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FAAH阻害薬、第I相で発現した重度神経障害/NEJM

 可逆的経口脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)阻害薬「BIA 10-2474」の第I相臨床試験で1日50mg、5~6日投与した結果、脳死状態を含む急性重度神経障害の発現が報告された。フランス・レンヌ大学病院のAnne Kerbrat氏らによる試験の結果で、NEJM誌2016年11月3日号で発表した。FAAH阻害薬は、動物試験では鎮痛作用や抗炎症作用が報告されており、第I相・II相の臨床試験もいくつか行われているが、有効性の検出力が低く、第III相試験には至っていなかった。BIA10-2474を、累積250~300mg投与 研究グループは、健常ボランティア84例を対象に、BIA10-2474を単回投与(0.25~100mg)と反復投与(2.5~20mgを10日間)をそれぞれ投与する連続コホート試験を行った。その結果、重度の有害事象の報告はなかった。 同グループはまた、別のコホート試験の被験者を、プラセボ(2例)またはBIA10-2474(50mg/日、連続5~6日投与、6例)に割り付け、それぞれ投与した。このうちBIA10-2474群の4例について、臨床・放射線画像データの公表に関する同意を得た。脳死状態、記憶障害、小脳症候群が残る その結果、投与開始後5日目から、BIA10-2474群の4例中3例で、急性・急速進行性の中枢神経系障害が発現した。 主な臨床的特徴は、頭痛、小脳症候群、記憶障害、意識障害だった。 MRI検査で主に橋と海馬に微小出血や、また脳髄液信号抑制反転回復(FLAIR)法や拡散強調画像シーケンスによって、両側対称性の脳病変が認められた。 3例のうち1例は、脳死状態となった。残りの2例は、その後症状が改善したが、1例は記憶障害の症状が残り、もう1例は小脳症候群が残った。 なお、残りの1例では、いずれの症状も発現しなかった。 研究グループは、この有害な脳症候群の発生機序は不明だとしている。

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第33回

第33回:アルコール使用障害のある患者への薬物療法監修:吉本 尚(よしもと ひさし)氏 筑波大学附属病院 総合診療科 タバコの害は国民全員が知るようになりつつありますが、アルコールの害は日本文化の中で過小評価されている印象があります。ニコチン依存症が1,800万人1) 、アルコール使用障害が593万人2) 、ギャンブル依存症が536万人3) と推定されています。 嗜好に対する行き過ぎた行為にどのように関わるか、人々の日常生活にも密接に関わっている医師にとっても大きな課題だと考えます。最近の枠組みの変化として、DSM5ではアルコール乱用とアルコール依存の区別をなくしてアルコール使用障害として統合を行い、軽度、中等度、重度という表現に変更しています4) (日本でのアルコール医療はICD-10を主に用いており、飲酒量や心身の有害性に応じて危険な飲酒、有害な飲酒、アルコール依存症の診断に分かれています)。 問診でアルコール量が多いなと感じた患者には、積極的にAUDIT(The Alcohol Use Disorders Identification Test)やCAGE(Cut down,Annoyed,Guilty feeling,Eye-opener)を用いていきたいですね。 以下、American Family Physician 3月 15 日号より5) よりUSPSTF(The U.S. Preventive Services Task Force)は、すべての成人に対してアルコール使用障害のスクリーニングと、リスクの高い人や危険な飲み方をする人に対して、アルコール摂取を減らすための簡単なカウンセリングをすることを勧めている。しかし現状は、ハイリスクなアルコール使用障害の一部の大人しか治療を受けていない。FDAに認可を受けた3つの薬は、アルコール使用障害を改善することが証明された:アカンプロサート(商品名:レグテクト:通常用量 333mg6錠分3)、ナルトレキソン(国内未承認)、ジスルフィラム(同:ノックビン:通常用量0.1~0.5g分1~3、アルコールを含む食品を含め併用禁忌)である。アカンプロサートとナルトレキソンはアルコールの消費量を減らして、断酒率を上げるが、効果は中等度である。またジスルフィラムは数十年来販売されているが、効果を裏付けるエビデンスは十分でない。ほかにアルコール使用障害を改善するのに有効かもしれない薬もある。トピラマート(同:トピラ)やガバペンチン(同:ガバペン)などの抗てんかん薬もアルコール摂取を減らすが、長期の研究がない。気分障害がある場合は抗うつ薬もよく、セルトラリン(同:ジェイゾロフト)やフルオキセチン(日本未承認)はうつ病患者のアルコール消費量を減らすかもしれない。オンダンセトロン(同:ゾフラン)は一部の人にとっては、アルコールの消費を減らすかもしれない。さらに、遺伝子を標的とした治療や、必要に応じてすぐ受けられる治療法に対する研究も進められている。※本内容にはプライマリ・ケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) 厚生労働省研究費補助金・第3次対がん総合戦略事業 2) Osaki Y, et al. Alcohol Alcohol. 2016; 51: 465-473. 3) 厚生労働省の研究班(研究代表者=樋口進・久里浜医療センター院長) 4) DMS-5 Substance Related and Addictive Disorders(物質関連および嗜癖の障害) 5) Winslow BT, et al. Am Fam Physician. 2016;93:457-465.

