循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:102

循環器領域における「睡眠呼吸障害の診断・治療ガイドライン」改訂で“睡眠”も心血管リスク因子に/日本循環器学会

 睡眠呼吸障害(sleep disordered breathing:SDB)が循環器疾患の重要なリスク因子であることが明らかになり、2010年に『循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン』が発刊された。あれから13年、3月11日に本ガイドライン(以下、GL)の2023年改訂版が発刊され、第87回日本循環器学会学術集会の「ガイドラインに学ぶ2」において、葛西 隆敏氏(順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科 准教授)が改訂ポイントを6つに絞り、改訂の背景や臨床に役立つ点を発表した。

治療選択のないCLTI、経カテーテル的深部静脈動脈化が肢切断を回避/NEJM

 包括的高度慢性下肢虚血の患者の約20%は、血行再建の選択肢がなく、足関節より近位での肢切断に至るという。カテーテルを用いて深部静脈を動脈化する治療は、動脈と静脈を接続して酸素を含む血液を虚血肢に送ることで、肢切断を予防する経皮的なアプローチである。米国・University Hospitals Harrington Heart and Vascular InstituteのMehdi H. Shishehbor氏らは、従来の外科的血行再建や血管内血行再建による治療の選択肢がない包括的高度慢性下肢虚血の患者において、この経カテーテル的深部静脈動脈化術は安全に施行可能であり、下肢の切断を回避する可能性があることを「PROMISE II試験」において示した。研究の成果は、NEJM誌2023年3月30日号で報告された。

Fire and Forget vs.Treat to Target(解説:平山篤志氏)

これまでの欧米での心血管イベントを低下させるためのガイドラインでは、ハイリスク患者に対してはLDL-コレステロール(LDL-C)を治療するために強力なスタチンの高用量をまず投与するというFire and Forgetの戦略が推奨されてきた。これはスタチンを用いた大規模臨床試験で、高用量と低用量を比較する、あるいはStrongとMildの高用量を比較する試験のメタ解析から得られた結論であった。また、管理目標値を設定するより、初期投与によるLDL-C低下の割合がイベント抑制には必要であるという考えもあった。

死亡・CVリスクを低下させる食事法は?40試験のメタ解析/BMJ

 カナダ・マニトバ大学のGiorgio Karam氏らが7つの代表的な食事プログラムに関する試験についてメタ解析を行い、地中海式食事と低脂肪食を推奨するプログラムは、身体活動やその他の介入の有無にかかわらず、心血管疾患リスクが高い患者の全死因死亡および非致死的心筋梗塞を低減するという、中程度のエビデンスが示されたことを明らかにした。地中海式食事プログラムは、脳卒中リスクも低減することが示唆された。概してその他の食事プログラムは、最低限の介入(食事パンフレット配布など)に対する優越性は示されなかったという。BMJ誌2023年3月29日号掲載の報告。

尿酸値が上がりにくいアルコールは?~日本人8万人のデータ

 飲酒は高尿酸血症の重要なリスク因子だが、アルコール飲料の違いによる血清尿酸値への影響の詳細はわかっていない。今回、聖路加国際病院の福井 翔氏らが、日本人7万8,153人の健康診断データを用いて横断研究を実施した結果、飲酒量をエタノール含有量で統一した場合、ビールでの血清尿酸値上昇は大きく、ワインでは中程度の上昇、日本酒での上昇はわずかで有意ではなかったことが示された。JAMA Network Open誌2023年3月17日号に掲載。

低炭水化物ダイエットはメタボになりやすい?

 炭水化物の摂取量について、推奨量を下回るとメタボリックシンドローム(MetS)の発症が低下するかどうか、現時点では関係性を示す一貫した証拠はない。今回、米国・オハイオ州立大学のDakota Dustin氏らが炭水化物の摂取量とMetSの有病率について研究した結果、炭水化物の推奨量を満たしている人よりも下回っている人のほうがMetSの発症率が高いことが明らかになった。Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics誌オンライン版2023年3月23日号掲載の報告。

肥満や男性だけでない、いびきをかく人の1/4は睡眠時無呼吸症候群/レスメド

 睡眠中に大きないびきと共に呼吸が止まったり、弱くなったりするという症状を呈する睡眠時無呼吸症候群(SAS)。いびきをかく人の25%(男性:3人に1人、女性:5人に1人)は睡眠時無呼吸を発生していたという報告もあり、SASの80%は未診断ともいわれる。しかし、SASは糖尿病・心血管疾患の発症や循環器系の疾患による死亡のリスクを上昇させるため、治療が必要である。一般的な治療法としてはCPAP(持続陽圧呼吸)治療、マウスピース治療、手術、生活習慣の改善がある。  そこで、レスメドは2023年3月16日に「CPAP治療の最前線と患者アドヒアランスの向上について」と題してメディアセミナーを実施した。

糖尿病治療による心血管/心不全リスクへの効果の違い~メタ解析

 糖尿病治療による心血管および心不全リスクへの効果は試験により大きく異なる。今回、医学研究所北野病院(大阪市)の長谷部 雅士氏らがランダム化心血管アウトカム試験35試験のメタ解析およびメタ回帰分析により、糖尿病治療は主要有害心血管イベント(MACE)をHbA1cに依存して減少させる一方、心不全リスクは体重に依存して減少することがわかった。Cardiovascular Diabetology誌2023年3月19日号に掲載。  本研究では、2023年1月25日までPubMedとEMBASEで2型糖尿病または前糖尿病患者におけるMACEと心不全アウトカムの両方を報告する糖尿病治療(生活習慣改善、薬剤)のすべてのランダム化比較心血管アウトカム試験を検索し、35試験(計25万6,524例)を同定した。ランダム効果メタ解析に続いてメタ回帰分析を行い、各アウトカムに対するHbA1cまたは体重減少の影響を評価した。

カフェイン入りコーヒー、期外収縮への影響は?/NEJM

 カフェイン入りコーヒーの摂取はカフェインを摂取しない場合と比較し、毎日の心房期外収縮が有意に増加することはないことが、米国・カリフォルニア大学のGregory M. Marcus氏らが実施した単施設での前向き無作為化ケースクロスオーバー試験「Coffee and Real-time Atrial and Ventricular Ectopy trial:CRAVE試験」で確認された。コーヒーは、世界で最もよく消費されている飲料の1つであるが、コーヒーの摂取による健康への急性の影響は依然として不明であった。NEJM誌2023年3月23日号掲載の報告。

妊娠高血圧腎症予防のための低用量アスピリン投与は今後妊娠28週までの投与が基本となるか(解説:前田裕斗氏)

妊娠高血圧腎症予防のため、発症ハイリスク妊婦への妊娠初期からの低用量アスピリン投与は、標準的な治療になってきている。アスピリンの妊娠高血圧腎症予防機序はまだ不明な点もあるが、抗炎症作用や酸化ストレスの軽減から胎盤形成の障害を予防する効果があるとされ、そのため胎盤形成が行われる妊娠初期からの投与が望ましいと考えられている。一方、投与終了期間については一定した報告がなく、分娩時出血が増える可能性が報告されていることから36週での投与終了としている国が多い。