精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:268

アルコール依存症患者における不眠症に関するメタ解析

 アルコール依存症患者における不眠症の有病率は、36~91%であり、アルコール離脱後も持続する可能性がある。禁酒患者の不眠症を、アカンプロサートが減少させることが示唆されている。フランス・モンペリエ大学のPascal Perney氏らは、アカンプロサートは実際に不眠症を軽減させるのか、そしてその作用機序をより理解するため、大規模臨床試験データベースを用いて有効性の評価を行った。Alcohol and alcoholism誌オンライン版2018年3月30日号の報告。

全身麻酔と認知症リスクに関するコホート研究

 全身麻酔が認知症リスクを増加させる可能性があることについて、関心が高まっている。しかし、麻酔とその後の認知症との関連については、まだよくわかっていない。韓国・翰林大学校のClara Tammy Kim氏らは、全身麻酔実施後に認知症リスクが増加するかについて検討を行った。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2018年3月29日号の報告。

慢性不眠症患者におけるバイオレットオイルの有効性に関するランダム化二重盲検プラセボ対照試験

 バイオレットオイルは、昔ながらのイランの診療所において、不眠症を治療するため広く用いられてきた古典的なハーブ薬である。バイオレットオイルは、アーモンドまたはゴマ油をベースとするニオイスミレ(Viola odorata)の抽出物であり、点鼻薬として用いられる。イラン・マシュハド医科大学のZohre Feyzabadi氏らは、不眠症治療におけるバイオレットオイルの有効性を評価するため、検討を行った。Journal of ethnopharmacology誌2018年3月25日号の報告。

1型糖尿病患者、うつ病が認知症リスクに

 1型糖尿病(T1D)患者の14%がうつ病である。うつ病は認知症の強力な危険因子であるが、近年、認知症リスクのある年齢まで生きるようになったT1D患者に、それが当てはまるかどうかは不明である。今回、米国・Kaiser Permanente Division of ResearchのPaola Gilsanz氏らの調査により、高齢のT1D患者において、うつ病が認知症リスクを有意に増加させることが示された。Aging & mental health誌オンライン版2018年4月10日号に掲載。

自閉スペクトラム症とADHDを有する小児における不安障害と気分障害

 自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如多動症(ADHD)は、頻繁に併発する。ASDとADHDを併発する小児のエンドフェノタイプを理解することは、臨床的な管理に影響を及ぼす可能性がある。米国・ジョンズ・ホプキンズ大学のEliza Gordon-Lipkin氏らは、ASD児の不安障害や気分障害の併発について、ADHDの有無別に比較を行った。Pediatrics誌4月号の報告。

抗精神病薬誘発性遅発性ジスキネジアのためのコリン作動薬

 遅発性ジスキネジア(TD)は、従来型の抗精神病薬による薬物療法における副作用である。TDは、中枢のコリン作動性欠損によるものであるといわれており、TDの治療には、コリン作動薬が使用される。フィンランド・Helsinki City HospitalのIrina Tammenmaa-Aho氏らは、統合失調症または他の慢性的な精神疾患患者における抗精神病薬誘発性TD治療のためのコリン作動薬の効果について検討を行った。The Cochrane database of systematic reviews誌オンライン版2018年3月19日号の報告。

ジェネリック希少の医薬品、米国で価格高騰/BMJ

 米国において特許期限切れだがジェネリック承認薬がない処方薬のうち、半数超は米国外で少なくとも1社が承認を受けており、半数弱は4社以上が承認製造していた。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のRavi Gupta氏らが、1939~2017年に米国食品医薬品局(FDA)で承認を受け、その後特許期限が切れた薬剤などを対象に行った観察試験で明らかにしたもので、BMJ誌2018年3月19日号で発表した。米国では、特許期限の切れた処方薬の一部が、競合会社が少ないために急激に価格が高騰し、入手が困難になるといった問題が生じている。今回の結果を受けて著者は、「それらの処方薬について、米国外からの輸入販売規制などを緩和化することで、適正な市場競争が促され、価格低下や患者への安定的な供給につながるだろう」とまとめている。