リハビリテーション科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

フローテーションRESTは慢性疼痛の緩和に有効?

 フローティング・タンクは慢性疼痛を緩和する手段には向かないようだ。ハノーバー医科大学(ドイツ)神経放射線学研究所のJorge Manuel氏らが、約100人の慢性疼痛患者を対象にフローテーション環境刺激制限療法(flotation restricted environmental stimulation therapy、以下、フローテーションREST)の疼痛軽減効果を検証する臨床試験を実施したところ、少なくともその長期的な効果に関しては期待外れの結果が示された。この臨床試験の結果は、「JAMA Network Open」に5月14日発表された。  フローテーションRESTとは、音や光が遮られたタンクの中で、皮膚温に温められた塩水に浮かぶというセラピーだ。もともとは、リラクゼーションやストレス軽減、睡眠の質の向上などを目的としたものだが、即時あるいは長期的な痛みの緩和効果も期待されていた。しかし、その効果が信頼性の高い方法で検証されたことはこれまでなかった。

緊急事態宣言で低下した身体活動量は宣言解除後も回復していない

 人々の身体活動が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに伴う緊急事態宣言によって減少し、宣言解除後も以前のレベルにまで回復していない実態が報告された。鹿児島大学医学部保健学科の牧迫飛雄馬氏らが、昨春の国内パンデミック第一波前後の変化を調べた研究結果であり、「International Journal of Environmental Research and Public Health」に4月30日、論文が掲載された。  COVID-19のパンデミックとそれに伴う緊急事態宣言によって、人々の身体活動が減少したとするデータが多く報告されている。しかし、緊急事態宣言解除後に人々の身体活動がどの程度回復したのかについては、あまり調査が行われていない。

布製マスクを着用時はトレーニング負荷を少し低めに

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックで、ユニバーサルマスク(全ての人がマスクをすること)が推奨されるようになり、呼吸が荒くなることの多い運動トレーニング中でもマスク着用が求められる。こうした中、布製マスクを着用すると、運動パフォーマンスがやや低下する可能性のあることが分かった。研究者らは、布製マスク着用時のトレーニングでは、負荷量を加減することを推奨している。  これまでに、サージカルマスク(着用者の飛沫拡散抑制が主目的の手術用マスク)着用によるトレーニングへの影響に関しては、いくつかの報告があるが、布製マスクの影響を評価した研究はほとんどない。今回、米Baylor Scott & White運動療法研究所のSimon Driver氏らは、布製マスク着用の影響を検討し、その結果が「British Journal of Sports Medicine」に4月13日掲載された。

高齢の急性心不全入院患者、漸進的リハ併用で身体機能が改善/NEJM

 急性非代償性心不全で入院した高齢の多様な患者集団において、通常治療に加え、4つの身体機能領域を含む、早期の段階的で個別化された漸進的リハビリテーションを併用すると、通常治療単独と比較して、身体機能の改善効果が促進されるが、再入院や死亡の抑制効果には差はないことが、米国・Wake Forest School of MedicineのDalane W. Kitzman氏らが実施した「REHAB-HF試験」で示された。NEJM誌オンライン版2021年5月16日号掲載の報告。

脳卒中後の上肢麻痺、“慢性期”でも回復の希望―リハビリの効果を底上げする神経刺激デバイス(解説:森本悟氏)-1399

脳卒中診療は、近年血栓溶解療法や血栓回収療法、あるいは急性期・回復期リハビリテーションの発達により、機能予後の改善は着実にみられている。しかしながら、それでもなお、麻痺等の後遺障害が残存、数ヵ月以上を経て症状が固定し、いわゆる慢性期というそれ以上回復の望みにくいステージへと移行していく。無論治療法がないわけではなく、脳卒中治療ガイドライン2015(追補2019対応)において、脳卒中後の上肢機能障害に対するリハビリテーションは、慢性期であっても麻痺の程度に応じて、麻痺側上肢の強制使用や、特定の動作の反復を伴った訓練、あるいは電気刺激の使用が、(上肢機能障害に対して)行うよう勧められている。

