不適切な医療行為は一部の医師に集中~日本のプライマリケア
日本のプライマリケアにおける「Low-Value Care(LVC:医療的価値の低い診療行為)」の実態を明らかにした大規模研究が、JAMA Health Forum誌オンライン版2025年6月6日号に掲載された。筑波大学の宮脇 敦士氏らによる本研究によると、抗菌薬や骨粗鬆症への骨密度検査などのLVCを約10人に1人の患者が年1回以上受けており、その提供は一部の医師に集中していたという。
LVCとは、特定の臨床状況において、科学的根拠が乏しく、患者にとって有益性がほとんどない、あるいは害を及ぼす可能性のある医療行為を指す。過剰診断・過剰治療につながりやすく、医療資源の浪費や有害事象のリスク増加の原因にもなる。本研究で分析されたLVCは既存のガイドラインや先行研究を基に定義され、以下をはじめ10種類が含まれた。
●急性上気道炎に対する去痰薬、抗菌薬、コデインの処方
●腰痛に対するプレガバリン処方
●腰痛に対する注射