腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:329

肺がんMYSTIC試験、durvalumab・tremelimumab併用の一部結果を発表

 AstraZenecaとその生物製剤研究開発拠点MedImmuneは2017年7月27日、未治療のStageIV非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療選択において、抗PD-L1抗体durvalumab単独療法またはdurvalumab・tremelimumab(抗CTLA-4抗体)併用療法と、プラチナベースの標準化学療法(SoC)をそれぞれ比較した、第III相MYSTIC試験の無増悪生存期間(PFS)の結果を発表。

新たなエビデンスを生み続けるMAMS(解説:榎本 裕 氏)-704

STAMPEDE試験といえば、2016年のLancet誌に出た報告が記憶に新しい。未治療の進行前立腺がんに対し、標準的なADTにドセタキセル(DTX)化学療法を6コース追加することで全生存率の有意な改善を示したものである。前年に同様の結果を報告したCHAARTED試験とともに、未治療進行前立腺がんの治療を変容しつつある(本邦では保険適応の問題から、普及にはまだ遠いが)。

成人前のボディサイズが乳がんリスクと逆相関

 成人前の体の大きさが成人後の乳がんリスクと逆相関するが、この関連が腫瘍の特性によって異なるかどうかは不明である。今回、スウェーデン・カロリンスカ研究所のMd Shajedur Rahman Shawon氏らが行ったプール解析により、その逆相関がさらに支持され、また18歳時の体の大きさと腫瘍サイズとの逆相関がみられた。腫瘍サイズとの逆相関について、著者らはマンモグラフィ密度が関わっているかもしれないと考察している。Breast cancer research誌2017年7月21日号に掲載。

転移性前立腺がんの初期治療の行方は?(解説:榎本 裕 氏)-702

1941年のHuggins and Hodgesの報告以来、転移性前立腺がん治療の中心はアンドロゲン除去療法(ADT)であった。近年、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)に対する治療薬が次々に登場し、治療戦略が大きく変容しているが、転移性前立腺がんの初期治療に関しては70年以上にわたってほとんど進歩がなかった。第1世代の抗アンドロゲン薬(ビカルタミド、フルタミドなど)を併用するMAB(maximum androgen blockade)療法が広く行われているが、OSに対するベネフィットを示す報告は少ない。

HER2陽性乳がんの延長アジュバントにneratinib承認

 米国食品医薬品局(FDA)は2017年7月17日、早期のHER2陽性乳がんの長期アジュバント治療に、pan-HERチロシンキナーゼ阻害薬neratinibを承認した。neratinib治療は、この対象患者で初となる延長アジュバント療法であり、がんの再発リスクをさらに下げるため初回治療後に行われる。neratinibの適応患者はトラスツズマブレジメンの既治療患者である。

限局性前立腺がん長期転帰、手術 vs. 経過観察/NEJM

 限局性前立腺がん患者に対する手術は経過観察と比べて、全死因死亡や前立腺がん死亡率を有意に低下しない。米国・ミネアポリス退役軍人(VA)ヘルスケアシステムのTimothy J. Wilt氏らが、患者731例を約20年間追跡した無作為化試験の結果、明らかにした。手術群は経過観察群と比べて有害事象の発現頻度が高かったが、病勢進行や追加治療のリスクが有意に低く、それらの大半が限局性または無症候性の生化学的進行であった。先行研究で、限局性前立腺がんで手術を受けた患者と経過観察のみを行った患者の死亡率について有意差がないことが明らかになっていたが、非致死的健康アウトカムや長期死亡に関しては不明なままであった。NEJM誌2017年7月13日号掲載の報告。

inotuzumab ozogamicin、CD22+前駆B細胞性ALLに欧州で承認

 米国ファイザー社は2017年6月30日、inotuzumab ozogamicinが「再発または難治性のCD22陽性前駆B細胞性急性リンパ性白血病(ALL)」の成人患者に対する単剤療法として欧州委員会より承認を受けたことを発表した。今回の適応には、フィラデルフィア染色体陰性(Ph-)だけでなく、同陽性(Ph+)の再発または難治性の前駆B細胞性ALLも含まれている。Ph+のCD22陽性前駆B細胞性ALLの場合、少なくとも1種類以上のチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)による治療が奏効しなかった成人患者を適応とする。