リハビリテーション科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

認知症患者の家族介護者の就労状況が明らかに―厚労省調査データの解析

 認知症患者を家族内で介護している人の就労実態が明らかになった。現役世代に該当する65歳以下の介護者のうち、有給の仕事に就いている人は6割に満たなかった。獨協医科大学精神神経医学講座の菅原典夫氏らの研究によるもので、「PLOS ONE」5月29日オンライン版に掲載された。  国内では、認知症の増加と就労人口の減少が同時に進行している。これに世帯人数の減少傾向も加わり、就労を続けながら家族内介護を担う人が増加しているが、その詳しい実態は明らかでない。菅原氏らは、2013年に厚生労働省が行った介護や健康状態に関する全国調査のデータから、認知症患者を家族内で介護しており、介護者の年齢が65歳以下であった452世帯を抽出。介護者の就労状況を調べるとともに、就労に関連する因子を検討した。

セルメチニブが希少疾病用医薬品に指定/アストラゼネカ

 アストラゼネカ株式会社は、セルメチニブ硫酸塩(以下「セルメチニブ」という)が希少遺伝性疾患の神経線維腫症1型(以下「NF1」という)の治療薬として、わが国で希少疾病用医薬品指定*を取得したと発表した。  NF1は3,000~4,000人に1人が罹患する遺伝性疾患。NF1遺伝子の自発的あるいは遺伝的変異により発症し、皮膚あるいは皮下の柔らかい塊(皮膚の神経線維腫)、皮膚色素沈着(カフェ・オ・レ斑)、および患者の30~50%にみられる叢状神経線維腫(以下「PN」という)を含む多くの症状を伴う。これらのPNは、外見の変化、運動機能障害、疼痛、気道機能不全、視覚障害、腸や膀胱の機能不全および変形などの病的状態を引き起こす可能性がある。PNは幼児期に始まり、重症度は多岐にわたる。また、この疾患により、平均余命が8~15年短縮する可能性もある。

多発性硬化症治療に新しい治療薬登場/ノバルティスファーマ

 ノバルティス ファーマ株式会社は、6月29日、二次性進行型多発性硬化症(以下「SPMS」という)に対して有効性を証明した初めての1日1回経口の多発性硬化症治療薬シポニモド フマル酸(商品名:メーゼント)の製造販売承認を取得した。  多発性硬化症(以下「MS」という)は、中枢神経(脳・脊髄・視神経)のミエリンが破壊され軸索がむき出しになる「脱髄」と呼ばれる病変が多発し、視力障害、運動障害、感覚障害、言語障害など多様な症状があらわれる疾患。わが国のMS患者は、約1万5千人と推定され、年々増加している。発症のピークは20歳代で、女性に多いのが特徴。発症後に再発期と寛解期を繰り返す再発寛解型MS(以下「RRMS」という)として経過し、半数は次第に再発の有無にかかわらず病状が進行するSPMSに移行する。進行期に移行すると日常生活に影響をおよぼす不可逆的な身体的障害が徐々にみられ、主に歩行障害で車いす生活を余儀なくされる場合もある。また、認知機能障害が進み、社会生活に影響をもたらすこともある。

開発中の遅発型ポンペ病治療薬の有効性/サノフィ

 サノフィ株式会社は、6月16日、酵素補充療法剤として現在開発中のavalglucosidase alfaが、遅発型ポンペ病の患者の臨床症状(呼吸障害と運動性の低下)に対し臨床上意義ある改善をもたらしたと報告した。  ポンペ病は、ライソゾーム酵素の1つである酸性α-グリコシダーゼ(GAA)の遺伝子欠損または活性低下が原因で生じる疾患。グリコーゲンが近位筋肉や横隔膜をはじめとする筋肉内に蓄積し、進行性の不可逆的な筋疾患が生じる。世界の患者数は約5万人と推定され、乳児期から成人後期のいずれの時期にも発症する可能性がある。

