精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:242

子供における肥満とうつ病に関するメタ解析

 14歳までに診断可能な精神疾患は全症例の半数に上るにもかかわらず、小児期の精神疾患は、医療従事者および両親にあまり認識されていない。世界的には、10~19歳において、うつ病は疾患負荷の主な原因となっている。うつ病を未治療のままにすると、学業不振、社会機能の低下、薬物乱用、成人期の再発性うつ病、自殺リスクの増加を引き起こす可能性が高まる。その結果として生じる治療費のために、国民健康保険が負担する費用は20億ポンドを超えると推定されており、うつ病の社会的および経済的影響は、かなり大きいと考えられる。

強迫症治療に関する国際的な展望

 強迫症(OCD)治療に用いられる向精神薬、心理療法、新規治療法に関する国際的な傾向について、オーストラリア・シドニー大学のVlasios Brakoulias氏らが、調査を行った。Human Psychopharmacology誌オンライン版2019年1月10日号の報告。  OCD分野の研究者らにより、サンプル特性に関する要約統計量(Summary Statistics)が収集された。各国間の要約統計量の一貫性を評価した。

不安や睡眠の質と飲酒との関係

 睡眠不足の人は、睡眠の質を高めるために不安を和らげようとするが、毎日の飲酒が不安や睡眠障害を緩和する要因であるかはよくわかっていない。台湾・輔仁大学のKe-Hsin Chueh氏らは、不安と睡眠の質との関連および毎日の飲酒が、睡眠不足の人の不安や睡眠の質に対し調整因子として働くかについて、検討を行った。The Journal of Nursing Research誌オンライン版2018年11月28日号の報告。  台湾北部で睡眠不足(ピッツバーグ睡眠質問票:5超)を報告した20~80歳の84例を対象に、横断研究を行った。

円形脱毛症とうつ病、相互にリスク因子

 円形脱毛症(AA)の罹病は、後にうつ病を発症するリスクがある一方で、大うつ病性障害(うつ病、MDD)の罹病も後のAA発症の有意なリスク因子であることが、カナダ・カルガリー大学のIsabelle A. Vallerand氏らによって明らかになった。MDDのAA発症リスクに関しては、抗うつ薬使用が交絡因子であること(予防効果を確認)も示されたという。AAは脱毛の自己免疫疾患であり、患者にMDDなどの大きな精神的負担を強いる。一方で、多くの患者はAAを発症する前にメンタルヘルス症状を訴えることから、MDDとAA双方の関連が示唆されている。JAMA Dermatology誌オンライン版2019年1月16日号掲載の報告。

軽度アルツハイマー病に対するコリンエステラーゼ阻害薬のベネフィット

 アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI-AD)および軽度のアルツハイマー型認知症(ADdem)に対するコリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)の認知機能アウトカムについて、米国・セントルイス・ワシントン大学のJee-Young Han氏らが検討を行った。Alzheimer Disease and Associated Disorders誌オンライン版2019年1月10日号の報告。  対象は、MCI-AD(臨床認知症評価法[CDR]:0または0.5)もしくは軽度ADdem(CDR:0.5または1)と臨床的に診断された2,242例。患者データは、National Alzheimer's Coordinating Center(NACC)の統一データセット(Uniform Data Set)より抽出した。

治療抵抗性強迫症に対する増強治療に関するメタ解析

 治療抵抗性強迫症(OCD)の治療では、セロトニン再取り込み阻害薬の増強療法のためにさまざまな薬剤について研究が行われてきた。中国・重慶医科大学のDong-Dong Zhou氏らは、治療抵抗性OCD成人患者における異なる増強療法の包括的な比較を行った。Progress in Neuro-psychopharmacology & Biological Psychiatry誌2019年3月2日号の報告。

メマンチンと抑肝散との薬物相互作用に関する基礎研究

 アルツハイマー病の治療においては、コリンエステラーゼ阻害薬やメマンチン(MEM)、または抑肝散(YKS)などの認知症患者の行動と心理症(BPSD)治療に用いられる伝統的な漢方薬が使用される。株式会社ツムラのTakashi Matsumoto氏らは、MEMとYKSとの薬物相互作用(DDI)を明らかにするための研究の一環として、いくつかの基礎的な薬物動態学的および薬理学的研究を実施した。Molecules誌2018年12月29日号の報告。

境界性パーソナリティ障害の長期臨床経過に関するメタ解析

 スペイン・バルセロナ大学のIrene Alvarez-Tomas氏らは、成人臨床患者における境界性パーソナリティ障害(BPD)の長期臨床経過に関するプロスペクティブ研究の初めてのメタ解析を実施した。European Psychiatry誌オンライン版2018年12月23日号の報告。  1990~2017年の報告をMedline、PsycINFO、PsycArticles、PubMed、Scopusよりシステマティックに検索した。包括基準は、検証済みの半構造化面接によってBPDと診断された成人患者が対象、アウトカムのプロスペクティブ評価が2つ以上、フォローアップ期間が5年以上とした。エビデンスの質は、SAQOR(Systematic Assessment of Quality in Observational Research)を用いて評価した。BPD診断から寛解、自殺完遂、うつ症状、機能の4つのアウトカムについて、混合効果法を用いてメタ解析を行った。自然経過および初回治療に関する潜在的な調整因子を検討した。

日本におけるスボレキサントの市販後調査結果

 MSD株式会社の浅井 有子氏らは、スボレキサント錠剤の日本における市販後調査結果の報告を行った。Drugs in R&D誌オンライン版2018年12月14日号の報告。  対象は、日本におけるスボレキサント初回投与の不眠症患者。観察期間は、投与開始後6ヵ月以内とした。医薬品の有効性および安全性に関する情報を収集した。評価期間は、2015年7月21日~2017年8月12日までとした。目標患者数は、3,428例であった。