精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:224

スタチン治療とうつ病リスク

 スタチン治療によるうつ病発症リスクへの影響は、よくわかっていない。デンマーク・オーフス大学のOle Kohler-Forsberg氏らは、20年間のフォローアップを行ったコホート研究におけるスタチン治療とうつ病との関連を評価した。Journal of Affective Disorders誌2019年3月1日号の報告。  1920~83年に生まれたデンマーク人を対象に、1996~2013年のスタチン治療患者(スタチン群)を特定した。いくつかの潜在的な交絡因子を考慮し、年齢、性別、傾向スコアに基づきスタチン群に非スタチン群をマッチさせた。

中年期の食事内容は認知症リスクと関連するか/JAMA

 中年期の食事内容とその後の認知症発症リスクに、関連は認められないことが示された。フランス・モンペリエ大学のTasnime N. Akbaraly氏らが、8,000例超を中央値25年間追跡した結果で、JAMA誌2019年3月12日号で発表された。これまでに、食事内容と認知機能との関連が観察試験で示されているものの、その多くは認知症の前臨床期を考慮するには追跡期間が不十分で、エビデンスが確認された介入試験はない。  研究グループは、1985~88年に住民ベースコホート試験を開始し、1991~93年、1997~99年、2002~04年に食事摂取内容に関する評価を行い、2017年3月まで追跡して認知症発症との関連を調べた。

日本人うつ病に対するω3脂肪酸と心理学的介入

 勤労者における軽度~中等度のうつ病に対し、心理教育とω3多価不飽和脂肪酸(PUFA)の併用療法が有用であるかについて、長崎大学の田山 淳氏らが検討を行った。Journal of Affective Disorders誌2019年2月15日号の報告。  二重盲検並行群間ランダム化比較試験として実施した。対象患者は、ω3脂肪酸を投与する介入群またはプラセボを投与する対照群に割り付けられた。介入群には、15×300mgカプセル/日を12週間投与した。ω3PUFAの1日の総投与量は、ドコサヘキサエン酸(DHA)500mg、エイコサペンタエン酸(EPA)1,000mgであった。治療後のうつ病重症度評価には、ベック抑うつ質問票(BDI-II)を用いた。

初回エピソード統合失調症患者における長時間作用型パリペリドンパルミチン酸の有効性と忍容性

 クロアチア・Clinical Hospital Centre RijekaのDaniela Petric氏らは、思春期の初回エピソード統合失調症患者に対する長時間作用型パリペリドンパルミチン酸の有効性および忍容性について、経口抗精神病薬リスペリドンとの比較検討を行った。Journal of Child and Adolescent Psychopharmacology誌オンライン版2019年2月13日号の報告。  思春期の初回エピソード統合失調症患者を対象に、治療開始12ヵ月間におけるパリペリドンとリスペリドンの有効性および忍容性を比較するため、レトロスペクティブ研究が実施された。データには、一般的な人口統計学的特徴、入院回数、副作用および陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、個人的・社会的機能遂行度尺度(PSP)、臨床全般印象度(CGI-I、CGI-S)、治療満足度アンケート(TSQM)の結果を含めた。

閉経後のホルモン補充療法でアルツハイマー症リスク増加か/BMJ

 閉経後女性への全身ホルモン補充療法では、エストロゲンと併用する黄体ホルモン製剤の種類や開始年齢にかかわらず、長期の投与によりアルツハイマー病のリスクが増大する可能性が、フィンランド・ヘルシンキ大学のHanna Savolainen-Peltonen氏らの検討で示された。ただし、膣内エストラジオール療法ではこのようなリスク上昇はなかった。研究の成果は、BMJ誌2019年3月6日号に掲載された。いくつかの観察研究により、ホルモン補充療法はアルツハイマー病のリスクに対し防御的な作用を有する可能性が示唆されているが、この知見はプラセボを対照とするWomen's Health Initiative Memory Study(WHIMS)では支持されていない。WHIMSでは実臨床とは異なり、ホルモン補充療法は65歳以上で開始されていることから、エストロゲンが神経保護的に働くのは、閉経が始まってすぐの時期に投与が開始された場合に限られるとの仮説が提唱されていた。

