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悪性胸膜中皮腫、化学療法のベネフィットはほとんど期待できないが…

積極的症状コントロール(ASC)に化学療法を追加しても、悪性胸膜中皮腫の生存およびQOLにベネフィットはもたらされないことが、英国Leeds総合診療所のMartin F Muers氏らが実施した多施設共同無作為化試験(MS01)で明らかとなった。悪性胸膜中皮腫はほぼ致死的な疾患であり、現状では治療選択肢はほとんどない。これまでASCが推奨されてきたが、化学療法の役割についてはコンセンサスが得られていなかったという。Lancet誌2008年5月17日号掲載の報告。ASC単独とASCに2種類の化学療法レジメンを追加する3群を比較MS01試験には、2001年9月~2006年7月に英国の76施設およびオーストラリアの2施設から悪性胸膜中皮腫409例が登録され、以下の3群に無作為に割り付けられた。ASC単独群(136例):ステロイド薬、鎮痛薬、気管支拡張薬、緩和的放射線照射などを実施、ASC+MVP群(137例):ASCに加えマイトマイシンC 6mg/m2+ビンブラスチン6mg/m2+シスプラチン50mg/m2の3週ごとの投与を1コースとして4コース施行、ASC+V群(136例):ASCに加えビノレルビン30mg/m2を週1回、12週間投与。無作為割り付けはPS(WHO)、組織型、施設により層別化した。フォローアップは無作為割り付け後から3週ごとに21週行い、その後は8週ごとに実施した。症例登録の進捗が遅かったため、主要評価項目である全体の生存率については2つの化学療法併用群を統合してASC単独群と比較した。探索的な解析ではビノレルビンによる生存ベネフィットの可能性示唆解析時には393例(96%)が死亡していた[ASC単独群:132例(97%)、ASC+MVP群:132例(96%)、ASC+V群:129例(95%)]。ASC単独と比較してASC+化学療法の生存ベネフィットは大きくなく、有意差な差は認めなかった(ハザード比:0.89、95%信頼区間:0.72~1.10、p=0.29)。生存期間中央値はASC単独群が7.6ヵ月、ASC+化学療法群は8.5ヵ月であった。探索的な解析では、ASC+V群の生存期間中央値は9.5ヵ月であり、ASC単独に比べ有意差はないものの生存への寄与が示唆された(0.80、0.63~1.02、p=0.08)。ASC+MVP群の生存ベネフィットを示すエビデンスは得られなかった(0.99、0.78~1.27、p=0.95)。事前に設定されたQOLに関する4つのサブスケール[身体機能、疼痛、呼吸困難、全般的健康状態(global health status)]は、治療開始から6ヵ月間のいずれの時点の評価でも各群間に差は見られなかった。Muers氏は、「悪性胸膜中皮腫の管理では、ASCに化学療法を追加しても生存およびQOLに有意なベネフィットはもたらされない」と結論したうえで、「探索的な解析の結果により、1つの治療選択肢としてビノレルビンにシスプラチンやペメトレキセドを併用するアプローチは試みる価値があることが示唆されるが、他の多くの癌と同様に、悪性胸膜中皮腫の場合も新規抗癌剤や分子標的薬がもっとも有望かもしれない」と考察している。(菅野守:医学ライター)

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超未熟児への集中治療開始には在胎週数に加え4つの因子を加味すべき

超未熟児に対して集中治療を行うかどうかは議論の分かれるところであるが、大半は、在胎週数のみ(一般的に25週)に基づいて行われる。23~24週の場合は親の同意で開始、22週では“緩和ケア(comfort care)”が提供開始となるが、患児の予後に与える要因は単に在胎週数に限られるわけではなく他にもある。米国国立小児保健発達研究所の新生児臨床研究ネットワーク研究グループらは、どのような要因を考慮すべきかを、同ネットワークに登録する医療機関で生まれた乳児4,446例(在胎週数22~25週)を対象とした前向き研究で調査した。NEJM誌2008年4月17日号より。4,446例乳児を対象に前向き研究調査は、対象乳児4,446例の出生時または出生前に評価可能だった危険因子を、生存の可能性、重度神経発達障害を伴わない生存の可能性、18~22ヵ月時点での神経発達障害を伴わない生存の可能性と関連づけて評価する方法で行われた。対象乳児のうち人工換気による集中治療を受けていたのは3,702例(83%)だった。「ステロイド」「女児」「単胎」「出生体重」を加味すべき18~22ヵ月時点で転帰を判定した結果、49%が死亡、61%が死亡あるいは重度障害、73%が死亡あるいは障害を有していた(n=4,192例)。集中治療を受けた乳児を対象とする多変量解析の結果からは、死亡リスク、死亡または重度神経発達障害リスク、死亡またはすべての重度神経発達障害リスクの低下に関連する因子として、「出生前に副腎皮質ステロイド曝露」「女児」「単胎出生」「出生体重がより重い(100g加重ごと)」が明らかとなった。これらリスク因子は、在胎週数が1週間延長した場合でも変わらない。また転帰良好の可能性が同程度と推定された場合、女児のほうが男児に比べて集中治療を受ける頻度が少ないといったことも明らかとなったが、人工換気を受けた乳児の転帰予測は、在胎週数だけよりもこれら因子を伴う場合のほうが優れており、研究グループは、在胎週数に加えて、これら4つの因子を考慮することが、集中治療を行った場合に良好な転帰が得られるかどうかのより優れた予測が可能となると結論づけた。(武藤まき:医療ライター)

