腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:400

肺がんPET、肺感染症流行地では不適/JAMA

 18F-フルオロデオキシグルコース(FDG)PET検査による肺がんの診断は、肺感染症の流行を繰り返したり蔓延している地域(流行地)での使用は支持できないことが、米国・ヴァンダービルト大学医療センターのStephen A. Deppen氏らによるメタ解析の結果、明らかにされた。FDG-PETによる肺結節に対する診断精度は非常にばらついており、FDG-PET+CTによる悪性腫瘍の特定は、肺感染症流行地では同非流行地と比べて低いことが判明したという。FDG-PETは肺がん疑い症例への非侵襲的な診断手法として使用が推奨されているが、著者は、「今回のデータは、肺感染症流行地での使用は、診断精度が同程度にならない限り支持できないことを示すものであった」とまとめている。JAMA誌2014年9月24日号掲載の報告。

化療奏効の進展型SCLCへの胸部RTは有用/Lancet

 化学療法奏効の進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)患者に対し、胸部放射線療法を行うと、1年生存率は変わらないものの、2年生存率は有意に増大することが判明した。また6ヵ月の無増悪生存を達成した割合も、胸部放射線療法を行った群で高率だった。オランダ・VU大学医療センターのBen J. Slotman氏らが、498例の患者について行った第III相無作為化比較試験の結果、明らかにした。結果を踏まえて著者は、「化学療法が奏効したすべてのES-SCLC患者について、予防的全脳照射に加えて胸部放射線療法を考慮すべきである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年9月14日号掲載の報告より。

HPVスクリーニングに尿検査が有用/BMJ

 尿検査による子宮頸部ヒトパピローマウイルス(HPV)検出の精度は良好と思われ、初尿サンプルを用いるのがランダム尿や中間尿を用いるよりも正確であることが判明した。英国・ロンドン大学のNeha Pathak氏らがシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。細胞診検査による子宮頸部HPV検出は精度の高いスクリーニング法とされるが、侵襲的な検査のため現行スクリーニングプログラムの大きな障壁となっている。今回の結果を踏まえて著者は、「サブグループで子宮頸部細胞診検査が困難であるときは、受け入れ可能な選択肢として尿中HPV検出を検討すべきであろう」と述べている。BMJ誌オンライン版2014年9月16日号掲載の報告より。

がん疼痛緩和治療にステロイドがもたらすもの

 オピオイド治療中のがん患者で、その痛みに炎症が重要な役割を占めると考えられる場合、抗炎症効果を期待して、コルチコステロイドを用いることが多い。しかし、そのエビデンスは限られている。そこでノルウェー大学のOrnulf Paulsen氏らは、メチルプレドニゾロンの疼痛緩和効果の評価を行った。試験は、ステロイドの進行がん患者を対象とした疼痛緩和効果の評価としては初となる、多施設無作為二重盲検比較で行われた。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2014年7月7日号の掲載報告。

ASCOの妊孕性温存ガイドライン改訂

 妊孕性温存は、がんサバイバーのQOLにとって重要であり、がん治療に影響を及ぼす。この重要性を鑑み、2006年にASCOは委員会を招集しガイドラインを発行。その後の妊孕性温存の進歩に伴い、2013年に改訂が加えられた。2014年8月、横浜市で開催された日本癌治療学会学術集会にて、米国・ニューヨーク医科大学のKutluk H Oktay氏は「ASCO Guidelines for Fertility Preservation:2013 Updates」と題し、ASCOガイドラインの概要を紹介した。

片側性乳がんへの両側乳房切除術、全死亡率は低下せず/JAMA

 ステージ0~IIIの片側性乳がんに対する両側乳房切除術後の全死亡率は、放射線治療併用の乳房温存術実施後と同程度であることが明らかにされた。また片側乳房切除術の総死亡リスクは、前述のいずれの施行後よりも高く、放射線治療併用の乳房温存術と比べると約1.35倍増大することが示された。米国・スタンフォード大学のAllisonW. Kurian氏らが、片側性乳がんの診断を受けた約19万例について行った観察コホート試験の結果、報告した。最近の傾向では、片側性乳がんにおいて両側乳房切除の実施が増えている。しかし医学的および心理社会的な合併症を伴う可能性があることから、著者は今回の結果を踏まえて、「その実施とアウトカムについてよりよく理解することが、がん治療の至適化の基本となる」と指摘している。JAMA誌2014年9月3日号掲載の報告より。