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統合失調症への補助療法、その影響は:昭和大

 統合失調症患者における非薬理学的介入(NPI)と末梢脳由来神経栄養因子(BDNF)との関係を調査した研究はいくつかある。昭和大学の真田 健史氏らは、統合失調症(統合失調感情障害を含む)患者を対象に末梢血清および血漿BDNFにおいてNPIの有効性を確認するため、システマティックレビュー、メタ解析を行った。International journal of molecular sciences誌2016年10月24日号の報告。 研究には、289例を含む6件のランダム化比較試験を用いた。メタ解析では、NPI群と対照群間の標準化平均差(SMD)を用いて血中BDNFレベルにおけるNPIの効果を調べた。 主な結果は以下のとおり。・6件の研究のうち、5件は運動、身体的トレーニング、ダイエット製品を使用し、1件は認知トレーニングを使用していた。・NPI群の末梢BDNFレベルは、対照群と比較し増加していた(SMD:0.95、95%CI:0.07~1.83、p=0.03)。・サブグループ分析では、末梢BDNFレベルにおいて非運動介入の有益な効果が示された(SMD:0.41、95%CI:0.08~0.74、p=0.01)。・メタ回帰分析では、完了率にSMDの変数が影響することが示唆された(p=0.01)。 著者らは「不十分なエビデンスであるとしながらも、統合失調症患者に対する補助療法としてのNPI(とくに非運動介入)は、血清または血漿BDNFに良い影響を及ぼすことが示唆された」としている。関連医療ニュース 統合失調症の病態生理とBDNFの関連:産業医科大 統合失調症患者への健康増進介入はやはり難しい 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症にアリピプラゾール補助療法

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うつ病患者のベンゾジアゼピン使用、ミルタザピン使用で減少:千葉大

 千葉大学の橋本 佐氏らは、うつ病エピソードの第1選択薬としてSSRIの代わりにミルタザピンを選択することで、うつ病患者のベンゾジアゼピン使用を低下させることが可能かを評価した。また、臨床的反応と血清成熟型脳由来神経栄養因子(BDNF)、前駆体proBDNFの関係を同時に調査した。Annals of general psychiatry誌2016年10月19日号の報告。 日常的な精神科診療の設定でオープンラベル無作為化比較試験を行った。うつ病外来患者77例を対象に、ランダムにミルタザピン群またはSSRI(セルトラリンまたはパロキセチン)群に割り付けた。主要アウトカムは、6、12、24週目におけるベンゾジアゼピン使用率の群間比較とした。治療反応は、ベースラインからのハミルトンうつ病評価尺度(HDRS)50%以上減少と定義した。ベースライン、6、12、24週目に血液サンプルを収集した。 主な結果は以下のとおり。・処方開始日よりベンゾジアゼピンが処方された65例の主要アウトカムを分析した。・ベンゾジアゼピン使用者は、6、12、24週目において、ミルタザピン群においてSSRI群よりも有意に低かった(6週目:21.4vs.81.8%、p<0.001、12週目:11.1vs.85.7%、p<0.001、24週目:12.5vs.81.8%、p=0.0011)。・HDRSスコアの変化においては、群間差は認められなかった。・血清proBDNFレベルは有意に減少した(χ2=8.5、df=3、p=0.036)。血清成熟型BDNFレベルは、両群の治療反応者において24週目に、一時的に有意に減少した(F=3.5、df=2.4、p=0.027)。・本研究では、うつ病エピソードに対する第1選択薬としてのミルタザピンの使用は、うつ病患者のベンゾジアゼピン使用を減少させることが実証された。関連医療ニュース 抗うつ薬治療患者に対するベンゾジアゼピン投与の安全性は:藤田保健衛生大 不適切なベンゾジアゼピン処方、どうやって検出する メラトニン使用でベンゾジアゼピンを簡単に中止できるのか

