試験におけるニボルマブとイピリムマブの併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告された臨床試験のものと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。ニボルマブは、単剤療法でがん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発のMSI-Highを有する結腸・直腸がんの効能又は効果で承認されているが、今回の承認によって、同効能又は効果に対して、ニボルマブとイピリムマブの併用療法でも使用が可能となった。

467.

ニボルマブ480mg4週ごと投与、国内承認/小野・BMS

 小野薬品工業と ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2020年9月25日、ヒト型抗ヒトprogrammed cell death-1(PD-1)ニボルマブ(商品名:オプジーボ)の単独投与時の用法及び用量に関して、すでに承認を取得している全ての9つのがん腫において、これまでの 1回240mgを2週間間隔で点滴静注する用法及び用量に加え、1 回480mgを4週間間隔で点滴静する用法及び用量が追加になったと発表。  今回の用法及び用量の追加の承認によって、治療選択肢が増えること、患者および医療スタ ッフの利便性の向上に繋がるものと期待しているとしている。

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胃がんのニボルマブ+化学療法1次治療、PFS改善(ATTRACTION-4)/ESMO2020

 国立がん研究センター中央病院消化管内科の朴 成和氏は、HER2陰性(HER2-)で未治療の切除不能な進行・再発の胃・胃食道接合部がん患者を対象としたニボルマブ+化学療法併用群(ニボルマブ併用療法群)とプラセボ+化学療法群(化学療法群)を比較した第II/III相臨床試験であるATTRACTION-4試験の結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)で発表。ニボルマブ併用により無増悪生存期間(PFS)は統計学的に有意な延長を認めたものの、全生存期間(OS)では統計学的に有意な延長は認めなかったと報告した。ATTRACTION-4試験から、ニボルマブ併用が胃がん1次治療の新たな選択肢に・対象:未治療のHER2-進行・再発胃・食道胃接合部がん(PS 0~1)724例・試験群:ニボルマブ360mg/日3週ごと+化学療法はSOX(S-1+オキサリプラチン3週ごと)あるいはCapeOX(カペシタビン+オキサリプラチン3週ごと)(ニボルマブ併用群、362例)・対照群:プラセボ+SOXあるいはCapeOX(化学療法群、362例)・評価項目:[主要評価項目]独立画像判定委員会の判定に基づく無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)[副次評価項目]研究者の判定に基づくPFS、客観的奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、病勢コントロール率(DCR)、奏効までの期間(TTR)、最良奏効率(BOR)、安全性 ATTRACTION-4試験の主な結果は以下のとおり。・中間解析での独立画像判定委員会の判定に基づくPFS中央値は、ニボルマブ併用群が10.45ヵ月、化学療法群が8.34ヵ月で、ニボルマブ併用群において統計学的に有意な延長を示した(HR:0.68、98.51%CI:0.51~0.90、p=0.0007)。・1年PFS率はニボルマブ併用療法群が45.4%、化学療法群が30.6%であった。・OS中央値は、ニボルマブ併用療法群が17.45ヵ月、化学療法群が17.15ヵ月で両群間で統計学的に有意な差は認められなかった(HR:0.90、95%CI:0.7~1.08、p=0.257)。・ORRはニボルマブ併用療法群が57.5%、化学療法群が47.8%であった(p=0.0088)。・DoR中央値はニボルマブ併用療法群が12.91ヵ月、化学療法群が8.67ヵ月であった。・DCRはニボルマブ併用療法群が71.8%、化学療法群が68.5%であった。・TTRは両群とも1.4ヵ月であった。・Grade3~4の治療関連有害事象の発現率はニボルマブ併用療法群が57.1%、化学療法群が48.6%であった。 朴氏はATTRACTION-4試験ではOSの有意差は示せなかったものの、ORRはニボルマブ併用療法群で高率であり、持続性のある奏効状態が認められ、かつ安全性は管理可能なレベルだったと指摘。化学療法でのニボルマブ併用は「未治療の切除不能な進行・再発胃がん・食道胃接合部がんの一次治療での新たな選択肢となりうる」との見解を示した。

469.

