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日本人うつ病患者、抗うつ薬維持量に影響する因子:静岡県立大

 うつ病の再発を防ぐためには、急性期の抑うつ症状を効果的に抑制する用量の抗うつ薬で、6ヵ月以上治療を継続するのが理想的である。しかし、治療反応を得たり維持するための抗うつ薬の用量は、個人間で異なる。静岡県立大学の井上 和幸氏らは、日本人うつ病患者を対象に維持期の抗うつ薬投与量における遺伝子多型を含む臨床的特徴の役割を調査した。Biological & pharmaceutical bulletin誌オンライン版2016年6月17日号の報告。 対象は、日本人うつ病患者82例。抗うつ薬の用量はイミプラミン換算を用いて計算し、併用した抗不安薬や催眠薬の用量はジアゼパム換算を用いて計算した。対象患者82例は、イミプラミン換算の中央値に基づき2群に割り付け、抗うつ薬の維持用量における患者特性の影響、脳由来神経栄養因子(BDNF)遺伝子多型(rs6265)およびCREB1遺伝子多型(rs2253306、rs4675690、rs769963)の存在について調べた。 主な結果は以下のとおり。・多変量ロジスティック回帰分析では、併用薬のジアゼパム換算量とCREB1 rs4675690は、抗うつ薬の維持量と有意に関連していることが示された。・日本人うつ病患者の維持期における抗うつ薬投与量に対し、これらの要因が影響を与えると考えられるが、さらなる大規模コホート研究が必要とされる。関連医療ニュース 各種抗うつ薬の長期効果に違いはあるか うつ病急性期治療、どの抗うつ薬でも差はない 抗うつ薬の効果発現を加速するポイントは

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日本食は認知症予防によい:東北大

 日本食は、認知症発症の予防効果を有すると推測されているが、この課題を検討した報告はまだない。東北大学の遠又 靖丈氏らは、前向きコホート研究により、日本人高齢者を対象に、食事パターンと認知症発症との関連を検討した。The journals of gerontology誌オンライン版2016年6月29日号の報告。 自治体ベースのコホート研究(大崎コホート研究)に参加した、65歳以上の高齢者1万4,402人を5.7年間フォローアップしたデータを分析した。食物摂取頻度調査票を用いて、39の食品および飲料の消費に関する主成分分析を行い、食事を日本食パターン、動物性食品パターン、高乳製品パターンの3種類に分類した。認知症発症に関するデータは、公的介護保険データベースより収集した。 主な結果は以下のとおり。・7万1,043人年のフォローアップ中、認知症発症率は9.0%であった。・日本食パターンのスコアは、認知症発症リスクの低さと関連が認められた(最高四分位 vs.最低四分位;HR:0.80、95%CI:0.66~0.97、p=0.016)。・動物性食品パターンおよび高乳製品パターンでは、認知症発症との有意な関連は認められなかった。関連医療ニュース 日本人の認知症リスクに関連する食習慣とは 認知症によいサプリメント、その効果は 魚をよく食べるほど、うつ病予防に:日医大

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統合失調症患者の入院、1日の気温差が影響

 気候変動の重要な指標である気温の日較差(DTR)は、健康に対する気温変動性の影響を評価するために使用されることが増えている。しかし、統合失調症に対するDTRの影響は、あまりわかっていない。中国・安徽医科大学のDesheng Zhao氏らは、DTRと統合失調症の入院との関連、さらに患者特性や試験期間によりこれらの関連が変化するかを検討した。The Science of the total environment誌オンライン版2016年6月16日号の報告。 2005~14年の中国・合肥市の毎日のDTRと統合失調症のデータを、長期的および季節的傾向、平均気温、相対湿度、その他の交絡因子で調整した後、ポアソン一般化線形回帰と分散型ラグ非線形モデル(DLNM)を組み合わせて分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者において、非常に大きいDTRによる急性の悪影響が観察された。非常に高いDTR後には、統合失調症の1日の入院率が2.7%増加した(95%CI:1.007~1.047、95パーセンタイル vs.50パーセンタイル)。・大きなDTR曝露による統合失調症発症リスクは、最初の5年間(2005~09年)から次の5年間(2010~14年)にかけて増加した。・15~29歳および50~64歳、男性、春または秋生まれ、既婚の統合失調症患者は、DTRの影響に対し、とくに脆弱であると考えられる。しかし、中程度に大きいDTR(75パーセンタイル)と統合失調症との間に有意な関連は認められなかった。・本研究では、非常に大きいDTRは、中国・合肥市の統合失調症患者の入院における潜在的なトリガーであることが示唆された。関連医療ニュース 気温31℃超で気分症状が再発!入院も増加 精神科再入院を減少させるポイントとは 統合失調症の再入院や救急受診を減らすには