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花粉症に対するステロイド薬と抗アレルギー薬の併用はどのくらい効くのか

グラクソ・スミスクライン(GSK)は、2007年1-5月にかけて花粉症など季節性アレルギー性鼻炎の患者(約2000人)を対象に行った、鼻噴霧用ステロイド薬「フルナーゼ」(フルチカゾンプロピオン酸エステル)と第2世代抗ヒスタミン薬「ジルテック」(セチリジン塩酸塩)の併用治療における安全性・有効性および日常生活の支障度に関する調査結果を発表した。それによると、鼻症状(くしゃみ発作、鼻汁、鼻閉)のいずれにおいても有意な改善効果が示されました。また、併用療法開始前に「中等症」「重症」「最重症」だった患者の83%が、観察期間終了時(4週間後もしくは併用療法中止時)には「軽症」または「無症状」に改善した。観察期間終了時に「無症状」となった患者は全体の32%に達した。一方、副作用の発現頻度は3.4%で、主な副作用は傾眠だった。詳細はプレスリリースへhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2008_01/P1000454.html

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喘息コントロール不良患者の9割が自分の状態を過大評価

グラクソ・スミスクライン株式会社が行った「喘息に関する患者意識調査」(2007年9月実施、インターネット調査、喘息の長期管理薬を処方されている15歳以上の喘息患者さん583人を対象)によると、41%の患者さんが治療中にもかかわらず喘息コントロールが不良な状態だった。また、これらの患者さんは頻繁な息切れや、喘息症状による夜間の目覚めを経験し、発作止めの薬剤を頻用するなど日常生活に支障をきたしているにもかかわらず、その90%が「喘息をコントロールできている」と自分の状態を過大評価していた。さらに、「喘息がコントロールできた状態」の認識については、「薬を服用し全く症状がでない状態」と回答した患者さんは50%。48%が「症状はあるけれども発作がない状態」、23%が「発作があっても薬で治まる状態」と回答(複数回答)しており、症状があることが当たり前と考えている患者さんがまだ多くいることが判明した。加えて、喘息治療薬についても、多くの患者さんが長期管理薬の服用タイミングを誤解していて、発作の有無にかかわらず定期的に使用すべき薬剤として最も認識の高かった吸入ステロイド薬でさえ3割近くの患者さんが「発作が起こった時/起こりそうな時に使う」と回答。こうした喘息治療の誤解を解消するためにも、治療効果を実感させ、喘息患者さんの理解を深めていくことが課題となる。詳細はプレスリリースへhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2007_07/P1000448.html

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ベル麻痺患者の早期治療で抗ウイルス剤治療は「?」

コルチコステロイドと抗ウイルス剤は特発性顔面神経麻痺(ベル麻痺)の早期治療に広く使われている。しかしその効果は明確ではない。 ダンディ大学(英国)プライマリケア・スコットランド校のFrank M. Sullivan氏らは、症状発現後72時間以内に集められたベル麻痺患者を対照とする二重盲検プラセボ対照無作為化要因試験を実施した。NEJM誌10月18日号掲載報告から。プレドニゾロン、acyclovir、両剤、プラセボ10日間投与で比較対象患者は、プレドニゾロン(コルチコステロイド)、acyclovir(抗ウイルス剤)、これら両剤またはプラセボのいずれかを投与する群に無作為に割り付けられた。期間は10日間。主要転帰は顔面機能の回復とし、House-Brackmanスケールで評価された。副次転帰には、クオリティオブライフ(QOL)と、顔の様相、疼痛が含まれた。最終転帰が評価されたのは、551例のうち496例だった。プレドニゾロン投与群は有意に顔面機能を改善3ヵ月時点で顔面機能が回復した患者の比率は、プレドニゾロン投与群vs非投与群で83.0% vs 63.6%(P