新規抗体薬物複合体SG、尿路上皮がんに有望(TROPHY-U-01)/ESMO2020

 プラチナ系抗がん剤と免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の治療歴を有する転移のある尿路上皮がんに対する新規抗体薬物複合体Sacituzumab Govitecan(SG)の有用性は、昨年のESMO2019で中間解析結果が発表されている(35例での奏効率は29%)。今回の欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)では、その最終解析結果が、フランス・Institut de Cancerologie Gustave RoussyのYohann Loriot氏より報告された。 このSGは、多くの固形腫瘍の細胞表面に発現するタンパクTrop-2を標的としており、ヒト化抗Trop-2モノクローナル抗体とイリノテカン系抗がん剤の抗体薬物複合体(ADC)である。TROPHY-U-01試験は、複数のコホートからなるオープンラベルの第II相試験であり、今回はそのコホート1集団の発表である。・対象:プラチナ系抗がん剤とICI既治療(治療ライン数は問わず)の転移のある尿路上皮がん(mUC)患者、PSは0~1・試験群:SG 10mg/kgをday1、8、3週ごと[主要評価項目]中央判定による奏効率(ORR)[副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、奏効期間(DOR)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・今回の最終解析の対象は、113例(ITT)。年齢中央値は66歳で75歳以上は23%、内臓転移有りは62%(肝転移は28%)だった。・前治療ライン数の中央値は3.0だった。・データカットオフ2020年5月、追跡期間中央値6.3ヵ月の時点で、治療継続症例は16例(14%)だった。・ORRは27%で、CR 5%、PR 22%であった。これは、試験設計時の統計学的なORR閾値12%を上回っていた。・DOR中央値は5.9ヵ月であった。・PFS中央値は5.4ヵ月、OS中央値は10.5ヵ月であった。・主な治療関連有害事象(TRAE)は、下痢:65%(Grade3は9%、4は1%)悪心:58%(同4%、0%)、好中球減少症:46%(同22%、12%)、倦怠感:50%(同4%、0%)、脱毛:47%(同0%、0%)、発熱性好中球減少症:10%(同7%、3%)などであった。・TRAEによる治療中止は6%で、原因は好中球減少症などであった。治療関連死は発熱性好中球減少による敗血症の1例だった。 SGは、米国FDAによりmUCにおけるファストトラック指定を受けており、トリプルネガティブ乳がんでは迅速承認を取得している。現在、mUCを対象とした第III相試験TROPiCS-04(NCT04527991)が進行中である。

470.

非扁平上皮NSCLC1次治療、化学療法+ベバシズマブ+ニボルマブの4併用がPFS延長(ONO-4538-52/TASUKI-52)/ESMO2020

 ONO-4538-52/TASUKI-52試験は、非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療治療において、プラチナ化学療法とベバシズマブの併用にニボルマブを上乗せした初の無作為化二重盲検第III相試験である。欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)では、その初回解析の結果を韓国・ソウル国立大学ブンダン病院のJong Seok Lee氏が発表した。・対象:未治療のStage IIIB/IVの非扁平上皮NSCLC患者(PD-L1発現問わず)・試験群:ニボルマブ(360mg)+カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ(3週間ごと6サイクル)→ニボルマブ+ベバシズマブ(ニボルマブ群)・対象群:プラセボ+カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ→プラセボ+ベバシズマブ(プラセボ群) ニボルマブ/プラセボ+ベバシズマブは、疾患進行または許容できない毒性発現まで継続・評価項目:[主要評価項目]独立放射線審査委員会(IRRC)評価の無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目 ]全生存期間(OS)、全奏効率(ORR)、安全性 主な結果は以下のとおり。・日本、韓国、台湾の患者550例が1:1で無作為にニボルマブとプラセボに割り付けられた。 ・データカットオフ(2020年2月10日)での最低追跡期間は7.4ヵ月であった。・PFS中央値は二ボルマブ群12.1ヵ月に対しプラセボ群8.1ヵ月と、ニボルマブ群で有意に長かった(HR:0.56、96.37%CI:0.43〜0.71、p<0.0001)。12ヵ月PFS率は二ボルマブ群50.1%、プラセボ群30.2%であった。・PD-L1発現別のPFS HRは、PD-L1<1%で0.55、PD-L1 1〜49%で0.63、PD-L1≧50%で0.55であった。・ OSは評価に達していないが、ニボルマブ群の中央値は25.4ヵ月、プラセボ群24.7ヵ月であった(HR:0.85、95%CI:0.63〜1.14)。・ ORRは、ニボルマブ群61.5%、プラセボ群50.5%であった。・Grade3/4の治療関連有害事象(TRAE)はニボルマブ群で73.6%、プラセボ群で72.0%、治療中止につながるTRAEは二ボルマブ群16.5%、プラセボ群4.4%と、二ボルマブ群で多く観察されたが、治療関連死は二ボルマブ群1.8%、プラセボ群1.5%と同程度であった。 カルボプラチン・パクリタキセルとベバシズマブへのニボルマブの併用はPFSを有意に延長し、その効果はPD-L1発現に関係なく認められた。非扁平上皮NSCLCの1次治療となる可能性が示唆されると、Lee氏は述べた。

472.

