循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:329

心血管疾患高リスク患者への合剤治療、リスク因子の改善はわずか/BMJ

 プライマリ・ケアにおける心血管疾患リスクの高い患者の治療について、推奨されている抗血小板薬、スタチン、降圧薬すべてを組み合わせた固定用量配合剤の利用は、アドヒアランスを改善したが、血圧やコレステロールなどリスク因子の改善はわずかで統計的有意差はみられなかったことが報告された。ニュージーランド・オークランド大学のVanessa Selak氏らによる非盲検無作為化試験IMPACTの結果で、配合剤に対する受容性は一般医(GP)、患者ともに高かったが、一方で投与の中断率が高かったことも報告されている。BMJ誌オンライン版2014年5月27日号掲載の報告より。

新たな輸液プロトコル、造影剤誘発急性腎障害の予防に有効/Lancet

 心臓カテーテル検査例の造影剤誘発急性腎障害の予防において、左室拡張末期圧(LVEDP)ガイド下輸液法は安全に施行でき、高い有効性を示すことが、米国・カイザーパーマネンテのSomjot S Brar氏らが行ったPOSEIDON試験で確認された。造影剤誘発急性腎障害の予防法は基本的に静脈内輸液であるが、輸液法の指針となる明確なプロトコルは存在していないという。Lancet誌2014年5月24日号掲載の報告。

徴候と症状と心不全の入院歴でHFpEFは定義できない―ナトリウム利尿ペプチド上昇で定義したHFpEFにはスピロノラクトンが有効である可能性(コメンテーター:原田 和昌 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(207)より-

左室駆出率が保持された症候性心不全(HFpEF)の有効な治療薬はまだない。抗アルドステロン薬のスピロノラクトンは、左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)患者の予後を改善することからガイドラインで推奨されている。

高齢心不全患者に対する植込み型除細動器、バイアスの影響で過少適用に/BMJ

 高齢心不全患者に対する植込み型除細動器(ICD)の臨床効果の評価では、ベースライン時に評価が行われない健康状態の因子が影響を及ぼし、その適用が過少となっている実情が、アメリカ・ハーバード大学医学部のSoko Setoguchi氏らの調査で示された。ICDの臨床試験では、併発疾患を有する高齢患者は、病態が過度に不良と評価される傾向にある。また、観察試験では、測定が行われない背景因子が比較効果(comparative effectiveness)の評価に影響を及ぼしており、薬剤疫学におけるhealthy user biasや、職業性疾患疫学におけるhealthy worker effectに類似のバイアス(healthy candidate bias)を考慮する必要があるという。BMJ誌オンライン版2014年5月8日号掲載の報告より。

2種類のTAVIデバイス(バルーン拡張型と自己拡張型)、優れているのはどちらか?(コメンテーター:香坂 俊 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(205)より-

2013年10月、本邦でも重症大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)が保険償還された。2014年5月現在、本邦で使用できるのは、バルーン拡張弁(エドワーズ社のSapien XT)のみであるが、自己拡張弁(メドトロニック社のCoreValve)に関しても治験が終了しており、近いうちに日常診療でも使用できるようになる見込みとなっている。

高血圧患者の妊娠における周産期リスク解析から学ぶこと(コメンテーター:三浦 伸一郎 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(204)より-

高血圧患者が妊娠した場合(慢性高血圧の妊婦)の周産期リスクには、妊娠高血圧症候群ガイドライン2009にも掲載されているように加重型妊娠高血圧腎症、常位胎盤早期剥離、small for gestational age、周産期乳児死亡率・早産率の増加が挙げられている。

中~高強度スタチンへのPCSK9阻害薬上乗せ効果を確認/JAMA

 米国・アイオワ大学のJennifer G. Robinson氏らによる第III相無作為化試験LAPLACE-2の結果、中~高強度のスタチン治療を受けている高コレステロール血症患者に対し、PCSK9阻害薬エボロクマブ上乗せ効果は、プラセボおよびエゼチミブ(商品名:ゼチーア)追加よりも、LDL-C値を有意に低下したことが報告された。JAMA誌2014年5月14日号掲載の報告より。