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抗うつ薬治療患者に対するベンゾジアゼピン投与の安全性は:藤田保健衛生大

 藤田保健衛生大学の岸 太郎氏らは、抗うつ薬治療うつ病患者におけるZ薬補助療法の有効性や忍容性に関する包括的なメタアナリシスを行った。European archives of psychiatry and clinical neuroscience誌オンライン版2016年6月18日号の報告。 著者らは、うつ病患者におけるZ薬の無作為化プラセボ/抗うつ薬単独対照試験を抽出した。有効性と安全性の主要評価項目は、それぞれ寛解率と全原因による中止とした。副次評価項目は、反応率、HAMD合計スコアの改善、無効および有害事象による中止、個々の有害事象とした。リスク比(RR)、NNT/NNH、95%CI、標準化平均差(SMD)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・6件が抽出された。 SSRI+ベンラファキシン(平均期間:10.5週、平均年齢:44.4±11.8歳):2,089例 エスゾピクロン+抗うつ薬:642例 プラセボ+抗うつ薬:930例 抗うつ薬単独:112例 ゾルピデム+抗うつ薬:405例・寛解率について、Z薬+抗うつ薬は、プラセボ+抗うつ薬よりも優れていた(RR:0.85、NNT:10)。・HAMDスコアの改善について、Z薬+抗うつ薬は、プラセボ+抗うつ薬、抗うつ薬単独よりも優れていたものの(SMD:-0.23)、反応率、無効による中止率に有意な群間差はみられなかった。・全原因による中止率に群間差はみられなかった。・有害事象による中止率に群間差はみられなかったが、Z薬+抗うつ薬は、プラセボ+抗うつ薬、抗うつ薬単独と比較して、1件以上の有害事象発生(RR:1.09、NNH:20)、めまい(RR:1.76、NNH:25)の発生率の高さとの関連が認められた。 著者らは「Z薬+抗うつ薬は、プラセボ+抗うつ薬、抗うつ薬単独と比較して、うつ病治療の有効性の改善が期待できるが、有害事象、とくにめまいへの密なモニタリングが必要である」としている。関連医療ニュース 不適切なベンゾジアゼピン処方、どうやって検出する メラトニン使用でベンゾジアゼピンを簡単に中止できるのか ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は

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未成年に抗うつ薬は処方すべきか~長い論争の果てに(解説:岡村 毅 氏)-562

 若年者のうつに対して抗うつ薬を使用すべきかどうかという、長い長い論争(と膨大な文献)における、最新の報告である。端的には、fluoxetine以外の抗うつ薬は、有効性を明確に示せなかったということが報告されているが、論争は続くだろう。 fluoxetineのみが有効性を示した事に関してであるが、言うまでもなく、そもそも本邦では承認されていない。加えて、性格を明るくするハッピードラッグなどと言われたり、“Prozac Nation”などという有名な本もあり、米国文明批評をする言説の標的となっている感もあり、なんともコメントしづらい。いや、臨床医としては、自分が処方したことがない以上、この薬剤についてコメントしてはならないだろう。 なお、fluoxetineは、FDAが未成年への使用を承認した唯一の抗うつ薬であり、したがって、本論文でも圧倒的に多くの報告が組み込まれている。このことは、結果にどのような影響を与えているのだろうか。 誤解のないように付記するが、もともと若年者には抗うつ薬が初めから処方されることはなく、2004年のFDA警告(子供の自殺リスクを増やす可能性、ただし、いまだに論争あり)を踏まえれば、むしろ処方しないに越したことはなく、米国国立精神衛生研究所(NIMH)のサイトでも、まず心理療法(認知行動療法や対人関係療法)がなされるべきだと明記している。しかし、それでも症状が改善しない場合にどうするか。未成年においてもさまざまな報告がある以上、本論文のようなメタアナリシスの重要性を否定するつもりはないが、社会的要因(恵まれた家庭の子息では抗うつ薬よりも心理療法が効果的)を示す報告(ref※)もあり、十把一絡げの解析を盲目的に信じるのも抵抗がある。 最後に、高齢者を専門とする臨床医として感想を一言述べたい。高齢者においては「うつ病エピソード」はさまざまな理由で起こりうるが、表面的な現象であることも多い。外来に「うつです」と来院される年配の方は多いが、初期のアルツハイマー型認知症のために仕事の失敗が増えて、当然の反応として抑うつ的になっている方や、レビー小体型認知症(DLB)の一症状としてのうつという方も多い。中枢神経の変性疾患の方に、抗うつ薬を処方すると有害事象が生じやすく、とくにDLBでは非常に危険なのである。また、高齢期はさまざまな環境変化(多くは別れと喪失)の時期でもあり、抗うつ薬で治るようなものではない。結果的に、私はほとんど抗うつ薬は処方しないが、しばしば純粋なうつ病の方には処方し、著効する。しかし、世間では、認知症なのに表面的な操作診断に基づいて抗うつ薬を処方されている方は多いようだ。児童思春期・高齢期は、心の成長期・収穫期という違いはあるが、安定した成人期の前・後という点では共通点も多いように感じている。エビデンスは重要だが、この論争にはなかなか決着はつかないのではないか、と思う次第である。参照文献※ Curry J, et al. J Am Acad Child Adolesc Psychiatry. 2006;45:1427-1439. 