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アリピプラゾール補助療法、有効性と安全性は

 統合失調症治療において、他の抗精神病薬にアリピプラゾールを追加した際の有効性、安全性を評価するため、中国・広州医科大学のWei Zheng氏らは、無作為化比較試験(RCT)のメタ解析を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌2016年12月号の報告。 システマティックサーチより、55件、4,457例が抽出された(アリピプラゾール(14.7±7.0mg/日)vs.プラセボ18件、vs.抗精神病薬37件)。 主な結果は以下のとおり。・アリピプラゾールは、精神スケールに基づいた比較介入を有意に上回った。 (1)43件(3,351例)のRCTにおける総スコアのSMD;-0.48(95%CI:-0.68~-0.28、p<0.00001、I=88%) (2)30件(2,294例)のRCTにおける陰性症状スコアのSMD:-0.61(95%CI:-0.91~-0.31、p<0.00001、I=91%) (3)13件(1,138例)のRCTにおける総合精神病理スコアの加重平均差(WMD):-4.02(95%CI:-7.23~-0.81、p=0.01、I=99%)。ただし、29件(2,223例)のRCTにおける陽性症状スコアのSMDは、-0.01(95%CI:0.26~0.25、p=0.95、I=88%)であった。・精神スケールに基づく総スコアの差は、非盲検デザインRCT31件におけるプラセボ使用よりも、抗精神病薬の使用によるものと説明できる。・アリピプラゾールは、9件のRCTにおける体重のWMDが-5.08(95%CI:-7.14~-3.02、p<0.00001、I=35%)、14件のRCTにおけるBMIのWMDが-1.78(95%CI:-2.25~-1.31、p<0.00001、I=54%)であり、比較介入を上回っていた。・BMIのメタ回帰分析では、アリピプラゾールと低BMIとの関連は、女性でより強かった。・補助的アリピプラゾールの安全性は示されたが、より良いランダム化比較試験により、有効性を実証する必要がある。関連医療ニュース 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症にアリピプラゾール補助療法 難治性うつ病、抗うつ薬変更とアリピプラゾール追加、どちらが有用か 本当にアリピプラゾールは代謝関連有害事象が少ないのか

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統合失調症患者の性格で予後を予測

 臨床症状や患者背景は、統合失調症における機能レベルやQOLを予測する。しかし、統合失調症のQOLや全体的な機能に対する性格特性の影響を検討した研究は少ない。性格特性は発症以前の特性であり、統合失調症発症を予測可能である。米国・ヴァンダービルト大学のCaitlin Ridgewell氏らは、性格特性と神経症および外向性とQOL、機能性における、個別的で付加的な影響を検討した。Schizophrenia research誌オンライン版2016年10月13日号の報告。 統合失調症スペクトラム障害患者153例、健常対照者125例を対象に、性格とQOLアンケートを実施した。全体機能は、臨床医の構造化されたインタビューにより評価した。神経症と外向性スコアは、連続変数やカテゴリ両端の両方を分析した(高レベルvs.普通レベル神経症、低レベルvs.普通レベル外向性)。 主な結果は以下のとおり。・QOLは、神経症、外向性、神経症×診断、外向性×診断の相互作用と有意に関連していた。・患者群では、低神経症スコア(正常範囲内)は対照群と同等のQOLスコアと関連していた。一方、高神経症スコアは最も低いQOLスコアと関連していた。・全体的な機能については、診断のみが有意な影響を示していた。関連医療ニュース 統合失調症の発症は予測できるか、ポイントは下垂体:富山大学 治療抵抗性統合失調症は予測可能か 統合失調症患者を発症前に特定できるか:国立精神・神経医療研究センター

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軽度認知障害とうつの併存は認知症リスク大

 軽度認知障害(MCI)の高齢者は、認知症に進行するリスクが有意に高い。国立長寿医療研究センターの牧迫 飛雄馬氏らが、MCIの地域在住高齢者が認知症を発症する危険因子を検討したところ、MCIとうつ症状が併存すると認知症発症リスクがより高いことがわかった。Journal of Alzheimer's disease誌2016年10月18日号に掲載。 この研究は、地域在住高齢者3,663人を24ヵ月間追跡した前向き縦断的研究である。MCIの診断は、コンピュータによる総合的な認知尺度(記憶、注意/遂行機能、情報処理速度を含む)を使用し、年齢および教育で調整された客観的な認知障害により行った。うつ症状は、15項目の老年期うつ病評価尺度(GDS)で6点以上と定義した。 主な結果は以下のとおり。・24ヵ月の追跡期間中、72人(2.0%)が認知症を発症した。・ベースラインでのMCIは、年齢・性別・教育・処方薬剤・歩行速度による調整後、認知症発症リスクの増加と有意に関連していた(ハザード比[HR]:3.2、95%信頼区間[CI]:1.8~5.5)。しかし、うつ症状は認知症発症リスクとの関連は有意ではなかった(HR:2.0、95%CI:1.0~4.2)。・ベースライン時にMCIとうつ症状が併存していた参加者は、認知症発症リスクがより高かった(HR:4.8、95%CI:2.3~10.5)。

