統合失調症と気分障害の入院患者における代謝障害の相違点
生活習慣病と密接に関連している心血管疾患は、精神疾患患者の主な死因の1つである。統合失調症と気分障害では、症状や治療薬が異なり、代謝障害にも違いがあると考えられる。国立国際医療研究センター 国府台病院の鵜重 順康氏らは、日本における統合失調症患者と気分障害患者の生活習慣病の違いについて調査を行った。Annals of General Psychiatry誌2020年9月22日号の報告。
本研究は、2015~17年に実施した横断的研究である。対象は、国立国際医療研究センター 国府台病院 精神科の日本人入院患者189例(統合失調症群:144例、気分障害群:45例)。対象患者の身体疾患、グルコースと脂質の代謝状態、推算糸球体濾過量(eGFR)、脳MRIを調査した。統合失調症群と気分障害群のデータを比較するため、共分散分析またはロジスティック回帰分析を用いた。対象患者と標準対照者の数値を比較するため、厚生労働省「国民健康・栄養調査報告2015」のデータを基準値として使用した。