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統合失調症のバイオマーカーとなりうる低メチル化率:愛媛大

 ドパミン仮説に従って、ドパミンD2受容体(DRD2)の遺伝子についていくつかの研究が行われている。しかし、利用できるDRD2のトライトバイオマーカーはない。愛媛大学の吉野 祐太氏らは、白血球におけるDRD2上流領域におけるメチル化率について、統合失調症患者と対照健常者で異なっているかを検討した。The world journal of biological psychiatry誌オンライン版2016年7月6日号の報告。 著者らは、主要な転写因子を結合することができるDRD2上流領域における7CpGサイトを選択した。薬物治療中の統合失調症患者50例と非薬物療法統合失調症患者18例のメチル化率を、年齢をマッチさせた対照健常者と比較した。 主な結果は以下のとおり。・薬物治療中の統合失調症患者のメチル化率は、有意に低かった[CpG2(p<0.0001)、CpG4(p=0.013)、CpG7(p<0.0001)、平均:12.9±1.8 vs.14.1±2.2(p=0.005)]。・非薬物療法統合失調症患者のメチル化率も、有意に低かった[CpG1(p=0.006)、CpG2(p=0.001)、CpG3(p=0.001)、CpG5(p=0.02)、CpG6(p=0.015)、CpG7(p=0.027)、平均:9.86±0.9 vs.11.2±1.3(p=0.002)]。・白血球におけるDRD2の低メチル化率は、統合失調症のトライトバイオマーカーとなりうることが示唆された。関連医療ニュース 統合失調症の新たなバイオマーカー:順天堂大学 統合失調症の診断・治療に期待!新たなバイオマーカー 統合失調症の遺伝的脆弱性を示す新たなマーカー

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認知症になりやすい人の職業は

 認知症や認知機能障害は、高齢者において有病率の高い疾患である。そのため、これらに関連する潜在的に修正可能なリスク因子を確認することが重要である。認知症のリスク因子として、生涯を通して従事した職業が関連している可能性がある。スペイン・サラゴサ大学のAna Cristina Gracia Rebled氏らは、高齢者における生涯従事した主な職業と認知症や認知機能障害との関連を分析した。Revista espanola de salud pública誌2016年6月21日号の報告。認知症リスクが高かった職業は肉体労働 1990~2014年3月までの科学文献をシステマティックレビューし、職業とMMSEを用いた認知機能との関連を分析した。ISI Web of Knowledge、PubMed、その他のデータベースよりレビューした。包括基準は、対象期間内に発表され、MMSEを用いた認知機能評価を行った55歳以上の集団、研究変数として職業および認知症、認知機能障害を含み、スペイン語、英語、フランス語で記載された論文とした。 生涯従事した主な職業と認知症や認知機能障害との関連を分析した主な結果は以下のとおり。・18文献を選定した。・断面研究5報と縦断研究6報より、職業と認知機能障害との関連を分析した。断面研究2報と縦断研究8報より職業と認知症との関連を分析した。・67%において、職業タイプと成人期の認知能力との関連が確認された。・主に肉体労働に生涯従事している人は、知的な要件の高い職業に従事している人よりも、認知機能障害や認知症のリスクが高いことが示唆された。関連医療ニュース 認知症に進行しやすい体型は 仕事の早期リタイアは認知症リスクを高める うつ病の寛解率、職業で差があるか