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高齢者への抗精神病薬投与、中止までの期間を解析

 ニュージーランドや全世界で適応可能なコンセンサスガイドラインでは、統合失調症や長期間の治療が必要とされる重度の精神症状を有する精神疾患でない限り、抗精神病薬の曝露期間は12週間を超えないことが推奨されている。しかし、第2世代抗精神病薬(SGA)の初回中止までの期間(time-to-first discontinuation:TTFD)について、高齢者における実臨床の情報は限られている。ニュージーランド・オタゴ大学のHenry C Ndukwe氏らは、65歳以上のSGA新規処方患者におけるTTFD、アドヒアランス、持続性を比較した。Journal of clinical psychopharmacology誌2016年12月号の報告。 SGA新規処方患者3万297例を対象に、2006年1月1日~2012年12月31日までの抗精神病薬中止状況を追跡した。経口製剤のデータは、ニュージーランド健康省の健康医療データベースを使用し、抽出した。TTFDは91日以上のギャップを分配、アドヒアランスは投薬所持率0.8以上、持続性は91日未満のギャップ期間と定義した。カプランマイヤー曲線、Cox回帰分析を推定し、結果を調整するために使用した。 主な結果は以下のとおり。・SGA新規処方患者の全体的なTTFDは192.3日(95%CI:177.6~206.9)、平均年齢80.9歳(SD:8.1歳)女性率60.3%であった。・TTFDは、リスペリドン68.3日(95%CI:43.7~92.9)で、クロザピン101.3日(95%CI:85.0~117.7、p=0.03)と比較し最も短かった。・調整後の全原因によるTTFDは、クロザピンと比較し、リスペリドン(ハザード比:0.54)、オランザピン(ハザード比:0.29)、クエチアピン(ハザード比:0.22)、ziprasidone(ハザード比:0.08)において有意に低かった。・ノンアドヒアランス群では、アドヒアランス群と比較し、TTFDリスクが3倍以上であった。関連医療ニュース FDAの承認が抗精神病薬の適応外処方に与える影響 警告後、認知症への抗精神病薬処方は減少したのか 抗精神病薬の過量投与は減少しているのか

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第2世代抗精神病薬、認知機能に対する影響を検証

 抗精神病薬は、精神疾患や気分エピソードに有効であるが、認知機能への影響はよく知られていない。ノルウェー・オスロ大学のNils Eiel Steen氏らは、統合失調症スペクトラム障害患者における第2世代抗精神病薬の血清レベルと認知機能との関連を検討した。The world journal of biological psychiatry誌オンライン版2016年10月7日号の報告。 DSM-IVで統合失調症、他の精神病性障害(SCZ:373例)、または双極性障害(BD:122例)と診断され、オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾール、リスペリドンで治療した患者を対象に、神経心理学的なテストと同時に薬物血中濃度を測定した。関連分析には、線形回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・注意は、オランザピン濃度と正の関連を示した(標準化されたβ係数[β]:0.19、p=0.006)。・短期言語記憶と言語の流暢性は、クエチアピン濃度(β:-0.24、p=0.004)、リスペリドン濃度(β:-0.37、p=0.007)と負の関連を示した。 著者らは「今回の結果によると、第2世代抗精神病薬の血清濃度は、注意に対する良い効果(軽度)と言語記憶、言語の流暢性に対する悪い効果(中程度)が示唆された。本知見は、第2世代抗精神病薬の認知機能に対する影響の概念と一致し、重度の記憶や執行に対する問題を有する患者に対し、慎重に投与するべきであることを示唆している」としている。関連医療ニュース 精神疾患患者の認知機能と炎症マーカーとの関連が明らかに 統合失調症の認知機能障害、コリン作動系薬の可能性 統合失調症患者の認知機能に対するアリピプラゾール vs リスペリドン

