腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:332

ネガティブスタディだが効果予測指標はPD-L1ではない!?(解説:倉原 優 氏)-696

CheckMate026試験は、腫瘍細胞の1%以上がPD-L1を発現している、未治療のIV期非小細胞肺がん患者に対して、初回治療としてのニボルマブ(商品名:オプジーボ)単剤治療とプラチナ併用療法を比較するランダム化比較試験である。ニボルマブは現時点では2次治療で一定の地位を確立している。それにしても、CheckMateと名の付く臨床試験が多いため、一臨床医にはなかなか覚えにくい。

ADTにアビラテロンの併用で、ホルモン療法未治療の前立腺がんの生存延長/NEJM

 新たに診断されたホルモン療法未治療の転移のある前立腺がん患者において、アンドロゲン除去療法(androgen-deprivation therapy:ADT)に、アンドロゲン合成酵素(CYP17)の選択的阻害薬であるアビラテロン酢酸エステル(アビラテロン[商品名:ザイティガ])とprednisoneを併用することにより、全生存期間(OS)と画像評価による無増悪生存期間(rPFS)が有意に延長することが示された。フランス・パリ第11大学のKarim Fizazi氏らが、34ヵ国235施設で実施された第III相国際共同無作為化二重盲検比較試験「LATITUDE」の結果を報告した。NEJM誌オンライン版2017年6月4日号掲載の報告。

レゴラフェニブ、肝細胞がん2次治療の適応承認:バイエル薬品

 バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:ハイケ・プリンツ)は2017年6月26日、抗悪性腫瘍剤レゴラフェニブ(商品名:スチバーガ)が、厚生労働省より「がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌」に対する効能・効果の承認を取得した旨を発表した。本邦において、切除不能な肝細胞がん(HCC)の全身療法として承認を得ている治療選択肢は、ソラフェニブ(商品名:ネクサバール)しかなく、同剤による治療後に病勢進行した場合の2次治療薬は8年もの間、アンメット・メディカル・ニーズとなっていた。

アビラテロンの早期追加でホルモン未治療前立腺がんの予後改善/NEJM

 局所進行・転移性前立腺がんの治療において、アンドロゲン除去療法(ADT)にアビラテロン酢酸エステル(商品名:ザイティガ)(以下、アビラテロン)+プレドニゾロンを併用すると、ADT単独に比べ全生存(OS)率および治療奏効維持生存(failure-free survival:FFS)率が有意に改善することが、英国・バーミンガム大学のNicholas D. James氏らが行ったSTAMPEDE試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2017年6月3日号に掲載された。

PARP阻害薬olaparib、既治療のBRCA乳がんの予後を改善/NEJM

 既治療の生殖細胞系BRCA遺伝子変異陽性でHER2陰性の転移のある乳がん患者の治療において、olaparibは標準治療に比べ無増悪生存(PFS)期間中央値を2.8ヵ月延長し、病勢進行や死亡のリスクを42%低減することが、米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのMark Robson氏らが行ったOlympiAD試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2017年6月4日号に掲載された。olaparibは、経口ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬で、米国ではBRCA遺伝子変異陽性の再発卵巣がんの治療薬として承認を得ており、生殖細胞系BRCA遺伝子変異陽性で転移のある乳がんでも有望な抗腫瘍活性が示されている。

アレクチニブ、未治療ALK陽性非小細胞肺がんに奏効/NEJM

 未治療の未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療において、アレクチニブ(商品名:アレサン)はクリゾチニブ(同:ザーコリ)よりも有効性に優れ忍容性も良好であることが認められた。スイス・ローザンヌ大学病院のSolange Peters氏らが、国際共同無作為化非盲検第III相試験「ALEX」の結果を報告した。選択的ALK阻害薬アレクチニブは、ALK陽性NSCLCに対し、全身性の効果に加え中枢神経系(CNS)の転移にも有効であることが示唆されていた。NEJM誌オンライン版2017年6月6日号の掲載報告。

進行肝細胞がんの1次治療薬となるか?レンバチニブの第III相試験/ASCO2017

 肝細胞がんは世界第2位の死亡原因であり、毎年74万5,000人が死亡している。ソラフェニブ(商品名:ネクサバール)は、進行肝細胞がん(HCC)の1次治療で唯一、生存期間延長が証明された全身療法である。最近10年間で、幾多の第III相試験がソラフェニブに対する非劣性あるいは優越性評価を行ったものの、失敗に終わっている。レンバチニブ(商品名:レンビマ)は、VEGFR1~3、FGFR1~4、PDGFRα、RET、KITを標的とした経口マルチキナーゼ阻害薬であり、進行HCCの第II相試験において優れた臨床活性を示している。進行HCCの1次治療でソラフェニブとレンバチニブを比較した、国際無作為化オープンラベル第III相非劣性試験REFLECT試験の最終結果を台湾National Taiwan University HospitalのAnn-Lii Cheng氏が報告した。