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双極性障害患者の脳灰白質はどうなっている

 統合失調症、双極性障害、その他の精神神経疾患でみられる精神症状の神経生物学的基盤はいまだによくわかっていない。過去10年で、核磁気共鳴画像(MRI)の多くの研究において、異なる精神医学的症候群患者と健康成人対照者との間に、局所灰白質容積の差が認められている。しかし、これら症候群でみられる症状に焦点を当てた研究はほとんどない。スウェーデン・カロリンスカ研究所のCarl Johan Ekman氏らは、精神病の既往歴のある/ない双極性障害患者および健康成人を対象として、精神疾患と灰白質容量との関連を検討した。Schizophrenia bulletin誌オンライン版2016年6月11日号の報告。 対象は、精神病の既往のある/ない双極性障害患者167例と健康成人対照者102例。核磁気共鳴イメージングは、ボクセルワイズの単変量解析(ボクセルベースの形態計測)を使用して、グループレベルで分析した。 主な結果は以下のとおり。・精神病の既往歴のある双極性障害患者は、同既往歴のない患者、健康成人対照者と比較し、左紡錘状回、右吻側背外側前頭前皮質、左下前頭回の白質容積が小さいことが示された。・精神病の既往歴のない患者と健康成人対照者との間に、これら領域の容量の差は認められなかった。・以前より、これら領域は構造上および機能的に妄想や幻覚と結び付いているとされている。関連医療ニュース 統合失調症、大脳皮質下領域の新発見:東京大学 ドパミンD2/3受容体拮抗薬、統合失調症患者の脳白質を改善 統合失調症、脳容積とIQの関連

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東日本大震災、深刻な精神状態の現状:福島医大

 東日本大震災、とくに福島第一原子力発電所の事故は、住民だけでなく救援労働者にも深刻な心理的影響を与えている。公務員はストレスの高い状況で長期的な救済に非常に有用な役割を担っているが、彼らの精神医学的な特徴については明らかになっていない。福島県立医科大学の前田 正治氏らは、診断インタビューを用い、被災地で働く公務員のうつ病やPTSDの有病率を調査し、彼らの精神状態に影響を及ぼす心理社会的要因を推測した。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2016年6月9日号の報告。 福島県の海沿いにある2つの町に勤務する公務員168人を対象に、診断インタビューと自己記入式のアンケートを実施した。 主な結果は以下のとおり。・公務員における現在の有病率は、うつ病で17.9%と高く、対照的にPTSDは4.8%と比較的低かった。・自己記入式アンケートと診断インタビューの結果から、住民からの強い苦情や怒りへの頻繁な曝露や職務への葛藤が、うつ病の高い有病率の原因と考えられる。 結果を踏まえ、著者らは「本検討により、福島で働く公務員の深刻な精神状態が明らかとなった。適切な精神医学的介入を行うために、効率的なケアネットワークの確立が急務である」としている。関連医療ニュース 震災と精神症状、求められる「レジリエンス」の改善 東日本大震災から1年;新たな地域連携をめざして“第27回日本老年精神医学会” アジアの救急隊員はPTSD発症リスクが高い

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統合失調症の自殺企図、小児期のトラウマが影響

 統合失調症スペクトラム障害患者における生涯自殺企図に対する小児期のトラウマの影響について、カナダ・Centre for Addiction and Mental HealthのAhmed N Hassan氏らが検討を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2016年5月25日号の報告。 統合失調症患者361例を対象に調査を行った。小児期のトラウマは、Childhood Trauma Questionnaire(CTQ)を用い収集した。自殺企図は、主観的評価スケールおよび客観的評価スケールを用いて確認した。観察研究デザインを適用し、傾向スコアを用いて小児期のトラウマ歴の有無により患者をマッチした。人口統計的および既知の自殺リスク因子について調整した、自殺企図に対する小児期虐待の各タイプの影響を推定するために、ロジスティック回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・本検討の被験者の39.1%に、生涯自殺企図があった。・2群でマッチし、人口統計的および臨床的交絡因子で調整した後、合計トラウマスコアと小児期虐待サブタイプの大部分は、自殺企図を予測した(OR:1.74~2.49、p値:0.001~0.02)。・本集団において、身体的ネグレクトは、自殺企図との有意な関連が認められなかった(p=0.94)。 著者らは「小児期虐待は、統合失調症患者における自殺企図の強力な独立リスク因子である。リスクは、成人期の抑うつ症状や絶望感により悪化すると考えられる。トラウマ歴のある精神疾患患者に対しては、早期スクリーニングと心理社会的治療の変更が推奨される」としている。関連医療ニュース 日本人統合失調症患者の自殺、そのリスク因子は:札幌医大 自殺念慮と自殺の関連が高い精神疾患は何か 統合失調症患者の自殺企図、家族でも気づかない:東邦大学

