腹部大動脈瘤、治療選択と予後に男女差/Lancet

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ケアネット

腹部大動脈瘤、治療選択と予後に男女差/Lancetのイメージ

 腹部大動脈瘤の治療・予後について男女差があることが、2000年以降に行われた試験データについて行った系統的レビューとメタ解析の結果、示された。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのPinar Ulug氏らが、ステントグラフト内挿術(EVAR)と外科的人工血管置換術(open repair)それぞれについて性別に調べた結果、女性は男性と比べてEVAR適応者の割合が低く、非介入率が高く、また手術死亡率が両修復術ともに高かったことが明らかにされた。本検討は、腹部大動脈瘤の予後は、女性のほうが男性よりも不良の可能性があるとの指摘を踏まえて行われたもので、結果を踏まえて著者は、「女性における腹部大動脈瘤治療マネジメントの改善が必要である」と述べている。Lancet誌オンライン版2017年4月25日号掲載の報告。

系統的レビューとメタ解析で、EVAR適応、非介入、手術死亡の男女差を評価
 研究グループは、試験期間が2000年以降のデータを用いて、腹部大動脈瘤修復について評価したアウトカムの、男女間の違いを系統的に定量化する、系統的レビューとメタ解析を行った。MEDLINE、Embase、CENTRALなどを検索し対象試験(無作為化、コホート、断面調査)を特定。2005年1月1日~2016年9月2日について2件の系統的レビュー(EVAR適応レビュー、非介入レビュー)を、2009年1月1日~2016年9月2日について1件の系統的レビュー(手術死亡レビュー)を行った。

 適格とした試験は、男女別にデータが集計されていたもの、腹部大動脈瘤の治療評価がEVARまたは開腹術のいずれかについて行われていたものとした。また、EVAR適応レビュー(形態学的にEVARが適応とされた割合)は女性被験者が20例以上の試験を、非介入レビューは女性被験者が20例以上の試験を、手術死亡率(修復術後30日死亡率)は女性被験者50例以上の試験を包含した。なお、要約、エディトリアル、レター、ケースレポート論文は除外。手術レビューについては、ハザード比のみ、院内死亡率のみの報告であった試験も除外された。

 また、試験の質の評価をNewcastle-Ottawaスコアシステムを用いて行い、必要に応じて著者とコンタクトを取り、追加のデータ提供を求めた。

 全試験の結果はランダム効果メタ解析法で統合した。

いずれも女性が男性よりも高率
 EVARの形態学的な適格性評価を報告していた試験は5件(男性1,507例、女性400例)。全体のプールEVAR適応率は、女性(34%)が男性(54%)よりも低かった(オッズ比[OR]:0.44、95%信頼区間[CI]:0.32~0.62)。

 非介入率を報告していた試験は4件(男性1,365例、女性247例)であった。全体のプール非介入率は、女性(34%)が男性(19%)より高かった(OR:2.27、95%CI:1.21~4.23)。

 30日死亡率レビューには9試験の報告(男性5万2,018例、女性1万1,076例)が含まれた。EVARに関する全体プール推定率は、女性(2.3%)が男性(1.4%)より高かった(OR:1.67、95%CI:1.38~2.04)。また、開復術に関しても、女性(5.4%)のほうが男性(2.8%)よりも高かった(OR:1.76、95%CI:1.35~2.30)。

(ケアネット)

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