循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:327

valve-in-valve法の1年生存率/JAMA

 生体弁機能不全でvalve-in-valve法による経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)を受けた人の、1年生存率は83.2%であることが判明した。また、狭窄のある人は1年死亡リスクが約3倍に、小型弁を使用した人は同リスクが約2倍に、それぞれ増大することも示された。カナダ、セント・ポールズ病院のDanny Dvir氏らが国際レジストリのデータを分析して明らかにした。valve-in-valve法は侵襲性が低いアプローチ法として知られるが、施術後の生存に関する総合的な評価は、これまで行われていなかった。JAMA誌2014年7月9日号掲載の報告より。

テロメア長と脳心血管リスク/BMJ

 白血球テロメア長は、従来血管リスク因子とは独立した冠動脈心疾患(CHD)のリスク因子であり、テロメア長が短い人ほどCHDとの関連が強いことが示された。英国・ケンブリッジ大学のPhilip C Haycock氏らがシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。脳血管疾患との関連も評価したが、確実な関連性は得られなかったという。テロメア長は老化に関わると考えられており、慢性疾患のマーカーとして提案されるようになっている。しかし、テロメア長と心血管疾患との関連エビデンスは相反する結果が報告されていた。BMJ誌オンライン版2014年7月9日号掲載の報告より。

原因不明の脳卒中後の心房細動検出、携帯型心電図で5倍以上改善/NEJM

 原因不明の脳卒中後の心房細動検出について、30日イベントレコーダー付き携帯型心電計によるモニタリングが、従来の24時間ホルター心電図によるモニタリングより有効であることが示された。検出率は5倍以上有意に改善し、抗凝固療法の施行率はほぼ2倍上昇したという。カナダ・トロント大学のDavid J. Gladstone氏らが、前向き無作為化比較試験を行い報告した。NEJM誌2014年6月26日号掲載の報告より。

EBMがもたらした、究極の“心血管イベント抑制”薬ポリピルは、実現するか(解説:石上 友章 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(224)より-

Lawらは、2009年BMJ誌に、冠動脈疾患、脳卒中の発症の予防に対する異なるクラスの降圧薬の効果を定量的に決定するとともに、降圧薬治療の適切な対象を検討する目的で、5種類の主要降圧薬群(チアジド系薬剤、β遮断薬、ACE阻害薬、ARB、Ca拮抗薬)を対象にした、1966年~2007年の間の臨床試験、全147試験のメタ解析を行った結果を報告した1)。

安定冠動脈疾患、CABGが薬物療法より予後改善/BMJ

 安定冠動脈疾患患者に対し冠動脈バイパス術(CABG)は薬物療法と比較して、死亡、心筋梗塞および再血行再建術リスクを低下することが、ネットワークメタ解析の結果、明らかにされた。スイス・ベルン大学病院のStephan Windecker氏らが行った検討によるもの。そしてCABGに次いでステントベースの冠動脈再建術が、種類を問わず薬物療法と比べて血行再建術の必要性を低下したことも示された。ステント術の中では新世代の薬剤溶出ステントの低下が顕著で、著者は、「薬物療法戦略と比較してCABGと新世代の薬剤溶出ステントに、生存改善のエビデンスがあることが示された」とまとめている。BMJ誌オンライン版2104年6月23日号掲載の報告より。

原因不明の脳卒中後の心房細動検出に、着用型長期間心臓モニターが有用/NEJM

 原因不明の脳卒中後の心房細動(AF)の検出に関して、植込み型心臓モニター(ICM)を用いた長期の心電図モニタリングが従来法よりも有用であることが、無作為化対照試験の結果、明らかにされた。イタリアのサクロ・クオーレ・カトリック大学のTommaso Sanna氏らCRYSTAL AF研究グループが報告した。現行のガイドラインでは、脳梗塞発症後の心房細動のルールアウトには、少なくとも24時間のECGモニタリングを行うことが推奨されている。しかし、最も有効なモニタリングの期間および様式は確立されていなかった。NEJM誌2014年6月26日号掲載の報告より。

APOC3遺伝子の突然変異、冠動脈疾患リスクの低下と関連/NEJM

 血漿トリグリセライド(TG)値の低下に、アポリポ蛋白C3(APOC3)をコードする遺伝子(APOC3遺伝子)の機能欠失型変異が関与しており、この突然変異のキャリアでは冠動脈疾患のリスクが低いことが明らかにされた。米国・マサチューセッツ総合病院のSekar Kathiresan氏らThe TG and HDL Working Group of the Exome Sequencing Project(米国立心臓・肺・血液研究所による)が報告した。これまでにTG値は遺伝性のもので、冠動脈疾患リスクと関連していることは判明していた。NEJM誌オンライン版2014年6月18日号掲載の報告より。

肺塞栓症への血栓溶解療法、全死因死亡は減少、大出血は増大/JAMA

 肺塞栓症に対する血栓溶解療法について、全死因死亡は減少するが、大出血および頭蓋内出血(ICH)は増大することが、メタ解析の結果、明らかにされた。米国・マウントサイナイヘルスシステムの聖ルーク-ルーズベルトがん病院のSaurav Chatterjee氏らが、16試験2,115例のデータを分析し報告した。一部の肺塞栓症患者に対して血栓溶解療法は有益である可能性が示されていたが、これまで行われた従来抗凝固療法と比較した生存の改善に関する解析は、統計的検出力が不十分で関連性は確認されていなかった。JAMA誌2014年6月18日号掲載の報告より。

APOC3遺伝子変異による低TG値でも虚血性血管疾患リスク減/NEJM

 APOC3遺伝子の機能欠失型変異により血漿トリグリセライド(TG)値が低下し、虚血性血管疾患のリスクが減少することが、デンマーク・コペンハーゲン大学のAnders Berg Jorgensen氏らの検討で示された。非空腹時の血漿TG高値は虚血性心血管疾患のリスクを増大させることが知られている。APOC3遺伝子はアポリポ蛋白C3(APOC3)をコードする遺伝子で、その変異により非空腹時血漿TG値が低下するが、APOC3遺伝子変異を保因するため生涯にわたり低TG値の集団は、虚血性心血管疾患のリスクが低いか否かは、これまで明らかにされていなかった。NEJM誌2014年6月18日号掲載の報告。