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統合失調症への抗うつ薬追加は有益なのか

 統合失調症治療において、抗精神病薬に抗うつ薬を追加した際の安全性および有効性をドイツ、ルートヴィヒ・マクシミリアン大学のBartosz Helfer氏らが検討を行った。The American journal of psychiatry誌オンライン版2016年6月10日号の報告。 2015年6月までの複数のデータベースと出版物より、統合失調症に対する抗うつ薬追加とプラセボまたは未治療とを比較したすべての無作為化比較試験を抽出した。抑うつ症状と陰性症状(主要アウトカム)、全体の症状、陽性症状、副作用、精神症状の悪化、レスポンダーレートを調査した。サブグループ分析、メタ回帰分析、感度分析を実施した。また、同様に出版バイアスとバイアスリスクを調査した。 主な結果は以下のとおり。・82件の無作為化比較試験より、3,608例が抽出された。・抗うつ薬の追加は、各症状などに対しより有効であった。  抑うつ症状(SMD:-0.25、95%CI:-0.38~-0.12)  陰性症状(SMD:-0.30、95%CI:-0.44~-0.16)  全体の症状(SMD:-0.24、95%CI:-0.39~-0.09)  陽性症状(SMD:-0.17、95%CI:-0.33~-0.01)  QOL(SMD:-0.32、95%CI:-0.57~-0.06)  レスポンダーレート(RR:1.52[95%CI:1.29~1.78]、NNT:5[95%CI:4~7])・抑うつ症状と陰性症状への影響は、これら症状の最小閾値が包含基準であった際、より堅調にみられた(抑うつ症状[SMD:-0.34、95%CI:-0.58~-0.09]、陰性症状[SMD:-0.58、95%CI:-0.94~-0.21])。・精神症状の悪化、早期中止、少なくとも1つ以上の有害事象を経験した患者数については、抗うつ薬追加と対照群との間に有意な差は認められなかった。・抗うつ薬を追加した多くの患者において、腹痛、便秘、めまい、口渇が認められた。 結果を踏まえ、著者らは「主要アウトカム(抑うつ症状、陰性症状)の分析では、抗うつ薬補助療法の有用な効果は小さかった。抗うつ薬補助療法は、精神症状や副作用の悪化リスクが低いと考えられる。しかし、2次およびサブグループ解析により慎重に検討すべきである」としている。関連医療ニュース 統合失調症患者への抗うつ薬併用、効果はどの程度か 統合失調症の陰性症状に対し、抗うつ薬の有用性は示されるのか 統合失調症治療、ベンゾジアゼピン系薬の位置づけは

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ADHDへの補助療法、有酸素運動が有用

 有酸素運動が、ADHDに対する有用な補助療法であるか、カナダ・マギル大学のSivan Klil-Drori氏らが検討を行った。Journal of attention disorders誌オンライン版2016年6月10日号の報告。 ADHDに関連する有酸素運動の身体的、認知的、心理社会学的側面についてレビューを行い、評価した。 主な結果は以下のとおり。・ADHD治療のための主要な薬物療法である覚醒薬、有酸素運動はどちらもカテコールアミン経路に作用する。・有酸素運動は、ADHD動物モデルである自然発生高血圧ラットの前臨床試験、またADHD児の臨床試験において、薬物療法の補助療法として有用であることが示されている。・運動はさらに、小児および成人の社会機能や神経認知機能に良い影響を及ぼすことが示唆される。・しかしながら、成人ADHDに対する臨床試験は実施されていない。関連医療ニュース 子供はよく遊ばせておいたほうがよい ADHD児に対するスポーツプログラム うつ病患者への運動介入、脱落させないコツは

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青年期うつ病を予測する小児期の特徴

 カナダ・オタワ大学のMurray Weeks氏らは、16~17歳の抑うつ症状を有する青少年における4~5歳から14~15歳にかけての内在化問題、外在化問題、学力の3つのドメインについて縦断的に調査した。Journal of adolescence誌オンライン版2016年6月8日号の報告。 対象は、小児と青少年の全国縦断研究の一環として年2回フォローされたカナダの小児6,425人。 主な結果は以下のとおり。・内的ドメイン(すなわち、安定性)の影響は中程度であった。・小児期早期の内在化問題と外在化問題の間(正の相関)、および小児期後期、青年期の学力と外在化問題との間(負の相関)で、1時点(すなわち、one-lag cascades)での縦断的クロスドメインの影響を見出した。・また、4~5歳の低い学力と6~7歳の内在化問題の大きさが12~13歳以上の外在化問題を予測し、6~7歳以上の外在化問題が16~17歳以上のうつ病を予測することについて、複数時点(すなわち、multi-lag cascades)でのカスケード効果を見出した。・青年期うつ病への重要な経路は、小児期および青年期の内在化問題を通じた経路の安定性、ならびに適応のすべてのドメインを含む可能性のある複数の経路を含んでおり、これは青年期うつ病の多因子の性質を浮き彫りにするものである。関連医療ニュース 青年期うつは自助予防可能か 成人期まで持続するADHD、その予測因子は 生徒のうつ病に対する教師サポートの影響は