フレイルの健診に有用なテキスト公開/国立長寿医療研究センター

 2020年6月、健康長寿教室テキスト第2版が国立長寿医療研究センターの老年学・社会科学研究センターのホームページ上に公開された。これは同施設のフレイル予防医学研究室が手掛けたもので、2014年に初版が発刊、6年ぶりの改訂となる。  本テキストは介護予防に役立てるためのパンフレットで、フレイル、サルコペニア、ロコモティブシンドローム(通称:ロコモ)に関する基本的概念に加え、実践編として「お口の体操」「運動」「フレイルや低栄養を予防するための食事の工夫やレシピ」などが掲載されている。このほかにも、最新の話題として、新型コロナなどによる外出制限時の対応について紹介されている。なお、無料でダウンロードして使えるため、後期高齢者健康診査(いわゆるフレイルの健診)、スタッフ研修、敬老会の資料としても有用である。

脊髄性筋萎縮症治療に新しい治療薬登場/ノバルティス ファーマ

 5月13日、中央社会保険医療協議会は、オンラインで総会を開催し、脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する遺伝子治療用製品としてノバルティス ファーマ株式会社が3月19日に製造販売承認取得したオナセムノゲン アベパルボベク(商品名:ゾルゲンスマ点滴静注)の薬価につき1億6,707万7,222円とすることを了承した。薬価収載は5月20日に行われ、同日に発売された。  ゾルゲンスマは、SMAの根本原因である遺伝子の機能欠損を補う遺伝子補充療法で、1回の点滴静注で治療が完了する。

10分未満の中高強度身体活動の蓄積でも要介護リスクが低下

 運動を含む身体活動にはさまざまな疾患の予防・改善効果があり、実際に公的機関の健康政策や多くの疾患治療ガイドラインで運動療法が推奨されている。それらの推奨では、1回の身体活動の継続時間を重要視していることが多い。例えば2019年にWHOが策定した認知症予防ガイドラインには、「少なくとも10分以上の長さで有酸素運動を行う」と述べられている。しかし、日常生活の中で運動のために10分以上の連続した時間を確保するのが難しいことも少なくない。

ラジオ体操で筋肉量が維持される-糖尿病患者で実証

 高強度の筋力トレーニングではなく、ラジオ体操でも糖尿病患者の筋肉量維持に有効とする報告が「BMJ Open Diabetes Research & Care」2月24日オンライン版に掲載された。2週間の入院中にラジオ体操をしなかった人は除脂肪体重(筋肉や骨の量を表す指標)が低下したのに対し、1日2回ラジオ体操をした人は除脂肪体重が減らず、上肢や体幹の筋肉量の増加傾向も認められたという。  京都府立医科大学大学院医学研究科内分泌・代謝内科学の岡村拓郎氏、橋本善隆氏らの研究グループは、同大学附属病院の糖尿病教育入院患者42人のうち15人に対し、朝食前と夕食後の1日2回、ベッドサイドでのラジオ体操を指示。入院中(14日間)の体重と体組成の変化を後ろ向きに検討した。

“本物の手”のようなロボット義手を実現

 切断した腕に残された神経から発せられる信号を、自身の筋肉の組織を利用して増幅させることで、ロボット義手を直感的にコントロールできる技術を開発したと、米ミシガン大学アナーバー校医用生体工学科准教授のCynthia Chestek氏らが「Science Translational Medicine」3月4日オンライン版に発表した。この技術により、ロボット義手を装着した人は指を動かそうと考えるだけで、従来の義手と比べて、より複雑な作業を直感的に行えるようになるという。

自転車通勤は負傷リスクを上げるか?/BMJ

 自転車通勤は、公共交通機関や自動車による通勤と比較して、がんの診断や心血管イベント、死亡が少ない一方で、負傷で入院するリスクが高く、とくに輸送関連事故による負傷リスクが高いことが、英国・グラスゴー大学のClaire Welsh氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2020年3月11日号に掲載された。英国では、自転車通勤は傷病への罹患や死亡のリスクが低いとされてきた。また、国民の自転車通勤への理解の主な障壁は、主観的および客観的な交通の危険性だが、これまでに得られた自転車と負傷に関するエビデンスの質は高くないという。