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うつ病エピソードと緯度との関連とは

 カナダにおける緯度と年間のうつ病エピソードの有病率との関連について、カナダ・カルガリー大学のScott B Patten氏らが検討を行った。Canadian journal of psychiatry誌オンライン版2016年10月11日号の報告。 2つの全国調査プログラム(The National Population Health Survey、the Canadian Community Health Survey)のデータより、1996~2013年に収集した10個のデータセットを使用した。両プログラム合わせて回答者92万2,260例、そのうち49万5,739例はComposite International Diagnostic Interview1/2ショートバージョン(8研究)とCanadian adaptation of the World Mental Health version(2研究)を用いてうつ病エピソードを評価されていた。大まかな緯度は、郵便番号データとの連携により決定した。データは、ロジスティック回帰を用い分析し、個々レベルのメタ分析を用いて、調査全体でプールした。 主な結果は以下のとおり。・連続変数としての緯度経度標高モデルでは、有病率の増加と緯度の増加の間に統計学的に有意な関連が認められた。・この関連は、既知の危険因子で調整後も認められた。・緯度勾配は、あまり大きくなく、うつ病エピソード/緯度の有病率オッズで、1~2%の増加が観察された。・低密度なデータであったため、この勾配は、主要な人口重心を越えて一般化することができなかったが、北緯55度未満で発生する傾向があった。・本断面解析では、病因を確認することができず、光曝露、気象パターン、社会的要因のような潜在的な変数を評価することができなかった。関連医療ニュース 低緯度地域では発揚気質が増強される可能性あり:大分大学 性別で異なる、睡眠障害とうつ病発症の関連:東京医大 出生地が双極性障害発症時期に影響

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統合失調症や双極性障害、ビタミンD欠乏の有病率は

 いくつかの研究において、ビタミンD低レベルと統合失調症との関連が示唆されている。現時点で、双極性障害患者におけるビタミンD欠乏症の有病率に関する研究のみが存在する。オランダ・Mental Health Care Organisation Noord-Holland-NoordのRemco Boerman氏らは、ビタミンD欠乏症は、統合失調症や統合失調感情障害患者より、双極性障害患者で一般的であるとの仮説と一般オランダ人よりも、統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害患者で一般的であるとの仮説について検証を行った。なお、これまでの研究では入院患者を対象としていたが、本研究では唯一、外来患者を含み検討を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌オンライン版2016年9月21日号の報告。 双極性障害センターおよび3つのフレキシブル包括型地域生活支援チームのすべての外来患者に対し、本横断的研究への参加を依頼した。 主な結果は以下のとおり。・双極性障害患者118例、統合失調症または統合失調感情障害患者202例が研究に参加した。・ビタミンD濃度は、30.3%の患者で欠乏していた(95%CI:25.5~35.6)。・精神疾患の種類は、ビタミンD欠乏症の予測因子ではなかった。・試験集団とオランダ白人集団の欠乏リスクの絶対差は23.8%であった(95%CI:18.3~29.3%)。・精神疾患外来患者のビタミンD欠乏症は、一般集団と比較し4.7倍多かった。 結果を踏まえ、著者らは「双極性障害、統合失調症、統合失調感情障害患者では、ビタミンDレベルが低い危険性が高く、骨、筋力の健康維持や骨粗しょう症予防の観点から、年1回の定期的測定が重要である」としている。関連医療ニュース 抗精神病薬服用が骨密度低下を引き起こすのか:千葉大学 統合失調症発症にビタミンDがどう関与しているのか 治療抵抗性統合失調症、ビタミンDとの関連を検証

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ADHD女児に併存する精神疾患は

 ADHD児は、併存する精神疾患リスクが高い。ADHDは、女児で最も一般的な小児疾患の1つであるにもかかわらず、男児と比較し、臨床的相関が少ないと考えられている。米国・カリフォルニア大学のIrene Tung氏らは、女児における、ADHDの有無と内在的(不安、抑うつ)、外在的(反抗挑戦性障害[ODD]、行為障害[CD])精神障害の併存率をメタ分析により要約した。Pediatrics誌2016年10月号の報告。 女児における、ADHDの有無と精神疾患を調査した研究を、PubMed、Google Scholarより検索を行った。18件(1,997例)の研究が、選択基準を満たし、メタ分析のための十分なデータを有していた。利用可能なデータより、各併存疾患のオッズ比を算出した。患者背景(たとえば、年齢、人種/民族)と研究特性(たとえば、参照ソース、診断方法)はコード化された。 主な結果は以下のとおり。・ADHD女児は、そうでない女児と比較すると、各併存疾患を評価したDSM-IVの診断基準を満たす可能性が有意に高かった。・相対オッズは、内在的障害(不安:3.2×うつ病:4.2×)と相対し、外在的障害(ODD:5.6×、CD:9.4×)で高かった。・メタ回帰では、より若年、クリニック受診の女児において、複数の診断方法を用いた研究より不安に対するより大きなADHDのエフェクトサイズが明らかとなった。ODDは、診断提供情報に基づいて変化した。 著者らは「ADHD女児は、頻繁に外在的および内在的障害を併発している。今後の研究の優先順位を検討し、ADHD女児の併存精神疾患に対する介入の影響を考える必要がある」としている。関連医療ニュース 自閉症とADHD症状併発患者に対する非定型抗精神病薬の比較 日本でのADHDスクリーニング精度の評価:弘前大学 ADHDに対するメチルフェニデートは有益なのか