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パリペリドン持効性注射剤、国内市販後の死亡例分析結果

 統合失調症治療薬であるパリペリドンパルミチン酸エステル月1回注射剤(PP1M)は、日本や諸外国で承認されている。日本の市販直後調査(EPPV)期間の6ヵ月間に、死亡例が32例報告された。米国・ヤンセンファーマのPhillip Pierce氏らは、PP1M治療患者における致死的な転帰への潜在的な要因を検討した。Current medical research and opinion誌オンライン版2016年6月5日号の報告。 2013年11月19日~2014年5月18日までにEPPVを通じて得られたPP1M使用後の有害事象報告を、グローバル安全性データベースに入力し、これらの事象を分析した。 主な結果は以下のとおり。・EPPV期間中に、日本においてPP1M治療を受けた患者は1万962例と推定された。・日本でのEPPV期間中の死亡報告率(5.84/1,000人・年)は、米国(0.43/1,000人・年)やグローバル(0.38/1,000人・年)でPP1Mが承認された時よりも高率であった。しかし、日本の臨床試験や患者コホート研究で観察された死亡率と一致していた(10.2/1,000人・年)。・日本のPP1MのEPPV期間中に報告された死亡例32例のうち、19例(59.4%)は50歳以上、23例は心血管リスク因子を有し、25例(78.1%)は抗精神病薬の多剤併用が行われていた。 著者らは「日本のPP1MのEPPV期間中に報告された死亡例32例に関する本レビューに基づくと、観察された死亡率は、必ずしも日本人に対するPP1M使用リスクに起因するわけではない」とし「日本における死亡率の高さは、日本独自のEPPVプログラムの死亡報告、高齢者、心血管リスクの高さ、複数の基礎疾患、抗精神病薬の多剤併用といったさまざまな要因に起因すると考えられる」とまとめている。関連医療ニュース 月1回の持効性抗精神病薬、安全に使用できるのか 2つの月1回抗精神病薬持効性注射剤、有用性の違いは アリピプラゾール持続性注射剤の評価は:東京女子医大

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各種非定型抗精神病薬、プロラクチンへの影響を比較

 非定型抗精神病薬がマクロプロラクチンとプロラクチンの血清レベルを上昇させるか、またマクロプロラクチンレベルは非定型抗精神病薬の種類により異なるのかを、韓国・仁済大学のYoung-Min Park氏らが検討を行った。Psychiatry research誌2016年5月30日号の報告。 6病院より、連続登録方式で合計245例が抽出された。血清プロラクチンおよびマクロプロラクチンレベルは、抗精神病薬単独療法の単一ポイントで測定した。 主な結果は以下のとおり。・マクロプロラクチンレベルを含めた平均総血清プロラクチン値は、アリピプラゾール11.91ng/mL、ブロナンセリン20.73 ng/mL、オランザピン16.41 ng/mL、パリペリドン50.83 ng/mL、クエチアピン12.84 ng/mL、リスペリドン59.1 ng/mLであった。・マクロプロラクチンは、アリピプラゾール1.71ng/mL、ブロナンセリン3.86 ng/mL、オランザピン3.73 ng/mL、パリペリドン7.28 ng/mL、クエチアピン2.77 ng/mL、リスペリドン8.0 ng/mLであった。・パリペリドンおよびリスペリドンの総プロラクチン、マクロプロラクチンレベルは、他の抗精神病薬の中央値と比較し、有意に高かった(p<0.01)。・プロラクチンとマクロプロラクチンの血清レベルとの間に強い正の相関が認められた。・性機能不全は、全体の35.5%(87/245例)で認められた。・しかし、総プロラクチンレベルは、女性化乳房を除く性機能不全の有無との間に有意な差はなかった。関連医療ニュース リスペリドン誘発性高プロラクチン血症への補助療法 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症、乳がんリスクとの関連は プロラクチン上昇リスクの低い第二世代抗精神病薬はどれか

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未成年者への抗うつ薬は有益か?14薬剤のメタ解析/Lancet

