3.
Transcatheter or Surgical Aortic-Valve Replacement in Low-Risk Patients at 7 YearsLeon MB, et al. N Engl J Med. 2025 Oct 27. [Epub ahead of print]<PARTNER 3試験>:TAVI vs.外科的弁置換、低手術リスクの大動脈弁狭窄症の7年追跡結果重症の大動脈弁狭窄症を持つ低手術リスク患者に対して、従来の外科手術とカテーテルを使ったTAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)を比較した研究。TAVIは手術と同等の安全性と有効性を示し、回復が早く入院期間も短いことが確認されました。長期的にも弁の機能や耐久性に差はなく、低リスク患者においてTAVIが有力な選択肢となることを示しました。TAVIの適応拡大が加速するものと思われます。Antithrombotic Therapy after Successful Catheter Ablation for Atrial FibrillationVerma A, et al. N Engl J Med. 2025 Nov 8. [Epub ahead of print]<OCEAN試験>:アブレーション後の抗血栓薬は減弱化するか心房細動カテーテルアブレーションの成功から1年以上経過し、再発なしの患者を対象に、DOACであるリバーロキサバンと低用量アスピリンを比較しています。3年間の追跡の結果、脳梗塞や無症候性の新規虚血性病変の発生率は両群で同等で、リバーロキサバン群は出血リスクが高い傾向でした。アブレーション成功例では術後に抗凝固薬から抗血小板薬へ切り替える選択肢の妥当性を示し、現行ガイドラインの見直しにつながる可能性があります。Aficamten or Metoprolol Monotherapy for Obstructive Hypertrophic CardiomyopathyGarcia-Pavia P, et al. N Engl J Med. 2025;393:949-960.<MAPLE-HCM試験>:症候性の閉塞性肥大型心筋症に新薬aficamten登場有症候の閉塞性肥大型心筋症患者を対象に、aficamten(心筋ミオシン阻害薬)とβ遮断薬メトプロロールとを比較しています。aficamten群では、運動能力や息切れなど生活の質が改善し、心臓の負担も軽減されました。重篤な有害事象の発現に差はなく、安全性も良好でした。臨床的には1次治療として使用する新たな戦略の可能性を示し、今後ガイドラインへの影響も予想されます。Evolocumab in Patients without a Previous Myocardial Infarction or StrokeBohula EA, et al. N Engl J Med. 2025 Nov 8. [Epub ahead of print]<VESALIUS-CV試験>:PCSK9阻害薬エボロクマブによる1次予防の可能性心筋梗塞や脳卒中の既往がない動脈硬化や糖尿病のある患者を対象に、標準的な脂質治療に加えてPCSK9阻害薬であるエボロクマブとプラセボを比較。エボロクマブは重篤な心血管イベントの発生を統計学的有意に減少させました。一方、安全性に関しては懸念される問題はとくにありませんでした。これまで2次予防を対象としていたPCSK9阻害薬が、1次予防への選択拡大の可能性という臨床的意義を持ちます。Nationwide Trends in Coronary Revascularization in Japan, 2017 to 2023: From Decline to PlateauKohsaka S, et al. J Am Coll Cardiol. 2025;86:2391-2394.<J-PCIレジストリ・JCVSDデータ解析>:日本のPCI・CABG数の動向、エビデンスが必ずしも迅速に実臨床へ反映されず2017~23年の日本における安定冠動脈疾患に対する冠血行再建(PCI・CABG)の全国的動向をJ-PCIおよびJCVSDデータから解析。2017年以降減少傾向でしたが、2020年第3四半期から減少傾向が頭打ちに。この転換点は、エビデンスに基づく医療への移行よりも、臨床的慣性とCOVID-19後の診療回復が作用したと考えられます。エビデンス(ISCHEMIA試験)やガイドライン改訂が必ずしも迅速に実臨床へ反映されないことを示唆しています。