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初回エピソード統合失調症、治療中止の理由は

 初回エピソード統合失調症では、1年間の抗精神病薬治療による寛解が推奨される。英国・Brighton and Sussex Medical SchoolのRichard Whale氏らは、初回エピソード統合失調症で一般的に使用される抗精神病薬の有効性を調査した。BJPsych open誌2016年9月号(オンライン版2016年10月10日号)の報告。 英国の7施設より得られた、通常治療を行った初回エピソード統合失調症患者460例を対象としたレトロスペクティブコホート研究を行った。ケースファイルより、初回治療後の全原因による中止を評価した。 主な結果は以下のとおり。・治療中止リスクは、治療開始後3ヵ月以内が最大であった。・リスペリドンは、生存中央期間の最大値を有していた。・多変量Cox回帰分析では、治療中止は、抗精神病薬間で有意な差は認められなかった。・治療中止の最も一般的な理由は、アドヒアランス不良と有効性の欠如であった。 著者らは「初回エピソード統合失調症患者における治療中止理由は、抗精神病薬の選択による有効性には依存しない。アドヒアランス戦略や有害事象の可能性に焦点を当てるべきである」としている。関連医療ニュース 初回エピソード統合失調症患者に対する薬物治療効果の予測因子は 第一世代 vs 第二世代抗精神病薬、初回エピソード統合失調症患者に対するメタ解析 初回エピソード統合失調症、LAIは経口薬より優る

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統合失調症に対する中国伝統医学、エビデンスの評価は

 統合失調症に対する中国伝統医学のランダム化比較試験の報告を調査し、この分野における研究のレビューを、中国・上海大学のHongyong Deng氏らが行った。Asia-Pacific psychiatry誌オンライン版2016年10月13日号の報告。 Cochrane Schizophrenia Group's comprehensive Trials Register(2016年1月)を検索し、すべての関連するランダム化比較試験を選択し、各研究データを抽出した。最後に、Cochrane Libraryの関連レビューを検索した。 主な結果は以下のとおり。・まず、423件をスクリーニングし、そのうち378件、3万5,341例のランダム化比較試験を同定した(平均研究サイズ:94、SD:60)。・統合失調症治療に対する報告は、単一薬草7件、組成物または抽出物4件、混合薬草144件以上、中国伝統医学7件であった。・中国伝統医学による非薬理学的介入には、鍼治療や運動療法が含まれていた。・最も一般的に評価された治療は、イチョウ、鍼、Wendan煎じ薬、Shugan Jieyuカプセルであった。・直接関連するコクランレビューは3件であった。 著者らは「ほとんどの治療アプローチやいくつかの共通使用は、1,2つの関連する小規模試験を有していた。これまでの報告を基に調整することで、ランダム化比較試験のより適切なサイズ設計に役立つと考えられる。この分野におけるシステマティックレビューは行われるべきであるが、中国伝統医学の複雑なタイトルを織り込む必要がある」としている。関連医療ニュース 産後女性の精神症状軽減へ、ハーブティーの可能性 認知症にイチョウ葉エキス、本当に有効なのか 不眠症に対する鍼治療のエビデンスは

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双極性障害女性、ライフサイクルで注意すべきポイント

 双極性障害女性において、生殖サイクルイベントは、気分エピソードと関連していることがエビデンスで明確に示されている。しかしながら、臨床的特徴との関連を調査した研究は少ない。オーストラリア・ウェスタンシドニー大学のTania A Perich氏らは、生殖サイクルイベントにおける気分症状と、生涯を通じて重大だと思われる障害の特徴との関係を検討した。The Australian and New Zealand journal of psychiatry誌オンライン版2016年9月28日号の報告。 対象は、18歳以上の女性158例。対象者は、オーストラリア・シドニーのBlack Dog Instituteの専門クリニックを通じ集められた。 主な結果は以下のとおり。・77%の女性は、月経周辺期、出産後または更年期期間中に気分症状の増加を報告した。・これらの女性は、生殖サイクル関連の気分変動を報告しなかった女性と比較し、うつ病、軽/躁病エピソードの発症歴を有しており、不安障害、ラピッドサイクラー、混合性気分障害併存の可能性が考えられた。・出産後エピソードを経験した女性では、月経周辺期、更年期の女性より、気分症状がより悪い可能性が高かった。関連医療ニュース 産後うつ病への抗うつ薬治療、その課題は 女子学生の摂食障害への有効な対処法 閉経後の女性統合失調症、陰性症状改善にSERM併用が有用