 大うつ病急性期治療における抗うつ薬のリスク・ベネフィットを考えた場合、小児および思春期青少年には明らかな利点はないようだとの見解を、英国・オックスフォード大学のAndrea Cipriani氏らが、ネットワークメタ解析の結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「薬物治療が必要な場合のベスト選択肢は、おそらくfluoxetineだろう」と述べている。大うつ病は、小児・思春期青少年において最もよくみられる精神疾患であるが、同集団に薬物治療による介入を行うべきかどうか、どのような薬物を処方すべきかは、なお議論の的となっている。研究グループは、プラセボとの比較による抗うつ薬のランク付けを意図し本検討を行った。Lancet誌オンライン版2016年6月7日号掲載の報告より。ネットワークメタ解析で、14の抗うつ薬に関するプラセボ比較試験結果を分析 検討は、関連試験から直接比較および間接比較によるエビデンスを集約するためネットワークメタ解析法を用いた。PubMed、Cochrane Library、Web of Science、Embase、CINAHL、PsycINFO、LiLACSなどを介して、公表・未公表両者を含む二重盲検無作為化対照試験を検索した。2015年5月31日時点で、小児および思春期青少年における大うつ病急性期治療について評価した、アミトリプチリン、citalopram、クロミプラミン、desipramine、デュロキセチン、エスシタロプラム、fluoxetine、イミプラミン、ミルタザピン、nefazodone、ノルトリプチリン、パロキセチン、セルトラリン、ベンラファキシンに関する試験を適格とした。難治性うつ病、治療期間が4週未満、被験者10例未満の試験は除外した。 事前規定のデータ抽出シートを用いて発表された報告から情報を入手し、バイアスリスクは、Cochraneバイアスリスクツールを用いて評価した。 主要アウトカムは、有効性(うつ症状の変化)および忍容性(有害事象による治療中断)であった。ランダム効果モデルを用いてペアワイズメタ解析を行い、その後にベイズ法でランダム効果ネットワークメタ解析を行った。それぞれのネットワークに関連したエビデンスの質はGRADEフレームワークを用いて推算した。統計的に有効性が有意であったのはfluoxetine 34試験が適格基準を満たし、被験者5,260例、14の抗うつ薬治療に関するデータを包含した。質的エビデンスは、大半の比較で「非常に低い」と判定された。 有効性に関しては、fluoxetineのみがプラセボと比較して統計的に有意な効果が認められた(標準化平均差:-0.51、95%信用区間[CrI]:-0.99~-0.03)。 忍容性に関しても、fluoxetineは統計的に良好であることが示された。デュロキセチンと比較してのオッズ比(OR)0.31(95%CrI:0.13~0.95)、イミプラミンとの同0.23(0.04~0.78)。 イミプラミン、ベンラファキシン、デュロキセチンを投与されていた患者は、プラセボを投与されていた患者との比較において、有害事象による治療中断が有意に高率であった。それぞれ5.49(1.96~20.86)、3.19(1.01~18.70)、2.80(1.20~9.42)。 不均一性に関しては、全体的に有効性のI2値は33.21%、忍容性は0%であった。

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乾癬とうつ病はどう関連する?

 乾癬は、うつ病のリスク因子である。うつ病もまた、乾癬のトリガーや悪化要因となる可能性があるが、乾癬とうつ病との関係は、いまだ完全には明らかにされていない。そこで米国・ニューヨーク大学のCohen BE氏らでは、米国民における乾癬と大うつ病の関係性を調査した。JAMA Dermatology誌2016年1月号に掲載の報告。 本研究は2009~12年の米国国民健康栄養調査(NHANES)への参加者を対象とした集団ベース研究である。大うつ病の診断はPatient Health Questionnaire-9(PHQ-9)を用いた。  主な結果は以下のとおり。・研究対象となった米国市民1万2,382人のうち、351例(2.8%)が乾癬、968例(7.8%)が大うつ病と診断された。・351例の乾癬患者のうち58例(16.5%)が大うつ病の診断基準を満たした。・乾癬の既往患者は、乾癬の既往がない患者と比較して平均PHQ-9スコアが有意に高かった(4.54 [5.7] vs.3.22 [4.3]、p<0.001)。・性別、年齢、人種、BMI、身体活動、喫煙歴、アルコール摂取、心筋梗塞(MI)の既往、脳梗塞の既往、糖尿病の既往の調整後においても、乾癬と大うつ病との間に有意な関連性があることが認められた(オッズ比[OR] 2.09 [95%CI:1.41~3.11]、p<0.001)。・乾癬の既往と心血管イベントの既往(とくにMIまたは脳梗塞)を有する患者との相互作用項を含む解析においては、相乗的な大うつ病のリスク上昇は示されなかった(乾癬とMI: OR 1.09 [95 % CI:0.28~3.60]、p=0.91;乾癬と脳卒中:OR 0.67 [95%CI:0.12~3.66]、p=0.63)。・多変量調整モデルにおける大うつ病のリスクは、限局型の乾癬と汎発型の乾癬の患者間で有意差は認められなかった(OR 0.66 [95%CI:0.18~2.44]、p=0.53)。 以上の結果より、自己申告に基づく乾癬の既往は、併存疾患による差の調整後においても、評価ツール(PHQ-9)による大うつ病の診断との間に独立した相関関係が認められた。ただし、心血管イベントの既往は乾癬患者の大うつ病リスクを増加させなかった。また、乾癬の重症度は、大うつ病のリスクとは無関係であった。したがって重症度に関係なく、乾癬を有するすべての患者は、大うつ病のリスクを有する可能性があると考えられる。

