循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:109

医師の生命保険の年間払込額、3割は10万円以下/会員アンケート結果

 10月にCareNet.comにて医師の『生命保険の加入状況に関するアンケート』を実施した結果、9割超の医師が何らかの生命保険に加入し、医師の生命保険加入者の約3割の年間払込額が10万円以下であることが明らかになった。また、重粒子線治療などが支払い対象となる「先進医療特約」については加入者の4割が申し込んでいた。  生命保険文化センターが行った一般家庭における「2021年度生命保険に関する全国実態調査(速報版)」によると、生命保険(個人年金保険を含む)の世帯加入率は89.8%、そのうち医療保険の加入率は93.6%だった。また、世帯の普通死亡保険金額は平均2,027万円、世帯年間払込保険料は平均37.1万円であることが明らかになった。

ステロイド投与に関連する臨床試験の難しさ:心肺蘇生の現場から(解説:香坂俊氏)

敗血症性ショック症例に対するステロイド投与  今回のテーマはVAM-IHCA試験という院内の心停止症例に対してバソプレシン+メチルプレドニゾロンを投与するかどうかというRCTなのであるが(JAMA誌掲載)、このテーマに関しては少し昔の話から始めさせていただきたい。  ステロイドが集中治療の現場に登場したのは、2002年くらいからではないだろうか。Annane氏らによってフランスで敗血症性ショック症例を対象としたRCTが行われ(300例)、ACTH負荷不応だった患者に対して

非弁膜症性心房細動、早期カルディオバージョンで死亡リスク軽減/BMJ

 非弁膜症性心房細動で脳卒中リスク因子が1つ以上ある成人に対し、早期カルディオバージョンの実施率は約15%と低いものの、同実施を受けた患者の死亡リスクは有意に低いことが示された。また、直流カルディオバージョンの実施率は薬物的カルディオバージョンの約2倍に上ったが、主要アウトカムは両者で同等であることも示された。ノルウェー・オスロ大学のMarita Knudsen Pope氏らが、5万例超の患者情報が前向きに収集されていたレジストリデータ「GARFIELD-AF(Global Anticoagulant Registry in the FIELD-AF)」を解析し明らかにした。BMJ誌2021年10月27日号掲載の報告。

NAFLDの肝線維化ステージが肝合併症・死亡リスクに影響か/NEJM

 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の組織学的スペクトラム全体の死亡や肝臓・肝臓以外のアウトカムの予後は十分に解明されていないという。米国・バージニア・コモンウェルス大学のArun J. Sanyal氏らNASH Clinical Research Network(CRN)は「NAFLD DB2試験」において、NAFLDの中でも肝線維化stageが高い(F3、F4)患者は低い(F0~2)患者に比べ、肝関連合併症や死亡のリスクが高く、F4では糖尿病や推算糸球体濾過量が40%超低下した患者の割合が高いことを明らかにした。研究の成果は、NEJM誌2021年10月21日号で報告された。

COVID-19の血栓症は本当の問題なのか?(解説:後藤信哉氏)

新型コロナウイルス感染は血管内皮細胞にも起こる。血管内皮細胞障害を介して深部静脈血栓症、脳血栓症などが増える。とくに、最初の武漢からのレポートでは入院例にヘパリンの抗凝固療法を施行していないこともあり、約半数の症例に静脈血栓イベントを認めたと注目された。米国、欧州などでは静脈血栓イベント予防のための低分子ヘパリンがルーチンになっていたが、それでも10~20%の症例に静脈血栓イベントを認めた。また、最近のランダム化比較試験にて静脈血栓の治療量を用いても、予防量投与時と重症化後には重篤な予後イベント発症率に差がないとされた。本研究では症候性ではあるが外来症例が対象とされた。新型コロナウイルス感染の予後が血栓症により規定されているのであれば、従来確立された抗血栓療法である抗血小板薬アスピリン、抗凝固薬アピキサバンは有効なように思われる。考えられた仮説に対してランダム化比較試験による検証をするのが欧米人の偉いところである。登録された症例はPCR陽性、有症候性の40~80歳の男女であった。