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晩年期治療抵抗性うつ病の治療戦略に必要なものとは

 治療抵抗性うつ病(TRD)に対する経験的および主観的な治療戦略に関する情報は、相対的に不足しており、とくに晩年期については顕著である。オーストラリア・ディーキン大学のKatarina Arandjelovic氏らは、2016年に米国精神医学会の精神科タイムズの調査、米国老年精神医学会議(AAGP)によるメンバー調査からの知見レビューを行った。The American journal of geriatric psychiatry誌2016年10月号の報告。 著者らは、2つの調査から老年期TRDのさまざまなアプローチの記載率、パーセント、強みと弱みの議論を検討した。 主な結果は以下のとおり。・精神科タイムズより468件、AAGPより117件、全体として585件の回答が得られた。・両群の回答者の過半数(76.3%)は、60歳以上のTRD患者に対する増強や切り替え戦略のリスクとベネフィットを比較した大規模ランダム化試験が参考になるとし、臨床医の80%は、このような研究結果からベネフィットを得られると考えていた。・有効性のエビデンスが必要である治療戦略として、増強/併用戦略が最もポピュラーであり、とくにアリピプラゾール(58.7%)、bupropion(55.0%)、リチウム(50.9%)が多かった。 著者らは「晩年期TRDは、大部分がとくに老年精神医学の臨床実践で行われており、多くの治療戦略の有効性に関するエビデンスが不足している。本調査より、増強/切り替え戦略のリスクとベネフィットを比較する大規模ランダム化試験の必要性が明確化された」としている。関連医療ニュース 治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのか 治療抵抗性うつ病に対する非定型抗精神病薬の比較 難治性うつ病、抗うつ薬変更とアリピプラゾール追加、どちらが有用か

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統合失調症患者の性機能障害、ミルタザピンで改善

 統合失調症における性的機能不全は、抗精神病薬(とくに第1世代抗精神病薬)やSSRIなどの抗うつ薬により悪化する。ミルタザピンは、他の多くの抗うつ薬と比較し、異なる作用機序を有する抗うつ薬であり、うつ病患者のSSRI誘発性性機能障害を改善することが期待される。しかし、ミルタザピンが統合失調症患者の性機能を改善させるかは不明である。フィンランド・ヘルシンキ大学のViacheslav Terevnikov氏らは、この疑問に対し、検討を行った。Nordic journal of psychiatry誌オンライン版2016年10月5日号の報告。 第1世代抗精神病薬治療を受けた統合失調症患者を、ミルタザピン追加群(20例)、プラセボ追加群(19例)のいずれかにランダムに割り付け、6週間投与した。性機能は、Udvalg for Kliniske Undersogelser side-effect rating scale(UKU-SERS)から関連5項目を用いて測定した。 主な結果は以下のとおり。・オルガスム機能は、ミルタザピン追加群において有意に改善した(p=0.03)。両群とも、他の性機能に変化はなかった。・ミルタザピン追加投与は、第1世代抗精神病薬治療を受けた統合失調症患者におけるオルガスム機能障害を軽減させることが示唆された。関連医療ニュース リスペリドン誘発性高プロラクチン血症への補助療法 プロラクチン上昇リスクの低い第二世代抗精神病薬はどれか 統合失調症の治療に伴う性機能障害、カベルゴリンにより改善

