精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:191

認知症診療医の8割強が「ケアマネとの連携は集患に有用」と認識

 高齢化の進展に比例し、認知症患者の増加は必至。潜在化したまま医療に繋がっていない患者予備軍をどう見つけ出し、早期発見・治療に結び付けるのか―。そのカギを握るのは、医療介護連携であろう。国が提唱する「地域包括ケアシステム」においても、両者連携の下、認知症治療のみならず、予防や生活支援に取り組む構想が示されている。では、実際のところ医師とケアマネジャーの連携は進んでいるのだろうか。  今回、認知症診療に当たっているCareNet.com会員医師とケアマネジャーを対象に行ったアンケート調査の結果、連携できていると考える医師は4割、ケアマネジャーは3割にとどまり、多くの医療現場で協同関係に至っていない実態が浮き彫りとなった。ただし、連携が進んでいる医師の8割が「集患に役立つ」と回答しており、ケアマネジャーとの連携がメリットとなっている側面は注目すべきだろう。

長時間作用型注射剤と経口の抗精神病薬との比較

 治療継続やアドヒアランスは、精神疾患の有効なアウトカムと関連する。精神疾患患者の治療継続やアドヒアランスを改善するための最良の選択肢の1つとして、経口抗精神病薬よりも長時間作用型注射剤(LAI)が挙げられる。イタリア・ASL Pescara General HospitalのAlessia Romagnoli氏らは、抗精神病薬のアドヒアランス、治療継続、切り替えを評価し、実臨床におけるLAIと経口剤との比較を行った。Current Clinical Pharmacology誌オンライン版2020年3月9日号の報告。

術後せん妄予防に対するメラトニンの効果~メタ解析

 術後せん妄の予防に、メラトニンやその類似体が有効なのかは、よくわかっていない。中国・南方医科大学のYunyang Han氏らは、メラトニンやその類似体の術後せん妄に対する効果を評価するため、システマティックレビューとメタ解析を実施した。Journal of Pineal Research誌オンライン版2020年3月7日号の報告。  PubMed、Cochrane Library、Web of Science、Embase、CINAHLデータベースより検索を行った。主要アウトカムは、術後せん妄発生率とした。

著名人の自殺死報道は、自殺者数に関係するか /BMJ

 著名人の自殺死の報道は、一般人の総自殺者数の増加と関連し、自殺の方法が報道されると、同じ方法による自殺が3割増加することが、オーストリア・ウィーン医科大学のThomas Niederkrotenthaler氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2020年3月18日号に掲載された。各国の自殺予防戦略には、責任ある自殺報道のガイドラインが含まれるが、一部のジャーナリストや編集者はこれに納得していないとされる。この種のメディア報道は日常的に行われているにもかかわらず、一般人の自殺報道が自殺の発生に及ぼす影響に関する定量的な要約データはないという。

慢性期統合失調症における抗精神病薬の減量・中止と再発リスク~メタ解析

 慢性期統合失調症患者に対する高用量の抗精神病薬使用は、より重篤な副作用につながり、リカバリーを妨げる可能性がある。しかし、抗精神病薬の減量は精神症状の再発リスクを伴うため、減量による再発のリスク因子を特定することは臨床に役立つと考えられる。オランダ・Mental Health Services RivierduinenのJan P. A. M. Bogers氏らは、慢性期統合失調症における抗精神病薬の減量または中止と再発リスクに関するシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2020年3月2日号の報告。

認知症患者の身体的健康の改善に対する介入~メタレビュー

 ベルギー・University Psychiatric Center KU LeuvenのDavy Vancampfort氏らは、認知症患者の身体的健康を対象とした、薬理学的および非薬理学的介入についてのメタ解析を行った。Journal of the American Medical Directors Association誌オンライン版2020年2月18日号の報告。  検証済みの評価尺度で認知症と診断された患者を対象とした、システマティックレビューとメタ解析を実施した。2019年10月21日までの文献を、主要なデータベースより検索し、エフェクトサイズ(標準平均差[SMD]、Hedges g、リスク比[RR])の比較を行った。

双極性障害における強迫症の合併~メタ解析

 双極性障害(BD)患者では、強迫症(OCD)を併発することが多いといわれている。OCD併発のBD患者では、その症状やマネジメントが複雑化する。しかし、BD患者のOCD有病率は、明らかにはなっておらず、研究や最近のメタ解析により大きく異なっていた。ギリシャ・National and Kapodistrian University of AthensのPanagiotis Ferentinos氏らは、BDの横断的研究または生涯OCD有病率に関する研究のシステマティックレビューとメタ解析を実施。推定有病率の決定因子をメタ回帰により評価し、うつ病患者および一般集団との比較を行った。Journal of Affective Disorders誌2020年2月15日号の報告。  2019年1月までに公表された英語の関連文献を、PubMed、MEDLINEより検索した。有病率は、メタ解析前にFreeman-Tukey double arcsine transformationを用いて算出した。

日本人女性の出産前後の抗うつ薬処方

 東北大学の石川 智史氏らは、日本人女性における周産期の抗うつ薬処方率や処方パターンについて、調査を行った。Journal of Affective Disorders誌2020年3月1日号の報告。妊娠前180日~産後180日の抗うつ薬処方率を調査するため、大規模管理データベースを用いて評価した。妊娠開始日および出産日は、アルゴリズムを用いて推定した。主な結果は以下のとおり。 ・分析対象は、女性3万3,941人。 ・抗うつ薬が1剤以上処方されていた女性は、妊娠前180日~産後180日の期間で451人(133/1万分娩)、妊娠中では241人(71/1万分娩)であった。 ・抗うつ薬の処方率は、妊娠初期および中期に減少し、産後に増加した。 ・妊娠前に抗うつ薬を処方されていた339人中、妊娠中に抗うつ薬を中止した女性は151人(44.5%)であった。

不眠症や睡眠薬使用と交通事故~コホート研究

 不眠症や睡眠薬使用に関連する交通事故のリスクおよび、これらのリスク因子が性別や年齢によってどのような影響を受けるか、カナダ・ラヴァル大学のCharles M. Morin氏らが調査と検討を行った。Sleep誌オンライン版2020年2月29日号の報告。対象は、不眠症の有無を問わない3,413人の成人(平均年齢:49.0歳、女性の割合:61.5%)。対象者の睡眠パターン、睡眠薬の使用、交通事故について、5年間連続して毎年調査した。主な結果は以下のとおり。

MADRSとHAMDの新規抗うつ薬の有効性に関する比較~メタ解析

 ハミルトンうつ病評価尺度(HAMD)に基づく有効性の推定は、その貧弱な心理測定特性のために、抗うつ薬の真の治療効果を過小評価している可能性があるといわれている。スイス・Zurich University of Applied SciencesのMichael P. Hengartner氏らは、ゴールデンスタンダードであるMontgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)とHAMDに基づく有効性の推定値の比較を行った。PLOS ONE誌2020年2月26日号の報告。Ciprianiらから提供された急性期における抗うつ薬試験の包括的なデータセットを用いて、メタ解析を実施した。対象研究は、HAMD-17またはMADRSに基づき継続的にアウトカムを測定したプラセボ対照試験とした。