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精神科再入院を減少させるには、雇用獲得がポイント

 重篤な精神疾患患者において、雇用がその後の精神科入院にどのように影響するかは不明である。米国・デューク大学のAlison Luciano氏らは、重篤な精神疾患を有する失業中の患者を対象に雇用獲得後の精神科入院経験について検討を行った。Psychiatric services誌オンライン版2016年6月1日号の報告。 2次分析は、メンタルヘルス治療研究からのデータで行った。成人の統合失調症患者、双極性障害患者、うつ病患者2,055例について、2年間の雇用状況と精神科入院アウトカムを調査した。雇用と精神科入院との関連について、time-lagged modelingを用い、マルチレベル回帰により分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン特性(以前の入院や自己申告による身体的健康を含む)で調整後、雇用は、その後3ヵ月間の精神科入院リスクの低さと関連していた(OR 0.65、95%CI:0.50~0.84)。・重篤な精神疾患を有する無職の外来患者では、雇用獲得後、精神科入院を経験する傾向が低かった。関連医療ニュース 統合失調症の再入院、救急受診を減らすには 統合失調症の再発、リスク因子とその対策 入院から地域へ、精神疾患患者の自殺は増加するのか

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うつ病の寛解率、職業で差があるか

 うつ病は、仕事のストレスにより悪化し、職場における障害の主な原因である。有効な治療を行っても、最初の治療で寛解する患者は全体の3分の1に過ぎず、約半数は治療に反応しない。職業レベルは、一般集団における健康アウトカムの確かな予測因子であるといわれている。イタリア・ボローニャ大学のLaura Mandelli氏らは、大規模国際サンプルを用い、うつ病の治療反応と職業レベルの潜在的な関連について調査した。European neuropsychopharmacology誌オンライン版2016年5月19日号の報告。 うつ病患者654例を、職業レベル別に階層化した(高、中、低)。現在エピソードに対する直近の治療反応や治療抵抗性うつ病(2つ以上の適切な治療に対し非応答)は、アウトカム変数で考慮された。 主な結果は以下のとおり。・高職業レベルのうつ病患者は、学業成績のレベルが高かった。・高職業レベルは、低寛解率であった直近の治療に対する反応が有意に低く、その他の職業レベル群よりも治療抵抗性が多かった。・また、高職業レベルは、セロトニン再取り込み阻害薬による治療が少なかった。・潜在的な交絡因子は、主効果に影響を及ぼさなかった。 結果を踏まえ、著者らは「本知見により、高職業レベルの仕事に従事する患者は、うつ病の薬物療法に対する治療反応不良の危険因子であることが示された。臨床医や患者だけでなく雇用者や公共政策のためにも、今後のさらなる研究が重要である」としている。関連医療ニュース 治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのか 重症うつ病の寛解率、治療法により違いがあるか うつ病の寛解、5つの症状で予測可能:慶應義塾大学

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ビタミンDで抗精神病薬誘発性高血糖が低減か:京都大学

 非定型抗精神病薬は、高血糖リスク増加と関連しているため、臨床使用が制限される。京都大学の長島 卓也氏らは、抗精神病薬誘発性高血糖の根本的な分子メカニズムについて検討を行った。Scientific reports誌2016年5月20日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・FAERS(FDA Adverse Event Reporting System)データベースにおける薬剤の組み合わせを検索したところ、非定型抗精神病薬の高血糖リスクを低減した併用薬として、ビタミンD類似体との組み合わせが、クエチアピン誘発性糖尿病関連有害事象の発生を有意に減少させることが示された。・マウスを用いた実験検証では、クエチアピンは急性インスリン抵抗性を引き起こすことが認められ、これは、コレカルシフェロールの食事補充により軽減された。・シグナル伝達経路や遺伝子発現に関連するデータベース解析では、インスリン受容体の下流で働く重要な遺伝子であるPik3r1のクエチアピン誘発性のダウンレギュレーションを予測した。・PI3Kシグナル伝達経路に焦点を当て、Pik3r1 mRNAの発現低下は、骨格筋のコレカルシフェロール補充により逆転することが認められた。C2C12筋管へのインスリン刺激グルコースの取り込みは、クエチアピン存在下で阻害され、これは、PI3K依存的に付随するカルシトリオールにより逆転した。 結果を踏まえ、著者らは「ビタミンDの同時投与は、PI3K機能のアップレギュレーションにより、抗精神病薬誘発性高血糖およびインスリン抵抗性を防ぐことが示唆された」としている。関連医療ニュース オランザピン誘発性体重増加を事前に予測するには:新潟大学 抗精神病薬による体重増加や代謝異常への有用な対処法は:慶應義塾大学 抗精神病薬誘発性の体重増加に関連するオレキシン受容体

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