循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:247

スタチン不耐容患者へのエボロクマブ vs.エゼチミブ/JAMA

 筋肉関連の有害事象によるスタチン不耐容の患者において、新規開発の脂質低下薬エボロクマブはエゼチミブと比較して、24週後のLDL-コレステロール(LDL-C)値を有意に低下したことが、米国・クリーブランドクリニックのSteven E. Nissen氏による無作為化試験「GAUSS-3」試験の結果、示された。筋肉関連の有害事象によるスタチン不耐容の患者は5~20%と報告されており、スタチンの超低用量投与や間欠的投与あるいはエゼチミブ投与などが行われるが、ガイドラインで推奨される50%超低下を達成することはまれである。PCSK9阻害薬エボロクマブは、LDL-Cの低下が顕著で、スタチン不耐容患者の代替療法となる可能性が示唆されていた。JAMA誌オンライン版2016年4月3日号掲載の報告より。

食質の重要性と死亡リスクに的を絞り健康の原点を看破する!(解説:島田 俊夫 氏)-515

先進国では高齢化が急速に進み、大きな社会問題となっている。わが国は、この点でいまや世界のトップランナーであり、深刻な社会問題を抱えている。わが国の国民皆保険制度は優れた点も多いが、社会構造の急激な変化に対応できず破綻寸前である。このような状況の中で生きていくための食事の質(食質)の重要性に、注目が集中している。

deferredステント留置はSTEMIの予後を改善するか/Lancet

 ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者の治療において、ステント留置を即座には行わないdeferredステント留置と呼ばれるアプローチは、従来の即時的な経皮的冠動脈インターベンション(PCI)に比べて、死亡や心不全、再発心筋梗塞、再血行再建術を抑制しないことが、デンマーク・ロスキレ病院のHenning Kelbaek氏らが行ったDANAMI 3-DEFER試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2016年4月3日号に掲載された。STEMI患者では、ステント留置を用いたPCIによって責任動脈病変の治療に成功しても、遺残血栓に起因する血栓塞栓症で予後が損なわれる可能性がある。これに対し、梗塞関連動脈の血流が安定した後に行われるdeferredまたはdelayedステント留置は、冠動脈の血流を保持し、血栓塞栓症のリスクを低減することで、臨床転帰の改善をもたらす可能性が示唆され、種々の臨床試験が行われている。

中等度リスクの重症大動脈弁狭窄症、新世代TAVRの有用性/Lancet

 手術による死亡リスクが中等度の重症大動脈弁狭窄症患者において、SAPIEN 3生体弁を用いた経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)は、1年時の死亡率が低く、外科的大動脈弁置換術(SAVR)に比べ予後が良好であることが、米国・エモリー大学のVinod H Thourani氏らの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2016年4月3日号に掲載された。新世代の生体弁であるSAPIEN 3を用いたTAVRは、中等度リスクの重症大動脈弁狭窄症における30日時の短期的な臨床転帰の改善が報告されているが、長期的な転帰は不明であった。

発作性心房細動へのアブレーション、冷凍 vs.高周波/NEJM

 薬剤抵抗性発作性心房細動に対するクライオバルーンアブレーション(冷凍アブレーション)は、高周波アブレーションに対し非劣性であることが認められ、安全性も同等であった。ドイツ・Asklepios Klinik St. GeorgのKarl-Heinz Kuck氏らが、多施設共同無作為化非盲検並行群間比較試験「FIRE AND ICE」の結果、報告した。現在のガイドラインでは、薬剤抵抗性発作性心房細動の治療としてカテーテルアブレーションによる肺静脈隔離術が推奨されている。高周波アブレーションが最も頻用されているが、冷凍アブレーションは比較的簡便で手術時間の短縮や合併症の軽減などが期待できる。これまで、両者の比較試験は小規模なものが多く、無作為化試験はほとんどなかった。NEJM誌オンライン版2016年4月4日号掲載の報告。

中等度リスク大動脈弁狭窄症、TAVR vs.SAVR/NEJM

 中等度リスクの大動脈弁狭窄症患者において、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)の外科的大動脈弁置換術(SAVR)に対する非劣性が証明された。米国・コロンビア大学メディカルセンターのMartin B. Leon氏らが、第2世代デバイス(SAPIEN XT)の大規模臨床試験PARTNER 2試験の結果、2年時の全死因死亡および障害を伴う脳卒中の頻度はTAVRとSAVRとで同等であることを報告した。これまでの研究では、高リスク大動脈弁狭窄症患者において、TAVRとSAVRで生存率は同等であることが示されていた。NEJM誌オンライン版2016年4月2日号掲載の報告。

中等度リスク患者、スタチンでベネフィット/NEJM

 心血管疾患既往のない、心血管イベントリスクが中程度の患者に対し、ロスバスタチン治療によりコレステロール値を低下することで、主要心血管イベントリスクは4分の3程度に低減することが示された。カナダ・Population Health Research InstituteのS. Yusuf氏らが、約1万3,000例を対象に行った、無作為化プラセボ対照二重盲検試験HOPE-3の結果、明らかにした。先行研究で、コレステロール値を低下するスタチン治療は、心血管疾患既往のない人では、心血管イベントリスクを低下することが示されているが、試験に参加したのは脂質値および炎症マーカーが高値の人で、また被験者の大半が白人であった。そのためスタチンがもたらすベネフィットが、中等度リスクで民族的に多様な心血管疾患既往のない集団でも認められるかについては明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2016年4月2日号掲載の報告。

中等度リスク患者への降圧治療のベネフィットは?/NEJM

 心血管疾患既往のない、心血管イベントリスクが中程度の患者に対し、カンデサルタン+ヒドロクロロチアジドによる降圧治療を行っても、主要心血管イベントリスクは低下しないことが示された。カナダ・Population Health Research InstituteのEva M. Lonn氏らが、約1万3,000例を対象に行った無作為化プラセボ対照二重盲検試験HOPE-3の結果、明らかにした。降圧治療について、高リスクの人および収縮期血圧が160mmHg以上の人では、心血管イベントリスクを低下するが、中等度リスクの人および血圧が低い(160mmHg未満)人における役割については明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2016年4月2日号掲載の報告。