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出生前コルチコステロイド反復投与の長期予後:ACTORDS研究グループ

 オーストラリアのアデレード大学Caroline A. Crowther氏らACTORDS(Australasian Collaborative Trial of Repeat Doses of Steroids)研究グループは以前、早期産のリスクを有する妊婦へのコルチコステロイド反復投与療法について無作為化対照臨床試験を行い、「新生児における呼吸窮迫症候群や重篤な疾患罹患リスクが減少した」と報告したが、この時のデータは本療法の長期予後に関しては有効ではなかったため、あらためて前向き臨床試験を実施した。NEJM誌9月20日号の報告から。2歳時の感覚神経障害と体格を評価 今回の試験では、コルチコステロイドの初期治療コースを7日間以上受けた妊婦に、コルチコステロイド(ベタメタゾン11.4mg:反復投与群)またはプラセボ(生理食塩水:単回投与群)の筋注がランダムに割り当てられた。妊娠期間が32週未満で早期産の危険がある妊婦には、毎週投与が繰り返された。 評価は年齢調整後の2歳時点における重度感覚神経障害を伴わない生存率および体格。注意力に問題あるも単回投与群と有意差なし 2歳時点で生存していた1,085例の小児の内、1,047例(96.5%)が評価の対象となった(反復投与群521例、単回投与群526例)。 重度障害を伴わない生存率は、反復投与群84.4%、単回投与群81.0%で同程度だった(補正相対危険度1.04、95%信頼区間:0.98-1.10、P = 0.20)。 体格、血圧、保健サービスの利用度、呼吸器系疾患罹患率、また小児行動スコアのいずれも両群間に有意差は認められなかった。ただし注意力の面での問題が、反復投与群で単回投与群より一定の根拠をもって指摘された(P = 0.04)。 これらの結果から研究グループは、出生前コルチコステロイドの反復投与を用いた早期産のおそれのある妊婦の管理は、前回試験で明らかになったように、新生児の罹患率を低下させるとともに、2歳時点においても重度の感覚神経障害または発育不良のどちらも伴わないと報告している。

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出生前コルチコステロイド反復投与の長期予後:MFMU研究グループ

 出生前コルチコステロイドの反復投与は、早期産児の新生児期における一部の疾患罹患や死亡リスクを改善するものの、出生時体重の低下および子宮内胎児の発育遅延のリスクを増すことが、先行研究によって示されている。本論文は、コロンビア大学Ronald J. Wapnerら米国NIHのMFMU(Maternal-Fetal Medicine Units)ネットワークの研究グループによる、出生前コルチコステロイド投与の長期追跡調査の結果報告。NEJM誌9月20日号に掲載された。反復投与群と単回投与群を比較 追跡調査は、コルチコステロイドの初期コース受療後7日目の時点で妊娠が継続していた妊娠23~31週の女性を、反復投与群(ベタメタゾン週1回12mg筋注、24時間後に再投与)と単回投与群(プラセボ投与)に無作為に割り付け、それぞれに生まれた修正年齢2-3歳時の小児が対象とされた。 評価は、ベイリー乳幼児発達検査(Bayley Scales of Infant Development:BSID)スコア、身体測定値、脳性麻痺の有無で行われた。脳性麻痺の発症率が反復投与群で高かった 追跡調査が行われたのは556例。そのうち486例(87.4%)が身体測定を受け、465例(83.6%)がベイリー検査を受けた。平均修正年齢(±SD)は29.3±4.6ヵ月だった。 身体測定およびベイリー検査の結果に関しては両群に有意差は見られなかった。 脳性麻痺に関しては、反復投与群では6例(妊娠全体の2.9%)に認められたのに対し、単回投与群は1例(同0.5%)で、相対リスクは5.7という結果だった(95%信頼区間:0.7-46.7、P=0.12)。 長期予後として神経認知機能や身体の発達度に有意差は認められなかったが、脳性麻痺の発症率が統計学的に有意差は認められなかったとはいえ反復投与群で高かったことを受け、研究グループは「懸念すべきことであり、さらなる研究が必要だ」と結んでいる。

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