呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:117

新型コロナへのイベルメクチン、RCTの結果が明らかに/NEJM

 早期に診断された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)外来患者において、イベルメクチンで治療してもCOVID-19進行による入院の発生率や救急外来での観察期間延長は低下しないことが、ブラジル・Pontifical Catholic University of Minas GeraisのGilmar Reis氏らが実施した無作為化二重盲検プラセボ対照アダプティブプラットフォーム試験「TOGETHER試験」の結果、示された。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染の急性症状を呈するCOVID-19外来患者に対するイベルメクチンの有効性は不明であった。NEJM誌オンライン版2022年3月30日号掲載の報告。

デュルバルマブのStageIII肺がん維持療法、逐次化学放射線療法後でも有望な結果(PACIFIC-6)/ELCC2022

 StageIII非小細胞肺がん(NSCLC)の逐次化学放射線療法(SCRT)後のデュルバルマブ維持療法を評価する第II相PACIFIC-6試験の結果が、欧州肺癌学会議ELCC2022)で発表された。SCRT後のデュルバルマブ維持療法は、同時化学放射線療法(CCRT)後と同様の安全性プロファイルを示した。  切除不能なStageIII NSCLCでは、CCRTが標準治療である。しかし、高齢またはフレイルな患者などCCRTに耐えられない可能性のある患者には、SCRTが代替とされる。

小児へのファイザー製ワクチン、オミクロン株でも重症化に有効/NEJM

 BNT162b2(Pfizer-BioNTech製)ワクチンは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン変異株に関連した入院リスクを、5~11歳の小児で約3分の2に低減することが示された。12~18歳の青少年では、2回接種の入院に対する保護効果は、デルタ変異株よりもオミクロン変異株で低下したが、いずれの変異株についてもワクチン接種による重症化を予防する効果が認められたという。米国疾病予防管理センター(CDC)のAshley M. Price氏らによる診断陰性症例対照試験の結果で、NEJM誌オンライン版2022年3月30日号で発表された。

妊婦への新型コロナワクチン、胎児への悪影響なし/JAMA

 妊娠中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するワクチンの接種は、非接種者と比べて有害妊娠アウトカムのリスク増大と有意に関連しないことが示された。ノルウェー・Norwegian Institute of Public HealthのMaria C. Magnus氏らが、スウェーデンとノルウェーの妊婦約16万人を対象に行った、後ろ向きコホート試験の結果を報告した。結果について著者は「ワクチン接種の大多数は、妊娠第2~3期にmRNAワクチンを使用して行われており、今回の調査結果で考慮すべき点である」と述べている。妊娠中の新型コロナワクチンの安全性に関するデータは限定的であった。JAMA誌オンライン版2022年3月24日号掲載の報告。

非重症コロナ入院患者、腹臥位介入で予後は改善するか/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で入院した低酸素血症を伴う非重症患者において、腹臥位の姿勢を増やす多面的介入はこの介入を行わない標準治療と比較して、院内死亡や機械的人工換気の導入、呼吸不全の悪化のリスクを改善せず、72時間の酸素飽和度/吸入酸素濃度比の変化も両群に差はないことが、カナダ・Sinai HealthのMichael Fralick氏らが実施した「COVID-PRONE試験」で示された。研究の詳細は、BMJ誌2022年3月23日号で報告された。  本研究は、腹臥位の姿勢は非重症COVID-19入院患者において死亡や呼吸不全のリスク低下に有効かの検証を目的とする実践的な無作為化臨床試験であり、2020年5月~2021年5月の期間に、カナダと米国の15施設で患者の登録が行われた(Sinai Health研究基金などの助成を受けた)。

オミクロン株への感染で他の変異株への感染を防げるか/NEJM

 新型コロナウイルスにおけるオミクロン株感染後の中和抗体プロファイルについては、ほとんどわかってない。オーストリア・Medical University of InnsbruckのAnnika Rossler氏らは、オミクロンBA.1株に感染した人の回復後の血清サンプルについて6つの変異株に対する中和抗体価を分析し、他の株への感染歴やワクチン接種歴別に検討した。その結果、オミクロンBA.1株にのみ感染したワクチン未接種者は、オミクロンBA.1株以外の株による感染を予防できない可能性があることが示唆された。NEJM誌オンライン版2022年3月23日号のCORRESPONDENCEに掲載。

ビレーズトリ、新たな吸入デバイスへの変更承認取得/AZ

 アストラゼネカ株式会社は、2022年3月30日、慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療配合剤「ビレーズトリエアロスフィア56吸入/120吸入」(一般名:ブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物、以下「ビレーズトリエアロスフィア」)の新たな吸入デバイスの製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表。  COPD治療薬は吸入製剤が多く、患者が、医師や薬剤師の指示を理解したうえで、正しい手技で吸入することが求められる。ビレーズトリエアロスフィアの新たな吸入デバイスは主に外観を変更しており、有効成分、臨床成績、1回噴霧量および投薬方法に変更はない。

ICU入室COVID-19重篤例、抗血小板療法は有効か/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重篤例では、抗血小板薬による治療はこれを使用しない場合と比較して、集中治療室(ICU)で呼吸器系または心血管系の臓器補助を受けない生存日数が延長される可能性は低く、生存退院例の割合も改善されないことが、英国・ブリストル大学のCharlotte A. Bradbury氏らREMAP-CAP Writing Committee for the REMAP-CAP Investigatorsが実施した「REMAP-CAP試験」で示された。研究の詳細は、JAMA誌オンライン版2022年3月22日号で報告された。

挿管早産児へのヒドロコルチゾン、気管支肺異形成症を抑制せず/NEJM

 気管支肺異形成症は超早産の生存児の約半数にみられる合併症で、機械的人工換気による炎症もその発症に寄与している可能性があるという。米国・ニューメキシコ大学健康科学センターのKristi L. Watterberg氏らEunice Kennedy Shriver国立小児保健・人間発達研究所(NICHD)新生児研究ネットワーク(NRN)は、出生後に挿管を受けた早産児を対象に出生から2週以降にヒドロコルチゾンの10日間漸減治療を開始する方法の有効性を検討し、プラセボと比較して中等度または重度の気管支肺異形成症のない生存割合を改善しなかったと報告した。研究の詳細はNEJM誌2022年3月24日号に掲載された。  本研究は、米国の19施設が参加した二重盲検プラセボ対照無作為化試験であり、2011年8月22日~2018年2月4日の期間に新生児の登録が行われた(米国国立衛生研究所[NIH]の助成を受けた)。

J&J製ワクチン、第III相試験で重症化・死亡に対する有効性確認/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のAd26.COV2.Sワクチン(Johnson & Johnson製)単回接種は、ベータ変異株およびデルタ変異株のいずれにおいても重症COVID-19およびワクチン接種後のCOVID-19関連死に対して有効であることが認められた。南アフリカ共和国・Desmond Tutu HIV CentreのLinda-Gail Bekker氏らが、医療従事者を対象とした単群非盲検第IIIB相試験「Sisonke試験」の結果を報告した。Lancet誌2022年3月19日号掲載の報告。  研究グループは、南アフリカ共和国の18歳以上の医療従事者を全国のワクチン接種会場122施設のいずれかに招待し、Ad26.COV2.Sワクチン(ウイルス粒子量5×1010)単回接種を実施した。ワクチンの有効性を評価するため、2つの大規模な医療保険組織またはマネジドケア組織(Discovery Healthが管理する医療制度[A]と、Government Employees Medical SchemeおよびMedSchemeが管理する医療制度[B])の個人データを用い、ワクチン接種済みの医療従事者を一般集団のワクチン未接種者とマッチングさせた。