心停止後昏睡患者の低体温療法、31℃ vs. 34℃/JAMA

 院外心停止後の昏睡状態の患者において、体温31℃を目標とした体温管理を行っても、34℃を目標とした体温管理と比較して180日死亡率や神経学的アウトカムは改善しないことが示された。カナダ・University of Ottawa Heart InstituteのMichel Le May氏らが、単施設での無作為化二重盲検優越性試験「CAPITAL CHILL試験」の結果を報告した。院外心停止後の昏睡状態の患者は死亡率が高く、重度の神経学的損傷を生じる。現在のガイドラインでは、目標体温32℃~36℃で24時間の体温管理が推奨されているが、小規模な研究においてより低い体温を目標とすることに利点があることが示唆されていた。JAMA誌2021年10月19日号掲載の報告。

心不全を伴う慢性AFへの房室結節アブレーション+心臓再同期療法(APAF-CRT試験)【Dr.河田pick up】

 慢性心房細動(AF)と心不全を伴う患者において、房室結節アブレーションと両心室ペースメーカー(CRT)による厳格かつ規則正しい心室レートの維持は、薬物療法に比べ、心不全の入院を減らすのに優れているが、予後の改善については未だ不明である。イタリア・ティグッリオ病院Brignole氏ら研究グループは、慢性AFと心不全を有する患者に対し、房室結節アブレーション+CRTと薬物療法とを比較する無作為化試験を実施した。European Heart Journal誌オンライン版2021年8月28日号での報告。

キャノーラ油1日大さじ1杯増、死亡5%減/BMJ

 食事によるα-リノレン酸(ALA)の摂取量が多い集団は少ない集団に比べ、全死因死亡や心血管疾患(CVD)死、冠動脈疾患(CHD)死のリスクが有意に低いが、がんによる死亡リスクがわずかに高く、ALAの血中濃度が高いと全死因死亡とCHDによる死亡のリスクが低下することが、イラン・テヘラン医科大学のSina Naghshi氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2021年10月14日号に掲載された。  研究グループは、ALAの食事摂取量やその組織バイオマーカーと、全死因死亡、CVD死、がん死との関連の評価を目的に、前向きコホート研究を系統的にレビューし、メタ解析を行った(イラン・アバダン医科大学の助成を受けた)。

コロナ外来患者へのアスピリン・アピキサバン投与は?/JAMA

 臨床的に安定した症候性新型コロナウイルス感染症(COVID-19)外来患者において、アスピリンまたはアピキサバンによる治療はプラセボと比較し複合臨床アウトカムを改善しなかった。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のJean M. Connors氏らが、無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「ACTIV-4B試験」の結果を報告した。急性期のCOVID-19入院患者は通常、抗血栓療法を受けるが、COVID-19外来患者における抗血栓療法のリスクとベネフィットは確立されていなかった。なお、本試験は、イベント発生率が予想より低かったため、予定症例数の9%が登録された時点で試験中止となった。JAMA誌オンライン版2021年10月11日号掲載の報告。

PCI後心筋梗塞、クロピドグレルによるde-escalation戦略が好結果/Lancet

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の安定した急性心筋梗塞(AMI)患者において、チカグレロルからクロピドグレル(ローディングなし)への非ガイド下でのde-escalation抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)戦略は、虚血リスクを増大することなく出血リスクを有意に低下し、12ヵ月までの臨床イベントリスク低下がチカグレロルを継続するDAPT戦略よりも優れている。韓国・カトリック大学議政府聖母病院のChan Joon Kim氏らによる同国32施設で実施した医師主導の多施設共同無作為化非盲検非劣性試験「TALOS-AMI試験」の結果を報告した。PCI後のAMI患者に対しては、クロピドグレルよりも強力なP2Y12受容体阻害薬を最大1年間投与することが推奨されているが、維持期に出血リスクが高い状態が続くことが懸念されていた。Lancet誌2021年10月9日号掲載の報告。