アテゾリズマブ+パクリタキセル、TN乳がん1次治療でPFS改善せず(IMpassion131)/ESMO2020

 転移を有する/切除不能な局所進行トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者に対する1次治療として、アテゾリズマブ+パクリタキセルの併用療法は、無増悪生存期間(PFS)の有意な改善を認めなかった。英国・Mount Vernon Cancer CentreのDavid Miles氏が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)で二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験IMpassion131の結果を報告した。IMpassion131ではアテゾリズマブ+パクリタキセル併用でPFS有意に改善せず・対象:進行乳がんに対する化学療法または全身療法歴のない、転移を有する/切除不能な局所進行TNBC患者([ネオ]アジュバント化学療法後≧12ヵ月、ECOG PS≦1)・試験群:以下の2群に2対1の割合で無作為に割り付けアテゾリズマブ併用群:28日を1サイクルとし、アテゾリズマブ(840mgを1、15日目投与)、パクリタキセル(90mg/m2を1、8、15日目投与) PD-L1陽性191例/ITT集団431例※各サイクル少なくとも最初の2回は、デキサメタゾン8~10mgを投与プラセボ群:28日を1サイクルとし、プラセボ+パクリタキセル(90mg/m2を1、8、15日目投与) PD-L1陽性101例/ITT集団220例・層別化因子:タキサン治療歴、VENTANA PD-L1 SP142アッセイによるPD-L1発現状況(<1% vs.≧1%)、肝転移の有無、地域(北米 vs.西欧/オーストラリア vs.東欧/アジアvs.南米)・評価項目:[主要評価項目]PD-L1陽性患者およびITT集団における治験責任医師評価によるPFS(PD-L1陽性患者で達成された場合にITT集団で解析を行うことを事前に規定)[副次評価項目]PD-L1陽性患者およびITT集団における全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)、安全性など IMpassion131の主な結果は以下のとおり。・両群のベースライン特性はバランスがとれており、PD-L1≧1%の患者は全体の45%であた。・2019年11月15日データカットオフ時点におけるPD-L1陽性患者でのPFS中央値は併用群6.0ヵ月 vs.プラセボ群5.7ヵ月(層別ハザード比[HR]:0.82、95%CI:0.60~1.12、ログランク検定p=0.20)で、併用による有意な改善はみられなかった。・ITT集団でのPFS中央値は併用群5.7ヵ月 vs.プラセボ群5.6ヵ月(層別ハザード比[HR]:0.86、95%信頼区間[CI]:0.70~1.05、p値は検出せず)であった。・タキサン治療歴やPD-L1発現状況、肝転移の有無などPFSのサブグループ解析結果も、PD-L1陽性患者全体と同様の傾向で、併用によるベネフィットがみられる因子はみられなかった。・治験責任医師評価による未確定のORRは、PD-L1陽性患者で併用群63.4% vs.プラセボ群55.4%、ITT集団で53.6% vs.47.5%であった。・2020年8月19日データカットオフ時点におけるOS中央値は、PD-L1陽性患者で併用群22.1ヵ月 vs.プラセボ群28.3ヵ月(層別HR:1.12、95%CI:0.76~1.65)。ITT集団で19.2ヵ月 vs.22.8ヵ月(層別HR:1.11、95%CI:0.87~1.42)であった。・安全性プロファイルは各薬剤の既知のリスクと一致していた。 ディスカッサントを務めた米国・UNC Lineberger Comprehensive Cancer CenterのLisa Carey氏は、PD-L1陽性患者でベネフィットを示したアテゾリズマブ+ナブパクリタキセル併用のIMpassion130試験とIMpassion131試験との間でなぜ結果に差が生じたのかについて考察。試験対象の患者背景に大きな差異はみられず、パクリタキセル投与時に前投与されるステロイドが免疫チェックポイント阻害薬の効果に影響を及ぼす可能性に言及した。しかし、ペムブロリズマブ+化学療法(ナブパクリタキセル、パクリタキセル、ゲムシタビン/カルボプラチンのうちいずれか)併用の有効性を評価したKEYNOTE-355試験ではPFS改善が報告されており、引き続き検討が必要とした。

473.