視神経脊髄炎治療薬イネビリズマブ発売/田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬株式会社は、「視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)[視神経脊髄炎を含む]の再発予防」を適応症として2021年3月23日に製造販売承認を取得した、ヒト化抗CD19モノクローナル抗体イネビリズマブ(商品名:ユプリズナ点滴静注100mg)が2021年5月19日に薬価収載されたことを受け、6月1日に販売を開始した。  NMOSDは、日本での有病率が10万人あたり2~4人と低く、重度の再発を繰り返し致命的となり得る中枢神経系の自己免疫疾患。身体の免疫システムが、健康な細胞(一般的には視神経、脊髄および脳)を攻撃し、再発や重篤な傷害をもたらす。

あのエクササイズゲームの治療効果は?

 任天堂のエクササイズゲーム『リングフィット アドベンチャー(RFA)』は、慢性腰痛患者における痛みの自己効力感を高め、痛みを軽減する可能性があることが、千葉大学のTakashi Sato氏らによって報告された。著者らは「痛みの自己効力感の改善を目的にした治療プロトコールの開発が望まれる」としている。本研究は、Games for Health Journal誌オンライン版2021年4月22日号に掲載された。  近年、エクササイズの治療効果に関する研究が増加しているが、慢性腰痛症に対するこれらのタイプの介入に関する研究は多くない。したがって本研究では、エクササイズゲーム RFAが慢性腰痛患者に有用であると仮定し、前向き無作為化縦断研究を実施した。

MSのB細胞を標的とする治療薬発売/ノバルティス ファーマ

 ノバルティス ファーマ株式会社は、多発性硬化症(以下「MS」)に対してわが国で初めてのB細胞を標的とする治療法であるオファツムマブ(商品名:ケシンプタ皮下注 20mgペン)を発売した。  MSは、ミエリンの損傷、脳、視神経および脊髄の機能障害を特徴とする中枢神経系の慢性炎症性疾患。わが国のMS患者数は約1万5千人とされ、年々増加している。また、発症のピークは20歳代で、女性に多い疾患。MSは、再発期と寛解期を繰り返す再発寛解型MS(RRMS)として経過し、半数は次第に再発の有無にかかわらず病状が進行する二次性進行型(SPMS)に移行する。進行期に移行すると日常生活に影響を及ぼす不可逆的な身体的障害が徐々にみられるようになる。

脳梗塞後の上肢運動機能障害、リハ+迷走神経刺激で改善/Lancet

 虚血性脳卒中後の長期にわたる中等度~重度の上肢運動機能障害の治療において、リハビリテーション療法との組み合わせによる迷走神経刺激療法(VNS)は偽(sham)刺激と比較して、Fugl-Meyer Assessment上肢運動項目(FMA-UE)で評価した上肢運動機能障害の改善効果が優れ、新たな治療選択肢となる可能性があることが、英国・グラスゴー大学のJesse Dawson氏らが実施した「VNS-REHAB試験」で示された。Lancet誌2021年4月24日号掲載の報告。  本研究は、英国と米国の19の脳卒中リハビリテーション施設が参加した三重盲検擬似的処置(sham)対照比較試験であり、2017年10月~2019年9月の期間に参加者の無作為化が行われた(米国MicroTransponderの助成による)。

東京五輪での医師ボランティア募集、8割が否定的/会員アンケート結果

 コロナ禍で医療崩壊が叫ばれ東京オリンピック・パラリンピックの開催自体が危ぶまれる中、同競技大会組織委員会が日本スポーツ協会公認のスポーツドクターからボランティア約200人を募集していたことが明らかとなった(募集は5月14日で締切、応募総数は393人)。この募集に対して、当事者となる医師たちはどのような心境だろうかー。  本アンケートは、スポーツドクターの有資格者が多い診療科(整形外科、救急科、リハビリテーション科)かつ競技会場となる9都道県(北海道、宮城県、福島県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県)在住のケアネット会員医師を対象に実施[5月7日(金)~12日(水)]。ボランティアへの応募意向をはじめ、参加時に心配な点や募集に対して感じたことなどを伺った。