TAVR後、1年アウトカムは?/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2015/03/24

 

 米国・メイヨークリニックのDavid R. Holmes Jr氏らは、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)を受けた患者1万2,182例について、1年時点のアウトカムを発表した。全死因死亡は23.7%、脳卒中発生は4.1%であり、死亡と脳卒中の複合アウトカムの発生は26.0%であることが明らかにされた。新規医療デバイスに対しては臨床導入後、無作為化試験での結果とはアウトカムが異なるのではないかとの懸念がある。TAVRについてはこれまでに30日時点のアウトカムは報告されていたが、長期アウトカムについては不明なままであった。著者は、「今回の所見を、TAVRを受ける患者とのディスカッションに役立てるべきであろう」と述べている。JAMA誌2015年3月10日号掲載の報告。

米国299病院、1万2,182例の患者データを分析
 研究グループは、米国におけるTAVR後のアウトカムについて、以前に報告された30日時点のデータをアップデートし、1年時点での同結果を明らかにする検討を行った。

 米国胸部外科学会/米国心臓病学会経カテーテル弁療法レジストリ(STS/ACC TVTレジストリ)データと、メディケア&メディケイドサービスセンター(CMC)の患者特異的診療報酬データを結び付けて分析した。2011年11月~2013年6月30日にTAVRを受けた、299病院、1万2,182例の患者データが組み込まれた。

 2014年6月30日時点まで追跡し、1年アウトカムとして、死亡、脳卒中、再入院について多変量モデルを用いて評価した。

全死因死亡23.7%、脳卒中4.1%、複合アウトカム発生は26.0%
 患者は、年齢中央値84歳、女性は52%、STSの周術期死亡予測リスク(STS PROM)スコア中央値は7.1%であった。

 TAVR後、大半の患者が自宅へと退院した(59.8%)。30日死亡は847例、7.0%(95%信頼区間[CI]:6.5~7.4%)であった。

 TAVR後1年間で、患者が病院外で生存していた期間は中央値353日(IQR:312~359日)であった。なお、生存者のうち24.4%(2,074例)が1回再入院を、12.5%(1,525例)は2回再入院をしていた。

 1年時点の全死因死亡率は23.7%(95%CI:22.8~24.5%、2,450例)であり、脳卒中発生率は4.1%(同:3.7~4.5%、455例)であった。死亡と脳卒中の複合アウトカムの発生率は26.0%(同:25.1~26.8%、2,719例)であった。

 1年死亡と有意に関連していた特性は、より高齢であること(75歳未満との比較で95歳以上のハザード比[HR]:1.61、同85~94歳のHR:1.35、同75~84歳のHR:1.23)、男性(HR:1.21)、末期腎不全(HR:1.66)、重度のCOPD(HR:1.39)、非経大腿動脈アクセス(HR:1.37)、STS PROMスコア15%超vs. 8%未満(HR:1.82)、術前心房細動/心房粗動(HR:1.37)であった。また男性と比較して女性の脳卒中リスクが高かった(HR:1.40、95%CI:1.15~1.71)。

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コメンテーター : 許 俊鋭( きょ しゅんえい ) 氏

東京都健康長寿医療センター センター長

J-CLEAR評議員