精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:442

統合失調症患者における持効性注射剤:80文献レビュー

 非定型抗精神病薬の持効性注射剤(LAI)は、統合失調症患者の寛解率や予後に好影響を与えることが期待されている。現在のガイドラインにおいて、抗精神病薬の使用に関する経口およびLAIに対する明確な基準が示唆されている。Rossi氏らはLAIの治療を受けた統合失調症患者における人口統計学的・臨床的特徴の典型的なプロファイルを明らかにするため、非ランダム化研究の分析による系統的レビューを行った。BMC Psychiatry誌オンライン版2012年8月21日号の報告。

〔CLEAR! ジャーナル四天王(16)〕 早期介入の効果:真実は中庸にあり

 初期認知症の患者に対する社会心理的介入は大変有意義であり、社会的にも注目されている。この報告を見て、なんだか釈然としない結果だな、認知症なら「認知機能の回復」をアウトカムにしてガツンと結果が出ないのか…と思われる方も多いかと思う。しかし専門外来をしている者としては、現時点では認知機能の回復では有意な結果はおそらく出ないため、本論文は臨床的には妥当な結果であると考える。

自殺予防に期待!知っておきたいメンタルヘルスプログラム

 近年、医療サービス統合への重要度が増している。そのような中、プライマリケア医による自殺予防への関わりも重要になっている。こころとからだの質問票(PHQ-9)は、プライマリケアに基づくメンタルヘルスプログラムであり、患者の特徴、管理およびうつ病アウトカムを評価することが可能であると言われている。ワシントン大学 Bauer氏らは患者レジストリーから得られたデータの観察分析を行い、PHQ-9の有用性を検証した。J Gen Intern Med誌オンライン版2012年8月31日号の報告。

治療抵抗性統合失調症へのクロザピン投与「3つのポイント」

 統合失調症治療薬クロザピンは治療抵抗性を示す患者に対して有用であるものの、安全性の観点から使用が制限されている。では、クロザピンはどのような患者に対し、とくに有効なのだろうか? Nielsen氏らは、過去のクロザピン使用症例データをもとに反応予測因子を解析した結果、3つの要因を導き出した。J Clin Psychopharmacol誌2012年10月号の報告。

精神的苦痛で死亡リスクが20%上昇、重症例では約2倍に

 うつ、不安などの精神的苦痛が重症化するほど死亡リスクが増大し、通常は治療の対象とはならない軽度の精神的苦痛でも、がん死以外の死亡リスクが有意に上昇することが、英国・Murray Royal病院のTom C Russ氏らの検討で明らかとなった。精神的な苦痛として一般的に取り上げられることが多いうつや不安が、さまざまな原因による死亡と関連することを示唆するエビデンスがある。しかし、これまでに行われた試験は、リスクの閾値を確定するには統計学的に十分な検出力がなく、信頼性は低いという。BMJ誌2012年8月25日号(オンライン版2012年7月31日号)掲載の報告。

うつ病補助療法に有効なのは?「EPA vs DHA」

 近年、うつ病に対するn-3系多価不飽和脂肪酸(n-3系脂肪酸)の影響に関するさまざまな報告が行われている。しかし、n-3系脂肪酸の中でもEPA(イコサペント酸エチル)またはDHA(ドコサヘキサエン酸エチル)がどのような影響を及ぼすかは不明なままである。イランのMozaffari-Khosravi氏らは、軽度から中等度のうつ病患者に対する補助薬物療法としてn-3系脂肪酸の投与が有用であるかを検討するため、EPAとDHAの有用性を比較する単施設ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験を実施した。Eur Neuropsychopharmacol誌オンライン版2012年8月18日号の報告。

難治性の強迫性障害治療「アリピプラゾール併用療法」

 強迫性障害(OCD)は強迫観念や強迫行為を主訴とする原因不明の精神疾患であり、有病率は約2%といわれている。治療においてはSSRIを用いた薬物療法が有効であるが、治療抵抗性を示す症例も存在する。Sayyah氏らは、このような治療抵抗性OCDに対する治療選択肢としてアリピプラゾールの追加投与が有効であるかを、二重盲検ランダム化臨床試験にて検討した。Depress Anxiety誌オンライン版2012年8月29日号の報告。

急性期の新たな治療選択となりうるか?非定型抗精神病薬ルラシドン

 現在、国内でも開発が進められている非定型抗精神病薬 ルラシドン。本剤の統合失調症の急性増悪期に対する有効性および安全性を評価した試験結果がPsychopharmacology (Berl)誌オンライン版2012年8月19日号で発表された。大日本住友製薬 小笠氏らは「ルラシドンは統合失調症の急性増悪期に有効であり、体重や脂質代謝への影響も少ない」と報告した。

エビリファイ、うつ病・うつ状態の補助療法の効能申請

 大塚製薬株式会社は3日、抗精神病薬「エビリファイ」 (一般名:アリピプラゾール)に関し、大うつ病性障害患者を対象にアリピプラゾール補助療法の臨床試験を日本で実施し、有効性及び安全性が確認されたことから、日本で初めてうつ病・うつ状態の補助療法に対する効能追加の承認申請を行ったと発表した。