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カフェイン摂取で認知症リスク低下か

 認知機能に対するカフェインの保護効果は、ヒト以外の報告で認められている。ヒトに対する研究では一貫性は示されていないが、レビューによると、カフェインの摂取と認知障害や認知症との間に良好な関係がある可能性が示唆されている。米国・ウィスコンシン大学ミルウォーキー校のIra Driscoll氏らは、65歳以上の女性を対象としたThe Women's Health Initiative Memory Studyより、カフェイン摂取と認知障害または認知症疑いの発生率との関連を調査した。The journals of gerontology誌オンライン版2016年9月27日号の報告。 対象は、カフェイン摂取量の自己申告データを有する女性6,467人。認知機能の年次評価のあるフォローアップ10年以下の女性388人は、主要判断を含むIV相プロトコルに基づき、認知症疑いの診断を受けた。カフェイン摂取量のベースラインレベルによりグループ化し、危険因子(ホルモン療法、年齢、人種、教育、BMI、睡眠の質、うつ病、高血圧、心血管疾患の既往、糖尿病、喫煙、アルコール摂取量)で調整した後、認知症疑いまたは複合認知障害発生までの時間分布の違いを評価するため、比例ハザード回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・中央値以上のカフェインを摂取した女性群(平均:261mg)では、中央値以下の群(平均:64mg)と比較し、認知症(HR:0.74、95%CI:0.56~0.99、p=0.04)、任意の認知障害(HR:0.74、95%CI:0.60~0.91、p=0.005)発生の可能性が低かった。・本調査結果より、中央値を上回るカフェイン摂取をしている高齢女性では、認知症疑いや認知障害の低オッズが示唆された。これは、カフェイン摂取と加齢性認知障害との逆相関を示した既知の文献と一致していた。関連医療ニュース 日本食は認知症予防によい:東北大 家庭の味が認知症ケアには必要 長生きしても認知症にならないためにできること

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双極性障害や統合失調症のバイオマーカー検出の試み:理研BSI

 双極性障害と統合失調症の診断マーカーは必要とされている。バイオマーカーの発見の遅れは、薬物治療の効果を混乱させる。理化学研究所 脳科学総合研究センターの影山 祐紀氏らは、薬物治療を行っていない双極性障害と統合失調症患者における血清バイオマーカーを同定するため、メタボローム解析を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2016年9月27日号の報告。 2週間以上向精神薬による薬物治療を受けていない統合失調症患者17例、双極性障害患者9例、うつ病患者9例および健常対照者19例を対象に、キャピラリー電気泳動—飛行時間型質量分析計(CE-TOFMS)を用いて血漿代謝物を分析した。結果について、以前の報告と比較し、代替分析的アプローチを使用し、独立したサンプルセットで検証を行った。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者において、健常対照者と比較し、低クレアチニンレベル(未補正p=0.016)と高2-ヒドロキシ酪酸レベル(未補正p=0.043)が観察された。これは、以前報告されたデータセットでは変化がみられなかった。・双極性障害患者において健常対照者と比較し、シトルリンの有意な減少が認められた(未補正p=0.043)。この知見は、薬物治療中の双極性障害患者の独立したサンプルセットにおいて、複製されなかった。・ドパミン代謝物であるN-methyl-norsalsolinolは、双極性障害の候補バイオマーカーとして示唆されたが、他の分析法では検出されなかった。・以前、統合失調症のバイオマーカーとして報告されたベタインは、現在のデータセットでも変化はなかった。 著者らは「本予備調査結果は、疾患や薬剤の持続時間のような交絡因子の影響を示唆しているため、プラズマバイオマーカーを検出する際には、慎重にコントロールする必要がある。精神疾患の強力なバイオマーカーを確立するために、さらなる研究が必要である」としている。関連医療ニュース 統合失調症の新たなバイオマーカー:順天堂大学 統合失調症のバイオマーカーとなりうる低メチル化率:愛媛大 統合失調症の診断・治療に期待!新たなバイオマーカー

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統合失調症の性機能障害改善のための補助療法:名古屋大学

 補助的アリピプラゾール療法は、高プロラクチン血症を改善することは知られているが、性機能障害に対する効果についての十分なエビデンスが得られていない。名古屋大学の藤生氏らは、性機能障害を有する統合失調症患者に対する補助的アリピプラゾール両方の有用性を評価した。Pharmacopsychiatry誌オンライン版2016年9月22日号の報告。 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症、性機能障害を有する日本人統合失調症患者22例を登録し、19例が試験を完遂した。アリピプラゾールは、各医師の判断に応じ、フレキシブルタイトレーションスケジュールにて投与し、24週間追跡を行った。血漿プロラクチン、CGI-S、名古屋式性機能アンケート(NSFQ)を、ベースライン時および4、8、12、24週目で測定した。 主な結果は以下のとおり。・4週目以降のプロラクチン値は、ベースライン時よりも有意に低かった。・ベースライン時と比較すると、8週目以降のNSFQによって測定された総性機能障害の有意な改善が認められた。・男性では、24週目に勃起不全が有意に減少した。・女性では、24週目に月経不順、乳汁分泌が有意に減少した。・CGI-Sの有意な変化は認められなかった。関連医療ニュース 高プロラクチン血症、アリピプラゾール切り替えと追加はどちらが有効か 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症にアリピプラゾール補助療法 日本人うつ病患者に対するアリピプラゾール補助療法:名古屋大学

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