アトピー性皮膚炎、睡眠の質に影響

 睡眠の時間と質は全年代の健康に関するトピックの1つである。しかし、アトピー性皮膚炎(AD)の特徴であるそう痒は、睡眠を妨害すると考えられているものの詳細は知られていない。米国・カリフォルニア大学のFaustine D. Ramirez氏らは、英国の出生コホートを用いた縦断研究において、ADと睡眠の質の低下が小児期から関連していることを明らかにした。この結果を踏まえて著者は、「医師はすべての小児AD、とくに喘息またはアレルギー性鼻炎を併存している症例や重症例については、睡眠の質を考慮すべきであり、それを改善するための介入が必要である」とまとめている。JAMA Pediatrics誌オンライン版2019年3月4日号掲載の報告。

スコットランドにおける双極性障害に対する処方変化

 双極性障害患者は、一般的にうつや躁状態を予防するために、長期の薬理学的治療が必要とされる。しかし、エビデンスに基づくガイドラインは、しばしば従われておらず、一部の国では、リチウムの処方量は減少している。また、多剤併用も双極性障害の治療において一般的に認められる。英国・グラスゴー大学のLaura M. Lyall氏らは、2009~16年のスコットランドにおける双極性障害治療のための処方パターンについて、データリンケージアプローチを用いて評価した。The British Journal of Psychiatry誌オンライン版2019年2月28日号の報告。

せん妄のマネジメントと予防のための薬理学的介入~メタ解析

 せん妄に対する薬理学的介入については、さまざまな調査が行われているが、全体的なベネフィットや安全性はよくわかっていない。台湾・林口長庚紀念医院のYi-Cheng Wu氏らは、せん妄の治療および予防に対する薬理学的介入に関するエビデンスの評価を行った。JAMA Psychiatry誌オンライン版2019年2月27日号の報告。  せん妄の治療および予防に対する薬理学的介入を検討した、2018年5月17日までのランダム化臨床試験(RCT)を、各種データベース(PubMed、Embase、ProQuest、ScienceDirect、Cochrane Central、Web of Science、ClinicalKey、ClinicalTrials.gov)より検索した。事前リストに従いデータを抽出した。PRISMA(システマティックレビューおよびメタ解析のための優先的報告項目)ガイドラインを適用し、すべてのメタ解析は、ランダム効果モデルを用いて行った。主要アウトカムは、せん妄患者の治療反応およびせん妄リスクのある患者におけるせん妄発生率とした。

気候変動と認知症入院リスクとの関連

 人間が引き起こす気候変動がここ数十年で加速しており、健康への悪影響が懸念されている。しかし、高齢者の神経疾患に対する気候変動の影響は、まだよくわかっていない。米国・ハーバード公衆衛生大学院のYaguang Wei氏らは、ニューイングランドにおける認知症の入院と夏季、冬季の平均気温および気温変動との関連について検討を行った。Environment International誌オンライン版2019年2月26日号の報告。

加齢で脆くなる運動器、血管の抗加齢

 2月18日、日本抗加齢医学会(理事長:堀江 重郎)はメディアセミナーを都内で開催した。今回で4回目を迎える本セミナーでは、泌尿器、内分泌、運動器、脳血管の領域から抗加齢の研究者が登壇し、最新の知見を解説した。  「知っておきたい運動器にかかわる抗加齢王道のポイント」をテーマに運動器について、石橋 英明氏(伊奈病院整形外科)が説明を行った。  厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2016)によると、65歳以上の高齢者で介護が必要となる原因は、骨折・転倒によるものが約12%、また全体で関節疾患も含めると約5分の1が運動器疾患に関係するという。