腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:399

大腸内視鏡検診の是非と日本のがん検診(コメンテーター:勝俣 範之 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(143)より-

 大腸がん検診として、便潜血によるスクリーニング法は、確立されている。一方、内視鏡による検診として、S状結腸内視鏡検診は、5つのRCT(ランダム化比較試験)のメタアナリシスにより、大腸がんの罹患率、死亡率を減少させることの有効性が示されている1)。しかし、全大腸内視鏡の検診の有効性に関してはまだ証明されていないところである。

前立腺がん診断後のスタチン使用でがん死亡率は低下するか?

 これまでに、前立腺がん診断前のスタチン使用が前立腺がんの死亡率低下に関連するという報告がなされている。カナダ・ジューイッシュ総合病院のOriana Yu氏らは、前立腺がん診断後のスタチン使用が、がん関連死亡率および全死因死亡率の低下と関連するのか、さらにこの関連が診断前のスタチン使用により変化するのかを検討した。その結果、診断後のスタチン使用は前立腺がんによる死亡リスクの低下と関連し、この効果は診断前からスタチンを使用していた患者でより強いことを報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2013年11月4日号に掲載。

進行膵がんのnab-PTX+GEM療法、新たな標準治療のエビデンス/NEJM

 局所進行・転移性膵腺がんの1次治療において、ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル(ナブパクリタキセル、nab-PTX)+ゲムシタビン(GEM)併用療法は、GEM単独療法に比べ高い有効性をもたらすことが、米国・Translational Genomics Research InstituteのDaniel D. Von Hoff氏らの検討で示された。GEMは、1997年以降、切除不能な局所進行・転移性膵がんの1次治療の標準治療とされている。この間に、多くの薬剤が第2相試験で有望な結果を示したが、第3相試験で生存期間の有意な改善効果を達成したのはGEM+エルロチニブと、オキサリプラチン+イリノテカン+フルオロウラシル+ロイコボリン(FOLFIRINOX)だけであった。nab-PTX+GEM併用療法は、第1/2相試験で転移性膵がんに対する実質的な臨床効果が確認されていた。NEJM誌オンライン版2013年10月16日号掲載の報告。

膵がん完全切除患者へのゲムシタビン、無病生存期間2倍に延長/JAMA

 膵がん完全切除患者へのゲムシタビン(商品名:ジェムザールほか)による補助化学療法は、無病生存期間を2倍延長する可能性があることが示された。5年生存率、10年生存率も、補助化学療法により改善が示された。ドイツ・シャリテ大学病院のHelmut Oettle氏らが行った、膵がん完全切除患者に対するゲムシタビンの有効性と安全性に関する第3相治験「CONKO-001」の結果で、JAMA誌2013年10月9日号で発表された。ゲムシタビンは、進行性膵がんの標準治療であるが、補助療法としての生存への効果はこれまで明らかにされていなかった。

皮膚がん生検までの期間を短縮:テレダーマトロジー

 米国・エモリー大学のEstelle Kahn氏らは、頻度の高いタイプの皮膚がんの生検までの時間について、従来方法での紹介と比べてテレダーマトロジー(遠隔皮膚診断)による紹介法により短縮されるかを調べた。その結果、有意に短縮されたことが明らかになったことを報告した。Telemedicine Journal and e-Health誌2013年10月号の掲載報告。

乳がんの術後補助ホルモン療法の早期中止は予後不良に関連~九州大学

 ホルモン受容体陽性乳がんの再発率と死亡率を減少させるには、ホルモン療法を完遂することが重要である。九州大学の武谷 憲二氏(現飯塚病院)らは、自院での術後補助ホルモン療法の完遂率と早期中止に関連する因子を検討したところ、5年間の術後補助ホルモン療法の完遂率は90%以上であり、早期中止した患者のほうが無再発生存率が低かったことが示された。Surgery Today誌オンライン版2013年10月19日号に掲載。

新規抗VEGFR-2抗体薬、進行・再発胃がんの全生存期間を延長/Lancet

 初回化学療法後に増悪が認められた進行・再発の胃・胃食道接合部腺がん患者に対して、抗VEGFR-2抗体薬ラムシルマブ(Ramucirumab)単剤投与に生存ベネフィットがあることが報告された。米国・ハーバードメディカルスクールのCharles S Fuchs氏らが行ったプラセボ対照の無作為化二重盲検第3相国際共同試験「REGARD」の結果で、全生存期間(OS)の改善および無増悪生存期間(PFS)の延長がいずれも有意に認められたという。Lancet誌オンライン版2013年10月1日号掲載の報告より。

ゲル充填人工乳房「ナトレル 410 ブレスト・インプラント」日本での製造販売承認を取得

 アラガン・ジャパン株式会社(本社:東京都、代表取締役社長 レオ・ワイ・リー)は2013年10月11日、ゲル充填人工乳房「ナトレル410ブレスト・インプラント」について、乳房再建術又は成人女性の乳房増大術に対する製造販売承認を厚生労働省よりに取得したと発表。(医療機器承認番号:22500BZX00460000)