呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:190

日医・中川会長、Go Toトラベル一時停止を「率直に評価」

 日本医師会・中川 俊男会長は、16日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の増加に歯止めがかからない状況を受け、日本医師会の見解を述べた。  中川氏は、14日に菅 義偉内閣総理大臣と共に新型コロナウイルス感染症対策で中核的な役割を担う国立国際医療研究センター(NCGM)を視察したことを報告した。特殊感染症病棟の病室内でECMOなど重症患者への対応、特殊防護具を着けた挿管訓練、タブレット端末を用いてICU病棟で活動する医療従事者の様子などを見学し、日々尽力いただいていることに感謝を申し伝えたという。

新型コロナ、病床逼迫の診療現場から~呼吸器科医・倉原優氏が緊急寄稿

 各地で新型コロナ感染症の新規感染者数の増加が止まらない。7~8月にかけてのピーク時を超え、間違いなく現状は「第3波」の真っただ中にある。自治体独自の基準により「非常事態」を宣言している大阪府の状況について、CareNet.com連載執筆者の倉原 優氏(近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)が緊急寄稿した。  大阪府は、現在コロナ第3波の最終局面であると信じたいくらい新規入院患者数が増えている。指定感染症として診療しているので、必然的に病床が逼迫している。政府は12月17日、向こう1年間は現行の指定感染症扱いを継続するという見通しを発表した。

肺癌診療ガイドライン2020薬物療法の改訂ポイント/日本肺癌学会

 肺癌診療ガイドラインが改訂され、2020年版が発刊された。第61回日本肺癌学会学術集会の教育講演では、薬物療法領域の変更点について岡山大学の堀田勝幸氏が発表した。  一次治療におけるゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセドの追加(CQ52 2A)、エルロチニブと血管新生阻害薬の併用がアップデート(CQ52 2A)されるなど改訂された。  二次治療において、アレクチニブの使用のアップデート(CQ59 1C)、新たなALK-TKIブリガチニブが追加(CQ59 2C)されるなど改訂された。  MET遺伝子変異陽性が新設され、MET-TKI(テポチニブ、カプマチニブ)の推奨が追加された(CQ62 1C)。

高齢者扁平上皮NSCLCの新スタンダードとなるか(CAPITAL)/名古屋医療センター

 高齢者のStage IIIB/IV扁平上皮非小細胞肺がん(SQ NSCLC)1次治療の標準治療が世代交代か。nab-パクリタキセルとカルボプラチンの併用(nab-PTX+CBDCA)とドセタキセル(DTX)単剤を比較した無作為化第III相試験CAPITAL試験の結果を名古屋医療センターが発表した。  肺がんには高齢患者が多い。高齢患者の標準化学療法は長期にわたりドセタキセル単剤である。非扁平非小細胞肺がん(NSQ NSCLC)おいては、JCOG1210/WJOG7813L試験でカルボプラチン+ペメトレキセドのDTX単剤に対する非劣性が示され、2019年の肺癌診療ガイドラインでCBDCA併用レジメンの使用が推奨された。

特発性肺線維症へのST合剤、生存ベネフィット認めず/JAMA

 中等症~重症の特発性肺線維症(IPF)について、コトリモキサゾール(ST合剤:スルファメトキサゾールとトリメトプリムの合剤)はプラセボと比較して、死亡・肺移植または予定外の初回入院までの期間の複合アウトカムの発生を低下しないことが、英国・イースト・アングリア大学のAndrew M. Wilson氏らによる検討で示された。IPFは予後不良で治療法が限られており、肺微生物叢の変化による肺への細菌負荷が死亡率に関連するとされている。先行の小規模無作為化試験においてST合剤投与による臨床アウトカムの改善および優れた費用対効果が示唆され、また探索的解析で健康関連のQOLや酸素必要量の改善、および試験プロトコールを順守した被験者における12ヵ月間の死亡率低下が示されていたが、生存ベネフィットのエビデンスは確定されていなかった。JAMA誌2020年12月8日号掲載の報告。

体験ルポ・新型コロナワクチン接種―米国の日本人医師が緊急寄稿

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの接種がついに始まった。世界に先駆け、英国で12月8日から、14日からは感染者数世界最多の米国でも医療・介護従事者に対し、優先的に接種が行われている。今回、米国・ワシントンDCの病院に勤務する日本人医師の安川 康介氏が、ワクチン接種の体験についてケアネットに緊急寄稿。日本においても来年には一般接種が開始されるとみられる中、同氏の体験をぜひ参考にしていただきたい。

COVID-19による静脈血栓塞栓症のアンケート結果/肺塞栓症研究会

 肺塞栓症研究会と日本静脈学会は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による静脈血栓塞栓症の発症有無に関する緊急アンケートを合同で実施し、総計77施設(1,243例)より回答を得た。その結果、肺塞栓症は5例(0.4%)、静脈血栓塞栓症は7 例(0.6%)に発症していたことが明らかになった。今回のアンケート調査では、COVID-19 症例の中で肺塞栓症を含む静脈血栓塞栓症と診断された症例は欧米に比してかなり少数だった。これを踏まえ、横浜南共済病院の孟 真氏率いる調査事務局の研究者らは、「“発症自体が本当に日本人で少ない”のか、“診断されていないだけ”なのかを判断する事は困難である。

乳幼児診療に感染予防策加算上乗せ、診療科問わず/日医

 厚生労働省は、小児診療の実態や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の回復後における継続的治療の必要性などの観点から、新型コロナ感染が急速に拡大している間の特例措置として、2020年12月15日付けで事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その31)」を発出した。  「外来における小児診療等に係る評価」と「新型コロナウイルス感染症からの回復患者の転院支援」に関する上乗せ加算が軸となっている。これに対し、16日に実施された日本医師会の記者会見で、松本 吉郎常任理事が補足説明を行った。

Pfizer社の新型コロナワクチンの第III相試験結果/NEJM

 PfizerとBioNTechによる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン「BNT162b2」について、16歳以上における30μgの2回投与の有効率は95%で、同有効率は年齢や性別、基礎疾患の有無といったサブグループでも同程度であった。また、中央値2ヵ月間の安全性は、その他のウイルスワクチンと類似していた。アルゼンチン・Fundacion INFANTのFernando P. Polack氏らによる、進行中の第II/III相国際共同プラセボ対照観察者盲検化pivotal有効性試験の結果で、NEJM誌オンライン版2020年12月10日号で発表した。BNT162b2は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のfull-lengthスパイクタンパク質をコードする脂質ナノ粒子製剤・修飾ヌクレオシドmRNAワクチンである。

なぜ・どうやって患者に禁煙をすすめるか?/日本肺癌学会

 11月に行われた第61回日本肺癌学会学術集会では、「禁煙を通して肺がん撲滅をめざす」と題したシンポジウムが行われ、この中で岡山済生会総合病院 がん化学療法センター長の川井 治之氏が「呼吸器内科医はなぜ・どうやって患者に禁煙をすすめているのか」と題した講演を行った。  冒頭に川井氏は、患者に禁煙を薦める理由として  1)喫煙は多くの呼吸器疾患の原因や悪化因子となる  2)がん治療への悪影響がある  3)がん治療後の2次(原発)がんの発生要因となる  という基本事項を確認した。