EGFR変異肺がんに新規抗HER3抗体薬物複合体U3-1402が有望/ESMO2020

 濃厚な治療歴を有するEGFR変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、HER3を標的とする抗体薬物複合体(ADC)が、臨床的に意義のある効果と管理可能な安全性を示した。この第I相試験の結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)で、米国・メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターのHelena A. Yu氏より発表された。・対象:EGFR変異陽性の転移を有するNSCLC患者57例(用量漸増パートから12例+用量拡大パートから45例)。PSは 0〜1・試験群:Patritumab Deruxtecan(U3-1402)を用量漸増パートでは3.2mg/kg~6.4mg/kg、用量拡大パートでは5.6mg/kgを3週間ごと点滴・評価項目:[主要評価項目]抗腫瘍効果(盲検下中央判定での奏効率、奏効期間など)[副次評価項目]安全性と忍容性 主な結果は以下のとおり。・症例の年齢中央値は65歳、女性が63%、アジア人が47%、白人が44%だった。脳転移も47%の症例で認められた。・前治療ライン数の中央値は4。全員がEGFR TKIの治療を受けており(オシメルチニブ86%含む)、90%でプラチナ化学療法が、40%で免疫チェックポイント阻害薬の投与歴があった。・追跡期間中央値は5ヵ月で全奏効率25%(CR 2%、PR 23%)、3例の未確定PR例があった。・病勢コントロール率は70%、奏効期間中央値は6.9ヵ月だった。・Grade3以上の治療関連有害事象(TEAE)は、血小板減少28%、好中球減少19%、倦怠感9%、貧血9%であった。・TEAEによる治療中止は9%で、その要因は、倦怠感、食欲低下、間質性肺疾患、肺臓炎などであり、治療関連死はなかった。 最後に演者は「この抗HER3の新規ADCはEGFR C797S変異、MET増幅、HER2変異、BRAF融合、PIK3CA変異などのさまざまなEGFR-TKI耐性にも有効性を示した。次の第II相試験も計画されている」と結んだ。

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免疫療法、胃/食道がんに有望な成績/ESMO2020

 欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)において、胃がん食道がんに対する免疫療法の有益性を示す新たなデータが報告された。欧州臨床腫瘍学会(ESMO)が、2020年9月21日に発表している。CheckMate-649 CheckMate-649試験は 、HER2陰性の進行胃・胃食道接合部がん、食道がん(すべて腺がん)の 1次治療において、ニボルマブ+化学療法と化学療法単独を比較した試験。結果、PD-L1陽性(CPS≧5)の患者において、ニボルマブ+化学療法 は全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)を改善した。 ATTRACTION-4  ATTRACTION-4は、アジアの患者のみを対象にしたこと、 主要エンドポイントが全集団である点を除き、CheckMate 649試験に近い研究である。結果、ニボルマブ+化学療法の1次治療は複合評価項目の1つであるPFSを改善したが、OSの改善は確認されなかった。KEYNOTE-590 KEYNOTE-590は、食道扁平上皮がん、食道腺がん、またはSiewert1型胃・食道接合部腺がんの1次治療における化学療法+ペンブロリズマブの有用性を評価した試験。結果、ペムブロリズマブ+化学療法は、CPS≧10の食道扁平上皮がんのOSを改善し、全食道扁平上皮がん、CPS≧10の全集団、全試験集団ではPFSも改善した。  当試験において、腺がん患者は少なく、腺がんのサブグループは探索的分析であるが、OS中央値は11.6ヵ月対9.9ヵ月(HR:0.74)、PFS中央値は6.3ヵ月対5.7ヵ月(HR:0.63)であった。 腺がんサブグループにおいても全集団と同じく、OSとPFSの改善が示された。

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新規抗体薬物複合体SG、TN乳がんのPFSとOSを延長(ASCENT)/ESMO2020

 転移を有するトリプルネガティブ乳がん(mTNBC)に対する新規の抗体薬物複合体(ADC)sacituzumab-govitecan (SG)の国際第III相試験の結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)で、米国・マサチューセッツ総合病院がんセンターのAditya Bardia氏から発表された。 このSGは、多くの固形腫瘍の細胞表面に発現するタンパクTrop-2を標的とするADCで、複数の治療歴を有するmTNBCに対し、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を有意に改善することが報告された。・対象:mTNBCに対する化学療法剤治療を2ライン以上(中央値4ライン)受けている患者529例で、免疫チェックポイント阻害薬やPARP阻害薬の既治療例も含まれる。・試験群:SG 10mg/kgをday1、8に投与し、1週休薬の3週間隔での点滴投与(SG群)・対照群:主治医選択の単剤化学療法(エリブリン、カペシタビン、ゲムシタビン、ビノレルビン)(CT群)・評価項目:[主要評価項目]脳転移のない症例を対象にした盲検下中央判定によるPFS[副次評価項目]脳転移がある症例を含む全症例のPFS、脳転移のない症例を対象にしたOSと奏効率、安全性、奏効期間など なお、本試験はデータ安全性モニタリング委員会の勧告により、早期の有効中止となっている。 主な結果は以下のとおり。・SG群には、脳転移あり32例を含む267例が、CT群には脳転移あり29例を含む262例が登録された。・脳転移なし集団におけるPFS中央値は、SG群5.6ヵ月、CT群1.7ヵ月で、HRが0.41(95%CI:0.32~0.52、p<0.0001)と、有意にSG群で良好であった。・OS中央値は、SG群で12.1ヵ月、CT群6.7ヵ月、HRが0.48(95%CI:0.38~0.59、p<0.0001)と、同様に有意にSG群で良好であった。・奏効率は、SG群35%、CT群5%と、有意にSG群で高かった(p<0.0001)。・SG群の安全性プロファイルは過去の報告と同様であり、忍容性は良好であった。・Grade3以上の主な治療関連有害事象は、好中球減少症がSG群で51%、CT群で33%、下痢が10% vs.1%未満、発熱性好中球減少症が6% vs.2%であった。・SG群では、治療中止となった有害事象の発現率は、4.7%であり(CT群は5.4%)、重度の心血管系毒性はなく、治療関連死もなかった。CT群では治療関連死が1例に発生した。 Bardia氏は「SGは既治療のmTNBC患者に対する新たな標準治療として考慮すべきである」と結んだ。

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口腔扁平上皮がん、ニボルマブ術前補助療法の有用性/JAMA Oncology

 口腔扁平上皮がん患者の予後を改善する有用なアプローチが提示された。術前補助免疫療法や、抗PD-1抗体と抗CTLA-4抗体の併用は、抗腫瘍免疫応答を増強し、有用な治療戦略と考えられているが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のJonathan D. Schoenfeld氏らによる検討において、ニボルマブ単独投与およびニボルマブ+イピリムマブ併用投与は、どちらも外科的切除前に施行可能であり、奏効率は両群とも良好であることが示された。著者は、「これらの薬剤を用いた術前補助療法の、さらなる研究の進展が望まれる」とまとめている。JAMA Oncology誌オンライン版2020年8月27日号掲載の報告。 研究グループは、2016~19年に未治療の口腔扁平上皮がん(≧T2、または臨床的にリンパ節転移陽性)患者29例を登録し、ニボルマブ群(3mg/kg、1週目と3週目に投与)、またはニボルマブ+イピリムマブ群(イピリムマブ1mg/kg、1週目のみ投与)に無作為に割り付け、2サイクル治療後の3~7日に手術を行った。 主要評価項目は、安全性および双方向評価法による腫瘍体積に基づく有効性であった。副次評価項目は、病理学的および客観的奏効率、無増悪生存(PFS)、全生存(OS)。原発腫瘍免疫マーカーは、多重免疫蛍光法を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・29例(ニボルマブ群14例、ニボルマブ+イピリムマブ群15例)の患者背景は、平均年齢62歳、男性18例(62%)/女性11例(38%)で、舌がんが16例と最も多く、ベースラインの臨床病期分類はT2が20例、T3以上が9例、リンパ節転移陽性17例(59%)であった。・第1サイクルから手術までの期間の中央値は19日であり、手術の遅れはなかった。・治療関連有害事象は21例に認められ、Grade3/4の事象はニボルマブ群2例、ニボルマブ+イピリムマブ群5例であった。・ニボルマブ群およびニボルマブ+イピリムマブ群ともに、抗腫瘍効果が認められた(腫瘍体積に基づく奏効:50% vs.53%、病理学的進展度の低下:53% vs.69%、RECISTに基づく奏効:13% vs.38%、病理学的奏効:54% vs.73%)。・4例(ニボルマブ群1例、ニボルマブ+イピリムマブ群3例)で、90%以上の病理学的完全奏効が得られた。・追跡期間中央値14.2ヵ月において、1年PFS率は85%、OS率は89%であった。

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原発不明がんに対するニボルマブへの期待【Oncologyインタビュー】第19回

出演:近畿大学医学部 腫瘍内科/市立岸和田病院 腫瘍内科 谷崎 潤子氏いまだ標準療法が確定していない原発不明がんに対するニボルマブの有用性を評価するNivoCUP試験がASCO2020で発表された。発表者の近畿大学医学部/市立岸和田病院の谷崎潤子氏に研究の背景や主要結果について聞いた。

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